JP2006210086A - 燃料電池システム及びその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池に劣化反応を生じ難く、燃料電池の耐久性を損ない難い燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池システム100は、固体高分子膜型の燃料電池1と、燃料供給手段と、燃料排出手段と、制御手段とを備える。配管53には供給弁63と供給口21aとの間の圧力を検知する3次圧力センサ73が設けられている。制御手段は、燃料電池1の発電起動時、水素ガスを供給する前に起動排気弁67及び停止排気弁68を開くと共に、3次圧力センサ73により水素ガスの供給を開始した後の圧力変化を検知し、圧力が所定値を超えて増加した場合に、起動排気弁67及び停止排気弁68が開いていないと判定して警報信号を発するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は燃料電池システムに関する。
特許文献1に従来の固体高分子膜型の燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cells)を適用した燃料電池システムが開示されている。
この燃料電池システムに適用される燃料電池は、イオン交換樹脂からなる電解質膜である固体高分子膜を燃料極(アノード極、水素極ともいう。)と空気極(カソード極、酸素極ともいう。)とで挟持したものであり、燃料極に燃料ガスを供給するための燃料室を有している
燃料電池システムは、上記燃料電池の他に、燃料供給手段と圧力検出手段と燃料排出手段とを備えている。燃料供給手段は、燃料室に燃料ガスを供給するための供給路及び供給路を開閉する供給弁を有している。圧力検出手段は、燃料室に供給される直前の燃料ガスの圧力をモニタする。燃料排出手段は、燃料室から排ガスを排出するための排出路及び排出路を開閉する排気弁を有している。
このような構成である従来の燃料電池システムは、燃料電池の通常発電時において、燃料供給手段により燃料ガスが燃料電池の燃料室に供給され、それと同時に、燃料電池の空気極にも酸素を含む空気が供給される。その結果として、燃料電池の燃料極と空気極との間で起電力が生じる。
ところで、この燃料電池システムでは、燃料電池の発電起動時に、燃料室内に供給開始された燃料ガスと、燃料電池の発電停止時に燃料室内に置換されていた空気とが緩和的に混合することにより燃料室内で偏在し、燃料極の表面において反応の分布が不均一になる事態が生じるおそれがある。このような事態が生じた場合には、燃料室内で局所的な水生成反応が生じ、局部電池状態が発生する。その結果、燃料室内で異常発電状態を生じ、燃料電池が劣化する。
このため、この燃料電池システムは、上述した燃料電池の発電起動時の劣化を防止するため、燃料電池の発電起動時に、燃料室内の空気を燃料ガスの加圧供給により置換することが可能とされている。具体的には、燃料電池の発電起動時に、排出路を開状態とした後で、通常発電時よりも高い供給圧の燃料ガスを燃料室内に新たに供給し、燃料室内の空気をその燃料ガスで置換しつつ、排出路により急速に排出させることができる。こうして、この燃料電池システムは、燃料電池の発電起動時の劣化を防止することができている。
特開2004−139984号公報
しかし、上記特許文献1の燃料電池システムでは、燃料電池の発電起動時に、なんらかの不具合により起動排気弁が故障して開かない異常が生じても、その異常を認知するすべがなく、対処することができなかった。このため、燃料電池の発電起動時に、起動排気弁が故障して開かないまま、燃料電池の発電起動動作が実行されてしまうことに起因する燃料電池の劣化を防止することができなかった。
すなわち、燃料電池の発電起動時、起動排気弁が開かない異常が生じて、排出路を開状態にすることができないと、発電停止時に燃料室内に置換されていた空気を排出路から排出することができなくなる。このため、燃料室内に新たに供給される燃料ガスと空気とが燃料室内において偏在する状態が顕著となり、燃料室内に局部電池が形成される。この局部電池では、正常発電時と逆向きの電流が生じるため、空気極が腐食する等、燃料電池に劣化反応が生じ、燃料電池の耐久性が損なわれることとなる。
特に、この燃料電池システムにおいて、燃料電池の発電起動時に燃料室内の空気を燃料ガスの加圧供給により置換することが可能とされている場合には、下記のような不具合がさらに発生するおそれがある。
つまり、燃料電池の発電起動時、起動排気弁が開かない異常が生じ、排出路を開くことができないまま、通常発電時よりも高い供給圧の燃料ガスを燃料室内に新たに供給してしまうと、燃料室内の圧力は急激に高まることとなる。このとき、燃料室の耐圧が充分に高くない場合には、急速かつ過度な圧力上昇により、燃料室が損傷する不具合が生じるおそれがある。
