JP5029717B2 - セラミック電子部品およびセラミック原料粉体の製造方法 - Google Patents

セラミック電子部品およびセラミック原料粉体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、セラミック電子部品およびセラミック原料粉体の製造方法に関し、特に信頼性が向上されたセラミック電子部品の製造方法および該電子部品に好適なセラミック原料粉体の製造方法に関する。
セラミック電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサは、小型、高性能、高信頼性の電子部品として広く利用されており、電気機器および電子機器の中で使用される個数も多数にのぼる。近年、機器の小型かつ高性能化に伴い、積層セラミックコンデンサに対する更なる小型化、高性能化、高信頼性化への要求はますます厳しくなっている。
このような要求に対し、チタン酸バリウム等の主成分原料粉体と、特性を向上させる効果を有する種々の添加成分粉体とを混合した原料粉体を用いて誘電体磁器組成物を製造することで特性の向上を図っている。しかしながら、単に主成分原料粉体と添加成分粉体とを混合しただけでは、十分な信頼性が得られないという問題があった。
このような問題に対し、主成分原料粉体に添加成分を被覆させた原料粉体を用いて特性の向上を図ることが提案されている。たとえば特許文献1には、チタン酸バリウム粉体のスラリーに添加元素のアルコキシド溶液を添加し仮焼することで、チタン酸バリウム粉末表面に添加元素が被覆された原料粉体を得てこれを用いることが開示されている。しかしながら、アルコキシドの合成には時間が掛かること、高コストであること、有機溶剤を用いるため環境負荷が大きいこと等の問題があった。
特開平10−139553号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、高温負荷寿命の向上を実現し、信頼性の高いセラミック電子部品を製造する方法を提供することを目的とする。本発明の別の目的は、信頼性の高いセラミック電子部品を製造するのに好適なセラミック原料粉体を製造する方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係るセラミック電子部品の製造方法は、
セラミック層と電極とを有するセラミック電子部品を製造する方法であって、
前記セラミック層が、一般式ABO(AはBa、CaおよびSrから選ばれる少なくとも1つであり、BはTi、ZrおよびHfから選ばれる少なくとも1つである)で表される主成分および添加成分を含む誘電体磁器組成物から構成されており、
前記主成分の原料粉体と、前記添加成分に含まれる金属元素のうち、少なくとも一部の金属元素のゲル状化合物スラリーまたは少なくとも一部の金属元素の溶液と、を準備する工程と、
前記主成分の原料と前記ゲル状化合物スラリーまたは前記溶液とを分散して原料混合物を得る工程と、
前記原料混合物を乾燥する工程と、
乾燥後の前記原料混合物を熱処理する工程と、を有する。
本発明では、主成分の原料粉体と添加成分に含まれる金属元素のゲル状化合物スラリーまたは該金属元素の溶液とを分散混合している。分散する際の添加成分の形態を上記のものとすることで、主成分の原料粉体と添加成分とを均一に分散混合することができる。その結果、乾燥後には、主成分の原料粉体の表面に添加成分が均一に被覆されたセラミック原料粉体が得られる。そして、このセラミック原料粉体を用いてセラミック電子部品を製造することで、信頼性が向上されたセラミック電子部品を得ることができる。
しかも、添加成分を、アルコキシドを用いて主成分の原料粉体に被覆する場合と比較して、短時間で被覆粉体が得られ、コストも低減できる。
好ましくは、前記ゲル状化合物スラリーがゲル状水酸化物スラリーであり、前記溶液が水溶液である。ゲル状水酸化物スラリーまたは水溶液を用いることで、環境負荷の大きい有機溶剤を使用することなく、主成分の原料粉体の表面に添加成分が均一に被覆されたセラミック原料粉体を簡便に得ることができる。
好ましくは、前記添加成分が希土類元素の酸化物を含んでおり、前記希土類元素のゲル状化合物スラリーまたは前記希土類元素の溶液を準備する。より好ましくは、前記希土類元素のゲル状化合物スラリーのみを準備する。
好ましくは、前記添加成分がアルカリ土類金属元素の酸化物および焼結助剤を含んでおり、前記アルカリ土類金属のゲル状化合物スラリーまたは前記アルカリ土類金属の溶液と、前記焼結助剤としての役割を有する金属元素のゲル状化合物スラリーまたは該金属元素の溶液と、を準備する。より好ましくは、Mgのゲル状化合物スラリーのみを準備する。なお、本明細書において、アルカリ土類金属元素とは、周期律表のII族に属する元素と同義である。
主成分の原料粉体と、特定の元素のゲル状化合物スラリーまたは溶液とを分散することで、本発明の効果をより向上させることができる。また、希土類元素およびMgについては、溶液の形態ではなく、ゲル状化合物スラリーの形態として分散することで、上述した効果をさらに高めることができる。
