JP2006212142A - ミシン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 縫い針5と被縫製物の位置決めを行う位置決め機構20,51と、縫い針とボタンbの位置決めを行うボタン保持機構32,72と、被縫製物とボタンの位置座標がそれぞれ複数の針数について針数ごとに記憶された複合データを記憶する記憶手段103aと、複合データに基づいて、位置決め機構及びボタン保持機構の動作制御を行う動作制御手段102と、位置座標データをミシンの外部から入力するデータ入力手段と、複数の位置座標データから二つを選択する選択手段103と、選択された位置座標データを被縫製物用とボタン用とに割り当てる割り当て手段と、割り当てられた二つの位置座標データから複合データを作成するデータ作成手段とを備えている。
【選択図】図1
Description
しかし、昨今のミシンでは、ボタンは布地とは別個に保持され、ボタンと布地とがそれぞれ個別に移動位置決めされることにより、縫い針を各ボタン穴に順番に挿通させつつも、布地に対する針落ち位置も任意に設定することが可能となっていた(例えば、特許文献1参照)。
その一方で、特許文献1に記載のミシンにあっては、針数ごとに縫い針に対する布地の相対的位置を決定する位置座標とボタンの相対的位置を決定する位置座標とが設定された位置座標データが必要であった。
つまり、前者のミシンでは一連の縫製を行うための全針数分の一平面分の位置座標が設定されたデータを使用し、後者のミシンでは全針数分の二平面分の位置座標が設定されたデータを使用していた。
このため、後者のミシンの縫製を実行するためのデータは、当該ミシンに備えられた、当該ミシンに固有の処理を実行する設定入力装置を使用しなければならなかった。このため、データの設定入力作業時には縫製を行うことができず、縫製中にはデータ設定入力作業ができないことから、作業効率が低下し、また、新たな縫製に速やかに移行することができないという不都合があった。
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明と同様の構成を備えると共に、データ出力手段は、分割されたそれぞれの位置座標データが位置決め機構用の位置座標データ及びボタン保持機構用の位置座標データとして対であったことを示す情報を付加する関連情報付与手段を備える、という構成を採っている。
また、請求項6記載の発明は、請求項4又は5に記載の発明と同様の構成を備えると共に、データ出力手段は、分割されたそれぞれの位置座標データが位置決め機構用の位置座標データ及びボタン保持機構用の位置座標データのいずれかであるかを示す情報を付加する種別情報付与手段を備える、という構成を採っている。
また、請求項8記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、複数の針数について各針数ごとに一つの位置座標が対応付けられている複数の位置座標データの外部機器との通信を行なう通信回線を備える、という構成を採っている。
そして、データ作成手段により、割り当てられた二つの位置座標データを合成して一つの複合データを作成する。
なお、ボタンの位置決め用に割り当てる位置座標データと、被縫製物の位置決め用に割り当てる位置座標データとは、それぞれ縫い針に対する相対的な位置決めに適した座標が予め設定されたものを使用することが望ましい。
さらに、従来から一般に流通する、針数ごとに一平面分の位置座標しか設定できない設定入力装置を用いて、縫い針に対して被縫製物とボタンとを個別に位置決めして縫製可能なミシンのデータ設定入力が可能となる。このため、当該ミシンの縫製中でも位置座標データを作成可能となり、縫製が制限されず、作業の高効率化を図ることが可能となる。
なお、「位置座標データ」における位置座標とは、不動の絶対的な原点に対する位置座標であっても良いし、現在の位置座標から次の目的位置の位置座標までの移動量を示す位置座標であっても良い。
また、上記割り当て手段は、ミシンのオペレータによる、被縫製物の位置決め用の位置座標データとボタンの位置決め用の位置座標データの選択指示の入力を受けて割り当てを行うものであっても良いし、取得した順番等の所定の条件に応じて自動的に割り当てを行うものであっても良い。
また、記憶手段は、データ作成手段により作成された複合データに限らず、例えば、位置座標データを利用しないで始めから複合データの各種設定内容を入力する手段を備えている場合には当該入力手段による複合データを記憶しても良いし、外部から複合データを取得する手段を備えている場合には当該取得した複合データを記憶しても良い。
また、これに付随して、針数のみが組み合わせるのに合致しないような従前に作成された位置座標データを、修正等の編集作業を行うことなく使用することが可能となる。
