JP5171423B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
また、本発明は、前記レギュレータの圧力調整機能の故障を判定する故障判定手段を備え、前記異常判定手段は、前記第1圧力センサにより検出された圧力値が前記第2圧力センサの検出レンジの範囲にないと判定した場合に、前記第2圧力センサのオフセット異常を判定しないようになっており、前記故障判定手段は、前記異常判定手段が前記検出レンジの範囲にないと判定した場合に、前記第2圧力センサにより検出された圧力値が前記レギュレータの設定圧よりも大きいか否かを判定し、大きいと判定した場合に、前記レギュレータの圧力調整機能が故障していると判断することを特徴とする。
≪燃料電池システムの構成≫
図1に示す本実施形態に係る燃料電池システム1は、図示しない燃料電池自動車(移動体)に搭載されている。燃料電池システム1は、燃料電池スタック10と、燃料電池スタック10のアノードに対して水素(燃料ガス、反応ガス)を給排するアノード系と、燃料電池スタック10のカソードに対して酸素を含む空気(酸化剤ガス、反応ガス)を給排するカソード系と、燃料電池スタック10の発電電力を消費する電力消費系と、これらを電子制御するECU70(Electronic Control Unit、電子制御装置)と、を備えている。
燃料電池スタック10は、複数(例えば200〜400枚)の固体高分子型の単セル11が積層されることで構成されたスタックであり、複数の単セル11は電気的に直列で接続されている。単セル11は、MEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極接合体)と、これを挟み2枚の導電性を有するアノードセパレータ及びカソードセパレータと、を備えている。
カソードセパレータには、各MEAのカソードに対して空気を給排するため単セル11の積層方向に延びる貫通孔(内部マニホールドと称される)や、単セル11の面方向に延びる溝が形成されており、これら貫通孔及び溝がカソード流路13(酸化剤ガス流路)として機能している。
2H2→4H++4e− …(1)
O2+4H++4e−→2H2O …(2)
アノード系は、水素が高圧で収容された水素タンク21(反応ガスタンク)と、常閉型の第1遮断弁22と、レギュレータとしての第1減圧弁23と、常閉型の第2遮断弁24と、第2減圧弁25と、エゼクタ28と、常閉型のパージ弁29と、第1圧力センサ31、および第2圧力センサ32を備えている。
水素タンク21には、タンク内の水素の圧力値(第1減圧弁23の一次側の圧力:実測圧力値P1)を検出する第1圧力センサ31が設けられている。第1圧力センサ31としては、歪ゲージ方式のものを採用することができるが、これに限られることはなく、種々のものを採用することができる。
第2減圧弁25には、コンプレッサ41からカソード流路13に向かう空気の圧力が、オリフィス26が設けられた配管26aを介して、信号圧(パイロット圧)として入力されるようになっている。そして、第2減圧弁25は、入力された空気の圧力に基づいて、水素の圧力を制御し、燃料電池スタック10に送られる水素が適正となるように、さらに減圧するようになっている。第2減圧弁25で減圧された水素は、配管25aを介してエゼクタ28に送られ、エゼクタ28から燃料電池スタック10に供給される。
なお、配管28bには気液分離器(図示しない)が設けられており、この気液分離器によって、循環する水素に同伴する水分が分離されるようになっている。
なお、ECU70は、例えば、単セル11の電圧を検出するセル電圧モニタ(図示しない)から入力される最低セル電圧が、所定最低セル電圧以下となった場合、不純物を排出する必要があると判定し、パージ弁29を開く設定となっている。
カソード系は、コンプレッサ41(酸化剤ガス供給手段)と、背圧弁43と、希釈器(図示しない)とを備えている。
電力消費系は、走行モータ51と、VCU52(Voltage Control Unit)と、高圧バッテリ53とを備えている。走行モータ51は、VCU52を介して、燃料電池スタック10の出力端子(図示しない)に接続されている。高圧バッテリ53はVCU52に接続されている。なお、走行モータ51とVCU52との間に配置されているインバータ(PDU:Power Drive Unit)は省略している。
VCU52は、ECU70から送られる指令電流に従って、燃料電池スタック10の発電電力(出力電流、出力電圧)を制御(制限)する機器であり、DC/DCチョッパ、DC/DCコンバータ等の電子回路を備えている。すなわち、VCU52への指令電流が大きくなると、燃料電池スタック10から取り出される電流が大きくなり、燃料電池スタック10で消費される水素及び空気の消費量が多くなる。つまり、燃料電池スタック10による水素の消費量を制御する消費量制御手段は、VCU52とECU70とを備えて構成されている。
また、VCU52は、高圧バッテリ53の電力を制御、つまり、高圧バッテリ53の充電/放電を制御する機能も備えている。
