JP2008525365A - トリオキセパン組成物の製造方法およびポリマーの架橋におけるその使用 - Google Patents

トリオキセパン組成物の製造方法およびポリマーの架橋におけるその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2008525365A
JP2008525365A JP2007547402A JP2007547402A JP2008525365A JP 2008525365 A JP2008525365 A JP 2008525365A JP 2007547402 A JP2007547402 A JP 2007547402A JP 2007547402 A JP2007547402 A JP 2007547402A JP 2008525365 A JP2008525365 A JP 2008525365A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
initiator composition
compound
trioxepane
peroxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007547402A
Other languages
English (en)
Inventor
メイジャー,ジョン
ベルナルダス, ゲルハルダス, マリア ニジョフ,レオナルダス,
エヴァート ロエロフス,ヘルマン,
トンナエー,ハイモ
デ ウォープ,ロエロフ ファン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Akzo Nobel NV
Original Assignee
Akzo Nobel NV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Akzo Nobel NV filed Critical Akzo Nobel NV
Publication of JP2008525365A publication Critical patent/JP2008525365A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D323/00Heterocyclic compounds containing more than two oxygen atoms as the only ring hetero atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F255/00Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of hydrocarbons as defined in group C08F10/00
    • C08F255/02Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of hydrocarbons as defined in group C08F10/00 on to polymers of olefins having two or three carbon atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F287/00Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to block polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J3/00Processes of treating or compounding macromolecular substances
    • C08J3/20Compounding polymers with additives, e.g. colouring
    • C08J3/22Compounding polymers with additives, e.g. colouring using masterbatch techniques
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/04Oxygen-containing compounds
    • C08K5/15Heterocyclic compounds having oxygen in the ring
    • C08K5/159Heterocyclic compounds having oxygen in the ring having more than two oxygen atoms in the ring
