JP2006206884A - 無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents

無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 取り扱いが容易であり、硬化皮膜のすべり性と粘着性物質に対する剥離性に優れた無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物を提供する。
【解決手段】 (A)粘度が5〜200mPa・sであり、分子鎖両末端にアルケニル基を有し、構造中に−(R SiO)m+1−で表されるシロキサン単位と炭素原子数2〜10のアルキレン基を共に1以上含む反応性ケイ素系化合物、(B)粘度が100,000mPa・s以上であり、ケイ素原子に結合した有機基の90%以上が非反応性のアルキル基またはアリール基であるオルガノポリシロキサン、(C)粘度が1〜1,000mPa・sであり、1分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンおよび(D)ヒドロシリル化反応触媒からなる無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、基材表面に硬化皮膜を形成し、粘着性物質に対する良好な剥離性と被処理面の円滑なすべり性を付与することができる無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物に関する。
各種紙,ラミネート紙,合成フィルム,金属箔等の基材表面にオルガノポリシロキサン組成物の硬化皮膜を形成させることにより、粘着性物質に対する剥離性を付与する方法はよく知られている。この場合、剥離性硬化皮膜を形成する方法として、ヒドロシリル化反応触媒の存在下、不飽和炭化水素基を有するオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを付加反応させる、付加反応型のオルガノポリシロキサン組成物(特許文献1参照)が広く用いられており、これらの剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物の性状として、これらをトルエン等の有機溶剤に溶解された溶剤型、これらをエマルジョン化したエマルジョン型、オルガノポリシロキサンのみからなる無溶剤型が知られている。近年、安全・環境に対する配慮から、溶剤型に代わり、無溶剤型の剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物が広範な用途で求められている。
しかしながら、従来の無溶剤型の剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物は、主剤とするオルガノポリシロキサンの粘度が50〜4000csと低粘度であるために、形成された硬化皮膜のすべり性が悪く、用途が限定されるという不利があった。事実、これらの低粘度のオルガノポリシロキサンを主剤として用いた無溶剤型の組成物は、クラフトテープの離型剤として使用されると、形成された硬化皮膜のすべり性が悪く、テープをダンボールなどに貼る作業がスムーズに行われず、また粘着剤が完全に接着せず剥げ落ちることがあった。また紙またはプラスチックフィルムに硬化皮膜を形成させた場合でも、硬化皮膜のすべり性が悪く、テープを傷つけたり、テープがスムーズに回転せず工程上で二次的なトラブルの原因になるという問題があった。さらに、この種の低粘度のオルガノポリシロキサンを主剤として用いた無溶剤型のオルガノポリシロキサン組成物を紙またはプラスティックフィルムに塗工し、硬化皮膜を形成させて剥離紙を製造すると、硬化皮膜のすべり性が悪いために、剥離紙を巻き取る前に硬化皮膜と金属あるいはプラスチックのロールとが接触するとにより、硬化皮膜が傷ついたものとなったり、後で粘着塗工されたときに離型性のバラツキが生じたりして、紙またはプラスチックフィルムの巻き取りがスムーズには行えないという問題があった。
硬化皮膜のすべり性を改善する目的で、ビニル基の含有量が0.5〜10.0モル%以下であり、25℃における粘度が50〜100,000cpであるオルガノポリシロキサンを添加する方法を提案されている(特許文献2参照)。しかし、ビニル基の含有量の少ないオルガノポリシロキサンを多量に添加する必要があるため、剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物の粘度が上昇し、その取り扱いが困難になるという問題があった。さらに、そのすべり性も十分満足できるものではなかった。
また、組成物そのままの無溶剤型として、あるいはトルエン等の有機溶剤に溶解されて用いられる溶剤型の両方の用途が開示された剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物として、特許文献3には1分子中に2個以上の高級アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサンおよび非反応性のオルガノポリシロキサン等からなる剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物が開示されている。また、特許文献4には、1分子中に2個以上の高級アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、1分子中に1個以上のアルキル基と2個以上のケイ素結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンおよび非反応性のオルガノポリシロキサン等からなる剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物が開示されている。しかしながら、これらの組成物は特に無溶剤型で使用された場合、各種基材に対する密着性および粘着性物質に対する剥離性が不十分であるという問題があった。
一方、特許文献5にはジオルガノポリシロキサン単位とポリメチレン単位からなり、分子末端にケイ素原子に結合した水素原子および/またはアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン−ポリメチレンブロック交互共重合体およびその製造方法が開示されており、これを膜状にコーティングすることにより、紙に対する表面処理剤、はくり紙用コーティング剤等として有用である旨が提案されている。さらに、特許文献6には分子鎖の両末端にアルケニル基を有し、繰り返し構造中に炭素数1〜50までの2価の有機基を含む反応性ケイ素系化合物を用いた硬化性組成物が開示されている。しかし、耐熱性に優れた硬化物を与えるとしか記載されていない。
特開昭47−32072号公報 特開昭61−159480号公報 特開平02−145650号公報 特開平06−49413号公報 特開平01−217040号公報 特開平06−298941号公報
本発明は上記問題を解決すべくなされたものであり、取り扱いが容易であり、形成される硬化皮膜のすべり性と粘着性物質に対する剥離性に優れた無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、(A)25℃における粘度が5〜200mPa・sであり、分子鎖両末端にアルケニル基を有し、構造中に−(R SiO)m+1−(式中、Rは脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数1〜10の一価の炭化水素基であり、mは1から40までの整数)で表されるシロキサン単位と炭素原子数2〜10のアルキレン基を共に1以上含む反応性ケイ素系化合物 100重量部、(B)25℃における粘度が100,000mPa・s以上であり、ケイ素原子に結合した有機基の90%以上が非反応性のアルキル基またはアリール基であるオルガノポリシロキサン 0.5〜20重量部、(C)25℃における粘度が1〜1,000mPa・sであり、かつ、1分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.5〜30重量部および(D)ヒドロシリル化反応触媒 触媒量からなる無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物により上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