IG61は、燃料電池システム及び燃料電池自動車の起動スイッチであり、運転席周りに配置されている。そして、IG61は、ON信号(発電開始信号)、OFF信号(発電停止信号)をECU70に出力するようになっている。
警告ランプ62aは、第1減圧弁23が故障していると判定される場合、運転者に故障を知らせるために点灯するランプであり、インストルメントパネルに配置されている。
また、警告ランプ62bは、第2圧力センサ32がオフセット異常であると判定される場合、運転者にそのオフセット異常を知らせるために点灯するランブであり、同じくインストルメントパネルに配置されている。
ECU70は、燃料電池システム1を電子制御する制御装置であり、CPU、ROM、RAM、各種インタフェイス、電子回路などを含んで構成されている。そして、ECU70は、その内部に記憶されたプログラムに従って、各種機器を適宜に制御するようになっている。
また、ECU70は、第1圧力センサ31から入力される実測圧力値P1と、第2圧力センサ32から入力される実測圧力値P2とに基づいて、第1減圧弁23が故障しているか否か、および第2圧力センサ32がオフセット異常であるか否かを判定する機能を備えている。
次に、燃料電池システム1の動作について、図3を主に参照しつつ適宜各図を参照して説明する。
なお、IG61がオンされ、このオン信号を検知したECU70は、起動時の各種処理を実行し、例えば、アノード内の水素をフレッシュな水素に置き換え、水素濃度を高める操作であるOCVパージを実行する。そして、OCVパージの完了により燃料電池スタック10が発電を開始すると、図3のフローチャートの処理が開始する。すなわち、ECU70は、コンタクタをオン状態にするとともに、VCU52に対して燃料電池スタック10から電流を取り出す指令を発する。
そこで、そのような想定に対応するために、第1減圧弁23と第2減圧弁25とのそれぞれの調圧特性から、第2圧力センサ32のオフセット異常を判定することが可能な圧力範囲を検出レンジとして定めるようにしてもよい。この場合には、第2減圧弁25の減圧特性を考慮して、第2圧力センサ32の検出レンジの最大値よりも低い圧力(第2減圧弁25の減圧設定値)に検出レンジを定め、水素タンク21内の圧力である実測圧力値P1が、この検出レンジの範囲に下がったことを条件として、第2圧力センサ32のオフセット異常が判定されるようにしてもよい。
10 燃料電池スタック
21 水素タンク(反応ガスタンク)
23 第1減圧弁(レギュレータ)
31 第1圧力センサ
32 第2圧力センサ
62a 警告ランプ
62b 警告ランプ
70 ECU
71 異常判定手段
72 故障判定手段
73 異常対応制御手段
74 禁止手段
P1 実測圧力値
P2 実測圧力値
P3 設定圧
Claims (3)
- 反応ガスを収容する反応ガスタンクと、
前記反応ガスタンクからの反応ガスの圧力を調整する圧力調整機能を備えたレギュレータと、
前記レギュレータにより圧力調整された反応ガスが供給されて発電する燃料電池と、
前記レギュレータの一次側の圧力を検出する第1圧力センサと、
前記レギュレータの二次側の圧力を検出する第2圧力センサと、を備え、
前記第1圧力センサにより検出された圧力値が前記第2圧力センサの検出レンジの範囲に有るか否かを判定し、その範囲に有ると判定した場合に、前記第1圧力センサにより検出された圧力値と、前記第2圧力センサにより検出された圧力値とを比較し、
前記第1圧力センサにより検出された圧力値よりも前記第2圧力センサにより検出された圧力値が高いときに、前記第2圧力センサがオフセット異常であると判定する異常判定手段を備えたことを特徴とする燃料電池システム。 - 前記レギュレータの圧力調整機能の故障を判定する故障判定手段を備え、
前記異常判定手段は、前記第1圧力センサにより検出された圧力値が前記第2圧力センサの検出レンジの範囲にないと判定した場合に、前記第2圧力センサのオフセット異常を判定しないようになっており、
前記故障判定手段は、前記異常判定手段が前記検出レンジの範囲にないと判定した場合に、前記第2圧力センサにより検出された圧力値が前記レギュレータの設定圧よりも大きいか否かを判定し、大きいと判定した場合に、前記レギュレータの圧力調整機能が故障していると判断することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記第1圧力センサにより検出された圧力値と、前記第2圧力センサにより検出された圧力値とから、前記レギュレータの圧力調整機能の故障を判定する故障判定手段と、
前記故障判定手段により、前記レギュレータの圧力調整機能の故障が判定された際に、システムのフェールセーフ動作に移行させる異常対応制御手段と、を備え、
前記異常判定手段により前記第2圧力センサがオフセット異常であると判定された際に、
前記故障判定手段による圧力調整機能の故障の判定を禁止する禁止手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
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