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L51/00Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L51/006Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers grafted on to block copolymers containing at least one sequence of polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L51/00Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L51/06Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers grafted on to homopolymers or copolymers of aliphatic hydrocarbons containing only one carbon-to-carbon double bond

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

ペルオキシドの全量に基づき3.5重量%未満のジアルキルペルオキシドを含む式(I) のトリオキセパン化合物を製造する方法であって、該方法は、酸の存在下で式R3CHOH-CH2-C(CH3)2OHのグリコール化合物と過酸化水素とを反応させて、グリコールヒドロペルオキシドを形成する工程、グリコールヒドロペルオキシドを精製する工程、精製したグリコールヒドロペルオキシドと式R1R2COのケトンもしくはアルデヒドとを酸の存在下で反応させて、トリオキセパン化合物を形成する工程、およびトリオキセパン化合物を精製する工程を含み、ここで、R1、R2およびR3は独立して、水素および置換もしくは非置換のヒドロカルビル基から選択され、ただし、R1およびR2が共にメチル基であるなら、R3は水素ではない。そのようにして製造されたトリキセパン化合物を含む開始剤組成物は、良好な架橋効率と組合せて、高い安全な加工処理温度によって特徴づけられる。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定のトリオキセパン化合物の製造方法、そのようなトリオキセパン化合物を含む開始剤組成物、トリオキセパン化合物を使用するポリマー変性法およびこれらの方法から生じる生成物に関する。
ポリマー、例えば熱可塑性ポリマー、例えば高密度ポリエチレンの架橋方法においては、開始剤組成物、例えばペルオキシドに基づく開始剤組成物を使用するのが普通のことである。これらの方法においては、ポリマーは、(最終的な)成形品の形を与えられ、架橋プロセスが行われる。
トリオキセパン化合物は従来公知であり、例えばカーク-オスマー(Kirk-Othmer)、ザ エンサイクロペディア オブ ケミカル テクノロジー(The Encyclopedia of Chemical Technology)、第3版、第17巻、1982年、第57頁に開示されている。この開示に従えば、トリオキセパン化合物は、酸触媒の存在下で、ヒドロキシルヒドロペルオキシドとアルデヒトもしくはケトンと、特にアセトンとの反応によって製造することができる。
国際特許出願公開WO 98/50354号は、62.58%純度のヘキシレングリコールヒドロペルオキシドおよび、4種のケトン、シクロヘキサノン、アセト酢酸エチル、アセトンおよび2,4-ペンタジオンのうちの任意の1種を使用する1,2,4-トリオキセパン化合物の製造を開示する。実施例に記載されたこの反応から生じる生成物は、1,2,4-トリオキセパンおよび4重量%より多いジアルキルペルオキシドの組成物である。ジアルキルペルオキシドは、製造プロセス中に必然的に形成される。生じたトリオキセパン組成物はその後、熱可塑性ポリマーを架橋するための開始剤組成物として使用される。国際特許出願公開WO 98/50354号には、架橋反応は、開始剤組成物と助触媒の両方の存在下でのみ起こることが記載されている。さらに詳細には、助触媒はシアヌル酸トリアリルである。
しかしながら、今まで使用されてきた他の開始剤のほとんどと同様に、国際特許出願公開WO 98/50354号のペルオキシドに基づく開始剤組成物は、架橋性ポリマーが溶融する温度より下の温度または、架橋性ポリマーの粘度が容易な加工処理を可能にするのに不十分に低い温度で分解し始めるという問題を有する。公知の開始剤組成物がそのように容易に分解するので、架橋プロセスは均質な組成物中で行うことができず、したがって、成形品の品質は最適ではない。さらに、開始剤の容易な分解は、加工処理中の架橋性ポリマーの時期尚早の架橋を生じ得る。容易な分解が予防されるべきであるなら、開始剤組成物を含む架橋性ポリマーの加工処理は、架橋性ポリマーが溶融状態にある温度、または十分に低い粘度を有する温度で行うことができない。その場合、成形品の形成はエネルギーを消費し、かつ非常に効率の悪いプロセスであり、不完全な表面、不均一な機械的特性および物性ならびに低い耐久性を有する成形品をしばしば生じるものである。