〔1〕(A)25℃における粘度が5〜200mPa・sであり、分子鎖両末端にアルケニル基を有し、構造中に−(R SiO)m+1−(式中、Rは脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数1〜10の一価の炭化水素基であり、mは1から40までの整数)で表されるシロキサン単位と炭素原子数2〜10のアルキレン基を共に1以上含む反応性ケイ素系化合物 100重量部、
(B)25℃における粘度が100,000mPa・s以上であり、ケイ素原子に結合した全ての有機基のうち90モル%以上が非反応性のアルキル基またはアリール基であるオルガノポリシロキサン 0.5〜15重量部、
(C)25℃における粘度が1〜1,000mPa・sであり、かつ、1分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有し、脂肪族不飽和結合を有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.5〜30重量部、
(D)ヒドロシリル化反応触媒 触媒量
からなる無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物。
〔2〕(A1)25℃における粘度が5〜200mPa・sであり、一般式(1)で表される分子鎖両末端にアルケニル基を有する反応性ケイ素系化合物 100重量部、
Figure 2006206884
(式中、Rは脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数1〜10の一価の炭化水素基、Rは炭素原子数2〜10のアルケニル基、Rは炭素原子数2〜10のアルキレン基、nは1から40までの整数、mは1から40までの整数、pは前記粘度範囲を満たす1以上の数である)
(B)25℃における粘度が100,000mPa・s以上であり、ケイ素原子に結合した全ての有機基のうち90モル%以上が非反応性のアルキル基またはアリール基であるオルガノポリシロキサン 0.5〜15重量部、
(C)25℃における粘度が1〜1,000mPa・sであり、かつ、1分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有し、脂肪族不飽和結合を有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.5〜30重量部、
(D)ヒドロシリル化反応触媒 触媒量
からなる無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物。
〔3〕(A2)25℃における粘度が5〜200mPa・sであり、一般式(2)で表される分子鎖両末端にアルケニル基を有する反応性ケイ素系化合物 100重量部、
Figure 2006206884
(式中、Rは前記と同じ、Rは炭素原子数が3〜10のアルキレン基、Rは脂肪族炭素―炭素二重結合を1個有する炭素原子数が3〜10の一価のアルケニル基、mは前記と同じ、qは前記粘度範囲を満たす1以上の数である)
(B)25℃における粘度が100,000mPa・s以上であり、ケイ素原子に結合した全ての有機基のうち90モル%以上が非反応性のアルキル基またはアリール基であるオルガノポリシロキサン 0.5〜15重量部、
(C)25℃における粘度が1〜1,000mPa・sであり、かつ、1分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有し、脂肪族不飽和結合を有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.5〜30重量部、
(D)ヒドロシリル化反応触媒 触媒量
からなる無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物。
〔4〕(A3)(a)一般式(3)
Figure 2006206884
(式中、Rは脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数1〜10の一価の炭化水素基、mは1から40までの整数)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(b)一般式(4)
Figure 2006206884
(式中、Rは前記と同じであり、Rは炭素原子数2〜10のアルケニル基、nは1から40までの整数)で表されるオルガノポリシロキサンおよび
(c)炭素原子数が3〜10の脂肪族炭素―炭素二重結合を2個有する不飽和炭化水素
からなり、(a)成分に含まれるケイ素原子結合水素原子のモル数と(b)成分および(c)成分に含まれる脂肪族炭素―炭素二重結合のモル数の和の比が0.5〜0.9である混合物を(d)ヒドロシリル化反応触媒の存在下で付加反応により鎖長延長させて得た分子鎖両末端にアルケニル基を有し、構造中に−(R SiO)m+1−(式中、Rは脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数1〜10の一価の炭化水素基であり、mは1から40までの整数)で表されるシロキサン単位と炭素原子数2〜10のアルキレン基を共に1以上含む反応性ケイ素系化合物の混合物であって、25℃における粘度が5〜200mPa・sであるもの 100重量部、
(B)25℃における粘度が100,000mPa・s以上であり、ケイ素原子に結合した全ての有機基のうち90モル%以上が非反応性のアルキル基またはアリール基であるオルガノポリシロキサン 0.5〜15重量部、
(C)25℃における粘度が1〜1,000mPa・sであり、かつ、1分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有し、脂肪族不飽和結合を有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.5〜30重量部、
(D)ヒドロシリル化反応触媒 触媒量
からなる無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物。
〔5〕(A)成分が前記の(A1)成分および(A2)成分の混合物である〔1〕に記載の無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物。
〔6〕(A)成分が前記の(A1)成分、(A2)成分および(A3)成分の混合物である〔1〕に記載の無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物。
〔7〕(B)成分が、25℃における粘度が100,000mPa・s以上である分子鎖末端がトリメチルシロキシ基,シラノール基またはビニル基からなる群から選択される同一または異種の基で封鎖された直鎖状もしくは分岐状のジメチルポリシロキサンであることを特徴とする、〔1〕〜〔4〕に記載の無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物。
〔8〕25℃における組成物全体の粘度が50〜2,000mPa・sであることを特徴とする、〔1〕〜〔7〕に記載の無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物。
〔9〕(A1)成分が、(a)一般式(3)
Figure 2006206884
(式中、Rは脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数1〜10の一価の炭化水素基、mは1から40までの整数)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと
(b)一般式(4)
Figure 2006206884
(式中、Rは前記と同じであり、Rは炭素原子数2〜10のアルケニル基、nは1から40までの整数)で表されるオルガノポリシロキサン
からなり、(a)成分に含まれるケイ素原子結合水素原子のモル数と(b)成分に含まれる脂肪族炭素―炭素二重結合のモル数の比が0.5〜0.9である混合物を(d)ヒドロシリル化反応触媒の存在下で付加反応により鎖長延長させて得た分子鎖両末端にアルケニル基を有する反応性ケイ素系化合物である〔2〕に記載の無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物。
〔10〕(A2)成分が、(a)一般式(3)
Figure 2006206884
(式中、Rは脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数1〜10の一価の炭化水素基、mは1から40までの整数)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと
