JP2009117162A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract


【課題】 サイクル特性、保存特性などの電池特性に優れ、過充電に対する安全性を高めた非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】 正極集電体4に正極活物質を有する正極合剤層3を形成した正極2と、負極集電体8に負極活物質を有する負極合剤層7を形成した負極6とを、セパレータ5を介して巻回した電極体を外装材に収容し、非水電解液を注入してなる非水電解液二次電池であって、電極体における正極集電体4の正極合剤層を形成しない露出部と負極集電体8の負極合剤層を形成しない露出部が、セパレータ5とイオン導電性を有するポリマーゲル電解質層1を介して対向し、ポリマーゲル電解質層1は、電池電圧が所定電圧以下では電子絶縁性を有し、電池電圧が所定電圧を越えた電圧で電子導電性を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、非水電解液二次電池に関し、特に過充電に対する安全性、サイクル特性、および保存特性などの電池特性に優れた非水電解液二次電池に関する。
小型の電子機器、例えば、パソコン、携帯電話、デジタルカメラ、カムコーダなどに用いる電源としてエネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池をはじめとする非水電解液二次電池が広く用いられている。また、環境問題、資源問題から近年においてはエネルギー密度の高い非水電解液二次電池の開発が電気自動車の駆動電源等の用途としても進められている。
非水電解液二次電池に用いられている非水電解液には、一般的に可燃性の非水溶媒が含まれており、電池内部から電解液の漏液があると安全上問題となる。電池内部からの漏液の原因の一つとして過充電があげられる。電池が何らかの異常により過充電状態になった場合には、電池温度が上昇し漏液に至ることがある。よって、過充電を防止することにより電池の安全性は向上する。
電池の過充電を防止するための従来技術として、特許文献1では正極と負極との間にイオンのドーピングにより導電性を発現する高分子物質を含むセパレータを介在させ、過充電時に正極と負極との間に内部短絡を発生させ、更なる過充電を防止する技術が開示され、特許文献2では過充電電圧で重合して導電性ポリマーを生成するモノマー添加剤を電解質中に添加することで、生成した導電性ポリマーが正極と負極との間に内部短絡を発生させ、過充電を防止する技術を開示している。
しかしながら、特許文献1、2の技術では導電性ポリマーにより発生する内部短絡は、正負極間の正極活物質と負極活物質、非水溶媒の共存する個所である。電池が過充電に至り、その正極活物質が存在する個所で正極と負極とが短絡すると、その短絡個所には短絡電流によるジュール熱が発生するために局所温度は上昇する。
また、特許文献1、2を改善した技術として、特許文献3では、過充電を防止するとともに、正極活物質と負極活物質、非水溶媒の共存する個所での内部短絡を防止する技術を提案している。即ち、正極集電体に正極活物質を含有する層を形成してなる正極と、負極集電体に負極活物質を含有する層を形成してなる負極とを、セパレータを介して巻回した巻回構造の電極体を電池ケースに収容し、非水電解液を注入してなる非水電解液二次電池であって、巻回構造の電極体における正極集電体の露出部と負極集電体の露出部が導電性ポリマー膜を介して対向し、かつ導電性ポリマー膜は、電池電圧が所定電圧以下では絶縁性を有し、電池電圧が所定電圧を越えると導電性を有するものである。
特許文献3の技術では、電池が過充電に至ると、導電性ポリマー膜が導電性を有することで、活物質、電解液を介在する短絡ではないため、上記の電池の温度上昇はない。しかしこの技術では、正極集電体と負極集電体の間に導電性ポリマーのみが配置されている。ポリマー膜は、薄いと膜抵抗が小さく好ましいが、機械的強度も小さくなり破膜するリスクが高くなる。逆に、厚いと機械的強度が大きくなり好ましいが、膜抵抗が大きくなるため効率的な短絡放電が困難となるという問題がある。
さらに、特許文献4では、電解液にシクロヘキシルベンゼン及びtert-アルキルベンゼン誘導体を含有させて、過充電を防止する技術を開示している。
特開平2‐199769号公報 特開平10‐321258号公報 特開2006‐196340号公報 特開2006‐210358号公報
