JP2006206379A - グリーンシートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
セラミック粉末とガラス粉末が凝集なく分散され、焼成後の焼結状態のバラツキが少なくないグリーンシートを得る。
【解決手段】
ガラス粉末を第1溶剤に加えた状態で粉砕して第1スラリーを作成する工程Aと、前記第1スラリーに前記ガラス粉末よりも粉砕され易いセラミック粉末を加え、その状態で該セラミック粉末を粉砕して第2スラリーを作成する工程Bとを含むグリーンシートの製造方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層セラミック電子部品を製造するのに用いるグリーンシートの製造方法に関するものである。
グリーンシートとは、セラミック粉末及びガラス粉末が有機バインダの中に分散され、薄い層状に成形されたものである。
グリーンシートを製造するには、まず、セラミック粉末、ガラス粉末、溶剤及び有機バインダを混合・粉砕してスラリーを作成する。次に、前記スラリーを層状に成形し、乾燥させることによりグリーンシートが得られる(例えば、特許文献1参照)。
このようなグリーンシートを用いて、積層セラミック電子部品が製造される。具体的には、まず、セラミック層となるグリーンシートの所定の領域に、導体ペーストを印刷し、内部電極層となる内部電極層パターンを形成する。次に、内部電極層パターンが形成されたグリーンシートを所定の枚数積層した後、切断して未焼成状態の積層体とする。続いて、前記未焼成状態の積層体を所定の雰囲気で、加熱して焼成し、積層体を作成する。さらに、前記積層体の端部に導体ペーストを塗布し、所定の雰囲気で、加熱して焼成し、端面電極を焼き付ける。
特開平5−325641号公報(11頁)
しかしながら、上述のグリーンシートの製造方法においては、スラリーを作成する混合・粉砕の際に、積層セラミックコンデンサの材料としてよく使われるペロブスカイト型のセラミック粉末と比較して上述のガラス粉末が粉砕されにくく、ガラス粉末の粒径が小さくなりにくいという不都合があった。上述のガラス粉末の粉砕が充分でなく、大きなガラス粉末が残っていると、グリーンシート内でガラスの分散が不充分となり、焼成後の焼結状態のバラツキが大きくなってしまう。積層セラミックコンデンサの誘電体層の厚みは薄い為、焼結状態のバラツキが大きいと誘電体層の初期の層間絶縁性が不充分となったり、誘電体層が吸湿した場合等に層間絶縁性が劣化したりする問題があった。
この層間絶縁性劣化の問題に対して、焼結状態のバラツキを少なくするために、上述のセラミック粉末に対する上述のガラス粉末の配合比率を高くすることが考えられる。しかし、ガラス粉末の配合比率を高くすると、ガラスが焼成後も誘電体層のセラミックスの粒界に多く残ったり、セラミックスの結晶の中に入ってペロブスカイト型結晶構造を崩したりする為、焼成後の誘電体層の誘電率が低くなり、コンデンサの容量が小さくなるという問題があった。
また、この層間絶縁性劣化の問題に対して、あらかじめ粉砕して微粉化したガラス粉末を準備し、セラミック粉末、溶剤及び有機バインダと混合・粉砕することによりスラリーを作成することも考えられる。しかし、その場合、微粉化したガラス粉末は、被表面積が大きいため、混合前にガラス粉末が凝集してしまうという不都合があった。このガラス粉末の凝集は強固なため、スラリーを作成する混合・粉砕を行った後にもガラス粉末の凝集体が残ってガラス粉末の分散が不充分となり、焼成後の焼結状態のバラツキが大きくなってしまう。前述のように、焼結状態のバラツキが大きいと、誘電体層の初期の層間絶縁性が不充分となったり、誘電体層が吸湿等した場合等に層間絶縁性が劣化したりして問題となる。
本発明は、上述の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、少量のガラス粉末が充分に分散され、且つ焼成後の誘電体層の誘電率が高いグリーンシートの製造方法を提供することにある。
本発明のグリーンシートの製造方法は、ガラス粉末を第1溶剤に加えた状態で粉砕して第1スラリーを作成する工程Aと、前記第1スラリーに前記ガラス粉末よりも粉砕され易いセラミック粉末を加え、その状態で該セラミック粉末を粉砕して第2スラリーを作成する工程Bとを含んで構成されるものである。
