JP2005011577A - 燃料電池システムにおける制御弁の状態判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池システムにおいて、燃料電池の負極部に付着した水を排出する際に開閉する排出制御弁の異常を水素ガスの圧力で判定する場合、排出量が少ないと圧力の変化が少ない運転状態で、誤って異常を判定すること。
【解決手段】燃料電池1に水素を含む水素含有ガスと酸素を含む酸素含有ガスとを供給して発電させ、燃料電池1内の水を外部に排出する際に燃料電池1から排気水素含有ガスを排出制御弁1を介して排出する燃料電池システムSにおいて、燃料電池1内の水素含有ガスの圧力を所定範囲内となるように調整し、排出制御弁B1を開成した時の水素含有ガスの圧力と、排出制御弁B1を閉成した後の水素含有ガスの圧力との差圧を演算し、演算した差圧が所定値を下回る場合に排出制御弁B1の異常と判定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として車両に搭載される燃料電池システムに関し、特に燃料電池の負極部に付着する水を排出するための排出制御弁の状態を判定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車などの車両において、窒素化合物、炭化水素、一酸化炭素といった有害廃棄物が少ないなどの理由から電気自動車が開発され、電気自動車のモータの電源として、内燃機関に比較してエネルギロスが少ない燃料電池が実用化され始めている。このような車両に搭載される燃料電池を含む燃料電池システムでは、燃料電池が安全に、かつ効率よく発電するために各種の制御を行っている。
【0003】
この種の燃料電池システムにおける燃料電池は、負極活物質としての水素を、プラチナ(白金)などの触媒と接触させて電子と水素イオンに解離した後、この水素イオンを正極活物質としての酸素と反応させて水が得られるという反応機構に基づいている。すなわち、燃料電池では、水素から放出された電子の移動により起電力が生じるようになされている。それゆえ、このような原理に基づけば、化学的エネルギ変化を直接的に電気エネルギに変換できるため、燃料電池では、他の方式に比べて極めてエネルギ効率が高いものとなる。
【0004】
このような燃料電池を使用した燃料電池システムは、燃料電池、水素ガス供給源、空気供給源、希釈器及び外部回路を備えている。水素ガス供給源からはほぼ一定の圧力で燃料電池の負極部に水素ガスが供給され、また空気供給源からは、所定の圧力で燃料電池の正極部に空気、実質的には酸素ガスが供給される。そして、水素が負極部近傍に配設された電解部において水素イオンと電子とに解離され、電子は外部回路を経由して正極部に供給される。また空気中の酸素は、電解部を移動してきた水素イオンと正極部に供給された電子と結合して水を生成する。この時、生成された水の一部が負極部にも付着する。
【0005】
負極部に付着する少量の水は、燃料電池における発電の障害となるため、外部に排出する必要がある。このため、上記の従来例にあっては、燃料電池と希釈器とを接続する管路に電磁弁からなるパージ弁を設け、このパージ弁を開成することにより、水素とともに負極部に付着した水を排出するようにしている。なお、希釈器は、水とともに排出される排気水素ガスを空気と混合し、その濃度を燃焼しないレベルまで希釈して大気中に排出するためのものである。このようなパージ弁を備えた例としては、例えば、特許文献1に示されるものがある。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−373682
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の構成のものにおいては、排気水素ガスを排出するためにパージ弁を開成すると、燃料電池内の水素ガス圧力が低下する。この水素ガス圧力の低下は発電に支障を来すため、燃料電池内の水素ガス圧力は水素ガス供給部により常時ほぼ一定以上の圧力となるようにフィードバック制御される。したがって、パージ弁が開成されて水素ガス圧力が低下すると、直ちに水素ガス供給部は水素ガス圧力を元に戻すように作動する。
