JP2006213625A - カルボキシル基含有化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な光硬化性を有し、形成された被膜にタックを残存させがたく、アルカリ溶解性に優れたカルボキシル基含有化合物およびそれが用いられた感光性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】式(I):
(H2C=C(R1)COO)m-X-(OCOCH(R1)CH2S(R2)COOH)n (I)
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数1〜12の炭化水素基、Xはm+n価の炭素数3〜60の有機基、m+nはXの価数を示し、mは2〜18の整数、nは1〜3の整数を示す)で表されるカルボキシル基含有化合物、ならびに前記カルボキシル基含有化合物を含有してなる感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、カルボキシル基含有化合物に関する。さらに詳しくは、例えば、塗料、インキ、接着剤、絶縁材料などに用いられる感光性樹脂組成物に有用なカルボキシル基含有化合物およびそれが用いられた感光性樹脂組成物に関する。
一般に、感光性樹脂組成物には、その硬化性を制御するために、多官能性アクリルモノマーやオリゴマーが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、多官能性アクリルモノマーなどを用いた場合、感光性樹脂組成物の硬化性が向上するが、形成された被膜に生じたタックが残存しやすく、また後工程で使用されるアルカリ現像液に対する溶解性に劣り、現像残りや現像液の使用量が増えるため、煩雑な廃水処理を必要とするという欠点がある。
特許第3148429号明細書
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、良好な光硬化性を有し、形成された被膜にタックを残存させがたく、アルカリ溶解性に優れたカルボキシル基含有化合物およびそれが用いられた感光性樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明は、
(1)式(I):
(H2C=C(R1)COO)m-X-(OCOCH(R1)CH2S(R2)COOH)n (I)
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数1〜12の炭化水素基、Xはm+n価の炭素数3〜60の有機基、m+nはXの価数を示し、mは2〜18の整数、nは1〜3の整数を示す)
で表されるカルボキシル基含有化合物、ならびに
(2)前記カルボキシル基含有化合物を含有してなる感光性樹脂組成物
に関する。
本発明のカルボキシル基含有化合物およびそれが用いられた感光性樹脂組成物は、良好な光硬化性を有し、形成された被膜にタックを残存させがたく、アルカリ溶解性に優れるという効果を奏する。
本発明のカルボキシル基含有化合物は、前記したように、式(I):
(H2C=C(R1)COO)m-X-(OCOCH(R1)CH2S(R2)COOH)n (I)
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数1〜12の炭化水素基、Xはm+n価の炭素数3〜60の有機基、m+nはXの価数を示し、mは2〜18の整数、nは1〜3の整数を示す)
で表される化合物である。
1は、水素原子またはメチル基である。
2は、炭素数1〜12の炭化水素基である。好適な炭化水素基の代表例としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基などが挙げられる。これらのなかでは、炭素数1〜2のアルキル基および炭素数6〜10のアリール基が好ましい。
Xは、m+n価の炭素数3〜60の有機基を示す。好適なXとしては、トリメチロールプロパンおよびその誘導体、グリセリンおよびその誘導体、ペンタエリスリトールおよびその誘導体、ジトリメチロールプロパンおよびその誘導体、ジペンタエリスリトールおよびその誘導体、ペンタエリスリトールおよびそのポリイソシアネート変性体、ならびにジペンタエリスリトールおよびそのポリイソシアネート変性体などの化合物のm+n価の基が挙げられる。これらのなかでは、トリメチロールプロパンおよびその誘導体、ペンタエリスリトールおよびその誘導体、ならびにジペンタエリスリトールおよびその誘導体からなる群より選ばれた化合物のm+n価の基が好ましい。
Xの具体例としては、例えば、式:
Figure 2006213625
(式中、R3はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキレン基、-CH2CH2OCH2-または-CH2(CH3)CH-O-CH2-、R4は炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表される4価の基(トリメチロールプロパンおよびその誘導体に由来の基)、式:
Figure 2006213625
(式中、R5はそれぞれ独立して直接結合(共有結合)、-OCH2CH2-または-OCH(CH3)CH2-を示す)で表される3価の基(グリセリンおよびその誘導体に由来の基)、式:
Figure 2006213625
(式中、R6はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキレン基、-CH2CH2OCH2-または-CH2(CH3)CH-O-CH2-を示す)で表される4価の基(ペンタエリスリトールおよびその誘導体に由来の基)、式:
Figure 2006213625
(式中、R7はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基、R8はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキレン基、-CH2CH2OCH2-または-CH2(CH3)CH-O-CH2-を示す)で表される4価の基(ジトリメチロールプロパンおよびその誘導体に由来の基)、式:
Figure 2006213625
(式中、R9はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキレン基、-CH2CH2OCH2-または-CH2CH2CH2CH2COOCH2-を示す)で表される6価の基(ジペンタエリスリトールおよびその誘導体に由来の基)、式:
Figure 2006213625
(式中、R10はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキレン基、R11は炭素数6〜12の脂肪族または芳香族炭化水素基を示す)で表される6価の基(ペンタエリスリトールのポリイソシアネート変性体に由来の基)、式:
Figure 2006213625
(式中、R12はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキレン基、R13は炭素数6〜12の脂肪族または芳香族炭化水素基を示す)で表される10価の基(ジペンタエリスリトールのポリイソシアネート変性体に由来の基)などが挙げられる。これらのなかでは、トリメチロールプロパンおよびその誘導体に由来の基、ペンタエリスリトールおよびその誘導体に由来の基、ならびにジペンタエリスリトールおよびその誘導体に由来の基が好ましい。
mは、Xに結合しているH2C=C(R1)COO-基の数を示す。mは、2〜18の整数であるが、好ましくは3〜10の整数の整数である。
nは、Xに結合している-OCOCH(R1)CH2S(R2)COOH基の数を示す。nは、1〜3の整数であるが、好ましくは1または2である。
式(I)で表されるカルボキシル基含有化合物は、例えば、Xで表される有機基を与える化合物にアクリル酸とエステル化してアクリル化させた後、得られた化合物にメルカプト化合物を付加させる方法、Xで表される有機基を与える化合物をポリイソシアネート化合物で変性させた後、得られた化合物に水酸基を有するアクリレート化合物でアクリル化させた後、得られた化合物にメルカプト化合物を付加させる方法、Xで表される有機基を与える化合物にアクリル酸とエステル化してアクリル化させた後、ポリイソシアネート化合物で変性させた後、得られた化合物にメルカプト化合物を付加させる方法などによって、容易に調製することができる。
Xで表される有機基を与える化合物としては、例えば、トリメチロールプロパン、トリメチロールプロパンのエチレンオキシド付加物、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド付加物、トリメチロールプロパンのカプロラクトン付加物などのトリメチロールプロパンおよびその誘導体;グリセリンのグリセリンノエチレンオキシド付加物、グリセリンのプロピレンオキシド付加物、グリセリンのカプロラクトン付加物、ポリグリセリン、ポリグリセリンのエチレンオキシド付加物、ポリグリセリンのプロピレンオキシド付加物、ポリグリセリンのカプロラクトン付加物などのグリセリンおよびその誘導体;ペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールのエチレンオキシド付加物、ペンタエリスリトールのプロピレンオキシド付加物、ペンタエリスリトールのカプロラクトン付加物などのペンタエリスリトールおよびその誘導体;ジトリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパンのエチレンオキシド付加物、ジトリメチロールプロパンのプロピレンオキシド付加物、ジトリメチロールプロパンのカプロラクトン付加物などのジトリメチロールプロパンおよびその誘導体;ジペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールのエチレンオキシド付加物、ジペンタエリスリトールのプロピレンオキシド付加物、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン付加物などのジペンタエリスリトールおよびその誘導体;前記ペンタエリスリトールおよび前記ジペンタエリスリトールのポリイソシアネート変性物などが挙げられる。
