JPH09278956A - 無水マレイン酸変性ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

無水マレイン酸変性ポリオレフィンの製造方法

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JPH09278956A
JPH09278956A JP8928196A JP8928196A JPH09278956A JP H09278956 A JPH09278956 A JP H09278956A JP 8928196 A JP8928196 A JP 8928196A JP 8928196 A JP8928196 A JP 8928196A JP H09278956 A JPH09278956 A JP H09278956A
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maleic anhydride
polyolefin
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organic peroxide
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JP8928196A
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Hiroyoshi Kakiuchi
博賀 垣内
Meiji Wakayama
明治 若山
Yuichi Shimizu
雄一 清水
Hiroshi Takeguchi
寛 竹口
Kazunori Yano
一憲 矢野
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/46Reaction with unsaturated dicarboxylic acids or anhydrides thereof, e.g. maleinisation

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着性に優れた無水マレイン酸変性ポリオレ
フィンを提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン100重量部に対して、
無水マレイン酸を0.1〜20重量部及び有機過酸化物
を0.01〜20重量部を配合してなる混合物を溶融混
練して無水マレイン酸変性ポリオレフィンを製造するに
際して、有機過酸化物として半減期1分となる温度が1
50〜200℃である有機過酸化物を使用し、二軸混練
押出機を使用して溶融混練することにより変性処理をす
ることを特徴とする変性ポリオレフィンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着性に優れた無
水マレイン酸変性ポリオレフィンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン、ポリプロピレンやポリブ
テン−1等のポリオレフィンは、比較的安価で、かつ、
良好な成形性、耐熱性、耐溶剤性、機械的特性、外観等
を有するため、各種成形品に加工され多方面の分野で使
用されている。しかしながら、ポリオレフィンは、本質
的に飽和炭化水素で構成されており、化学的反応性に乏
しいため、接着性、塗装性、印刷性等に問題があった。
この問題を解決するため、電子線等の放射線やオゾン等
でポリオレフィンを処理する方法、或いは、有機過酸化
物等のラジカル発生剤存在下、エチレン性不飽和化合
物、例えば、ビニル化合物あるいは不飽和カルボン酸等
をグラフト変性させる方法がある。
【0003】グラフト反応の方法は、大別して、溶剤を
使用して反応させるいわゆる溶液法と混練押出機を使用
して、溶融状態で反応させるいわゆる溶融法とがある。
溶融法は、大量の溶剤を使用するので、コスト高とな
り、しかも、地球環境問題からも好ましくない。一方、
溶融法は、そのような溶剤の使用がないので簡便的な方
法として注目されている。
【0004】しかし、溶融法で製造した変性ポリオレフ
ィンには、大量の未反応物(即ちグラフト反応しなかっ
たビニル化合物あるいは不飽和カルボン酸等のエチレン
性不飽和化合物)、オリゴマー(即ち、ビニル化合物あ
るいは不飽和カルボン酸等のエチレン性不飽和化合物の
