図1は、本発明の一実施例の遊技機1の外観を示す斜視図である。遊技機1は、いわゆる「パチスロ機」である。この遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
遊技機1の全体を形成しているキャビネット2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2aが形成され、その中央には縦長矩形の表示窓4L,4C,4Rが設けられる。表示窓4L,4C,4Rには、表示ラインとして水平方向にトップライン8b、センターライン8c及びボトムライン8d、斜め方向にクロスアップライン8a及びクロスダウンライン8eが設けられている。
これらの表示ラインは、後述の1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13を操作すること(以下「BET操作」という)、或いはメダル投入口22にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される。どの表示ラインが有効化されたかは、後で説明するBETランプ9a,9b,9cの点灯で表示される。
ここで、表示ライン8a〜8eは、役の成否に関わる。具体的には、所定の役に対応する図柄組合せを構成する図柄がいずれかの有効ライン(有効化された表示ライン)に対応する所定の位置に並んで停止表示されることにより、所定の役が成立することとなる。
また、各表示窓4L,4C,4R内には、夫々縦方向(垂直方向)に3箇所(上段、中段、下段)の図柄停止位置が設けられている。各表示窓4L,4C,4R内の図柄の変動表示(移動表示)が停止した場合には、夫々3個の図柄が停止表示される。各表示ラインは、各表示窓4L,4C,4R内の図柄停止位置を結んでいる。
キャビネット2の内部には、各々の外周面に複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれた3個のリール3L,3C,3Rが回転自在に横一列に設けられ、変動表示手段を形成している。各リールの図柄は表示窓4L,4C,4Rを透して観察できるようになっている。各リールは、定速回転(例えば80回転/分)で回転する。すなわち、各表示窓4L,4C,4R及び各リール3L,3C,3Rは、複数種類の図柄を一定方向に移動表示すること及び図柄を停止表示することが可能な複数の表示部(各表示窓4L,4C,4Rなど)を有する図柄表示手段の一例である。
表示窓4L,4C,4Rの左側には、1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、情報表示部18が設けられる。1−BETランプ9a、2−BETランプ9b及び最大BETランプ9cは、一のゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯する。
1−BETランプ9aは、BET数が“1”で1本の表示ラインが有効化されたとき(1本の有効ラインが設定されたとき)に点灯する。2−BETランプ9bは、BET数が“2”で3本の表示ラインが有効化されたとき(3本の有効ラインが設定されたとき)に点灯する。最大BETランプ9cは、BET数が“3”で全て(5本)の表示ラインが有効化されたとき(全て(5本)の有効ラインが設定されたとき)に点灯する。情報表示部18は、7セグメントLEDから成り、貯留(クレジット)されているメダルの枚数、メダルの払出枚数などを表示する。
表示窓4L,4C,4Rの下方には水平面の台座部10が形成され、その台座部10と表示窓4L,4C,4Rとの間には液晶表示装置5が設けられている。この液晶表示装置5の表示画面5aでは、種々の演出表示が行われる。液晶表示装置5の右側にはメダル投入口22が設けられ、液晶表示装置5の左側には、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、及び最大BETスイッチ13が設けられる。
1−BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2−BETスイッチ12は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。これらのBETスイッチ11,12,13を操作することで、前述のとおり、所定の表示ラインが有効化される。
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により上記リールを回転させ、表示窓4L,4C,4R内での図柄の変動表示を開始するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
台座部10の前面部中央で、液晶表示装置5の下方位置には、3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン(停止操作手段)7L,7C,7Rが設けられている。メダル受け部16の上方の左右には、スピーカ21L,21Rが設けられている。なお、実施例では、一のゲーム(単位遊技)は、基本的にスタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのリール3L,3C,3Rが停止したときに終了する。
実施例では、全てのリールが回転しているときに行われるリールの停止操作(停止ボタンの操作)を「第1停止操作」、「第1停止操作」の後に行われる停止操作を「第2停止操作」、「第2停止操作」の後に行われる停止操作を「第3停止操作」という。
図2を参照して、遊技機1の内部構成について説明する。図2は、遊技機1のメインドア20を開放した状態を示す図である。
メインドア20はキャビネット2に対して施錠されており、遊技場側で管理する開錠用のキーを使用することにより開放することができる。
また、キャビネット2の右側部の内側中央には、ドア開閉スイッチ28が設けられている。ドア開閉スイッチ28は、メインドア20が開放されたこと又は閉じられたことを検出するために設けられている。
遊技機1のキャビネット2の内部の上方には、遊技機1を電気的に制御するための主制御回路71及び副制御回路72から構成される制御部が備えられている。また、制御部の下方には、各々の外周面に図柄列が描かれた3つのリール3L,3C,3Rが回転自在に横一列に設けられている。また、3つのリール3L,3C,3Rの下方には、メダルの貯蓄、払出しを行うホッパー40が備えられている。
ホッパー40の左側には、電源ボックス24が設けられている。電源ボックス24には、電源メインスイッチ25、リセットスイッチ26、設定用鍵型スイッチ27及び遊技不能解除スイッチ29(操作手段)が設けられている。
電源メインスイッチ25は、遊技機1に電源を入れるために設けられている。また、リセットスイッチ26は、遊技者の有利さの度合いを区別するための指標である6段階の設定値を選択するためなどに設けられている。また、設定用鍵型スイッチ27は、設定値の設定を開始又は決定するために設けられている。実施例の設定値は、リセットスイッチ26と設定用鍵型スイッチ27を操作することにより設定することができる。
6段階の設定値のいずれかを選択することにより、役に当選する確率を調整し、結果として払出されるメダルの総数(総払出数)と遊技機に投入されたメダルの総数(総BET数)とから算出される値(例えばペイアウト率など)を調整できるようにしている。すなわち、設定値は、内部当選役を決定するための確率抽選テーブルを選択(セット)する際に使用する選択情報である。
具体的には、設定用鍵型スイッチ27に遊技場側が管理する設定キーを差し込み、右方向に回動させた状態(図中の「ON」の位置)で電源メインスイッチ26をONに入れると、前述の情報表示部18に現在の設定値が表示される。そして、前述のリセットスイッチ26を操作することにより、情報表示部18に表示された設定値が“1”〜“6”の範囲で増減し、所望の設定値を選択することができる。所望の設定値を選択した後、設定用鍵型スイッチ27を左方向(図中の「OFF」の位置)に回動させ、設定キーを引き抜くことにより、選択した設定値が設定され、通常の遊技を開始できる状態となる。
また、遊技不能解除スイッチ29は、遊技機1での遊技不能状態を解除するために設けられている。実施例の遊技不能状態は、設定値が不正な方法により変更されたと判定された場合に発生される。
ここで、設定値は、当選確率の調整やそれに伴うペイアウト率の調整などに関わり、遊技者と遊技場側の利益に関わる重要な要素である。設定値には、当選役に当選する確率やそれに伴うペイアウト率などが対応して定められている。当選確率やペイアウト率が高いほど、より多くのメダルを獲得することができる可能性が生じるので、遊技者にとっては有利となる。設定した設定値によって、当選役に当選する確率やペイアウト率を調整し、遊技者にとっての有利さの度合いを調整することとしている。
また、遊技不能状態は、遊技機1にメダルを投入する操作やBETスイッチ11〜13の操作或いは遊技を開始するためのスタートレバー6の操作等の遊技者による遊技操作が無効とされる状態である。これにより、投入メダルセンサ22SやBETスイッチ11〜13やスタートスイッチ6Sからの入力が無効とされる。このため、遊技不能状態では、ゲームを行うことができない。従って、遊技者は、ゲームを強制的に中止させられる。
