JP4872231B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

この発明は、燃料電池を備える燃料電池システムに関する。
燃料電池を用いて発電を行なう際には、アノードに対して水素を含有する燃料ガスを供給するが、このような燃料ガスの供給部においては、一般に、種々の安全対策が施されている。特に、高圧の水素含有ガス供給源(例えば水素タンク)から燃料ガスを供給すると共に、圧力を適宜低下させた後に燃料ガスを燃料電池に供給するシステムにおいては、この燃料ガスの圧力調節に関わる機構に問題が生じた場合のための対策が重要である。過剰な圧力の燃料ガスが供給されると、下流側の配管やバルブ、あるいは燃料電池が損傷を受ける可能性があるためである。このような対策の一つとして、燃料電池に水素ガスを供給する供給路に、所定圧で開弁するリリーフバルブを設け、水素ガスの圧力が所定値を超えるときには、リリーフバルブから水素ガスを流路外に排出する構成が知られている(例えば、特開2002−216812号公報)。
特開2002−216812号公報 特開2004−55287号公報
しかしながら、このようなリリーフバルブを設けて水素含有ガスを外部に排出する場合には、可燃性ガスである水素が外部に排出される際の濃度ができる限り低く抑えられるように、リリーフバルブを含む水素ガスの排出部全体の形状を設定する必要があった。すなわち、外部に排出される水素が拡散しやすいように、リリーフバルブに接続される流路の配管長さや、リリーフバルブおよびリリーフバルブに接続される流路の配設位置、あるいは、外部へ水素ガスを排出する排出口の向きなどの全体形状を、排出水素の拡散を促す形状となるように設定する必要があった。特に、燃料電池システムを車両などの移動体の駆動用電源として用いる場合には、燃料電池システムの搭載スペースに限りがあるため、水素の排出に関わる配管などの形状が制限される可能性があった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池システムにおいて、外部に排出する水素の拡散を促進するために設計上の制限を課すことなく、燃料電池に供給される燃料ガス圧の過剰上昇を防止することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、燃料電池を備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池に対して水素を含有する燃料ガスを供給する第1の流路と、
前記第1の流路に接続される第2の流路と、
前記第2の流路あるいは前記第2の流路と前記第1の流路との接続部に設けられ、該第2の流路内の圧力が第1の基準値を超えるときに開弁する第1のリリーフバルブと、
前記第2の流路の下流側に接続され、前記第1のリリーフバルブを介して前記第1の流路から排出された水素の濃度を、外部への排出に先立って低減する水素濃度低減部と
酸化ガスを供給する酸化ガス供給部と、
前記酸化ガス供給部と前記燃料電池とを接続し、前記燃料電池のカソードに対して前記酸化ガスを導入する酸化ガス流路と、
を備え
前記第2の流路は、さらに前記酸化ガス流路に接続されており、
前記水素濃度低減部は、前記燃料電池が備えるカソード触媒であることを要旨とする。
以上のように構成された本発明の燃料電池システムによれば、第1の流路内の圧力が第1の基準値を超えて上昇するときには第1のリリーフバルブが開弁するため、第1の流路において第2の流路との接続部よりも下流側に対して許容範囲を超える圧力のガスが供給されることがない。このように第1のリリーフバルブを介して第1の流路から外部へと水素を排出する際に、水素濃度低減部によって水素濃度が低減されるため、外部に排出されるガス中の水素濃度の上昇を抑制することができる。また、このように水素濃度低減部を用いることにより、水素濃度を予め低減させること無く外部に排出する場合のように、ガスの排出に際して水素の拡散を促進する必要がないため、外部に排出する水素の拡散を促進するために課される設計上の制限を抑制することができる。また、このような構成とすれば、第1のリリーフバルブを経由して排出される水素をカソード触媒上で酸化させることによって、水素濃度を低減させることができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、さらに、
前記第1の流路に設けられ、前記燃料電池に供給される前記燃料ガスの圧力を調整する圧力調整部を備え、
前記第2の流路は、前記圧力調整部の配置位置よりも下流側において前記第1の流路に接続されることとしても良い。
このような構成とすれば、圧力調整部に発生した不具合に起因して第1の流路の下流側に過剰な圧力が加えられることを防止することができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、さらに、
水素を貯蔵すると共に前記第1の流路に接続する水素貯蔵部と、
前記第1の流路に設けられ、前記燃料電池システムの停止時には閉状態となるシャットバルブと
を備え
前記第2の流路は、前記シャットバルブよりも下流側で前記第1の流路に対して接続することとしても良い。
このような構成とすれば、燃料電池システムの停止時にシャットバルブが閉状態となっているときに、シャットバルブから下流側へと水素が漏れ出して、第1の流路内でシャットバルブの下流側における圧力が上昇する場合であっても、許容範囲を超える圧力上昇を防止することができる。
あるいは、本発明の燃料電池システムにおいて、さらに
記カソードから排出されるカソード排ガスを外部に導くカソード排ガス流路に設けられると共に、該カソード排ガス流路の断面積よりも大きな断面積を有する希釈器と、
前記燃料電池の温度を取得する燃料電池温度取得部と、
前記第2の流路から分岐して前記希釈器に接続する第1の分岐路と
記第2の流路を、前記第1の分岐路あるいは前記酸化ガス流路のいずれかと択一的に連通させる切り替え部と、
前記燃料電池温度取得部が取得した前記燃料電池の温度が基準値以上のときには、前記切り替え部を駆動して前記第2の流路と前記酸化ガス流路とを連通させ、前記燃料電池の温度が基準値を下回るときには、前記切り替え部を駆動して前記第2の流路と前記第1の分岐路とを連通させる切り替え制御部と
を備え、
前記第2の流路が前記第1の分岐路に連通するときには、前記希釈器が前記水素濃度低減部として働き、前記第2の流路が前記酸化ガス流路に連通するときには、前記燃料電池が備えるカソード触媒が前記水素濃度低減部として働くこととしても良い。
このような構成とすれば、燃料電池の温度が基準値以上の時には、第1のリリーフバルブを経由して排出される水素の濃度をカソード触媒によって低減させることができ、燃料電池の温度が基準値を下回るときには、上記排出される水素の濃度を希釈器においてカソード排ガスを用いて低減させることができる。このように、燃料電池の温度が低いときにはカソード触媒とは異なる水素濃度低減部を用いるため、燃料電池の温度が変化しても、水素濃度低減の効率の低下を抑制することができる。
このような本発明の燃料電池システムにおいて、さらに、
