JP2006207427A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 駆動軸及び従動軸2に連動して共通の回転中心O周りに回転する第一及び第二回転部材11,16、第一回転部材11と回り対偶により連繋する第一腕部材20、並びに第二回転部材16及び第一腕部材20と回り対偶により連繋する第二腕部材21から位相変化機構10を構成し、腕部材20,21同士がなす回り対偶22の運動を制御手段で制御することにより回転部材11,16間の相対回転位相を調整する。このような構成において、第一腕部材20が第一回転部材11及び第二腕部材21となす回り対偶24,22間の距離L1と、第二腕部材21が第二回転部材16及び第一腕部材20となす回り対偶26,22間の距離L1の比L1/L2を、0.5〜2の範囲内に設定する。
【選択図】 図1
Description
また、本発明の他の目的は、耐久性を向上するバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によると、第一対偶と第三対偶との間の距離L1と、第二対偶と第三対偶との間の距離L2との比L1/L2は、0.5〜2の範囲内に設定される。これにより、第一腕部材と第二腕部材とがなす第三対偶の変位量に対して第一回転部材と第二回転部材との相対回転位相の変動量が小さくなる。即ち、第三対偶の変位量に対する回転部材間の相対回転位相の変動が抑制されるため、第三対偶の運動を制御する制御手段がエンジンのトルク変動の影響を受け易い場合であっても、回転部材間の相対回転位相、ひいては駆動軸と従動軸との相対回転位相にばらつきが発生することを防止することができる。
請求項7に記載の発明によると、注目腕部材は、それに対応する注目対偶と第三対偶との間の全域にわたって、それら対偶間を結ぶ仮想直線上に肉部を有するので、注目腕部材における曲げ応力の発生抑制効果が向上する。
図2は、本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置1を示している。このバルブタイミング調整装置1は、車両のエンジンにおいて、駆動軸としてのクランクシャフトの駆動トルクを従動軸としてのカムシャフト2へ伝達する伝達系に設けられている。バルブタイミング調整装置1は、クランクシャフトとカムシャフト2との相対回転位相を変化させることにより、エンジンの吸気弁又は排気弁のバルブタイミングを調整する。
図1及び図2に示すように位相変化機構10は、スプロケット11、出力軸16、腕部材20,21を組み合わせて構成されており、要素11,16間の相対回転位相、ひいてはクランクシャフトとカムシャフトとの相対回転位相を変化調整する。尚、図1及び後に説明する図4及び図6では、断面を表すハッチングを省略している。
ハウジング31は、ステー35を介してエンジンに固定されている。ハウジング31には、二つの軸受32及びステータ34が収容固定されている。
図2及び図4に示すように、案内部材41は出力軸16と同軸の円形平板状に形成され、当該出力軸16の外周壁によって支持されている。これにより案内部材41は、回転中心O周りに回転可能且つスプロケット11に対して方向X,Yへ相対回転可能となっている。案内部材41において回転中心Oを挟む二箇所には、可動部材44を案内する案内通路42が長孔状に形成されている。各案内通路42は案内部材41を板厚方向へ貫通し、回転中心Oを対称軸として互いに180°の回転対称となるように設けられている。各案内通路42は、案内部材41の径方向軸線に対して傾斜して直線状に延伸し且つ当該延伸方向において回転中心Oからの距離が変化する形状とされている。
入力軸46は、電動モータ30の回転軸33に連結固定されることにより回転中心Oに対して偏心している。尚、図5においてPは、入力軸46の中心を表している。
このように運動変換機構40は、電動モータ30の回転運動を可動部材44の運動へ変換する。したがって、電動モータ30及び運動変換機構40は、可動部材44に連動した回り対偶22の運動を制御する制御手段に相当する。
(第一の特徴)