【0008】
このように、パージ弁は燃料電池の発電に直接的に関与するものではないが、水素ガス圧力が低下すると、発電が不可能になることがあるため、その異常は早期に発見する必要がある。一般的にパージ弁の異常は、パージ弁に駆動電圧を印加したにもかかわらずコイルの断線で電流が流れない、逆に短絡していて過大な電流が流れる、さらには機械的な不具合により電流が流れているにもかかわらず開閉しないなどである。このような異常は、例えばパージ弁を駆動する電流に基づいて判定する。
【0009】
したがって、パージ弁が開成したままの状態となると水素ガス圧力が時間とともに低下することになったり、逆に閉成したままの状態となると負極部に付着した水を排出できないために、燃料電池の出力が低下し故障に至る、と言った事態を引き起こした。
【0010】
このような不具合を未然に防ぐために、パージ弁の異常を検出する電流計を含む検出装置が必要となる。しかしながら、このようなパージ弁のみの異常を検出するための検出装置を装備すると、製造コストが上昇することになる。また、パージ弁が異常である場合は、燃料電池の損傷を最小限に抑えるために、発電を停止するものであるが、検出装置が誤ってパージ弁の異常を検出した場合には、その都度発電が停止してしまう。
【0011】
本発明は、このような不具合を解消することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の燃料電池システムにおける排出制御弁の状態判定方法は、燃料電池に水素を含む水素含有ガスと酸素を含む酸素含有ガスとを供給して発電させ、燃料電池内の水を外部に排出する際に燃料電池から排気水素含有ガスを排出制御弁を介して排出する燃料電池システムにおいて、燃料電池内の水素含有ガスの圧力を所定範囲内となるように調整し、排出制御弁を開成した時の水素含有ガスの圧力と、排出制御弁を閉成した後の水素含有ガスの圧力との差圧を演算し、演算した差圧が所定値を下回る場合に排出制御弁の異常と判定することを特徴とする。
【0013】
このような構成であれば、排出制御弁の開閉に応じて生じる水素含有ガスの圧力変化に着目して、排出制御弁の開成時点の圧力と閉成後の圧力との差を検出し、検出した差が所定値を下回る場合に排出制御弁の異常を判定するので、排出制御弁の異常を検出するためだけの専用の異常検出装置を準備しなくとも、排出制御弁の異常を判定することが可能になる。したがって、燃料電池システムの構成を簡素化することが可能になり、製造にかかる費用を低減することが可能になる。
【0014】
検出精度を高くするためには、演算した差圧が所定値を下回る場合に、再度排出制御弁を開閉するものが好ましい。このような構成であれば、排出制御弁が開成した際に低下する水素含有ガスの圧力変化が小さい場合に圧力調整装置がその変化に応答しなくとも、再度排出制御弁を開閉することにより水素含有ガスの圧力変化が生じ、排出制御弁の異常を誤って検出することを防止することが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0016】
この実施の形態に係る燃料電池システムSは、図1に示すように、車両特には自動車に搭載することができるもので、燃料電池1、発電に必要な水素含有ガスである水素ガスの貯蔵手段である水素ガスタンク2、空気供給手段であるコンプレッサ3、蓄電手段である二次電池4、発電に付随する各種制御を行う制御装置5、燃料電池1の温度を調節する温度制御装置TC等を備えている。この燃料電池システムSは、車両に搭載された場合には車両を走行させるためのモータを含む走行装置や、燃料電池1を制御するための電磁弁、ファンモータ、さらに電動式のコンプレッサ3等の電気機器を負荷Mとするものである。また、この燃料電池システムSでは、基本的には燃料電池1は負荷に追従して発電量を変更するのでなく、発電効率の最もよい発電量となるように定電力発電制御されるようにしている。
【0017】