好ましくは、媒体撹拌型分散機を用いて前記原料混合物を得る。より好ましくは、媒体として、φ0.1mm以下の媒体を使用する。このような分散機や媒体を用いることで上述した効果をさらに高めることができる。
好ましくは、前記熱処理する工程において、400〜900℃の範囲で熱処理を行う。このような温度範囲とすることで、上述した効果をさらに高めることができる。
好ましくは、前記乾燥する工程と前記熱処理する工程とを同時に行う。このようにしても、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
好ましくは、前記原料混合物を得る工程において、分散剤を添加する。より好ましくは、前記分散剤は親水性の分散剤である。分散時に分散剤を添加することで、原料混合物の分散性をより高めることができるため、上述した効果をさらに高めることができる。
好ましくは、熱処理後の原料混合物に、溶剤およびバインダ樹脂を添加して、ペースト組成物を得る。
また、本発明に係るセラミック原料粉体の製造方法は、
一般式ABO(AはBa、CaおよびSrから選ばれる少なくとも1つであり、BはTi、ZrおよびHfから選ばれる少なくとも1つである)で表される主成分および添加成分を含むセラミック原料粉体を製造する方法であって、
前記主成分の原料粉体と、前記添加成分に含まれる金属元素のうち、少なくとも一部の金属元素のゲル状化合物スラリーまたは少なくとも一部の金属元素の溶液と、を準備する工程と、
前記主成分の原料と前記ゲル状化合物スラリーまたは前記溶液とを分散して原料混合物を得る工程と、
前記原料混合物を乾燥する工程と、
乾燥後の前記原料混合物を熱処理してセラミック原料粉体を得る工程と、を有する。
図1は、本発明の一実施形態に係る製造方法により製造された積層セラミックコンデンサの断面図である。 図2は、セラミック原料粉体を作製する工程を示すフローチャートである。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
積層セラミックコンデンサ1
図1に示すように、積層セラミックコンデンサ1は、誘電体層2と、内部電極層3と、が交互に積層された構成のコンデンサ素子本体10を有する。内部電極層3は、各端面がコンデンサ素子本体10の対向する2端部の表面に交互に露出するように積層してある。一対の外部電極4は、コンデンサ素子本体10の両端部に形成され、交互に配置された内部電極層3の露出端面に接続されて、コンデンサ回路を構成する。
コンデンサ素子本体10の形状に特に制限はないが、図1に示すように、通常、直方体状とされる。また、その寸法にも特に制限はなく、用途に応じて適当な寸法とすればよい。
誘電体層2
誘電体層2を構成する誘電体磁器組成物としては、特に制限されないが、本実施形態では、一般式ABO(AはBa、CaおよびSrから選ばれる少なくとも1つであり、BはTiおよびZrから選ばれる少なくとも1つである)で表される主成分および添加成分を含有する誘電体磁器組成物から構成されている。
ABOとしては、たとえば{(Ba(1−x−y)CaSr)O}(Ti(1−z)Zrで表される化合物などが好ましい。なお、A,B,x,y,zは、いずれも任意の範囲である。本実施形態では、特に、BaTiO(好ましくは、組成式BaTiO2+m で表され、mが0.995≦m≦1.010であり、BaとTiとの比が0.995≦Ba/Ti≦1.010である)が好適に使用できる。
添加成分としては、希土類元素の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物、焼結助剤が含まれる。
希土類元素の酸化物の含有量は、ABO 100モルに対して、希土類元素換算で、好ましくは0.2〜3.0モルである。希土類元素としては、特に制限されないが、Y、Dy、Ho、Gd、Yb、Er、Tbなどが挙げられる。希土類元素として、複数の元素であってもよいし、1種類の元素であってもよい。複数の元素である場合には、たとえば、Y、Yb、ErおよびHoからなる群から選ばれる少なくとも1つと、Dy、GdおよびTbからなる群から選ばれる少なくとも1つとであることが好ましい。
アルカリ土類金属の酸化物の含有量は、ABO100モルに対して、アルカリ土類金属元素換算で、好ましくは0.6〜2.5モル、より好ましくは0.8〜2.0モルである。アルカリ土類金属としては、特に制限されないが、Mgであることが好ましい。
焼結助剤の含有量は、ABO100モルに対して、焼結助剤を構成する金属元素換算で、好ましくは0.2〜2.0モル、より好ましくは0.8〜1.5モルである。焼結助剤としては特に制限されないが、本実施形態では、SiOを含む成分であることが好ましく、Baの酸化物および/またはCaの酸化物と、Siの酸化物とを含む成分であることがより好ましい。このような成分としては、Baの酸化物、Caの酸化物およびSiの酸化物がそれぞれの酸化物の形態で含まれていてもよいし、複合酸化物あるいはガラスの形態で含まれていてもよい。また、Siについては後述のようにSi微粒子水分散液を準備してもよい。該成分においては、Baの含有モル比をa、Caの含有モル比をb、Siの含有モル比をcとすると、a+b+c=1、a+b≦cである。
