JP4907996B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解液二次電池、特に電池電圧が所定電圧を超えると溶解する金属を正極に適用した非水電解液二次電池に関する。
パソコン、携帯電話、デジタルカメラ、カムコーダなどの携帯機器に用いる電源として、エネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池をはじめとする非水電解液二次電池が広く普及するに至っている。また、環境問題や資源問題から、近い将来に求められる電気自動車の駆動電源としても、エネルギー密度の高い非水電液二次電池の開発が進められている。
今日の非水電解液二次電池に用いられている非水電解液には、一般的に可燃性の非水溶媒が含まれている。また、正極活物質にはコバルト酸リチウムなどの金属酸化物が、負極活物質には黒鉛などの炭素材料が使用されている。従って、何らかの原因で非水電解液二次電池が異常に温度上昇すると、正極活物質が分解して酸素を発生し、その酸素が負極活物質や非水溶媒を酸化すると、電池が破裂、熱暴走する危険性がある。この非水電解液二次電池の異常な温度上昇には、過充電による、電池の全体的な温度上昇と、内部短絡による、電池の局所的な温度上昇とがある。この両者が同時に起こると、前記の危険性は更に高くなる。よって、電池の安全性を向上するためには、過充電を防止するとともに、正極活物質、負極活物質、および非水溶媒の共存する個所での内部短絡を防止することが求められる。
電池の過充電を防止するための従来技術としては、イオンのドーピングにより導電性を発現する導電性物質を正極と負極との間に存在させることで、電池が過充電に至ると正極と負極とを短絡して過充電を防止する技術がある(例えば、特許文献1並びに2参照)。また、正極にオーステナイト系ステンレス鋼粉末を添加することで、正極と負極とを短絡して過充電を防止する技術がある(特許文献3参照)。
特許文献1は、正極と負極との間に、これら両極に接してイオンのドーピングによって導電性を発現するポリマーを含むセパレータを介在させることで、過充電時に正極と負極との間に内部短絡を発生させ、更なる過充電を防止する技術を開示している。また、特許文献2は、過充電電圧で重合して導電性ポリマーを生成するモノマーを電解質中に添加することにより、生成した導電性ポリマーが正極と負極との間に内部短絡を発生させ、過充電を防止する技術を開示している。特許文献3は、過充電電圧で溶解するオーステナイト系ステンレス鋼粉末を正極中に添加することで、溶解した金属が負極に析出して正極と負極との間に内部短絡を発生させ、過充電を防止する技術を開示している。
特開平2−199769号公報 特開平10−321258号公報 特許第3353455号公報
しかしながら、上記の従来技術では、発生する内部短絡は、正・負極間の正極活物質、負極活物質、および非水溶媒の共存する個所である。電池が過充電に至り、正極活物質を分解させるほど温度は高くない状態にありながら、正極活物質が存在する個所で正極と負極とが短絡すると、その短絡個所には短絡電流によるジュール熱が発生するため、局所温度はさらに上昇し、正極活物質が容易に分解して酸素を発生する。ゆえに、電池の内部圧力が上昇して電池が破裂する危険性が高くなる。更には、その局所温度が非水溶媒の発火温度、あるいは負極活物質の酸化反応温度を超えると、正極活物質から生成した酸素は、それらを燃焼させ、電池が熱暴走する危険性が高くなる。
そこで本発明では、過充電を防止するとともに、正極活物質、負極活物質、および非水溶媒の共存する個所での内部短絡を防止することにより、安全性に極めて優れた非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
本発明は、正極集電体および前記正極集電体に担持された正極合剤層を有する正極板と、負極集電体および前記負極集電体に担持された負極合剤層を有する負極板とを、両者間にセパレータを介在させて捲回した電極群、並びに非水電解液を具備する非水電解液二次電池であって、前記正極板および負極板はそれぞれ少なくとも一部に集電体の露出部を有し、前記正極集電体の露出部で、かつ前記負極集電体の露出部と対向する部分の表面に、電池電圧が4.2V以上の所定電圧を超えると前記非水電解液に溶解する金属(ただし、リチウム電極基準で6V以上の電位まで溶解しない金属は除く)が設けられており、前記金属が、鉄合金、銅合金およびコバルト合金からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、前記合金がクロムを0.1〜45wt%含有している非水電解液二次電池を提供する。