架橋性ポリマー中の開始剤の均一な分布は、より効率的で簡単な架橋プロセスを生じ、かつより高い基準、より高い耐久性およびより良い架橋ポリマーを生じることが一般に理解される。それ故に、開始剤および固体の架橋性ポリマーの前処理のタンブル混合または他の形態は、今まで、架橋性ポリマー中の開始剤の均一な分布を達成することを示唆してきた。
ポリマーを架橋するプロセスおよび架橋性ポリマー中の開始剤組成物の分布は改善させられることが理解される。架橋性ポリマー中の開始剤組成物の改善された分布および架橋性ポリマーを架橋する改善されたプロセスを達成する1つの方法は、より容易に加工処理可能な状態で開始剤および架橋性ポリマーを混合することによる。
例えばあるタイプの(超)高分子量ポリエチレンの溶融温度より下の温度で分解しない開始剤は、今までほとんどなかった。1つの例は、エチル-O-ベンゾイルラウロヒドロキシメートである。しかしながらこれは、毒性化合物、例えばHCl気体およびヒドロキシルアンモニウムクロリドが使用されるプロセスを用いて製造される開始剤化合物である。そのうえ、エチル-O-ベンゾイルラウロヒドロキシメートは、助触媒、例えばシアヌル酸トリアリルの存在下でのみ架橋性ポリマーの架橋のために開始剤として使用可能である。架橋プロセスにおけるシアヌル酸トリアリルの使用は不都合である。というのは、別の化合物を架橋プロセスに添加するものであり、なおまた、シアヌル酸トリアリルは安全な加工処理温度を下げ得ると考えられるからである。
したがって、上記の欠点を持たない開始剤組成物および架橋性ポリマーを架橋する方法についての必要性がある。より詳細には、架橋性ポリマーが溶融するかまたは、容易な加工処理および開始剤組成物の均一分布を可能にする低い粘度を有する温度で安定である、ポリマーを架橋するための開始剤組成物であって、環境にやさしく、助剤を必要とせず、かつ毒性物質を使用する必要なく製造することができる組成物についての必要性がある。ポリマーおよび開始剤を溶融状態または低粘度状態で混合することができ、成形品への加工処理および架橋を同時に行うことができ、かつ耐久性で加工性の架橋ポリマーを生じる、ポリマーを架橋する方法についての当分野における必要性がある。
本発明によれば、ペルオキシドの全量に基づき3.5重量%未満のジアルキルペルオキシドを含む、以下の式(I)
Figure 2008525365
のトリオキセパン化合物を製造する方法が提供され、該方法は、酸の存在下で式R3CHOH-CH2-C(CH3)2OHのグリコール化合物と過酸化水素とを反応させて、グリコールヒドロペルオキシドを形成する工程、グリコールヒドロペルオキシドを精製する工程、精製したグリコールヒドロペルオキシドと式R1R2COのケトンもしくはアルデヒドとを酸の存在下で反応させて、トリオキセパン化合物を形成する工程、およびトリオキセパン化合物を精製する工程を含み、ここで、R1、R2およびR3は独立して、水素および置換もしくは非置換のヒドロカルビル基から選択され、ただし、R1およびR2が共にメチル基であるなら、R3は水素ではない。
本発明によれば、以下の式(I)
Figure 2008525365
のトリオキセパン化合物および、ペルオキシドの全量に基づき0ppm〜3.5重量%の式(II)
Figure 2008525365
のジアルキルペルオキシド化合物を含む開始剤組成物が提供され、ここで、R1、R2およびR3は独立して、水素および置換もしくは非置換のヒドロカルビル基から選択され、任意的にR1、R2およびR3の基のうちの2個は結合して環構造を形成し、ただし、R1およびR2が共にメチル基であるなら、R3は水素ではない。
本発明はさらに、架橋したポリマーを製造する方法であって、架橋性ポリマーを含む反応混合物が、上記式(I)の1,2,4-トリオキセパンおよびペルオキシドの全量に基づき0〜3.5重量%の式(II)のジアルキルペルオキシドを含む開始剤組成物の存在下で架橋性ポリマーの架橋反応を開始するのに適当である160〜500℃の温度にされる方法を提供する。また、架橋性ポリマーおよび開始剤組成物を含むマスターバッチが提供される。
本発明はさらに、この方法によって得ることができる架橋したポリマー、そのような架橋したポリマーを含む成形品ならびに、架橋性ポリマーが所望の形に加工処理される工程および架橋性ポリマーが架橋される別の工程を含む、成形品を形成する方法を提供する。上記の方法においては、架橋する工程は好ましくは、物品を成形する工程と同時またはその後に行われる。しかしながら熱可塑性(TPE)ポリマーについては、架橋する工程は好ましくは、物品を成形する工程の前またはそれと同時に行われる。
1,2,4-トリオキセパン化合物が慣用のプロセスによって製造されるときには、この慣用のプロセスは、まずグリコールとヒドロペルオキシドとを反応させ、その後グリコールヒドロペロキシドとケトンもしくはアルデヒドとを反応させることを含み、ここで第2の工程は、上記したカーク-オスマーのエンサイクロペディア オブ ケミカル テクノロジー(Kirk-Othmer's Encyclopedia of Chemical Technology)および国際特許出願公開WO98/50354号の両方に開示されており、その後、洗浄工程のような慣用の方法によって精製されて、望まれない過酸化水素および水溶性副生物を除去して、技術的に純粋な生成物が得られ、残留するジアルキルペルオキシドの量は、常に少なくとも約4重量%であるとわかる。