図3は、各リール3L,3C,3Rに表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には“00”〜“20”のコードナンバーが付され、データテーブルとして後で説明するROM32(図4)に格納(記憶)されている。各リール3L,3C,3R上には、“青7(図柄91)”、“赤7(図柄92)”、“BAR(図柄93)”、“プラム(図柄94)”、“スイカ(図柄95)”、“Replay(図柄96)”、及び“チェリー(図柄97)”の図柄で構成される図柄列が表わされている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図3の矢印方向に移動するように回転駆動される。
“チェリー”(所定図柄)は、所定の変動表示部内(例えば、左の表示窓4L)に停止して表示されることにより所定の役(例えば、後述のチェリーの小役)の成立が確定する図柄である。
ここで、実施例の役には、BB、RB、リプレイ、スイカの小役、プラムの小役、上下チェリーの小役、及び中チェリーの小役が設けられている。また、BBは、第1種特別役物に係る役物連続作動装置である。RBは、第1種特別役物である。
図4は、遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置5、スピーカ21L,21R、LED類101及びランプ類102を制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を含む。
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。尚、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、即ちCPU31の動作プログラム上で、乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ30のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽選テーブル(図7)、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止テーブル群、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報等を入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。RAM33には、種々の情報が格納される。例えば、フラグ、遊技状態の情報等が格納される。
図4の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、BETランプ(1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c)と、情報表示部18と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払い出すホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
更に、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、BETランプ9a,9b,9cを駆動制御するランプ駆動回路45、及び情報表示部18を駆動制御する表示部駆動回路48がCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、メダルセンサ22S、リール停止信号回路46、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51、電源メインスイッチ25、リセットスイッチ26、設定用鍵型スイッチ27、ドア開閉スイッチ28、遊技不能解除スイッチ29がある。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出し、遊技開始指令信号を出力する。すなわち、スタートスイッチ6Sは、遊技者による操作に応じて、単位遊技の開始を指令する遊技開始指令信号を出力する遊技開始指令手段の一例である。メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検出する。リール停止信号回路46は、各停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて停止信号(停止指令信号)を発生する。すなわち、リール停止信号回路46は、複数の表示部夫々に対応して設けられ、遊技者による操作に応じて、対応する表示部における図柄の移動表示の停止を指令する停止指令信号を出力する停止指令手段の一例である。ここで、停止ボタン7L,7C,7Rの各々に停止指令信号を出力するスイッチを内蔵するようにしてもよい。
リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
電源メインスイッチ25は、遊技機1に電源を投入するためのスイッチである。なお、各アクチュエータ等へ電力を供給する電源回路については省略している。また、CPU31は、リセットスイッチ26からの信号に基づいて、選択された設定値を判別する。また、CPU31は、設定用鍵型スイッチ27からの信号に基づいて、設定値の変更処理が開始したことや終了したことを判別する。また、CPU31は、ドア開閉スイッチ28からの信号に基づいて、メインドア20が開放された状態であるか閉じられた状態であるかを判別する。また、CPU31は、遊技不能解除スイッチ29からの信号に基づいて、遊技不能状態の解除操作が開始されたことなどを判別する。
図4の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数及びROM32内に格納されている確率抽選テーブルに基づいて、当選役が決定される。
リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
上記のようなリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブル(図示せず)が、ROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
更に、ROM32内には、図柄組合せテーブル(図示せず)が格納されている。この図柄組合せテーブルでは、役に対応する図柄の組合せと、図柄の組合せに対応するメダル配当枚数と、その判定コードとが対応づけられている。上記の図柄組合せテーブルは、左のリール3L,中央のリール3C,右のリール3Rの停止制御時、及び全リール3L,3C,3Rの停止後の表示役の確認を行う場合に参照される。表示役は、表示ラインに沿って並ぶ図柄組合せに対応する役(成立役)である。
上記乱数サンプリングに基づく抽選処理(確率抽選処理)に基づいて、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングでリール停止信号回路46から送られる操作信号、及び選択された「停止テーブル」に基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
当選した役を示す停止態様となれば、CPU31は、払出指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定個数のメダルの払出を行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、「メダル払出処理」を終了する。
図5は、各遊技状態の発生条件、移行条件、及び移行条件が充足された場合の移行先の遊技状態を示す。各遊技状態では、基本的に、内部当選する役の種類或いはその当選確率が異なる。
実施例の遊技状態には、基本的に、一般遊技状態、BB遊技状態、RB遊技状態、BB持越状態、及びRB持越状態がある。BB持越状態、及びRB持越状態を、以下「持越状態」という。また、この持越状態中において持ち越された役を、以下「持越役」という。
一般遊技状態は、基本的に、いわゆる「出玉率」(遊技に賭けられた単位遊技価値に対して遊技者に付与される遊技価値)の期待値が“1”よりも小さい遊技状態である。また、後述の持越役がない遊技状態であり、他の遊技状態と比べて遊技者にとって最も不利な遊技状態である。
BB遊技状態は、BB一般遊技状態及びRB遊技状態により構成される遊技状態である。また、BB遊技状態は、基本的に、「第1種特別役物に係る役物連続作動装置」が作動しているゲームにより構成される遊技状態である。
RB遊技状態は、基本的に、「第1種特別役物」が作動しているゲームにより構成される遊技状態である。
BB持越状態は、BBに対応する図柄組合せが表示ラインに沿って並ぶこと(BBの成立)が一又は複数のゲームにわたり許容された遊技状態である。
RB持越状態は、RBに対応する図柄組合せが表示ラインに沿って並ぶこと(RBの成立)が一又は複数のゲームにわたり許容された遊技状態である。
ここで、後述のように、BB一般遊技状態中において特定の条件が充足することにより、RBに対応する図柄組合せが表示されることなくRB遊技状態が発生(RB遊技状態に移行)する。また、BB遊技状態(BB一般遊技状態及びBB遊技状態中におけるRB遊技状態)中においてRBが内部当選した場合は、BB遊技状態中の一又は複数のゲームにわたりRB持越状態(BB中RB持越状態)を発生させ、RBに対応する図柄組合せが表示された場合には、RB持越状態(BB中RB持越状態)からBB遊技状態中におけるRB遊技状態に遊技状態を移行させる。