メルカプト化合物としては、例えば、メルカプト酢酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸、o-メルカプト安息香酸、2-メルカプトニコチン酸、メルカプトコハク酸などが挙げられる。
以下に、Xで表される有機基を与える化合物をアクリル化させた後、得られた化合物にメルカプト化合物を付加させる方法について説明する。
前記方法においては、Xで表される有機基を与える化合物を出発物質として用い、これをアクリル化させた後に用いる代わりに、あらかじめ、Xで表される有機基を与える化合物をアクリル化させておいた化合物(以下、アクリル化化合物という)を出発物質として用いることができる。
アクリル化化合物にメルカプト化合物を付加させる場合、メルカプト化合物の量は、アクリル化化合物100重量部あたり、0.1〜100重量部、好ましくは1〜30重量部であることが好ましい。
アクリル化化合物にメルカプト化合物を付加させる反応は、無溶媒でもかまわないが、必要に応じて、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシプロピレングリコール、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル系有機溶媒、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶媒、ジイソプロピルエーテル、ジグライム等のエーテル系有機溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族系有機溶媒などの有機溶媒中で行うことができる。
また、反応の際には、例えば、トリフェニルホスフィン等のリン化合物、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルベンジルアミン等のアミン類およびその4級塩などの触媒を用いることができる。触媒の量は、通常、メルカプト化合物1モルに対して、0.1〜30モル%程度であることが好ましい。また、反応温度は、通常、40〜100℃程度であることが好ましい。
かくして、本発明のカルボキシル基含有化合物が得られる。得られたカルボキシル基含有化合物は、必要により、精製した後に使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、前記カルボキシル基含有化合物を含有するものである。感光性樹脂組成物におけるカルボキシル基含有化合物の含有量は、光硬化性・タック性・耐薬品性および現像性の観点から、1〜50重量%、好ましくは2〜40重量%であることが望ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、必要により、有機溶媒を用いることができる。かかる有機溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシプロピレングリコール、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル系有機溶媒、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶媒、ジイソプロピルエーテル、ジグライム等のエーテル系有機溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族溶媒などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。有機溶媒の量は、カルボキシル基含有化合物および必要に応じて添加される添加剤の残部であり、全量が100重量%となるように調整することができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、例えば、可塑剤、レベリング剤、消泡剤、着色剤などの添加剤を適量で添加することができる。
本発明の感光性樹脂組成物を基材に塗布する方法としては、例えば、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、浸漬法などがあげられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
本発明の感光性樹脂組成物を適用しうる基材としては、例えば、鉄、銅、ステンレス鋼などの金属製基材、ガラス製基材、エポキシ樹脂製基材、アクリル樹脂製基材、ポリカーボネート製基材、ポリエステル製基材などの樹脂製基材などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。また、基材の形状にも特に限定がなく、その用途に応じた形状を有していればよい。