(c)炭素原子数が3〜10であり、脂肪族炭素―炭素二重結合を2個有する不飽和炭化水素
からなり、(a)成分に含まれるケイ素原子結合水素原子のモル数と(c)成分に含まれる脂肪族炭素―炭素二重結合のモル数の比が0.5〜0.9である混合物を(d)ヒドロシリル化反応触媒の存在下で付加反応により鎖長延長させて得た分子鎖両末端にアルケニル基を有する反応性ケイ素系化合物である〔3〕に記載の無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物。」である。
本発明によれば、取り扱いが容易であり、形成される硬化皮膜のすべり性と粘着性物質に対する剥離性に優れた無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物を提供することができる。
(A)成分は25℃における粘度が5〜200mPa・sであり、分子鎖両末端にアルケニル基を有し、構造中に−(R SiO)m+1−(式中、Rは脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数1〜10の一価の炭化水素基であり、mは1から40までの整数)で表されるシロキサン単位と炭素原子数2〜10のアルキレン基を共に1以上含む反応性ケイ素系化合物である。該成分は本発明にかかる無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物の主成分であり、硬化皮膜にすべり性を付与する(B)成分との相溶性が低いため、付加反応により形成された硬化皮膜の表面に(B)成分を効果的に浮き出させることができる。このため、少量の(B)成分を添加するだけで、優れたすべり性を硬化皮膜に付与することができるものである。本発明において、mは3〜30であることが好ましく、Rは炭素原子数1〜5のアルキル基であることが好ましい。かかる(A)成分は、具体的には以下の(A1)〜(A3)成分のいずれか、またはこれらの混合物あり、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとアルケニル末端を有するオルガノポリシロキサンおよび/または脂肪族炭素−炭素二重結合を有する不飽和炭化水素をヒドロシリル化触媒の存在下、鎖長延長させて得た分子鎖両末端にアルケニル基を有する反応性ケイ素高分子であることが特に好ましい。
(A1)成分は、一般式(1)で表される分子鎖両末端にアルケニル基を有する反応性ケイ素系化合物であって、25℃における粘度が5〜200mPa・sであるものである。
Figure 2006206884
式中、Rは脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数1〜10の一価の炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリクロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が例示され、好ましくはメチル基である。Rは炭素数2〜10のアルケニル基であり、具体的には、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基が例示され、好ましくは、ビニル基、ヘキセニル基である。炭素原子数2〜10のアルキレン基であり、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基が例示され、好ましくはエチレン基、ヘキシレン基である。m、nは各々1〜40の整数であることが必要であり、m、nは各々5〜30の整数であることが好ましい。m、nが前記上限を超えると(A1)成分の粘度が高くなりすぎるという問題が生じる。pは(A1)成分の25℃における粘度が5〜200mPa・sの範囲を満たす1以上の数である。
(A1)成分は、(a)一般式(3)
Figure 2006206884
(式中、R、mは前記と同じ)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと
(b)一般式(4)
Figure 2006206884
(式中、R、R、nは前記と同じ)で表されるオルガノポリシロキサンをヒドロシリル化反応触媒の存在下で付加反応により鎖長延長させて得た分子鎖両末端にアルケニル基を有する反応性ケイ素系化合物であることが特に好ましい。すなわち、(A1)成分は、(a)成分と(b)成分とを(d)ヒドロシリル化触媒の存在下で付加反応させ、鎖長延長させることにより得ることができる。(a)成分、(b)成分およびヒドロシリル化触媒の添加順序は任意であり、例えば(b)成分とヒドロシリル化触媒の混合系を加熱攪拌しながら(a)成分を徐々に添加する方法、(a)成分と(d)ヒドロシリル化触媒の混合系を加熱攪拌しながら(b)成分を徐々に添加する方法、(a)成分と(b)成分の混合系を加熱攪拌しながら(d)ヒドロシリル化触媒を徐々に添加する方法、(a)成分、(b)成分および(d)ヒドロシリル化触媒混合系を加熱攪拌する方法が例示される。さらに、得られた(A1)成分は分子鎖の両末端にアルケニル基を含有することを特徴とするため、(a)成分に含まれるケイ素原子結合水素原子のモル数/(b)成分に含まれるアルケニル基のモル数 の比は1より小さくなければならず、本発明においては0.5〜0.9であることが必要であり、0.5〜0.8であることが好ましい。
(d)ヒドロシリル化反応触媒は特に限定されるものではないが、具体的には、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸,塩化白金酸のオレフィン錯体,塩化白金酸とケトン類との錯体,白金とアルケニルシロキサンとの錯体、四塩化白金、白金微粉末、アルミナまたはシリカの担体に固体状白金を担持させたもの、白金黒、白金のオレフィン錯体、白金のカルボニル錯体、これらの白金系触媒を含むメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコーン樹脂等の熱可塑性有機樹脂粉末の白金系触媒;式:[Rh(O2CCH3)2]2、Rh(O2CCH3)3、Rh2(C8152)4、Rh(C572)3、Rh(C572)(CO)2、Rh(CO)[Ph3P](C572)、RhX3[(R)2S]3、(R 3P)2Rh(CO)X、(R 3P)2Rh(CO)H、Rh224、HaRhb(E)cCld、またはRh[O(CO)R]3-n(OH)nで表されるロジウム系触媒(式中、Xは水素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子であり、Yはアルキル基、CO、C814であり、Rはアルキル基、シクロアルキル基、またはアリール基であり、Rはアルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、またはアリールオキシ基であり、Eはオレフィンであり、aは0または1であり、bは1または2であり、cは1〜4の整数であり、dは2、3、または4であり、nは0または1である。);式:Ir(OOCCH3)3、Ir(C572)3、[Ir(Z)(E)2]2、または[Ir(Z)(Dien)]2で表されるイリジウム系触媒(式中、Zは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、またはアルコキシ基であり、Eはオレフィンであり、Dienはシクロオクタジエンである。)が例示される。塩化白金酸,白金のオレフィン錯体,白金とビニルシロキサンとの錯体を用いることが好ましく、塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体,塩化白金酸とテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンとの錯体,白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体,白金テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン錯体等の白金アルケニルシロキサン錯体が特に好ましい。かかる(d)ヒドロシリル化触媒の添加量は触媒量であればよく、通常、(a)成分および(b)成分の合計量に対し、ヒドロシリル化触媒が含有する金属量で1〜1,000ppmであり、好ましくは5〜500ppmの範囲とすることが好ましい。
(A2)成分は、一般式(2)で表される分子鎖両末端にアルケニル基を有する反応性ケイ素系化合物であって、25℃における粘度が5〜200mPa・sであるものである。
Figure 2006206884