低分子量体)及びその他の副生物が存在しており、接着
性、塗装性、印刷性の阻害因子となり、しかも、シー
ト、フィルム等の成形体としたときに気泡を発生すると
いう欠点があった。
【0005】そのため、未反応物を除去する方法とし
て、ポリオレフィンに不飽和カルボン酸またはその酸無
水物を触媒の存在下に溶融混練してグラフト重合して得
られた変性ポリオレフィンを該ポリオレフィンおよび不
飽和カルボン酸またはその酸無水物の良溶媒にて該変性
ポリオレフィンが実質的に溶解しない状態で処理する変
性ポリオレフィンの製造法(溶解再沈法;特開昭54−
99193号公報)、
【0006】ポリプロピレン、不飽和カルボン酸または
その誘導体および有機過酸化物からなる混合物を溶融混
練して得られた変性ポリプロピレンを60℃以上の温度
で加熱乾燥する変性ポリプロピレンの製造方法(加熱乾
燥法;特開昭56−95914号公報)、ポリオレフィ
ンに不飽和カルボン酸またはその酸無水物を触媒の存在
下に溶融混練してグラフト重合させて得られた変性ポリ
オレフィンを該ポリオレフィンのピカット軟化温度乃至
この軟化温度より25℃低い温度の範囲で、温、熱風ま
たは温、熱水にて処理する変性ポリオレフィンの製造方
法(温・熱水中で撹拌する方法;特開昭56−1184
11号公報)等が提案されている。
【0007】しかし、溶解再沈法は、アセトン等の大量
の溶剤を使用し、操作が煩雑であるので、コスト高にな
るという欠点がある。また、加熱乾燥法は、未反応の除
去、特に上記不飽和化合物のオリゴマーの除去が不十分
で、しかも、加熱乾燥する際に変性ポリオレフィン樹脂
が着色するという欠点があった。また、温・熱水中で撹
拌する方法においても、未反応物及びオリゴマーの除去
や着色防止が未だ十分ではなかった。本発明者らは、接
着性を改良するには、未反応物を除去する方法以外に、
そもそも変性時において未反応物の残存が少なく、かつ
接着性を付与するのに適した有機過酸化物を使用して変
性ポリオレフィンを製造することも重要であることを見
い出した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の欠点を解決して、接着性に優れた無水マレイ
ン酸変性ポリオレフィンを経済的に製造する方法を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の1は、ポ
リオレフィン100重量部に対して、無水マイレン酸を
0.1〜20重量部及び半減期1分となる分解温度が1
50〜200℃である有機過酸化物を0.01〜20重
量部を配合してなる混合物を、二軸混練押出機を使用し
て溶融混練することにより変性処理をすることを特徴と
する無水マレイン酸変性ポリオレフィンの製造方法であ
る。また、本発明の2は、ポリオレフィン100重量部
に対して、無水マレイン酸を0.1〜20重量部及び半
減期1分となる分解温度が150〜200℃である有機
過酸化物を0.01〜20重量部を配合してなる混合物
を、ベント口を有する二軸混練押出機を使用して溶融混
練することにより変性及び脱揮処理をすることを特徴と
する無水マレイン酸変性ポリオレフィンの製造方法であ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】
(1)原材料 (A)ポリオレフィン 本発明で使用する変性用基材のポリオレフィンは、エチ
レン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、3−メ
チルブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−
1、オクテン−1、デセン−1等の炭素数2以上のα−
オレフィンの単独重合体、これら2種類以上のモノマー
のランダムまたはブロック重合体、若しくは、炭素数2
以上のα−オレフィンを主成分とし、他のモノマーとの
ランダム又はブロック、グラフト等の重合体、或いは、
これらの混合物である。特に好ましいポリオレフィン
は、JIS K7210準拠のメルトフローレート(エ
チレンを主成分とする樹脂においては190℃、2.1
6kg荷重;プロピレンを主成分とする樹脂においては
230℃、2.16kg荷重)が0.01〜200g/
10分、好ましくは0.1〜100g/10分であるエ
チレン系樹脂、プロピレン系樹脂である。