また、本実施形態では、さらに、V、MoおよびWからなる群から選ばれる少なくとも1つの酸化物を含有することが好ましい。これらの酸化物の含有量は、ABO100モルに対して、V、MoおよびW換算で、好ましくは0.001〜0.2モル、より好ましくは0.02〜0.15モルである。
また、本実施形態では、さらに、Mnおよび/またはCrの酸化物を含有することが好ましい。これらの酸化物の含有量は、ABO100モルに対して、Mnおよび/またはCr換算で、好ましくは0.01〜0.6モル、より好ましくは0.05〜0.3モルである。
本実施形態に係る誘電体磁器組成物は、さらに、所望の特性に応じて、その他の成分を含有してもよい。
誘電体層2の厚みは、特に限定されないが、一層あたり2μm以下であることが好ましい。厚さの下限は、特に限定されないが、たとえば0.5μm程度である。
誘電体層2の積層数は、特に限定されないが、20以上であることが好ましく、より好ましくは50以上、特に好ましくは、100以上である。積層数の上限は、特に限定されないが、たとえば2000程度である。
内部電極層3
内部電極層3に含有される導電材は特に限定されないが、誘電体層2を構成する材料が耐還元性を有するため、比較的安価な卑金属を用いることができる。導電材として用いる卑金属としては、NiまたはNi合金が好ましい。Ni合金としては、Mn,Cr,CoおよびAlから選択される1種以上の元素とNiとの合金が好ましく、合金中のNi含有量は95重量%以上であることが好ましい。なお、NiまたはNi合金中には、P等の各種微量成分が0.1重量%程度以下含まれていてもよい。内部電極層3の厚さは用途等に応じて適宜決定すればよいが、通常、0.1〜3μm、特に0.2〜2.0μm程度であることが好ましい。
外部電極4
外部電極4に含有される導電材は特に限定されないが、本発明では安価なNi,Cuや、これらの合金を用いることができる。外部電極4の厚さは用途等に応じて適宜決定すればよいが、通常、10〜50μm程度であることが好ましい。
積層セラミックコンデンサ1の製造方法
図1に示す積層セラミックコンデンサ1は、本実施形態に係る製造方法により製造される。以下、製造方法について具体的に説明する。図2には、セラミック原料粉体を作製する工程をフローチャートとして示す。
まず、誘電体磁器組成物を構成するABOの原料粉末と、添加成分に含まれる金属元素のゲル状化合物スラリーまたは該元素の溶液とを準備する。ゲル状化合物としては、特に制限されず、ゲル状水酸化物、ゲル状炭化物、ゲル状酸化物などが好ましいが、本実施形態ではゲル状水酸化物を準備する。
また、金属元素の溶液としては、特に制限されず、金属元素の水溶液が好ましい。本実施形態では該元素の水溶液を準備する。水溶液とする際の金属塩としては、酢酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩などの形態として用いることが好ましい。本実施形態では酢酸塩を用いる。
ただし、Siについては、エタノールを溶媒としたゲルスラリーを準備する、あるいはSi微粒子水分散液(水系分散液)を準備する。Si微粒子水分散液としては、シリカコロイドを水で分散した分散液を準備する。
ABOの原料粉末としては、特に制限されず、上記した成分の酸化物やその混合物、複合酸化物を用いることができるが、その他、焼成により上記した酸化物や複合酸化物となる各種化合物、たとえば、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物等から適宜選択し、混合して用いることもできる。
ABOの原料は、いわゆる固相法の他、各種液相法(たとえば、シュウ酸塩法、水熱合成法、アルコキシド法、ゾルゲル法など)により製造されたものなど、種々の方法で製造されたものを用いることができる。
添加成分に含まれる金属元素のゲル状水酸化物スラリーまたは水溶液としては、少なくとも、上述した希土類元素のゲル状水酸化物スラリーまたは水溶液を準備すればよい。特に希土類元素はゲル状水酸化物スラリーとして準備することが好ましい。さらに、必要に応じて、BaおよびCa以外のアルカリ土類金属元素のゲル状水酸化物スラリーまたは水溶液を準備すればよい。また、V等やMn等の元素のゲル状水酸化物スラリーまたは水溶液を準備してもよい。
なお、BaおよびCaについては、ゲル状化合物スラリーまたは水溶液として準備すればよいが、水溶液として準備することが好ましい。ゲル状化合物スラリーを用いる場合は、ゲル状炭酸化物スラリーとすることが好ましい。
また、添加成分に含まれる金属元素の全量が、ゲル状水酸化物スラリーまたは水溶液の形態として添加されなくてもよい。たとえば、希土類元素のゲル状水酸化物スラリーおよび希土類元素の酸化物粉末を用いて、本実施形態に係る誘電体磁器組成物を製造してもよい。
ゲル状水酸化物スラリー中の水酸化物粒子は非常に細かく、たとえば、粒子径は5〜10nm程度である。ゲル状水酸化物スラリー中の水酸化物粒子は、後述する混合工程において、ABO原料粉体と共に均一に分散され、乾燥後にABO粒子の表面を被覆することになる。また、水溶液に溶解している元素も、乾燥後にABO粒子の表面を被覆することになる。