式中、R、mは前記と同じである。Rは炭素原子数が3〜10である二価の炭化水素基であり、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基が例示され、好ましくはヘキシレン基である。Rは脂肪族炭素―炭素二重結合を1個有する炭素原子数が3〜10の一価のアルケニル基であり、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基が例示され、好ましくは、ヘキセニル基である。mは前記と同じであり、qは(A2)成分の25℃における粘度が5〜200mPa・sの範囲を満たす1以上の数である。
(A2)成分は、(a)一般式(6)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと
(c)炭素原子数が3〜10であり脂肪族炭素―炭素二重結合を2個有する不飽和炭化水素を(d)ヒドロシリル化反応触媒の存在下で付加反応により鎖長延長させて得た分子鎖両末端にアルケニル基を有する反応性ケイ素系化合物であることが特に好ましい。すなわち、(A2)成分は、(a)成分と(c)成分とを(d)ヒドロシリル化触媒の存在下、トルエン等の有機溶媒中で付加反応させ、鎖長延長させることにより得ることができる。(a)成分、(c)成分およびヒドロシリル化触媒の添加順序は任意であり、例えば(c)成分と(d)ヒドロシリル化触媒の混合系を加熱攪拌しながら(a)成分を徐々に添加する方法、(a)成分とヒドロシリル化触媒の混合系を加熱攪拌しながら(c)成分を徐々に添加する方法、(a)成分と(c)成分の混合系を加熱攪拌しながら(d)ヒドロシリル化触媒を徐々に添加する方法、(a)成分、(c)成分および(d)ヒドロシリル化触媒の混合系を加熱攪拌する方法が例示される。さらに、得られた(A2)成分は分子鎖の両末端にアルケニル基を含有することを特徴とするため、(a)成分に含まれるケイ素原子結合水素原子のモル数/(c)成分に含まれるアルケニル基のモル数 の比は1より小さくなければならず、本発明においては0.5〜0.9であることが必要であり、0.5〜0.8であることが好ましい。また、反応にトルエン等の有機溶媒を用いた場合は、減圧下でトルエンを留去することにより、無溶剤系の(A2)成分を得ることができる。
(c)成分は、炭素原子数が3〜10であり脂肪族炭素―炭素二重結合を2個有する不飽和炭化水素であり、具体的には、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエンが例示され、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエンが好ましい。また、(c)成分は異なる炭素原子数の不飽和炭化水素の混合物であってもよい。なお、ヒドロシリル化反応触媒の種類および使用量は前記と同様である。
(A3)成分は、(a)一般式(3)
Figure 2006206884
(式中、Rは脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数1〜10の一価の炭化水素基、mは1から40までの整数)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(b)一般式(4)
Figure 2006206884
(式中、Rは前記と同じであり、Rは炭素原子数2〜10のアルケニル基、nは1から40までの整数)で表されるオルガノポリシロキサンおよび
(c)炭素原子数が3〜10の脂肪族炭素―炭素二重結合を2個有する不飽和炭化水素
からなり、(a)成分に含まれるケイ素原子結合水素原子のモル数と(b)成分および(c)成分に含まれる脂肪族炭素―炭素二重結合のモル数の和の比が0.5〜0.9である混合物を(d)ヒドロシリル化反応触媒の存在下で付加反応により鎖長延長させて得た分子鎖両末端にアルケニル基を有し、構造中に−(R SiO)m+1−(式中、Rは脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数1〜10の一価の炭化水素基であり、mは1から40までの整数)で表されるシロキサン単位と炭素原子数2〜10のアルキレン基を共に1以上含む反応性ケイ素系化合物の混合物であって、25℃における粘度が5〜200mPa・sであるものである。
該(A3)成分を得る場合、(a)成分に含まれるケイ素原子結合水素原子のモル数と(b)成分および(c)成分に含まれる脂肪族炭素―炭素二重結合のモル数の和の比が0.5〜0.9の範囲であれば(b)成分と(c)成分は所望の混合比のものを用いることができる。また、該(A3)成分を得るために、(b)成分は一般式(4)で表される2種類以上のオルガノポリシロキサンの混合物であってもよく、(c)成分は異なる炭素原子数の不飽和炭化水素の混合物であってもよい。なお、ヒドロシリル化反応触媒の種類および使用量は前記と同様である。
該(A3)成分は分子鎖両末端にアルケニル基を有し、構造中に−(R SiO)m+1−(式中、Rは脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数1〜10の一価の炭化水素基であり、mは1から40までの整数)で表されるシロキサン単位と炭素原子数2〜10のアルキレン基を共に1以上含む反応性ケイ素系化合物の混合物であって、25℃における粘度が5〜200mPa・sであるものである。かかる(A3)成分は、付加反応により鎖長延長させて得られる過程で、一般式(1)で表される前記の(A1)成分および一般式(2)で表される(A2)成分を含むものであるが、その他、以下の一般式(5)〜(7)で示される反応性ケイ素系化合物を含む。
一般式(5):
Figure 2006206884
一般式(6):
Figure 2006206884

一般式(7):
Figure 2006206884
式中、R、R、R、R、R、n、mは前記と同じであり、r、sはどちらか一方が0であってもよく、一般式(5)〜(7)で表される各成分の25℃における粘度が前記範囲を満たす数である。
(B)成分は本発明組成中で、すべり性を出すための添加剤として作用している。かかる(B)成分は25℃における粘度が100,000mPa・s以上であるジオルガノポリシロキサンであり、ケイ素原子に結合する有機基としては、メチル基,エチル基,プロピル基などのアルキル基;ビニル基,アリル基,5−ヘキセニル基などのアルケニル基;フェニル基などのアリール基;3,3,3-トリフルオロプロピル基,ノナフルオロヘキシル基などのハロアルキル基;シラノール基が例示される。本発明の目的を達成するためには、ケイ素原子に結合した有機基の90%以上が非反応性のアルキル基またはアリール基であることが必要である。(B)成分の性状は100,000mPa・s以上の液体でも生ゴム状であっても良く、液体の場合には粘度が1000,000mPa・s以上であることが好ましい。また、(B)成分が生ゴム状である場合、その可塑度(JIS K 6249に規定される方法に準じて可塑度計で測定された可塑度:25℃で4.2gの球状試料に1kgfの荷重を3分間かけたときの値)が0.5〜10.0mmの範囲内であることが好ましく、特には0.9〜3.0mmの範囲内であることが好ましい。
(B)成分として、具体的には、分子鎖末端がケイ素原子に結合したアルキル基,アルケニル基,アリール基,ハロアルキル基またはシラノール基からなる群から選択される同一または異種の基で封鎖されたポリジメチルシロキサン,ジメチルシロキサン・フェニルメチルシロキサン共重合体,ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体が例示される。このような(B)成分として、分子鎖末端がトリメチルシロキシ基,シラノール基またはビニル基からなる群から選択される同一または異種の基で封鎖された直鎖状もしくは分岐状のジメチルポリシロキサンが特に好ましい。また、重合度の異なるポリジメチルシロキサンの混合物を使用してもよい。
本発明の無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物は、前記の(A)成分、具体的には(A1)成分〜(A3)成分から選択されるいずれか1の成分またはこれらの混合物 100重量部に対して、(B)成分を0.5〜15重量部含む。(B)成分の含有量が前記下限より少ないと硬化皮膜表面のすべり性が不十分であり、前記上限を超えるとオルガノポリシロキサン組成物の粘度が高くなりすぎて、実作業に支障をきたす。