前記燃料電池による発電を行なう際に、前記酸化ガス供給部からの酸化ガス供給量を制御する酸化ガス量制御部であって、前記第1のリリーフバルブが開弁すると共に前記第2の流路が前記第1の分岐路に連通されるときには、前記酸化ガス供給部からの酸化ガス供給量を、前記燃料電池における発電量に基づいて設定される値よりも増大させる酸化ガス量制御部を備えることとしても良い。
このような構成とすれば、第1のリリーフバルブを経由した水素が希釈器に流入する際にはカソード排ガス量が増加するため、水素を排出する際の濃度を低減する効果を高めることができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、さらに
記第1の流路に接続されると共に、前記第2の流路よりも流路の配管径が大きく形成された第3の流路と、
前記第3の流路あるいは前記第3の流路と前記第1の流路との接続部に設けられ、該第3の流路内の圧力が、前記第1の基準値よりも大きな第2の基準値を超えるときに開弁する第2のリリーフバルブと
を備えることとしても良い。
このような構成とすれば、第1のリリーフバルブが開弁した後に第1の流路における圧力が上昇し続ける場合であっても、第2のリリーフバルブが開弁して第3の流路からより多くのガスが排出されるため、第1の流路における圧力上昇を抑制することができる。また、第2の流路が第3の流路に比べて配管径が小さく、第2の流路は第3の流路に比べて流れるガス量が少ないため、第2の流路に接続する水素濃度低減部に供給されるガスの圧力を抑制し、過剰なガス圧に起因する水素濃度低減部の損傷を防止することができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、本発明の燃料電池システムを駆動用電源として搭載する移動体などの形態で実現することが可能である。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.システムの全体構成:
B.水素ガス圧過剰上昇防止の動作:
C.第2実施例:
D.第3実施例:
E.第4実施例:
F.変形例:
A.システムの全体構成:
図1は、本発明の実施例である燃料電池システム10における燃料電池の発電に関わる部分の構成の概略を表わすブロック図である。本実施例の燃料電池システム10は、車両に搭載され、車両の駆動用電源として用いられる。燃料電池システム10は、発電の本体である燃料電池22と、燃料電池22に供給する水素を貯蔵する水素タンク23と、燃料電池22に圧縮空気を供給するためのエアコンプレッサ24と、を備えている。ここで、水素タンク23は、第1の流路60によって燃料電池22のアノードと接続されており、水素タンク23に貯蔵される水素が、燃料ガスとして燃料電池22のアノードに供給される。また、エアコンプレッサ24は、酸化ガス供給路67によって燃料電池22のカソードに接続されており、エアコンプレッサ24によって取り込まれた空気が、酸化ガスとして燃料電池22のカソードに供給される。燃料電池22としては種々の種類の燃料電池を用いることが可能であるが、本実施例では、燃料電池22として固体高分子型燃料電池を用いている。この燃料電池22は、複数の単セルを積層したスタック構造を有している。以下に、燃料電池システム10を構成する各部および燃料電池システム10におけるガスの流れについて、さらに説明する。
水素タンク23は、例えば、高圧水素を貯蔵する水素ボンベである。あるいは、水素吸蔵合金を内部に備え、水素吸蔵合金に吸蔵させることによって水素を貯蔵するタンクとしても良い。水素タンク23に貯蔵された水素ガスは、水素タンク23に接続された第1の水素流路60に放出された後、圧力調整弁62によって所定の圧力に調整(減圧)されて、燃料ガスとして燃料電池22を構成する各単セルのアノードに供給される。なお、図1の燃料電池システム10では、第1の水素流路60において圧力調整弁が一つしか設けられていないが、水素タンク23内の水素圧力や、燃料電池22に水素を供給する際の望ましい圧力に応じて、複数の圧力調整弁を適宜設ければよい。この場合には、図1の圧力調整弁62は、最も下流側、すなわち、燃料電池22に最も近い位置に配設された圧力調整弁に対応する。
燃料電池22のアノードから排出されるアノード排ガスは、アノード排ガス路63に導かれて再び第1の水素流路60に流入する。このように、アノード排ガス中の残余の水素は、第1の水素流路60の一部とアノード排ガス路63と燃料電池22内の流路とから成る流路(以下、循環流路と呼ぶ)内を循環して再度電気化学反応に供される。負荷要求に応じた電気化学反応が進行可能となるように、循環流路内の圧力は圧力調整弁62によって調節され、電気化学反応の進行に伴って、圧力調整弁62を介して水素タンク23から循環流路へと水素が補充される。循環流路内でアノード排ガスを循環させるために、アノード排ガス路63には水素ポンプ65が設けられている。なお、第1の水素流路60には、圧力調整弁62の上流側に、シャットバルブ61が設けられている。このシャットバルブ61は、燃料電池22における発電を停止する際に閉じられて、水素タンク23から燃料電池22への水素ガス供給を遮断する。
さらに、第1の水素流路60における圧力調整弁62よりも下流側には、第1の水素流路60と連通する流路である第2の水素流路66が接続されている。この第2の水素流路66には、予め設定された第1の圧力で開弁すると共に、予め設定された第2の圧力で閉弁する第1のリリーフバルブ69が設けられている。また、第2の水素流路66は、さらに、燃料電池22へと酸化ガスを供給する酸化ガス供給路67に接続されている。第1のリリーフバルブ69を介した第1の水素流路60からの水素ガス排出の動作については、後に詳しく説明する。
また、アノード排ガス路63には、気液分離器27が設けられている。電気化学反応の進行に伴ってカソードでは水が生じるが、生じた水は、燃料電池22の電解質膜を介して、アノード側に供給される燃料ガス内にも導入される。気液分離器27は、このようなアノード排ガス中に含まれる水蒸気を凝縮させて、アノード排ガスから除去する。この気液分離器27には、バルブ27aが設けられており、バルブ27aを開状態とすることで、気液分離器27内で凝縮された水が、バルブ27aに接続する排ガス排出路64を介して外部に排出される。なお、バルブ27aが開状態になると、上記凝縮水と共に、アノード排ガス路63内を流れるアノード排ガスの一部も外部に排出される。燃料電池22の運転時には、アノード側を流れるガスにおいては、既述したように電解質膜を介して、カソード側から水が導入されると共に、カソードに供給される空気中の窒素なども導入される。従って、燃料電池による発電を継続していると、循環流路内を循環する水素含有ガスでは窒素などの不純物濃度が上昇するが、所定のタイミングでバルブ27aを開状態にして循環する水素含有ガスの一部を外部に排出することで、水素含有ガス中の不純物濃度の上昇を抑えている。ここで、排ガス排出路64は、排ガス排出路64よりも断面積が大きい容器である希釈器26に接続されている。この希釈器26は、アノード排ガスを外部に排出する際に、排出に先立って、アノード排ガス中の水素を後述するカソード排ガスによって希釈するために設けられている。
