JP2006193656A - 変性ポリオレフィン樹脂およびその製造方法並びに接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

変性ポリオレフィン樹脂およびその製造方法並びに接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】被着材に対する接着性が良好で、フィッシュアイが少なく、外観に優れた変性ポリオレフィン樹脂を安価に提供する。
【解決手段】(A)ポリオレフィン樹脂と、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体と、(C)ラジカル発生剤とを、押出方向に配置位置を異ならせた2以上の原料供給口を有する押出機に供給し、(C)ラジカル発生剤の存在下、(A)ポリオレフィン樹脂に(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体をグラフト反応させて変性ポリオレフィン樹脂を製造するにあたり、(A)ポリオレフィン樹脂と、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体とを、該押出機の最も上流側の第1原料供給口から供給し、(C)ラジカル発生剤を2以上の原料供給口から供給する。
【選択図】なし

Description

本発明は、被着材に対する接着性が良好で、フィッシュアイが少なく、外観に優れた変性ポリオレフィン樹脂を安価に製造する方法と、この方法で製造された変性ポリオレフィン樹脂と、この変性ポリオレフィン樹脂を含む接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物に関するものである。
ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィンの単独重合体や、これらのオレフィンを主成分とする他の共重合可能な単量体との共重合体よりなるポリオレフィン樹脂は、比較的安価でかつ良好な成形性、耐熱性、耐溶剤性、機械的特性、外観等の特性を有するため、各種の成形品に加工され多方面の分野で使用されている。しかしながら、これらのポリオレフィン樹脂は、基本的に飽和炭化水素で構成されているため、化学反応性に乏しく、また極性も低いために接着性、塗装性、印刷性等において問題があった。
この問題を解決するため、電子線等の放射線やオゾン等でポリオレフィン樹脂を処理する方法、或いは有機過酸化物等のラジカル発生剤の存在下、ビニル化合物あるいは不飽和カルボン酸等のエチレン性不飽和化合物をグラフト反応させて変性する方法が知られている。グラフト変性の方法には、大別して、ポリオレフィン樹脂を溶剤に溶解した溶液の状態で反応させるいわゆる溶液法と、押出機を使用して溶融混練により反応させるいわゆる溶融法とがある。このうち、溶液法は、一般に大量の溶剤を使用するのでコスト高となり、しかも製造後の溶剤回収等の処理、更には環境面の配慮も必要となるという欠点があるのに対して、溶融法は溶剤が不要で簡便かつ安価な方法として注目されている。
しかしながら、溶融法で変性率を上げ、変性による特性改善効果を十分に得るためには、より多くのエチレン性不飽和化合物、ラジカル発生剤の添加を必要とするという不具合がある。特に、ラジカル発生剤の添加量の増大は、ポリオレフィン同士の架橋等の副反応を増大させ、これにより外観不良やフィッシュアイの増加、樹脂の劣化等を助長させる原因となるため、好ましくない。
従って、溶融法により、良好な接着性を有しかつ外観の良い変性ポリオレフィン樹脂を得るには、エチレン性不飽和化合物や、ラジカル発生剤等の添加量、および添加法を最適化し、好ましくない副反応を抑制しつつグラフト反応を行う必要がある。
従来、溶融法による変性ポリオレフィン樹脂の製造法としては、
(1) ベース樹脂とビニル系単量体を予備混合し、スクリューの長さ(L)と口径(D)との比が30以上である二軸押出機を用いる方法(特開平8−109227号公報)
(2) ポリオレフィンにラジカル発生剤およびエチレン性不飽和化合物の一方を加えて溶融混練した後、前記ラジカル発生剤およびエチレン性不飽和化合物の他方を供給する方法(特許第3258328号公報)
などが提案されているが、これらの方法ではいずれもエチレン性不飽和化合物およびラジカル発生剤を一括で供給するためグラフト効率が低く、フィッシュアイの増加を顕著に抑制することはできない。
また、
(3) 反応媒体として二酸化炭素を使用して、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体のグラフト効率を向上させる方法(特開2002−256042号公報)
が提案されているが、この方法では、後述の比較例6の効果からも明らかなように、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体のグラフト効率を向上させると同時にフィッシュアイも増加するため、好ましくない。
更に、
(4) 2箇所以上の原料供給口を持つ二軸押出機を用い、第1原料供給口からベース樹脂を供給し、第1原料供給口または第2原料供給口からラジカル発生剤を供給し、第2原料供給口以降の供給口から不飽和カルボン酸もしくはその無水物を供給して変性を行う方法(特開2002−187914号公報)
も提案されているが、この方法では、後述の比較例5の効果からも明らかなように、不飽和カルボン酸もしくはその無水物とベース樹脂との混合が十分に行われないため、スクリューおよびバレルの腐食の原因となる不飽和カルボン酸の凝集体が発生しやすくなり、好ましくない。
特開平8−109227号公報 特許第3258328号公報 特開2002−256042号公報 特開2002−187914号公報
本発明の目的は、被着材に対する接着性が良好で、フィッシュアイが少なく、外観に優れた変性ポリオレフィン樹脂を安価に提供することにある。
本発明者らは、被着材に対する接着性が良好で、フィッシュアイが少なく、外観に優れた変性ポリオレフィン樹脂を安価に製造すべく、鋭意検討を重ねた結果、ポリオレフィン樹脂をラジカル発生剤の存在下、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体で溶融法にて変性する際、2箇所以上の原料供給口を有する押出機を用い、ラジカル発生剤を2箇所以上の原料供給口から供給して、ベース樹脂であるポリオレフィン樹脂と不飽和カルボン酸および/またはその誘導体とを押出機内で段階的に反応させることにより、フィッシュアイの発生を大幅に抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、以下の変性ポリオレフィン樹脂の製造方法に存する。