燃料電池1は、この分野で広く知られたものを用いることができ、例えば電解部としてのイオン交換膜に密着するようにして正極部と負極部とを配設したセルの複数を直列接続してスタックを形成し、そのスタックに対して水素ガスと酸素含有ガスである空気とを所定の圧力で供給し得るように、ハウジング内に収納したものである。この燃料電池システムSにおいては、水素ガスタンク2と燃料電池1とを連通する水素含有ガス供給路たる水素ガス供給路P1を設けていて、この水素ガス供給路P1を介して燃料電池1に水素を供給するようにしている。また、水素ガス供給路P1上には、水素ガス圧力を調整する機械式のレギュレータRGを設けていて、このレギュレータRGにより、水素ガスの供給圧力を略所定圧力に保つようにしている。さらに、水素ガス供給路P1上のレギュレータRGと燃料電池1との間には、燃料電池1に供給される水素ガスの圧力、すなわち燃料電池1内の水素ガスの圧力を検出する水素ガス圧力センサS1を設けている。燃料電池1内に供給された水素ガスは、各セルの負極部に案内される。
【0018】
一方、空気はエアフィルタAF及びコンプレッサ3を有する酸素含有ガスのガス供給路たる空気供給路P3を介して燃料電池1内に供給される。すなわち、空気は、エアフィルタAFを介して供給手段であるコンプレッサ3に導かれ、コンプレッサ3により圧縮された後燃料電池1に導入される。また、この実施の形態では、コンプレッサ3と燃料電池1との間に加湿モジュールHを備えていて、空気に水分を含ませるようにしている。そして、燃料電池1内に供給された空気は、各セルの正極部に案内される。各セルの負極部に案内された水素は、各セルの正極部に案内された空気中の酸素と反応して発電する。この燃料電池1からの電流は、例えば自動車に搭載された場合であれば走行装置等の負荷Mに供給される。
【0019】
発電に寄与した以外の余剰の空気、すなわち排気酸素含有ガスは、循環することなく、発電により生成した水のほぼ全量とともに、第二排出路たる空気排出路P4から排気管P5を介して燃料電池1外に排出される。
【0020】
一方、燃料電池1には、負極部に溜まった不純物を排出するための電磁弁からなる排出制御弁B1が設けられていて、この排出制御弁B1に、第一排出路たる不純物排出路P2の一端が接続されている。そして、イオン交換膜を介して負極部にしみだし付着した水は、不純物排出路P2から排出される。この不純物排出路P2の他端は、空気排出路P4に接続される。
【0021】
また、二次電池4は、燃料電池1により充電されるとともに、自動車に搭載された場合であれば自動車が減速された場合や下り坂を走行した場合に、走行装置の回生運転による回生電流により充電される。車両は、この二次電池4からの電力により走行し、電力が不足した場合に燃料電池1から不足分が補充されるように構成している。すなわち、この実施の形態に係る燃料電池システムSの燃料電池1は、常時発電するのでなく、必要に応じて間歇的に発電する。
【0022】
温度制御装置TCは、冷媒である冷却水を冷却する冷却ファンTCaを有するラジエータTCbと、ラジエータTCbと燃料電池1とを連通する循環路TCcと、循環路TCcに設けられて冷却水を燃料電池1とラジエータTCbとの間で循環させるモータによるウォータポンプTCdと、ラジエータTCdへの冷却水の循環を制御する電気式の三方弁TCeと、燃料電池1に導入される冷却水の温度を検出する冷却水入口温度センサTCfと、燃料電池1から排出される冷却水の温度を検出する冷却水出口温度センサTCgとを備えている。この実施の形態にあっては、冷却水の温度により燃料電池1の温度を検出する。そして、燃料電池1の温度が低い、つまり冷却水出口温度センサTCgが検出した温度が判定温度より低い場合に、冷却水入口温度センサTCfと冷却水出口温度センサTCgとのそれぞれの検出温度の差に基づいて三方弁TCeを切り替えて、冷却水がラジエータTCbを循環せずに燃料電池1のみを循環するようにして、短時間に燃料電池1の温度が発電に最適な温度となるようにしている。
【0023】