本発明の感光性樹脂組成物の塗布後の被膜の厚さは、その用途などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、0.1〜50μm程度であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、良好な光硬化性を有し、また、本発明の感光性樹脂組成物から形成された被膜は、タックを残存しがたく、アルカリ溶解性に優れるという性質を有するものである。
次に本発明を実施例などに基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例などに限定されるものではない。
実施例1
1L容の四つ口フラスコ内に、トリメチロールプロパンをアクリレート化させることによって得られたトリメチロールプロパントリアクリレート298g、メルカプト酢酸31g、N,N−ジメチルベンジルアミン1gおよび4−メトキシフェノール0.6gを仕込み、50〜60℃の温度で4時間反応を行い、油状物を得た。
トリメチロールプロパントリアクリレートおよび得られた油状物のゲルパーミエイションクロマトグラフィーを東ソー(株)製、HLC-8120(カラム:SUPER-H 2500/2連結、検出器:UV)にて測定した。トリメチロールプロパントリアクリレートの結果を図1に、得られた油状物の結果を図2に示す。
図2に示された結果から、図1と対比してメルカプト酢酸のピークが消失していることから、得られた油状物は、メルカプト酢酸の付加によりトリメチロールプロパントリアクリレートが高分子量化しているものであることが確認された。また、得られた油状物の酸価を調べたところ、その酸価は48mgKOH/gであった。
次に、得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開液:n−ヘキサン−酢酸エチル(容量比7:3)〕で精製し、得られた分画液の溶媒を乾燥させたところ、透明粘稠体が収率20重量%で得られた。
得られた透明粘稠体の 1H−NMR、赤外吸収スペクトル、質量分析および元素分析を行った。その測定方法および結果は、以下のとおりである。
〔核磁気共鳴(1H-NMR)スペクトル〕
日本電子(株)製、JNM-AL300 条件:300MHz、内部標準:TMS、重クロロホルムにて測定した。その結果を図3に示す。
〔赤外吸収(IR)スペクトル〕
(株)島津製作所製、FTIR−4200条件:液膜法(塩化ナトリウム板)にて測定した。その結果を図4に示す。
〔質量分析〕
(株)島津製作所製、GC-MS QP-5000にて測定した。その結果、389であった。
〔元素分析〕
計算値(C17H24O8S):C52.6%、H6.2%、S8.3%
実測値: C53.8%、H6.6%、S6.3%
以上の結果から、得られた透明粘稠体は、式(I)において、R1が水素原子、R 2がメチレン基、Xがトリメチールプロパン基、mが2、nが1であるカルボキシル基含有化合物であることが確認された。
実施例2
1L容の四つ口フラスコ内に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート582g、メルカプトプロピオン酸53g、N,N−ジメチルベンジルアミン1gおよび4−メトキシフェノール0.6gを仕込み、50〜60℃の温度で6時間反応を行い、油状物を得た。
得られた油状物をゲルパーミエイションクロマトグラフィーで調べたところ、メルカプトプロピオン酸のピークが消失し、メルカプトプロピオン酸の付加によりジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが高分子量化していることが確認された。得られた油状物の酸価を調べたところ、44mgKOH/gであった。
実施例3
1L容の四つ口フラスコ内に、ペンタエリスリトールテトラアクリレート360g、メルカプト安息香酸77g、N,N−ジメチルベンジルアミン1gおよび4−メトキシフェノール0.6gを仕込み、50〜60℃の温度で6時間反応を行い、油状物を得た。
得られた油状物をゲルパーミエイションクロマトグラフィーで調べたところ、メルカプト安息香酸のピークが消失し、メルカプト安息香酸の付加によりペンタエリスリトールテトラアクリレートが高分子量化していることが確認された。得られた油状物の酸価を調べたところ、64mgKOH/gであった。
次に、各実施例で得られた油状物および原料として用いられた化合物の物性として、粘度、屈折率およびアルカリ溶解性を以下の方法に基づいて評価した。その結果を表1に示す。
〔粘度〕
E型粘度計を用いて25℃での粘度を測定する。
〔屈折率〕
アツベ屈折率計〔アタゴ(ATAGO)社製、品番:MODEL NAR-3T〕を用いて測定する。