また、これに付随して、針数のみが組み合わせるのに合致しないような従前に作成された位置座標データを、修正等の編集作業を行うことなく使用することが可能となる。
なお、補充処理としては、足りない針数については原点や予め設定で決められた位置座標が設定される処理や、他方の位置座標データの対応する針数の位置座標データを参照してこれと同一の位置座標やこれに対応する位置座標を演算して求め設定する処理、その他、足りない針数についてのみ設定入力を要求し、入力値を設定する処理が挙げられる。
なお、分割手段は、データ作成手段により作成された複合データに限らず、例えば、位置座標データを利用しないで始めから複合データの各種設定内容を入力する手段を備えている場合には当該入力手段による複合データを対象としても良いし、外部から複合データを取得する手段を備えている場合には当該取得した複合データを対象としても良い。
また、請求項8記載の発明は、従来から一般に流通する、針数ごとに一平面分の位置座標しか設定できない設定入力装置により作成された位置座標データを通信回線を用いてミシンに入力することができ、位置座標データの設定入力作業のさらなる高効率化を図ることが可能となる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態たるボタン付けミシン1の外観の概略構成を、制御回路のブロック図とともに示すものである。ボタン付けミシン1は、その全体的な外形が、ベッド部2と、ベッド部2から立設する縦胴部3と、縦胴部3からベッド部2に対向するように延設するアーム部4とから概略的に構成される。以下の説明では、ボタン付けミシン1の前後方向、上下方向は図1で示す通りであり、それぞれY軸方向、Z軸方向とする。また図1の紙面に垂直な方向を左右方向(X軸方向)としている。
ボタン付けミシン1は、ボタンBや布地などを独立に自在に搬送することによって、多様なボタン付け縫いが可能となっている。以下、各種機構について詳細に説明する。
針上下動機構は、主軸モータ14を駆動源とし、針棒9を介して縫い針に上下の往復動作を付与すると共に針棒9を揺動させて縫い針をX軸方向に沿って移動位置決めする。
針棒9は、上下動手段としての主軸モータ14を駆動源としてクランク機構を介して上下動が行われる。また針棒9は、Y軸方向(前後方向)を中心として揺動可能な針棒支持体により上下動可能に支持されている。従って、針棒9は、上下動を行いながらその下端部の縫い針5をX軸方向(左右方向)に沿って揺動させることが可能となっている。
針棒支持体は、パルスモータである針振りモータ20を駆動源とする。この針振りモータ20は、その駆動時には、その揺動における両端部に縫い針5が位置するときに下死点となるように主軸モータ14と同期して駆動制御される。
ボタン保持機構は、ボタンBを保持すると共に縫い針5に対しX軸方向及びY軸方向に沿って移動させてX−Y平面内の任意の位置にボタンBの移動位置決めを行う。
ボタンBは、ミシンアーム部の中間下部において垂下支持されると共にその先端部が縫い針5の上下動経路近傍まで延設されたボタン保持手段としてのボタン保持アームにより保持される。かかるボタン保持アームは、その基端部において、ミシンアーム部に対してY軸方向に沿って移動可能に支持されると共に上Y送りモータ32により当該Y軸方向への駆動が行われるようになっている。
さらに、ボタン保持アームは、その基端部がX軸方向を中心として揺動可能に支持されており、且つ基端部には揺動駆動源としての上下駆動モータ35が併設されている。かかる上下駆動モータにより、ボタン保持アームの先端側で保持されるボタンBは、上下に移動することが可能となっている。
かかるチャック機構は、ボタン保持アームの先端部において、左右方向を中心として回動可能に装備されており、エアにより作動する回転シリンダ37により、90度の範囲で角度の切り替えが可能となっている。即ち、回転シリンダ37は、チャック機構がボタンBを水平に保持した通常保持位置と、ボタンBの底面が前方を向いて起立した起立保持位置とに切り替えることができる。ボタンBが水平状態の時には、すくい縫いやベタ縫いが行われ、起立状態の時には根巻き縫製が行われるようになっている。
また、チャック機構には、当該チャック機構を介してボタン保持アームに対してボタンBをX軸方向に移動位置決めするための差動モータ72が併設されている。かかる差動モータ72の制御により、ボタンBをX軸方向の任意の位置に位置決めすることが可能となっている。
このように、ボタン保持機構では、上Y送りモータ32と差動モータ72により、X−Y平面について縫い針に対してボタンBを任意の位置に位置決め可能としている。
