JP2006196340A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】過充電を防止するとともに、正極活物質と負極活物質、非水溶媒の共存する個所での内部短絡を防止する技術を提供し、その技術により安全性に極めて優れた非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
【解決手段】正極集電体に正極活物質を含有する層を形成してなる正極と、負極集電体に負極活物質を含有する層を形成してなる負極とを、セパレータを介して巻回した巻回構造の電極体を電池ケースに収容し、非水電解液を注入してなる非水電解液二次電池であって、前記巻回構造の電極体における前記正極集電体の露出部と前記負極集電体の露出部が導電性ポリマー膜を介して対向し、かつ前記導電性ポリマー膜は、電池電圧が所定電圧以下では絶縁性を有し、電池電圧が所定電圧を越えると導電性を有することを特徴とする非水電解液二次電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解液二次電池、特にそれに適用される導電性ポリマー膜と非水電解液に含まれるアニオンに関する。
パソコン、携帯電話、デジタルカメラ、カムコーダなどの携帯機器分野に用いる電源としてエネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池をはじめとする非水電解液二次電池が広く普及するに至っている。また、環境問題、資源問題から近い将来に求められる電気自動車の駆動電源としても、エネルギー密度の高い非水電液二次電池の開発が進められている。
今日の非水電解液二次電池に用いられている非水電解液には、一般的に可燃性の非水溶媒が含まれている。また、正極活物質にはコバルト酸リチウムなどの金属酸化物が、負極活物質には黒鉛などの炭素材料が使用されている。従って、何らかの原因で非水電解液二次電池が異常に温度上昇すると、正極活物質が分解して酸素を発生して、その酸素が負極活物質や非水溶媒を酸化すると、電池が破裂、熱暴走する危険性がある。この非水電解液二次電池が異常な温度上昇には、過充電による電池の全体的な温度上昇と、内部短絡による電池の局所的な温度上昇とがある。この両者が同時に起こると前記の危険性は更に高くなる。よって、電池の安全性を向上するためには、過充電を防止するとともに、正極活物質と負極活物質、非水溶媒の共存する個所での内部短絡を防止することが求められる。
電池の過充電を防止するための従来技術としては、イオンのドーピングにより導電性を発現する導電性物質を正極と負極との間に存在させることで、電池が過充電に至ると正極と負極とを短絡して過充電を防止する技術がある(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特許文献1は、正極と負極との間に、これら両極に接してイオンのドーピングによって導電性を発現するポリマーを含むセパレータを介在させることで、過充電時に正極と負極との間に内部短絡を発生させ、更なる過充電を防止する技術を開示している。また、特許文献2は、過充電電圧で重合して導電性ポリマーを生成するモノマー添加剤を電解質中に添加することで、生成した導電性ポリマーが正極と負極との間に内部短絡を発生させ、過充電を防止する技術を開示している。
特開平2−199769号公報 特開平10−321258号公報
しかしながら、上記の従来技術では導電性ポリマーにより発生する内部短絡は、正負極間の正極活物質と負極活物質、非水溶媒の共存する個所である。電池が過充電に至り、正極活物質の分解温度が低い状態にありながら、その正極活物質が存在する個所で正極と負極とが短絡すると、その短絡個所には短絡電流によるジュール熱が発生するために局所温度はさらに上昇し、正極活物質が容易に分解して酸素を発生する。ゆえに、電池の内部圧力が上昇して電池が破裂する危険性が高くなる。更には、その局所温度が非水溶媒の発火温度、あるいは負極活物質の酸化反応温度を超えると、正極活物質から生成した酸素はそれらを燃焼させ、電池が熱暴走する危険性が高くなる。