また、前記セラミックス粉末は、ペロブスカイト構造を有することを特徴とする。
さらに、前記工程Aにおいて、前記ガラス粉末は平均粒径が0.9μm以下になるまで粉砕されることを特徴とする。特に、前記工程Bにおいて、前記第1スラリーに加えられる前記セラミック粉末の平均粒径が0.8μm以上であることを特徴とする。
また更に、前記工程Aにおいて、前記ガラス粉末を粉砕してから第1有機バインダを混合して前記第1スラリーとすることを特徴とする。
更にまた、前記工程Bにおいて、前記セラミック粉末を粉砕してから第2有機バインダを混合して前記第2スラリーとすることを特徴とする。
本発明のグリーンシートの製造方法によれば、ガラス粉末を第1溶剤に加えた状態で粉砕して第1スラリーを作成する工程Aと、前記第1スラリーに前記ガラス粉末よりも粉砕され易いセラミック粉末を加え、その状態で該セラミック粉末を粉砕して第2スラリーを作成する工程Bとを含んで構成されることから、ガラス粉末を粉砕して微粉化しても、第1溶剤の存在によってガラス粉末どうしが凝集することを抑制でき、その後セラミック粉末をガラス粉末よりも優先的に粉砕することによって、微粉化され且つ凝集の抑制されたガラス粉末及びセラミック粉末を有するスラリーを得ることが可能となる。ここで、「粉砕され易い」とは、同一の溶剤などの中でガラス粉末及びセラミック粉末を同時に粉砕した場合に、粉砕される粉末の平均粒径の変化量が大きいことを意味する。(例えば、粉末Aが粒径2.0μmから1.7μmに、粉末Bが粒径1.0μmから0.8μmに粉砕された場合、粉末Aが粉砕され易い粉末となる。)
このようなスラリーをシート状に成形・乾燥して得られたグリーンシートを用いることで、焼結バラツキの小さな誘電体層を形成することが可能となる。
特に、セラミック粉末として、比較的粉砕され易いペロブスカイト構造を有するものを用いることで、セラミック粉末の粉砕をより優先して行うことが可能となる。
また、工程Aにおいて、ガラス粉末を平均粒径が0.9μm以下になるまで粉砕することが好ましく、これにより比較的少量のガラス粉末によって焼結バラツキの小さな誘電体層を形成することができる。またこの場合、工程Bにおいて、第1スラリーに加えられるセラミック粉末の平均粒径を0.8μm以上とすることで、微粉化されたガラス粉末との関係でセラミック粉末の粉砕を優先して行うことができる。
以下、本発明一実施形態によるグリーンシートの製造方法を説明する。
本発明で製造するグリーンシートとは、セラミック粉末及びガラス粉末が有機バインダの中に分散され、薄い層状に成形されたものである。前記グリーンシートの乾燥後の厚みは0.5〜200μm程度である。セラミックス粉末は、BaTiO3、CaTiO3、BaZrO3、CaZrO3等のペロブスカイト構造の結晶構造を持つセラミックスを90重量%以上含むものである。ガラス粉末は、前記セラミック粉末の焼結助剤として働くものであり、その組成はSiO2が10〜50重量%、BaOが10〜40重量%、CaOが1〜20重量%である。有機バインダは、前記セラミックス粉末と前記ガラス粉末を結びつけて一体化させて加工しやすくするものであり、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等の高分子化合物である。
なお、上述のセラミックス粉末としては、ペロブスカイト構造と類似の構造、例えばLiNbO3、LiTaO3等のイルメナイト構造を持つセラミックスを用いても良く、圧電性セラミックとして好適に用いられる。
前記グリーンシートは、積層セラミック電子部品の製造に使用される。例えば、積層セラミックコンデンサを製造するには、まず、前記グリーンシートの所定の領域に、導体ペーストを印刷し、内部電極層となる内部電極層パターンを形成する。内部電極の導電材料としてはPd、Ni、Cu又はこれらと他の金属の合金が使用される。次に、内部電極層パターンが形成されたグリーンシートを所定の枚数積層した後、切断して未焼成状態の積層体とする。続いて、前記未焼成状態の積層体を所定の雰囲気で、加熱して焼成し、積層体を作成する。これにより、グリーンシート中のセラミック粉末は焼結して、誘電体層となる。続いて、前記積層体の端部に導体ペーストを塗布し、所定の雰囲気で、加熱して焼成し、端面電極を焼き付ける。端面電極の導電材料としてはAg、Ni、Cu又はこれらと他の金属の合金が使用される。必要に応じて、前記端面電極にNi、Cu等のメッキ、更にSn、半田等のメッキが行われ、積層セラミックコンデンサが得られる。