なお、ボタン保持機構としては縫い針とボタンBが互いにX−Y平面について任意に位置決め可能であれば良く、縫い針とボタンBのいずれが一方がX軸方向、他方がY軸方向に移動可能であっても良いし、縫い針又はボタンBのいずれか一方のみがX軸方向及びY軸方向の双方に移動可能であっても良い。
ミシンベッド部は、その上面が、すくい縫いではない通常のボタン縫着縫製(いわゆるベタ縫い)を行う場合において、被縫製物たる布地を広げて載置する載置台となっている。かかる載置台には、力ボタンの縫着縫製を行う際に当該力ボタンを保持する力ボタン保持部が設けられている。
さらに、ミシンベッド部の前側先端部には、保持部材としてのタング57がその基端部をX軸方向を中心に回動可能に支持装備されている。かかるタング57は、その先端部が後方を向いた状態でミシンベッド部の前側先端部に装備されており、当該先端部には布地が折り返した状態で装着を行うように先端が薄くなる板片状に形成されている。かかるタング57の先端部は、その基端部の回動により、縫い針5の上下動経路に接離可能となっている。タングの回動はタングシリンダ66を駆動源としており、タング57の先端部が縫い針5の上下動経路に近づけると当該接近を検知するタングセンサ64が載置台に設けられており、当該タングセンサ64の出力によりタング57の先端部が縫い針5の上下動経路に最接近した状態となる使用位置にタングシリンダ66が引き寄せるようになっている。なお、使用位置までタング57が移動すると、タング57の先端部にセットされた布地を挟み込んで保持する板ばねが載置台の前方端部に設けられている。なお、タングシリンダ66は、縫製が終了すれば自動的にOFFになり、タング57は前方に倒れて元の待機位置に戻る。
前述した載置台とタング57とは、ミシンベッド部の後方本体によりY軸方向に移動可能に支持されており、下Y送りモータ51により移動位置決めすることが可能となっている。
かかる下Y送りモータ51と前述した針振りモータ20との協働により、縫い針を布地に対して相対的にX−Y平面内の任意に針落ちさせることができる。つまり、これらのモータ51,20により位置決め機構が構成されている。
なお、位置決め機構としては縫い針と布地が互いにX−Y平面について任意に位置決め可能であれば良く、縫い針と布地のいずれか一方がX軸方向、他方がY軸方向に移動可能であっても良いし、縫い針又は布地のいずれか一方のみがX軸方向及びY軸方向の双方に移動可能であっても良い。
次に、ボタン付けミシン1の制御回路について図1に基づいて説明する。ボタン付けミシン1には、本発明の制御手段であるCPU102を備える電装ボックス101が設けられ、この電装ボックス101に各部が接続されている。
例えば、電装ボックス101には、操作パネル103、電源スイッチ104、スタートペダル105、一時停止スイッチ106が接続されている。
操作パネル103は作業者(オペレータ)が、各種の情報が表示される液晶表示パネルと、その表示画面一面に配置され、オペレータの接触及びその位置を検出可能な透明のタッチセンサとを備えている。液晶表示パネルは、縫製前後又は縫製中に必要に応じて各種の情報表示を行う。また、オペレータからの各種の入力作業時には、液晶表示パネルによりスイッチやボタンが表示され、そのスイッチやボタンに対して入力を意図する接触が行われるとタッチセンサがこれを検出する。従って、CPU102は、液晶表示パネルの表示画像データとタッチセンサからの検出接触位置とから、いずれのボタンやスイッチの入力が行われたかを認識することができるようになっている。
操作パネル103には、外部記録媒体としての外部メモリ103aを接続し読み取り可能な接続手段(データ入力手段)としての図示しないリーダーライターが併設されており、外部メモリ103aに記憶された位置座標データを読み込んで縫製条件を設定できるようになっている。また、逆に、操作パネル103から入力した各種の縫製条件を外部メモリ103aで記憶することもできるようになっている。
なお、外部メモリ103aは、不揮発性の記録媒体を代用しても良く、FDのような磁気記録媒体、CD、DVDのような光記記録媒体であっても良いが、このボタン付けミシン1にあってはフラッシュメモリを使用している。
電源スイッチ104は、ボタン付けミシン1を通電状態にするためのON/OFFスイッチである。スタートペダル105は、縫製をスタートするときに操作するペダルであり、これを操作するとCPU102の制御により縫製を開始する。一時停止スイッチ106は、縫製開始後に、一時的に停止するためのスイッチである。
また、電装ボックス101内には、図示しないインターフェースが設けられ、CPU102からの制御信号がこのインターフェースを介して、さらに図示しない駆動回路を介して各駆動源に出力されるようになっている。