そこで本発明では、過充電を防止するとともに、正極活物質と負極活物質、非水溶媒の共存する個所での内部短絡を防止する技術を提供し、その技術により安全性に極めて優れた非水電解液二次電池を提供することを解決すべき課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明の非水電解液二次電池は、正極集電体に正極活物質を含有する層を形成してなる正極と、負極集電体に負極活物質を含有する層を形成してなる負極とを、セパレータを介して巻回した巻回構造の電極体を電池ケースに収容し、非水電解液を注入してなる非水電解液二次電池であって、前記巻回構造の電極体における前記正極集電体の露出部と前記負極集電体の露出部が導電性ポリマー膜を介して対向し、かつ前記導電性ポリマー膜は、電池電圧が所定電圧以下では絶縁性を有し、電池電圧が所定電圧を越えると導電性を有することを特徴とするものである。つまり、電池内部の正極と負極との一部に活物質が存在しない部分を設け、その部分の両極間にはセパレータの替わりに、電池電圧が通常使用状態の所定電圧以下では一般的なセパレータと同等に絶縁性を有し、過充電状態である所定電圧を越えると非水電解液に含まれるアニオンがドーピングされて導電性を発現する導電性ポリマー膜を配置することで、過充電時には正極と負極とを短絡して更なる過充電の進行を防止する。そして短絡は、正極活物質と負極活物質とが存在しない個所で発生するため、正極活物質からの酸素の発生を抑止することがでる。ゆえに、電池の内部圧力が上昇することもなく電池の破裂を防止でき、更には負極活物質と電解液の燃焼も防止することができる。
そして、前記所定電圧が4.2Vであることが好ましく、さらに前記導電性ポリマー膜はポリチオフェン、ポリフラン、ポリパラフェニレン及びそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。通常使用状態である電池電圧が4.2V以下で導電性を有する材料を用いると、電池の保存中に放電し、その導電率の増加に伴って電池容量が減少してしまうので、保存に耐えられる程度に導電性を有さない材料が望まれる。かつ、4.2Vを超える過充電状態で電池電圧が高くなるほど、正極活物質は不安定になって分解されやすくなるので、低い過充電電圧で導電性を発現して電池を放電し、そのときの短絡放電を効率的に行うために導電率が高い材料が望まれる。上記の材料群はこれらの要求を満たす好ましい材料である。
また、上記非水電解液に含まれるアニオンは、PF6 -、BF4 -の少なくとも1種であることが好ましい。一般の非水電解液は少なくとも非水溶媒と電解質とからなっており、この電解質としてこれらのアニオンを含む化合物、例えばLiPF6、LiBF4などを選択すれば、これら電解質が非水溶媒に溶解して生成する上記のアニオンを電池に含めることができる。これらのアニオンがドーピングされた導電性ポリマーは導電率が高くなるため、過充電時の短絡放電を効率的に行うことができる。
本発明によると、電池の過充電を防止するとともに、正極活物質と負極活物質、非水溶媒の共存する個所での内部短絡を防止することができるため、安全性に極めて優れた非水電解液二次電池を提供することができる。
本発明は上記のように、正極集電体に正極活物質を含有する層を形成してなる正極と、負極集電体に負極活物質を含有する層を形成してなる負極とを、セパレータを介して巻回した巻回構造の電極体を電池ケースに収容し、非水電解液を注入してなる非水電解液二次電池の、前記巻回構造の電極体における前記正極集電体の露出部と前記負極集電体の露出部が導電性ポリマー膜を介して対向し、かつ前記導電性ポリマー膜は、電池電圧が所定電圧以下では絶縁性を有し、電池電圧が所定電圧を越えると前記非水電解液に含まれるアニオンがドーピングされて導電性を発現する膜とすると、安全性に極めて優れた非水電解液二次電池が提供できることを見出したものである。また、所定電圧が4.2Vであることが好ましく、またその際に電性ポリマー膜の材料はポリチオフェン、ポリフラン、ポリパラフェニレン及びそれらの誘導体からなる群から選択すると好ましく、非水電解液に含まれるアニオンは、PF6 -、BF4 -の少なくとも1種であるとなお好ましいことを見出したものである。
以下に、本発明の非水電解液二次電池について実施の形態に基づき詳細に説明する。本実施形態においては非水電解液二次電池としてリチウムイオン二次電池に基づいて説明する。
(導電性ポリマー)
本発明の導電性ポリマーは、電池電圧が4.2V以下では絶縁性を有し、電池電圧が4.2Vを越えると前記非水電解液に含まれるアニオンがドーピングされて導電性を発現する膜である。
導電性ポリマーには種々の高分子材料があるが、それらの中には一定電位において、アニオンまたはカチオンがドーピングされて電子伝導度が増加するものが知られている。例えば、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリンおよびこれらの誘導体が挙げられる。これらの導電性高分子材料は対応するアセチレン、ピロール、ベンゼン、ビフェニル、チオフェン、フラン、アニリンおよびこれらの誘導体のモノマーを化学的、電気化学的に重合させることで合成できる。特に、電気化学的に平板電極上に重合させると容易に膜状の導電性ポリマーを作成できる。