(C)成分は、25℃における粘度が1〜1,000mPa・sであり、かつ、1分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有し、アルケニル基を有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、前記の(A)成の架橋剤として機能し、硬化皮膜を形成する。(C)成分は、1分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有することが必要であり、その結合位置は特に限定されないが、ケイ素原子結合水素原子の含有量はオルガノポリシロキサン組成物全体の0.1〜2.0重量%であることが好ましく、0.5〜1.8重量%であることがより好ましい。また、前記の(A)成分に含まれるアルケニル基の量に対する、ケイ素原子に直接結合している水素原子の量はモル比で1.0〜5.0の範囲であることが好ましい。同モル比が前記下限より小さいと硬化性が低下し、前記上限を超えると剥離抵抗が大きくなり、実用的な剥離性が得られなくなる。
また、水素原子以外で、(C)成分が含有するケイ素原子に結合する有機基としては、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,オクチル基のアルキル基が例示され、メチル基であることが好ましい。また、その分子構造としては、直鎖状,分岐鎖状,分岐状環状が例示される。直鎖状または分岐鎖状の場合、分子鎖末端基としてはトリメチルシロキシ基,ジメチルハイドロジェンシロキシ基が例示される。
(C)成分の25℃における粘度は1〜1,000mPa・sであり、好ましくは5〜500mPa・sである。これは、25℃における粘度が1mPa・s未満であると、(C)成分がオルガノポリシロキサン組成物中から揮発し易く、1,000mPa・sを超えると、オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間が長くなるためである。このような(C)成分として、具体的には、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体,両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体,両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン,環状メチルハイドロジェンポリシロキサン,環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体が例示される。
本発明の無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物は、前記の(A)成分、具体的には(A1)成分〜(A3)成分から選択されるいずれか1の成分またはこれらの混合物 100重量部に対して、(C)成分を0.5〜30重量部含むものであり、1〜20重量部含むことが好ましい。(C)成分の含有量が前記下限未満であるとオルガノポリシロキサン組成物の硬化が不十分となり、前記上限を超えると本発明組成物の剥離性硬化皮膜の剥離抵抗が大きくなり、さらに経時的に剥離抵抗が増大するためである。
(D)成分はヒドロシリル化反応触媒であり、前記の(A)成分、具体的には(A1)成分〜(A3)成分から選択されるいずれか1の成分またはこれらの混合物と(C)成分とを付加反応により架橋させる成分である。このような(D)成分は、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒であれば特に限定されるものではないが、具体的には、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸,塩化白金酸のオレフィン錯体,塩化白金酸とケトン類との錯体,白金とアルケニルシロキサンとの錯体、四塩化白金、白金微粉末、アルミナまたはシリカの担体に固体状白金を担持させたもの、白金黒、白金のオレフィン錯体、白金のカルボニル錯体、これらの白金系触媒を含むメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコーン樹脂等の熱可塑性有機樹脂粉末の白金系触媒;式:[Rh(O2CCH3)2]2、Rh(O2CCH3)3、Rh2(C8152)4、Rh(C572)3、Rh(C572)(CO)2、Rh(CO)[Ph3P](C572)、RhX3[(R)2S]3、(R 3P)2Rh(CO)X、(R 3P)2Rh(CO)H、Rh224、HaRhb(E)cCld、またはRh[O(CO)R]3-n(OH)nで表されるロジウム系触媒(式中、Xは水素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子であり、Yはアルキル基、CO、C814であり、Rはアルキル基、シクロアルキル基、またはアリール基であり、Rはアルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、またはアリールオキシ基であり、Eはオレフィンであり、aは0または1であり、bは1または2であり、cは1〜4の整数であり、dは2、3、または4であり、nは0または1である。);式:Ir(OOCCH3)3、Ir(C572)3、[Ir(Z)(E)2]2、または[Ir(Z)(Dien)]2で表されるイリジウム系触媒(式中、Zは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、またはアルコキシ基であり、Eはオレフィンであり、Dienはシクロオクタジエンである。)が例示される。塩化白金酸,白金のオレフィン錯体,白金とビニルシロキサンとの錯体を用いることが好ましく、塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体,塩化白金酸とテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンとの錯体,白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体,白金テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン錯体等の白金アルケニルシロキサン錯体が特に好ましい。(D)成分の添加量は触媒量であればよく、通常、本発明の無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物の全体質量に対し、(D)成分が含有する金属量で1〜1,000ppmであり、好ましくは5〜500ppmの範囲とすることが好ましい。
本発明の剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物は、上記成分以外に、常温下でのゲル化、硬化を抑制して保存安定性を向上させ、加熱硬化性とするために、(E)ヒドロシリル化反応抑制剤を含有することが好ましい。ヒドロシリル化反応抑制剤として、アセチレン系化合物、エンイン化合物、有機窒素化合物、有機燐化合物、オキシム化合物が例示され、具体的には、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンテン−3−オール、フェニルブチノール等のアルキニルアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−イン、ベンゾトリアゾール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、メチルビニルシクロシロキサンが例示される。この付加反応抑制剤の配合量は、通常、成分(A)100重量部当り0.001〜5重量部の範囲内であるが、本成分の種類、ヒドロシリル化反応触媒の性能と含有量、(A)成分、具体的には(A1)成分〜(A3)成分から選択されるいずれか1の成分またはこれらの混合物中のアルケニル基量、成分(C)中のケイ素原子結合水素原子量に応じて適宜選定するとよい。
本発明組成物は(A)成分、具体的には(A1)成分〜(A3)成分から選択されるいずれか1の成分またはこれらの混合物、(B)成分、(C)成分、(D)成分および任意で(E)成分からなるものであるが、硬化被膜の粘着性物質に対する剥離力を低下させるためにアルケニル基含有オルガノポリシロキサンレジンをさらに配合してもよい。また、塗工液の粘度を大きくするためにシリカ微粉末等の増粘剤をさらに配合してもよい。さらには、本発明の目的、効果を損なわないかぎり耐熱剤,染料,顔料等の公知の添加剤をさらに配合してもよい。また、本発明組成物はシート状基材へのコーテイング性の点で、25℃における組成物全体の粘度が50〜2,000mPa・sの範囲にあることが好ましい。