また、BB遊技状態中においてRBが内部当選した場合、又はRB持越状態中にRBに対応する図柄組合せが表示されず、特定の条件が成立した場合にも、現在の遊技状態(例えば、BB中RB遊技状態)からBB遊技状態中におけるRB遊技状態に遊技状態を移行させることもできる。しかし、RB持越状態(BB中RB持越状態)中にBB遊技状態の終了条件が成立した場合には、RB持越状態(BB中RB持越状態)から一般遊技状態に遊技状態を移行させるようにしている。他方、一般遊技状態中においてRBに内部当選することにより、RB持越状態へ移行し、RBの持ち越しが行われる。
図5に示すように、BB遊技状態の発生条件は、BBの成立である。獲得枚数(例えば、いわゆる「純増枚数」或いは「払出枚数」)が所定枚数(例えば、466枚)以上となることにより遊技状態の移行条件が成立(充足)し、遊技状態が一般遊技状態へ移行する。
一般遊技状態中におけるRB遊技状態の発生条件は、RBの成立である。所定回数(例えば、12回)のゲームが終了すること、所定回数(例えば、8回)の成立が実現することという条件のうちのいずれかが成立することにより移行条件が成立し、遊技状態が一般遊技状態へ移行する。
持越状態の発生条件は、BBに内部当選すること、RBに内部当選すること、又はBB遊技状態中においてRBに内部当選することのいずれかである。BB、又はRBが成立すること、BB遊技状態が終了すること、又はBB遊技状態中においてRB遊技状態が開始することにより移行条件が成立し、遊技状態がBB遊技状態、RB遊技状態、又は一般遊技状態へ移行する。
BB一般遊技状態の発生条件は、BBが成立すること、又はBB遊技状態中においてRB遊技状態が終了することである。BB遊技状態が終了すること、又はBB遊技状態中におけるRB遊技状態が開始することにより移行条件が成立し、遊技状態が一般遊技状態又はRB遊技状態へ移行する。
BB遊技状態中におけるRB遊技状態の発生条件は、BB一般遊技状態中又はBB遊技状態中におけるRB遊技状態において特定の条件が成立すること、又はBB一般遊技状態中若しくはBB遊技状態におけるRB遊技状態中にRBが成立することである。所定回数(例えば、12回)のゲームが終了すること、所定回数(例えば、8回)の成立が実現すること、又はBB遊技状態が終了することという条件のうちのいずれかが成立することにより移行条件が成立し、遊技状態が一般遊技状態、BB遊技状態中におけるRB遊技状態、又はBB一般遊技状態へ移行する。
図6を参照して、役と図柄組合せと払出枚数について説明する。
図6の(1)はBET数が1の場合、図6の(2)はBET数が2の場合、図6の(3)はBET数が3の場合の役と図柄組合せと払出枚数を示す。
BBは、“赤7−赤7−赤7”又は“青7−青7−青7”が有効ラインに沿って並ぶことにより成立する(表示役がBBとなる)。なお、BBの図柄組合せである「青7」、「赤7」は、別フラグで抽選されている。
RBは、“BAR−BAR−BAR”が有効ラインに沿って並ぶことにより成立する。また、BB一般遊技状態では、“プラム−Replay−Replay”が有効ラインに沿って並ぶことによってもRBが成立する。
リプレイは、“Replay−Replay−Replay”が有効ラインに沿って並ぶことにより成立する。リプレイが成立すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者はメダルを消費することなく次のゲームを行うことができる。すなわち、リプレイは、成立することにより遊技価値の投入をすることによらずに遊技を行うことができる役である。
また、「スイカの小役」、「プラムの小役」、「上下チェリー小役」及び「中チェリーの小役」が成立することとなる図柄の組合せは図示の通りである。
図7を参照して、確率抽選テーブル(BET数:3)について説明する。
図7の(1)は、一般遊技状態用確率抽選テーブルを示す。一般遊技状態では、BB(赤7)、BB(赤7)+チェリー(チェリーの小役)、BB(青7)、BB(青7)+チェリー、RB、RB+チェリー、リプレイ、スイカの小役、プラムの小役、上下チェリーの小役、及び中チェリーの小役に内部当選する場合がある。
ここで、内部当選役が決定された場合、他の役が成立しないことを条件に、その内部当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って並ぶことが許容される(内部当選役が成立する)。
例えば、BB(赤7)に内部当選した場合(BB(赤7)を持ち越した場合)、“赤7−赤7−赤7”が有効ラインに沿って並ぶことが許容される。また、BB(青7)に内部当選した場合(BB(青7)を持ち越した場合)、“青7−青7−青7”が有効ラインに沿って並ぶことが許容される。
また、BB(赤7)+チェリーに内部当選した場合、左の表示窓4Lの図柄停止位置に“赤7”と“チェリー”を同時に停止表示しないようにリールの停止制御が行われる。すなわち、これら2つの図柄のうち、いずれか一方のみが左の表示窓4L内に停止表示される。このため、BB(赤7)+チェリーに内部当選した場合、BB(赤7)とチェリーの小役の両方が同時に成立することはない。また、BB(赤7)+チェリーに内部当選したゲームにおいてBBが成立しない場合には、持越役がBB(赤7)になる。
遊技者の射幸心を煽るおそれのない遊技機を提供するという観点から、同時に条件装置が作動した場合も、一の遊技において同時に図柄の組合せを表示することはない。したがって、BB(赤7)+チェリーに内部当選し、左の表示窓4L内にBBに対応する図柄組合せを構成する図柄“赤7”と“チェリー”の両方を表示させた場合、この時点でチェリーの小役の成立が確定するのでBBの成立を許容することはできない。
遊技者にとってみれば、BBの目押しを行ったにも拘らずBBが成立しないことからBBに内部当選していないと勘違いすることにより遊技を中止し、本来獲得できたはずのメダルを取り逃がすという事態が生じうる。実施例では、左の表示窓4Lの図柄停止位置に“赤7”と“チェリー”を同時に停止表示しないようにリールの停止制御が行われるので、このような事態の発生を防止することができる。遊技者にとってみれば、安心して遊技を楽しむことができる。
BB(青7)+チェリーに内部当選した場合、左の表示窓4Lの図柄停止位置に“青7”と“チェリー”を同時に停止表示しないようにリールの停止制御が行われる。このため、BB(青7)+チェリーに内部当選した場合、BB(青7)とチェリーの小役の両方が同時に成立することはない。また、BB(青7)+チェリーに内部当選したゲームにおいてBBが成立しない場合には、持越役がBB(青7)になる。
RB+チェリーに内部当選した場合、左の表示窓4Lの図柄停止位置に“BAR”と“チェリー”を同時に停止表示しないようにリールの停止制御が行われる。このため、RB+チェリーに内部当選した場合、RBとチェリーの小役の両方が同時に成立することはない。また、RB+チェリーに内部当選したゲームにおいてRBが成立しない場合には、持越役がRBになる。
図7の(2)は、BB一般遊技状態用確率抽選テーブルを示す。BB一般遊技状態では、RB1、RB2、リプレイ、スイカの小役、プラムの小役、上下チェリーの小役、及び中チェリーの小役に内部当選する場合がある。
ここで、RB1に内部当選した場合(RB1を持ち越した場合)、“BAR−BAR−BAR”が有効ラインに沿って並ぶことが許容される。また、RB2に内部当選した場合(RB2を持ち越した場合)、“プラム−Replay−Replay”が有効ラインに沿って並ぶことが許容される。
図7の(3)は、RB遊技状態用確率抽選テーブルを示す。このRB遊技状態では、スイカの小役、プラムの小役、上下チェリーの小役、及び中チェリーの小役に内部当選する場合がある。
図7の(4)は、持越状態用確率抽選テーブルを示す。持越状態では、リプレイ、スイカの小役、プラムの小役、上下チェリーの小役、及び中チェリーの小役に内部当選する場合がある。持越状態では、一般遊技状態と異なり、BB(赤7)+チェリー、BB(青7)+チェリー、RB+チェリーに内部当選する場合はない。
ここで、図7では、一の設定値に対応する確率抽選テーブルについて説明したが、これ以外にも図示しない確率抽選テーブルが設けられている。具体的には、他の設定値に対応する確率抽選テーブルが設けられ、一又は複数の役に内部当選する確率が図7に示すテーブルとは異なるように構成されている。
図8を参照して、確率抽選テーブルの概念図である一般遊技状態の当選エリアについて説明する。
当選エリアは、乱数範囲0〜16383に対応する。当選エリアは、内部当選役毎に区分されている。例えば、BBとチェリーの両方が記載されたエリアに当選した場合、内部当選役はBB+チェリーとなる。なお、当選エリアでは、内部当選する確率などについて図7の(1)に示す確率抽選テーブルとの整合性は取っていない。
図9を参照して、内部当選役がRB2である場合に使用される停止テーブルについて説明する。
停止テーブルには、各リール3L,3C,3Rの停止操作位置と停止制御位置とが示されている。停止操作位置は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられた停止ボタン7L,7C,7Rが操作された場合に、センターライン8cに位置していた図柄(具体的には、図柄の中心がセンターライン8cの上方に位置し、その中心がセンターライン8cの位置に最も近い図柄)のコードナンバーを表わす。停止制御位置は、停止操作が行われたリールが停止したとき、センターライン8cの位置に停止表示される図柄のコードナンバーを表わす。