つまり、本発明の非水電解液二次電池においては、正極板および負極板は、少なくとも一部に活物質を担持しない集電体の露出部を設け、正極集電体の露出部の表面に、電池が過充電状態である所定電圧、すなわち通常使用時の最大充電電圧、を越えると溶解する金属を電気的に導通するように配置する。この電池は、過充電時には、正極側の前記金属が非水電解液に溶解して負極側の集電体上に析出し、正極板と負極板とを短絡して更なる過充電の進行を防止する。そして短絡は、正極活物質と負極活物質とが存在しない個所で発生するため、正極活物質からの酸素の発生を抑止することができる。ゆえに、電池の内部圧力が上昇することもなく、電池の破裂を防止でき、更には負極活物質と電解液の燃焼も防止することができる。
前記金属は、電池電圧が4.2Vを越えると溶解する金属であり、さらに鉄合金、銅合金およびコバルト合金からなる群より選ばれる少なくとも一つの合金であり、前記合金中にクロムを0.1〜45wt%含有しており、0.1〜30wt%含有していることが好ましい。鉄−クロム合金、銅−クロム合金、およびコバルト−クロム合金に含まれるクロムは、合金表面に不動態膜を形成し、金属の腐食を抑制する作用を示す。鉄、銅およびコバルトが3.4〜3.6V(対リチウム電極)の電位で容易に溶解するのに対して、クロムは6.0V(対リチウム電極)に至るまでほとんど溶解しない。鉄−クロム合金、銅−クロム合金、およびコバルト−クロム合金は、そのクロム含量に応じて、溶解電位と溶解反応速度が変化する。
一方、前記金属として、非水電解液電池の通常使用状態である電池電圧が4.2V以下で溶解する金属を用いると、通常使用状態でも短絡を引き起して電池容量が減少してしまう。また、4.2Vを超える過充電状態で過充電が進行するほど、正極活物質は不安定になって分解されやすくなるので、前記金属は、4.2Vを超えるができるだけ低い過充電電圧で溶解し、負極側に析出して短絡放電を生じさせることが望ましい。また、この短絡状態のときに流れる過充電電流は、電池の充電反応と金属の溶解反応とに配分されるため、過充電の進行を抑制するためには、金属の溶解反応速度が速いことが望ましい。一般のオーステナイト系ステンレス鋼は、溶解反応速度が遅いため、高電流の過充電時には好ましくない。更に、短絡時に高率の放電を行うには、析出した金属の電気抵抗は低い方が望ましい。上記のクロムを0.1〜30wt%含有する鉄合金、銅合金およびコバルト合金は、上記に上げたいくつかの要求を満たす好適な材料である。
本発明によると、電池の過充電を防止するとともに、正極活物質、負極活物質、および非水溶媒の共存する個所での内部短絡を防止することができるため、安全性に極めて優れた非水電解液二次電池を提供することができる。
本発明は上記のように、正極集電体に正極活物質を含有する合剤層を形成してなる正極板と、負極集電体に負極活物質を含有する合剤層を形成してなる負極板とを、セパレータを介して捲回した捲回構造の電極群を有する非水電解液二次電池に向けられている。そして、前記捲回された電極群における正極板および負極板は、それぞれ少なくとも一部に集電体の露出部を有し、前記正極集電体の露出部の負極集電体の露出部と対向する部分の表面に、電池電圧が所定電圧を超えると非水電解液に溶解する金属を有する。
発明者らは、後述のように、特定の電位において溶解する金属を鋭意検討した結果、安全性に極めて優れた非水電解液二次電池を提供できることを見出した。特に、電池電圧が4.2Vを超えると溶解する金属として、クロムを0.1〜45wt%含有する、鉄合金、銅合金およびコバルト合金が好ましいことを見出した。
以下に、本発明の非水電解液二次電池について実施の形態に基づき詳細に説明する。本実施形態においては、リチウムイオン二次電池について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態におけるリチウムイオン二次電池の電極群を構成する正極、負極、およびセパレータを示す正面図である。図2は、その電極群の巻き終わり側の横断面図である。これらの図は理解を容易にするためのものであって、各要素の相対的な大きさや位置関係は必ずしも正確ではない。
正極10は、金属箔、例えばアルミニウム箔からなる集電体11並びにその両面に担持された正極合剤層12aおよび12bからなる。正極10は、電極群に捲回する際外側となる面の、巻き始め側には、集電体が露出しており、そこに正極リード14が溶接により接続されている。また、正極の外側となる面の、巻き終わり側には、集電体11の露出部11eが設けてあり、正極合剤層12aの端部との間に間隔を隔てて、電池電圧が所定の値を超えると溶解する金属層15が、例えば溶接により固定されている。正極の内側となる面においては、集電体11は正極合剤層12bにより覆われている。