続いて、本発明によるグリーンシートの製造方法を図に基づいて説明する。
図1は本発明によるグリーンシートの製造方法の工程線図である。混合・粉砕Aにより第1のスラリーが作成され、続いて、混合・粉砕Bにより第2のスラリーが作成され、第2のスラリーをシート成形することによりグリーシートが製造される。
(第1のスラリー作成)
まず、ガラス粉末と第1の溶剤とジルコニア、アルミナ等のメディアをミルに入れて分散させ、混合・粉砕Aを行い、第1のスラリーを作成する。なお、このとき必要に応じて分散剤等の他の添加物を入れてもかまわない。
ガラス粉末はセラミック粉末の焼結温度を低くする焼結助剤であり、組成としては、SiO2が10〜50重量%、BaOが10〜40重量%、CaOが1〜20重量%のものが例示できる。ガラスの平均粒径は2.0〜4.0μmが好ましい。ガラス粉末は焼結助剤として効果を高めるため、微粉化され、セラミック粉末中に均一に分散されている必要がある。2.0μmより粒径が小さいとガラス粉末の被表面積が大きくなり凝集してしまい、混合・粉砕Aを行ってもガラス粉末の分散が不充分となる。4.0μmより粒径が大きいと、粉砕して微粉化する時間が長くなり、ミルやメディア等からの不純物の混入が多くなってしまう。
第1の溶剤としては水、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、メチルエチルケトン、トルエン等が例示できる。
混合・粉砕A終了時のガラス粉末の平均粒径は、混合・粉砕Bでもガラス粉末が粉砕されることも考慮して決められるが、具体的には、平均粒径0.3〜0.9μm、更に好ましくは0.5〜0.7μmである。粒径が大きいと、前記セラミック粉末の焼結助剤として働きが充分ではなくなる。粒径が小さいと、粉砕して微粉化する時間が長くなり、ミルやメディア等から不純物の混入が多くなってしまったり、被表面積が非常に大きくなるため第1のスラリーの保存中にガラス粉末が凝集したりする。
本実施形態では、ガラス粉末として組成がSiOが40〜50重量%、BaOが30〜40重量%、CaOが10〜20重量%から成る平均粒径2.9μmであるガラス粉末と、第1の溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルと、メディアとしてジルコニアボールをポットミルに入れ、混合・粉砕Aを行った。これにより、平均粒径0.6μmまで粉砕されたガラス粉末が分散された第1のスラリーが得られた。
(第2のスラリー作成)
次に、前記第1のスラリーに、上記工程で粉砕されたガラス粉末よりも粉砕され易いペロブスカイト構造の結晶を持つセラミックスを90重量%以上含むセラミック粉末、第2の溶剤、有機バインダ及びジルコニア、アルミナ等のメディアをミルに入れて、混合・粉砕Bを行い、第2のスラリーを作成する。なお、このとき必要に応じて分散剤、可塑剤等の他の添加物を入れてもかまわない。
ここで、粉砕のされ易さは、同一の溶剤などの中でガラス粉末及びセラミック粉末を同時に粉砕した場合に、粉砕される粉末の平均粒径の変化量が大きいことを意味し、同一条件下で別々に測定した値をもって比較すれば足りる。
セラミック粉末はペロブスカイト構造の結晶を持つセラミックスを90重量%以上含むセラミック粉末とその他の添加物から成る。ペロブスカイト型結晶構造を持つセラミックスとしてはBaTiO3、CaTiO3、BaZrO3、CaZrO3等の焼成後に高い誘電率を示すものが例示でき、さらに、これらを所定比率で混ぜたものでもかまわない。特に、BaTiO3が90重量%以上とすると特に誘電体層の誘電率を高く出来るため好ましい。
セラミック粉末のその他の添加物としてはY2O3、MgO、MnO等が例示できる。これらの添加物は誘電体の絶縁抵抗を高めることが出来るが、添加量が増えると誘電体層の誘電率が低くなる。