ここで、実施例では、いわゆる滑りコマ数を最大“4コマ”としている。例えば、右のリール3Rの回転中において、コードナンバー“10”の“プラム”がセンターライン8cの位置に到達したとき、停止ボタン7Rが操作された場合、コードナンバー“14”の“プラム”をセンターライン8cの位置に停止表示するように右のリール3Rを停止制御することができる。
図9の(1)に示す停止テーブルAは、一般遊技状態において内部当選役がRBである場合に左のリール3Lの停止制御に用いるテーブルを示す。
図9の(1)において、停止制御位置は、コードナンバー“00”,“04”,“09”,“14”、“15”又は“16”のいずれかである。停止制御位置がコードナンバー“04”,“14”,“15”又は“16”の場合には、左の表示窓4Lのいずれかの図柄停止位置に“BAR”が停止表示されるが“チェリー”が停止表示される場合はない。
図9の(2)に示す停止テーブルBは、一般遊技状態において内部当選役がRB+チェリーである場合に左のリール3Lの停止制御に用いるテーブルを示す。
図9の(2)において、停止制御位置は、コードナンバー“04”,“07”,“09”,“14”,“15”,“16”,“18”,“19”又は“20”のいずれかである。停止制御位置がコードナンバー“07”,“18”,“19”又は“20”の場合には、左の表示窓4Lのいずれかの図柄停止位置に“チェリー”が停止表示されるが“BAR”が停止表示される場合はない。
ここで、図9の(2)において、停止操作位置がコードナンバー“03”及び“04”の場合には、最大滑りコマ数“4”を考慮すると停止制御位置を“07”に設定することも可能である。すなわち、この停止操作位置の場合には、許容された滑りコマ数の範囲内で、左の表示窓4Lに“BAR”を表示し“チェリー”を表示しない態様(以下「態様A」という)、又は“チェリー”を表示し“BAR”を表示しない態様(以下「態様B」という)のいずれか一方の選択が可能である。
RBが成立したことを契機として遊技者に付与される遊技価値の大きさは、チェリーの小役が成立したことを契機として付与されるものより大きい。そこで、実施例では、停止操作位置がコードナンバー“03”及び“04”の場合、RBに対応する図柄組合せを構成する“BAR”が表示される「態様A」を採用するようにしている。
RBは持ち越されるので、チェリーの小役の払出枚数がBET数よりも多い場合には、チェリーの小役を成立させ、次ゲームにおいてRBを成立させることにより、有利に遊技を進めることができる。そこで、実施例では、RB+チェリーに内部当選した場合、チェリーの小役の成立よりもRBの成立を優先しつつも、停止操作位置に応じてチェリーの小役の成立を許容するようにしている。このようにすることで、攻略的な要素が増大し、遊技の興趣が向上する場合がある。
BB(赤7)+チェリーに内部当選した場合においても、RBと同様に、チェリーの小役の成立よりもBB(赤7)の成立を優先しつつも、停止操作位置に応じてチェリーの小役の成立を許容するようにしている。また、BB(青7)+チェリーに内部当選した場合においても、RBと同様に、チェリーの小役の成立よりもBB(青7)の成立を優先しつつも、停止操作位置に応じてチェリーの小役の成立を許容するようにしている。
図10〜図12に示すメインフローチャートを参照して、主制御回路71の制御動作について説明する。
初めに、CPU31は、遊技開始時の初期化を行う(ステップS1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いてゲーム終了時のRAM33の所定の記憶内容(所定の記憶領域(例えば、内部当選役を記憶する領域)の情報)を消去し(ステップS2)、ステップS3に移る。具体的には、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。
ステップS3では、メダル投入・スタートチェック処理を行い、ステップS4に移る。この処理では、スタートスイッチ6S、メダルセンサ22S、又はBETスイッチ11〜13からの入力に基づいて、BET数の更新などの処理を行う。ステップS4では、抽選用の乱数を抽出し、ステップS5に移る。この処理で抽出した乱数は、後で説明する確率抽選処理において使用される。
ステップS5では、遊技状態監視処理を行い、ステップS6に移る。ステップS6では、後で図13を参照して説明する確率抽選処理を行い、ステップS7に移る。すなわち、ステップS6の処理は、遊技開始指令信号を検出したことに基づいて当選役を決定する当選役決定手段の処理の一例である。ステップS7では、内部当選役などに基づいて停止テーブルを選択するための停止テーブル選択処理を行い、ステップS8に移る。すなわち、ステップS7の処理は、当選役決定手段の決定結果に基づいて、停止制御情報格納手段に格納された停止制御情報のうちから移動表示の停止の制御(滑りコマ数の決定など)に用いる停止制御情報を決定する停止制御情報決定手段の処理の一例である。
ステップS8では、スタートコマンドをセットし、ステップS9に移る。スタートコマンドは、遊技状態、内部当選役などの情報を含み、副制御回路72に送信される。ステップS9では、前回のゲームが開始してから“4.1秒”経過しているか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS11に移り、NOのときは、ステップS10に移る。
ステップS10では、ゲーム開始待ち時間消化の処理(ウェイト処理)を行い、ステップS11に移る。具体的には、前回のゲームが開始してから所定時間(例えば、所定秒(“4.1秒”など))経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。ステップS11では、ゲーム監視用タイマをセットし、ステップS12に移る。このゲーム監視用タイマには、遊技者の停止ボタン7L,7C,7Rの停止操作によらずに自動的にリール3L,3C,3Rを停止させるための自動停止タイマが含まれる。
ステップS12では、全リールの回転開始を要求し、ステップS13に移る。ステップS13では、リール停止許可コマンドをセットし、図11のステップS14に移る。
ステップS14では、ストップスイッチが“オン”か否か、すなわちいずれかの停止ボタン7L,7C,7Rが操作されたかどうかを判別する。この判別がYESのときは、ステップS16に移り、NOのときは、ステップS15に移る。ステップS15では、自動停止タイマの値が“0”であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS16に移り、NOのときは、ステップS14に移る。
ステップS16では、滑りコマ数決定処理を行い、ステップS17に移る。ステップS17では、ステップS16で決定された滑りコマ数分、停止操作された停止ボタン7L,7C,7Rに対応するリール3L,3C,3Rが回転するのを待ち、ステップS18に移る。
ステップS18では、リールの回転停止を要求し、ステップS19に移る。ステップS19では、リール停止コマンドをセットし、ステップS20に移る。ステップS20では、全てのリールが停止したか否かを判別する。この判別がYESのときは、図12のステップS21に移り、NOのときは、ステップS14に移る。
ここで、ステップS16〜ステップS18の処理は、停止指令信号を検出したこと(図11のステップS14の判別がYESであることなど)に基づいて、当該停止指令信号に対応する表示部の移動表示を、停止制御情報決定手段により決定された停止制御情報に基づいて停止させる停止制御手段の処理の一例である。
図12のステップS21では、表示役検索処理を行い、ステップS22に移る。表示役検索処理では、表示窓4L,4C,4Rの図柄の停止態様に基づいて表示役(成立役)を識別するためのフラグをセットすることである。すなわち、ステップS21の処理は、複数の表示部が図柄を停止表示した場合に、表示部毎に予め定めた図柄停止位置(各表示窓4L,4C,4R毎に3個設けた図柄停止位置など)を結ぶ複数のライン(表示ラインなど)に沿って並ぶ図柄の種類に基づいて、遊技者の利益(メダルの払出し、遊技状態の移行など)と対応付けられた役(ベルの小役、BBなど)の図柄組合せが並んでいるか否かを判定する役判定手段の処理の一例である。
ステップS22では、イリーガルヒットであるか否か、すなわち内部当選役と表示役との間で不整合があるかどうかを判別する。この判別がYESのときは、ステップS23に移り、NOのときは、ステップS24に移る。ステップS23では、イリーガルエラーの表示を行う。この場合、遊技は中止となる。
ステップS24では、表示役の情報を含む表示役コマンドをセットし、ステップS25に移る。ステップS25では、表示役に対応する払出枚数が0であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS27に移り、NOのときは、ステップS26に移る。ステップS26では、メダルの貯留(クレジット)又は払い出しを行い、ステップS27に移る。すなわち、ステップS26は、役判定手段が判定した役に対応する利益を遊技者に付与する利益付与手段の処理の一例である。ステップS27では、払出終了コマンドをセットし、ステップS28に移る。