本発明の課題は、サイクル特性、保存特性などの電池特性に優れ、過充電に対する安全性を高めた非水電解液二次電池を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の非水電解液二次電池は、正極集電体に正極活物質を有する正極合剤層を形成した正極と、負極集電体に負極活物質を有する負極合剤層を形成した負極とを、セパレータを介して巻回した電極体を外装材に収容し、非水電解液を注入してなる非水電解液二次電池であって、前記電極体における前記正極集電体の露出部と前記負極集電体の露出部が、セパレータとイオン導電性を有するポリマーゲル電解質層を介して対向し、前記ポリマーゲル電解質層は、電池電圧が所定電圧以下では電子絶縁性を有し、電池電圧が所定電圧を越えた電圧で電子導電性を有することを特徴とする。
また、前記ポリマーゲル電解質層は、イオン導電性ゲル電解質を主成分とし、電池電圧が所定電圧以下では電子絶縁性を有し、電池電圧が所定電圧を越えた電圧で重合して電子導電性を有する低分子量のポリマーまたはモノマーを添加剤として含むことが好ましく、前記添加剤が、構成単位のモノマーを含む、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリパラフェニレン及びそれらの誘導体から選択される少なくともひとつを含むことが好ましく、前記添加剤が、シクロヘキシルベンゼンまたはtert-アルキルベンゼン誘導体を含んでいてもよい。
本発明の非水電解液二次電池によれば、正負極の絶縁性を保つ信頼性の高いセパレータと、所定の電圧以上で短絡放電させるイオン導電性のあるポリマーゲル電解質層を組み合わせることで、所定の電圧では、十分の絶縁性を有して、所定の電圧以上では、導電性を有する、すなわち正極集電体と負極集電体上で内部短絡させることにより熱暴走を防止する、過充電での安全性の高い非水電解液二次電池を提供できる。また、電解液の添加剤に過充電電圧で重合して導電性ポリマーを生成するモノマー添加剤を添加した場合に、電池の高温放置による膨れの原因となるモノマー添加剤の使用量を低減することが可能になることから、膨れの抑えられた非水電解液二次電池を提供できる。
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の非水電解液二次電池の正極と負極間を示す模式図であり、図2は本発明の非水電解液二次電池の正極を示す模式図であり、図3は本発明の非水電解液二次電池の負極を示す模式図である。
図1に示すように本発明の非水電解液二次電池は、正極集電体4に正極活物質を含有する正極合剤層3を形成してなる正極2と、負極集電体8に負極活物質を含有する負極合剤層7を形成してなる負極6を、正極集電体4、負極集電体8の露出部を対向するように配置し、露出部上にポリマーゲル電解質層1をセパレータ5を介して配置したものである。なお、正極、負極はそれぞれ両面に正負極合剤層が形成されているが、対向面となる片面のみを示し、反対面は記載を省略した。
本発明の非水電解液二次電池についてリチウムイオン二次電池を例に説明する。正極は図2に示すように、帯状のアルミニウム箔からなる正極集電体4に、LiMO2(ただしMは、少なくとも1種の遷移金属を表す)である複合酸化物、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiMnO3、LiNiyCo(1−y)2などの正極活物質を 、カーボンブラック等の導電性物質、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の結着剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶剤とを分散混練した調製した正極塗布液を塗布装置で塗布し正極合剤層3を形成して作製される。片面の塗布が終わったものは乾燥後に反対面も所定の部分に正極合剤層を塗布、乾燥し正極集電体4上に正極合剤層3が形成される。
負極は、図3に示すように、帯状の銅箔等からなる負極集電体8の表面に、リチウムをドープ及び脱ドープ可能な、熱分解炭素類、ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークスなどのコークス類、グラファイト類、ガラス状炭素類、フェノール樹脂、フラン樹脂などを焼成した有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭などの炭素質材料、ポリアセチレン、ポリピロール等の導電性高分子材料等の負極活物質をカーボンブラックなどの導電性物質、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の結着剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶剤とを分散混練し調製した負極塗布液を塗布装置で塗布し、負極合剤層7を形成して作製される。片面の塗布が終わったものは乾燥後に反対面も所定の部分に負極合剤層を塗布、乾燥して負極集電体8上に負極合剤層7が形成される。