負極20は、金属箔、例えば銅箔からなる集電体21、並びにその両面に担持された負極合剤層22aおよび22bからなる。負極は、巻き始め側では、集電体21はその両面が負極合剤層22aおよび22bにより覆われているが、巻き終わり側では、負極合剤層により覆われない、露出部21eが設けてある。図示の例では、露出部21eの内側の面に、負極合剤層22bの端部に接して、負極リード24が溶接により接続されている。
金属層15は、正極合剤層と接しない位置において、集電体11の露出部11eに接合されており、かつこれと対向する負極部分は、負極合剤層のない集電体の露出部21eである。
上記のような構造のリチウム二次電池において、充電時に、電池電圧が所定の値、例えば4.2Vを超えると、金属層15は陽極酸化により非水電解液中に溶解する。溶解した金属イオンは、金属層15と対向する位置の、負極20の集電体の露出部21eに達し、そこで還元されて金属として析出する。その析出金属により正・負極が短絡し、さらなる過充電の進行が防止される。
次に、電池電圧が4.2Vを超えると溶解する金属について説明する。
各種の金属は、非水電解液中で正の電位を印加されると、その材料に特有の溶解挙動を示す。発明者らは鋭意検討を重ねて実験した結果、本発明に適した金属を見出した。例えば、リチウム電極(Li/Li+)基準で、亜鉛は2.6V、スズは2.6V、鉄は3.4V、銅、銀およびコバルトは3.6Vまたはそれ以上の電位を印加されると顕著に溶解する。また、ニオブは3.2V、タンタルは3.2V、モリブデンは3.9V、タングステンおよびバナジウムは4.2V、パラジウムは5.1Vまたはそれ以上で緩やかに溶解する。
しかし、アルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、ジルコニウム、白金、金、ハフニウムなどは6.0Vの電位までほとんど溶解しないかまったく溶解しない。これらの金属を成分とする合金は、その組成、結晶構造、組織状態に応じて、材料に特有の溶解挙動を示す。
上記の顕著に溶解する金属を成分とする合金、例えば銅−亜鉛合金、銅−スズ合金などは2.6〜3.6V以上で顕著に溶解する。また、顕著に溶解する金属とほとんど溶解しないかまったく溶解しない金属とを成分としてほぼ等量含む合金、例えば、銅−ニッケル合金、鉄−ニッケル合金などは、ほとんど溶解しないかまったく溶解しない。しかし、ほとんど溶解しないかまったく溶解しない金属のみを成分とする、例えばニッケル−チタン合金などは、3.3V以上で顕著に溶解する。このように、合金の溶解挙動は、その成分金属単体の溶解挙動から単純には推測できない。
本発明において、正極集電体の露出部の表面に、電気的に導通するように設けられる金属片ないし金属層は、電池の過充電電圧、代表的には4.2V、を超えた電圧で溶解するものである。正極の集電体上において、過充電電圧が印加された金属は、非水電解液に溶解し、対向する負極集電体上に析出する。このようにして負極集電体上に次々と析出する金属により正極集電体と負極集電体とは短絡する。これによって更なる過充電の進行を防止する。過充電電圧を超えた電圧で溶解する金属ならば、材料の制約はない。
本発明において用いる望ましい金属は、上述のように、4.2Vを超える電圧の、できるだけ低い電圧で溶解するものであり、正極活物質がさらに不安定になる高電圧に至らしめない金属である。また、4.2Vを超えた電圧で速やかに溶解するもので、過充電電流中に占める電池の充電反応の割合を少なく、すなわち金属の溶解反応の割合を大きくして、過充電の進行を抑制する金属である。さらに、負極集電体上に析出して短絡したときの電気抵抗が低く、高率の放電を行うことのできる金属である。
発明者らは、このような更に望ましい金属を求めて鋭意検討を行った結果、クロムを0.1〜45wt%含有する、鉄合金、銅合金またはコバルト合金が好適であることを見出した。
上述のように、リチウム電極基準で、鉄は3.4V、銅およびコバルトは3.6Vの電位で顕著に溶解する。したがって、これら単体金属を電池の正極側に適用すると、3.2V以下の通常使用状態でも短絡を引き起して電池容量が減少してしまうから、本発明には採用できない。また、クロムは6.0Vまでほとんど溶解しないから、クロム単体は、4.2Vを超えた電圧で正極と負極とを短絡して過充電の進行を防止することができず、本発明には適用できない。
しかし、鉄、銅あるいはコバルトに、少なくとも0.1wt%のクロムを含有させると、その合金は電池電圧が4.2Vを超えたときに溶解するようになることがわかった。そしてその溶解反応は速く、かつ析出して短絡したときの電気抵抗が低く、本発明に好適な金属であることが確認された。また、鉄、銅あるいはコバルトに、クロムを30wt%を超えて含有させた合金は、電池電圧が4.2Vを超えたときに溶解するから、本発明に適用可能ではあるが、その溶解反応は遅くなる