すなわち、インターフェースを介して、前述の主軸モータ14、針振りモータ20、上Y送りモータ32、上下駆動モータ35、差動モータ72、下Y送りモータ51が接続されている。また、インターフェースを介して電磁弁108が接続され、この電磁弁108を介して回転シリンダ37、タングシリンダ66、布押えシリンダ107が接続されている。さらに、ボタン付けミシン1には、図示しない糸切り機構が設けられ、縫製途中や縫製後に所定のタイミングで糸が切断されるようになっており、その駆動源として糸切りモータ109や糸切りシリンダ110が設けられている。
また、布地に関しては下Y送りモータ51の駆動によりY方向に移動させることができる。加えて、X軸方向に針棒9を揺動させる針振りモータ20の駆動により、縫い針5の針落ち位置をX軸方向について位置決めすることができる。
即ち、上記針振りモータ20,上Y送りモータ32,差動モータ72及び下Y送りモータ51が協働することで、ボタン保持アーム34に保持されたボタンB及びタング57に保持された布地に対して縫い針5の針落ち位置を相対的に位置決めする位置決め手段として機能する。また、下Y送りモータ51は、タング57を縫い針5から退避させる移動手段としても機能する。
まず、外部メモリ103aには複数の位置座標データが記録されている。それぞれの位置座標データは、直交座標系であるX−Y座標系の位置座標を特定する座標値(X,Y)が縫製開始から縫製完了までの全針数について各針数ごとに一つの位置座標が個別に設定されたデータである。これら位置座標データは、ボタン付けミシン1の外部、即ち、パーソナルコンピュータにより縫製データ作成プログラムを使用して作成され、外部メモリ103aに書き込まれたものである。
パーソナルコンピュータで使用される一般的な縫製データ作成プログラムは、幅広い各種のミシンに対応する必要がある。このため、各種ミシンの縫製に要する個別のパラメータに応じた数値入力を行うことができず、より単純に、針落ちごとの位置決めを行うX−Y座標系の位置座標の設定までを行うにとどめ、データの汎用性を高めている。
一方、オペレータによりデータの読み込みスイッチW1が入力されると(ステップS14:YES)、CPU102は、データ読み込み画面(図6)に表示を切り替える処理を行う。かかるデータ読み込み画面には、ボタン用の位置座標データのデータ番号変更スイッチW2と布地用の位置座標データのデータ番号変更スイッチW3と、合成された複合データにデータ番号を付与する複合データ番号変更スイッチW4と、選択されたデータ番号の位置座標データを外部メモリ103aから読み込む処理を実行させる読み込みスイッチW5の表示が行われる。
また、CPU102の処理により、布地用の位置座標データの選択切り替えスイッチW3に表示するデータ番号として、まだ選択が行われていない状態では、外部メモリ103a内の更新日付の二番目に新しい位置座標データのデータ番号が選択される(ステップS16)。
また、CPU102の処理により、複合データ番号変更スイッチW4には、まだ選択が行われていない状態では、メモリ102a内に既に存在する複合データ以外の番号で最も小さな番号の選択が行われる(ステップS17)。
また、ステップS15とS16の処理において、CPU102は、後述する処理により、外部メモリ103a内に、ボタン用である情報が既に書き込まれている位置座標データや布地用である情報が既に書き込まれている位置座標データが存在する場合には、それらの位置座標データのデータ番号をそれぞれ優先的に選択する。
かかる複合データは、ステップS17又はS24の処理で選択されたデータ番号が付与されてメモリ102a内に記憶される(ステップS27)。
まず、二つの位置座標データ(ここでは、一方をデータA、他方をデータBとする)の選択が決定されると、CPU102は確定された各データからそれぞれの縫製に要する針数を読み出すと共に、その大小を比較する(ステップS1)。
針数が同一のときには(ステップS1:YES)、CPU102は、データA及びBを結合した縫製データを新たに生成してメモリ102aに格納して(ステップS4)、処理を終了する。
針数が同一ではないときには(ステップS1:NO)、CPU102は、少ない針数に合わせて縫製を行うか否かの選択画面を操作パネル103に表示する(ステップS2)。そして、少ない針数に合わせるとする選択を検知すると(ステップS2:YES)、ステップS4に移行して、針数が多い方の位置座標データの余分な針数の位置座標を削除して二つの位置座標データを結合した新たな複合データを生成し、メモリ102aに格納し、処理を終了する。
また、少ない針数に合わせないとする選択を検知すると(ステップS2:NO)、CPU102は、余分となる各針数ごとに、位置座標のX成分とY成分のそれぞれについて数値入力を行うための補充入力画面を操作パネル103に表示する(ステップS3)。