[1](A)ポリオレフィン樹脂と、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体と、(C)ラジカル発生剤とを、押出方向に配置位置を異ならせた2以上の原料供給口を有する押出機に供給し、(C)ラジカル発生剤の存在下、(A)ポリオレフィン樹脂に(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体をグラフト反応させて変性ポリオレフィン樹脂を製造する方法において、(A)ポリオレフィン樹脂と、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体とを、該押出機の最も上流側の第1原料供給口から供給し、(C)ラジカル発生剤を2以上の原料供給口から供給することを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
[2][1]において、(C)ラジカル発生剤を少なくとも前記第1原料供給口および該押出機の上流側から2番目の第2原料供給口から供給することを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
[3][1]において、(C)ラジカル発生剤を少なくとも該押出機の上流側から2番目の第2原料供給口と3番目の第3原料供給口から供給することを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
[4][1]〜[3]において、(C)ラジカル発生剤をn個(n≧2)の原料供給口から供給するに際し、該n個の原料供給口のうち、最も上流側の原料供給口から供給するラジカル発生剤の供給量を、該押出機への(C)ラジカル発生剤の全供給量の1/(n−1)未満とすることを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
[5][1]〜[4]において、前記押出機は、少なくとも原料供給口と同数の反応混練部を各原料供給口の下流側に有する二軸押出機であり、各反応混練部における(A)ポリオレフィン樹脂の温度を180〜270℃として溶融混練することにより(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を(A)ポリオレフィン樹脂に付加させ、(A)ポリオレフィン樹脂の該押出機内の滞留時間を、該樹脂温度における(C)ラジカル発生剤の99.9%分解時間の3倍以上として溶融押出することを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
[6][1]〜[5]において、前記(C)ラジカル発生剤が供給される原料供給口であって、該押出機の上流側から2番目の第2原料供給口以降の原料供給口から(D)炭酸ガスおよび/または窒素ガスを供給し、(D)炭酸ガスおよび/または窒素ガスの存在下に(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を(A)ポリオレフィン樹脂に付加させた後、ベント口より炭酸ガスおよび/または窒素ガスを分離することを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
本発明の別の要旨は、このような変性ポリオレフィン樹脂の製造方法により製造されたことを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂、に存する。
本発明の更に別の要旨は、この変性ポリオレフィン樹脂と、未変性ポリオレフィン樹脂とを含む接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物であって、該変性ポリオレフィン樹脂と、該未変性ポリオレフィン樹脂との重量比が1:99〜99:1の範囲にあることを特徴とする接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物、に存する。
本発明によれば、溶融法によるポリオレフィン樹脂のグラフト変性に当たり、(C)ラジカル発生剤を2箇所以上の原料供給口から供給して、ベース樹脂である(A)ポリオレフィン樹脂と(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体とを押出機内で段階的に反応させることにより、フィッシュアイの発生を大幅に抑制することができる。このため、被着材に対する接着性が良好で、フィッシュアイが少なく、外観に優れた変性ポリオレフィン樹脂を安価に提供することができる。
(C)ラジカル発生剤は、具体的には、
(1) 第1原料供給口と第2原料供給口(請求項2)
或いは
(2) 第2原料供給口と第3原料供給口(請求項3)
に供給することが好ましく、
(3) 第1原料供給口と第2原料供給口と第3原料供給口
に供給しても良い。
また、本発明では、(C)ラジカル発生剤をn個(n≧2)の原料供給口から供給するに際し、該n個の原料供給口のうち、最も上流側の原料供給口から供給するラジカル発生剤の供給量を、該押出機への(C)ラジカル発生剤の全供給量の1/(n−1)未満とすることが好ましい(請求項4)。
また、本発明においては、少なくとも原料供給口と同数の反応混練部を各原料供給口の下流側に有する二軸押出機を用い、各反応混練部における(A)ポリオレフィン樹脂の温度を180〜270℃として溶融混練することにより(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を(A)ポリオレフィン樹脂に付加させ、(A)ポリオレフィン樹脂の該押出機内の滞留時間を、該樹脂温度における(C)ラジカル発生剤の99.9%分解時間の3倍以上として溶融押出することが好ましい(請求項5)。
更に、本発明では、(C)ラジカル発生剤が供給される原料供給口であって、第2原料供給口以降の原料供給口から(D)炭酸ガスおよび/または窒素ガスを供給し、(D)炭酸ガスおよび/または窒素ガスの存在下に(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を(A)ポリオレフィン樹脂に付加させた後、ベント口より炭酸ガスおよび/または窒素ガスを分離することにより高品質の変性ポリオレフィン樹脂を得ることができ、好ましい。