エアコンプレッサ24は、加圧した空気を酸化ガスとして酸化ガス供給路67を介して燃料電池22のカソードに供給する。エアコンプレッサ24が空気を圧縮する際には、エアクリーナ28を介して外部から空気を取り込む。カソードから排出されるカソード排ガスは、カソード排ガス路68に導かれて外部に排出される。ここで、酸化ガス供給路67には、既述したように第2の水素流路66が接続されている。そのため、第1のリリーフバルブ69を介して第2の水素流路66から酸化ガス供給路67へと水素が流入すると、流入した水素は、酸化ガスである空気と共に燃料電池22のカソードへと供給される。また、本実施例では、酸化ガス供給路67およびカソード排ガス路68は、加湿モジュール25を経由している。加湿モジュール25では、水蒸気透過性の膜によって酸化ガス供給路67とカソード排ガス路68とが隔てられており、水蒸気を含有するカソード排ガスを用いて、カソードに供給する加圧空気の加湿を行なっている。さらに、カソード排ガス路68は、カソード排ガスを外部に導くのに先立って、既述した希釈器26を経由している。そのため、カソード排ガスは、希釈器26において、排ガス排出路64を介して流入するアノード排ガスと混合されてこれを希釈し、その後、外部に排出される。
さらに、燃料電池システム10は、燃料電池システム10の各部の動きを制御する制御部70を備えている。制御部は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、詳しくは、予め設定された制御プログラムに従って所定の演算などを実行するCPUと、CPUで各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納されたROMと、同じくCPUで各種演算処理をするのに必要な各種データが一時的に読み書きされるRAMと、各種の信号を入出力する入出力ポート等を備える。この制御部70は、燃料電池システム10が備える各種センサの検出信号や、燃料電池22に対する負荷要求に関する情報などを取得する。また、制御部70は、燃料電池システム10が備える圧力調整弁62、エアコンプレッサ24、水素ポンプ65、あるいはバルブ61,27aのような燃料電池22の発電に関わる各部に駆動信号を出力する。
B.水素ガス圧過剰上昇防止の動作:
図2は、第1の水素流路60内の水素圧が許容範囲を超えて上昇する時に燃料電池システム10で行なわれる動作である圧力上昇時処理を表わす説明図である。なお、この図2に示した圧力上昇時処理は、制御部70によって積極的に行なわれる制御を表わすものではなく、燃料電池システム10において進行する動作を説明するものである。
燃料電池22の発電中に、第1の水素流路60において、例えば圧力調整弁62に不具合が生じると、水素タンク23から放出される水素ガスが、充分に降圧されることなく圧力調整弁62を通過するようになり、第1の水素流路60内の水素圧が上昇する(ステップS100)。このように水素圧が上昇して、圧力調整弁62よりも下流の第1の水素流路60内の圧力が、第1のリリーフバルブ69の開弁圧として設定された圧力(第1の圧力)を超えると、第1のリリーフバルブ69が開弁する(ステップS110)。ここで、第1のリリーフバルブ69の開弁圧としては、燃料電池システム10の正常な動作時に第1の水素流路60内の圧力が変動する範囲を超えた圧力であって、第1の水素流路60内の圧力調節における異常発生時に相当する圧力が設定されている。このような開弁圧としては、燃料電池22が許容できる水素圧、および、水素圧が正常範囲であるときに水素が流れる配管であって第1の水素流路60と第2の水素流路66との接続部位よりも下流側の配管やこの配管に設けられる部品が許容できる水素圧よりも低い圧力が設定されている。
第1のリリーフバルブ69が開弁することで、第1の水素流路60内の水素が酸化ガス供給路67内に流入し(ステップS120)、この水素は、酸化ガスと共に燃料電池22のカソードに供給される。カソードに供給された水素は、カソード触媒上で、酸化ガス中の酸素を利用して酸化される(ステップS130)。上記のように燃料電池22は発電中であるため、カソード触媒上では電気化学反応が進行しているが、カソードに対して酸素と共に水素が供給されると、カソード触媒上では、電気化学反応と共に、水素の酸化反応、すなわち水素と酸素とから水を生じる反応が進行する。このように、電気化学反応および水素の酸化反応で生じた水蒸気を含有するガスは、カソード触媒からカソード排ガス路68および希釈器26をさらに経由して、燃料電池システム10の外部(大気中)に排出される。このように、第1のリリーフバルブ69から酸化ガス供給路67内に流入した水素の少なくとも一部はカソード触媒上で進行する酸化反応で消費されるため、カソード触媒は、水素濃度低減部として機能する。
なお、第1のリリーフバルブ69の開弁を検出した場合には、制御部70によって、燃料電池22の発電を停止すればよい。すなわち、シャットバルブ61を閉じて水素ガスの供給を停止すると共に、エアコンプレッサ24を停止させて酸化ガスの供給を停止し、さらなる水素の流出を防止すると共に、不具合発生状態での発電を停止すればよい。既述したように、本実施例では、燃料電池システム10を車両駆動用電源として用いているが、燃料電池22と共に例えば2次電池を車両駆動用電源として搭載しておくことで、このような発電停止時にも必要な車両走行を行なうことが可能となる。
ここで、第1のリリーフバルブ69の開弁は、例えば、燃料電池システム10の第1の水素流路60における圧力調整弁62よりも下流側に圧力センサを設けることにより、検出することができる。すなわち、第1の水素流路60における圧力調整弁62よりも下流側の圧力が、第1のリリーフバルブ69において設定された開弁圧に達したときには、第1のリリーフバルブ69が開弁したと判断することができる。また、第2の水素流路66において第1のリリーフバルブ69よりも上流側に圧力センサを設ける場合にも同様に判断することができる。あるいは、第2の水素流路66において、第1のリリーフバルブ69よりも下流側に圧力センサを設け、所定の基準値を上回る急激な圧力上昇があったときに、第1のリリーフバルブ69が開弁したと判断しても良い。また、上記いずれかの圧力センサに代えてガス流量を検出する流量計を設け、ガス流量に基づいて同様の判断をすることも可能である。なお、燃料電池システムでは、通常は圧力調整弁62の下流に圧力センサを設けて第1の水素流路60内の圧力を監視するため、この圧力センサの検出信号を用いる場合には、第1のリリーフバルブ69の開弁を判断するために、別途センサを設ける必要がない。
以上のように構成された本実施例の燃料電池システム10によれば、第1の水素流路60内の圧力が所定の設定圧を超えて上昇したときには第1のリリーフバルブ69が開弁するため、燃料電池22に対して許容範囲を超える圧力のガスが供給されることがない。このように第1のリリーフバルブ69を介して水素を外部に排出する際に、水素の少なくとも一部はカソード触媒上で消費されるため、外部に排出されるガス中の水素濃度の上昇を抑制することができる。また、このようにカソード触媒を水素濃度低減部として用いることにより、水素ガスを予め消費すること無く外部に排出する場合のように、ガスの排出に際して水素の拡散を促進する必要がないため、外部に排出する水素の拡散を促進するために課される設計上の制限を抑制することができる。