図8に示すように、第一対偶24の中心と回転中心Oとを結ぶ径方向軸線と、第二対偶26の中心と回転中心Oとを結ぶ径方向軸線とがなす角θは、可動部材44の変位量と一致する第三対偶22の変位量Δrに対してΔθ分、変動する。ここで角θは回転要素11,16間の相対回転位相と一致するものであり、故に変動量Δθは第三対偶22の変位量Δrに対する当該相対回転位相の変動量であると考えることができる。したがって、単位変位量Δrに対する変動量Δθが小さくなるほど、回転要素11,16間の相対回転位相にばらつきが少なくなるのである。
図10は、第一腕部材20において第三対偶22よりも第一対偶24側となる部分28と、第二腕部材21において第三対偶22よりも第二対偶26側となる部分29とを、回転中心Oと第三対偶22の中心との間を結ぶ径方向軸線Rに対して同じ側に配置した比較例を示している。この比較例では、可動部材44に掛かる負荷Fが図10のように各腕部材20,21へと分配されるため、特に第二腕部材21に大きな力が作用してしまう。そこで、本発明者が鋭意検討した結果、第一腕部材20の第三対偶22よりも第一対偶側部分28と、第二腕部材21の第三対偶22よりも第二対偶側部分29とを径方向軸線Rを挟む両側にそれぞれ配置すると、各腕部材20,21に作用する力が小さくなることが判明した。したがって、本実施形態では、図11に示すように各部分28,29を径方向軸線Rの両側に配置し、且つ上記第一の特徴を持たせたことにより、可動部材44に掛かる負荷Fが同図のように各腕部材20,21へと分配され、それら各腕部材20,21への作用力が共に低減されている。
図12は、第一及び第二腕部材20,21について、第一及び第二対偶24,26のうち対応するものと第三対偶22との中心間を結ぶ仮想直線Sに対して大きく湾曲させ、当該仮想直線S上に空間部を存在させた比較例を示している。この比較例では、対偶24,26と対偶22とを通じて各腕部材20,21に力が作用した場合、各腕部材20,21の中央部分では、幅方向両側の外形線20a,21aの近傍に幅方向の曲げ応力が発生してしまう。そこで、本発明者が鋭意検討した結果、第一及び第二腕部材20,21について、図13に示すように幅方向両側の外形線20a,21aが仮想直線Sの両側をそれぞれ延びる形態とすると、当該外形線20a,21aに発生する曲げ応力が小さくなることが判明した。さらに、図13に示すように対偶24,26と対偶22との間の全域にわたって仮想直線S上に肉部が存在するようにする、即ち仮想直線S上に空間部が全く存在しないようにすると、曲げ応力の発生抑制効果が向上することも判明した。したがって、本実施形態では図14に示すように、第一及び第二腕部材20,21の幅方向両側の外形線20a,21aを仮想直線Sの両側において延伸させ、且つ対偶24,26と対偶22との間の全域にわたって仮想直線S上に肉部を存在させている。
しかも本実施形態によれば、上記第二の特徴により各腕部材20,21に作用する力が小さくなると共に、上記第三の特徴により各腕部材20,21における曲げ応力の発生が抑制される。それ故、各腕部材20,21の耐久性が高められている。
例えば、第一及び第二腕部材20,21についての距離L1,L2の比L1/L2を、0.5〜2の範囲内において1以外の値に設定してもよい。
さらに加えて運動変換機構40は、上述した構成とは異なる構成、例えば要素45〜49を設けずに回転軸33を案内部材41と直接連結する構成であってもよい。
Claims (8)
- 内燃機関において吸気弁及び排気弁の少なくとも一方の弁を開閉する従動軸へ駆動軸の駆動トルクを伝達する伝達系に設けられ、前記少なくとも一方の弁の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
前記駆動軸に連動して回転する第一回転部材、前記従動軸に連動して前記第一回転部材と共通の回転中心周りに回転する第二回転部材、前記第一回転部材と回り対偶により連繋する第一腕部材、並びに前記第二回転部材及び前記第一腕部材と回り対偶により連繋する第二腕部材を有する位相変化機構と、
前記第一腕部材と前記第二腕部材とがなす回り対偶の運動を制御することにより前記第一回転部材と前記第二回転部材との相対回転位相を調整する制御手段と、
を備え、