【0011】(B)無水マレイン酸 本発明で使用する無水マレイン酸は、上記ポリオレフィ
ン100重量部に対して、0.1〜20重量部、好まし
くは0.2〜10重量部の範囲で配合する。上記配合量
が0.1重量部未満では十分な接着性を有する変性ポリ
オレフィンを製造することができず、一方、20重量部
超過では未反応物及び副生物の生成を制御することがで
きず接着性能が低下する。 (C)有機過酸化物 本発明で使用する有機過酸化物は、半減期1分となる温
度(以下、Th1mと略記することがある)が150〜
200℃の範囲にある有機過酸化物である。具体的に
は、例えば、以下の表1に掲げるものを挙げることがで
きる。
【0012】
【表1】
【0013】有機過酸化物の半減期1分となる温度が1
50℃未満では、有機過酸化物の分解が早すぎて、ポリ
オレフィンにグラフトする無水マレイン酸量が少なくな
り接着性能が不十分である。一方、200℃超過では、
有機過酸化物の分解が遅すぎて、ポリオレフィンにグラ
フトする無水マレイン酸量が少なく、接着性能が不十分
である。好ましい有機過酸化物は、下記一般式(I)又
は(II)で表現される化合物である。
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】(ここで、R1 、R2 、R3 、R1 ′、R
2 ′及びR3 ′はメチル基又はフェニル基であり、R4
は炭素数1〜10のアルキレン基である。)
【0017】本発明の製造方法によって得られる変性ポ
リオレフィンは、(i)無水マレイン酸がグラフトした
ポリオレフィン、(ii) 無水マレイン酸がグラフトして
いないポリオレフィン、(iii)無水マレイン酸の未反応
物、(iV) 無水マレイン酸の低重合体であるオリゴマ
ー、(v)上記以外の副生物、からなる混合物である。
【0018】従来、接着性の阻害物質は、上記の(iii)
及び(iv)であると考えられていた(例えば、「高分子
論文集」第49巻2号(1992)第87〜95頁およ
び第97〜104頁)。しかし、これら以外に(v)に
分類される無水マレイン酸と有機過酸化物の分解物とが
反応した化合物も接着性の阻害物質であることが判明し
た。これは意外なことであった。上記無水マレイン酸と
有機過酸化物の分解物との反応物は、分子量が低いほど
除去しやすいので、上記式(I)及び(II)のような下
記の化学構造を有する有機過酸化物が好ましい。
【0019】
【化5】
【0020】この有機過酸化物は、上記ポリオレフィン
100重量部に対して、0.01〜20重量部、好まし
くは0.1〜10重量部の範囲で配合する。上記配合量
が0.01重量部未満では十分なグラフト量の無水マレ
イン酸変性ポリオレフィンが得られず、一方、20重量
部超過では副反応が優勢となり接着性能が低下する。こ
こで、有機過酸化物の半減期とは、有機過酸化物が熱に
よって分解して、その活性酸素量が分解前の量の半分に
なるまでの時間である。この半減期は、ベンゼン等の比
較的不活性な溶剤を使用し、0.1モル/l濃度の有機
過酸化物溶液を調整して、熱分解させたときの有機過酸
化物濃度の時間変化を測定して求められる(「架橋剤ハ
ンドブック(初版)」大成社発行、第162頁参照)。
【0021】(D)その他の配合剤 本発明においては、上記の成分の他に必要によりその他
の成分を本発明の効果を著しく損なわない範囲で配合す
ることができる。その他の成分としては、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、滑剤、着色剤、発泡剤、充填剤、導電
剤、帯電防止剤、防曇剤、金属不活性剤、分散剤、難燃
剤、加工助剤、離型剤、殺菌剤、防かび剤、分子量調整
剤等が挙げられる。
【0022】(2)無水マレイン酸変性ポリオレフィン
の製造 本発明の変性ポリオレフィンは、上記ポリオレフィン及
び無水マレイン酸及び有機過酸化物からなる混合物を溶
融混練することによって製造することができる。この溶
融混練において、無水マレイン酸に対する有機過酸化物
の重量比(有機過酸化物/無水マレイン酸)が0.5〜
10である混合物を溶融混練することが好ましい。該重
量比が0.5未満及び10超過では無水マレイン酸のグ
ラフト変性が不適切で、得られる無水マレイン酸変性ポ
リオレフィンのナイロン、金属、ガラス、ポリエステル
等の基材に対する接着性能が不十分となる。