本発明組成物は、前記(A)成分〜(D)成分さらに(E)成分およびその他の任意成分を単に均一に混合することにより製造することができる。各成分の添加順序は特に制限されるものではないが、混合後、直ちに使用しないときは、(A)成分、(B)成分および(C)成分を混合したものと、(D)成分を別々に保存しておき、使用直前に両者を混合することが好ましい。また、(A)成分〜(D)成分さらに(E)成分からなる組成物において、成分(E)の配合量を調整することにより常温では架橋せず、加熱すると架橋して硬化するようにした組成物も好ましい。
以上のような本発明の剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物を、紙,ダンボール紙,クレーコート紙,ポリオレフィンラミネート紙,特にはポリエチレンラミネート紙,合成樹脂フィルム,布,合成繊維,金属箔等の各種シート状基材表面に均一に塗工し、成分(A)と成分(C)がヒドロシリル化反応して架橋するのに十分な条件下で加熱すると、これらのシート状基材表面に、すべり性に優れ、粘着性物質に対して適度な剥離抵抗を有する硬化皮膜を形成する。しかも、当該硬化皮膜はシート状基材への密着性に優れるという特徴を有する。
シート状基材上での本発明の剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物の硬化温度は、一般に50〜200℃が適切であるが、シート状基材の耐熱性が良好であれば200℃以上でもよい。加熱方法は特に限定されるものではなく、熱風循環式オーブン中での加熱、長尺の加熱炉への通過、赤外線ランプやハロゲンランプによる熱線輻射が例示される。また、加熱と紫外線照射を併用して硬化させてもよい。(D)成分が白金アルケニルシロキサン錯体触媒であると、その配合量が組成物の合計量部当り白金金属量で80〜200ppmであっても、100〜150℃で1〜40秒間という短時間で、シート状基材への密着性に優れ、粘着性物質に対する剥離性の優れた硬化皮膜を容易に得ることができる。
本発明の剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物を適用するシート状基材は、ポリオレフィンラミネート紙が好ましく、ポリエチレンラミネート紙がより好ましい。ポリエチレンラミネート紙は、ポリエチレン面をコロナ放電で処理していてもよい。
本発明の剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物をシート状基材表面に塗工するためのコーターは、特に限定されず、ロールコーター,グラビヤコーター,エアーコーター,カーテンフローコーター,オフセット転写ロールコーターが例示される。シート状基材表面に本発明の剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物を塗工し硬化させてなる剥離性シートに適用する粘着性物質は、各種粘着剤、各種接着剤等であり、アクリル樹脂系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤;アクリル樹脂系接着剤、合成ゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、ポリウレタン系接着剤が例示される。また、アスファルト、餅のような粘着性食品、糊、鳥もちが例示される。
以下、実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、下記の例において、部はいずれも重量部であり、粘度および可塑度は25℃において測定した値である。また、無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物の硬化皮膜のすべり性、粘着性物質に対する剥離性は以下に示す方法により動摩擦係数,剥離抵抗値をそれぞれ測定することにより評価した。
○剥離抵抗値
無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物を、印刷適正試験機[(株)明製作所製;RI−2]を用いてポリエチレンラミネート紙の表面にシロキサン換算で0.8g/m2となる量塗工した後、熱風循環式オーブン中で130℃で30秒間加熱処理することにより、硬化皮膜を形成させた。この硬化皮膜面にアクリル系溶剤型粘着剤[東洋インキ製造株式会社製、商品名オリバインBPS−5127]をウエット厚が70μmとなるようにアプリケーターを用いて均一に塗布し、温度70℃で2分間加熱乾燥した。次いで、これに貼合わせ紙を貼合わせ、20g/cm2の荷重をかけて、温度25℃、湿度60%の条件下で24時間放置した。この後、引っ張り試験機を用いて、角度180度、剥離速度0.3m/minまたは剥離速度100m/minの条件で貼合わせ紙を反対方向に引張り、剥離に要した力(gf)を測定した。試料幅は剥離速度0.3m/minの場合では5cm、剥離速度100m/minの場合では2.5cmとした。
○動摩擦係数
上記の剥離抵抗値の測定と同じ条件で、2枚の硬化皮膜を形成させた。これらの硬化皮膜を、硬化皮膜面同士が接触するように重ね合わせ、荷重200g、引張速度5m/minの条件で高速剥離試験機で引っ張り、引っ張りに要した力(gf)を測定した。さらに、引っ張りに要した力(gf)/200(gf)を、硬化皮膜の動摩擦係数として算出した。
[参考例1]
温度計および攪拌機を備えた300mlの四つ口のセパラブルフラスコに、(b)下記平均構造式(8)で表されたオルガノポリシロキサン 100g、
平均構造式(8):
Figure 2006206884
(a)下記平均構造式(9)で表されたオルガノハイドロジェンポリシロキサン 85g
平均構造式(9):
Figure 2006206884
を投入し、塩化白金酸・1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(白金金属含有率0.6重量%)を白金金属量が100ppmとなる量添加して、50℃で3時間攪拌することにより、下記平均構造式(10)で表される、粘度90mPa・sであり、分子鎖末端にヘキセニル基を有し、炭素−炭素二重結合含有量1.44%の反応性ケイ素系化合物Aを得た。
平均構造式(10):
Figure 2006206884
[参考例2]
温度計および攪拌機を備えた300mlの四つ口のセパラブルフラスコに、(b)下記平均構造式(8)で表されたオルガノポリシロキサン 100g、
平均構造式(8):
Figure 2006206884
(a)下記平均構造式(9)で表されたオルガノハイドロジェンポリシロキサン 95g
平均構造式(9):
Figure 2006206884
を投入し、塩化白金酸・1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(白金金属含有率0.6重量%)を白金金属量が100ppmとなる量添加して、50℃で3時間攪拌することにより、下記平均構造式(13)で表される、粘度75mPa・sであり、分子鎖末端にヘキセニル基を有し、炭素−炭素二重結合含有量1.1%の反応性ケイ素系化合物Bを得た。
平均構造式(13):
Figure 2006206884
[参考例3]
温度計および攪拌機を備えた300mlの四つ口のセパラブルフラスコに、(c)1,5−ヘキサジエン7.4g、
(a)下記平均構造式(9)で表されたオルガノハイドロジェンポリシロキサン 100g、
平均構造式(9):
Figure 2006206884
トルエン 100gを投入し、塩化白金酸・1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(白金金属含有率0.6重量%)を白金金属量が100ppmとなる量添加して50℃で3時間攪拌した後、トルエンを留去することにより、下記平均構造式(15)で表される、粘度が70mPa・sであり、、分子鎖末端にヘキセニル基を有し、炭素−炭素二重結合含有量1.1%の反応性ケイ素系化合物Cを得た。
平均構造式(15):
Figure 2006206884
[参考例4]
温度計および攪拌機を備えた300mlの四つ口のセパラブルフラスコに、(b)下記平均構造式(8)で表されたオルガノポリシロキサン 49g、
平均構造式(8):
Figure 2006206884
(c)1,5−ヘキサジエン 3.7g、
(a)下記平均構造式(9)で表されたオルガノハイドロジェンポリシロキサン 100g
平均構造式(9):
Figure 2006206884
