JP2006193656A - 変性ポリオレフィン樹脂およびその製造方法並びに接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)ポリオレフィン樹脂と、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体と、(C)ラジカル発生剤とを、押出方向に配置位置を異ならせた2以上の原料供給口を有する押出機に供給し、(C)ラジカル発生剤の存在下、(A)ポリオレフィン樹脂に(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体をグラフト反応させて変性ポリオレフィン樹脂を製造するにあたり、(A)ポリオレフィン樹脂と、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体とを、該押出機の最も上流側の第1原料供給口から供給し、(C)ラジカル発生剤を2以上の原料供給口から供給する。
【選択図】なし
Description
(1) ベース樹脂とビニル系単量体を予備混合し、スクリューの長さ(L)と口径(D)との比が30以上である二軸押出機を用いる方法(特開平8−109227号公報)
(2) ポリオレフィンにラジカル発生剤およびエチレン性不飽和化合物の一方を加えて溶融混練した後、前記ラジカル発生剤およびエチレン性不飽和化合物の他方を供給する方法(特許第3258328号公報)
などが提案されているが、これらの方法ではいずれもエチレン性不飽和化合物およびラジカル発生剤を一括で供給するためグラフト効率が低く、フィッシュアイの増加を顕著に抑制することはできない。
(3) 反応媒体として二酸化炭素を使用して、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体のグラフト効率を向上させる方法(特開2002−256042号公報)
が提案されているが、この方法では、後述の比較例6の効果からも明らかなように、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体のグラフト効率を向上させると同時にフィッシュアイも増加するため、好ましくない。
(4) 2箇所以上の原料供給口を持つ二軸押出機を用い、第1原料供給口からベース樹脂を供給し、第1原料供給口または第2原料供給口からラジカル発生剤を供給し、第2原料供給口以降の供給口から不飽和カルボン酸もしくはその無水物を供給して変性を行う方法(特開2002−187914号公報)
も提案されているが、この方法では、後述の比較例5の効果からも明らかなように、不飽和カルボン酸もしくはその無水物とベース樹脂との混合が十分に行われないため、スクリューおよびバレルの腐食の原因となる不飽和カルボン酸の凝集体が発生しやすくなり、好ましくない。
[1](A)ポリオレフィン樹脂と、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体と、(C)ラジカル発生剤とを、押出方向に配置位置を異ならせた2以上の原料供給口を有する押出機に供給し、(C)ラジカル発生剤の存在下、(A)ポリオレフィン樹脂に(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体をグラフト反応させて変性ポリオレフィン樹脂を製造する方法において、(A)ポリオレフィン樹脂と、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体とを、該押出機の最も上流側の第1原料供給口から供給し、(C)ラジカル発生剤を2以上の原料供給口から供給することを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
(1) 第1原料供給口と第2原料供給口(請求項2)
或いは
(2) 第2原料供給口と第3原料供給口(請求項3)
に供給することが好ましく、
(3) 第1原料供給口と第2原料供給口と第3原料供給口
に供給しても良い。
本発明に用いるポリオレフィン樹脂としては、チーグラー系触媒もしくはメタロセン系触媒を用いて製造された、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1等の、炭素原子数2〜20のα−オレフィンの単独重合体、これらのα−オレフィンから選ばれる2種類以上の単量体のランダム共重合体、またはブロック共重合体、あるいは上記のα−オレフィンと、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸〔尚、ここで、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよびメタクリルを意味するものとする。〕、(メタ)アクリル酸エステル等との共重合体等が挙げられ、具体的には、低・中・高密度ポリエチレン等(分岐状または直鎖状)のエチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等のエチレン系樹脂、および、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ブテン−非共役ジエン共重合体等のエチレン系ゴム等が挙げられる。ポリオレフィン樹脂は、これらの重合体および/または共重合体の混合物であっても良い。中で、本発明においては、分岐状低密度エチレン単独重合体、または直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体等のポリオレフィン樹脂が好ましい。
本発明に用いる不飽和カルボン酸および/またはその誘導体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸等の不飽和カルボン酸、あるいはその無水物の1種または2種以上が挙げられ、中でも、不飽和ジカルボン酸もしくはその無水物、特にマレイン酸若しくはその無水物、とりわけ無水マレイン酸がその反応性等の点から好ましい。