これらの結果から、クロムは、少量で鉄、銅あるいはコバルトの溶解電位を高める作用
があるが、多量に含有させると溶解反応を抑制する作用があると考えられる。
ゆえに、本発明の非水電解液二次電池で、正極集電体の露出部の表面に電気的に導通するように設ける金属は、クロムを0.1〜45wt%含有する、鉄合金、銅合金あるいはコバルト合金が望ましい。
本発明の非水電解液二次電池は、円筒型、角型ならびにシート型などの公知の電池構造をとることができる。いずれの形状をとる場合であっても、正極と負極とをセパレータを介して捲回した電極群を電池ケースに収容し、正極集電体および負極集電体を、電池外部の正極端子および負極端子にそれぞれリードにより接続した後、非水電解液を注入し、これを密閉する。
正極は、アルミニウムなどの金属箔の集電体およびその表面に形成された正極合剤層からなる。正極合剤層は、次のようにして作製される。まず、リチウムイオンを吸蔵・脱離できる正極活物質、導電材、結着剤、および結着剤の溶媒または分散媒を混合してペースト状の正極合剤を調製する。次に、このペースト状の正極合剤を集電体の表面に塗布し、乾燥し、圧延する。
正極の一部に合剤層を形成していない集電体の露出部を設けるには、上記の過程で正極合剤を集電体の表面に塗布する際に、部分的に塗布しないかもしくは塗布後に合剤層を集電体から部分的に剥離する。
正極活物質には、リチウム遷移金属複合酸化物あるいは遷移金属ポリアニオン化合物などの公知の正極活物質を用いることができる。リチウム遷移金属複合酸化物は、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、コバルト酸リチウムの変性体、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、ニッケル酸リチウムの変性体、マンガン酸リチウム(LiMn24)、マンガン酸リチウムの変性体、またはこれら酸化物のCo、NiもしくはMnの一部を、他の遷移金属元素、アルミニウムのような典型金属、もしくはマグネシウムのようなアルカリ土類金属で置換したものである。遷移金属ポリアニオン化合物は、ナシコン構造あるいはオリビン構造を有する、マンガン、鉄、コバルト、ニッケルのような遷移金属のリン酸塩または硫酸塩である。これらのリチウム遷移金属複合酸化物や遷移金属ポリアニオン化合物を正極活物質として用いる場合には、単独で用いるばかりでなくこれらを複数種類混合して用いることもできる。
導電材は、正極の合剤層の電気伝導性を確保するためのものであり、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛などの炭素材料の1種または2種以上を組み合わせたものを用いることができる。
結着剤は、活物質および導電材を繋ぎ止め、集電体表面に結着するためのものであり、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、PTFEの変性体、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、PVDFの変性体、フッ素ゴムなどの含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂、変性アクリロニトリルゴム粒子(日本ゼオン(株)製の「BM−500B(商品名)」等)を用いることができる。PTFEやBM−500Bは、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレンオキシド、変性アクリロニトリルゴム(日本ゼオン(株)製の「BM−720H(商品名)」等)と併用することが好ましい。
これら活物質、導電材、結着剤を溶解または分散させる媒体としては、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶媒や水などを用いることができる。このときペースト状の正極合剤の経時安定性や分散性を向上するために、界面活性剤などの添加剤を加えることも有効である。