以下に、本発明の変性ポリオレフィン樹脂およびその製造方法並びに接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物の実施の形態を詳細に説明する。
[(A)ポリオレフィン樹脂]
本発明に用いるポリオレフィン樹脂としては、チーグラー系触媒もしくはメタロセン系触媒を用いて製造された、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1等の、炭素原子数2〜20のα−オレフィンの単独重合体、これらのα−オレフィンから選ばれる2種類以上の単量体のランダム共重合体、またはブロック共重合体、あるいは上記のα−オレフィンと、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸〔尚、ここで、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよびメタクリルを意味するものとする。〕、(メタ)アクリル酸エステル等との共重合体等が挙げられ、具体的には、低・中・高密度ポリエチレン等(分岐状または直鎖状)のエチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等のエチレン系樹脂、および、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ブテン−非共役ジエン共重合体等のエチレン系ゴム等が挙げられる。ポリオレフィン樹脂は、これらの重合体および/または共重合体の混合物であっても良い。中で、本発明においては、分岐状低密度エチレン単独重合体、または直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体等のポリオレフィン樹脂が好ましい。
前記エチレン系重合体は、密度が0.850〜0.950g/cm3のものが好ましく、また、JIS K7210に準拠して温度190℃、荷重21.18Nで測定したメルトフローレートが0.01〜200g/10分のものが好ましく、0.1〜100g/10分のものが特に好ましい。
また、前記エチレン−α−オレフィン共重合体としては、特に、エチレンと、1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数6〜12のα−オレフィンとからなり、密度が0.850〜0.915g/cm3、同上条件でのメルトフローレートが0.01〜50g/10分である直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。
本発明では、従来より汎用されているチーグラー系触媒を用いて製造されたポリオレフィン樹脂よりも、分子量分布、結晶化分布が狭く、より均一な組成分布を有することから、メタロセン系触媒を用いて製造されたポリオレフィン樹脂が好ましく用いられる。
[(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体]
本発明に用いる不飽和カルボン酸および/またはその誘導体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸等の不飽和カルボン酸、あるいはその無水物の1種または2種以上が挙げられ、中でも、不飽和ジカルボン酸もしくはその無水物、特にマレイン酸若しくはその無水物、とりわけ無水マレイン酸がその反応性等の点から好ましい。
グラフト変性における不飽和カルボン酸および/またはその誘導体の添加量は上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、0.2〜7.0重量部とするのが好ましく、0.5〜5.0重量部とするのがより好ましい。不飽和カルボン酸および/またはその誘導体の添加量が0.2重量部未満の場合、上記ポリオレフィン樹脂への不飽和カルボン酸のグラフト量が少なくなることから、十分な接着性を有する変性ポリオレフィン樹脂が得られにくくなる。一方、7.0重量部を超える量を添加すると未反応成分の増大による接着性能の低下が起こるため好ましくない。
[(C)ラジカル発生剤]
本発明に用いられるラジカル発生剤としては、有機過酸化物などを挙げることができる。有機過酸化物としては、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のポリオレフィン樹脂に対する付加反応性の面から、半減期1分となる温度(1分間半減期温度)が150〜200℃の範囲にある有機過酸化物が好ましく、具体的には、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド(1分間半減期温度193℃)、t−ブチルクミルパーオキサイド(同178℃)、ジクミルパーオキサイド(同171℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(同179℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(同193℃)等のジアルキルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシアセテート(同159℃)、t−ブチルパーオキシラウレート(同165℃)、t−ブチルパーオキシベンゾエート(同166℃)、ジ−t−ブチルジパーオキシフタレート(同159℃)、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(同158℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(同162℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3(同162℃)等のパーオキシエステル類、メチルエチルケトンパーオキサイド(同171℃)、シクロヘキサノンパーオキサイド(同174℃)等のケトンパーオキサイド類等、好ましくはジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン3等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