グリコールヒドロペルオキシドが2つの反応工程間で精製されるなら、3.5重量%未満のジアルキルペルオキシドを含むトリオキセパン化合物を製造することができることがここで見出された。好ましくはグリコールヒドロペルオキシドは、ペルオキシドの全量に基づき65%より上の純度、さらに好ましくは75%より上の純度、なおさらに好ましくは85%より上の純度、最も好ましくは90%より上の純度であるように、精製される。
本発明の開始剤組成物は、同時に、良好な架橋効率が維持されながら、高められた安全な加工処理温度によって特徴づけられる。高められた安全な加工処理温度は、開始剤組成物のより高い分解温度に関連する。高められた安全な加工処理時間は、架橋性ポリマーの時期尚早な架橋の減少を意味する。架橋性ポリマーを含む本発明の開始剤組成物は、高められた安全な加工処理温度を有するので、160℃より高い温度、好ましくは170℃より高い温度、なおさらに好ましくは175℃より高い温度で、時期尚早の架橋を生じることなく、加工処理されることができる。さらには、架橋性ポリマーは低粘度または溶融状態で架橋されることができるので、それの成形品への加工処理は有意に容易であり、例えば溶融ポリマーを押し出すことによって、開始剤組成物の存在下での架橋性ポリマーの架橋と共に同時に行うことができる。開始剤組成物を溶融した架橋性ポリマーに添加することができることのさらなる利益は、得られた架橋ポリマーがより均一に架橋されることであり、これは、架橋したポリマーの改善された耐久性およびより良い表面によって証明される。さらなる利益として、泡形成の発生の減少が、架橋したポリマーにおいて見出された。
精製された状態でトリオキセパン化合物を製造する方法においては、グリコールヒドロペルオキシドおよび1,2,4-トリオキセパン化合物の精製を任意の慣用の精製方法によることができる。グリコールヒドロペルオキシドの精製は好ましくは、抽出、結晶化、ろ過、溶媒蒸発または、これらの精製方法のうちの1つまたはそれ以上の組合せによって行われる。1,2,4-トリオキセパン化合物の精製は好ましくは、抽出、蒸留、溶媒蒸発または、これらの精製方法のうちの1つまたはそれ以上の組合せによって行われる。精製工程は、1回以上繰り返すことができる。
好ましい式(I)の1,2,4-トリオキセパン化合物および式(II)のジアルキルペルオキシドは、R1-3が独立して、水素および置換もしくは非置換のC1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アラルキルおよびC7〜C20アルカリールからなる群より選択されるものであり、これらの基は、線状もしくは分岐したアルキル部分を含むことができ、一方、基R1-3のうちの2個が連結されて(置換)シクロアルキル環を形成することができ;R1-3のそれぞれにある任意的な1個以上の置換基は、ヒドロキシ、アルコキシ、線状もしくは分岐したアルキルもしくはアルケニル、アリールオキシ、ハロゲン、カルボン酸、エステル、カルボキシ、ニトリルおよびアミドからなる群より選択される。しかしながら、R1およびR2が共にメチル基であるなら、R3は水素ではないことに注意すべきである。
好ましくはR1およびR3は、低級アルキル基、より好ましくはC1〜C6アルキル基、例えばメチル、エチルおよびイソプロピルから選択され、メチルおよびエチルが最も好ましい。R2は好ましくは、水素、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、tert-ブチル、アミル、イソアミル、シクロヘキシル、フェニル、CH3C(O)CH2-、C2H5OC(O)CH2-、HOC(CH3)2CH2-、および
Figure 2008525365
(ここで、R4は独立して、R1-3について与えられた化合物の群のいずれかから選択される)
から選択される。別の好ましい生成物は、
Figure 2008525365
である。
開始剤組成物は好ましくは少なくとも1ppm、さらに好ましくは少なくとも10ppm、なおさらに好ましくは少なくとも100ppmのジアルキルペルオキシドを含む。最も好ましい実施態様においては、その量は少なくとも500ppmである。開始剤組成物は好ましくは3重量%未満、さらに好ましくは2.5重量%未満、なおさらに好ましくは2重量%未満のジアルキルペルオキシドを含む。最も好ましい実施態様においては、ジアルキルペルオキシドの量は、1重量%未満である。ジアルキルペルオキシドの全ての量は、組成物中のペルオキシドの全量に基づく。