集電体としては、アルミニウムなどの正極電位で安定な金属の箔、アルミニウムなどの正極電位で安定な金属を表層に配置した樹脂フィルムなどを用いることができる。集電体の集電性を向上するために、表面に凹凸を設けたり、穿孔したりすることができる。上記の4.2Vを超えると溶解する金属は、合剤層を形成していない集電体の露出部と電気的な導通を有するように設ければ、その形状に制約はない。例えば、金属箔を集電体の露出表面に接触させるだけでもよい。電極群に捲回することにより前記金属箔は所定位置に固定される。金属箔と集電体とを溶接などにより強固に接合すれば更に好ましい。また、金属粉を上記の結着剤を用いて集電体の露出表面に付着させてもよい。この場合、圧着により接触抵抗を減少させると更に好ましい。金属の量は、負極への析出物がセパレータを貫いて正極と接触すればよいので、数十μgでも十分である。しかし、量が多いほど短絡個所が多くなり、より高率な放電を行うことができるので、電池の設計が許す範囲で多量にするのが好ましい。
負極は、銅などの金属箔の集電体およびその表面に形成された負極合剤層からなる。負極合剤層は、次のようにして作製される。まず、リチウムイオンを吸蔵・脱離できる負極活物質、結着剤、および結着剤の溶媒または分散媒を混合してペースト状の負極合剤を調製する。次に、このペースト状の負極合剤を集電体の表面に塗布し、乾燥し、圧延する。
負極の一部に合剤層を形成していない集電体の露出部を設けるには、上記の過程で負極合剤を集電体表面に塗布する際に、部分的に塗布しないかもしくは塗布後に合剤層を集電体から部分的に剥離する。
負極活物質には、各種天然黒鉛、各種人造黒鉛、石油コークス、炭素繊維、有機高分子焼成物、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどの炭素材料、酸化物、シリサイド等のシリコン、スズ含有複合材料、各種金属もしくは合金材料などの公知の負極活物質を用いることができる。
結着剤は、特に限定されないが、少量で結着性を発揮できる観点からゴム粒子が好ましく、特にスチレン単位およびブタジエン単位を含むものが好ましい。例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、SBRの変性体などを用いることができる。負極の結着剤としてゴム粒子を用いる場合には、水溶性高分子からなる増粘剤を併用することが望ましい。水溶性高分子としては、セルロース誘導体が好ましく、特にカルボキシメチルセルロースが好ましい。結着剤には、他にPVDF、PVDFの変性体などを用いることもできる。
集電体としては、銅などの負極電位下で安定な金属の箔、銅などの負極電位下で安定な金属を表層に配置したフィルムなどを用いることができる。集電体の集電性を向上するために、表面に凹凸を設けたり、穿孔したりすることができる。
セパレータは、電池の使用環境に耐え得る材料で、電解液のイオンを透過させ、正・負極を絶縁する性質の微多孔膜や不織布であれば特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂からなる微多孔膜を用いるのが一般的である。ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが用いられる。微多孔膜は、1種の樹脂からなる単層膜であってもよく、2種以上の樹脂からなる多層膜、あるいは樹脂とアルミナなどの無機材料からなる多層膜であってもよい。
上記の発電要素を収容する電池ケースは、特に限定されるものではなく、公知の材料、形態で作製することができる。材料には、アルミニウム合金、ニッケルめっきを施した鉄合金、各種樹脂と金属との積層体などが使用されるのが一般的である。形態は、作製する電池の形状に応じて、円筒型や角型の有底缶や袋状である。
非水電解液は、有機溶媒に電解質を溶解させたものである。有機溶媒は、通常の非水電解液二次電池に用いられる有機溶媒であれば特に限定されるものではなく、例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等を用いることができる。特に、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの高誘電率溶媒と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの低粘性溶媒との混合溶媒が好ましい。また、副溶媒として、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランおよびγ−ブチロラクトンなどを用いてもよい。保存特性、サイクル特性、安全性などの電池特性を向上する目的で種々の添加剤を用いることもできる。特に、ビニレンカーボネート、シクロヘキシルベンゼン、およびそれらの誘導体などを非水電解液に添加することが好ましい。