グラフト変性におけるラジカル発生剤の添加量は上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して0.005〜1重量部とするのが好ましく、0.02〜0.5重量部とするのがより好ましい。ラジカル発生剤の添加量が0.005重量部未満では、上記ポリオレフィン樹脂への不飽和カルボン酸のグラフト量が少なくなることから、十分な接着性を有する変性ポリオレフィン樹脂が得られにくくなる。一方、1重量部を超える量を添加するとポリオレフィン樹脂の劣化や架橋などの副反応が増加し、結果的に接着性の低下や外観の悪化が起こるため好ましくない。
[押出機]
本発明において、原料の溶融混練に用いられる押出機としては、押出方向に配置位置を異ならせた2以上の原料供給口を有するものであれば良く、単軸押出機あるいは多軸押出機等の連続押出機が使用可能であるが、プロセス設計上の自由度が高いという点で多軸押出機、特に二軸押出機を用いるのが好ましい。
押出機のスクリューは少なくとも原料供給口と同数の反応混練部を備えている必要があるが、反応混練部以外にも、例えば原料の分散性を向上する等の目的で別途混練部を追加してもよい。
通常用いられる二軸押出機は、原料供給口とベント口、およびジャケットを備えたバレル、その内部に配され、表面に複数条の溝が刻設され、同方向または異方向に回転する二本のスクリュー、並びに押出機先端に取り付けられたダイから構成され、そのスクリュー途中には、複数枚のニーディングディスクによって構成される反応混練部が、相互に噛み合う形態または相互に噛み合わない形態で設けられている。高混練機能を有する二軸押出機として、例えば、日本製鋼所(株)より「TEXα」シリーズとして、また、東芝機械(株)より「TEM−SS」シリーズとして市販されている。
本発明で用いる押出機としては、押出方向に配置位置を異ならせた2以上の原料供給口を有し、スクリュー径(D)に対するスクリュー長さ(L)の比(L/D)が10〜100、回転方向が同方向、噛み合い形態が部分又は完全噛み合い型のものが好適である。反応混練部のスクリュー構成としては、後述の好適な樹脂温度と滞留時間を確保することができる構成のものであれば良いが、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体や(C)ラジカル発生剤の(A)ポリオレフィン樹脂中への分散性や滞留時間の点からも複数枚のニーディングディスクの組み合わせで構成されることが好ましい。
[変性ポリオレフィン樹脂の製造方法]
〈原料の供給〉
本発明の変性ポリオレフィン樹脂の製造方法は、上述の(A)ポリオレフィン樹脂と、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体と、(C)ラジカル発生剤とを原料とし、これらを、前述の如く、押出方向に配置位置を異ならせた2以上の原料供給口を有する押出機に供給し、(C)ラジカル発生剤の存在下、(A)ポリオレフィン樹脂に(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体をグラフト反応させることにより製造されるが、その際、(A)ポリオレフィン樹脂と、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体とを、該押出機の最も上流側の第1原料供給口から供給し、(C)ラジカル発生剤を2以上の原料供給口から供給する。
本発明において、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体は(C)ラジカル発生剤の供給と同時か、少なくとも(C)ラジカル発生剤の供給以前に(A)ポリオレフィン樹脂に供給される必要がある。従って、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体は(A)ポリオレフィン樹脂と共に第1原料供給口から供給する。なお、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体は必要量の一部のみを第1原料供給口から供給し、残部を第2原料供給口以降の原料供給口から供給することもできるが、本発明では、(A)ポリオレフィン樹脂と(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体との混練を十分に行って、スクリューやバレルの腐食の原因となる(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体の凝集体の発生を防止するために、第1原料供給口から(A)ポリオレフィン樹脂および(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体の全必要量を供給することが好ましい。
本発明において、(C)ラジカル発生剤は、第1原料供給口以降の少なくとも2箇所の原料供給口で分割供給する。2箇所以上の原料供給口で分割供給する(C)ラジカル発生剤は、間欠的に供給すると、グラフト効率の低下と反応の不均一性という問題が生じるため、連続的に供給することが好ましい。
また、各原料供給口への供給量は、(C)ラジカル発生剤をn個(n≧2)の原料供給口から供給するに際し、該n個の原料供給口のうち、最も上流側の原料供給口から供給する(C)ラジカル発生剤の供給量を、該押出機への(C)ラジカル発生剤の全供給量の1/(n−1)未満、特に1/2n〜1/nとすることが好ましい。この最も上流側の原料供給口から供給する(C)ラジカル発生剤の供給量が多過ぎると、本発明による(C)ラジカル発生剤の分割供給によるフィッシュアイ発生の抑制効果を十分に得ることができない。逆に少な過ぎると(A)ポリオレフィン樹脂への不飽和カルボン酸のグラフト量およびグラフト効率が低下する。より好ましくは、各原料供給口で供給する(C)ラジカル発生剤は、ほぼ同量であることが段階的なグラフト反応を均等に行って、フィッシュアイを防止する上で好ましい。
本発明において、押出機への具体的な原料供給方法としては、例えば、次のような方法が挙げられるが、何ら以下の方法に限定されるものではない。
(1) 2箇所に原料供給口を有する押出機を用いて、第1原料供給口より(A)ポリオレフィン樹脂、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体の必要量と(C)ラジカル発生剤の必要量の1/2を供給し、第2原料供給口から残り1/2の(C)ラジカル発生剤を供給する方法