ステップS28では、RB作動中フラグ又はBB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS30に移り、“NO”のときは、ステップS29に移る。RB作動中フラグは、RB遊技状態であるか否かを識別するための情報であり、RB遊技状態であるときに“オン”であり、RB遊技状態でないときに“オフ”である。BB作動中フラグは、BB遊技状態であるか否かを識別するための情報であり、BB遊技状態であるときに“オン”であり、BB遊技状態でないときに“オフ”である。したがって、BB中のRB遊技状態では、両方のフラグが“オン”である。一般中のRB遊技状態では、RB作動中フラグが“オン”、BB作動中フラグが“オフ”である。
ステップS29では、後で図14を参照して説明するRB、BB作動チェック処理を行い、図10のステップS2に移る。ステップS30では、後で図15を参照して説明するRB、BB作動チェック処理を行い、図10のステップS2に移る。
図13を参照して、確率抽選処理について説明する。
初めに、CPU31は、RB遊技状態又はBB一般遊技状態であるか否かを判別する(ステップS41)。この判別がYESのときは、ステップS42に移り、NOのときは、ステップS43に移る。ステップS42では、RB遊技状態用(図7の(3))又はBB一般遊技状態用(図7の(2))の確率抽選テーブルに基づいて内部当選役を決定し、ステップS46に移る。
ステップS43では、持越状態であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS44に移り、NOのときは、ステップS45に移る。ステップS44では、持越状態用(図7の(4))の確率抽選テーブルに基づいて内部当選役を決定し、ステップS46に移る。ステップS45では、一般遊技状態用(図7の(1))の確率抽選テーブルに基づいて内部当選役を決定し、ステップS46に移る。
ステップS46では、内部当選役がRB又はBBであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS47に移り、NOのときは、図10のステップS7に移る。ステップS47では、内部当選役に基づいて、持越役をセットし、図10のステップS7に移る。
図14を参照して、RB、BB作動チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、表示役がRBであるか否かを判別する(ステップS51)。この判別がYESのときは、ステップS52に移り、NOのときは、ステップS53に移る。ステップS52では、RB作動時処理を行い、図10のステップS2に移る。
ステップS53では、表示役がBBであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS54に移り、NOのときは、図10のステップS2に移る。ステップS54では、BB作動時処理を行い、図10のステップS2に移る。
図15を参照して、RB、BB終了チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、RB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する(ステップS61)。この判別がYESのときは、ステップS62に移り、NOのときは、ステップS66に移る。ステップS62では、RB遊技数(RB遊技状態中のゲーム回数)及び表示回数の情報を更新し、ステップS63に移る。
ステップS63では、RB遊技状態の終了時であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS64に移り、NOのときは、ステップS65に移る。ステップS64ではRB終了時処理を行い、ステップS65に移る。ステップS65では、BB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS66に移り、NOのときは、図10のステップS2に移る。
ステップS66では、BB遊技状態におけるメダルの払出枚数の情報を更新し、ステップS67に移る。ステップS67では、BB遊技状態の終了時であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS68に移り、NOのときは、ステップS69に移る。ステップS68では、BB終了時処理を行い、図10のステップS2に移る。
ステップS69では、表示役がRBであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS70に移り、NOのときは、図10のステップS2に移る。ステップS70では、RB作動時処理を行い、図10のステップS2に移る。
図16は、図柄列の別の例を示す。
図16に示す図柄列では、左のリール3L上に配置されたコードナンバー“12”の“チェリー”と、BB(青7)に対応する図柄組合せを構成する図柄である“青7(図柄91)”と、の間に4つの図柄が挟まれている。このように、図3のものと比べて、“チェリー”と、持越役になりうる役に対応する図柄組合せを構成する図柄と、の間に相対的に多くの図柄を配置することにより、チェリーの小役を成立させるための目押し、或いは持越役となりうる役を成立させるための目押しが容易になり、初心者と熟練者との公平性を担保した遊技機を提供することができる場合がある。両者の間に挟む図柄の数は、最大滑りコマ数“4”と、左の表示窓4L内の図柄停止位置の数“3”を考慮すると、“7以上”とするのが好適である。
なお、“ブランク図柄(図柄98)”は、基本的に、役の成立に直接関係のない図柄である。すなわち、“ブランク図柄”がいずれかの表示ラインに沿って並んで表示された場合でも、メダルの払出し、メダルの自動投入、後述の遊技状態の移行などの利益が遊技者に付与されることはない。
図17〜図38を参照して、実施例2の遊技機について説明する。
実施例2の遊技機の構造、電気回路の構成などは、基本的に実施例1のものと同じである。ただし、実施例2では、表示役に対応する図柄組合せが実施例1のものと異なる。また、実施例2では、確率抽選処理の内容が実施例1のものと異なる。また、その確率抽選処理に使用するテーブルの構成態様も異なる。なお、実施例2の遊技機のリール3L,3C,3R上に配置された図柄列は、実施例1の図3に示すものと同じである。
また、実施例2では、一般遊技状態及び内部当選状態(持越状態のこと)において、リプレイに内部当選する確率(成立確率)が相対的に高く、連続する複数のゲーム(実施例2では、2回のゲーム)からなるフリータイム遊技区間(以下「FT遊技区間」という)が設けられる。一般遊技状態、及び内部当選状態のFT遊技区間以外の遊技区間であり、FT遊技区間よりもリプレイに内部当選する確率が相対的に低い遊技区間を、以下「非FT遊技区間」という。FT遊技区間では、複数のゲームにわたりボーナス報知に係る演出が行われる。
図17を参照して、図柄組合せと表示役との関係について説明する。
有効ラインに沿って“青7−青7−青7”が並ぶと表示役がBBになり、遊技状態がBB遊技状態に移行する。有効ラインに沿って“BAR−BAR−BAR”が並ぶと表示役がRBになり、遊技状態がRB遊技状態に移行する。BB及びRBを総称して、以下「ボーナス」という。有効ラインに沿って“スイカ−スイカ−スイカ”が並ぶと表示役がスイカの小役(スイカ)になり、8枚のメダルが払出される。ここで、表示役がスイカの小役であることを条件に(後述の図27のステップS125の判別がYES)、非FT遊技区間からFT遊技区間に移行する。
有効ラインに沿って“プラム−プラム−プラム”が並ぶと表示役がプラムの小役(プラム)になり、15枚のメダルが払出される。有効ラインに沿って“チェリー−ANY−ANY”が並ぶと表示役がチェリーの小役(チェリー)になり、2枚のメダルが払出される。有効ラインに沿って“Replay−Replay−Replay”が並ぶと表示役がリプレイになり、メダルが自動投入される。
有効ラインに沿って“プラム−Replay−Replay”が並ぶと表示役がシフトレギュラーボーナス(以下「SRB」と略記する)になり、遊技状態がRB遊技状態に移行する。SRBはRBの下位概念であり、BB遊技状態においてのみ内部当選するRBである。実施例2では、赤7はブランク図柄に該当する。ブランク図柄は、基本的に、当選役の成立に直接関係のない図柄である。ブランク図柄がいずれかの表示ラインに沿って並んで表示された場合でも、メダルの払出し、メダルの自動投入、後述の遊技状態の移行などの利益が遊技者に付与されることはない。
図18を参照して、持越役、及び当選役の格納領域(記憶領域)について説明する。
図18の(1)に示すように、持越役の情報は、1バイトからなる持越役格納領域に記憶(格納)されている。図18の(2)に示すように、当選役の情報は、1バイトからなる当選役格納領域に記憶されている。当選役は、表示役として許容される役である。当選役の情報は、スタートコマンドに含まれる。
ここで、当選役格納領域には、持越役格納領域に記憶された情報と内部当選役に対応するフラグ(1バイトの情報)との論理和が記憶される(後述の図25のステップS102)。内部当選役に対応するフラグについては、後で図21を参照して説明する。この論理和の結果、当選役格納領域において、持越役(BBなど)に対応するビットと内部当選役(プラムの小役など)に対応するビットの両方が1になり、当選役が複数(2つ)になる場合がある。