電解質は、LiPF6、LiBF4、LiClO4およびLiAsF6から選ばれる無機塩、該無機塩の誘導体、LiSO3CF3、LiC(SO3CF32、LiN(SO3CF32、LiN(SO2252およびLiN(SO2CF3)(SO249)から選ばれる有機塩、並びにその有機塩の誘導体を用いることができる。これらの中で、LiPF6、LiBF4を用いると、先述のように、これらから生成したアニオンがドーピングされた導電性ポリマーの導電率が高くなり、過充電時の短絡放電を効率的に行うことができるので、本発明では特に好ましい。電解質の濃度については特に限定されるものではないが、通常は0.5〜2.0mol/lの範囲で用いられる。
以下に本発明の実施例を説明する。
《実施例1〜24》
本実施例において正極集電体の露出部に設ける金属は次のようにして作製した。まず、合金成分の所定量の単体金属をそれぞれ秤量し、それらの混合物をアルゴン雰囲気中で溶解した。この合金溶湯を、冷却された金属回転ローラ表面に射出する、いわゆるロール急冷法により、厚さ20〜30μmの箔を作製した。本実施例では、表1に示す24種の合金箔を作製した。これら合金は、金属学で常用される表現に従って表しており、例えば、Fe−10Crはクロムを10wt%含む鉄−クロム合金を表す。
本実施例のリチウムイオン二次電池は、組成式LiCoO2で表されるコバルト酸リチウムを正極活物質、グラファイトを負極活物質として用いた。
a)正極の作製
コバルト酸リチウム3kgと、結着剤の呉羽化学(株)製の「#1320(商品名)」(PVDFを12重量%含むNMP溶液)1kgと、導電剤のアセチレンブラック90gと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、ペースト状の正極合剤を調製した。この正極合剤を正極集電体である厚み15μmのアルミニウム箔の両面に、正極リードの接続部と4.2Vを超えると溶解する金属の接合部を除いて塗布し、乾燥後にローラで圧延して、合剤層の密度(合剤層重量/合剤層体積)が3.3g/cm3の合剤層を形成した。この際、アルミニウム箔および合剤層からなる極板の厚みを160μmに制御した。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能な幅5.5cmに極板をスリットし、正極のフープを得た。
b)負極の作製
人造黒鉛3kgと、結着剤の日本ゼオン(株)製の「BM−400B(商品名)」(スチレン−ブタジエン共重合体の変性体を40重量%含む水性分散液)75gと、増粘剤のCMCを30gと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、ペースト状の負極合剤を調製した。この負極合剤を負極集電体である厚さ10μmの銅箔の両面に、負極リード接続部と導電性ポリマー膜の接合部を除いて塗布し、乾燥後にローラで圧延して、合剤層密度(合剤層重量/合剤層体積)が1.4g/cm3の合剤層を形成した。この際、銅箔および合剤層からなる極板の厚みを180μmに制御した。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能な幅5.7cmに極板をスリットし、負極のフープを得た。
c)非水電解液の調製
エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比2:3:3の割合で混合した非水溶媒に、電解質としてのLiPF6を1mol/lの濃度で溶解して非水電解液を調製した。さらに、この非水電解液100重量部あたり、ビニレンカーボネートを3重量部添加した。
d)電池の作製
上述の正極、負極および非水電解液を用いて、以下の要領で品番18650の円筒型電池を作製した。まず、正極と負極とをそれぞれ所定の長さに切断した。正極リード接続部には正極リードの一端を、負極リード接続部には負極リードの一端をそれぞれ接続した。4.2Vを超えると溶解する金属の箔は、大きさ5.5cm×0.5cmであり、図1のように、正極集電体の露出部に、正極合剤層の端部と約5mm隔てて、スポット溶接により接合した。
その後、正極の前記金属を接合した部分と負極の集電体の露出部とが対向するように合致させ、厚み15μmのポリエチレン樹脂製の微多孔膜からなるセパレータを介して捲回し、円筒状の電極群を構成した。電極群の外面は、セパレータで覆うようにした。この電極群を、上部および下部にそれぞれ絶縁リングを当てて、電池ケースに収容した。次いで、上記の非水電解液を5g電池ケース内に注入し、133Paに減圧することにより、電解液を電極群に含浸させた。
正極リードの他端は電池蓋の裏面に、負極リードの他端は電池ケースの内底面に、それぞれ溶接した。最後に電池ケースの開口部を、周縁に絶縁パッキンが配された電池蓋で塞いだ。こうして設計容量2Ahの円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。その後、各電池を400mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、同電流で電池電圧が3.0Vに低下するまで放電する充放電を2サイクル行い、電池を完成させた。