これらの導電性ポリマーにアニオンまたはカチオンがドーピングされる電位は、導電性ポリマーとイオンとの組み合わせで変化する。例えば、ポリアセチレンにLi+カチオンがドーピングされる電位は0.4V(Li/Li+)であり、ポリアセチレンにPF6 -アニオンがドーピングされる電位は3.2V(Li/Li+)である。導電性ポリマーの導電率は、ドーピングされるイオンの種類と濃度によって変化する。例えば、イオンがドーピングされていないポリアセチレンの導電率は10-6Ω-1cm-1と低く絶縁体とみなすことができるが、1%のPF6 -アニオンがドーピングされると1Ω-1cm-1、3%以上のPF6 -アニオンがドーピングされると102Ω-1cm-1と金属ほどの高い導電率を発現する。しかし、ここで例示したポリアセチレンは本発明の導電性ポリマーには不適当である。なぜなら、先述のようにポリアセチレンにPF6 -アニオンがドーピングされる電位は3.7V(Li/Li+)であるため、リチウムイオン二次電池が通常に使用される電圧である4.2V以下で高い導電率を有して電池が放電されてしまうからである。発明者らは、4.2Vを越える電池電圧で導電性を発現する導電性ポリマーを探索し、種々検討した結果、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリパラフェニレン及びそれらの誘導体が好ましいことを見出した。チオフェン、フランが重合するときには2位、5位で結合するため誘導体としてはチオフェン、フランの3位および4位置換誘導体が望ましい。ベンゼンの重合体であるポリパラフェニレンは1位、4位で結合しているから誘導体としては2位、3位、5位および6位置換誘導体が望ましい。ポリパラフェニレンをビフェニルから重合する場合も、前記のベンゼン誘導体の二量体に相当するビフェニル誘導体が望ましい。更に具体的には、アルキル基、アセチル基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、スルホ基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、イミノ基、シアノ基、アリール基、チオール基、スルホ基、フェニル基、アリル基、アゾ基、ナフチル基、カルボニトリル基などの官能基並びにフッ素、塩素、臭素、硫黄などのハロゲンとの置換誘導体が挙げられる。これらの中で電子吸引性の基やハロゲンの置換誘導体ポリマーにアニオンがドーピングされて導電性を発現する電位は高く、電子供与性の基の置換誘導体ポリマーにアニオンがドーピングされて導電性を発現する電位は低くなる傾向があり、置換基の種類と数を選択することで導電性を発現する電位を制御できる。ポリチオフェン誘導体並びにポリフラン誘導体については、その3位と4位を共に置換した誘導体よりも一方のみを置換した誘導体の方が、導電率が高くなるため更に好適である。
(非水電解液二次電池)
本発明の非水電解液二次電池では、円筒型、角型ならびにシート型などの公知の電池構造をとることができる。いずれの形状をとる場合であっても、正極と負極とをセパレータを介して巻回した巻回構造の電極体を電池ケースに収容し、正極集電体ならびに負極集電体から外部に通ずる正極端子ならびに負極端子までの間を集電用リードなどで接続した後、非水電解液を注入し、これを密閉する。
上記正極は、リチウムイオンを吸蔵・脱離できる正極活物質に導電材および結着剤を混合し、適当な溶媒を加えて、ペースト状の正極合材としたものを、アルミニウムなどの金属箔の集電体表面に塗布、乾燥し、その後の圧延によって活物質を含有する層を形成することによって作成する。なお、正極の一部に活物質を含有する層を形成していない部分を設けるには、上記の過程で正極合材を集電体表面に塗布する際に、部分的に塗布しないかもしくは、塗布後に活物質を含有する層を集電体から部分的に剥離する。正極活物質には、リチウム遷移金属複合酸化物あるいは遷移金属ポリアニオン化合物などの公知の正極活物質を用いることができる。リチウム遷移金属複合酸化物は、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、コバルト酸リチウムの変性体、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、ニッケル酸リチウムの変性体、マンガン酸リチウム(LiMn22)、マンガン酸リチウムの変性体、これら酸化物のCo、NiもしくはMnの一部を他の遷移金属元素やアルミニウムなどの典型金属、マグネシウムなどのアルカリ土類金属で置換したものである。遷移金属ポリアニオン化合物は、ナシコン構造あるいはオリビン構造を有するマンガン、鉄、コバルト、ニッケルなどのリン酸化合物または硫酸化合物などである。