これらのペロブスカイト型結晶構造を持つセラミックスとその他の添加物は、あらかじめ仮焼合成・粉砕して仮焼粉末としておいたものを使用してもよいし、第2のスラリー作成時に別々の粉末として加えてもよい。前者の仮焼粉末を作成する方法は、仮焼粉末中に前記その他の添加物が固溶する状態を制御することにより、誘電体層の特性等を制御出来るため好ましい。具体的には、複数の添加物を2回以上に分けて仮焼合成したり、仮焼合成の雰囲気や温度を制御したりすることにより、仮焼粉末の状態を制御できる。後者の別々に加える方法は、仮焼合成・粉砕等の工程がない為、不純物の混入が少なく好ましい。セラミックス粉末の平均粒径は0.8μm以上が好ましい。平均粒径0.8μm以上ではセラミックス粉末の被表面積が大きくなり凝集してしまい、混合・粉砕Bを行ってもセラミック粉末の分散が不充分となる。さらに凝集を防止するためには、セラミック粉末の平均粒径は1.0μm以上であることが好ましい。また、平均粒径4.0μmより粒径が大きいと、粉砕して微粉化する時間が長くなり、ミルやメディア等からの不純物の混入が多くなってしまう。さらに不純物の混入を少なくするためには、セラミック粉末の平均粒径は2.0μm以下であることが好ましい。
混合する前記セラミック粉末と前記第1のスラリー中の前記ガラス粉末の重量比は90:10から100:0(0を含まず)とされる。ガラスの重量比が0であると焼結助剤がないためセラミックス粉末の焼結温度が高くなりすぎてしまう。ガラス粉末の重量比10より多くなると、ガラスが焼成後も誘電体層のセラミックスの粒界に多く残ったり、セラミックスの結晶の中に入ってペロブスカイト型結晶構造を崩したりして、誘電体層の誘電率が低くなってしまう。誘電体層の誘電率を高くするため、前記セラミック粉末と前記ガラス粉末の重量比は95:5から100:0(0を含まず)とする方がより好ましい。
第2の溶剤としては水、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、メチルエチルケトン、トルエン等が例示できる。このとき、前記第1の溶剤と前記第2の溶剤を同一の溶剤とすれば、前記第1のスラリーに前記第2の溶剤を加えた場合に前記ガラス粉末の溶剤中での分散状態が変わらず、前記ガラス粉末が凝集することがなくなる。
有機バインダとしては、前記第1の溶剤と前記第2の溶剤の混合溶剤に可溶なものが使用される。具体的には、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等が例示できる。ポリビニルアセタールは有機バインダの靱性が高いため、グリーンシートの強度が強くなり、グリーンシートの加工精度が高くなるため好ましい。ポリアクリレート、ポリメタクリレートは有機バインダの熱分解が低い温度でおこり、誘電体層の層間剥離がおこりにくいため好ましい。
混合・粉砕Bでは、焼成後の焼結状態のバラツキが少なくなるように、主にセラミック粉末が粉砕される。これは、前記セラミックセラミック粉末が仮焼により作成されたものであるため、複数の粉末が結合してできた粉末中に結合の弱い部分があったり、複数の粉末が結合した略球形でない形状の粉末があったりすること、及び、前記ガラス粉末と比較して前記セラミック粉末ペロブスカイト型の結晶構造を持つため粉砕されやすいこと、及び、粉砕方式や使用するメディアの材質・寸法等がセラミック粉末を粉砕するのに適するように選ばれることによる。
本実施形態においては、前記第1のスラリーに、セラミック粉末として組成がBaTiOが96〜99重量%、Yが1〜3重量%、MgOが0.1〜2.0重量%、MnOが0.01〜0.5重量%となるように仮焼合成して粉砕した平均粒径1.0〜2.0μmのセラミック粉末、第2の溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル、有機バインダとしてポリビニルブチラール、メディアとしてジルコニアボールをボールミルに入れ、混合・粉砕Bを行った。このとき、前記セラミック粉末と前記第1のスラリー中の前記ガラス粉末の重量比は96〜99:4〜1とした。これにより、微粉化されて平均粒径0.5〜0.6μmとなった前記ガラス粉末と微粉化されて平均粒径0.5〜0.9μmとなった前記セラミック粉末が分散された第2のスラリーを得られた。