《比較例1》
4.2Vを超えると溶解する金属を用いていないこと以外は実施例と同様にして比較例1の電池を作製した。
《比較例2〜4》
実施例4の合金:Fe−10Cr、実施例12の合金:Cu−10Cr、および実施例20の合金:Co−10Crをそれぞれ正極合剤層の表面に接触させて設けた他は実施例と同様にして比較例2、3および4の電池を作製した。すなわち、過充電時の4.2Vを超えると溶解する金属による短絡を、正極と負極の合剤層がある部分で起こるように構成したものである。
《比較例5》
正極の作製において、特許文献3の実施例に示されている方法に従った。すなわち、コバルト酸リチウムに、その1wt%に相当する量のステンレス鋼SUS316(すなわち、Fe−18Cr−12Ni−2.5Mo合金)の粉末(粒径15μm)を添加したペースト状の正極合剤を調製した。さらに、正極および負極の作製において、リード接続部のみを除いてそれぞれの集電体に正極合剤および負極合剤を形成した。また、4.2Vを超えると溶解する金属を用いなかった。以上の他は実施例と同様にして比較例5の電池を作製した。
《比較例6》
正極集電体の露出部にクロムの箔(厚さ50μm)を設置したこと以外は、実施例と同様にして比較例6の電池を作製した。
《比較例7〜9》
正極集電体の露出部に、それぞれ厚さ30μmの鉄の箔、銅の箔およびコバルトの箔を設置した他は実施例と同様にして比較例7、8および9の電池を作製した。
過充電試験
各実施例および比較例のリチウムイオン二次電池を20℃の環境温度で、設計容量に対して0.5時間率、すなわち4Aの定電流で2時間の充電を行いながら、電池の端子電圧および電池の表面温度を測定した。電池の表面温度は、熱電対を用いて測定した。
電池の評価
まず、比較例7、8、および9の電池は、電池作製直後における400mAの定電流充電で短絡し、電池としての機能を失った。これは、それぞれの電池に用いた鉄、銅、およびコバルトの溶解電位が負極基準で4.2Vよりも低いため、これらの金属の溶解・析出により短絡したものと考えられる。
比較例7〜9を除き、各電池の過充電試験の典型的な結果を図3に示す。図3は、横軸に4Aの定電流充電を開始してからの経過時間、左側縦軸に電池電圧、右側縦軸に電池の表面温度をそれぞれ示したグラフである。図中V1は実施例の電池の典型的な電圧曲線、V2は比較例1および6の電池の典型的な電圧曲線、V3は比較例2〜5の電池の典型的な電圧曲線をそれぞれ示す。また、T1は実施例の電池の典型的な温度曲線、T2は比較例1および6の電池の典型的な温度曲線、T3は比較例2〜5の電池の典型的な温度曲線をそれぞれ示す。
実施例および比較例の電池は、共に充電によって電圧および表面温度は上昇した。さらに詳しく説明すると、比較例1および6の電池は、充電開始後45分付近で電池電圧が急に増加した。これは過充電が進行して正極活物質中のリチウムのほとんどがデインターカレートしたことにより、電池の内部抵抗が増大したためである。そして、これに伴って発熱が増大して、電池温度が急に上昇し、熱暴走に至った。比較例6の電池中のクロムは、過充電試験においてほとんど溶解せず、電池を安全にする作用を示すことはなかった。
比較例2〜5の電池は、充電開始後50分付近で電池電圧が一旦平坦になっていることから、ここで正極側から溶解して負極に析出した金属が短絡を起こしたものと推察される。しかし、この間も電池の表面温度は上昇を続け、70分あたりで熱暴走に至った。この熱暴走に伴い、電池の内部抵抗が増大し、電池電圧は急激に増加したものと考えられる。
これらに対して、実施例1〜24の電池は、充電開始後50分付近から電池電圧が下降しはじめ、その後も徐々に電圧は下がっていった。このことから、充電している4Aの電流以上の高率で内部短絡により放電したものと考えられる。電池の表面温度は緩やかに上昇を続けたが、試験終了まで熱暴走に至ることはなかった。この実施例の電池と比較例2〜5の電池の挙動の違いについて、以下に説明する。
実施例と比較例2〜5の電池は、正極側に設けた、あるいは正極に混入した金属が溶解して負極側に析出し、セパレータを貫く短絡を起こすことは同一である。しかし、比較例2〜5の電池の正極側に設けた、あるいは正極に混入した金属は、正極合剤層の表面あるいはその内部にあることから、短絡は正極の合剤層と負極の合剤層との間に生じる。
一般に、正極の合剤層の電気抵抗は、負極の合剤層の電気抵抗や集電体の電気抵抗よりも大きい。ゆえに、短絡電流が流れる経路の電気抵抗が高くなり、高率放電ができないだけでなく、ジュール発熱も大きくなる。よって過充電電流が大きい場合には、過充電の進行を抑止するのが困難になるだけでなく、電気抵抗の大きな合剤層での大きなジュール発熱が正極の分解を引き起し、解離した酸素が近傍の負極活物質や電解液を酸化して熱暴走に至ったものと考えられる。