なお、これらのリチウム遷移金属複合酸化物や遷移金属ポリアニオン化合物を正極活物質として用いる場合には単独で用いるばかりでなくこれらを複数種類混合して用いることもできる。導電材は、正極の活物質を含有する層の電気伝導性を確保するためのものであり、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛などの炭素材料の1種または2種以上を組み合わせたものを用いることができる。結着剤は、活物質および導電材を繋ぎ止め、集電体表面に結着するためのものであり、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、PTFEの変性体、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、PVDFの変性体、フッ素ゴムなどの含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂、変性アクリロニトリルゴム粒子(日本ゼオン(株)製の「BM−500B(商品名)」等)を用いることができる。PTFEやBM−500Bは、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレンオキシド(PEO)、変性アクリロニトリルゴム(日本ゼオン(株)製の「BM−720H(商品名)」等)と併用することが好ましい。これら活物質、導電材、結着剤を分散させる溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶媒や水などを用いることができる。なお、このときペースト状の正極合材の経時安定性や分散性を向上するために界面活性剤などの添加剤を加えることも有効である。集電体としては、アルミニウムなどの正極電位で安定な金属の箔、アルミニウムなどの正極電位で安定な金属を表層に配置したフィルムなどを用いることができる。なお、集電体の集電性を向上するために、表面に凹凸を設けたり、穿孔したりすることができる。上記の導電性ポリマー膜は、正極の一部に活物質を含有する層を形成していない集電体部分と電気的な導通を有しておればよい。なお、膜を圧着して付着させる際には導電性ポリマーの変質温度以下で加熱すると強固に付着できるだけでなく、界面抵抗が減少して好ましい。導電性ポリマーが溶剤に可溶である場合には、その溶液を集電体に塗布、乾燥して導電性ポリマー膜を形成することも可能である。膜厚は限定されないが、薄いと膜抵抗が小さく好ましいが、機械的強度も小さくなり破膜するリスクが高くなる。逆に、厚いと機械的強度が大きくなり好ましいが、膜抵抗が大きくなるため効率的な短絡放電が困難となる。ゆえに導電性ポリマー膜の厚さは0.5〜500μmの範囲が好ましい。なお、負極側の活物質を含有する層を形成していない集電体部分に導電性ポリマー膜を形成した場合は、必ずしも正極側に導電性ポリマー膜を形成する必要はない。
上記負極は、リチウムイオンを吸蔵・脱離できる負極活物質に結着剤を混合し、適当な溶媒を加えて、ペースト状の負極合材としたものを、銅などの金属箔の集電体表面に塗布、乾燥し、その後の圧延によって活物質を含有する層を形成することによって作成する。なお、負極の一部に活物質を含有する層を形成していない部分を設けるには、上記の過程で負極合材を集電体表面に塗布する際に、部分的に塗布しないかもしくは、塗布後に活物質を含有する層を集電体から部分的に剥離する。負極活物質には、各種天然黒鉛、各種人造黒鉛、石油コークス、炭素繊維、有機高分子焼成物、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどの炭素材料、酸化物、シリサイド等のシリコン、スズ含有複合材料、各種金属もしくは合金材料などの公知の活物質を用いることができる。結着剤は、特に限定されないが、少量で結着性を発揮できる観点からゴム粒子が好ましく、特にスチレン単位およびブタジエン単位を含むものが好ましい。例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、SBRの変性体などを用いることができる。負極結着剤としてゴム粒子を用いる場合には、水溶性高分子からなる増粘剤を併用することが望ましい。水溶性高分子としては、セルロース系樹脂が好ましく、特にCMCが好ましい。結着剤には、他にPVDF、PVDFの変性体などを用いることもできる。集電体としては、銅などの負極電位下で安定な金属の箔、銅などの負極電位下で安定な金属を表層に配置したフィルムなどを用いることができる。なお、集電体の集電性を向上するために、表面に凹凸を設けたり、穿孔したりすることができる。上記の導電性ポリマー膜は、負極の一部に活物質を含有する層を形成していない集電体部分と電気的な導通を有しておればよい。なお、膜を圧着して付着させる際には導電性ポリマーの変質温度以下で加熱すると強固に付着できるだけでなく、界面抵抗が減少して好ましい。導電性ポリマーが溶剤に可溶である場合には、その溶液を集電体に塗布、乾燥して導電性ポリマー膜を形成することも可能である。膜厚は限定されないが、正極の場合と同様の理由で、0.5〜500μmの範囲が好ましい。なお、正極側の活物質を含有する層を形成していない集電体部分に導電性ポリマー膜を形成した場合は、必ずしも負極側に導電性ポリマー膜を形成する必要はない。