を投入し、(d) 塩化白金酸・1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(白金金属含有率0.6重量%)を白金金属量が100ppmとなる量添加して50℃で3時間攪拌することにより、粘度120mPa・sであり、分子鎖末端にヘキセニル基を有し、炭素−炭素二重結合含有量1.21%の反応性ケイ素系化合物の混合物Dを得た。
[実施例1]
(A1)反応性ケイ素系化合物A(粘度 90mPa・s)を100.0部、(B)可塑度が1.4mmの分子鎖末端がビニル基で封鎖されたジメチルシロキサン生ゴム 3.0部、(C)粘度25mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子含有量1.6重量%)4.0部、1−エチル−1−シクロヘキサノール0.3部を均一に混合した。この混合物に、(D)塩化白金酸・1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(白金金属含有率0.6重量%)を白金金属量が100ppmとなる量添加配合して、粘度95mPa・sの無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物を得た。得られた組成物の動摩擦係数、剥離抵抗値を測定し、それらの結果を表1に示した。
[実施例2]
(A1)反応性ケイ素系化合物B(粘度 75mPa・s)を100.0部、(B)可塑度が1.4mmの分子鎖末端がビニル基で封鎖されたジメチルシロキサン生ゴム 3.0部、(C)粘度25mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子含有量1.6重量%)3.0部、1−エチル−1−シクロヘキサノール0.3部を均一に混合した。この混合物に、(D)塩化白金酸・1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(白金金属含有率0.6重量%)を白金金属量が100ppmとなる量添加配合して、粘度80mPa・sの無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物を得た。得られた組成物の動摩擦係数、剥離抵抗値を測定し、それらの結果を表1に示した。
[実施例3]
(A2)反応性ケイ素系化合物C(粘度 70mPa・s)を100.0部、(B)可塑度が1.4mmの分子鎖末端がビニル基で封鎖されたジメチルシロキサン生ゴム 3.0部、(C)粘度25mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子含有量1.6重量%)3.0部、1−エチル−1−シクロヘキサノール0.3部を均一に混合した。この混合物に、(D)塩化白金酸・1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(白金金属含有率0.6重量%)を白金金属量が100ppmとなる量添加配合して、粘度80mPa・sの無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物を得た。得られた組成物の動摩擦係数、剥離抵抗値を測定し、それらの結果を表1に示した。
[実施例4]
(A1)反応性ケイ素系化合物A(粘度 90mPa・s)を100.0部、粘度が1,000,000mPa・sで分子鎖末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン6.0部、粘度25mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子含有量1.6重量%)4.0部、1−エチル−1−シクロヘキサノール0.3部を均一に混合した。この混合物に、塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンの錯体(白金金属含有率0.6重量%)を白金金属量が100ppmとなる量添加配合して、25℃における粘度110mPa・sの無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物を得た。得られた組成物の動摩擦係数、剥離抵抗値を測定し、それらの結果を表1に示した。
[実施例5]
(A3)反応性ケイ素系化合物D(粘度 120mPa・s)を100.0部、可塑度が1.4mmの分子鎖末端がビニル基で封鎖されたジメチルシロキサン生ゴム 3.0部、粘度25mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子含有量1.6重量%)3.0部、1−エチル−1−シクロヘキサノール0.3部を均一に混合した。この混合物に、塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンの錯体(白金金属含有率0.6重量%)を白金金属量が100ppmとなる量添加配合して、25℃における粘度140mPa・sの無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物を得た。得られた組成物の動摩擦係数、剥離抵抗値を測定し、それらの結果を表1に示した。
[比較例1]
実施例1において、反応性ケイ素系化合物Aの代わりに粘度60mPa・sであり、分子鎖両末端にビニル基を有するポリマー(ビニル含有量1.6%)を用いる以外は実施例1と同様にして、無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物を得た。得られた組成物の動摩擦係数、剥離抵抗値を測定し、それらの結果を表1に示した。
[比較例2]
実施例2において、反応性ケイ素系化合物Aの代わりに粘度100mPa・sであり、分子鎖両末端にビニル基を有するポリマー(ビニル含有量1.1%)を用いる以外は実施例2と同様にして、無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物を得た。得られた組成物の動摩擦係数、剥離抵抗値を測定し、それらの結果を表1に示した。
[比較例3]
実施例2において、分子鎖末端がビニル基で封鎖されたジメチルシロキサン生ゴム3部を配合しなかった以外は実施例2と同様にして、無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物を得た。得られた組成物の動摩擦係数、剥離抵抗値を測定し、それらの結果を表1に示した。
[比較例4]
実施例2において、分子鎖末端がビニル基で封鎖されたジメチルシロキサン生ゴム3.0部の代わりに粘度1,000mPa・sのジメチルポリシロキサンを配合する以外は、実施例2と同様にして、無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物を得た。得られた組成物の動摩擦係数、剥離抵抗値を測定し、それらの結果を表1に示した。
Figure 2006206884
* 剥離抵抗測定の試料幅 0.3m/minは5cm、100m/minは2.5cm
本発明組成物は、表面のすべり性と粘着性物質に対する剥離性に優れた硬化皮膜を形成させるのに有用であり、特に工程紙、アスファルト包装紙、各種プラスティックフィルムの剥離性硬化皮膜形成剤として好適である。また、本発明組成物を硬化させてなる剥離性皮膜を有するシート状基材は、特に工程紙、粘着物質包装紙、粘着テープ、粘着ラベル等に好適に使用することができる。

Claims (10)

  1. (A)25℃における粘度が5〜200mPa・sであり、分子鎖両末端にアルケニル基を有し、構造中に−(R SiO)m+1−(式中、Rは脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数1〜10の一価の炭化水素基であり、mは1から40までの整数)で表されるシロキサン単位と炭素原子数2〜10のアルキレン基を共に1以上含む反応性ケイ素系化合物 100重量部、
    (B)25℃における粘度が100,000mPa・s以上であり、ケイ素原子に結合した全ての有機基のうち90モル%以上が非反応性のアルキル基またはアリール基であるオルガノポリシロキサン 0.5〜15重量部、
    (C)25℃における粘度が1〜1,000mPa・sであり、かつ、1分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有し、脂肪族不飽和結合を有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.5〜30重量部、
    (D)ヒドロシリル化反応触媒 触媒量
    からなる無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物。