前記第一腕部材と前記第一回転部材とがなす回り対偶を第一対偶とし、前記第二腕部材と前記第二回転部材とがなす回り対偶を第二対偶とし、前記第一腕部材と前記第二腕部材とがなす回り対偶を第三対偶としたとき、
前記第一対偶と前記第三対偶との間の距離L1と、前記第二対偶と前記第三対偶との間の距離L2との比L1/L2は、0.5〜2の範囲内に設定されることを特徴とするバルブタイミング調整装置。 - 前記比L1/L2は、略1に設定されることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
- 内燃機関において吸気弁及び排気弁の少なくとも一方の弁を開閉する従動軸へ駆動軸の駆動トルクを伝達する伝達系に設けられ、前記少なくとも一方の弁の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
前記駆動軸に連動して回転する第一回転部材、前記従動軸に連動して前記第一回転部材と共通の回転中心周りに回転する第二回転部材、前記第一回転部材と回り対偶により連繋する第一腕部材、並びに前記第二回転部材及び前記第一腕部材と回り対偶により連繋する第二腕部材を有する位相変化機構と、
前記第一腕部材と前記第二腕部材とがなす回り対偶の運動を制御することにより前記第一回転部材と前記第二回転部材との相対回転位相を調整する制御手段と、
を備え、
前記第一腕部材と前記第一回転部材とがなす回り対偶を第一対偶とし、前記第二腕部材と前記第二回転部材とがなす回り対偶を第二対偶とし、前記第一腕部材と前記第二腕部材とがなす回り対偶を第三対偶としたとき、
前記第一腕部材において前記第三対偶よりも前記第一対偶側となる部分と、前記第二腕部材において前記第三対偶よりも前記第二対偶側となる部分とは、前記回転中心と前記第三対偶との間を結ぶ径方向軸線の両側にそれぞれ配置されることを特徴とするバルブタイミング調整装置。 - 前記第一対偶と前記第三対偶との間の距離L1と、前記第二対偶と前記第三対偶との間の距離L2との比L1/L2は、0.5〜2の範囲内に設定されることを特徴とする請求項3に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記比L1/L2は、略1に設定されることを特徴とする請求項4に記載のバルブタイミング調整装置。
- 内燃機関において吸気弁及び排気弁の少なくとも一方の弁を開閉する従動軸へ駆動軸の駆動トルクを伝達する伝達系に設けられ、前記少なくとも一方の弁の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
前記駆動軸に連動して回転する第一回転部材、前記従動軸に連動して前記第一回転部材と共通の回転中心周りに回転する第二回転部材、前記第一回転部材と回り対偶により連繋する第一腕部材、並びに前記第二回転部材及び前記第一腕部材と回り対偶により連繋する第二腕部材を有する位相変化機構と、
前記第一腕部材と前記第二腕部材とがなす回り対偶の運動を制御することにより前記第一回転部材と前記第二回転部材との相対回転位相を調整する制御手段と、
を備え、
前記第一腕部材と前記第一回転部材とがなす回り対偶を第一対偶とし、前記第二腕部材と前記第二回転部材とがなす回り対偶を第二対偶とし、前記第一腕部材と前記第二腕部材とがなす回り対偶を第三対偶としたとき、
前記第一腕部材及び前記第二腕部材の少なくとも一方である注目腕部材において幅方向両側の外形線は、前記第一対偶及び前記第二対偶のうち当該注目腕部材に対応する注目対偶と前記第三対偶との間を結ぶ仮想直線の両側をそれぞれ延伸することを特徴とするバルブタイミング調整装置。 - 前記注目腕部材は、前記注目対偶と前記第三対偶との間の全域にわたって前記仮想直線上に肉部を有することを特徴とする請求項6に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記制御手段は、電動モータ、並びに前記電動モータの回転運動を前記第三対偶の運動へ変換する運動変換機構を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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