上記セパレータは、電池の使用環境に耐え得る材料で、電解液のイオンを透過させ、正負極間を絶縁する性質の微多孔膜や不織布であれば特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂からなる微多孔膜を用いることが一般的である。ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが用いられる。微多孔膜は、1種の樹脂からなる単層膜であってもよく、2種以上の樹脂からなる多層膜、あるいは樹脂とアルミナなどの無機材料からなる多層膜であってもよい。
ケースは、特に限定されるものではなく、公知の材料、形態で作成することができる。材料には、アルミニウム合金、ニッケルめっきを施した鉄合金、各種樹脂と金属との積層体などが使用されるのが一般的である。形態は、作成する電池の形状に応じて、円筒型や角型の有底缶や袋状である。
上記非水電解液は、有機溶媒に電解質を溶解させたものである。有機溶媒は、通常の非水電解液二次電池に用いられる有機溶媒であれば特に限定されるものではなく、例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等を用いることができる。特に、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)などの高誘電率溶媒と、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)などの低粘性溶媒との混合溶媒が好ましい。また、副溶媒として、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)およびγ−ブチロラクトン(GBL)などを用いてもよい。なお、保存特性、サイクル特性、安全性などの電池特性を向上する目的で種々の添加剤を用いることもできる。特に、ビニレンカーボネート(VC)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)、およびそれらの誘導体などを非水電解液に添加することが好ましい。電解質は、LiPF6、LiBF4、LiClO4およびLiAsF6から選ばれる無機塩、該無機塩の誘導体、LiSO3CF3、LiC(SO3CF32、LiN(SO3CF32、LiN(SO2252およびLiN(SO2CF3)(SO249)から選ばれる有機塩、並びにその有機塩の誘導体を用いることができる。これらの中で、LiPF6、LiBF4を用いると、先述のように、これらから生成したアニオンがドーピングされた導電性ポリマーの導電率が高くなり、過充電時の短絡放電を効率的に行うことができるので本発明では特に好ましい。電解質の濃度については特に限定されるものではないが、通常は0.5〜2.0mol/lの範囲で用いられる。
以下に本発明の非水電解液電池について実施例のリチウムイオン二次電池に基づいて説明する。
(導電性ポリマー膜)
本実施例の導電性ポリマー膜はいずれも米国Rieke Metals,Inc.製で厚さ30〜50μmの下記のものを用いた。
導電性ポリマー膜1 ポリパラフェニレン、導電性ポリマー膜2 ポリ(2−メチルパラフェニレン)、導電性ポリマー膜3 ポリ(2,3−ジメチルパラフェニレン)、導電性ポリマー膜4 ポリ(2,5−ジメチルパラフェニレン)、導電性ポリマー膜5 ポリ(2,6−ジメチルパラフェニレン)、導電性ポリマー膜6 ポリ(2−ブロモパラフェニレン)、導電性ポリマー膜7 ポリ(2−カルボニトリルパラフェニレン)、導電性ポリマー膜8 ポリ(2−メトキシパラフェニレン)、導電性ポリマー膜9 ポリ(2−エトキシパラフェニレン)、導電性ポリマー膜10 ポリチオフェン、導電性ポリマー膜11 ポリ(3−メチルチオフェン)、導電性ポリマー膜12 ポリ(3−エチルチオフェン)、導電性ポリマー膜13 ポリ(3−プロピルチオフェン)、導電性ポリマー膜14 ポリ(3−ブチルチオフェン)、導電性ポリマー膜15 ポリ(3−ペンチルチオフェン)、導電性ポリマー膜16 ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、導電性ポリマー膜17 