なお、第1のリリーフバルブ69を開弁することにより第1の水素流路60から水素を排出する動作は、燃料電池22の発電中だけでなく、燃料電池システム10の停止中であっても行なわれる可能性がある。このような場合であっても、カソード触媒は、発電時と同様に、水素濃度低減部として機能することができる。システム停止時におけるカソード触媒による水素濃度低減の動作を、以下に説明する。
燃料電池システム10の停止中には、シャットバルブ61および圧力調整弁62が閉じられて水素タンク23からの水素供給が停止されるが、例えば経時的な劣化によって、これらのバルブから微量の水素漏れが生じる場合が考えられる。システム停止時間が長時間であり、このような水素漏れが継続して進行すると、水素タンク23内には高圧の水素が貯蔵されているため、シャットバルブ61および圧力調整弁62の下流側において第1の水素流路60内の圧力が次第に高まる。このような場合に、第1の水素流路60内の圧力が第1のリリーフバルブ69の開弁圧を超えると、第1のリリーフバルブ69が開弁して、第1の水素流路60内の水素が酸化ガス供給路67内に流入する。ただし、このとき、水素の漏れ量が微量であれば、第1のリリーフバルブ69が開弁することで第1の水素流路60内の圧力は急激に低下するため、第1のリリーフバルブ69は閉弁する。
ここで、燃料電池システム10の停止中には、エアコンプレッサ24も停止しているため、酸化ガスが積極的に酸化ガス供給路67内に送り込まれることはないが、酸化ガス供給路67は大気開放されており、内部には大気圧の空気が満ちている。そのため、第1のリリーフバルブ69を介して流入した水素は、酸化ガス供給路67内で空気と混合されつつ拡散し、次第に燃料電池22のカソードへと到達する。このようなシステム停止時には、発電時に比べて燃料電池22の温度が低下しており、したがって、カソード触媒の温度も発電時に比べて低く、活性も低い状態となっている。しかしながら、温度が低下した状態であっても、水素の酸化反応は、ゆっくりとではあるが進行する。そのため、カソード触媒上において、流入した水素の消費が緩やかに進行し、酸化ガス供給路67およびこれに連通する燃料電池22内の酸化ガスの流路内における水素濃度は次第に低下する。ここで、次回起動時に、エアコンプレッサ24の駆動と共に希釈器26を経由したカソード排ガスの放出が開始される時には、酸化ガス供給路67内に流入した水素はカソード触媒上で消費されているため、外部に排出されるガス中の水素濃度を抑制することができる。
C.第2実施例:
図3は、第2実施例の燃料電池システム110の概略構成を表わすブロック図である。燃料電池システム110は、第1実施例の燃料電池システム10と同様に、車両の駆動用電源として用いられており、燃料電池システム10と類似する構成を有しているため、共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
燃料電池システム110は、燃料電池システム10の第2の水素流路66に代えて、第2の水素流路166を備えている。第2の水素流路166は、第2の水素流路66と同様に、循環流路の一部である第1の水素流路60に接続されているが、他の端部は、酸化ガス供給路67ではなく希釈器26へと接続されている。また、第2の水素流路166には、第2の水素流路66と同様に、第1のリリーフバルブ69が設けられている。
図4は、第1の水素流路60内の水素圧が許容範囲を超えて上昇する時に燃料電池システム110で行なわれる動作である圧力上昇時処理を表わす説明図である。この図4に示す圧力上昇時処理は、燃料電池システム10において進行する動作を、制御部70によって積極的に行なわれる制御を交えて表わすものである。
第2実施例においても、第1実施例と同様に、例えば圧力調整弁62での不具合発生に起因して第1の水素流路60内の圧力が所定値以上に上昇すると(ステップS200)、第1のリリーフバルブ69が開弁する(ステップS210)。そして、第1のリリーフバルブ69が開弁することで、第1の水素流路60内の水素が、第2の水素流路166を介して希釈器26へと流入する(ステップS220)。
このように第1のリリーフバルブ69が開弁すると、本実施例では、第1のリリーフバルブ69の開弁が制御部70によって検知される(ステップS230)。第1のリリーフバルブ69の開弁は、既述したように、第1の水素流路60における圧力調整弁62よりも下流側、あるいは第2の水素流路66に、圧力センサあるいは流量計を設けることで、検出可能となる。第1のリリーフバルブ69の開弁を検知すると、制御部70は、エアコンプレッサ24の駆動量を増加させる(ステップS240)。ここで、燃料電池22の発電中には、負荷要求(例えば、車速及びアクセル開度に基づいて設定される車両走行のための負荷要求)に応じて、所望の電力を得るために充分な量として設定される所定量の酸化ガスがカソードに供給されるように、エアコンプレッサ24が駆動されている。ステップS240では、例えば、このような負荷要求に応じて設定される酸化ガス供給量に比べて、予め定めた所定量だけ供給酸化ガス量が増加するように、エアコンプレッサ24の駆動量を増加させればよい。上記予め定めた所定量とは、第1のリリーフバルブ69が開弁して水素ガスが希釈器26に流入したときに、希釈器26から外部に排出されるガス中の水素濃度を充分に低くすることができる量として設定されるものである。あるいは、ステップS240では、エアコンプレッサ24の駆動可能量として設定されている範囲の最大値となるように、エアコンプレッサ24の駆動量を増加させても良い。
第1のリリーフバルブ69の開弁によって、第2の水素流路166を介して希釈器26に水素が流入すると、この水素は、エアコンプレッサ24から燃料電池22内を経由して供給される空気によって希釈され、燃料電池システム110の外部(大気中)に排出される(ステップS250)。このように、本実施例では、カソード排ガス路68よりも流路断面積が大きく形成されると共に空気が流通する希釈器26が、水素濃度低減部として機能する。燃料電池22の発電中は、エアコンプレッサ24から空気が供給されているため、エアコンプレッサ24の駆動量を特に増加させない場合であっても、希釈器26は水素濃度低減部として機能することができる。しかしながら、第2実施例のようにエアコンプレッサ24の駆動量を増加させることで、外部に排出されるガス中の水素濃度を低減する効果を高めることができる。なお、第1のリリーフバルブ69の開弁の検出に伴って燃料電池22の発電を停止する制御を行なう際には、エアコンプレッサ24において、希釈器26内に導入された水素を希釈するための充分な駆動量および駆動時間を確保した後に、エアコンプレッサ24を停止すればよい。
以上のように構成された第2実施例の燃料電池システム110によれば、第1の水素流路60内の圧力が予め設定された開弁圧を超えて上昇するときには第1のリリーフバルブ69が開弁するため、燃料電池22に対して許容範囲を超える圧力のガスが供給されることがない。このように第1のリリーフバルブ69を介して水素を外部に排出する際に、希釈器26において水素濃度を低減させているため、外部に排出されるガス中の水素濃度の上昇を抑制することができる。また、このように希釈器26を水素濃度低減部として用いることにより、水素ガスを予め希釈すること無く外部に排出する場合のように、配管から大気中へと放出する際に水素の拡散を促進する必要がないため、外部に排出する水素の拡散を促進するために課される設計上の制限を抑制することができる。