〔アルカリ溶解性〕
以下の製造例1で得られたエポキシアクリレート樹脂10gに、アルカリ溶解性を調べる対象の油状物6gを調合し、その調合液をカルビトールアセエートで固形分10%溶液に希釈し、検液とした。検液1gを1%炭酸ナトリウム水溶液100gに溶解させたときの濁度を濁度計〔ハック (HACH)社製、品番:MODEL1890〕を用いて測定する。
Figure 2006213625
表1に示された結果から、各実施例で得られた油状物(カルボキシル基含有化合物)は、いずれも、その原料化合物と比べて高い粘度を有し、屈折率は1.5程度であることから高くなり、しかも耐アルカリ性に優れていることがわかる。
製造例1(エポキシアクリレート樹脂の調製)
1L容の四つ口フラスコ内に、クレゾールノボラックエポキシ樹脂〔東都化成(株)製、品番:YDCN-704〕210g、アクリル酸72g、カルビトールアセテート220g、1,4−ベンゾキノン0.75gおよびトリエチルメチルアンモニウムクロライド0.75gを仕込み、80〜90℃の温度で14時間反応させた。
得られた反応混合物の酸価は、1mgKOH/gであった。この反応混合物に、テトラヒドロフタル酸無水物60gを仕込み、80〜90℃の温度で6時間反応させてエポキシアクリレート樹脂を得た。
エポキシアクリレート樹脂を固形分換算した場合の酸価は、65mg-KOH/gであった。
実施例4
製造例1で得られたエポキシアクリレート樹脂100g、実施例2で得られた油状物60gおよび光開始剤(チバガイギー社製、商品名:イルガキュア907)12gを混合し、感光性樹脂組成物を得た。
比較例1
製造例1で得られたエポキシアクリレート樹脂100g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート60gおよび光開始剤(チバガイギー社製、商品名:イルガキュア907)12gを混合し、感光性樹脂組成物を得た。
次に、実施例4および比較例1で得られた感光性樹脂組成物をステンレス鋼板(SUS304)にバーコーター(バーコーターNo.10)で塗布した後、80℃の温度で10分間乾燥させ、形成された被膜の物性として、タック性および光硬化性を以下の方法にしたがって調べた。それらの結果を表2に示す。
〔タック性〕
形成された被膜のタックを指触により調べ、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
○:タックなし(指に被膜がひっつかない)
×:タックあり(指に被膜がひっつく)
〔光硬化性〕
形成された被膜に、紫外線(光源:2KW高圧水銀灯(80W/cm)、光源から被膜までの距離:30cm)を照射し、照射後の被膜にアセトンを1滴落としたときのアセトンによる溶解および膨潤がなくなるのに要する紫外線の照射量を測定した。なお、紫外線の照射線量が少ないほど、光硬化性に優れている。
Figure 2006213625
表2に示された結果から、実施例4で得られた感光性樹脂組成物は、比較例1で得られた感光性樹脂組成物と対比して、同程度の光硬化性を維持しつつ、タックが残存しがたいことがわかる。
本発明のカルボキシル基含有化合物およびそれが用いられた感光性樹脂組成物は、例えば、塗料、インキ、接着剤、絶縁材料などの幅広い用途に使用することができる。
実施例1で用いられたトリメチロールプロパントリアクリレートのゲルパーミエイションクロマトグラフィーの測定結果を示すグラフである。 実施例1で得られた油状物(カルボキシル基含有化合物)のゲルパーミエイションクロマトグラフィーの測定結果を示すグラフである。 実施例1で得られた透明粘稠体の 1H−NMRスペクトルを示すグラフである。 実施例1で得られた透明粘稠体の赤外吸収(IR)スペクトルを示すグラフである。

Claims (3)

  1. 式(I):
    (H2C=C(R1)COO)m-X-(OCOCH(R1)CH2S(R2)COOH)n (I)
    (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数1〜12の炭化水素基、Xはm+n価の炭素数3〜60の有機基、m+nはXの価数を示し、mは2〜18の整数、nは1〜3の整数を示す)
    で表されるカルボキシル基含有化合物。
  2. Xが、トリメチロールプロパンおよびその誘導体、グリセリンおよびその誘導体、ペンタエリスリトールおよびその誘導体、ジトリメチロールプロパンおよびその誘導体、ジペンタエリスリトールおよびその誘導体、ペンタエリスリトールおよびそのポリイソシアネート変性体、ならびにジペンタエリスリトールおよびそのポリイソシアネート変性体からなる群より選ばれた化合物のm+n価の基である請求項1記載のカルボキシル基含有化合物。
  3. 請求項1または2記載のカルボキシル基含有化合物を含有してなる感光性樹脂組成物。
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