ポリ(3−オクチルチオフェン)、導電性ポリマー膜18 ポリ(3−デシルチオフェン)、導電性ポリマー膜19 ポリ(3−ドデシルチオフェン)、導電性ポリマー膜20 ポリ(3−フェニルチオフェン)、導電性ポリマー膜21 ポリ(3−カルボニトリルチオフェン)、導電性ポリマー膜22 ポリ(3−(エチル−5−ペンタノエート)チオフェン)、導電性ポリマー膜23 ポリ(3−(エチル−6−ヘキサノエート)チオフェン)、導電性ポリマー膜24 ポリ(3−(エチル−7−ヘプタノエート)チオフェン)、導電性ポリマー膜25 ポリフラン、導電性ポリマー膜26 ポリ(3−メチルフラン)、導電性ポリマー膜27 ポリ(3−エチルフラン)、導電性ポリマー膜28 ポリ(3−プロピルフラン)、導電性ポリマー膜29 ポリ(3−ブチルフラン)、導電性ポリマー膜30 ポリ(3−ペンチルフラン)、導電性ポリマー膜31 ポリ(3−ヘキシルフラン)、導電性ポリマー膜32 ポリ(3−オクチルフラン)、導電性ポリマー膜33 ポリ(3−デシルフラン)、導電性ポリマー膜34 ポリ(3−ドデシルフラン)、導電性ポリマー膜35 ポリ(3−フェニルフラン)、導電性ポリマー膜36 ポリ(3−カルボニトリルフラン)、導電性ポリマー膜37 ポリ(3−(エチル−5−ペンタノエート)フラン)、導電性ポリマー膜38 ポリ(3−(エチル−6−ヘキサノエート)フラン)、導電性ポリマー膜39 ポリ(3−(エチル−7−ヘプタノエート)フラン)。
(リチウムイオン二次電池)
本実施例のリチウムイオン二次電池は、組成式LiCoO2で表されるコバルト酸リチウムを正極活物質として用い、グラファイトを負極活物質として用いたリチウムイオン二次電池である。
a)正極の作成
正極活物質としてコバルト酸リチウム3kgと、正極結着剤として呉羽化学(株)製の「#1320(商品名)」(PVDFを12重量%含むNMP溶液)1kgと、導電剤としてアセチレンブラック90gと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、ペースト状の正極合材を調製した。この正極合材を正極集電体である厚み15μmのアルミニウム箔の両面に、正極リードの接続部と導電性ポリマー膜の接合部を除いて塗布し、乾燥後の塗膜をローラで圧延して、活物質層密度(活物質重量/合剤層体積)が3.3g/cm3の活物質を含有する層を形成した。この際、アルミニウム箔および活物質を含有する層からなる極板の厚みを160μmに制御した。その後、円筒型電池(品番18650)の電池缶に挿入可能な幅に極板をスリットし、正極のフープを得た。
b)負極の作成
負極活物質として人造黒鉛3kgと、負極結着剤として日本ゼオン(株)製の「BM−400B(商品名)」(スチレン−ブタジエン共重合体の変性体を40重量%含む水性分散液)75gと、増粘剤としてCMCを30gと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、ペースト状の負極合材を調製した。この負極合材を負極集電体である厚さ10μmの銅箔の両面に、負極リード接続部と導電性ポリマー膜の接合部を除いて塗布し、乾燥後の塗膜をローラで圧延して、活物質層密度(活物質重量/合剤層体積)が1.4g/cm3の活物質を含有する層を形成した。この際、銅箔および活物質を含有する層からなる極板の厚みを180μmに制御した。その後、円筒型電池(品番18650)の電池缶に挿入可能な幅に極板をスリットし、負極のフープを得た。
c)非水電解液の調製
ECとDMCとEMCとを体積比2:3:3で含む非水溶媒の混合物に、電解質を1mol/lの濃度で溶解して非水電解液を調製した。また、非水電解液100重量部あたり、VCを3重量部添加した。電解質としてLiPF6を用いたものを電解液A、電解質としてLiBF4を用いたものを電解液B、電解質としてLiClO4を用いたものを電解液C、電解質としてLiAsF6を用いたものを電解液Dと称する。
d)電池の作製
上述の導電性ポリマー膜、正極、負極および非水電解液を用いて、以下の要領で品番18650の円筒型電池を作製した。まず、正極と負極とをそれぞれ所定の長さに切断した。正極リード接続部には正極リードの一端を、負極リード接続部には負極リードの一端をそれぞれ接続した。導電性ポリマー膜は正極の接合部に、正極幅と同一幅で巻回方向に5cmの長さに圧着した。図1にこれら正極と負極の図を示す。その後、正極の導電性ポリマー膜を接合した部分と負極の活物質を含有する層がない集電体部分とが対向するように合致させ、正極と負極の活物質を含有する層が対向する部分には厚み15μmのポリエチレン樹脂製の微多孔膜からなるセパレータを介して巻回し、円筒状の電極体を構成した。正極と負極の導電性ポリマー膜の接合部にはセパレータは介されていない。電極体の外面はセパレータで介装した。この電極体を、上部絶縁リングと下部絶縁リングで挟まれた状態で、電池缶に収容した。次いで、上記の非水電解液を5g秤量し、電池缶内に注入し、133Paに減圧することで極板群に含浸させた。