なお、第1実施例と同様に、第1のリリーフバルブ69を開弁することにより第1の水素流路60から水素を排出する動作は、燃料電池22の発電中だけでなく、燃料電池システム110の停止中であっても行なわれる可能性がある。このような場合であっても、希釈器26は、発電時と同様に水素濃度低減部として機能することができる。システム停止時における希釈器26による水素濃度低減の動作を、以下に説明する。
燃料電池システム110の停止中に、シャットバルブ61および圧力調整弁62からの水素漏れが生じると、第1の水素流路60内の圧力が次第に上昇して第1のリリーフバルブ69が開弁する。これにより、第1の水素流路60内の水素が第2の水素流路166を介して希釈器26へと流入する。ここで、燃料電池システム110の停止中には、エアコンプレッサ24が停止しているため、酸化ガスが積極的に希釈器26内に送り込まれることはない。しかしながら希釈器26は、カソード排ガス路68さらには第2の水素流路166よりも流路断面積が大きく形成され、内部に空気が滞留している容器である。したがって、希釈器26内の空間で、希釈器26内に滞留する空気によって、上記流入した水素は希釈される。システム停止時において、水素の漏れ量が微量であるならば、第1のリリーフバルブ69が開弁して第1の水素流路60内の圧力が低下すると第1のリリーフバルブ69は閉弁するため、流入する水素量は限られている。したがって、第1のリリーフバルブ69の開弁により流入した水素は、希釈器26内で効果的に希釈される。次回にシステムが起動されるときには、希釈器26内で水素濃度が低減されているため、エアコンプレッサ24が駆動されて希釈器26を経由したカソード排ガスが外部に排出されても、外部に排出されるガス中の水素濃度を抑制することができる。
D.第3実施例:
図5は、第3実施例の燃料電池システム210の概略構成を表わすブロック図である。燃料電池システム210は、燃料電池システム10および燃料電池システム110と類似する構成を有しているため、共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
燃料電池システム210は、燃料電池システム10の第2の水素流路66と同様に、第1の水素流路60から酸化ガス供給路67へと水素を導くガス流路と、燃料電池システム110の第2の水素流路166と同様に、第1の水素流路60から希釈器26へと水素を導くガス流路とを備えている。具体的には、燃料電池システム210は、第1の水素流路60に接続されると共に第1のリリーフバルブ69を設けた第2の水素流路266を備えている。この第2の水素流路266は、酸化ガス供給路67に接続される第1分岐路80と、希釈器26に接続される第2分岐路82とに分岐している。第2の水素流路266が第1分岐路80および第2分岐路82に分岐する分岐点には、流路切り替え弁84が設けられている。この流路切り替え弁84は、制御部70によって駆動されて、第2の水素流路266の下流側を、第1分岐路80あるいは第2分岐路82のいずれかと、択一的に連通させる。また、第1の水素流路60において、燃料電池22との接続部近傍には、第1の水素流路60内の圧力を検出する圧力センサ86が設けられている。さらに、燃料電池システム210では、カソード排ガス路68において、燃料電池22との接続部近傍に温度センサ88が設けられている。燃料電池22内を通過して燃料電池22から排出される酸化ガスは、燃料電池22の内部温度と略同一の温度となっているため、上記温度センサ88を用いることで、燃料電池22の内部温度を知ることができる。圧力センサ86および温度センサ88の検出信号は、制御部70へと入力される。
ここで、制御部70は、温度センサ88が検出した燃料電池の温度に応じて流路切り替え弁84を駆動して、第2の水素流路266を、第2分岐路82と第1分岐路80とのいずれかと連通させる切り替え制御部として機能する。以下に、燃料電池システム210において、第1の水素流路60内の水素圧が許容範囲を超えて上昇する時に制御部70によって行なわれる制御について説明する。
図6は、燃料電池システム210の稼働中に、制御部70のCPUにおいて実行される圧力上昇判断処理ルーチンを表わすフローチャートである。本ルーチンが起動されると、制御部70は、圧力センサ86から検出信号を取得して、第1のリリーフバルブ69が開弁したか否かを判断する(ステップS300)。すなわち、圧力センサ86が検出した圧力が、基準値に達したか否かを判断する。ここで、ステップS300での判断に用いる基準値とは、第1のリリーフバルブ69の開弁圧に相当する値であり、予め制御部70に記憶されている。第1実施例と同様に、例えば圧力調整弁62での不具合発生に起因して第1の水素流路60内の圧力が所定値以上に上昇すると(図2のステップS100)、第1のリリーフバルブ69が開弁する(ステップS110)。このような開弁の際には、圧力センサ86の検出値が急激に上昇して上記基準値に達し、制御部70は、第1のリリーフバルブ69が開弁したと判断する。なお、制御部70は、リリーフバルブ69が開弁したと判断するまで、圧力センサ86からの検出信号の取得を繰り返し行なう。
ステップS300においてリリーフバルブ69の開弁が判断されると、制御部70は、温度センサ88の検出信号を取得することによって燃料電池の内部温度を得る(ステップS310)。燃料電池温度を取得すると、制御部70は、この燃料電池温度が基準値以上であるか否かを判断する(ステップS320)。ステップS320での判断に用いる基準値は、燃料電池が備えるカソード触媒の温度が充分に高いと判断できる温度として予め設定し、制御部70内に記憶した値である。
ステップS320において燃料電池温度が基準値以上であると判断すると、制御部70は、流路切り替え弁84に駆動信号を出力して、水素の流路を第1分岐路80側、すなわち酸化ガス供給路67側へと切り替え(ステップS330)、本ルーチンを終了する。これにより、第1のリリーフバルブ69を通過した水素は、酸化ガス供給路67を流れる酸化ガスと共に燃料電池22のカソードへと供給され、カソード触媒上で酸化される。
ステップS320において燃料電池温度が基準値に満たないと判断すると、制御部70は、流路切り替え弁84に駆動信号を出力して、水素の流路を第2分岐路82側、すなわち希釈器26側へと切り替える(ステップS340)。また、このとき制御部70は、第2実施例のステップS240と同様にエアコンプレッサ24の駆動量を増加させて(ステップS350)、本ルーチンを終了する。これにより、第1のリリーフバルブ69を通過した水素は、希釈器26内へと流入し、流量が増加されたカソード排ガスによって希釈され、外部へと排出される。
以上のように構成された第3実施例の燃料電池システム210によれば、第1および第2実施例と同様の効果を得ることができる。さらに、第3実施例では、燃料電池の内部温度に基づいて、カソード触媒と希釈器26とのいずれを水素濃度低減部として用いるかを切り替えるため、燃料電池温度が基準値に満たないときには、水素濃度低減のために希釈器26を優先して用いることになる。カソード触媒は、燃料電池における通常の運転温度範囲では、温度が高いほど酸化反応を促進する活性が高くなるため、このような制御を行なうことで、カソード触媒における活性が比較的低いときにはカソード触媒を用いることなく、希釈器26を用いてより確実に水素濃度を低減することができる。また、カソード触媒による水素濃度低減効果が充分に期待できる触媒高温時にはカソード触媒を用いることで、希釈器26を水素濃度低減部として用いることに伴うエアコンプレッサ24における電力消費量の増加を抑え、システム全体のエネルギ効率を向上させることができる。