得られた正極、負極は所定の厚みに圧縮した後に、裁断装置によって正極、負極を所定の形状に裁断する。
次に、図2、図3に示すように正極集電体4、および負極集電体8の正極合剤層、負極合剤層が形成されていない集電体露出部にそれぞれポリマーゲル電解質層1を塗布、乾燥させる。その後、図1に示すようにそれぞれのポリマーゲル電解質層1がセパレータ5を挟み込み、正極合剤層3と負極合剤層7がセパレータ5を介して対向するように配置する。
ポリマーゲル電解質層は、マトリックス高分子に非水溶媒と電解質塩とを含浸させたゲル電解質からなる。非水溶媒としては、この種の電池に用いられるものであればいずれも使用可能である。例示するならば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、γ-ブチルラクトン、γ-バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、酢酸エステル、酪酸エステル、プロピオン酸エステル等である。これらは、単独で使用しても、複数種混合して用いてもよい。
ポリマーゲル電解質層のマトリックス高分子としては、上述の非水溶媒を吸収してゲル化するものであれば種々の高分子を使用できる。たとえばポリフッ化ビニリデンやフッ化ビニリデンとヘキサフッ化プロピレンとの共重合体などのフッ素系高分子、ポリエチレンオキシドや同架橋体などのエーテル系高分子、またはポリアクリロニトリルなどを使用できる。特に酸化還元安定性から、フッ素系高分子を用いることが望ましい。電解質塩を含有させることによりイオン導電性を賦与する。
電解質塩としては、この種の電池に用いられるものであれば、いずれも使用可能である。例示するならば、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiB(C654、CH3SO3Li、CF3SO3Li、LiCl、LiBr、LiN(CF3SO22等である。
ポリマーゲル電解質層に添加剤として、所定の電圧を超える電圧で導電性を有するポリチオフェン、ポリフラン、ポリパラフェニレンの誘導体の低分子量ポリマー、モノマーのほかに、過充電添加剤として使用されるビフェニル、シクロヘキシルベンゼン、tert-アルキルベンゼン誘導体が使用できる。
添加剤の使用量は、電解液に添加剤として使用する量より少ない量で、より効果的で、安全性の高いセルを提供することができる。添加剤は、2種類以上混ぜて使用することも可能である。これを、正極、負極の所定の集電体露出部に塗布して乾燥させる。例えば常温において所定時間放置して有機溶媒を気化させて除去する。
ポリマーゲル電解質層の膜厚は限定されないが、薄いと膜抵抗が小さく好ましいが、機械的強度も小さくなり破膜するリスクが高くなる。逆に、厚いと機械的強度が大きくなり好ましいが、膜抵抗が大きくなるため効率的な短絡放電が困難となる。ゆえにポリマーゲル電解質層の厚さは0.5〜500μmの範囲が好ましい。なお、活物質を含有する層を形成していない集電体の露出部にポリマーゲル電解質層を形成して、必ずしも集電体の反対側にポリマーゲル電解質層を形成する必要はない。
ポリマーゲル電解質層に含有する添加剤の量としては、非水溶媒と電解質塩からなる非水電解液に対して質量比として5〜20%の範囲が好ましい。添加剤の含有量が低いと、ポリマーゲル電解質層としての導電率が低くなるため、膜抵抗が十分小さくならないために、効率的な短絡放電が困難である。逆に、添加剤の含有量が高い場合でも効果は変わらず、また、添加剤の含有量が高いと溶媒に溶解性が落ちるため、ゲルを形成することができない。ポリマーゲル電解質層は、電極体が、巻回構造の場合において、集電体の露出部がある巻回体の巻き始め端側や、巻き終わり端に配置することができる。また、電極板の中央に集電体の露出部を形成し、ポリマーゲル電解質層を配置することもできる。
ポリマーゲル電解質層を有する正極、負極は、正極タブ、負極タブを接合した後に、図1の模式図に示すようにセパレータ5を介して正極2および負極6の先端部のポリマーゲル電解質層1を所定の位置に合わせて巻回して巻回電極体を作製した後に、電池缶に収納して非水電解液を注入した後に、外部接続端子、電池内圧の上昇によって圧力を開放する安全弁を備えた蓋体を取り付けて封止して密閉型の非水系電池を製造する。
セパレータは、電池の使用環境に耐え得る材料で、電解液のイオンを透過させ、正負極間を絶縁する性質の微多孔膜や不織布であれば特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂からなる微多孔膜を用いることが一般的である。ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが用いられる。微多孔膜は、1種の樹脂からなる単層膜であってもよく、2種以上の樹脂からなる多層膜、あるいは樹脂とアルミナなどの無機材料からなる多層膜であってもよい。透気度としては、30〜400sec/100mlが好ましい。透気度が30sec/100ml未満の場合には、電極間同士の短絡の可能性が高くなる。また、透気度が400sec/100mlを超えると、ポリマーゲル電解質がセパレータ内に含侵しにくいため、ポリマーゲル電解質層が導体になる反応の妨げとなる。