また、一般遊技状態、又は内部当選状態では、後述の当選番号が5、又は6に対応する内部当選役に対応するフラグは、ボーナスに対応するビットとスイカの小役に対応するビットの両方が1になるように構成されている(後述の図21)。したがって、この場合にも当選役が複数になる。
当選役が複数の場合に、両方が表示役になる場合はない。複数の当選役のうちいずれを優先して成立させるかは、後述の表示役優先テーブル(図23)により定められている。
図19を参照して、抽選回数決定テーブルについて説明する。
抽選回数決定テーブルは、遊技状態毎に抽選回数の情報を備えている。抽選回数は、当選番号を決定するために必要な処理(後述の図25のステップS94)をする回数である。具体的には、後述のX−Dを計算する回数である。当選番号は、遊技状態に応じて内部当選役を識別するための情報である。この当選番号には1〜6の6種類があり、この種類の数は抽選回数の最大数と同じである。
図20を参照して、確率抽選テーブルについて説明する。
確率抽選テーブルは、基本的に、遊技状態毎に当選番号に対応する抽選値の情報を備えている。一般遊技状態、及び内部当選状態については、FT作動中フラグの状態毎に共通の抽選値が設けられている。FT作動中フラグは、FT遊技区間であるか否かを識別するための情報である。FT作動中フラグがオフであれば非FT遊技区間である。FT作動中フラグがオンであればFT遊技区間である。
確率抽選テーブルに基づく当選番号の決定(抽選)は、当選番号1から順番にX−Dを計算する。X−Dが負になった場合、対応する当選番号に当選となる。Xは、抽出した乱数値である。Dは、当選番号1から現在の当選番号までの抽選値を累積した累積抽選値である。X−Dを計算する回数は、遊技状態毎に定められた抽選回数と同じである。当選した当選番号、遊技状態、及び内部当選役決定テーブル(後述の図21)に基づいて内部当選役が決定される。
例えば、BB中一般遊技状態(BB一般遊技状態のこと)において、0〜65535の範囲から抽出した乱数値Xが500である場合、初めに当選番号1についてX(500)−D(400)を計算する。この計算結果は正になり当選番号1に不当選となる。次に、当選番号2についてX(500)−D(400+4800)を計算する。この計算結果は負である。したがって、BB中一般遊技状態において抽出した乱数値Xである場合、当選番号2に当選となる。
確率抽選テーブルは、一般遊技状態と内部当選状態とで共通の抽選値情報(各当選番号に対応する抽選値)の情報を備えている。したがって、一般遊技状態と内部当選状態との各々に対応する抽選値情報を設ける場合よりも、法令により機能が制限された主制御回路71の負担を軽減したり、確率抽選テーブルを格納するために必要な記憶領域の削減をしたりすることができる。
図21を参照して、内部当選役決定テーブルについて説明する。
内部当選役決定テーブルは、遊技状態毎に、当選番号、当選番号に対応する内部当選役、及び内部当選役に対応するフラグの情報を備えている。フラグは2進数で表されている。
一般遊技状態において当選番号が5の場合、及びBB中一般遊技状態において当選番号が5の場合には、内部当選役がRB・スイカの小役になる。この場合、当選役がRB、及びスイカの小役になる。一般遊技状態において当選番号が6の場合には、内部当選役がBB・スイカの小役になる。この場合、当選役がBB、及びスイカの小役になる。BB中一般遊技状態において当選番号が6の場合には、内部当選役がSRB・スイカの小役になる。この場合、当選役がSRB、及びスイカの小役になる。
ここで、図20、及び図21によれば、一般遊技状態と内部当選状態とでは、当選役としてチェリーの小役、プラムの小役、及びスイカの小役が決定される確率は同じである。ただし、スイカの小役については、スイカの小役が当選役であってもボーナスを優先して引き込む場合がある。したがって、一般遊技状態と内部当選状態とでスイカの小役が成立役になる確率は異なる。また、一般遊技状態と内部当選状態とBB中一般遊技状態とでは、当選役としてチェリーの小役、又はプラムの小役が決定される確率は同じである。
図22を参照して、一般遊技状態の当選エリアの概念図について説明する。
当選エリアは、乱数範囲0〜65535に対応する。当選エリアは、当選役毎に区分されている。例えば、BBとRBとスイカとが記載されたエリアに当選した場合、当選役が複数決定されることになる。なお、当選エリアでは、当選役になる確率などについての整合性は取っていない。
図23を参照して、表示役優先テーブルについて説明する。
表示役優先テーブルは、複数の当選役が決定された場合、いずれの当選役を優先して表示役とするかを規定する優先順位(引き込み制御を行う優先順位)の情報を備えている。リプレイ、ボーナス、及び小役では、リプレイの優先順位が最も高く、小役の優先順位が最も低い。
例えば、リプレイ、及びボーナスの両方が当選役である場合、相対的にリプレイの優先順位が高いので、基本的にリプレイが表示役になる。また、例えば、ボーナス、及びスイカの小役の両方が当選役である場合、相対的にボーナスの優先順位が高いので、基本的にボーナスが表示役になる。ただし、ボーナスを取りこぼすような場合には、スイカの小役を成立させることができる場合がある。
図24を参照して、遊技状態監視処理について説明する。
初めに、CPU31は、BB作動中フラグ、又はRB作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS81)。この判別がYESのときは、ステップS82に移り、NOのときは、ステップS83に移る。ステップS82では、遊技状態としてBB中一般遊技状態、又はRB遊技状態をセットし、図10のステップS6に移る。
ステップS83では、持越役がセットされているか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS84に移り、NOのときは、ステップS85に移る。ステップS84では、遊技状態を内部当選状態にセットし、図10のステップS6に移る。ステップS85では、遊技状態を一般遊技状態にセットし、図10のステップS6に移る。
図25を参照して、確率抽選処理について説明する。
初めに、CPU31は、抽選回数決定テーブル(図19)を参照し、遊技状態に基づいて抽選回数を決定し(ステップS91)、ステップS92に移る。ステップS92では、0〜65535の範囲から乱数を取得し、ステップS93に移る。ステップS93では、当選番号の初期値として1をセットし、ステップS94に移る。ステップS94では、確率抽選テーブル(図20)を参照し、遊技状態とFT作動中フラグと当選番号とに基づいて抽選値を取得し、ステップS95に移る。
ステップS95では、セットされている当選番号に当選であるか否かを判別する。具体的には、X−Dを計算し、その計算結果が負であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS99に移り、NOのときは、ステップS96に移る。ステップS96では、セットされている当選番号に不当選になったことか当選番号に1を加算し、ステップS97に移る。ステップS97では、抽選回数が満たされたか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS98に移り、NOのときは、ステップS94に移る。ステップS98では、当選番号を0にセットし、ステップS99に移る。
ステップS99では、内部当選役決定テーブル(図21)を参照し、遊技状態と当選番号に基づいて内部当選役を決定し、ステップS100に移る。ステップS100では、内部当選役にBB又はRBが含まれるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS101に移り、NOのときは、ステップS102に移る。ステップS101では、内部当選役に基づいて持越役をセットし、ステップS102に移る。ステップS102では、内部当選役(フラグ)と持越役(持越役格納領域に格納された情報)との論理和をとり、当選役を決定し、ステップS103に移る。ステップS103では、後で図26を参照して説明するFT遊技数制御処理を行い、図10のステップS7に移る。
図26を参照して、確率抽選処理について説明する。
初めに、CPU31は、FT作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS111)。この判別がYESのときは、ステップS112に移り、NOのときは、図10のステップS7に移る。ステップS112では、FT遊技数を1減算し、ステップS113に移る。FT遊技数は、FT遊技区間を継続させるゲーム回数を識別するための情報である。ステップS113では、FT遊技数が0であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS114に移り、NOのときは、図10のステップS7に移る。ステップS114では、FT作動中フラグをオフにし、図10のステップS7に移る。
図27を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、表示役がRBであるか否かを判別する(ステップS121)。この判別がYESのときは、ステップS122に移り、NOのときは、ステップS123に移る。ステップS122では、RB作動時処理を行い、図10のステップS2に移る。ステップS123では、表示役がBBであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS124に移り、NOのときは、ステップS125に移る。ステップS124では、BB作動時処理を行い、図10のステップS2に移る。