なお、ステップS320で用いる流路切り替えのための基準値は、用いる触媒の種類に応じて、適宜設定すればよい。このような基準値は、例えば、水素濃度低減部としてカソード触媒を用いた方が希釈器26を用いる場合よりも水素濃度低減効果が高いと考えられる温度として設定することができる。あるいは、希釈器26よりもカソード触媒の方が水素濃度低減効果が低くなる温度であっても、カソード触媒を水素濃度低減部として用いたときの排出ガス中の水素濃度が許容範囲であれば、基準温度をより低く設定し、エアコンプレッサ24の駆動量増加による効率低下を抑えても良い。
また、第3実施例では、ステップS330およびステップS340のいずれにおいても、制御部70は流路切り替え弁84へと駆動信号を出力しているが、通常はいずれか一方に切り替えた状態としておけばよい。そして、ステップS320における判断結果により異なる切り替え状態とすべき場合は、流路切り替え弁84を駆動して流路の切り替えを行なえば良い。あるいは、第1のリリーフバルブ69の開弁を検出してから流路切り替え弁84を切り替えるのではなく、第1のリリーフバルブ69が閉じているときにも、燃料電池22の発電中には温度に応じて流路切り替え弁84の切り替え動作を行なっても良い。この場合には、第1のリリーフバルブ69の開弁時には、流路切り替え弁84の切り替えのための判断を行なう必要がない。
あるいは、第3実施例では、燃料電池温度(カソード触媒温度)を判断するためにカソード排ガスの温度を検出しているが、異なる値に基づいて燃料電池温度を判断しても良い。カソード排ガス温度以外であっても、燃料電池22の運転温度の調節のために燃料電池22内を通過させる冷却水の出口温度など、燃料電池22の温度を反映する値であればよい。また、ステップS300で制御部70が第1のリリーフバルブ69の開弁を判断するための情報としては、圧力センサ86の検出信号以外の情報、例えば、既述したように異なる位置に設けた圧力センサからの検出信号や流量計からの検出信号を用いても良い。
なお、第1および第2実施例と同様に、第1のリリーフバルブ69を開弁することにより第1の水素流路60から水素を排出する動作は、燃料電池22の発電中だけでなく、燃料電池システム110の停止中であっても行なわれる可能性がある。このような場合であっても、カソード触媒あるいは希釈器26は、発電時と同様に水素濃度低減部として機能することができる。この場合には、燃料電池システムの停止時に、流路切り替え弁84を、酸化ガス供給路67側あるいは希釈器26側へと切り替えておけばよい。酸化ガス供給路67側へと切り替えた場合には、第1実施例と同様に、カソード触媒によって排出された水素はゆっくりと消費されて希釈される、また、希釈器26側へと切り替えた場合には、第2実施例と同様に、希釈器26内で内部に滞留する空気によって水素が希釈される。
E.第4実施例:
図7は、第4実施例の燃料電池システム310の概略構成を表わすブロック図である。燃料電池システム310は、燃料電池システム10と類似する構成を有しているため、共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明を省略し、異なる部分について、以下に説明する。
燃料電池システム310では、第1の水素流路60において、第1実施例と同様にシャットバルブ61および圧力調整弁62が設けられている。そして、これらシャットバルブ61および圧力調整弁62よりも上流側に圧力調整弁94が設けられ、さらに上流にシャットバルブ96が設けられている。本実施例では、このように複数の圧力調整弁を備えることにより、燃料電池22への水素供給に先立って、水素タンク23に貯蔵される高圧の水素ガスを順次減圧している。また、シャットバルブ96は、燃料電池22における発電を停止する際に閉じられて、第1の水素流路60における水素タンク23との接続部近傍において水素ガスの流通を遮断する。
燃料電池システム310には、圧力調整弁62および圧力調整弁94の間において第1の水素流路60に接続される第2の水素流路366が設けられている。第2の水素流路366は、第1実施例と同様の第1のリリーフバルブ69を備えており、第2の水素流路366の下流側は、第1の水素流路60に対してシャットバルブ61の配置位置よりも下流側において接続されている。すなわち、第1のリリーフバルブ69が開弁したときには、第1のリリーフバルブ69を経由した水素は循環流路内に流入し、循環流路内を循環する水素と共に、燃料電池22内のアノード側流路へと供給される。したがって、第1のリリーフバルブ69が開弁したときには、循環流路内における圧力が上昇する。そのため、本実施例では、負荷要求が最大であって循環流路内の水素の圧力が高まっている場合に第1のリリーフバルブ69が開弁した場合であっても、循環流路内あるいは燃料電池22内部の燃料ガスの流路内のガス圧がそれぞれの許容範囲内となるように、第2の水素流路366の配管径が充分に小さく設定されている。
また、第1の水素流路60には、圧力調整弁62および圧力調整弁94の間であって、第2の水素流路366との接続部よりも上流において、第3の水素流路90が接続されている。この第3の水素流路90には、第2のリリーフバルブ92が設けられている。ここで、第2のリリーフバルブ92は、第1のリリーフバルブ69に比べて開弁圧がより高く設定されている。また、第3の水素流路90は、第2の水素流路366に比べて配管径が大きく形成されている。
燃料電池22の発電中に第1のリリーフバルブ69が開弁したときには、第1のリリーフバルブ69を経由した水素は水素が循環している循環水素内に流入するため、高濃度のガスが外部に排出されることはないが、この場合には特別な水素濃度の低減の動作が進行するわけではない。本実施例では、特に、燃料電池システム310の停止中に第1のリリーフバルブ69が開弁した場合に、第1のリリーフバルブ69を経由した水素が流入する燃料電池22が、水素濃度低減部として機能する。この、燃料電池システム310の停止中の動作について以下に説明する。
図8は、燃料電池システム310の停止時であって、第1の水素流路60内の水素圧が許容範囲を超えて上昇する時に、燃料電池システム310で行なわれる動作である圧力上昇時処理を表わす説明図である。なお、この図8に示した圧力上昇時処理は、図2と同様に、制御部70によって積極的に行なわれる制御を表わすものではなく、燃料電池システム10において進行する動作を説明するものである。