本発明に用いられるラジカル発生剤としては、有機過酸化物などを挙げることができる。有機過酸化物としては、不飽和カルボン酸もしくはその無水物のポリオレフィン樹脂に対する付加反応性の面から、半減期1分となる温度(1分間半減期温度)が150〜200℃の範囲にある有機過酸化物が好ましく、具体的には、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド(1分間半減期温度193℃)、t−ブチルクミルパーオキサイド(同178℃)、ジクミルパーオキサイド(同171℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(同179℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(同193℃)等のジアルキルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシアセテート(同159℃)、t−ブチルパーオキシラウレート(同165℃)、t−ブチルパーオキシベンゾエート(同166℃)、ジ−t−ブチルジパーオキシフタレート(同159℃)、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(同158℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(同162℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3(同162℃)等のパーオキシエステル類、メチルエチルケトンパーオキサイド(同171℃)、シクロヘキサノンパーオキサイド(同174℃)等のケトンパーオキサイド類等、好ましくはジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン3等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
本発明において、原料の溶融混練に用いられる押出機としては、押出方向に配置位置を異ならせた2以上の原料供給口を有するものであれば良く、単軸押出機あるいは多軸押出機等の連続押出機が使用可能であるが、プロセス設計上の自由度が高いという点で多軸押出機、特に二軸押出機を用いるのが好ましい。
〈原料の供給〉
本発明の変性ポリオレフィン樹脂の製造方法は、上述の(A)ポリオレフィン樹脂と、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体と、(C)ラジカル発生剤とを原料とし、これらを、前述の如く、押出方向に配置位置を異ならせた2以上の原料供給口を有する押出機に供給し、(C)ラジカル発生剤の存在下、(A)ポリオレフィン樹脂に(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体をグラフト反応させることにより製造されるが、その際、(A)ポリオレフィン樹脂と、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体とを、該押出機の最も上流側の第1原料供給口から供給し、(C)ラジカル発生剤を2以上の原料供給口から供給する。
(1) 2箇所に原料供給口を有する押出機を用いて、第1原料供給口より(A)ポリオレフィン樹脂、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体の必要量と(C)ラジカル発生剤の必要量の1/2を供給し、第2原料供給口から残り1/2の(C)ラジカル発生剤を供給する方法
(2) 3箇所に原料供給口を有する押出機を用いて、第1原料供給口より(A)ポリオレフィン樹脂、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体の必要量を供給し、第2、第3原料供給口からそれぞれ必要量の1/2の(C)ラジカル発生剤を供給する方法
(3) 3箇所に原料供給口を有する押出機を用いて、第1原料供給口より(A)ポリオレフィン樹脂、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体の必要量と(C)ラジカル発生剤の必要量の1/3を供給し、第2、第3原料供給口からそれぞれ必要量の1/3の
(C)ラジカル発生剤を供給する方法
本発明においては、少なくとも原料供給口と同数の反応混練部を各原料供給口の下流側に有する二軸押出機を用い、各反応混練部における(A)ポリオレフィン樹脂の温度を180〜270℃として溶融混練することにより(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を(A)ポリオレフィン樹脂に付加させ、(A)ポリオレフィン樹脂の該押出機内の滞留時間を、該樹脂温度における(C)ラジカル発生剤の99.9%分解時間の3倍以上として溶融押出することが好ましい。
本発明においては、押出機内の反応混練部に、(D)炭酸ガスおよび/または窒素ガスを反応媒体として供給し、(A)ポリオレフィン樹脂に(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を付加させた後、押出機のベント口より炭酸ガスおよび/または窒素ガスを分離することが、反応効率および反応均一性を向上させると共に、未反応成分を低減し、高品質の変性ポリオレフィン樹脂を得るために好ましい。
変性ポリオレフィン樹脂の製造工程においては、(A)ポリオレフィン樹脂、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体、(C)ラジカル発生剤以外に、本発明の効果を損なわない範囲で各種の添加剤を使用することができる。ここで用いることができる添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤、発泡剤、充填剤、導電剤、帯電防止剤、防曇剤、金属不活性剤、分散剤、難燃剤、加工助剤、離型剤、殺菌剤、防かび剤、分子量調整剤などが挙げられる。