制御装置5は、図2に示すように、CPU51、メモリ52、入力インタフェース53、出力インタフェース54を少なくとも備えたマイクロコンピュータシステムを主体として構成され、負荷Mへの通電を制御すべくDC−DCコンバータ(以下、コンバータと称する)及びインバータ(ともに図示略)をも備えている。そして、入力インタフェース53には水素ガス圧力センサS1、空気圧力センサS2、冷却水入口温度センサTCf、冷却水出口温度センサTCg及び負荷Mの状態を検知する状況検知手段MS(図1では図示略)等が接続されていて、これらから入力される信号を受け付ける。一方、出力インタフェース54には、排出制御弁B1及びコンプレッサ3等が接続されていて、入力インターフェース53が受け付けた信号に基づき、メモリ52に格納されたプログラムに従いCPU51等と協働して以下に説明する制御を行う。
【0024】
以下に制御装置5が行う具体的な制御について述べる。
【0025】
制御装置5は、発電時にあっては、空気圧力センサS2から出力される空気排出圧力信号に基づいてコンプレッサ3を制御するとともに、排出制御弁B1の制御及び状態検出、燃料電池1内の温度を制御する温度制御装置TCの制御等を行う。
【0026】
このような各種の制御において、レギュレータRGは、通常の発電時において排出制御弁B1を開成すると、一時的に燃料電池1内の水素ガス圧力が低下するため、この水素ガス圧力の低下を機械的に検出して水素ガス圧力を高くするように制御を行うとともに、燃料電池1内の水素ガス圧力が設定された圧力となるように、燃料電池1内の水素ガス圧力が高くなった場合に水素ガス圧力を低くするように制御し、水素ガス圧力が常にほぼ一定の圧力となるようにしている。
【0027】
また、排出制御弁B1の制御は、燃料電池1内の負極部に付着した水を排気水素含有ガスとともに排出するパージと呼ばれる操作を行うべく、所定の周期において排出制御弁B1を予め設定した所定時間だけ開成するものである。すなわち、パージは、排出制御弁B1を所定の周期で短時間開成することにより、所定の圧力がかかっている排気水素含有ガスを排出制御弁B1を介して排出する操作である。この時、排出されるこの排気水素含有ガスに引かれて負極部の付着する水も排出される。この結果、発電中に生成された水のうち、負極部に付着したものも周期的に排出されるので、発電に支障を来すことがなくなる。なお、排出制御弁B1の開成時間は、発電量が少ない場合は多い場合に比較して短く設定するものである。以下の説明において、排出制御弁B1を開成するとは、パージにおける排出制御弁B1の開成と同じに、排出制御弁B1を開成して、パージの際と同じ開成時間の後、閉成することを指すものである。
【0028】
このように排出制御弁B1を制御している間に、排出制御弁B1に異常が生じることがある。このような場合に対処するために、この実施の形態では水素ガスの圧力の変化に基づいて排出制御弁B1の異常を検出するものである。
【0029】
この実施の形態では、排出制御弁B1の異常を次に説明する手順により検出している。図3を参照して、排出制御弁B1の異常判定プログラムを説明する。
【0030】
まず、水素ガス圧力がレギュレータGRにより設定されたガス圧力である状況から、ステップn1において、排出制御弁B1を開成した際の水素ガス圧力である開弁時ガス圧力Poを水素ガス圧力センサS1から出力される水素ガス供給圧力信号により検出する。検出した開弁時ガス圧力Poは制御装置5のメモリ52に一時記憶しておく。次に、ステップn2において、開成した排出制御弁B1を閉成した後の水素ガス圧力である閉弁時ガス圧力Pcを水素ガス供給圧力信号により検出する。この閉弁時ガス圧力Pcの検出タイミングは、排出制御弁B1を閉成して、水素ガス圧力が復帰する時間に相当する時間が経過した時点に設定するものである。
【0031】
この後、ステップn3において、開弁時ガス圧力Poと閉弁時ガス圧力Pcとの差圧を演算し、その差圧が所定値Ps以下か否かを判定する。差圧が所定値Ps以下である場合はステップn4に進み、上回っている場合にはステップn5に移行する。所定値Psは、発電量に応じて設定された排出制御弁B1の開成時間だけ開成した際に生じる水素ガス圧力の変化に対応して設定するもので、発電量が少ない場合は小さく、発電量が多い場合は大きく設定してある。ステップn4では、ステップn3の判定結果に基づいて、排出制御弁B1の異常を検出(判定)する。一方、ステップn5では、排出制御弁B1が正常であると判定する。
【0032】