なお、たとえば添加成分として、アルコキシド等を用いた場合、価格が高いことや反応に長時間掛かるという不具合が存在する。また、有機溶剤を使用する必要があり、環境負荷が大きい。これに対し、本実施形態では、添加成分の元素のゲル状水酸化物スラリーまたは水溶液を用いることで、生産性の向上、環境負荷の改善やコストの低減を実現することができる。
次に、本実施形態では、ABOの原料粉末と、上記で得られた添加成分元素のゲル状水酸化物スラリーまたは水溶液と、を水と共に予備分散する。この予備分散は、ABOの原料粉末とゲル状水酸化物スラリーとを軽く分散させるために行われ、ABOの原料粉末の解砕を目的とするものではない。予備分散は、たとえばボールミルを用いて1〜2時間程度行う。このとき、ボールミル以外の分散機等の攪拌機を用いてもよい。
次に、予備分散後の混合物を、媒体撹拌型分散機を用いて分散して原料混合物を得る。本実施形態では、媒体撹拌型分散機としてビーズミルを用いる。分散混合する条件としては特に制限されないが、たとえばφ0.1mm以下の媒体を用いることが好ましい。
この分散では、ABO原料粉体を解砕しつつ、ABO原料粉体と添加成分(ゲル状水酸化物または水溶液中の添加金属元素)とを均一に分散させる。その結果、乾燥後にはABO粒子表面にゲル状水酸化物等を被覆させることができる。また、この分散では、親水性の分散剤を添加して、原料混合物の分散性をさらに高めることが好ましい。親水性の分散剤としては、たとえばポリカルボン酸系の分散剤が挙げられる。
得られた原料混合物は乾燥される。乾燥後の原料混合物においては、ABO粒子の表面に、ゲル状水酸化物スラリー中または水溶液中の添加金属元素が被覆された状態となっている。すなわち、ゲル状水酸化物スラリーまたは水溶液として添加された元素は、ABO粒子に物理的に被覆されている(吸着)。
なお、乾燥方法は特に制限されず、静置乾燥、スプレー乾燥、凍結乾燥等から適宜選択すればよい。また、乾燥する温度も特に制限されず、原料混合物の溶媒を除去できる温度であればよい。
このような工程を経て、原料混合物を作製することで、主成分となるABO粒子に与えられるダメージをできるだけ小さくしつつ(ABO粒子の結晶性を維持しつつ)、しかもABO粒子に希土類元素等の化合物を均一に被覆することができる。
さらに上記のようにすることで、後述する熱処理工程や焼成工程において、ABO粒子に対する上記の元素の固溶を制御することができ、その結果、所望の特性が実現された誘電体磁器組成物を得ることができる。たとえば、希土類元素をゲル状水酸化物の形態でABO粒子に被覆することで、希土類元素が、ABO粒子に対して過剰に固溶することを抑制することができる。その結果、信頼性を向上させることができる。
したがって、ABO粒子の結晶性を維持するために、乾燥後の原料混合物に含まれる、被覆されたABO原料粉体の比表面積は、BET法による測定で、予備分散前のABO原料粉体の比表面積の1.4倍以下であることが好ましい。
続いて、乾燥後の原料混合物は熱処理される。この熱処理を行うことにより、ABO粒子の表面に被覆された添加成分元素がより強固に粒子に対して固着される。この熱処理には、たとえばロータリーキルン、トンネル炉、バッチ炉を用いることができる。熱処理における保持温度は400〜900℃の範囲が好ましい。また、保持時間は0.2〜3.0時間が好ましい。なお、原料混合物の乾燥と熱処理とは同時に行ってもよい。同時に行う方法としては、たとえば噴霧熱分解法などが挙げられる。
熱処理後には、原料混合物は凝集しているため、凝集をほぐす程度に原料混合物を解砕してもよい。なお、この解砕は後述する誘電体層用ペーストを調製時に行ってもよい。
熱処理後の原料混合物(セラミック原料粉体)の粒径は、通常、平均粒径0.1〜1μm程度である。次に、図2に示すように、セラミック原料粉体を塗料化して誘電体層用ペーストを調製する。誘電体層用ペーストは、誘電体原料(セラミック原料粉体)と有機ビヒクルとを混練した有機系の塗料であってもよく、水系の塗料であってもよい。
有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものである。有機ビヒクルに用いるバインダは特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等の通常の各種バインダから適宜選択すればよい。用いる有機溶剤も特に限定されず、印刷法やシート法など、利用する方法に応じて、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等の各種有機溶剤から適宜選択すればよい。
また、誘電体層用ペーストを水系の塗料とする場合には、水溶性のバインダや分散剤などを水に溶解させた水系ビヒクルと、誘電体原料とを混練すればよい。水系ビヒクルに用いる水溶性バインダは特に限定されず、たとえば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性アクリル樹脂などを用いればよい。