(2) 3箇所に原料供給口を有する押出機を用いて、第1原料供給口より(A)ポリオレフィン樹脂、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体の必要量を供給し、第2、第3原料供給口からそれぞれ必要量の1/2の(C)ラジカル発生剤を供給する方法
(3) 3箇所に原料供給口を有する押出機を用いて、第1原料供給口より(A)ポリオレフィン樹脂、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体の必要量と(C)ラジカル発生剤の必要量の1/3を供給し、第2、第3原料供給口からそれぞれ必要量の1/3の
(C)ラジカル発生剤を供給する方法
〈樹脂温度と滞留時間〉
本発明においては、少なくとも原料供給口と同数の反応混練部を各原料供給口の下流側に有する二軸押出機を用い、各反応混練部における(A)ポリオレフィン樹脂の温度を180〜270℃として溶融混練することにより(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を(A)ポリオレフィン樹脂に付加させ、(A)ポリオレフィン樹脂の該押出機内の滞留時間を、該樹脂温度における(C)ラジカル発生剤の99.9%分解時間の3倍以上として溶融押出することが好ましい。
樹脂温度が180℃未満では十分なグラフト反応効率を得ることができず、270℃を超えると高温による樹脂の劣化、焼け、分解等が発生するため、好ましくない。
また、(A)ポリオレフィン樹脂の押出機内の滞留時間が、当該樹脂温度における(C)ラジカル発生剤の99.9%分解時間の3倍未満であると、反応が不十分となり、未反応物の増加や接着性の低下となる。この滞留時間は、過度に長いと(A)ポリオレフィン樹脂の劣化や副反応が増加し、フィッシュアイ増加などの外観不良が発生するため、(A)ポリオレフィン樹脂の押出機内の滞留時間は、当該樹脂温度における(C)ラジカル発生剤の99.9%分解時間の100倍以下、特に3〜10倍とすることが好ましい。なお、以下において、当該樹脂温度における(C)ラジカル発生剤の99.9%分解時間に対する(A)ポリオレフィン樹脂の押出機内滞留時間の比率を「滞留時間/99.9%分解時間」と記す。
〈反応媒体の供給〉
本発明においては、押出機内の反応混練部に、(D)炭酸ガスおよび/または窒素ガスを反応媒体として供給し、(A)ポリオレフィン樹脂に(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を付加させた後、押出機のベント口より炭酸ガスおよび/または窒素ガスを分離することが、反応効率および反応均一性を向上させると共に、未反応成分を低減し、高品質の変性ポリオレフィン樹脂を得るために好ましい。
(D)炭酸ガスおよび/または窒素ガスを供給することにより、反応効率および反応均一性が向上する理由としては、(D)炭酸ガスおよび/または窒素ガスが反応媒体として、(A)ポリオレフィン樹脂中に分子レベルで急速に溶解拡散し、樹脂を膨潤させ、絡み合いの点数を減少させることによって、樹脂の反応部位と(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体との接触確率を上昇かつ均一化させていることが考えられる。また、未反応成分を低減する理由としては、変性後に炭酸ガスおよび/または窒素ガスが脱気される際、変性ポリオレフィン樹脂中に含浸した炭酸ガスおよび/または窒素ガスが抽出剤の役割を果たし、未反応成分等の不純物が炭酸ガスおよび/または窒素ガスと共に効率良く除去されるためと考えられる。
ここで、(D)炭酸ガスおよび/または窒素ガスの供給方法は特に制限されず、公知の方法を採用することができる。例えば、ボンベから減圧弁を介し、供給部の圧力を制御することによりガス状態で供給する方法、ボンベから定量ポンプを介し、流量を制御し、液体状態または超臨界状態で供給する方法などが挙げられる。これらの中では液体状態または超臨界状態で供給する方法がある。
炭酸ガスおよび/または窒素ガスは、反応混練部に供給することが好ましく、従って、第1原料供給口から供給された(A)ポリオレフィン樹脂と(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体とが(C)ラジカル発生剤の存在下に混練される反応混練部である、(C)ラジカル発生剤が供給される原料供給口よりも下流側の原料供給口から供給することが好ましい。従って、例えば、(C)ラジカル発生剤を第1原料供給口と第2原料供給口以降の原料供給口とで供給している場合、炭酸ガスおよび/または窒素ガスは第2原料供給口以降の原料供給口に供給することが好ましい。また、この炭酸ガスおよび/または窒素ガスについても、反応混練部と同数の原料供給口で分割供給することが反応効率および反応均一性を向上させるためにもより好ましい。
(D)炭酸ガスおよび/または窒素ガスの供給量は、(A)ポリオレフィン樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、特に0.5〜5重量部であることが好ましい。(D)炭酸ガスおよび/または窒素ガスの供給量がこの範囲よりも少ないと、これを供給することによる上記効果を十分に得ることができず、多いと反応部の温度が下がり過ぎて反応が進まなくなる。更にガスを分離することが困難になる。
(D)炭酸ガスおよび/または窒素ガスを複数箇所で供給する場合、(C)ラジカル発生剤と同様、各原料供給口への供給量は、(D)炭酸ガスおよび/または窒素ガスをn個(n≧2)の原料供給口から供給するに際し、該n個の原料供給口のうち、最も上流側の原料供給口から供給する(D)炭酸ガスおよび/または窒素ガスの供給量を、該押出機への(D)炭酸ガスおよび/または窒素ガスの全供給量の1/(n−1)未満、特に1/(n−1)〜1/nとすることが好ましい。この最も上流側の原料供給口から供給する(D)炭酸ガスおよび/または窒素ガスの供給量が多過ぎると、反応部の温度が下がり過ぎて反応が進まなくなる。更にガスを分離することが困難になる。逆に少な過ぎると、本発明による(D)炭酸ガスおよび/または窒素ガスの分割供給による上記効果を十分に得ることができない。
〈その他の添加剤〉