(シート成形)
本実施形態においては、PETフィルム等の表面に、ロールコート法、ダイコート法、引き上げ法、ドクターブレード法等の方法で第2のスラリーを層状に形成し、乾燥することにより、厚さ0.5〜200μmのグリーンシートが得られる。なる。シート成形に先立ち、第2のスラリーを脱泡することは、気泡によるグリーンシートの不良がなくなるため好ましい。
混合・粉砕Aにおいて、前記ガラス粉末は前記第1の溶剤中で粉砕されるために、前記第1の溶剤により前記ガラス粉末同士が接合することが妨げられ、粉砕された前記ガラス粉末は凝集することはく分散される。続いて、前記第1のスラリー中の前記第1の溶剤を乾燥させずに、前記セラミック粉末、前記第2の溶剤及び前記有機バインダを加え、混合・粉砕Bを行うことにより、ペロブスカイト型の結晶構造を持つため粉砕されやすいセラミック粉末が主に粉砕される。これにより、所定の粒径となった前記ガラス粉末と所定の粒径となった前記セラミック粉末が充分分散され、ガラス粉末の凝集のない前記第2のスラリーを得ることが出来る。さらに、前記第2のスラリーを層状に成形し、乾燥させることにより、前記ガラス粉末と前記セラミック粉末が充分分散され、ガラス粉末の凝集のないグリーンシートが得られ、焼成後の焼結状態のバラツキが少なくなり、層間絶縁性が良好となる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更、改良等が可能である。
例えば、第1のスラリーの作成方法として、ガラス粉末と第1の溶剤の他に有機バインダを混合・粉砕してもよい。有機バインダをいっしょに分散されることにより、前記ガラス粉末が前記第1のスラリー中に保持され、第1のスラリーを保管する際にガラス粉末が沈降して凝集することをより有効に防ぐことが出来る。有機バインダが含まれた第1のスラリーを作成する他の方法として、ガラス粉末と第1の溶剤を混合・粉砕した後、有機バインダを混合してもよい。この方法によれば、混合・粉砕の際に有機バインダがあることによるガラス粉末の粉砕効率の低下がない。
また、第2のスラリーの作成方法として、セラミック粉末と第2の溶剤を混合・粉砕して第3のスラリーを作成し、この第3のスラリーと第1のスラリーを混合し、さらに粉砕してもよい。
更に、第2のスラリーの作成方法として、前述の第1のスラリーの作成方法と同様に、混合・粉砕と有機バインダの混合を別工程としてもよい。
以上の製造方法はそれぞれ適宜組み合わせてもよく、例えば図2の工程線図に表される製造方法を行ってよい。
なお、上述の実施の形態では単独のグリーンシートを作成し、これを使用して積層セラミックコンデンサを製造する方法を示したが、支持体上の前記第2のスラリーを塗布・乾燥しグリーンシートを形成する工程と導体ペーストを印刷し内部電極層となる内部電極層パターンを形成する工程を交互に繰り返して積層セラミックコンデンサを製造してもよい。また、その他の積層電子部品、すなわち配線基板、圧電部品、フィルタ、インダクタや抵抗体にも適用することができる。
本発明によるグリーンシートの製造方法の工程線図である。 本発明によるグリーンシートの製造方法の別の工程線図である。 従来のグリーンシートの製造方法の工程線図である。

Claims (4)

  1. ガラス粉末を第1溶剤に加えた状態で粉砕して第1スラリーを作成する工程Aと、
    前記第1スラリーに前記ガラス粉末よりも粉砕され易いセラミック粉末を加え、その状態で該セラミック粉末を粉砕して第2スラリーを作成する工程Bと、を含むグリーンシートの製造方法。
  2. 前記セラミックス粉末は、ペロブスカイト型結晶構造を有することを特徴とする請求項1に記載のグリーンシートの製造方法。
  3. 前記工程Aにおいて、前記ガラス粉末は平均粒径が0.9μm以下になるまで粉砕されることを特徴とする請求項1に記載のグリーンシートの製造方法。
  4. 前記工程Bにおいて、前記第1スラリーに加えられる前記セラミック粉末の平均粒径が0.8μm以上であることを特徴とする請求項3に記載のグリーンシートの製造方法。
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