開始剤組成物中のトリオキセパン化合物の量は一般に85重量%より上である。好ましくは、その量は91重量%より上、さらに好ましくは92重量%より上、最も好ましくは95重量%より上である。トリオキセパン化合物の量は一般に100重量%未満、好ましくは99.9重量%未満である。トリオキセパン化合物の全ての量は、組成物中のペルオキシドの全量に基づく。
架橋性ポリマーは、ペルオキシド開始剤で硬化することができる架橋性のポリマーである。架橋性ポリマーは、限定されないが、熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン(コ)ポリマー、ゴム、例えば天然ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレン-プロピレン(ジエン)ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリクロロペンタンゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリウレタンゴム、ポリスルフィドゴムおよびエチレン酢酸ビニルゴム、ゴムのブレンド、ゴムおよび熱可塑性樹脂(TPE)のブレンドならびに、熱可塑性樹脂のブレンドを包含する。好ましくは架橋性ポリマーは、高密度ポリエチレンポリマー(HDPE)、低密度ポリエチレンポリマー(LDPE)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ポリブタジエンゴムまたはエチレン-プロピレン(ジエン)ゴム(EP(D)M)である。最も好ましくは、架橋性ポリマーは高密度ポリエチレンである。
開始剤組成物の存在下で架橋性ポリマーを架橋するプロセスは普通、架橋を開始するのに適当な温度以上で行われる。好ましくは温度は175℃より高く、さらに好ましくは185℃より高く、最も好ましくは190℃より高い。好ましくは温度は400℃より下であり、さらに好ましくは350℃より下であり、最も好ましくは300℃より下である。
開始剤組成物の量は好ましくは架橋性ポリマー100g当たり0.1〜20ミリモル、さらに好ましくは架橋性ポリマー100g当たり0.5〜15ミリモル、最も好ましくは架橋性ポリマー100g当たり1.0〜10ミリモルである。
架橋性ポリマーの加工処理は、任意の公知の方法、例えば押出し、射出成形、回転成形、圧縮成形、トランスファー成形によって行うことができる。
特に適当な本発明の成形品は、パイプ、管、ケーブル、形材、ベルト、容器等である。好ましい本発明の成形品は、架橋ポリマーとして架橋ポリエチレンを含む、パイプまたはケーブルである。
本発明の開始剤組成物はまた、レオロジー特性を変えるために、熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマーの分子量(分布)を変えるのに適当に使用できる。したがって、本発明はまた、本発明の開始剤組成物を使用して、ポリマーまたはコポリマーのレオロジーが遊離基によって変更される方法に関する。開始剤組成物は、ポリプロピレンの減成、モノマーのポリマーへのグラフト(例えば無水マレイン酸のポリプロピレンへのグラフト)およびポリオレフィンの官能化のようなプロセスにおいて使用することができる。これらのプロセスにおいては、開始剤組成物をポリマー対象の表面に施与し、(溶融、溶解、粒状もしくは粉末状態で)ポリマーマトリックス中にそれを混合するか、または重合工程中にそれをポリマー中に組み込むことによって、開始剤組成物をポリマー材料と接触させることができる。これらのプロセスは、慣用の方法に従って行うことができる。
これらのプロセスにおいて使用されるべきトリオキセパン化合物の量は好ましくはポリマー材料の重量に基づいて0.001〜15.0重量%、さらに好ましくは0.005〜10.0重量%、最も好ましくは0.01〜5.0重量%である。
本発明の開始剤組成物を用いて減成または官能化することができるポリマーとしては、アイソタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、アルキレン/プロピレンコポリマー、例えばエチレン/プロピレンランダムおよびブロックコポリマー、プロピレン/ジエンモノマーコポリマー、プロピレン/スチレンコポリマー、ポリ(ブテン-1)、ポリ(ブテン-2)、ポリイソブテン、イソプレン/イソブチレンコポリマー、塩素化イソプレン/イソブチレンコポリマー、ポリ(メチルペンテン)、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリ(α-メチル)スチレン、2,6-ジメチルポリフェニレンオキシド、スチレニクス(styrenics)ならびに、これらのポリマーの混合物もしくはブレンドおよび/または他の減成性でないポリマーとの混合物もしくはブレンドを包含する。典型的には、減成を用いると、ポリマーの幾つかの特性、例えば繊維のテナシティ、射出成形品のゆがみ、ポリマーフィルムの透明性、および/またはフレームフロント(flame front)から離れる流れ性が改善される。本発明の変性プロセスは、種々のポリプロピレンプロセス、例えば繊維の紡績、高速射出成形および不織布の溶融ブロー成形のために特に有利である。