  2. (A1)25℃における粘度が5〜200mPa・sであり、一般式(1)で表される分子鎖両末端にアルケニル基を有する反応性ケイ素系化合物 100重量部、
    Figure 2006206884
    (式中、Rは脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数1〜10の一価の炭化水素基、Rは炭素原子数2〜10のアルケニル基、Rは炭素原子数2〜10のアルキレン基、nは1から40までの整数、mは1から40までの整数、pは前記粘度範囲を満たす1以上の数である)
    (B)25℃における粘度が100,000mPa・s以上であり、ケイ素原子に結合した全ての有機基のうち90モル%以上が非反応性のアルキル基またはアリール基であるオルガノポリシロキサン 0.5〜15重量部、
    (C)25℃における粘度が1〜1,000mPa・sであり、かつ、1分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有し、脂肪族不飽和結合を有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.5〜30重量部、
    (D)ヒドロシリル化反応触媒 触媒量
    からなる無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物。
  3. (A2)25℃における粘度が5〜200mPa・sであり、一般式(2)で表される分子鎖両末端にアルケニル基を有する反応性ケイ素系化合物 100重量部、
    Figure 2006206884
    (式中、Rは前記と同じ、Rは炭素原子数が3〜10のアルキレン基、Rは脂肪族炭素―炭素二重結合を1個有する炭素原子数が3〜10の一価のアルケニル基、mは前記と同じ、qは前記粘度範囲を満たす1以上の数である)
    (B)25℃における粘度が100,000mPa・s以上であり、ケイ素原子に結合した全ての有機基のうち90モル%以上が非反応性のアルキル基またはアリール基であるオルガノポリシロキサン 0.5〜15重量部、
    (C)25℃における粘度が1〜1,000mPa・sであり、かつ、1分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有し、脂肪族不飽和結合を有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.5〜30重量部、
    (D)ヒドロシリル化反応触媒 触媒量
    からなる無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物。
  4. (A3)(a)一般式(3)
    Figure 2006206884
    (式中、Rは脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数1〜10の一価の炭化水素基、mは1から40までの整数)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
    (b)一般式(4)
    Figure 2006206884
    (式中、Rは前記と同じであり、Rは炭素原子数2〜10のアルケニル基、nは1から40までの整数)で表されるオルガノポリシロキサンおよび
    (c)炭素原子数が3〜10の脂肪族炭素―炭素二重結合を2個有する不飽和炭化水素
    からなり、(a)成分に含まれるケイ素原子結合水素原子のモル数と(b)成分および(c)成分に含まれる脂肪族炭素―炭素二重結合のモル数の和の比が0.5〜0.9である混合物を(d)ヒドロシリル化反応触媒の存在下で付加反応により鎖長延長させて得た分子鎖両末端にアルケニル基を有し、構造中に−(R SiO)m+1−(式中、Rは脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数1〜10の一価の炭化水素基であり、mは1から40までの整数)で表されるシロキサン単位と炭素原子数2〜10のアルキレン基を共に1以上含む反応性ケイ素系化合物の混合物であって、25℃における粘度が5〜200mPa・sであるもの 100重量部、
    (B)25℃における粘度が100,000mPa・s以上であり、ケイ素原子に結合した全ての有機基のうち90モル%以上が非反応性のアルキル基またはアリール基であるオルガノポリシロキサン 0.5〜15重量部、
    (C)25℃における粘度が1〜1,000mPa・sであり、かつ、1分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有し、脂肪族不飽和結合を有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.5〜30重量部、
    (D)ヒドロシリル化反応触媒 触媒量
    からなる無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物。
  5. (A)成分が前記の(A1)成分および(A2)成分の混合物である請求項1に記載の無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物。
  6. (A)成分が前記の(A1)成分、(A2)成分および(A3)成分の混合物である請求項1に記載の無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物。
  7. (B)成分が、25℃における粘度が100,000mPa・s以上である分子鎖末端がトリメチルシロキシ基,シラノール基またはビニル基からなる群から選択される同一または異種の基で封鎖された直鎖状もしくは分岐状のジメチルポリシロキサンであることを特徴とする、請求項1〜請求項4に記載の無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物。
  8. 25℃における組成物全体の粘度が50〜2,000mPa・sであることを特徴とする、請求項1〜請求項7に記載の無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物。
  9. (A1)成分が、(a)一般式(3)
    Figure 2006206884
    (式中、Rは脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数1〜10の一価の炭化水素基、mは1から40までの整数)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと
    (b)一般式(4)
    Figure 2006206884
    (式中、Rは前記と同じであり、Rは炭素原子数2〜10のアルケニル基、nは1から40までの整数)で表されるオルガノポリシロキサン
    からなり、(a)成分に含まれるケイ素原子結合水素原子のモル数と(b)成分に含まれる脂肪族炭素―炭素二重結合のモル数の比が0.5〜0.9である混合物を(d)ヒドロシリル化反応触媒の存在下で付加反応により鎖長延長させて得た分子鎖両末端にアルケニル基を有する反応性ケイ素系化合物である請求項2に記載の無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物。
  10. (A2)成分が、(a)一般式(3)
    Figure 2006206884
    (式中、Rは脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数1〜10の一価の炭化水素基、mは1から40までの整数)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと
    (c)炭素原子数が3〜10であり、脂肪族炭素―炭素二重結合を2個有する不飽和炭化水素
    からなり、(a)成分に含まれるケイ素原子結合水素原子のモル数と(c)成分に含まれる脂肪族炭素―炭素二重結合のモル数の比が0.5〜0.9である混合物を(d)ヒドロシリル化反応触媒の存在下で付加反応により鎖長延長させて得た分子鎖両末端にアルケニル基を有する反応性ケイ素系化合物である請求項3に記載の無溶剤型剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物。
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