この点、特許文献1とは別の特許文献である特開2003−92125号公報に、燃料電池の通常発電時において燃料排出手段の故障等の異常を検知し、警報を発する燃料電池システムが開示されている。しかし、この燃料電池システムは、通常発電時の異常検知に限定したものに過ぎず、燃料電池の発電起動時における上述のような燃料電池の劣化を解決できない。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、燃料電池に劣化反応を生じ難く、燃料電池の耐久性を損ない難い燃料電池システムを提供することを解決すべき課題としている。
請求項1に係る燃料電池は、固体高分子膜を燃料極と空気極とで挟持し、該燃料極に燃料ガスを供給するための燃料室を有する燃料電池と、
該燃料室に該燃料ガスを供給するための供給路及び該供給路を開閉する供給弁を有する燃料供給手段と、
該供給路内の該燃料ガスの圧力を検出する圧力検出手段と、
該燃料室から排ガスを排出するための排出路及び該排出路を開閉する起動排気弁を有する燃料排出手段と、
該燃料電池の発電起動時、該燃料ガスを供給する前に該起動排気弁を開くと共に、該燃料ガスの供給を開始した後の圧力変化を検知し、圧力が所定値を超えて増加した場合に、該起動排気弁が開いていないと判定して警報信号を発する制御手段とを備えたことを特徴とする。
このような構成である請求項1に係る燃料電池システムは、燃料電池の通常発電時において、燃料供給手段により燃料ガスが燃料電池の燃料室に供給され、それと同時に、燃料電池の空気極にも酸素を含む空気が供給される。その結果として、燃料電池の燃料極と空気極との間で起電力が生じる。
ここで、この燃料電池システムは、燃料供給手段と圧力検出手段と燃料排出手段とを備えている。燃料供給手段は、燃料室に燃料ガスを供給するための供給路及び供給路を開閉する供給弁を有する。圧力検出手段は、供給路内の燃料ガスの圧力を検出する。燃料排出手段は、燃料室から排ガスを排出するための排出路及び排出路を開閉する排気弁を有する。
また、この燃料電池システムは、制御手段を有する。制御手段は、燃料電池の発電起動時、燃料ガスを供給する前に起動排気弁を開くと共に、燃料ガスの供給を開始した後の圧力変化を検知し、圧力が所定値を超えて増加した場合に、起動排気弁が開いていないと判定して警報信号を発する。
つまり、まず、発電停止状態の燃料電池において、制御手段により、燃料ガスを供給する前に起動排気弁が開くように制御される。
次に、所定の圧力に供給圧を調整された燃料ガスが燃料供給手段により燃料電池の燃料室に供給される。この際、圧力検出手段により供給路内の燃料ガスの圧力変化が継続的に検知される。
ここで、起動排気弁が正常に開いて、排出路を開状態にすることができていれば、供給された燃料ガスは燃料室内に徐々に充満しつつ燃料室を通過して排出路により排出される。これにより、燃料電池が発電停止状態であった時に燃料室に置換されていた空気を新たに供給する燃料ガスで置換することができる。
このため、供給路内の燃料ガスの圧力は、燃料ガスの供給圧よりもある程度低い圧力に保たれることとなる。この状態における供給路内の燃料ガスの圧力をP1(起動排気弁が開いている時の圧力)とし、P1に圧力変動や誤差等を考慮したマージンを上乗せした閾値をP2とする。
この場合、圧力検出手段により検知される圧力が閾値P2を超えなければ、制御手段は、この圧力検出手段の検出信号に基づいて「起動排気弁が開いている」と判定することができる。
「起動排気弁が開いている」と判定された場合、この燃料電池システムは、起動排気弁を閉じて、燃料電池を通常発電状態に移行させることができる。
逆に、起動排気弁になんらかの不具合が生じて開いていなければ、排出路を開状態とすることができない。このため、供給開始された燃料ガスは、燃料室内に徐々に充満していくが、燃料室内から排出路により排出されることはない。このため、供給路内の燃料ガスの圧力は、さらに上昇し、そのまま放置すれば、燃料ガスの供給圧までは上昇することとなる。
この場合、圧力検出手段により検知される圧力値は、閾値P2を超えて、さらに上昇することとなる。このため、制御手段は、この圧力検出手段の検出信号に基づいて、圧力検出手段の検知した圧力値が閾値P2に到達した時点で、「起動排気弁が開いていない」と判定して、直ちに警報信号を発するのである。
このため、燃料電池の発電起動時において、警報信号が発せられているのであれば、燃料電池の発電停止時に燃料室内に置換されていた空気を排出路により排出して燃料ガスで置換することができず、そのまま発電起動時の動作が継続されることにより空気極の腐食等の劣化を生じてしまうということが明確になる。このため、この燃料電池システムは、そのような燃料電池の劣化を最小限で又は未然に防止することを実現するため、燃料電池の発電起動時の動作を直ちに停止することを可能にするのである。そして、この燃料電池システムは、燃料電池の発電起動時の動作の停止後、異常停止動作等の適切な処置に移行することもできるのである。
特にこの燃料電池システムにおいて、燃料電池の発電起動時に燃料室内の空気を燃料ガスの加圧供給により置換することが可能とされている場合には、起動排気弁が開いていない状態で、通常発電時よりも高い供給圧の燃料ガスを燃料室内に新たに供給してしまい、急速かつ過度な圧力上昇により燃料室が損傷するという不具合を未然に防止することができるのである。
したがって、請求項1に係る燃料電池システムは、燃料電池に劣化反応を生じ難く、燃料電池の耐久性を損ない難いのである。