内部電極層用ペーストは、上記した各種導電性金属や合金からなる導電材、あるいは焼成後に上記した導電材となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等と、上記した有機ビヒクルとを混練して調製する。また、内部電極層用ペーストには、共材が含まれていてもよい。共材としては特に制限されないが、主成分と同様の組成を有していることが好ましい。
外部電極用ペーストは、上記した内部電極層用ペーストと同様にして調製すればよい。
上記した各ペースト中の有機ビヒクルの含有量に特に制限はなく、通常の含有量、たとえば、バインダは1〜5重量%程度、溶剤は10〜50重量%程度とすればよい。また、各ペースト中には、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等から選択される添加物が含有されていてもよい。これらの総含有量は、10重量%以下とすることが好ましい。
印刷法を用いる場合、誘電体層用ペーストおよび内部電極層用ペーストを、PET等の基板上に印刷、積層し、所定形状に切断した後、基板から剥離してグリーンチップとする。
また、シート法を用いる場合、誘電体層用ペーストを用いてグリーンシートを形成し、この上に内部電極層用ペーストを印刷し内部電極パターンを形成した後、これらを積層してグリーンチップとする。
焼成前に、グリーンチップに脱バインダ処理を施す。脱バインダ条件としては、昇温速度を好ましくは5〜300℃/時間、保持温度を好ましくは180〜400℃、温度保持時間を好ましくは0.5〜24時間とする。また、脱バインダ雰囲気は、空気もしくは還元性雰囲気とする。
グリーンチップの焼成では、昇温速度を好ましくは200〜2000℃/時間とする。
焼成時の保持温度は、好ましくは1300℃以下、より好ましくは1100〜1250℃であり、その保持時間は、好ましくは0.5〜8時間、より好ましくは1〜3時間である。保持温度が上記範囲未満であると緻密化が不十分となり、前記範囲を超えると、内部電極層の異常焼結による電極の途切れや、内部電極層構成材料の拡散による容量温度特性の悪化、誘電体磁器組成物の還元が生じやすくなる。
焼成雰囲気は、還元性雰囲気とすることが好ましく、雰囲気ガスとしてはたとえば、NとHとの混合ガスを加湿して用いることができる。
また、焼成時の酸素分圧は、内部電極層用ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定されればよいが、導電材としてNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、焼成雰囲気中の酸素分圧は、10−14〜10−10MPaとすることが好ましい。酸素分圧が上記範囲未満であると、内部電極層の導電材が異常焼結を起こし、途切れてしまうことがある。また、酸素分圧が前記範囲を超えると、内部電極層が酸化する傾向にある。降温速度は、好ましくは50〜2000℃/時間である。
還元性雰囲気中で焼成した後、コンデンサ素子本体にはアニールを施すことが好ましい。アニールは、誘電体層を再酸化するための処理であり、これによりIR寿命(絶縁抵抗の寿命)を著しく長くすることができるので、信頼性が向上する。
アニール雰囲気中の酸素分圧は、10−9〜10−5MPaとすることが好ましい。酸素分圧が前記範囲未満であると誘電体層の再酸化が困難であり、前記範囲を超えると内部電極層の酸化が進行する傾向にある。
アニールの際の保持温度は、1100℃以下、特に900〜1100℃とすることが好ましい。保持温度が上記範囲未満であると誘電体層の酸化が不十分となるので、IRが低く、また、IR寿命が短くなりやすい。一方、保持温度が前記範囲を超えると、内部電極層が酸化して容量が低下するだけでなく、内部電極層が誘電体素地と反応してしまい、容量温度特性の悪化、IRの低下、IR寿命の低下が生じやすくなる。なお、アニールは昇温過程および降温過程だけから構成してもよい。すなわち、温度保持時間を零としてもよい。この場合、保持温度は最高温度と同義である。
これ以外のアニール条件としては、温度保持時間を好ましくは0〜20時間、より好ましくは2〜4時間、降温速度を好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは100〜300℃/時間とする。また、アニールの雰囲気ガスとしては、たとえば、加湿したNガス等を用いることが好ましい。
上記した脱バインダ処理、焼成およびアニールにおいて、Nガスや混合ガス等を加湿するには、たとえばウェッター等を使用すればよい。この場合、水温は5〜75℃程度が好ましい。
脱バインダ処理、焼成およびアニールは、連続して行なっても、独立に行なってもよい。
上記のようにして得られたコンデンサ素子本体に、たとえばバレル研磨やサンドブラストなどにより端面研磨を施し、外部電極用ペーストを塗布して焼成し、外部電極4を形成する。そして、必要に応じ、外部電極4表面に、めっき等により被覆層を形成する。
このようにして製造された本実施形態の積層セラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