【0023】この溶融混練によって変性させる際に用い
る装置は、混練特性に優れた二軸混練押出機であり、ポ
リオレフィンの無水マレイン酸変性処理及び混練中に気
化した無水マレイン酸の未反応物及び副生物等の脱揮処
理を同一機内で行える点からベント口を有する二軸混練
押出機が好ましい。好適な混練温度は、ポリオレフィン
が溶融する温度で、かつ、150〜260℃、特に好ま
しくは160〜230℃である。また、好適な混練時間
は、0.3〜30分間、特に好ましくは1〜10分間で
ある。混練温度が低すぎると有機過酸化物が十分に分解
しがたい傾向にあり、一方、混練温度が高すぎるとポリ
オレフィンの熱分解反応が優先する傾向にあり、いずれ
も期待する変性が十分でない傾向にある。
【0024】また、変性に際しては、先に記載した半減
期1分となる温度が150〜200℃である有機過酸化
物の中でも、二軸混練押出機の混練温度において平均滞
留時間の0.1〜10倍の半減期を有するものが好まし
い。例えば、混練温度200℃、平均滞留時間60秒の
条件にて二軸混練押出機で溶融混練する場合は、200
℃における半減期が6〜600秒である有機過酸化物が
好ましく、この場合、より具体的には、ジクミルパーオ
キサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3等である。ここで、「混練温度」は、押出機のシリ
ンダーに導入した温度計の温度、「平均滞留時間」は、
無着色のポリオレフィンを押出中に、カーボンブラック
等で着色したポリオレフィンを押出機に供給してからダ
イの吐出口より押し出されたポリオレフィンが十分に着
色するまでの時間である。
【0025】図1に示すように、本発明に用いる好まし
い態様のベント口を有する二軸混練押出機1は、シリン
ダ2、シャフト3、シャフトに装着したスクリューエレ
メント4、ホッパー11、温度計12、ベント口13、
吐出部14、押出ダイ15から構成され、ホッパー11
から供給されたポリオレフィン、無水マレイン酸及び有
機過酸化物の原材料は輸送部21を経て混練部22に供
給され、温度計12で検出される所定の制御温度下で溶
融混練され変性処理が施される。そして、混練中に気化
した無水マレイン酸の未反応物及び副生物等は脱揮部2
3のベント口13から混練押出機外に排出される。変性
処理されたポリオレフィンは吐出部14の押出ダイ15
からストランド状に押し出される。なお、図1ではベン
ト口13を2個有する混練押出機を示したが、ベント口
が1個あるいは3個以上混練機であっても本発明に適用
しうる。
【0026】二軸混練押出機は、L/D(L:スクリュ
ーの長さ、D:スクリューの径)、二軸の回転方向(同
方向、異方向)及び二軸の噛み合い度(分離型、接触
型、部分噛み合い型、完全噛み合い型)により特性が異
なる。本発明においては、L/Dが10〜100、回転
方向が同方向、噛み合い度が部分噛み合い型又は完全噛
み合い型である二軸押出機が好適である。また二軸混練
押出機は、目的に応じてスクリューの構成を変更するこ
とができる。本発明においては、少なくとも1つ以上の
混合スクリューを有するスクリュー構成が好ましい。
【0027】本発明の2における二軸混練押出機のベン
ト口とは、シリンダーに設けられた1又は複数の開口部
であり、この開口部を通して無水マレイン酸の未反応物
及び副生物等の除去を行うことができる。該ベント口
は、単に開放する場合と、真空ポンプ等と接続する場合
とがあるが、本発明においては真空ポンプに接続して減
圧脱揮することが好ましい。更に、本発明の無水マレイ
ン酸変性ポリオレフィンは、変性ポリオレフィン中に含
有される全無水マレイン酸量のうちポリオレフィンにグ
ラフトした無水マレイン酸量が50%以上であるものが
好ましい。無水マレイン酸のグラフト量が50%未満で
あると未反応の無水マレイン酸が接着の阻害物質となる
ため接着性の性能が不十分である。
【0028】
【実施例】
(1)評価方法 (A)作業性の評価 ポリオレフィン、無水マレイン酸及び有機過酸化物の混
合物を溶融混練する際に、押出機の原料供給部での該混
合物の供給具合、及び押出機から吐出した変性ポリオレ
フィンのサンプル確保の具合にて、ハンドリング性の評
価を実施した。 〔供給具合〕 「良」 :供給に問題がない。 「不良」:スクリューの噛込部上のホッパー部でブリッ