請求項2に係る燃料電池システムにおいて、燃料排出手段は、前記起動排気弁より前記燃料電池に近い排出路に接続された副排出路及び該副排出路を開閉する停止排気弁を有し、
前記制御手段は、該燃料電池の起動時、前記燃料ガスを供給する前に前記起動排気弁及び該停止排気弁を開くと共に、該燃料ガスの供給を開始した後の圧力変化を検知し、圧力が所定値を超えて増加した場合に、該起動排気弁及び該停止排気弁が開いていないと判定して警報信号を発するものである。
この場合、この燃料電池システムにおいて、上述の起動排気弁と同様の開閉動作又は異なる開閉動作を停止排気弁に実施させて、燃料電池で生成される水や排気ガスの排出能力を高めることができる。
具体的には、例えば、排出路にドレインタンクを設けて、水が過度に滞留する前に、起動排気弁を開いて、排出路から水を排出させ、副排出路からは、主に水を含まない気体を排出させることができる。これにより、排出路と副排出路との間で役割分担が行われ、燃料電池で生成される水や燃料ガスをより確実に排出することが可能となる。
ここで、制御手段は、燃料電池の発電起動時、燃料ガスを供給する前に起動排気弁及び停止排気弁を開くと共に、燃料ガスの供給を開始した後の圧力変化を検知し、圧力が所定値を超えて増加した場合に、起動排気弁及び停止排気弁が開いていないと判定して警報信号を発する。
つまり、まず、発電停止状態の燃料電池において、制御手段により、燃料ガスを供給する前に起動排気弁及び停止排気弁が共に開くように制御される。
次に、所定の圧力に供給圧を調整された燃料ガスが燃料供給手段により燃料電池の燃料室に供給される。この際、圧力検出手段により供給路内の燃料ガスの圧力変化が継続的に検知される。
ここで、起動排気弁及び停止排気弁の少なくとも一方が正常に開いて、排出路及び副排出路の少なくとも一方を開状態にすることができていれば、供給された燃料ガスは燃料室内に徐々に充満しつつ燃料室を通過して排出路及び副排出路の少なくとも一方により排出される。これにより、燃料電池が発電停止状態であった時に燃料室に置換されていた空気を新たに供給する燃料ガスで置換することができる。
このため、供給路内の燃料ガスの圧力は、燃料ガスの供給圧よりもある程度低い圧力に保たれることとなる。この状態における供給路内の燃料ガスの圧力をP3(起動排気弁及び停止排気弁の少なくとも一方が開いている時の圧力)とし、P3に圧力変動や誤差等を考慮したマージンを上乗せした閾値をP4とする。
この場合、圧力検出手段により検知される圧力が閾値P4を超えなければ、制御手段は、この圧力検出手段の検出信号に基づいて「起動排気弁及び停止排気電磁弁の少なくとも一方が開いている」と判定することができる。
「起動排気弁及び停止排気電磁弁の少なくとも一方が開いている」と判定された場合、この燃料電池システムは、起動排気弁及び停止排気弁を閉じて、燃料電池を通常発電状態に移行させることができる。
逆に、起動排気弁及び停止排気弁になんらかの不具合が生じて開いていなければ、排出路及び副排出路を開状態とすることができない。このため、供給開始された燃料ガスは、燃料室内に徐々に充満していくが、燃料室内から排出路及び副排出路により排出されることはない。このため、供給路内の燃料ガスの圧力は、さらに上昇し、そのまま放置すれば、燃料ガスの供給圧までは上昇することとなる。
この場合、圧力検出手段により検知される圧力値は、閾値P4を超えて、さらに上昇することとなる。このため、制御手段は、この圧力検出手段の検出信号に基づいて、圧力検出手段の検知した圧力値が閾値P4に到達した時点で、「起動排気弁及び停止排気弁が開いていない」と判定して、直ちに警報信号を発するのである。
こうして、請求項2に係る燃料電池システムは、請求項1に係る燃料電池システムと同様の理由により、燃料電池に劣化反応をより生じ難く、燃料電池の耐久性をさらに損ない難いのである。
請求項3に係る燃料電池システムにおいて、前記警報信号を発した時、前記燃料電池を所定の異常停止動作で停止させるものである。
この場合、この燃料電池システムは、燃料電池を確実に発電停止状態にすることができるので、燃料電池システムの安全性を一層高めることができる。
本発明は燃料電池システムの運転方法でもあり得る。請求項4に係る燃料電池システムの運転方法は、固体高分子膜を燃料極と空気極とで挟持し、該燃料極に燃料ガスを供給するための燃料室を有する燃料電池と、
該燃料室に該燃料ガスを供給するための供給路及び該供給路を開閉する供給弁を有する燃料供給手段と、
該燃料室から排ガスを排出するための排出路及び該排出路を開閉する起動排気弁を有する燃料排出手段とを備えた燃料電池システムの運転方法において、
前記燃料電池の発電起動時、前記燃料ガスを供給する前に前記該起動排気弁を開くように制御すると共に、該燃料ガスの供給を開始した後の圧力変化を検知し、圧力が所定値を超えて増加した場合に、該起動排気弁が開いていないと判定して警報信号を発することを特徴とする。
以下、本発明を具体化した実施例1を図面を参照しつつ説明する。
図1に示す実施例1の燃料電池システム100は、図2に示す固体高分子膜型の燃料電池1を適用したものである。