また、上述した実施形態では、本発明により製造されるセラミック電子部品として、積層セラミックコンデンサを例示したが、このようなセラミック電子部品としては、積層セラミックコンデンサに限定されず、上記構成を有する電子部品であれば何でも良い。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1
まず、ABOの原料粉体としてBaTiO粉末を準備した。添加成分の原料として、表1に示す試料番号1については、Yの酸化物粉体、Dyの酸化物粉体、Mgの酸化物粉体、Mnの酸化物粉体、Vの酸化物粉体、Baの酸化物粉体、Caの酸化物粉体およびSiの酸化物粉体を準備した。
表1に示す試料番号2については、Si以外の添加成分のゲル状水酸化物スラリーを準備し、Siについては、エタノールを溶媒としたゲルスラリーを準備した。
表1に示す試料番号3については、Si以外の添加成分については、試料番号2と同様に、ゲル状水酸化物スラリーを準備し、Siについては、ゾルゲル法で合成された粒子径が10〜20nm程度のコロイダルシリカを水で分散したSi水分散液を準備した。
表1に示す試料番号4については、添加成分のうちYおよびDyについては試料番号2と同様に、ゲル状水酸化物スラリーを準備した。YおよびDy以外の各元素については、各元素の水溶液を準備した。Siについては、試料番号3と同様のものを準備した。
表1に示す試料番号5については、Si以外の添加成分の水溶液を準備し、Siについては、試料番号3と同様のものを準備した。
なお、添加成分の添加量は、BaTiO100モルに対し、Y酸化物がY換算で0.25モル、Dy酸化物がDy換算で0.50モル、Mg酸化物がMg換算で1.75モル、Mn酸化物がMn換算で0.20モル、V酸化物がV換算で0.0010モル、焼結助剤成分が、Ba、Ca、Si換算で、合計1.40モルとなるように秤量した。
次に、BaTiO粉末と添加成分の原料とを、ボールミルを用いて予備分散を1時間行った。予備分散後の原料混合物を、φ0.1mmの媒体が充填されたビーズミルを用いて、48時間分散・混合し、原料混合物を作製した。すなわち、試料番号1においては、BaTiO粉末と各元素の酸化物粉体とを分散混合し、試料番号2〜4においては、BaTiO粉末と各元素のゲル状水酸化物または水溶液とを分散混合した。また、分散剤として、ポリカルボン酸系分散剤を、誘電体材料100wt%に対して、1.5wt%添加した。
得られた原料混合物をスプレー乾燥機にて250℃で乾燥した後、ロータリーキルンにおいて750℃で15分熱処理を行った。熱処理後の原料混合物(セラミック原料粉体)を誘電体原料とした。
次いで、得られた誘電体原料:100重量部と、ポリビニルブチラール樹脂:10重量部と、可塑剤としてのジオクチルフタレート(DOP):5重量部と、溶媒としてのアルコール:100重量部とをボールミルで混合してペースト化し、誘電体層用ペーストを得た。
また、上記とは別に、Ni粒子:44.6重量部と、テルピネオール:52重量部と、エチルセルロース:3重量部と、ベンゾトリアゾール:0.4重量部とを、3本ロールにより混練し、スラリー化して内部電極層用ペーストを作製した。
そして、上記にて作製した誘電体層用ペーストを用いて、PETフィルム上に、乾燥後の厚みが1.0μmとなるようにグリーンシートを形成した。次いで、この上に内部電極層用ペーストを用いて、電極層を所定パターンで印刷した後、PETフィルムからシートを剥離し、電極層を有するグリーンシートを作製した。次いで、電極層を有するグリーンシートを複数枚積層し、加圧接着することによりグリーン積層体とし、このグリーン積層体を所定サイズに切断することにより、グリーンチップを得た。
次いで、得られたグリーンチップについて、脱バインダ処理、焼成およびアニールを下記条件にて行って、積層セラミック焼成体を得た。
脱バインダ処理条件は、昇温速度:25℃/時間、保持温度:260℃、温度保持時間:8時間、雰囲気:空気中とした。
焼成条件は、昇温速度:1000℃/時間、保持温度:1190℃とし、保持時間を1時間とした。降温速度は1000℃/時間とした。なお、雰囲気ガスは、加湿したN+H混合ガスとし、酸素分圧が10−12MPaとなるようにした。
アニール条件は、昇温速度:200℃/時間、保持温度:1000℃、温度保持時間:2時間、降温速度:200℃/時間、雰囲気ガス:加湿したNガス(酸素分圧:10−7MPa)とした。
なお、焼成およびアニールの際の雰囲気ガスの加湿には、ウェッターを用いた。
次いで、得られた積層セラミック焼成体の端面をサンドブラストにて研磨した後、外部電極としてCuを塗布し、図1に示す積層セラミックコンデンサの試料を得た。得られたコンデンサ試料のサイズは、3.2mm×1.6mm×0.6mmであり、誘電体層の厚み約0.9μm、内部電極層の厚み約0.7μm、内部電極層に挟まれた誘電体層の数は100とした。
得られたコンデンサ試料について、比誘電率、誘電損失、CR積、容量温度特性および高温負荷寿命(HALT)の測定を、それぞれ下記に示す方法により行った。
比誘電率ε