非水電解液は、有機溶媒に電解質を溶解させたものである。有機溶媒は、通常の非水電解液二次電池に用いられる有機溶媒であれば特に限定されるものではなく、例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等を用いることができる。特に、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)などの高誘電率溶媒と、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)などの低粘性溶媒との混合溶媒が好ましい。また、副溶媒として、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)およびγ−ブチロラクトン(GBL)などを用いてもよい。なお、保存特性、サイクル特性、安全性などの電池特性を向上する目的で種々の添加剤を用いることもできる。特に、ビニレンカーボネート(VC)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)、およびそれらの誘導体などを非水電解液に添加することが好ましい。本発明では、ポリマーゲル電解質層を設けることにより、特に過充電時の安全性の向上を目的とするCHBのなどの、過充電添加剤の使用量を低減することができる。
電解質は、LiPF6、LiBF4、LiClO4およびLiAsF6から選ばれる無機塩、該無機塩の誘導体、LiSO3CF3、LiC(SO3CF3)2、LiN(CF3SO2)2、LiN(SO225)2およびLiN(SO2CF3)(SO249)から選ばれる有機塩、並びにその有機塩の誘導体を用いることができる。これらの中で、LiPF6、LiBF4を用いると、先述のように、これらから生成したアニオンがドーピングされた導電性ポリマーの導電率が高くなり、過充電時の短絡放電を効率的に行うことができるので本発明では特に好ましい。電解質の濃度については特に限定されるものではないが、通常は0.5〜2.0mol/lの範囲で用いられる。
(実施例1〜12)
以下に本発明の実施例1〜12の非水電解液二次電池について図1から3に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように正極2は、正極集電体4に正極活物質を含有する正極合剤層3を形成してなり、負極6は、負極集電体8に負極活物質を含有する負極合剤層7を形成してなる。正極2、負極6それぞれに、集電体の露出部を対向するように配置し、集電体露出部上にポリマーゲル電解質層1をセパレータ5を介して配置する。ポリマーゲル電解質層1は、正極および負極合剤層3、7との隙間を0.1mm以上設ける。前記のポリマーゲル電解質層1は、リチウムイオン導電性を有するポリマーゲルで、各種添加剤を含有する。以下のように、設計容量1000mAhの非水電解液二次電池を作製した。
まず、正極の作製について図2を参照して説明する。コバルト酸リチウムを94質量部と、PVdFを3質量部と、導電性カーボン3質量部を混合して、正極材料とした。この正極材料をN−メチル−2−ピロリドンに分散させてスラリー状とした。得られたスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体4上に塗布し正極合剤層3を形成し、乾燥後、圧縮装置と裁断装置により、厚さ140μm、幅43mmの正極2を得た。正極の集電体露出部を正極集電体端部から65mm設けた。さらに所定の位置にアルミニウムからなる正極タブ9を溶接した。
次に、負極の作製について図3を参照して説明する。炭素材料粉末を96質量部と、PVdFを3質量部と、導電性カーボン1質量部を混合して、負極材料とした。この負極材料をN−メチル−2−ピロリドンに分散させてスラリー状とした。得られたスラリーを厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体8上に塗布し負極合剤層7を形成し、乾燥後、圧縮装置と裁断装置により、厚さ110μm、幅44mmの負極6を得た。負極の集電体露出部を負極集電体端部から30mm設けた。さらに反対側の端部の所定の位置にニッケルからなる負極タブ10を溶接した。