この燃料電池1は、2枚のエンドプレート20a、20bの間に図示しない集電板及び絶縁板を介して積層体10が挟持されたものである。積層体10は、図3に示すように、MEA(Membrane Electrode Assembly)11をセパレータ12で挟みながら順次積層したものである。MEA11は、イオン交換樹脂からなる電解質膜11aと、この電解質膜11aの一面に一体に形成されたカーボンからなる燃料極11bと、電解質膜11aの他面に一体に形成されたカーボンからなる空気極11cとからなる。全ての燃料極11bは一方の集電板に電気的に接続され、全ての空気極11cは他方の集電板に電気的に接続されており、図2に示すように、両集電板の各端子1a、1bは燃料電池1から突出されている。
図3に示すように、各セパレータ12の燃料極11b側には燃料室12aが形成されており、燃料室12aによって燃料ガスである水素ガスが燃料極11bに供給されるようになっている。他方、各セパレータ12の空気極11c側には空気室12bが形成されており、空気室12bによって酸素を含む空気が空気極11cに供給されるようになっている。燃料室12aは水平方向に開口されており、空気室12bは燃料室12aと直交する方向である垂直方向に開口されている。なお、積層体10の両端のセパレータ12には燃料室12a又は空気室12bだけが形成されている。こうして一枚のMEA11と一対のセパレータ12とによって個々の燃料電池のセル10aが構成されている。各セル10aの全ての燃料室12aは、図2に示すように、一方のエンドプレート20aに形成された供給口21a及び他方のエンドプレート20bに形成された排出口21bに連通している。
そして、この燃料電池1は、図1に示すように、他の構成部品とともに組み付けられて、燃料電池システム100を構成する。
燃料電池1の燃料室12aに設けられた供給口21a及び排出口21bには、次のような各種の構成部品が接続されて、燃料室12a内への水素ガスの供給又は燃料室12aからの水素ガスの排出を実施したり、燃料室12a内を外気で置換したりすることが可能とされている。
供給口21aの最も上流側には水素タンク50があり、水素タンク50には、接続点Aで合流するように並列に配置された配管51a、51b、51cが設けられている。配管51a、51b、51cは、水素タンク50側から、各々が水素元電磁弁60a、60b、60cと、1次圧力センサ71a、71b、71cと、水素1次圧レギュレータ61a、61b、61cとを有している。
接続点Aから接続点Bを介して接続点Cまでには配管52aが設けられ、接続点Bから接続点Cまでには、配管52aと並列に配管52bが設けられている。配管52aは、接続点Bより上流に2次圧力センサ72を有し、接続点Bより下流に水素2次圧レギュレータ62aを有している。また、配管52bは水素起動電磁弁62bを有している。
接続点Cから接続点Dまでには、配管53が設けられている。配管53は、供給弁63を有し、その下流に3次圧力センサ73を有している。3次圧力センサ73は、圧力検出手段であり、供給弁63と供給口21aとの間の圧力を検知することが可能とされている。
接続点Dから供給口21aまでには、配管54が設けられている。配管54は、配管54内の圧力が過度に上昇した場合に開放されて、配管54内の気体を大気に放出するリリーフ弁64を有している。
排出口21bから接続点Eまでには、配管56が設けられている。配管56は、レベルゲージ87aが内装されたドレインタンク87を有し、その下流に水素ポンプ81を有している。
配管56の途中のドレインタンク87から接続点Fを介して後述するダクト91までには、配管57が設けられている。配管57は、接続点Fよりも上流に起動排気弁67を有している。
水素ポンプ81の下流側の接続点Eから接続点Fまでには、配管58が設けられている。配管58は、停止排気弁68を有している。
接続点Eから接続点Gを介して接続点Dまでには、配管59が設けられている。配管59は、接続点Eと接続点Gとの間に水素循環電磁弁69を有している。
接続点Gには、他端が開放されている配管55が設けられている。配管55は、外気導入電磁弁65と、開放端に装着されるフィルタ55bとを有している。
配管51a、51b、51c、52a、52b、53、54が供給路である。そして、供給路の一部である配管51a、51b、51c、52a、52bと、水素元電磁弁60a、60b、60cと、1次圧力センサ71a、71b、71cと、水素1次圧レギュレータ61a、61b、61cと、2次圧力センサ72と、水素2次圧レギュレータ62aと、水素起動電磁弁62bとが水素ガスの供給圧を調整する燃料供給圧調整手段51である。
燃料供給圧調整手段51は、水素起動電磁弁62bを開閉することにより、水素ガスの供給圧を水素1次圧レギュレータ61a、61b、61cの設定圧又は水素2次圧レギュレータ62aの設定圧に切り替えることが可能とされている。特に、この燃料供給圧調整手段51は、燃料電池1の発電起動時の水素ガスの供給圧を燃料電池1の通常発電時の供給圧よりも高くするものであるので、水素1次圧レギュレータ61a、61b、61cの設定圧が例えば0.3MPaとされて、水素2次圧レギュレータ62aの設定圧である0.1MPaよりも高く設定されている。