比誘電率εは、コンデンサ試料に対し、基準温度25℃において、デジタルLCRメータ(YHP社製4274A)にて、周波数1kHz,入力信号レベル(測定電圧)1.0Vrmsの条件下で測定された静電容量から算出した(単位なし)。比誘電率は高いほうが好ましく、本実施例では、2500以上を良好とした。結果を表1に示す。
誘電損失(tanδ)
誘電損失(tanδ)は、コンデンサ試料に対し、基準温度25℃において、デジタルLCRメータ(YHP社製4274A)にて、周波数1kHz,入力信号レベル(測定電圧)0.5Vrmsの条件下で測定した。誘電損失は低いほうが好ましく、本実施例では5.0%以下を良好とした。結果を表1に示す。
CR積
コンデンサ試料に対し、絶縁抵抗計(アドバンテスト社製R8340A)を用いて、20℃において6.3V/μmの直流電圧を、コンデンサ試料に1分間印加した後の絶縁抵抗IRを測定した。CR積は、上記にて測定した静電容量C(単位はμF)と、絶縁抵抗IR(単位はMΩ)との積を求めることにより測定した。本実施例では、1000以上を良好とし、1500以上であることがより好ましい。結果を表1に示す。
静電容量の温度特性(TC)
コンデンサ試料に対し、−55〜85℃における静電容量を測定し、静電容量の変化率ΔCを算出し、EIA規格のX5R特性またはB特性を満足するか否かについて評価した。すなわち、−55〜85℃において、変化率ΔCが、±15%以内であるか否かを評価した。結果を表1に示す。
高温負荷寿命(HALT)
コンデンサ試料に対し、160℃にて、9V/μmの電界下で直流電圧の印加状態に保持し、寿命時間を測定することにより、高温負荷寿命を評価した。本実施例においては、印加開始から絶縁抵抗が一桁落ちるまでの時間を寿命と定義した。また、本実施例では、上記の評価を20個のコンデンサ試料について行い、その平均値を高温負荷寿命とした。評価基準は50時間以上を良好とし、60時間以上であることがより好ましい。結果を表1に示す。
Figure 0005029717
表1より、添加成分を酸化物粉体の形態で、BaTiO粉末と分散混合した場合(試料番号1)では、高温負荷寿命が悪化していることが確認できた。また、CR積についても他の試料よりも劣る傾向にあることが確認できた。一方、添加成分をゲル状水酸化物スラリーまたは水溶液の形態で、BaTiO粉末と分散した場合(試料番号2〜5)には、高温負荷寿命が向上していることが確認できた。特に希土類元素(YおよびDy)をゲル状水酸化物スラリーの形態で分散した場合(試料番号2〜4)には、高温負荷寿命が良好であることが確認できた。
また、BaおよびCaを水溶液の形態で分散した場合(試料番号4)は、ゲルスラリーの形態で用いる場合(試料番号3)よりも高温負荷寿命が若干向上することが確認できた。
実施例2
分散工程において用いる媒体撹拌型分散機および使用した媒体の径を表2に示すものとした以外は、実施例1の試料番号2と同様にして、積層セラミックコンデンサの試料を作製し、実施例1と同様の特性評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0005029717
表2より、使用した媒体の径が大きい場合(試料番号6および7)には、誘電損失、容量温度特性および高温負荷寿命が悪化する傾向にあることが確認できた。また、媒体撹拌型分散機ではなく、撹拌羽根のみによる分散混合した場合(試料番号8)にも、高温負荷寿命が悪化する傾向にあることが確認できた。
実施例3
乾燥および熱処理を、噴霧熱分解法により同時に行った以外は、実施例1の試料番号2と同様にして、積層セラミックコンデンサの試料を作製し、実施例1と同様の特性評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0005029717
表3より、乾燥および熱処理を同時に行った場合にも本発明の効果が得られることが確認できた。
1… 積層セラミックコンデンサ
2… 誘電体層
3… 内部電極層
4… 外部電極
10… コンデンサ素子本体

Claims (15)

  1. セラミック層と電極とを有するセラミック電子部品を製造する方法であって、
    前記セラミック層が、一般式ABO(AはBa、CaおよびSrから選ばれる少なくとも1つであり、BはTi、ZrおよびHfから選ばれる少なくとも1つである)で表される主成分および添加成分を含む誘電体磁器組成物から構成されており、
    前記主成分の原料粉体と、前記添加成分に含まれる金属元素のうち、少なくとも一部の金属元素のゲル状化合物スラリーまたは少なくとも一部の金属元素の溶液と、を準備する工程と、
    前記主成分の原料と前記ゲル状化合物スラリーまたは前記溶液とを分散して原料混合物を得る工程と、
    前記原料混合物を乾燥する工程と、
    乾燥後の前記原料混合物を熱処理する工程と、を有し、
    前記添加成分が希土類元素の酸化物を含んでおり、
    前記希土類元素をゲル状化合物スラリーとして準備するセラミック電子部品の製造方法。