ジング等を起こして定量的な供給ができない。 〔サンプル確保の具合〕 「良」 :定常的なサンプル確保ができ、問題がない。 「不良」:ストランド切れ等を起こして定常的なサンプ
ル確保ができない。
【0029】(B)メルトフローレート(MFR) 温度180℃、荷重2.16kgfの条件にてMFR
(溶融流出量)を測定し、これを次の換算式にて230
℃の値に換算した。 MFR(230℃)=MFR(180℃)/0.234 ここで、MFR(T℃)とはT℃におけるMFRであ
る。 (C)無水マレイン酸の量 ペレット状のサンプルを熱プレスにより厚さ約100μ
mのフィルムを作成し、赤外線吸収スペクトルの178
0cm-1ピークにより無水マレイン酸量を検量し、この
値を全無水マレイン酸量とした。ペレット状のサンプル
を沸騰キシレンに溶解し、メタノールに再沈させた後、
80℃で、6時間真空乾燥して粉末状のサンプルを得
た。この粉末状サンプルを上記と同様の方法で無水マレ
イン酸量を検量し、この値をポリオレフィンにグラフト
した無水マレイン酸量とした。グラフト無水マレイン酸
量を全無水マレイン酸量で除した値をグラフト無水マレ
イン酸率とした。
【0030】(D)接着性の評価 ポリプロピレン(MFR:0.6g/10分、エチレン
含量:3.9重量%、プロピレン−エチレンランダム共
重合体)、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(MF
R:0.7g/10分、プロピレン含量:27重量%)
及び無水マレイン酸変性ポリプロピレンをグラフトした
無水マレイン酸の量が全樹脂中で0.08重量%で、エ
チレン−プロピレン共重合体ゴムが30重量%となるよ
うに配合して混合物を得、成形温度230℃、ラインス
ピード5m/分、エアーギャップ450mmの条件でエ
チレン−ビニルアルコール共重合体との2層インフレー
ション成形をして厚み200μmのシートを作成した。
このシートから幅1cm、長さ12cmの試験片を作成
し、ショッパーにて速度500mm/分でTピール剥離
強度を測定し、接着性の評価を行った。
【0031】(2)原材料 (A)ポリオレフィン MFRが1.0g/10分のプロピレン単独重合体(以
下、PPと言う) (B)無水マレイン酸 和光純薬製特級試薬(以下、MAHと言う) (C)有機過酸化物 (C1)t−ブチルパーオキシベンゾエート〔Thl
m:166.8℃〕 Thlm:166.8℃ 日本油脂(株)製、商品名:「パーブチルD」(以下、
ブチルDと言う) 160℃における半減期:600秒 200℃における半減期:11.4秒 (C2)2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン Thlm:179.8℃ 日本油脂(株)製、商品名:「パーヘキサ25B」(以
下、25Bと言う) 200℃における半減期:10.0秒
【0032】(C3)α,α′−ビス(t−ブチルパー
オキシ−m−イソプロピル)ベンゼン Thlm:175.4℃ 日本油脂(株)製、商品名:「パーブチルP」(以下、
ブチルPと言う) 200℃における半減期:2.6秒 (C4)t−ブチルパーオキシベンゾエート Thlm:166.8℃ 日本油脂(株)製、商品名:「パーブチルZ」(以下、
ブチルZと言う) 200℃における半減期:1.4秒
【0033】(C5)t−ブチルパーオキシイソプロピ
ルモノカルボネート Thlm:158.8℃ 日本油脂(株)製、商品名:「パーブチルI」(以下、
ブチルIと言う) 200℃における半減期:0.8秒 (C6)1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロ
ヘキサン Thlm:153.8℃ 日本油脂(株)製、商品名:「パーヘキサC」(以下、
ヘキサCと言う) 200℃における半減期:0.7秒
【0034】(C7)ベンゾイルパーオキサイド Thlm:131.1℃ 日本油脂(株)製、商品名:「ナイパーBMT」(以
下、BMTと言う) 160℃における半減期:4.4秒 200℃における半減期:0.2秒 (C8)ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイ
ド Thlm:232.5℃ 日本油脂(株)製、商品名:「パークミルP」(以下、
クミルPと言う) 200℃における半減期:450秒 240℃における半減期:36.0秒