一方、実施例の電池では、金属は正極と負極の合剤層がない部分、すなわち、負極集電体に対向する正極集電体の表面に設けているから、短絡電流が流れる経路は、正極集電体−析出金属−負極集電体であり、その電気抵抗は小さい。ゆえに、高率な短絡放電が可能であり、充電電流が大きい場合でも過充電の進行を防ぐことができるだけでなく、むしろ充電深度を下げる程度に放電することも可能であり、電池をより熱安定な状態にすることができる。
また、実施例の電池における短絡電流は、比較例2〜5の電池における短絡電流よりも大きいが、短絡電流が流れる経路の電気抵抗が小さいために、ジュール発熱量は同等以下に少なくすることができる。そして、短絡電流が流れる経路に正極の合剤層はない。ゆえに正極活物質が分解して酸素を解離し、それが負極活物質や電解液を酸化する熱暴走の原因を排除できる。
したがって、本発明によれば、安全性に極めて優れた非水電解液二次電池を提供できることがわかる。
図3には、過充電試験の結果を典型的なグラフで示したが、実施例の結果の差異を明確にするために、その結果を数値で表1に示した。表1には、各電池の4.2Vを超えると溶解する金属の種類、および過充電試験での短絡電圧と電池の最高到達温度を示した。
Figure 0004907996
上記のように、実施例1〜24のいずれの電池も熱暴走することなく極めて優れた安全性を示した。短絡は4.22〜5.66Vの範囲で起こっており、最高温度は最も高い場合でも99.3℃であった。短絡電圧と最高温度は、クロム含量の増加につれて大きくなる傾向が見られるが、鉄−クロム合金、銅−クロム合金、コバルト−クロム合金の種類間で比較すると、短絡電圧、最高温度の両者ともに顕著な差異はなかった。いずれも、クロムの含量が0.1wt%以上で短絡電圧は4.2Vを超えている。なお、クロムの含量が30wt%を超えると、熱暴走はしなかったものの短絡電圧は5Vを超え、最高温度は90℃を超えたことから、鉄合金、銅合金およびコバルト合金は、クロムを0.1〜30wt%含むことが好ましいといえる。
このように短絡電圧は、用いる金属材料によって変化する。ゆえに、将来のリチウムイオン二次電池の充電電圧が現在の4.2Vよりも高くなったとしても、本実施例で述べた材料から短絡電圧が適切なものを選択することにより、本実施例と同様の効果が得られることは明らかであろう。
本発明の非水電解液二次電池は、安全性に優れているので、携帯機器用電源をはじめ、電気自動車などの駆動電源としても有用である。
本発明の一実施例におけるリチウムイオン二次電池の電極群を構成する正極、負極、およびセパレータを示す正面図である。 本発明の一実施例におけるリチウムイオン二次電池の電極群の巻き終わり側の横断面図である。 本発明の実施例および比較例の電池の、充電時における電池電圧および電池の表面温度の経時変化を示す図である。
符号の説明
10 正極
11 正極集電体
11e 露出部
12a、12b 正極合剤層
14 正極リード
15 電池電圧が所定電圧を超えると非水電解液に溶解する金属層
20 負極
21 負極集電体
21e 露出部
22a、12b 負極合剤層
24 負極リード
30 セパレータ

Claims (3)

  1. 正極集電体および前記正極集電体に担持された正極合剤層を有する正極板と、負極集電体および前記負極集電体に担持された負極合剤層を有する負極板とを、両者間にセパレータを介在させて捲回した電極群、並びに非水電解液を具備する非水電解液二次電池であって、前記正極板および負極板はそれぞれ少なくとも一部に集電体の露出部を有し、前記正極集電体の露出部で、かつ前記負極集電体の露出部と対向する部分の表面に、電池電圧が4.2V以上の所定電圧を超えると前記非水電解液に溶解する金属(ただし、リチウム電極基準で6V以上の電位まで溶解しない金属は除く)が設けられており、前記金属が、鉄合金、銅合金およびコバルト合金からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、前記合金がクロムを0.1〜45wt%含有している、非水電解液二次電池。
  2. 前記所定電圧が4.2Vである請求項1に記載の非水電解液二次電池。
  3. 前記正極集電体の露出部および前記負極集電体の露出部が、互いに対向するように、それぞれ前記電極群の巻き終わり側の端部に配置されている請求項1または2記載の非水電解液二次電池。
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