グラフト反応生成物中に含まれる未反応の(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体や、(C)ラジカル発生剤の分解物等は接着阻害物質となるばかりでなく、臭いや色相悪化の原因にもなるため除去するのが好ましい。前記未反応成分や分解物等を除去する方法としては、
(1) 押出機に備えられたベント口より吸引除去する方法
(2) 押出機中の溶融樹脂に水を分散させた後、押出機に備えられたベント口より水と共に吸引除去する方法
(3) グラフト反応生成物をペレット化した後、直ちにホッパードライヤー処理をはじめとする脱臭処理を施す方法
などが好適に用いられる。
このようにして製造される本発明に係る変性ポリオレフィン樹脂は、そのメルトフローレートが0.1〜100(g/10分)であるものが好ましい。メルトフローレートがこの範囲を外れると、他の樹脂との分散性、加工性、外観が悪化することがある。
本発明の接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物は、このようにして製造される変性ポリオレフィン樹脂と、未変性ポリオレフィン樹脂とを含有する組成物である。ここで、上記変性ポリオレフィン樹脂と未変性ポリオレフィン樹脂との重量比は1:99〜99:1の範囲にあることが好ましく、特に3:97〜20:80の範囲にあることが好ましく、とりわけ5:95〜10:90の範囲にあることが好ましい。
(1)スクリュー状態
2時間の変性後、押出機のスクリューを取り出し混練部を目視にて観察し、以下に示す基準にて評価した。
○:混練部に変化なし
△:混練部に変色、錆が確認される
×:混練部に変色、錆に加えて形状の変化(凹み、傷、穴など)が確認される
温度190℃、2.16kg荷重(21.18N)、オリフィス直径2.1mmの条件にて測定を行い、メルトフローレート(MFR、g/10分)とした。
ペレット状の変性ポリオレフィン樹脂を沸騰キシレンに溶解し、アセトン中に再沈した後、80℃で6時間真空乾燥して粉末状のサンプルを得た。このサンプルをプレス成形することにより得られたフィルムの1780cm-1付近の赤外線吸収スペクトル(カルボニル基の吸収強度)から、別途作成した検量線を用いてペレット中の不飽和カルボン酸変性量を求めた。
変性ポリオレフィン樹脂のペレットから、成形温度190℃、ブロー比1.4の条件で、厚み30μmのフィルムを空冷インフレーション成形した後、卓上型フィルム検査装置(マミヤ・オーピー(株)製「GX70LT」)を用いて縦×横=12cm×20cmの面積中に存在する直径0.1mm以上のフィッシュアイ個数を測定し、この測定値を測定面積相当分のフィルム重量で割って重量当たりのフィッシュアイ個数を求めた。
接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物を外層とし、内層をエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH:株式会社クラレ製「F101A」)として、ダイス温度220℃にて二層の共押出インフレーションフィルムを製造した。なお、押出機口径、層構成比、積層体成形速度は以下の通りである。
(押出機口径)
接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物/EVOH=40mmφ/40mmφ
(層構成比)
外層/内層=1/1(総厚さ=60μm)
(積層体成形速度)
30m/min、70m/min
(A)ポリオレフィン樹脂
A−1:エチレンと1−ヘキセンとプロピレンとのメタロセン系触媒による共重合体で
あって、190℃でのメルトフローレートが16g/10分、密度が0.89
8g/cm3の直鎖状エチレン−1−ヘキセン−プロピレン共重合体
A−2:エチレンと1−ヘキセンとプロピレンとのメタロセン系触媒による共重合体で
あって、190℃でのメルトフローレートが50g/10分、密度が0.88 0g/cm3の直鎖状エチレン−1−ヘキセン−プロピレン共重合体
A−3:エチレンと1―ブテンとのチーグラー系触媒による共重合体であって、190
℃のメルトフロ−レ−トが2g/10分、密度が0.920g/cm3の直鎖
状エチレン−1−ブテン共重合体
(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体
B:無水マレイン酸
(C)ラジカル発生剤
C:2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン(日本油
脂社製、商品名「パーヘキサ25B」)
二軸押出機I:原料の押出方向の2箇所に原料供給口および反応混練部をそれぞれ有
する口径30mmの二軸押出機(L/D=52.5,回転方向=同方
向,噛み合い形態=完全)
二軸押出機II:原料の押出方向の3箇所に原料供給口および反応混練部をそれぞれ有
する口径30mmの二軸押出機(L/D=52.5,回転方向=同方
向,噛み合い形態=完全)
(A)ポリオレフィン樹脂、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体、(C)ラジカル発生剤を表1に示す配合でヘンシェルミキサーで均一に混合した後、二軸押出機Iの第1原料供給口に供給し、更に第2原料供給口より表1に示す量の(C)ラジカル発生剤を追加で供給しつつ230℃で2時間溶融混練してストランド状に押出し(滞留時間/99.9%分解時間=7倍)、ペレット化後ホッパードライヤーを用いて60℃、15時間の乾燥処理を行い、変性ポリオレフィン樹脂を得た。この変性終了後、スクリューを取り出しスクリュー状態を調べ、結果を表1に示した。