ここで、燃料電池システム310が停止する際には、燃料電池22の発電停止に伴ってエアコンプレッサ24が停止されるため、燃料電池22内の酸化ガスの流路内は、略大気圧となる。また、燃料電池システム310における水素が流通する流路では、4つ流路調整弁62,94、およびシャットバルブ61,96が閉じられて、循環流路は閉じられた空間となる。この循環流路内には発電停止前の発電量に応じた圧力の水素が滞留している。燃料電池システム310が停止されてこのような状態になると、燃料電池22内では、燃料ガスの流路と酸化ガスの流路との間の水素分圧差に従って、アノード側からカソード側へと電解質層を介して水素が透過する。これにより、燃料電池22内の燃料ガスの流路における水素濃度は次第に低下して、電解質層を介してアノード側流路とカソード側流路の水素分圧は略同一となる。
燃料電池システム310が停止して上記のような状態となっているときに、第1の水素流路60において、例えば圧力調整弁94およびシャットバルブ96の経時的な劣化によってこれらのバルブから水素漏れが生じると、第1の水素流路60内の圧力が次第に上昇する(ステップS400)。このように水素圧が上昇して、第1の水素流路60内の圧力が第1のリリーフバルブ69の開弁圧として設定された圧力を超えると、第1のリリーフバルブ69が開弁する(ステップS410)。第1のリリーフバルブ69が開弁することで、第1の水素流路60内の水素が第1の水素流路60の、より下流側に流入し、この水素は、燃料電池22内の燃料ガスの流路へとさらに流れ込む(ステップS420)。ここで、圧力調整弁94およびシャットバルブ96からの水素の漏れ量が微量である場合には、第1のリリーフバルブ69が開弁して第1の水素流路60内の圧力が低下すると、第1のリリーフバルブ69は閉弁する。
燃料電池システム310の停止時に、上記のように燃料電池22内の燃料ガスの流路内に水素が流入すると、この水素は、電解質層を介してアノード側からカソード側へと次第に透過する(ステップS430)。透過した水素は、燃料電池22内の酸化ガスの流路およびこれに連通するカソード排ガスの流路内に拡散する。したがって、燃料電池22内の酸化ガスの流路およびこれに連通するカソード排ガスの流路では、第1のリリーフバルブ69を介して第1の水素流路60から排出された水素の濃度が、より低減された状態となる。次回に燃料電池システム310が起動されたときには、上記酸化ガスおよびカソード排ガスの流路内で希釈された水素は、エアコンプレッサ24の起動に伴って大気中に放出される。このように、水素を透過させる電解質層および透過した水素が拡散する酸化ガスの流路を備える燃料電池22は、水素濃度低減部として機能する。
なお、第1の水素流路60内における圧力上昇の速度が速く、第1のリリーフバルブ69を開弁しても第1の水素流路60の圧力が上昇し続ける場合には、その後、第2のリリーフバルブ92が開弁する。また、通常の発電時において、第1のリリーフバルブ69が開弁した後も、第1の水素流路60内の圧力が上昇し続ける場合にも、その後、第2のリリーフバルブ92が開弁する。
以上のように構成された第4実施例の燃料電池システム310によれば、燃料電池システムの停止中に、第1の水素流路60における第2の水素流路366および第3の水素流路90との接続部よりも下流側に対して、許容範囲を超える圧力のガス供給を防止することができると共に、外部に排出される水素濃度の上昇を抑制することができる。また、燃料電池22を水素濃度低減部として用いることにより、外部に排出する水素の拡散を促進するために課される設計上の制限を抑制することができる。
ここで、第3の水素流路90は、第2の水素流路366を経由した水素が導かれる燃料電池22とは異なる他の水素濃度低減部、例えば、第1ないし第3実施例のいずれかと同様の水素濃度低減部へと接続することができる。この場合には、第3の水素流路90が接続される他の水素濃度低減部としては、第3の水素流路90が接続される燃料電池22よりも許容できるガス圧が高い水素濃度低減部を用いることが望ましい。
あるいは、第3の水素流路90を大気開放しても良い。本実施例の燃料電池システム310では、水素圧上昇の程度が比較的小さいときには第1のリリーフバルブ69のみが開弁し、水素圧上昇の程度がより大きいときには、両方のリリーフバルブが開弁することになる。したがって、システムの停止中であって第1の水素流路60における水素圧上昇の程度が比較的小さい場合には、第3の水素流路90が大気開放されるか否かに関わらず、水素濃度低減部である燃料電池22によって、排出水素の濃度を低減することができる。なお、配管径のより大きい第3の水素流路90を大気開放する場合には、水素濃度低減部として用いることができる既述した各部における許容可能な圧力を超える圧力の水素が第2のリリーフバルブ92を経由して排出される場合にも、上記各部を損傷することなく、上記水素圧上昇に対応することが可能になる。
F.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
F1.変形例1:
第1ないし第3実施例では、第1のリリーフバルブ69を備える第2の水素流路は、第1の水素流路60において、循環流路の一部を構成する領域に接続されているが、異なる構成としても良い。すなわち、燃料ガスを供給する燃料ガス供給部である水素タンク23と燃料電池22のアノードとを接続する第1の水素流路60における他の位置に接続されることとしても良い。例えば、第4実施例と同様に、第1の水素流路60が複数の流量調整弁を有する場合には、これらの複数の流量調整弁の間のいずれかの場所において、第2の水素流路が接続されることとしても良い。高圧の水素ガスを減圧して燃料電池22に供給する際に、第1の水素流路60の途中に接続される第2の水素流路を設けることで、第2の水素流路の接続部よりも下流側に対する望ましくない高圧ガスの供給を防止することが可能となる。
また、第1ないし第3実施例のように、燃料電池22に対して供給されるガス圧の過剰な上昇を防止するために第2の水素流路および第1のリリーフバルブ69を設ける場合には、第2の水素流路は、循環流路において燃料電池22よりも下流側、すなわちアノード排ガス路63に接続されることとしても良い。
あるいは、第1のリリーフバルブ69は、第2の水素流路に設ける代わりに、第2の水素流路と第1の水素流路60との接続部に設けても良い。第2のリリーフバルブ92も同様に、第3の水素流路90に設ける代わりに、第3の水素流路90と第1の水素流路60との接続部に設けることができる。
F2.変形例2:
また、第4実施例において、第2の水素流路366が接続する水素濃度低減部として、燃料電池22に代えて、第1ないし第3実施例のいずれかの水素濃度低減部を用いても良い。この場合にも、第4実施例と同様に、第2のリリーフバルブ92の開弁圧を第1のリリーフバルブ69よりも高く設定し、第2の水素流路366の配管径を第3の水素流路90の配管径よりも小さくすることで、上記水素濃度低減部に対する許容範囲を超える圧力のガスの供給を防止可能となる。なお、このとき、第3の水素流路90は、第2の水素流路366が接続する水素濃度低減部よりも許容圧力が高い他の水素濃度低減部に接続するか、外部へと開放すればよい。
F3.変形例3:
第1ないし第4実施例で用いた水素濃度低減部に代えて、さらに他の水素濃度低減部を用いても良い。例えば、リリーフバルブを設けた水素流路の下流を大気開放し、この水素流路の下流側開口部近傍に、水素濃度低減部として、制御部70によって駆動されるファンを設けても良い。既述した圧力センサあるいは流量計を用いてリリーフバルブの開弁を検知し、リリーフバルブが開弁したときには上記ファンを駆動すればよい。このようにして外部の空気を取り込むことによって、リリーフバルブを介して排出される水素を、外部への排出の際に希釈することができる。水素濃度低減部として用いる上記ファンは、燃料電池22以外の電源(例えば2次電池)を電源とすることが望ましく、これにより、燃料電池システムの停止時にも水素濃度低減部として用いることが可能となる。