  2. 前記添加成分がさらにアルカリ土類金属元素の酸化物および焼結助剤を含んでおり、前記アルカリ土類金属ゲル状化合物スラリーまたは前記アルカリ土類金属の溶液として、さらに前記焼結助剤としての役割を有する金属元素ゲル状化合物スラリーまたは該金属元素の溶液として準備する請求項1に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  3. Mgゲル状化合物スラリーとして準備する請求項に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  4. セラミック層と電極とを有するセラミック電子部品を製造する方法であって、
    前記セラミック層が、一般式ABO(AはBa、CaおよびSrから選ばれる少なくとも1つであり、BはTi、ZrおよびHfから選ばれる少なくとも1つである)で表される主成分および添加成分を含む誘電体磁器組成物から構成されており、
    前記主成分の原料粉体と、前記添加成分に含まれる金属元素のうち、少なくとも一部の金属元素のゲル状化合物スラリーまたは少なくとも一部の金属元素の溶液と、を準備する工程と、
    前記主成分の原料と前記ゲル状化合物スラリーまたは前記溶液とを分散して原料混合物を得る工程と、
    前記原料混合物を乾燥する工程と、
    乾燥後の前記原料混合物を熱処理する工程と、を有し、
    前記添加成分がアルカリ土類金属元素の酸化物および焼結助剤を含んでおり、
    Mgをゲル状化合物スラリーとして、さらに前記焼結助剤としての役割を有する金属元素をゲル状化合物スラリーまたは該金属元素の溶液として準備するセラミック電子部品の製造方法。
  5. 前記添加成分がさらに希土類元素の酸化物を含んでおり、前記希土類元素ゲル状化合物スラリーまたは前記希土類元素の溶液として準備する請求項に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  6. 前記ゲル状化合物スラリーがゲル状水酸化物スラリーであり、前記溶液が水溶液である請求項1〜5のいずれかに記載のセラミック電子部品の製造方法。
  7. 媒体撹拌型分散機を用いて前記原料混合物を得る請求項1〜6のいずれかに記載のセラミック電子部品の製造方法。
  8. 媒体として、φ0.1mm以下の媒体を使用する請求項7に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  9. 前記熱処理する工程において、400〜900℃の範囲で熱処理を行う請求項1〜8のいずれかに記載のセラミック電子部品の製造方法。
  10. 前記乾燥する工程と前記熱処理する工程とを同時に行う請求項1〜9のいずれかに記載のセラミック電子部品の製造方法。
  11. 前記原料混合物を得る工程において、分散剤を添加する請求項1〜10のいずれかに記載のセラミック電子部品の製造方法。
  12. 前記分散剤は、親水性の分散剤である請求項11に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  13. 熱処理後の原料混合物に、溶剤およびバインダ樹脂を添加して、ペースト組成物を得る請求項1〜12のいずれかに記載のセラミック電子部品の製造方法。
  14. 一般式ABO(AはBa、CaおよびSrから選ばれる少なくとも1つであり、BはTi、ZrおよびHfから選ばれる少なくとも1つである)で表される主成分および添加成分を含むセラミック原料粉体を製造する方法であって、
    前記主成分の原料粉体と、前記添加成分に含まれる金属元素のうち、少なくとも一部の金属元素のゲル状化合物スラリーまたは少なくとも一部の金属元素の溶液と、を準備する工程と、
    前記主成分の原料と前記ゲル状化合物スラリーまたは前記溶液とを分散して原料混合物を得る工程と、
    前記原料混合物を乾燥する工程と、
    乾燥後の前記原料混合物を熱処理してセラミック原料粉体を得る工程と、を有し、
    前記添加成分が希土類元素の酸化物を含んでおり、
    前記希土類元素をゲル状化合物スラリーとして準備セラミック原料粉体の製造方法。
  15. 一般式ABO(AはBa、CaおよびSrから選ばれる少なくとも1つであり、BはTi、ZrおよびHfから選ばれる少なくとも1つである)で表される主成分および添加成分を含むセラミック原料粉体を製造する方法であって、
    前記主成分の原料粉体と、前記添加成分に含まれる金属元素のうち、少なくとも一部の金属元素のゲル状化合物スラリーまたは少なくとも一部の金属元素の溶液と、を準備する工程と、
    前記主成分の原料と前記ゲル状化合物スラリーまたは前記溶液とを分散して原料混合物を得る工程と、
    前記原料混合物を乾燥する工程と、
    乾燥後の前記原料混合物を熱処理してセラミック原料粉体を得る工程と、を有し、
    前記添加成分がアルカリ土類金属元素の酸化物および焼結助剤を含んでおり、
    Mgをゲル状化合物スラリーとして、さらに前記焼結助剤としての役割を有する金属元素をゲル状化合物スラリーまたは該金属元素の溶液として準備するセラミック原料粉体の製造方法。
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