本発明の開始剤組成物によってグラフトすることができる適当なポリマーの例は、共役1,3-ジエンと、1種以上の共重合可能なモノエチレン性不飽和モノマー、例えば芳香族モノビニリデン炭化水素、ハロゲン化芳香族モノビニリデン炭化水素、(メタ)アクリロニトリル、アルキル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、不飽和ケトン、ビニルエステル、ビニリデンおよびハロゲン化ビニルとのコポリマーおよびブロックコポリマー;エチレン/プロピレンコポリマーおよび、他の多不飽和化合物、例えばヘキサジエン-1,4、ジシクロペンタジエンおよび5-エチリデンノルボルネンとのエチレン/プロピレンコポリマー;ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレンおよびそれらのコポリマー;ならびに本質的にエチレン性不飽和を含まないポリオールを含むポリオールである。そのようなポリオールは、モノマー単位当たり2〜6個の炭素原子を有し、400〜2000のMnを有するポリアルキレンポリエーテルポリオール、多ヒドロキシル含有ポリエステル、ヒドロキシ末端ポリエステルおよび脂肪族ポリオールを包含する。上記したポリマーへのグラフトのために適当なモノマーは、オレフィンもしくはエチレン性不飽和モノマー、例えば:置換もしくは非置換のビニル芳香族モノマー(スチレンおよびα-メチルスチレンを含む);エチレン性不飽和のカルボン酸およびその誘導体、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルおよびグリシジルメタクリレート;エチレン性不飽和のニトリルおよびアミド、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリルおよびアクリルアミド;置換もしくは非置換のエチレン性不飽和モノマー、例えばブタジエン;ビニルエステル、例えば酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニル;エチレン性不飽和ジカルボン酸およびその誘導体(モノ-およびジエステル、無水物およびイミドを含む)、例えば無水マレイン酸、無水シトラコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、無水ナディック(商標)(nadic anhydride)、マレイン酸、アリール、アルキルおよびアラルキルシトラコンイミドおよびマレイミド;ハロゲン化ビニル、例えば塩化ビニルおよび塩化ビニリデン;オレフィン、例えばイソブテンおよび4-メチルペンテン;ならびにエポキシドである。
実施例
実施例においては、以下の方法が使用される。
安全な加工処理温度の決定
架橋したポリマー試料の溶融粘度の増加を、アルファ テクノロジー レオメーター(Alpha Technology Rheometer) MDR 2000Eを用いて、以下の表に示された温度で測定した。安全な加工処理温度を決定するために、ts2(分)を測定した。ts2(分)は、測定開始から最小粘度+0.22Nmまでの時間である。より高いts2(分)は、高められた安全な加工処理温度に直接関連する。
架橋効率の決定
全てのポリマーについて、試料のΔトルク(表中でデルタSによって示される)を、アルファ テクノロジー レオメーター(Alpha Technology Rheometer) MDR 2000Eを用いて測定した。デルタトルクは、架橋効率に直接関連する。
さらに、高密度ポリエチレン架橋ポリマーについて、架橋効率をまた、硬化後のゲル画分によって決定した。ゲル画分は、レオメーターからの0.3グラムの架橋HDPEをキシレンに添加し、得られた混合物を136〜138℃の温度で16時間煮沸することによって決定された。煮沸プロセス中、非架橋HDPEは、キシレンから抽出された。煮沸プロセス後、HDPE試料はアセトンで洗浄され、熱空気オーブン中で2時間乾燥され、試料は再び重量測定された。ゲル画分は、以下のように計算される。
[数1]
ゲル画分 = (重量抽出後/重量抽出前)x 100%
重量損失は、非架橋ポリマーの量に関連し、それ故に、ゲル画分が低ければ低いほど、架橋効率は低くなる。さらには、全架橋の90%を達成するのに必要とされる時間であるt90(分)が測定された。
本発明の開始剤組成物の製造
硫酸の存在下で30℃の温度にて1時間、118.1g(1.0モル)のヘキシレングリコールと145.7g(3モル)の過酸化水素との反応によって、ヘキシレングリコールヒドロペルオキシドを製造した。反応混合物を20℃に冷却し、pH=6.8まで水酸化ナトリウムで中和した。分離後、下層を排出した。残留する粗製ヘキシレングリコールヒドロペルオキシドを、160gの25%NaOH溶液の添加によってナトリウム塩に転化させた。その後、ジアルキルペルオキシド含量(ジ(3-ヒドロキシ-1,1-ジメチルブチル)ペルオキシド)を低下させるために、ナトリウム塩を、エチルエーテルで3回抽出した。残留するヘキシレングリコールヒドロペルオキシドのナトリウム塩を、pH3まで25%H2SO4で酸性にした。ヘキシレングリコールヒドロペルオキシドを、エチルエーテルを用いて、溶液から分離した。エチルエーテルの蒸発後、得られた生成物を分析し、92%ヘキシレングリコールヒドロペルオキシドを含むことがわかった。