この燃料供給圧調整手段51と、供給路の残りの配管53、54と、供給弁63と、3次圧力センサ73とによって、水素タンク50から供給口21aに、所定の供給圧に調整された水素ガスを供給するための燃料供給手段が構成されている。3次圧力センサ73が供給路内の水素ガスの圧力を検出する圧力検出手段である。
また、配管56、57が排出路であり、配管56、58が副排出路である。副排出路は、起動排気弁67より燃料電池1に近い排出路に接続されている。排出路としての配管56、57と、レベルゲージ87aが内装されたドレインタンク87と、起動排気弁67と、副排出路としての配管56、58と、水素ポンプ81と停止排気弁68とによって、燃料室12aから排気水素ガスを排出するための燃料排出手段が構成されている。
さらに、配管56、59、54が排出口21bと供給口21aとを連結する循環路である。循環路としての配管56、59、54と、水素ポンプ81と、水素循環電磁弁69とによって、供給口21aに排気水素ガスを再供給するための燃料循環手段が構成されている。
また、配管55、59、54が外気路である。外気路としての配管55、59、54と、フィルタ55bと外気導入電磁弁65とによって、供給口21aに外部の空気を供給し、燃料室12a内を空気で置換する外気置換手段が構成されている。
また、燃料電池1の上方には、空気を取り入れる空気マニホールド42が設けられている。この空気マニホールド42には、フィルタ41aを有する空気吸入ファン41が接続されており、空気室12b内に空気を供給可能とされている。また、空気マニホールド42には、水噴射ノズル99が配設されている。この水噴射ノズル99は、配管98によりレベルゲージ97aが内装された水タンク97と接続されている。配管98は、フィルタ98a及び水直噴ポンプ83を有している。
さらに、燃料電池1の下方には、温度センサ90aを有する空気排出経路90と、凝縮器92と、凝縮器ファン93と、排出された空気を空気排出経路90から凝縮器92まで導くダクト91とが設けられて、空気室12b内から空気を排出可能とされている。凝縮器92は、空気と水とを分離することが可能であり、分離された空気を大気に排出するための配管94と、フィルタ94aと、温度センサ94bとを有しているとともに、分離された水を水タンク97に輸送する配管96と、水回収ポンプ82とを有している。
燃料供給手段、燃料供給圧調整手段51、燃料排出手段、圧力検出手段、燃料循環手段及び外気置換手段は、コントロールシステム45と電気的に接続されて、制御可能とされている。また、空気吸入ファン41、レベルゲージ97a、水直噴ポンプ83、温度センサ90a、凝縮器ファン93その他の構成部品も、コントロールシステム45と電気的に接続されて、制御可能とされている。
また、コントロールシステム45は、詳細を図4を用いて後述する制御手段を有している。制御手段は、燃料電池1の発電起動時、水素ガスを供給する前に起動排気弁67を開くと共に、3次圧力センサ73により水素ガスの供給を開始した後の圧力変化を検知し、圧力が所定値を超えて増加した場合に、起動排気弁67が開いていないと判定して警報信号を発するものである。また、制御手段は、警報信号を発した時、燃料電池1を所定の異常停止動作で停止させるものである。
以上の構成をした燃料電池システム100における動作の概要を説明する。この燃料電池システム100では、燃料電池1の通常発電時において、空気吸入ファン41と空気マニホールド42とにより空気が取り入れられて、図3に示すように、空気室12b内に空気が供給されるとともに、燃料供給手段により水素タンク50から供給口21aを経て、燃料室12a内に水素ガスが供給される。これにより、空気極11cと燃料極11bとの間で電気化学反応を生じさせ、起電力を得ることができる。
この間、図1に示すように、配管56、59、54と、水素ポンプ81と、水素循環電磁弁69とによって、排気水素ガスが排出口21bから供給口21aに再供給されたり、配管56、57、58と、レベルゲージ87aが内装されたドレインタンク87と、起動排気弁67と、停止排気弁68とによって、排気水素ガス及び生成水が燃料室12aの排出口21bから間欠的にダクト91を経て凝縮器92に移送されたりして、電気化学反応を連続的に生じさせるとともに、水が燃料室12a内に過度に滞留することによる性能の低下を抑制することができている。
また、水タンク97の水が水直噴ポンプ83により圧送されて、水噴射ノズル99から空気マニホールド42内に噴射される。これにより、空気極11cの乾燥が防止されるとともに、燃料電池1が冷却される。さらに、燃料電池1の空気室12bから排出された水を含む空気は、空気排出経路90からダクト91を経て凝縮器92に移送される。そして、凝縮器92により分離された空気は、配管94から大気に排出され、分離された水は、水回収ポンプ82により水タンク97に回収される。なお、ダクト91を経て凝縮器92に移送された排気水素ガス及び生成水も、同様にして、水素と水とに分離され、水素は空気とともに大気に排出され、水は水タンク97に回収される。