F4.変形例4:
第1ないし第4実施例では、予め設定した所定の開弁圧となったときに自動的に開弁するリリーフバルブを用いているが、異なるバルブを用いても良い。例えば、上記リリーフバルブに代えて、制御部70によって開閉駆動されるバルブを設け、このバルブの上流側における圧力あるいはガス流量を検知することによって、このバルブの開閉制御を行なっても良い。
F5.変形例5:
さらに、実施例とは異なる構成の燃料電池システムにおいて本発明を適用しても良い。例えば、第1ないし第4実施例の燃料電池システムでは、燃料電池22に供給される水素ガスは循環流路内を循環しているが、アノード排ガス路63を設けず、燃料電池からアノード排ガスを排出させない構成(いわゆるデッドエンド型)としても良い。上記構成では、水素の循環は行なわれないが、発電で消費された水素量に対応する量の水素が新たに燃料電池内に供給される。したがって、燃料電池に新たに供給される水素量の調節において不具合が生じて圧力超過を起こす際に、本発明を適用することができる。
あるいは、純度の高い水素を貯蔵する水素タンクを備える構成に代えて、改質器を設け、炭化水素系燃料を改質して得られる改質ガスを、燃料ガスとして燃料電池に供給しても良い。この場合にも、燃料電池に供給される燃料ガス圧が過剰となった時には、シャットバルブを介して排出される水素を所定の水素濃度低減部に導くことで、実施例と同様の効果を得ることができる。
また、燃料電池システムを、実施例のように移動体の駆動用電源とする他、定置型の発電装置として用いる場合であっても、本発明を適用可能である。
第1実施例の燃料電池システムの概略構成を表わすブロック図である。 第1の水素流路内の圧力上昇時に行なわれる動作を表わす説明図である。 第2実施例の燃料電池システムの概略構成を表わすブロック図である。 第1の水素流路内の圧力上昇時に行なわれる動作を表わす説明図である。 第3実施例の燃料電池システムの概略構成を表わすブロック図である。 圧力上昇判断処理ルーチンを表わすフローチャートである。 第4の実施例の燃料電池システムの概略構成を表わすブロック図である。 第1の水素流路内の圧力上昇時に行なわれる動作を表わす説明図である。
符号の説明
10,110,210,310…燃料電池システム
22…燃料電池
23…水素タンク
24…エアコンプレッサ
25…加湿モジュール
26…希釈器
27…気液分離器
27a…バルブ
28…エアクリーナ
60…第1の水素流路
61,96…シャットバルブ
62,94…流路調整弁
63…アノード排ガス路
64…排ガス排出路
65…水素ポンプ
66,166,266,366…第2の水素流路
67…酸化ガス供給路
68…カソード排ガス路
69…第1のリリーフバルブ
70…制御部
80…第1分岐路
82…第2分岐路
84…流路切り替え弁
86…圧力センサ
88…温度センサ
90…第3の水素流路
92…第2のリリーフバルブ

Claims (6)

  1. 燃料電池を備える燃料電池システムであって、
    前記燃料電池に対して水素を含有する燃料ガスを供給する第1の流路と、
    前記第1の流路に接続される第2の流路と、
    前記第2の流路あるいは前記第2の流路と前記第1の流路との接続部に設けられ、該第2の流路内の圧力が第1の基準値を超えるときに開弁する第1のリリーフバルブと、
    前記第2の流路の下流側に接続され、前記第1のリリーフバルブを介して前記第1の流路から排出された水素の濃度を、外部への排出に先立って低減する水素濃度低減部と
    酸化ガスを供給する酸化ガス供給部と、
    前記酸化ガス供給部と前記燃料電池とを接続し、前記燃料電池のカソードに対して前記酸化ガスを導入する酸化ガス流路と、
    を備え
    前記第2の流路は、さらに前記酸化ガス流路に接続されており、
    前記水素濃度低減部は、前記燃料電池が備えるカソード触媒である
    燃料電池システム。
  2. 請求項1記載の燃料電池システムであって、さらに、
    前記第1の流路に設けられ、前記燃料電池に供給される前記燃料ガスの圧力を調整する圧力調整部を備え、
    前記第2の流路は、前記圧力調整部の配置位置よりも下流側において前記第1の流路に接続される
    燃料電池システム。
  3. 請求項1記載の燃料電池システムであって、さらに、
    水素を貯蔵すると共に前記第1の流路に接続する水素貯蔵部と、
    前記第1の流路に設けられ、前記燃料電池システムの停止時には閉状態となるシャットバルブと
    を備え
    前記第2の流路は、前記シャットバルブよりも下流側で前記第1の流路に対して接続する
    燃料電池システム。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載の燃料電池システムであって、さらに
    記カソードから排出されるカソード排ガスを外部に導くカソード排ガス流路に設けられると共に、該カソード排ガス流路の断面積よりも大きな断面積を有する希釈器と、
    前記燃料電池の温度を取得する燃料電池温度取得部と、
    前記第2の流路から分岐して前記希釈器に接続する第1の分岐路と
    記第2の流路を、前記第1の分岐路あるいは前記酸化ガス流路のいずれかと択一的に連通させる切り替え部と、
    前記燃料電池温度取得部が取得した前記燃料電池の温度が基準値以上のときには、前記切り替え部を駆動して前記第2の流路と前記酸化ガス流路とを連通させ、前記燃料電池の温度が基準値を下回るときには、前記切り替え部を駆動して前記第2の流路と前記第1の分岐路とを連通させる切り替え制御部と
    を備え、
    前記第2の流路が前記第1の分岐路に連通するときには、前記希釈器が前記水素濃度低減部として働き、前記第2の流路が前記酸化ガス流路に連通するときには、前記燃料電池が備えるカソード触媒が前記水素濃度低減部として働く
    燃料電池システム。
  5. 請求項記載の燃料電池システムであって、さらに、
    前記燃料電池による発電を行なう際に、前記酸化ガス供給部からの酸化ガス供給量を制御する酸化ガス量制御部であって、前記第1のリリーフバルブが開弁すると共に前記第2の流路が前記第1の分岐路に連通されるときには、前記酸化ガス供給部からの酸化ガス供給量を、前記燃料電池における発電量に基づいて設定される値よりも増大させる酸化ガス量制御部を備える
    燃料電池システム。
  6. 請求項1ないしいずれか記載の燃料電池システムであって、さらに
    記第1の流路に接続されると共に、前記第2の流路よりも流路の配管径が大きく形成された第3の流路と、
    前記第3の流路あるいは前記第3の流路と前記第1の流路との接続部に設けられ、該第3の流路内の圧力が、前記第1の基準値よりも大きな第2の基準値を超えるときに開弁する第2のリリーフバルブと
    を備える燃料電池システム。
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