補充入力画面において、余分となる全ての針数について位置座標の入力が行われると、ステップS4に移行して、針数が少ない方の位置座標データについて補充された位置座標の付加して二つの位置座標データを結合した新たな複合データを生成し、メモリ102aに格納し、処理を終了する。
CPU102は、複合データにより、差動モータ72,上Y送りモータ32,針振りモータ20及び下Y送りモータ51についての動作制御手段としての処理を実行する。
CPU102は、主軸モータ14の出力軸に設けられた図示しないエンコーダからの出力信号により主軸モータ14の回転数をカウントする針数カウンタを備えている。
スタートペダル105の前踏みの検出により、CPU102は、所定の処理プログラムに従って、主軸モータ14を起動し、針数カウンタを1からカウント開始し、複合データを参照して、一針目のボタンの位置座標と布地の位置座標の読み出しを行う。一針目の布地の針落ち位置は(CX1,CY1)であるため(図8参照)、CPU102は、針振りモータ20を正方向にCX1だけ駆動し、上Y送りモータ32を逆方向にCY1だけ駆動する動作制御を行う。また、一針目のボタンBの針落ち位置は(BX1,BY1)であるため(図8参照)、CPU102は、針振りによりCX1だけ移動する縫い針の位置を考慮して、差動モータ72を逆方向に(BX1−CX1)だけ駆動し、下Y送りモータ51を逆方向にBY1だけ駆動する動作制御を行う。
以下、主軸モータ14のエンコーダにより針数カウンタのカウント値が1増えるごとに、CPU102は、縫製データを参照して、差動モータ72,上Y送りモータ32,針振りモータ20及び下Y送りモータ51に対して同様の動作制御を順次実行する。そして、針数カウンタが最終針の針数を示し、その針落ちが行われると、縫製が終了する。
一方、オペレータによりデータの書き出しスイッチW11が入力されると(ステップS44:YES)、CPU102は、データ書き出し画面(図12)に表示を切り替える処理を行う。かかるデータ書き出し画面には、ボタン用の位置座標データのデータ番号変更スイッチW12と布地用の位置座標データのデータ番号変更スイッチW13と、複合データにデータ番号を選択する複合データ番号変更スイッチW14と、分離された各位置座標データを外部メモリ103aに書き込む処理を実行させる書き出しスイッチW15の表示が行われる。
また、CPU102の処理により、ボタン用の位置座標データの選択切り替えスイッチW12に表示するデータ番号として、外部メモリ103a内に存在する位置座標データのデータ番号以外であって最も小さい位置座標データのデータ番号が選択される(ステップS46)。
また、CPU102の処理により、布地用の位置座標データの選択切り替えスイッチW13に表示するデータ番号として、外部メモリ103a内に存在する位置座標データのデータ番号以外であって二番目に小さい位置座標データのデータ番号が選択される(ステップS47)。
そして、CPU102の処理により、上記各処理により選択されたデータ番号が各スイッチW12,W13,W14に表示される(ステップS48)。
即ち、図13に示すように、一連の針数について各針数ごとに一つのボタン用位置座標が設定された位置座標データ(図13(A))と、一連の針数について各針数ごとに一つの布地用位置座標が設定された位置座標データ(図13(B))とに分離する処理が行われる。
なお、ボタン用又は布地用である情報については、CPU102で識別可能ないかなる形態であっても良いし、コメント情報記憶領域に限らず、ファイル名そのものを布地用かボタン用か識別可能なものとしても良い。
また、各位置座標データには、元は一つの縫製データであったという関連或いは二つを組で縫製に使用するという関連を示す情報をそれぞれに書き込む処理を行っても良い。
ボタン付けミシン1にあっては、所定の処理プログラムをCPU102が実行することにより、一連の縫製を行うための全針数分の一平面分の位置座標が設定された位置座標データを少なくとも二つ外部メモリ103aに用意すれば、操作パネルから設定操作を行えば、その内の一つの位置座標データを被縫製物の位置決め用に、他の一つの位置座標データをボタンの位置決め用に割り当てることで、全針数分の二平面分の位置座標が設定された位置座標データ(複合データ)を用意しなくとも、縫い針に対して被縫製物とボタンとを個別に相対的に位置決めさせる動作制御を実現することが可能となる。
これにより、例えば、パーソナルコンピュータで使用する一般的な縫製データ作成プログラムにより作成される位置座標データを上記ボタン付けミシン1の縫製データとして使用することが可能となる。このため、ボタン付けミシン1の縫製中でも縫製データを作成可能となり、縫製が制限されず、作業の高効率化を図ることが可能となる。