また、発電停止時においては、まず、供給弁63をとじて水素タンク50から燃料室12a内への水素ガスの供給を停止させる。そして、水素循環電磁弁69を閉じ、停止排気弁68を開いた後、水素ポンプ81で吸引することにより、燃料室12a内からダクト91、凝縮器92及び配管94を介して、水素ガスを大気に排出させる。その後、外気導入電磁弁65を開いて、供給口21aに外部の空気を供給し、燃料室12a内を空気で置換する。これにより、この燃料電池システム100は、燃料電池1の発電停止時に、燃料室12a内の水素ガスと空気室12b内の空気とが電解質膜11を挟んで存在するという状態を早期に解消することができる。こうして、この燃料電池システム100は、発電停止時において、水素ガスと空気との化学的反応が燃料電池1内で継続して起こって燃料電池1が劣化するという不具合を抑制することができる。
さらに、燃料電池1の発電起動時には、後で詳細を説明するが、まず、起動排気弁67及び停止排気弁68の双方を開く。そして、空気吸入ファン41と空気マニホールド42とにより空気が取り入れられて、空気室12b内に空気が供給されるとともに、供給弁63を開くことにより水素タンク50から供給口21aを経て、燃料室12a内に水素ガスが供給される。この際、燃料供給圧調整手段51の水素起動電磁弁62bを開いておくことにより、燃料室12a内に高い供給圧の水素ガスを急速に流入させることができる。このため、この燃料電池システム100は、発電停止時に燃料室12a内に置換された空気を新たに供給される水素ガスで置換することを急速に実施できる。このため、空気と水素ガスとが燃料室12a内で偏在する状態の発生を顕著に抑制することができる。また、燃料室12a内の気体の置換にかかる所要時間も短くなり、燃料電池1の発電起動時の所要時間も短縮できる。
このように動作する燃料電池システム100において、制御手段は、下記の手順で、燃料電池1の発電起動時、なんらかの不具合により起動排気弁67及び停止排気弁68が開いていない事態を判定して警報信号を発する。
まず、図4に示すプログラムに従って、燃料電池システム100における燃料電池1の発電起動時の動作が進行する。例えば、イグニッションキーがONにされる場合や、走行状況により一時的に発電停止状態とされた後、再度発電起動される場合に、コントロールシステム45に内蔵された制御手段により、図4のプログラムが実行される。
このプログラムが実行されると、まずステップS101において、コントロールシステム45から制御信号が発信され、起動排気弁67及び停止排気弁68がともに開くように制御される。これにより、燃料室12a内は、排出口21bと、配管56、57、58と、起動排気弁67と、停止排気弁68とにより、ダクト91に連通された状態となる。
次にステップS103において、水素起動電磁弁62bを開く。これにより、水素タンク50から供給口21aに供給される水素ガスの供給圧は水素1次圧レギュレータ61a、61b、61cの設定圧(0.3MPa)に調整される。なお、この時点で、まだ水素供給元電磁弁60a、60b、60cがまだ閉じた状態であれば、同時に開くように制御される。
ステップS105において、供給弁63を開く。これにより、水素タンク50から供給口21aに、通常よりも高い供給圧で水素ガスが供給され始める。
その後、ステップS107〜S119において、「3次圧力センサ73により検知された圧力値」(p)と、下記の通り定めた閾値(P4)とが比較される。なお、このプログラムにおいて、mは、pとP4との比較回数であり、nは、p>P4と連続して判定した回数である。このようにするのは、3次圧力センサ73のノイズや誤差等を排除するためである。
ここで、閾値P4は、「発電起動時に、通常発電時より高い供給圧の水素ガスが供給されている場合において、起動排気弁67及び停止排気弁68の少なくとも一方が開いているときの供給弁63と供給口21aとの間の圧力」をP3として、P3に圧力変動や、3次圧力センサ73の誤差等を考慮したマージンを上乗せした値として定められる。なお、起動排気弁67及び停止排気弁68の排気抵抗に大きな差がある場合、P3は、排気抵抗の小さい方が閉じ、排気抵抗の大きい方が開いているときにおける供給弁63と供給口21aとの間の圧力」とすることが好ましい。
その結果、pとP4との比較回数mが規定回数に達した場合には、制御手段は、検知処理を終了し、「起動排気弁67及び停止排気弁68の少なくとも一方が開いている」と判定し、ステップS123以降のステップに移行する。
つまり、ステップS123において、水素起動電磁弁62を閉じる。これにより、水素ガスは、発電起動時の高い供給圧から通常発電時の供給圧に切り替えられる。次に、ステップS125において、起動排気弁67及び停止排気弁68を閉じる。この時点では、既に燃料室12a内が空気から水素ガスに完全に置換されており、それ以上、水素ガスを無駄に排出しないためである。そして、ステップS127において、3次圧力センサ73の検出値をチェックして、通常発電時の供給圧で水素ガスが供給されていることを確認するともに、燃料電池1自体の開放電圧をチェックして、電気化学反応が正常に行われているかどうかを確認する。こうして、ステップS129において、通常運転状態に移行することとなる。なお、ステップS127において、3次圧力センサ73の検出値が通常発電時の供給圧よりも低ければ、起動排気弁67及び停止排気弁68の少なくとも一方が閉じないという故障を生じて、水素ガスが排出路又は副排出路から漏出していると推測できる。その場合にも、異常停止動作等の必要な措置を実施することが可能である。