正極リードの他端は電池蓋の裏面に、負極リードの他端は電池缶の内底面に、それぞれ溶接した。最後に電池缶の開口部を、周縁に絶縁パッキンが配された電池蓋で塞いだ。こうして設計容量2Ahの円筒型リチウムイオン二次電池を作成した。その後、各電池に対して、3V〜4.2V間を400mAの定電流で2サイクルの充放電を行い電池を完成させた。
(実施例1〜156のリチウムイオン二次電池)
前記の電池の作成において、上記の導電性ポリマー膜1〜39と電解液A〜Dとを組み合わせた実施例1〜156のリチウムイオン二次電池を区別して実施電池1A、実施電池1B〜実施電池39Dと称する。例えば、実施電池1Aとは、導電性ポリマー膜1、すなわちポリパラフェニレンと電解液A、すなわち電解質としてLiPF6を用いた非水電解液を用いて実施したリチウムイオン二次電池である。
(比較例1〜4のリチウムイオン二次電池)
本比較例のリチウムイオン二次電池は、上記の電池の作成において導電性ポリマーを用いておらず、正極と負極の活物質を含有する層がない集電体部分にもポリエチレン樹脂製の微多孔膜からなるセパレータを介して巻回したこと以外は実施例のリチウムイオン二次電池と同様の構成、製造方法である。ここで用いた電解液A〜Dのリチウムイオン二次電池を区別して比較電池A〜比較電池Dと称する。
(比較例5〜7のリチウムイオン二次電池)
本比較例のリチウムイオン二次電池は、上記の正極の作成と負極の作成においてリード接続部のみを除いて合材を塗布し、上記の電池の作成において導電性ポリマー膜を正極と負極の活物質を含有する層がある正極と負極間に配置して電極体を構成したリチウムイオン二次電池である。すなわち、過充電時の導電性ポリマーによる短絡を正極と負極の活物質を含有する層がある部分で起こるように構成したものである。いずれも非水電解液は電解液Aを用いた。ここではポリチオフェン、ポリフラン、ポリパラフェニレンの3種類の導電性ポリマーを用いた。
(過充電試験)
各実施例および比較例のリチウムイオン二次電池を20℃の環境温度で、設計容量に対して0.5時間率 すなわち4Aの定電流で2時間の充電を行いながら電池の端子電圧と熱電対を用いて表面温度を測定した。
(結果)
過充電試験の典型的な結果を図2に示す。図2は、横軸に4Aの定電流充電を開始してからの経過時間、左側縦軸に電池電圧、右側縦軸に電池の表面温度を示したグラフである。
実施例と比較例のリチウムイオン二次電池共に充電によって電池電圧と表面温度は上昇していった。
比較例1〜4のリチウムイオン二次電池は45分あたりで電池電圧が急に増加した。これは過充電の進行によって電池の内部抵抗が増大したためである。そして、これに伴って電池温度も急に上昇して熱暴走に至った。
比較例5〜7のリチウムイオン二次電池は50分あたりで電池電圧が一旦平坦になっていることから、ここで導電性ポリマー膜にアニオンがドーピングされて導電性を発現し短絡をしたものと推察される。しかし、この間も表面温度は上昇を続け、70分あたりで熱暴走に至った。これに伴い、電池の内部抵抗が増大し、電池電圧は急激に増加したものと考えられる。
これらに対して、実施例のリチウムイオン二次電池は50分あたりから電池電圧が下降しはじめ、その後も徐々に電圧は下がっていったことから、充電している4Aの電流以上の高率で内部短絡放電したものと考えられる。温度は緩やかに上昇を続けたが、試験終了まで熱暴走に至ることはなかった。この実施例と比較例5〜7の挙動の違いは次のような原因が考えられる。
実施例と比較例5〜7の電池は共に作成した機構上、電池電圧が4.2Vを越えると導電性ポリマー膜に非水電解液に含まれるアニオンがドーピングされて導電性を発現し短絡を起こすことは同一である。しかし、比較例5〜7の導電性ポリマー膜は正極と負極の活物質を含有する層の間に設けたことから、短絡は正極の活物質を含有する層と負極の活物質を含有する層との間に生じる。一般に正極の活物質を含有する層の電気抵抗は、負極の含有する層の電気抵抗や集電体の電気抵抗よりも大きい。ゆえに、短絡電流が流れる経路の電気抵抗が高くなり、高率放電ができないだけでなく、ジュール発熱も大きくなる。よって過充電電流が大きい場合には、過充電の進行を抑止するのが困難になるだけでなく、電気抵抗の大きな活物質を含有する層での大きなジュール発熱が正極の分解をひき起こし、解離した酸素が近傍の負極活物質や電解液を酸化して熱暴走に至るものと考えられる。一方、実施例の導電性ポリマー膜は正極と負極の活物質を含有する層がない部分、すなわち正極と負極の集電体との間に介されているから、短絡電流が流れる経路の電気抵抗は小さい。