次に、ポリマーゲル電解質層の作成について説明する。エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとを1:1の質量比で混合した溶媒に、添加剤としてビフェニル(BP)とシクロヘキシルベンゼン(CHB)と、電解質塩としてLiPF6とを溶解させ電解液を作製した。また、電解質塩は、溶媒に対して1.0mol/Lとした。続いて、高分子化合物として、フッ化ビニリデンとヘキサフッ化プロピレンとの共重合体を用意し、この高分子化合物と、電解液と、溶媒としてジメチルカーボネート(DEC)とを3:1:6の質量比で混合して溶解させ、ゾル状の前駆溶液を作製した。その際、電解液に対する添加剤のビフェニルとシクロヘキシルベンゼンの量は溶媒における添加剤合計の濃度を表1に示すように5〜20質量%の間で変化させた。
巻回体にしたときに外周側となる、正極集電体および負極の集電体露出部に、前記のゾル状の前駆溶液を、塗布したのち、溶媒を気化させて除去し、ポリマーゲル電解質層を作成した。負極のゲル電解質層は負極合剤の塗布端部0.1mm以上離れるように、集電体露出部に塗布した。正極のポリマーゲル電解質層は負極のポリマーゲル電解質層と対向するように幅30mm塗布した。
次に、上述のようにポリマーゲル電解質層を形成した負極および正極と厚さ20μm幅46mmの微多孔性ポリエチレンフィルムであるセパレータを巻回して巻回電極体を得た。電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とメチルエチルカーボネート(MEC)を体積比3:5:2の非水系溶媒の混合物に、電解質塩としてLiPF6を1mol/Lの濃度で溶解して非水電解液を調整した。また、巻回電極体を電池缶に収納して非水電解液を注入した後に、電池内圧の上昇によって圧力を開放する安全弁を備えた蓋体を取り付けて封止して密閉型の非水電解液二次電池を製造した。
(過充電試験)
各実施例の非水電解液二次電池を20℃の環境温度で、印加電圧を5.0Vとして設計容量として1時間率、すなわち1000mAの定電流で3時間の充電を行い、電池の端子電圧と表面温度を測定した。表1に実施例と比較例に関して、過充電試験での電池の最高温度を表に示す。
Figure 2009117162
正負極の集電体上に添加剤を含有するイオン伝導性のポリマーゲル電解質層をセパレータを介して配置することにより、電池が所定の電圧範囲では、十分な絶縁性を有し、電池が所定の電圧を超えると電子伝導性を有して、安全性が向上した電池を提供することを実現する。また、電解液に過充電添加剤を添加した場合に、電池の高温放置による膨れの原因となる過充電添加剤の使用量を低減する、削減することが可能になることから、膨れの抑えられた電池を提供することが可能となる。
本発明の非水電解液二次電池の正極と負極間を示す模式図。 本発明の非水電解液二次電池の正極を示す模式図。 本発明の非水電解液二次電池の負極を示す模式図。
符号の説明
1 ポリマーゲル電解質層
2 正極
3 正極合剤層
4 正極集電体
5 セパレータ
6 負極
7 負極合剤層
8 負極集電体
9 正極タブ
10 負極タブ

Claims (4)

  1. 正極集電体に正極活物質を有する正極合剤層を形成した正極と、負極集電体に負極活物質を有する負極合剤層を形成した負極とを、セパレータを介して巻回した電極体を外装材に収容し、非水電解液を注入してなる非水電解液二次電池であって、前記電極体における前記正極集電体の正極合剤層を形成しない露出部と前記負極集電体の負極合剤層を形成しない露出部が、セパレータとイオン導電性を有するポリマーゲル電解質層を介して対向し、前記ポリマーゲル電解質層は、電池電圧が所定電圧以下では電子絶縁性を有し、電池電圧が所定電圧を越えた電圧で電子導電性を有することを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 前記ポリマーゲル電解質層は、イオン導電性ゲル電解質を主成分とし、電池電圧が所定電圧以下では電子絶縁性を有し、電池電圧が所定電圧を越えた電圧で重合して電子導電性を有する低分子量のポリマーまたはモノマーを添加剤として含むことを特徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池。
  3. 前記添加剤が、構成単位のモノマーを含む、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリパラフェニレン及びそれらの誘導体から選択される少なくともひとつを含むことを特徴とする請求項2に記載の非水電解液二次電池。
  4. 前記添加剤が、シクロヘキシルベンゼンまたはtert-アルキルベンゼン誘導体を含むことを特徴とする請求項2に記載の非水電解液二次電池。
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