なお、ボタンの位置決め用に割り当てる位置座標データと、被縫製物の位置決め用に割り当てる位置座標データとは、それぞれ縫い針に対する相対的な位置決めに適した座標が予め設定される。
なお、上述した操作パネル103には外部メモリ103aのリーダーライターを併設したが、これに替えて或いはこれに加えて、位置座標データを配信する通信回線との接続手段を備える構成としても良い。
また、このように組み合わせる選択が行われた外部メモリ103a内の二つの位置座標データに対して、ボタン用に割り当てられた位置座標データに対してはそのコメント情報記憶領域にボタン用であることを示す情報の書き込みを行い、布地用に割り当てられた位置座標データに対してはそのコメント情報記憶領域に布地用であることを示す情報の書き込みを行う処理を行っても良い。
さらに、二つの位置座標データに対して、そのコメント情報記憶領域に互いに関連するデータであることを示す情報の書き込みを行う処理を行っても良い。
5 縫い針
9 針棒
14 主軸モータ(上下動手段)
20 針振りモータ
32 上Y送りモータ
35 上下駆動モータ(揺動駆動源)
51 下Y送りモータ
72 差動モータ
101 電装ボックス
102 CPU
102a メモリ(記憶手段)
103 操作パネル
103a 外部メモリ
B ボタン
Claims (8)
- 縫い針に対する被縫製物の相対的な位置決めを行う位置決め機構と、
前記縫い針に対するボタンの相対的な位置決めを行うボタン保持機構と、
前記位置決め機構用の位置座標と前記ボタン保持機構用の位置座標とが複数の針数について針数ごとに記憶された複合データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された複合データに基づいて、針数ごとに前記位置決め機構及びボタン保持機構の動作制御を行う動作制御手段と、
複数の針数について各針数ごとに一つの位置座標が対応付けられている複数の位置座標データをミシンの外部から入力するデータ入力手段と、
前記外部から入力された複数の位置座標データから二つの位置座標データを選択する選択手段と、
前記選択された二つの位置座標データを前記位置決め機構用の位置座標データと前記ボタン保持機構用の位置座標データとに割り当てる割り当て手段と、
前記割り当てられた前記二つの位置座標データを合成して前記複合データを作成するデータ作成手段とを備えることを特徴とするミシン。 - 前記データ作成手段は、前記割り当てられた前記二つの位置座標データの針数を比較する針数比較手段と、
前記針数比較手段により針数が少ないと判別された方の位置座標データに合わせて前記複合データを作成する第一の針数調整手段とを備えることを特徴とする請求項1記載のミシン。 - 前記データ作成手段は、前記割り当てられた前記二つの位置座標データの針数を比較する針数比較手段と、
前記針数比較手段により針数が少ないと判別された方の位置座標データの足りない針数分の位置座標を示すデータの補充処理を行って前記一対のボタン付けデータを作成する第一の針数調整手段とを備えることを特徴とする請求項1記載のミシン。 - 前記記憶手段に記憶された前記複合データを複数の針数について各針数ごとに一つの位置座標が対応付けられている二つの位置座標データに分割してミシンの外部に出力するデータ出力手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のミシン。
- 前記データ出力手段は、前記分割されたそれぞれの位置座標データが前記位置決め機構用の位置座標データ及び前記ボタン保持機構用の位置座標データとして対であったことを示す情報を付加する関連情報付与手段を備えることを特徴とする請求項4記載のミシン。
- 前記データ出力手段は、前記分割されたそれぞれの位置座標データが前記位置決め機構用の位置座標データ及び前記ボタン保持機構用の位置座標データのいずれかであるかを示す情報を付加する種別情報付与手段を備えることを特徴とする請求項4又は5に記載のミシン。
- 前記複数の針数について各針数ごとに一つの位置座標が対応付けられている複数の位置座標データの入出力を行う外部記憶媒体との接続手段を備えることを特徴とする請求項1から6いずれかに記載のミシン。
- 前記複数の針数について各針数ごとに一つの位置座標が対応付けられている複数の位置座標データの外部機器との通信を行なう通信回線を備えることを特徴とする請求項1から7いずれかに記載のミシン。
Priority Applications (3)
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