ステップS125では、表示役がスイカの小役であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS126に移り、NOのときは、図10のステップS2に移る。ステップS126では、FT作動中フラグをオンにし、ステップS127に移る。ステップS127では、FT遊技数を2にセットし、図10のステップS2に移る。
図28を参照して、一般遊技状態用演出テーブルについて説明する。
一般遊技状態用演出テーブルは、演出グループ識別子に対応する演出識別子の情報、各演出識別子に対応する残り演出遊技数、及び各演出識別子に対応する演出の実行タイミングなどの情報を有している。このタイミングには、BET操作、第1停止操作、第2停止操作、及び表示がある。この表示は、全リールが回転を停止し、全ての表示窓4L,4C,4R内に図柄が停止表示されたタイミングを示す。
演出グループ識別子は、演出態様(大まかな演出の内容)を規定する情報である。演出識別子は、演出の内容を直接的に規定する情報である。この演出識別子と演出データとが一対一で対応付けられている。例えば、演出グループ識別子が11であり、演出識別子が1である場合には、遊技者の遊技操作に応じて図36〜図38に示す演出が行われる。なお、演出識別子を選択するための抽選値の情報を省略している。残り演出遊技数は、複数のゲームにわたる演出を行う場合に、その演出が継続する残りのゲーム回数(残り演出遊技数)を示す。
図29〜図35に示すフローチャートを参照して、副制御回路72の制御動作について説明する。
図29を参照して、gSubリセット割込処理について説明する。
初めに電源が投入され、リセット端子に電圧が印加されることにより、画像制御マイコン(図示せず)は、リセット割込を発生させ、その割込の発生に基づいて、プログラムROMに記憶されたgSubリセット割込処理を順次行うように構成されている。
初めに、画像制御マイコンは、ワークRAM、制御RAM、ビデオRAMなどの初期化を行い(ステップS131)、ステップS132に移る。ステップS132では、操作部などからの入力があるか否かを監視する入力監視処理を行い、ステップS133に移る。ステップS133では、後で図30を参照して説明するコマンド入力処理を行い、ステップS134に移る。ステップS134では、音・ランプ制御回路(図示せず)へコマンドを出力するためのコマンド出力処理を行い、ステップS135に移る。ステップS135では、後で図33を参照して説明する画像制御処理を行い、ステップS131に移る。
図30を参照して、コマンド入力処理について説明する。
初めに、画像制御マイコンは、コマンドバッファにデータがあるか否か、すなわちコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS141)。コマンドバッファは、主制御回路71から送信されたコマンドを格納する記憶領域である。ステップS141の判別がYESのときは、ステップS142に移り、NOのときは、図29のステップS134に移る。
ステップS142では、ジャンプ先はOKであるか否かを判別する。具体的には、受信したコマンドに対応するジャンプ先の処理の実行が可能であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS143に移り、ノイズなどにより処理不可能なデータを受信した場合や、以前に受信したコマンドの履歴などから不正なデータと判定される場合は、この判別はNOとなり、図29のステップS134に移る。
ステップS143では、復帰アドレスをセットし、ステップS144に移る。ステップS143でセットされるアドレスは、基本的に後述のステップS145の処理に対応するアドレスである。ステップS144では、決定した処理にジャンプする。具体的には、ジャンプテーブルに基づいて、受信したコマンドの先頭データに対応するジャンプ先の処理を行い、ステップS145に移る。ジャンプ先の処理には、後で図31を参照して説明する遊技開始処理、各停止ボタンの操作に対応して行われるリール停止処理(図示せず)、後で図32を参照して説明する表示役判定処理などがある。ステップS145では、コマンドバッファをクリアし、図29のステップS134に移る。
図31を参照して、遊技開始処理について説明する。遊技開始処理は、主制御回路71から当選役格納領域の情報を含むスタートコマンドを受信したことを契機として実行される。
初めに、画像制御マイコンは、残り演出遊技数が0であるか否かを判別する(ステップS161)。この判別がYESのときは、ステップS152に移り、NOのときは、ステップS154に移る。ステップS152では、当選役と所定の抽選の結果に応じて、演出グループ識別子を決定し、ステップS153に移る。ステップS153では、演出グループ識別子に応じて演出識別子を決定し、ステップS154に移る。ステップS154では、演出グループ識別子、演出識別子、及び残り演出遊技数等に基づいて演出データを決定し、図30のステップS145に移る。
図32を参照して、表示役判定処理について説明する。表示役判定処理は、主制御回路71から表示役の情報、当選役格納領域の情報を含むコマンドを受信したことを契機として実行される。
初めに、画像制御マイコンは、残り演出遊技数を1減算し(ステップS161)、ステップS162に移る。ステップS162では、遊技状態が一般遊技状態であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS163に移り、NOのときは、ステップS169に移る。ステップS163では、表示役がスイカの小役であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS164に移り、NOのときは、ステップS169に移る。ステップS164では、演出グループ識別子として11を決定し、ステップS165に移る。
ステップS165では、当選役にBB、又はRBが含まれているか否かを判別する。具体的には、当選役格納領域のビット4又はビット5が1(オン)であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS166に移り、NOのときは、ステップS167に移る。ステップS166では、演出識別子として1を決定し、ステップS168に移る。ステップS167では、演出識別子として2を決定し、ステップS168に移る。
ここで、ステップS166、及びステップS167は、一般遊技状態において表示役がスイカの小役であることを条件に行われる。表示役がスイカの小役の場合には、FT遊技区間に移行する。また、一般遊技状態用演出テーブル(図28)に示すように、演出グループ識別子として11が決定され、演出識別子が1、又は2と決定された場合には、そのゲーム(そのゲーム全リール停止後)を含み3回のゲームにわたる連続的な演出が行われる。すなわち、FT遊技区間では、連続的な演出が行われる。
また、ステップS166、ステップS167では、残り演出遊技数が2である演出識別子1、2をセットするようにしているが、演出識別子1、2をセットするか否かの抽選を行うようにしてもよい。このようにすることで、FT遊技区間に移行したとしても連続的な演出が行われない場合があり、遊技の多様性を増大させることができる。
ステップS168では、演出グループ識別子、及び演出識別子に応じて残り演出遊技数を取得し、ステップS169に移る。例えば、演出グループ識別子が11であり、演出識別子が1、又は2である場合には、残り演出遊技数として3を取得する。ステップS169では、演出グループ識別子、演出識別子、及び残り演出遊技数等に基づいて演出データを決定し、図30のステップS145に移る。
図33を参照して、画像制御処理について説明する。
初めに、画像制御マイコンは、バッファフラグがオンであるか否かを判別する(ステップS171)。この処理は、画像制御IC(図示せず)に送信するべきデータの用意ができているか否かの確認を行うものである。この判別がYESのときは、ステップS174に移り、NOのときは、ステップS172に移る。
ステップS172では、画像データ更新処理を行い、ステップS173に移る。画像データ更新処理では、制御RAM(図示せず)に展開されているスプライト属性テーブルに当てはめるべきデータの内容を特定し、特定したデータ(例えば、演出識別子に対応する演出データ)をバッファに移す。
ステップS173では、次回の画像制御ICにデータを送信するタイミングが来た場合に、画像制御ICの制御RAMに書き込むべきデータの準備ができていることを示すバッファフラグをオンにし、ステップS174に移る。
ステップS174では、画像制御ICカウンタ(図示せず)の値が“2”であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS175に移り、NOのときは、図29のステップS131に移る。画像制御ICカウンタの更新(取り得る値:0,1,2)は、後で図34を参照して説明する画像制御IC/int処理で行われる。画像制御ICから1000/60ms毎に送信されてくる信号の受信に起因して画像制御ICカウンタの値に1が加算されるようにしている。即ち、1000/60ms毎に画像制御ICカウンタの値に1が加算される。従って、1000/30msが経過する毎に画像制御ICカウンタの値が“2”になる。