【0035】(3)二軸混練押出機 (A)ベント口を有する同方向二軸スクリュー押出機 日本製鋼所(株)「TEX30SST」(スクリュー径
30mm、L/D42の二軸スクリュー押出機)(以
下、TSEと表現する。) (B)単軸スクリュー押出機(ベント口無し) サーモ・プラスティックス工業(株)製「サーモ40」
(スクリュー径40mm、L/D26の単軸スクリュー
押出機)(以下、SSEと表現する。)
【0036】〔実施例1〕PPが100重量部、MAH
が2重量部、ブチルDが3重量部の混合物を、温度20
0℃、スクリュー回転速度150rpmに設定したベン
ト口を有する同方向二軸スクリュー混練押出機TSEに
5.0kg/時間の速度で供給して溶融混練した。該押
出機の吐出部の押出ダイから溶融樹脂をストランド状に
押し出し、これをカッティング又は粉砕することによっ
て変性ポリプロピレン(変性PO−1)のペレットを得
た。評価結果を表2に示す。次に、先に示した方法で、
この変性PO−1をグラフト無水マレイン酸の含量が
0.08重量%となる割合で配合し、接着性の評価を行
った。評価結果を表2に示す。
【0037】〔実施例2〜12及び比較例1〜7〕表2
に示す配合にて実施例1と同様の方法で変性ポリプロピ
レンを製造し、接着性の評価を行った。評価結果を表2
に示す。なお、比較例7においては単軸のスクリュー混
練押出機SSEを使用した。 〔比較例8〕比較例7で製造した変性ポリプロピレン
を、温度100℃に設定した空気循環式乾燥機にて、2
4時間加熱乾燥処理を実施した。評価結果を表2に示
す。なお、比較例8においては単軸のスクリュー混練押
出機SSEを使用した。
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、接着性に優れた変性ポ
リオレフィンを経済的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する二軸混練押出機の断面模式図
である。
【符号の説明】
1 二軸混練押出機 2 シリンダ 3 シャフト 4 スクリューエレメント 4a 輸送エレメント 4b 混練エレメント 11 ホッパー 12 温度計 13 ベント口 14 吐出部 15 押出ダイ 21 輸送部 22 混練部 23 脱揮部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹口 寛 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市総合研究所内 (72)発明者 矢野 一憲 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン100重量部に対して、
    無水マイレン酸を0.1〜20重量部及び半減期1分と
    なる分解温度が150〜200℃である有機過酸化物を
    0.01〜20重量部を配合してなる混合物を、二軸混
    練押出機を使用して溶融混練することにより変性処理を
    することを特徴とする無水マレイン酸変性ポリオレフィ
    ンの製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン100重量部に対して、
    無水マレイン酸を0.1〜20重量部及び半減期1分と
    なる分解温度が150〜200℃である有機過酸化物を
    0.01〜20重量部を配合してなる混合物を、ベント
    口を有する二軸混練押出機を使用して溶融混練すること
    により変性及び脱揮処理をすることを特徴とする無水マ
    レイン酸変性ポリオレフィンの製造方法。
  3. 【請求項3】 有機過酸化物が、下記一般式(I)又は
    (II)で表現される化合物である請求項1又は2に記載
    の無水マレイン酸変性ポリオレフィンの製造方法。 【化1】 【化2】 (ここで、R1 、R2 、R3 、R1 ′、R2 ′及び
    3 ′はメチル基又はフェニル基であり、R4 は炭素数
    1〜10のアルキレン基である。)
  4. 【請求項4】 二軸混練押出機の混練温度における有機
    過酸化物の半減期が、ポリオレフィンの平均滞留時間の
    0.1〜10倍である請求項1又は2に記載の変性ポリ
    オレフィンの製造方法。
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