図4に示すように、通常、正常に排出制御弁B1を開成するように制御装置5が排出制御弁B1に対して信号を出力した場合、排出制御弁B1が一定時間開成するので、排気水素含有ガスは排出されて燃料電池1内の水素ガス圧力が一時的に低下する。そしてこの水素ガス圧力の低下に応じてレギュレータRGが作動し、排出制御弁B1が閉成した後に水素ガス圧力は、設定されたガス圧力に収束する。
【0033】
しかしながら、排出制御弁B1に異常が生じ、開成のための信号が排出制御弁B1に入力されたにもかかわらず、排出制御弁B1が十分に開成しなかった時には、水素ガス圧力が十分に低下せず、開成しなかったつまり閉成したままの時には、水素ガス圧力は低下しない。また、排出制御弁B1が開成した後、十分に閉成しなかった時には、水素ガス圧力が設定されたガス圧力に戻りにくい。この結果、排出制御弁B1の開成時の水素ガス圧力つまり開弁時ガス圧力Poと閉成後の水素ガス圧力つまり閉弁時ガス圧力Pcとの差圧が所定値Ps以下となるものである。
【0034】
このように、排出制御弁B1を開閉したにもかかわらず、開成時と開成後の水素ガス圧力の変化が小さい場合、つまり、水素ガス圧力は変化しているが、排出制御弁B1が正常に開閉した場合の水素ガス圧力の変化に比較して小さい場合、排出制御弁B1に異常が生じたと判断するものである。そして排出制御弁B1の異常を、水素ガス圧力の変化のみで検出するので、特別な異常検出装置を必要としないものである。それゆえ、製造コストを低減することができる。
【0035】
このような構成において、排出制御弁B1が正常であるにもかかわらず、誤って排出制御弁B1の異常を検出することを回避するために、以下に説明する構成とするものであってよい。すなわち、燃料電池1の発電量が低くレギュレータGRを通過する水素の流量が少ない場合には、レギュレータGRが水素ガス圧力の低下に感応しない場合がある。この場合、排出制御弁B1が正常であるにもかかわらず、排出制御弁B1の閉成後の水素ガス圧力が設定されたガス圧力に戻らないため、排出制御弁B1が正常であるにもかかわらず、排出制御弁B1の異常と誤って判定してしまう。この実施の形態では、このような状況を考慮して、排出制御弁B1を複数回連続的に開閉することによって正常な場合にレギュレータGRが作動する圧力変化となる状態を作りだし、排出制御弁B1を誤って異常と判定することを防止する構成である。具体的な異常判定手順を、図5により説明する。なお、以下に説明する実施の形態にあっては、排出制御弁B1を2回連続的に開閉するものを説明するが、2回に限定されるものではなく、3回あるいはそれ以上であってもよい。
【0036】
この実施の形態においては、パージを実施した後、上述の異常を判定し得る作動状態における開弁時ガス圧力Poと閉弁時ガス圧力Pcとの差圧が所定値Ps以下である場合に、再度排出制御弁B1を開成して検出する水素ガス圧力と、その後に排出制御弁B1を再度閉成した際の水素ガス圧力との差圧により、排出制御弁B1の異常を判定するものである。具体的には、上述のステップn1からステップn3を実行した後、ステップn14において、図6に示すように、所定時間T1が経過した後に排出制御弁B1を再度開成してその時の水素ガス圧力すなわち再開弁時ガス圧力Pnを検出する。所定時間T1は、排出制御弁B1が正常である場合に、その開成後、確実に水素ガス圧力がレギュレータRGの作動により一定値つまり所定の水素ガス圧力に戻すように制御されるに十分な時間を見込み、図7に示すように、発電量が少ない場合ほぼ一定に設定し、発電量の増加に応じて短くなるように設定する。なお、所定時間T1は、発電量に対して設定されるものを説明したが、電流あるいは電圧の変化に基づいて、それらが増加するにしたがって短くなるように設定するものであってもよい。
【0037】
次に、ステップn15において、再開弁時ガス圧力Pnを検出した後に排出制御弁B1が閉成された際の水素ガス圧力である再閉弁時ガス圧力Pccを検出する。この再閉弁時ガス圧力Pccの検出タイミングは、閉弁時ガス圧力Pcの検出タイミングと同じであってよい。そして、ステップn16において、再閉弁時ガス圧力Pccと再開弁時ガス圧力Pnとの差圧を演算し、その差圧が再閉弁時所定値Pss以下であるか否かを判定する。この判定の結果、差圧が再閉弁時所定値Pss以下である場合にはステップn4(排出制御弁B1異常の判定)に移行し、上回っている場合にはステップn5(排出制御弁B1正常の判定)に進む。なお、再閉弁時所定値Pssは、上述の所定値Psと同じ値であってよい。