他方、p>P4と連続して判定した回数nが異常判定回数に達した場合に、制御手段は、ステップS115において、「起動排気弁67及び停止排気弁68が開いていない」と判定する。その結果、制御手段は、ステップS121において、異常を認知し、ステップS131において、警報信号を発するのである。
そして、ステップS133において、制御手段は、異常停止動作を実施する。まず、供給弁63を閉じて、水素ガスの供給を止める。そして、外気導入電磁弁65を開いて、外気路としての配管55、59、54から供給口21aに、外気を導入する等の措置を実施することにより、燃料電池1を迅速に停止させ、劣化を抑制する。
こうして、実施例1の燃料電池システム100は、異常と判定された場合には、直ちに異常停止動作を実施し、安全かつ迅速に停止できるのである。
このため、この燃料電池システム100は、例えば、燃料電池1の発電停止時に燃料室内12aに置換された空気を排出路及び副排出路により排出して水素ガスで置換することができず、そのまま発電起動時の動作が継続されることにより、燃料室12a内に局部電池が形成されて、空気極11cの腐食等の劣化を生じてしまうというような燃料電池1の劣化を最小限で又は未然に防止することができているのである。
したがって、実施例1の燃料電池システム100は、燃料電池1に劣化反応を生じ難く、燃料電池1の耐久性を損ない難いのである。
また、この燃料電池システム100は、燃料電池1の発電起動時に、通常発電時よりも高い供給圧の水素ガスが供給されるが、起動排気弁及び停止排気弁が開いていない不具合が生じた場合でも、直ちに異常と判定し、異常停止動作に移行することができる。このため、排出口21aより下流が閉じたままで、高い供給圧の水素ガスが燃料室12a内に急速に流入することにより、燃料室12a内の内圧が急速かつ過度に上昇してしまうことを防止できる。このため、仮に燃料室12aの耐圧が充分に高くない場合でも、燃料室12a内の内圧が燃料室12aの耐圧を超え、燃料室12aが損傷することがないのである。
なお、この燃料電池システム100は、配管54の途中に、リリーフ弁64を有しているが、リリーフ弁64は機械式であるため、上記のような状況となっても、遅延的に開放に切り替わる。このため、3次圧力センサ73と制御手段とによる判定のほうが、リリーフ弁64より迅速な対応を実施することができるのである。
図5に示す実施例2の燃料電池システム101は、図1に示す実施例1の燃料電池システム100における燃料供給圧調整手段51の供給圧切り替えのための配管52b及び水素起動電磁弁62bと、燃料排出手段としての配管58、停止排気弁68及びレベルゲージ87aが内装されたドレインタンク87とが設けられていないものである。その他の構成は、全て実施例1の燃料電池システム100と同様であるので、説明は省略する。
図1に示すように、燃料供給圧調整手段511は、実施例1の燃料電池システム100と異なり、発電起動時においても通常発電時と同様に水素2次圧レギュレータ62aにより設定された供給圧で水素ガスを供給するようにされている。
配管56a、57aが排出路である。配管56a、57aと、起動排気弁67aと、水素ポンプ81とによって、燃料排出手段が構成されている。このため、実施例1において排出路及び副排出路が役割を分担して実施していた排気水素ガスと生成水とを排出する機能を、排出路のみで実施するようにされている。
このような構成である実施例2の燃料電池システム101は、実施例1の燃料電池システム100よりも構成及び操作手順が簡便化されているため、各工程における所要時間が延びる場合があるが、性能面においては、実施例1の燃料電池システム100とほぼ同様にして、燃料電池1の発電起動、通常発電及び発電停止を実施することができる。
このように動作する燃料電池システム101において、制御手段は、下記の手順で、燃料電池1の発電起動時、なんらかの不具合により起動排気弁67aが開いていない事態を判定して警報信号を発する。
図6に示すプログラムは、図4に示す実施例1におけるプログラムと殆ど同様であるが、水素起動電磁弁62bが省かれたことにより、ステップS103、S123が省かれている。また、副排出路及び停止排気弁68が省かれて、燃料排出手段の起動排気弁67aのみが開いていない事態を判定するように変更されことにより、図4のプログラムのステップS101、S109、S121、S125、S131が、図6のプログラムのステップS101b、S109b、S121b、S125b、S131bに変更されている。それ以外は、全て実施例1におけるプログラムと同様である。
この実施例2におけるプログラムでは、特にステップS109bにおいて、「3次圧力センサ73により検知された圧力値」(p)が下記の通り定めた閾値(P2)を超えた場合(Yes)に限り、ステップS113に移行する。