ステップS175では、画像制御ICカウンタに“0”をセットし、ステップS176に移る。ステップS176では、制御RAMでのバンク切替を行い、ステップS177に移る。制御RAMには、バンクの切替を行うか否かのレジスタが展開されている。このレジスタに切替を行うというレジスタを設定すると、バッファ間でのバンク切替が行われる。ステップS177では、バッファから制御RAMにデータを移し、ステップS178に移る。この処理では、前述のステップS172でバッファに移したデータを制御RAMに展開されているスプライト属性テーブルに移す。
ステップS178では、バッファをクリアし、ステップS179に移る。ステップS179では、次の1000/30msの(画像制御ICカウンタが“2”となる)タイミングが来た場合に、画像制御ICの制御RAMに書き込むべきデータの準備ができていないとして、バッファフラグをオフにし、図29のステップS131に移る。
図34を参照して、画像制御IC/int処理について説明する。
この画像制御IC/int処理は、画像制御ICから1000/60ms毎に送信されてくる信号の受信に起因して開始する。処理の開始とともに画像制御ICカウンタの値に“1”を加算する(ステップS181)。画像制御ICカウンタは、前回画像制御マイコンから画像制御ICにバンク切替の指示を出したタイミングから1000/30msが経過したか否かを判定(図33のステップS174)するために使用するものである。
図35を参照して、2ms割込処理について説明する。
初めに、画像制御マイコンは、2msが経過したか否かを判別する(ステップS191)。この判別がYESのときは、ステップS192に移り、NOのときは、ステップS191を繰り返す。
ステップS192では、乱数カウンタを更新し、ステップS193に移る。この処理では、複数の乱数カウンタを更新することになる。ステップS193では、演出データ更新処理を行い、ステップS191に移る。
図36〜図38を参照して、表示画面5aの表示例について説明する。
図36は、演出グループ識別子が11、演出識別子が1、残り演出遊技数が3の場合における表示例1を示す。
図36の(1)では、全図柄表示時(全リール停止時)において、潜水艦111を操縦するアヒル115と戦艦117を操縦するドラ116とが対決(バトル)する様子(対決画面)が示されている。
図37は、演出グループ識別子が11、演出識別子が1、残り演出遊技数が2の場合における表示例2を示す。
図37の(1)では、BET操作時、及びスタート操作時において、潜水艦111を操縦するアヒル115と戦艦117を操縦するドラ116とが対決(バトル)する様子(対決画面)が示されている。図37の(2)では、第1停止操作時においてドラ116が戦艦117からミサイル121を発射する準備をしている様子(敵戦艦ミサイル準備)が示されている。図37の(3)では、第2停止操作時において戦艦117がミサイル121を発射した様子(敵戦艦ミサイル発射)が示されている。図37の(4)では、全図柄表示時時においてミサイル121が潜水艦111に命中せず、潜水艦111が海中を進む様子(ミサイルが命中しない様子)が示されている。
図38は、演出グループ識別子が11、演出識別子が1、残り演出遊技数が1の場合における表示例3を示す。
図38の(1)では、BET操作時、及びスタート操作時において、潜水艦111を操縦するアヒル115と戦艦117を操縦するドラ116とが対決(バトル)する様子(対決画面)が示されている。図38の(2)では、第1停止操作時において魚雷119を発射する準備中の潜水艦111の様子(潜水艦魚雷準備)が示されている。図38の(3)では、第2停止操作時において潜水艦111が魚雷119を発射した様子(潜水艦魚雷発射)が示されている。図38の(4)では、全図柄表示時時において魚雷119が戦艦117に命中し、戦艦117が爆発する様子(魚雷が命中する様子)様子が示されている。
ここで、FT遊技区間では、リプレイに内部当選するする確率が高い。また、ボーナスが持ち越されている場合には、そのリプレイは、ボーナスよりも優先して引き込み制御が行われる。したがって、連続的な演出(対決演出)が行われた場合には、遊技者は、内部当選状態であることに期待するが、ボーナスが表示役となる確率が相対的に低いので、遊技者の期待感を複数のゲームにわたり維持することができる。なお、内部当選状態においてFT遊技区間が設けられるのは、一般遊技状態において当選番号が5、又は6になり、そのゲームにおいて引き込み制御の優先順位が相対的に高いボーナスが成立せず、かつ引き込み制御の優先順位が相対的に低いスイカの小役が表示役となることである。また、役は、基本的に、遊技者の利益と対応付けられた制御情報であり、リール3L,3C,3Rの停止制御、遊技状態の切り換え(移行)、遊技価値の付与などに用いられる制御情報である。
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
実施例では、役物の作動に係るBB、RB(第2の役)と、チェリーの小役(第1の役)と、の間で優先順位をつけて制御するようにしているが、これに限られるものではない。例えば、再遊技(第2の役)の作動に係るリプレイと、の間で優先順位をつけて制御するようにしてもよい。また、各役に対応させる払出枚数は、実施例のものに限られず、任意に定めることができる。
また、特定の役に内部当選した場合、リプレイに内部当選する確率が一般遊技状態よりも高い遊技区間(高確率再遊技状態)を発生させるようにしてもよい。高確率再遊技状態では、確率抽選テーブル切替手段が、一般遊技状態よりもリプレイに内部当選する確率が高い確率抽選テーブルに切り換える。この高確率再遊技状態では、リプレイに内部当選する確率が高いので、いわゆる連続演出(複数のゲームにわたる演出)を行うのに好適である。また、BB+チェリー(特定の役)の他、チェリーの小役(第1の役)に内部当選した場合にも高確率再遊技状態を発生させる(確率抽選テーブルを切り換える)とともに、連続演出を行うようにしてもよい。このようにすることで、連続演出が行われたときにおける特定の役に内部当選していることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
実施例では、BB、RBをチェリーの小役よりも優先するようにしているが、これに限られるものではない。この優先順位を遊技状態、差枚数などの遊技に関する情報に基づいて決定する決定手段を設けるようにしてもよい。また、優先順位を遊技者が選択するために操作する選択操作手段を設け、その選択操作手段の操作態様に基づいて、上記決定手段が決定するようにしてもよい。
また、実施例では、左の表示窓4L(特定の表示部)内の図柄停止位置に第1図柄及び第2図柄の両方を停止表示しないようにしているが、これに限られるものではない。両方を表示可能な停止テーブルを構成し、第2の役を成立させないようにすることもできる。
また、停止制御手段は、当選役決定手段が特定の役を当選役として決定し、且つ特定の表示部(左の表示窓4L)における移動表示を最初に停止させる順番で停止操作(第1停止操作として左の停止ボタン7Lを操作すること)が行われた場合に、特定停止制御情報に基づいて移動表示を停止させるようにしてもよい。このようにすることで、遊技の興趣を向上させることができる場合がある。
実施例では、中央及び右のリール3C,3Rに対応する停止テーブルを示していないが、任意に設計することができる。また、中央及び右のリール3C,3Rに対応する制御は、いわゆるコントロール制御を採用することもできる。
また、遊技に関する情報を遊技者に報知可能な情報報知手段を設け、特定の役(RB+チェリーなど)に内部当選した場合に、その旨を遊技者に報知するように情報報知手段を制御する報知制御手段を設けるようにしてもよい。このようにすることで、遊技者は、特定の役に内部当選したことを確実に認識し、所望のタイミングで停止ボタン7L,7C,7Rを操作することができる。また、落ち着いて遊技を楽しむことができる。
実施例では、停止制御情報として停止テーブルを採用するようにしているが、これに限られるものではない。例えば、いわゆるコントロール方式に用いる制御情報を停止制御情報として採用することもできる。
実施例では、第1の役としてチェリーの小役、或はスイカの小役を採用するようにしているが、これに限られるものではない。例えば、第1の役としてリプレイを採用することもできる。この場合、特定の役に当選したゲームにおける優先順位を第1の役のほうが第2の役よりも高くするのが好ましい。このようにすることで、そのゲームにおいて第2の役が成立する可能性が相対的に低くなり、連続演出の実現に好適である。
実施例では、スイカの小役が表示役となることを条件にFT作動中フラグをオンに更新(FT遊技区間に移行)するようにしているが、これに限られるものではない。例えば、第1の役が当選役と決定されることを条件に、FT作動中フラグをオンに更新するようにしてもよい。
更に、本実施例のような遊技機1の他、パチンコ遊技機、パチロット等の他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述の遊技機1での動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。