変性ポリオレフィン樹脂の製造工程においては、(A)ポリオレフィン樹脂、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体、(C)ラジカル発生剤以外に、本発明の効果を損なわない範囲で各種の添加剤を使用することができる。ここで用いることができる添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤、発泡剤、充填剤、導電剤、帯電防止剤、防曇剤、金属不活性剤、分散剤、難燃剤、加工助剤、離型剤、殺菌剤、防かび剤、分子量調整剤などが挙げられる。
〈反応副生成物、未反応物の除去〉
グラフト反応生成物中に含まれる未反応の(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体や、(C)ラジカル発生剤の分解物等は接着阻害物質となるばかりでなく、臭いや色相悪化の原因にもなるため除去するのが好ましい。前記未反応成分や分解物等を除去する方法としては、
(1) 押出機に備えられたベント口より吸引除去する方法
(2) 押出機中の溶融樹脂に水を分散させた後、押出機に備えられたベント口より水と共に吸引除去する方法
(3) グラフト反応生成物をペレット化した後、直ちにホッパードライヤー処理をはじめとする脱臭処理を施す方法
などが好適に用いられる。
[変性ポリオレフィン樹脂]
このようにして製造される本発明に係る変性ポリオレフィン樹脂は、そのメルトフローレートが0.1〜100(g/10分)であるものが好ましい。メルトフローレートがこの範囲を外れると、他の樹脂との分散性、加工性、外観が悪化することがある。
また、この変性ポリオレフィン樹脂は、変性前のポリオレフィン樹脂に対するメルトフローレートの比が0.05〜1.0の範囲であることが好ましく、また、不飽和カルボン酸変性量が0.5〜5.0重量%、特に1.5〜3.5重量%で、フィッシュアイの個数が80個/g以下であることが好ましい。
[接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物]
本発明の接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物は、このようにして製造される変性ポリオレフィン樹脂と、未変性ポリオレフィン樹脂とを含有する組成物である。ここで、上記変性ポリオレフィン樹脂と未変性ポリオレフィン樹脂との重量比は1:99〜99:1の範囲にあることが好ましく、特に3:97〜20:80の範囲にあることが好ましく、とりわけ5:95〜10:90の範囲にあることが好ましい。
この範囲よりも、変性ポリオレフィン樹脂の割合が少な過ぎると当該変性ポリオレフィン樹脂を配合することによる接着性の向上効果を十分に得ることができず、多過ぎると未変性ポリオレフィン樹脂を配合することによる安価な接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物を十分に得ることができない。
なお、変性ポリオレフィン樹脂に配合する未変性ポリオレフィン樹脂としては、前掲のポリオレフィン樹脂が挙げられ、このポリオレフィン樹脂は、当該変性ポリオレフィン樹脂の変性前の原料変性ポリオレフィン樹脂であっても良く、このポリオレフィン樹脂とは異なる他のポリオレフィン樹脂であっても良い。
本発明の接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物には、本発明に係る変性ポリオレフィン樹脂の2種以上が含まれていても良く、また、未変性ポリオレフィン樹脂の2種以上が含まれていても良い。
また、本発明の接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂やゴム、および、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤、発泡剤、充填剤、導電剤、帯電防止剤、防曇剤、金属不活性剤、分散剤、難燃剤、加工助剤、離型剤、殺菌剤、防かび剤、分子量調整剤等の添加剤を含んでいても良い。
本発明の接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物を製造するに当たり、変性ポリオレフィン樹脂および未変性ポリオレフィン樹脂、更に必要に応じて用いられるその他樹脂やゴム、添加剤等は、通常、タンブラーブレンダー、リボンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等により均一に混合された後、二軸押出機で溶融混練した後ペレット化される。
このような本発明の接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物は、通常、従来公知の方法により、被着材上にアンカーコート剤を介してまたは介さずして、逐次押出ラミネート、サンドイッチ押出ラミネート、共押出ラミネートする方法、或いは、被着材樹脂と共に共押出する方法、並びに、予めフィルム状とし被着材樹脂に熱融着する方法等により積層体として好適に用いられる。
なお、その被着材としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の各種熱可塑性樹脂、アルミニウム、銅、鉛、ステンレス等の金属の箔、板、および、紙等が挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。
なお、本発明で使用する物性値の測定方法ないし評価方法は以下の通りである。
(1)スクリュー状態
2時間の変性後、押出機のスクリューを取り出し混練部を目視にて観察し、以下に示す基準にて評価した。
○:混練部に変化なし
△:混練部に変色、錆が確認される
×:混練部に変色、錆に加えて形状の変化(凹み、傷、穴など)が確認される
(2)メルトフローレート(MFR)
温度190℃、2.16kg荷重(21.18N)、オリフィス直径2.1mmの条件にて測定を行い、メルトフローレート(MFR、g/10分)とした。
(3)不飽和カルボン酸変性量
ペレット状の変性ポリオレフィン樹脂を沸騰キシレンに溶解し、アセトン中に再沈した後、80℃で6時間真空乾燥して粉末状のサンプルを得た。このサンプルをプレス成形することにより得られたフィルムの1780cm-1付近の赤外線吸収スペクトル(カルボニル基の吸収強度)から、別途作成した検量線を用いてペレット中の不飽和カルボン酸変性量を求めた。
(4)フィッシュアイ個数
変性ポリオレフィン樹脂のペレットから、成形温度190℃、ブロー比1.4の条件で、厚み30μmのフィルムを空冷インフレーション成形した後、卓上型フィルム検査装置(マミヤ・オーピー(株)製「GX70LT」)を用いて縦×横=12cm×20cmの面積中に存在する直径0.1mm以上のフィッシュアイ個数を測定し、この測定値を測定面積相当分のフィルム重量で割って重量当たりのフィッシュアイ個数を求めた。