【0038】
このように、パージを実行した場合に、水素ガス圧力の変化が小さく異常と判定し得る場合に、所定時間後に排出制御弁B1を再度開成し、この開成によっても水素ガス圧力の変化が小さい場合に、排出制御弁B1が異常であると判定するものである。つまり、二度にわたって排出制御弁B1を開閉し、二度目の排出制御弁B1の開成により水素ガス圧力をレギュレータGRにより設定された圧力からの低下量を大きくすることによりレギュレータGRを作動させ、その状態で水素ガス圧力の変化が小さい場合に、排出制御弁B1の異常を判定するものである。このような構成とすることにより、発電量が少なく、よって排出制御弁B1の開成時間が短かく水素ガス圧力の変化が小さい場合であっても、排出制御弁B1を再度開成することにより水素ガス圧力が低下して、その結果、レギュレータGRが作動すればパージの際の水素ガス圧力の変化が発電量が少ないことに起因するものと判断することができ、排出制御弁B1の異常を誤って検出することを防止することができる。
【0039】
上記の実施の形態では、排気水素含有ガスと排気酸素含有ガスとを、実質的に空気排出路P4において混合して稀釈する構造としたが、排気水素含ガスを稀釈するための稀釈器を備えるものであってもよい。
【0040】
また、上記の実施の形態においては、二次電池を有するものを説明したが、燃料電池を連続して発電させるものであれば、二次電池は不要である。この場合、燃料電池の発電量は、負荷の状態すなわち増減に応じて可変させるもの、負荷の増減に関係なく定電力とするもの、のいずれであってもよい。
【0041】
また、各部の具体的構成についても上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように、排出制御弁の開閉に応じて生じる水素含有ガスの圧力変化に着目して、排出制御弁の開成時点の圧力と閉成後の圧力との差圧を検出し、検出した差圧が所定値を下回る場合に排出制御弁の異常を検出するので、排出制御弁の異常を検出するためだけの専用の異常検出装置を準備しなくとも、排出制御弁の異常を検出することができる。したがって、燃料電池システムの構成を簡素化することができ、製造にかかる費用を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を適用する燃料電池システムの概略構成説明図。
【図2】同実施の形態の制御装置のブロック図。
【図3】同実施の形態における排出制御弁の異常を判定する手順を概略的に示すフローチャート。
【図4】同実施の形態の作用説明図。
【図5】本発明の他の実施の形態における排出制御弁の異常を判定する手順を概略的に示すフローチャート。
【図6】同じく他の実施の形態の作用説明図。
【図7】同じく他の実施の形態の作用説明図。
【符号の説明】
5…制御装置
51…CPU
52…メモリ
53…入力インターフェース
54…出力インターフェース
B1…排出制御弁
S1…水素ガス圧力センサ

Claims (2)

  1. 燃料電池に水素を含む水素含有ガスと酸素を含む酸素含有ガスとを供給して発電させ、燃料電池内の水を外部に排出する際に燃料電池から排気水素含有ガスを排出制御弁を介して排出する燃料電池システムにおいて、燃料電池内の水素含有ガスの圧力を所定範囲内となるように調整し、
    排出制御弁を開成した時の水素含有ガスの圧力と、排出制御弁を閉成した後の水素含有ガスの圧力との差圧を演算し、
    演算した差圧が所定値を下回る場合に排出制御弁の異常と判定することを特徴とする燃料電池システムにおける排出制御弁の状態判定方法。
  2. 演算した差圧が所定値を下回る場合に、再度排出制御弁を開閉することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システムにおける排出制御弁の状態判定方法。
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