二軸押出機として二軸押出機IIを用い、第1,第2,第3原料供給口からの原料供給量を表1に示す量としたこと以外は実施例1〜3と同様にして変性ポリオレフィン樹脂を製造し、同様に評価を行って、結果を表1に示した。
実施例2、3において、二軸押出機として二軸押出機IIを用い、第2および第3原料供給口に、23℃で10MPaに昇圧した炭酸ガスを表1に示す割合でポンプを用いて添加し、その後ベント口より炭酸ガスを分離した後、ストランド状に押出し、ペレット化したこと以外はそれぞれ同様にして変性ポリオレフィン樹脂を製造し、同様に評価を行って結果を表1に示した。
実施例1〜4において、(C)ラジカル発生剤の全量を(A)ポリオレフィン樹脂および(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体と共にヘンシェルミキサーで均一に混合して二軸押出機の第1原料供給口に供給したこと以外はそれぞれ同様にして変性ポリオレフィン樹脂を製造し、同様に評価を行って結果を表1に示した。
実施例3において、第1原料供給口に(A)ポリオレフィン樹脂と(C)ラジカル発生剤の一部の混合物を供給して(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を供給せず、第2原料供給口に(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体と(C)ラジカル発生剤の残部を供給したこと以外は同様にして変性ポリオレフィン樹脂を製造し、同様に評価を行って結果を表1に示した。
比較例2において、第2原料供給口に23℃で10MPaに昇圧した炭酸ガスを表1に示す割合でポンプにて添加し、230℃で2時間溶融混練し、その後ベント口より炭酸ガスを分離し、ストランド状に押出し、ペレット化したこと以外はそれぞれ同様にして変性ポリオレフィン樹脂を製造し、同様に評価を行って結果を表1に示した。
Claims (8)
- (A)ポリオレフィン樹脂と、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体と、(C)ラジカル発生剤とを、押出方向に配置位置を異ならせた2以上の原料供給口を有する押出機に供給し、(C)ラジカル発生剤の存在下、(A)ポリオレフィン樹脂に(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体をグラフト反応させて変性ポリオレフィン樹脂を製造する方法において、
(A)ポリオレフィン樹脂と、(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体とを、該押出機の最も上流側の第1原料供給口から供給し、
(C)ラジカル発生剤を2以上の原料供給口から供給することを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。 - 請求項1において、(C)ラジカル発生剤を少なくとも前記第1原料供給口および該押出機の上流側から2番目の第2原料供給口から供給することを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
- 請求項1において、(C)ラジカル発生剤を少なくとも該押出機の上流側から2番目の第2原料供給口と3番目の第3原料供給口から供給することを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項において、(C)ラジカル発生剤をn個(n≧2)の原料供給口から供給するに際し、該n個の原料供給口のうち、最も上流側の原料供給口から供給するラジカル発生剤の供給量を、該押出機への(C)ラジカル発生剤の全供給量の1/(n−1)未満とすることを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記押出機は、少なくとも原料供給口と同数の反応混練部を各原料供給口の下流側に有する二軸押出機であり、各反応混練部における(A)ポリオレフィン樹脂の温度を180〜270℃として溶融混練することにより(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を(A)ポリオレフィン樹脂に付加させ、(A)ポリオレフィン樹脂の該押出機内の滞留時間を、該樹脂温度における(C)ラジカル発生剤の99.9%分解時間の3倍以上として溶融押出することを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
- 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記(C)ラジカル発生剤が供給される原料供給口であって、該押出機の上流側から2番目の第2原料供給口以降の原料供給口から(D)炭酸ガスおよび/または窒素ガスを供給し、(D)炭酸ガスおよび/または窒素ガスの存在下に(B)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を(A)ポリオレフィン樹脂に付加させた後、ベント口より炭酸ガスおよび/または窒素ガスを分離することを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の変性ポリオレフィン樹脂の製造方法により製造されたことを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂。
- 請求項7に記載の変性ポリオレフィン樹脂と、未変性ポリオレフィン樹脂とを含む接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物であって、該変性ポリオレフィン樹脂と、該未変性ポリオレフィン樹脂との重量比が1:99〜99:1の範囲にあることを特徴とする接着性変性ポリオレフィン樹脂組成物。
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