(5)対EVOH接着強度
接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物を外層とし、内層をエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH:株式会社クラレ製「F101A」)として、ダイス温度220℃にて二層の共押出インフレーションフィルムを製造した。なお、押出機口径、層構成比、積層体成形速度は以下の通りである。
(押出機口径)
接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物/EVOH=40mmφ/40mmφ
(層構成比)
外層/内層=1/1(総厚さ=60μm)
(積層体成形速度)
30m/min、70m/min
得られた積層体から幅10mmに切り出した短冊状サンプルを用い、JIS K6854に準拠して、その一端の内層(EVOH)と、外層(変性ポリオレフィン樹脂組成物層)との間を予め僅かに剥離して、23℃雰囲気下で剥離速度300mm/minでT形剥離試験を行って剥離強度を測定し、この値を接着強度とした。
また、以下の実施例および比較例において、(A)ポリオレフィン樹脂、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体、(C)ラジカル発生剤としては以下のものを用いた。
(A)ポリオレフィン樹脂
A−1:エチレンと1−ヘキセンとプロピレンとのメタロセン系触媒による共重合体で
あって、190℃でのメルトフローレートが16g/10分、密度が0.89
8g/cmの直鎖状エチレン−1−ヘキセン−プロピレン共重合体
A−2:エチレンと1−ヘキセンとプロピレンとのメタロセン系触媒による共重合体で
あって、190℃でのメルトフローレートが50g/10分、密度が0.88 0g/cmの直鎖状エチレン−1−ヘキセン−プロピレン共重合体
A−3:エチレンと1―ブテンとのチーグラー系触媒による共重合体であって、190
℃のメルトフロ−レ−トが2g/10分、密度が0.920g/cmの直鎖
状エチレン−1−ブテン共重合体
(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体
B:無水マレイン酸
(C)ラジカル発生剤
C:2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン(日本油
脂社製、商品名「パーヘキサ25B」)
また、以下の実施例および比較例において、変性ポリオレフィン樹脂の製造に用いた二軸押出機は次の通りである。
二軸押出機I:原料の押出方向の2箇所に原料供給口および反応混練部をそれぞれ有
する口径30mmの二軸押出機(L/D=52.5,回転方向=同方
向,噛み合い形態=完全)
二軸押出機II:原料の押出方向の3箇所に原料供給口および反応混練部をそれぞれ有
する口径30mmの二軸押出機(L/D=52.5,回転方向=同方
向,噛み合い形態=完全)
実施例1〜3
(A)ポリオレフィン樹脂、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体、(C)ラジカル発生剤を表1に示す配合でヘンシェルミキサーで均一に混合した後、二軸押出機Iの第1原料供給口に供給し、更に第2原料供給口より表1に示す量の(C)ラジカル発生剤を追加で供給しつつ230℃で2時間溶融混練してストランド状に押出し(滞留時間/99.9%分解時間=7倍)、ペレット化後ホッパードライヤーを用いて60℃、15時間の乾燥処理を行い、変性ポリオレフィン樹脂を得た。この変性終了後、スクリューを取り出しスクリュー状態を調べ、結果を表1に示した。
得られた変性ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート、不飽和カルボン酸変性量、およびフィッシュアイの評価結果を表1に示した。
この変性ポリオレフィン樹脂10重量%と、上記ポリオレフィン樹脂A−3 90重量%とをヘンシェルミキサーで均一に混合した後、口径40mmの単軸押出機に供給し、190℃で溶融混練してストランド状に押出し、ペレット化して接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物を得た。
この接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物の対EVOH接着強度の評価結果を表1に示した。
実施例4
二軸押出機として二軸押出機IIを用い、第1,第2,第3原料供給口からの原料供給量を表1に示す量としたこと以外は実施例1〜3と同様にして変性ポリオレフィン樹脂を製造し、同様に評価を行って、結果を表1に示した。
実施例5、6
実施例2、3において、二軸押出機として二軸押出機IIを用い、第2および第3原料供給口に、23℃で10MPaに昇圧した炭酸ガスを表1に示す割合でポンプを用いて添加し、その後ベント口より炭酸ガスを分離した後、ストランド状に押出し、ペレット化したこと以外はそれぞれ同様にして変性ポリオレフィン樹脂を製造し、同様に評価を行って結果を表1に示した。
比較例1〜4
実施例1〜4において、(C)ラジカル発生剤の全量を(A)ポリオレフィン樹脂および(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体と共にヘンシェルミキサーで均一に混合して二軸押出機の第1原料供給口に供給したこと以外はそれぞれ同様にして変性ポリオレフィン樹脂を製造し、同様に評価を行って結果を表1に示した。
比較例5
実施例3において、第1原料供給口に(A)ポリオレフィン樹脂と(C)ラジカル発生剤の一部の混合物を供給して(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を供給せず、第2原料供給口に(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体と(C)ラジカル発生剤の残部を供給したこと以外は同様にして変性ポリオレフィン樹脂を製造し、同様に評価を行って結果を表1に示した。
比較例6