ここで、閾値P2は、「発電起動時に、所定の供給圧の水素ガスが供給されている場合において、起動排気弁67aが開いているときの供給弁63と供給口21aとの間の圧力」をP1として、P1に圧力変動や、3次圧力センサ73の誤差等を考慮したマージンを上乗せした値として定められる。
その結果、pとP2との比較回数mが規定回数に達した場合には、制御手段は、検知処理を終了し、「起動排気弁67aが開いている」と判定し、ステップS125以降のステップに移行する。
他方、p>P2と連続して判定した回数nが異常判定回数に達した場合に、制御手段は、ステップS115において、「起動排気弁67が開いていない」と判定する。その結果、制御手段は、ステップS121bにおいて、異常を認知し、ステップS131bにおいて、警報信号を発するのである。
そして、ステップS133において、制御手段は、異常停止動作を実施する。
こうして、実施例2の燃料電池システム101も、異常と判定された場合には、直ちに異常停止動作を実施し、安全かつ迅速に停止できるのである。このため、実施例2の燃料電池システム101は、実施例1の燃料電池システム100と同様の理由により、本発明の作用効果を奏するのである。
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
本発明は燃料電池システムに利用可能である。
実施例1の燃料電池システムに係る模式構成図である。 実施例1の燃料電池システムに係る燃料電池の分解斜視図である。 実施例1の燃料電池システムに係る燃料電池の積層体の模式断面図である。 実施例1の燃料電池システムに係る燃料電池の発電起動時における処理プログラムのフローチャートである。 実施例2の燃料電池システムに係る模式構成図である。 実施例2の燃料電池システムに係る燃料電池の発電起動時における処理プログラムのフローチャートである。
符号の説明
1…燃料電池
11a…固体高分子膜(電解質膜)
11b…燃料極
11c…空気極
12a…燃料室
12b…空気室
51a、51b、51c、52a、52b、53、54…供給路
51、53、54、63、73…燃料供給手段(51、511…燃料供給圧調整手段、53、54…配管、63…水素起動供給電磁弁、73…圧力検出手段(3次圧力センサ)
56、57、56a、57a…排出路
56、58…副排出路
56、57、58、67、68、81、87、87a……燃料排出手段(67、67a…起動排気弁、68…停止排気弁、81…水素ポンプ、87…ドレインタンク、87a…レベルゲージ)
100、101…燃料電池システム
S101〜S133、S101b、S109b、S121b、S125b、S131b…制御手段

Claims (4)

  1. 固体高分子膜を燃料極と空気極とで挟持し、該燃料極に燃料ガスを供給するための燃料室を有する燃料電池と、
    該燃料室に該燃料ガスを供給するための供給路及び該供給路を開閉する供給弁を有する燃料供給手段と、
    該供給路内の該燃料ガスの圧力を検出する圧力検出手段と、
    該燃料室から排ガスを排出するための排出路及び該排出路を開閉する起動排気弁を有する燃料排出手段と、
    該燃料電池の発電起動時、該燃料ガスを供給する前に該起動排気弁を開くと共に、該燃料ガスの供給を開始した後の圧力変化を検知し、圧力が所定値を超えて増加した場合に、該起動排気弁が開いていないと判定して警報信号を発する制御手段とを備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料排出手段は、前記起動排気弁より前記燃料電池に近い排出路に接続された副排出路及び該副排出路を開閉する停止排気弁を有し、
    前記制御手段は、該燃料電池の起動時、前記燃料ガスを供給する前に前記起動排気弁及び該停止排気弁を開くと共に、該燃料ガスの供給を開始した後の圧力変化を検知し、圧力が所定値を超えて増加した場合に、該起動排気弁及び該停止排気弁が開いていないと判定して警報信号を発するものであることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御手段は、前記警報信号を発した時、前記燃料電池を所定の異常停止動作で停止させるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池システム。
  4. 固体高分子膜を燃料極と空気極とで挟持し、該燃料極に燃料ガスを供給するための燃料室を有する燃料電池と、
    該燃料室に該燃料ガスを供給するための供給路及び該供給路を開閉する供給弁を有する燃料供給手段と、
    該燃料室から排ガスを排出するための排出路及び該排出路を開閉する起動排気弁を有する燃料排出手段とを備えた燃料電池システムの運転方法において、
    前記燃料電池の発電起動時、前記燃料ガスを供給する前に前記該起動排気弁を開くように制御すると共に、該燃料ガスの供給を開始した後の圧力変化を検知し、圧力が所定値を超えて増加した場合に、該起動排気弁が開いていないと判定して警報信号を発することを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
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