ゆえに、高率な短絡放電が可能であり、充電電流が大きい場合でも過充電の進行を防ぐことができるだけでなく、むしろ充電深度を下げる程度に放電することも可能であり、電池をより熱安定な状態にすることができる。また、実施例の短絡電流は、比較例5〜7の短絡電流よりも大きいが、短絡電流が流れる経路の電気抵抗が小さいためにジュール発熱量は同等以下に少なくすることができる。そして、短絡電流が流れる経路に正極の活物質を含有する層はない。ゆえに正極活物質が分解して酸素を解離し、それが負極活物質や電解液を酸化する熱暴走の原因を排除できることから、安全性に極めて優れた非水電解液二次電池を提供することができる。
図2には、過充電試験の結果を典型的なグラフで示したが、数多くの実施例の結果の差異を明確にするために、その結果を数値で表1に示した。表1には、実施例の各電池名称と導電性ポリマーと非水電解液の種類、および過充電試験での短絡電圧(すなわち、非水電解液に含まれるアニオンが導電性ポリマーにドーピングされて導電性を発現したことによる短絡電圧)と電池の最高到達温度を示した。
Figure 2006196340
実施例のいずれにおいても電池は熱暴走することなく極めて優れた安全性を示した。短絡は4.23〜4.97Vの範囲で起こっており、最高温度は最も高い場合でも85.5℃であった。導電性ポリマーの種類で比較すると、ポリチオフェンとその誘導体の短絡電圧が低い傾向があり、ポリパラフェニレンとその誘導体の短絡電圧が高い傾向があったが、いずれも良好な安全性を示した。非水電解液の種類で比較すると、電解液Aと電解液Bの短絡電圧は低く、最高温度も低い傾向を示し、電解液Cと電解液Dの短絡電圧は高く、最高温度も高い傾向を示した。ゆえに、非水電解液に含まれるアニオンとしては、PF6 -、BF4 -の方が好ましい傾向があった。
このように短絡電流は用いる導電性ポリマー膜の材料によって変化する。ゆえに、将来のリチウムイオン二次電池の充電電圧が現在の4.2Vよりも高くなったとしても、本実施例で述べた材料から短絡電圧が適切なものを選択することで本発明と同様の効果が得られることは明らかであろう。
以上説明したように、本発明にかかる非水電解液二次電池は、正極集電体に正極活物質を含有する層を形成してなる正極と、負極集電体に負極活物質を含有する層を形成してなる負極とを、セパレータを介して巻回した巻回構造の電極体を電池ケースに収容し、その後に非水電解液を注入してなる非水電解液二次電池であって、前記巻回構造の電極体における前記正極集電体の露出部と前記負極集電体の露出部が導電性ポリマー膜を介して対向し、かつ前記導電性ポリマー膜は、電池電圧が所定電圧以下では絶縁性を有し、電池電圧が所定電圧を越えると前記非水電解液に含まれるアニオンがドーピングされて導電性を発現する膜を用いることで、電池の過充電を防止するとともに、正極活物質と負極活物質、非水溶媒の共存する個所での内部短絡を防止することができるため安全性に極めて優れており、非水電解液二次電池全般に有用である。
本実施例における正極および負極の構造を示す模式図 本実施例における充電時間と電池電圧および電池温度との関係を示す図
符号の説明
1 正極活物質
2 導電性ポリマー膜
3 正極リード
4 負極活物質
5 負極芯材
6 負極リード

Claims (4)

  1. 正極集電体に正極活物質を含有する層を形成してなる正極と、負極集電体に負極活物質を含有する層を形成してなる負極とを、セパレータを介して巻回した巻回構造の電極体を電池ケースに収容し、非水電解液を注入してなる非水電解液二次電池であって、前記巻回構造の電極体における前記正極集電体の露出部と前記負極集電体の露出部が導電性ポリマー膜を介して対向し、かつ前記導電性ポリマー膜は、電池電圧が所定電圧以下では絶縁性を有し、電池電圧が所定電圧を越えると導電性を有することを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 前記所定電圧が4.2Vであることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池。
  3. 上記導電性ポリマー膜の材料はポリチオフェン、ポリフラン、ポリパラフェニレン及びそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも一つである請求項1または2に記載の非水電解液二次電池。
  4. 上記非水電解液に含まれるアニオンは、PF6 -、BF4 -の少なくとも1種である請求項1から3のいずれかに記載の非水電解液二次電池。
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