比較例2において、第2原料供給口に23℃で10MPaに昇圧した炭酸ガスを表1に示す割合でポンプにて添加し、230℃で2時間溶融混練し、その後ベント口より炭酸ガスを分離し、ストランド状に押出し、ペレット化したこと以外はそれぞれ同様にして変性ポリオレフィン樹脂を製造し、同様に評価を行って結果を表1に示した。
Figure 2006193656
表1より次のことが明らかである。
即ち、ラジカル発生剤押出機の第1原料供給口と第2原料供給口とに分割供給して変性を行って得られた本発明に係る変性ポリオレフィン樹脂(実施例1〜4)は、同量の無水マレイン酸およびラジカル発生剤を用い、ラジカル発生剤の全量を第1原料供給口に供給して変性を行って得られた変性ポリオレフィン樹脂(比較例1〜4)と比較して、不飽和カルボン酸変性量が増加し、フィッシュアイ発生量が大幅に減少している。ラジカル発生剤の全量を第1原料供給口に供給する従来法で本発明に係る変性ポリオレフィン樹脂(実施例1〜4)と同等の変性量を得るためには、無水マレイン酸およびラジカル発生剤の添加量を更に増加する必要があることから、未反応の無水マレイン酸量の増加、ラジカル発生剤によるポリエチレン同士の架橋反応、フィッシュアイの増加が顕著となり外観がより一層悪化する(比較例1〜4)。
また、第2原料供給口以降の供給口から無水マレイン酸を添加した場合は、スクリューの腐食が顕著である(比較例5)。これはベース樹脂と無水マレイン酸との分散が十分に行われないため、スクリュー腐食の原因となるマレイン酸の凝集体が発生するためと考えられる。
また、本発明法による変性ポリオレフィン樹脂を配合した接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物(実施例1〜4)は、従来法による接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物(比較例1〜6)と比較して対EVOH接着強度が優れおり、特に成形速度が高速な場合に優位性が顕著に現れる。
また、炭酸ガスを添加して得られた変性ポリオレフィン樹脂(実施例5、6)は、同量の無水マレイン酸、およびラジカル発生剤を添加して変性を行った変性ポリオレフィン樹脂(実施例2,3)と比較して、不飽和カルボン酸変性量が増加し、対EVOH接着強度も良好である。この場合においても、ラジカル発生剤の全量を第1原料供給口に供給して得られた変性ポリオレフィン樹脂(比較例6)に比べて、フィッシュアイに関して良好であり、対EVOH接着強度も優れる。

Claims (8)

  1. (A)ポリオレフィン樹脂と、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体と、(C)ラジカル発生剤とを、押出方向に配置位置を異ならせた2以上の原料供給口を有する押出機に供給し、(C)ラジカル発生剤の存在下、(A)ポリオレフィン樹脂に(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体をグラフト反応させて変性ポリオレフィン樹脂を製造する方法において、
    (A)ポリオレフィン樹脂と、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体とを、該押出機の最も上流側の第1原料供給口から供給し、
    (C)ラジカル発生剤を2以上の原料供給口から供給することを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
  2. 請求項1において、(C)ラジカル発生剤を少なくとも前記第1原料供給口および該押出機の上流側から2番目の第2原料供給口から供給することを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
  3. 請求項1において、(C)ラジカル発生剤を少なくとも該押出機の上流側から2番目の第2原料供給口と3番目の第3原料供給口から供給することを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、(C)ラジカル発生剤をn個(n≧2)の原料供給口から供給するに際し、該n個の原料供給口のうち、最も上流側の原料供給口から供給するラジカル発生剤の供給量を、該押出機への(C)ラジカル発生剤の全供給量の1/(n−1)未満とすることを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記押出機は、少なくとも原料供給口と同数の反応混練部を各原料供給口の下流側に有する二軸押出機であり、各反応混練部における(A)ポリオレフィン樹脂の温度を180〜270℃として溶融混練することにより(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を(A)ポリオレフィン樹脂に付加させ、(A)ポリオレフィン樹脂の該押出機内の滞留時間を、該樹脂温度における(C)ラジカル発生剤の99.9%分解時間の3倍以上として溶融押出することを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記(C)ラジカル発生剤が供給される原料供給口であって、該押出機の上流側から2番目の第2原料供給口以降の原料供給口から(D)炭酸ガスおよび/または窒素ガスを供給し、(D)炭酸ガスおよび/または窒素ガスの存在下に(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を(A)ポリオレフィン樹脂に付加させた後、ベント口より炭酸ガスおよび/または窒素ガスを分離することを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の変性ポリオレフィン樹脂の製造方法により製造されたことを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂。
  8. 請求項7に記載の変性ポリオレフィン樹脂と、未変性ポリオレフィン樹脂とを含む接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物であって、該変性ポリオレフィン樹脂と、該未変性ポリオレフィン樹脂との重量比が1:99〜99:1の範囲にあることを特徴とする接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物。
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