73g(0.5モル)の先に製造したヘキシレングリコールヒドロペルオキシドを、硫酸の存在下で20℃の温度にて1時間、35g(0.6モル)のアセトンと反応させた。分離後、酸層を除去し、粗製トリオキセパンを、4%NaOH溶液で1回洗浄した。トリオキセパンは、硫酸マグネシウムで乾燥させた。ろ過した生成物を分析し、95%の3,3,5,7,7-ペンタメチル-1,2,4-トリオキセパンおよび0.3%のジアルキルペルオキシド(ジ(3-ヒドロキシ-1,1-ジメチルブチル)ペルオキシド)を含むことがわかった。
(比較)製造例A〜M
上記の手順を用いて、以下の開始剤組成物を製造した。
Figure 2008525365
(比較)例1〜11
高密度ポリエチレンの架橋における開始剤組成物の安全な加工処理時間および架橋効率の決定
250mlのポット中の100gのHDPE(Lupolen 5216Z、エレナック(Elenac)から)に開始剤組成物を添加し、反応混合物を環境温度で30分間タンブル混合した。開始剤組成物の量は、100gのポリエチレン当たり5ミリモルのトリオキセパンが存在するようにされた。16時間後、試料をレオメーターに入れ、ts2(分)を測定した。試料が最大トルクに達した後、レオメーターから出し、生成物の架橋効率(ゲル画分)を決定した。
結果は以下のようである:
Figure 2008525365
Figure 2008525365
(比較)例12および13
シリコーンゴムの架橋における開始剤組成物の安全な加工処理時間および架橋効率の決定
100gの架橋性シリコーンゴム(Silopren HV3/611U、ジーイーベイヤー(GE Bayer)から)に開始剤組成物を添加し、全体を、環境温度にて5分間、ドクターコリン(Dr. Collin)2-ロールミルで混合した。開始剤組成物の量は、100gのシリコーンゴム当たり2ミリモルが存在するように選択された。混合後、化合物をレオメーターに入れ、ts2および架橋効率(Δトルク)を測定した。
結果を以下の表に与える。
Figure 2008525365
証明されたように、低ジアルキル含量を有する本発明の開始剤組成物のシリコーンゴムにおける安全な加工処理温度(ts2)は、高ジアルキル含量を有する比較の開始剤組成物より有意に高い。
(比較)例14および15
EPDM-ゴムの架橋における開始剤組成物の安全な加工処理時間および架橋効率の決定
架橋性EPDMゴム化合物(100gのEPDM、Keltan 578(ディーエスエム(DSM)から))、70gのカーボンブラックSRF、70gのカーボンブラックFEF(キャボット(Cabot)から)および50gのオイル(Sunpar 2280;スノコオイル(Sunoco oil)から)に、開始剤組成物を添加し、全体を60℃にて5分間、ドクターコリン(Dr. Collin)2-ロールミルで混合した。開始剤組成物の量は、100gのゴム当たり14ミリモルのトリオキセパンが使用されるように選択された。混合後、化合物をレオメーターに入れ、ts2および架橋効率(Δトルク)を測定した。
結果を以下の表に与える。
Figure 2008525365
証明されたように、低ジアルキル含量を有する開始剤組成物のEPDMゴムにおける安全な加工処理処理温度(ts2)は、高ジアルキル含量を有する開始剤組成物より有意に高い。
例16〜23
HDPEの架橋において使用される開始剤組成物の量に依存する安全な加工処理時間
250mlのポット中の100gのHDPE(Lupolen 5216Z、エレナック(Elenac)から)に開始剤組成物を添加し、反応混合物を環境温度で30分間タンブル混合した。開始剤組成物の量は、100gのポリエチレン当たり2,5,10,17.2または17.3ミリモルのトリオキセパンが存在するような量であった。16時間後、試料をレオメーターに入れ、ts2/分を測定した。試料が最大トルクに達した後、レオメーターから出し、生成物の架橋効率(ゲル画分)を決定した。
結果を以下の表に与える。
Figure 2008525365
Figure 2008525365
上記表から、ts2で表した安全な加工処理温度およびt90で表した架橋時間は、開始剤の量が増加するときに減少することがわかる。
(比較)例24〜26
ポリプロピレンの減成
開始剤組成物A(使用されるとき)をジクロロメタンに溶かし(約5重量%溶液)、0(比較例24)、0.325(実施例25)または0.65(実施例26)ミリ当量のペルオキシド/100gPPの量で、ポリプロピレン(PP)粉末と混合した。混合物を有毒ガス排出装置付き実験容器中に4時間置いて、ジクロロメタンを除去した。さらに、PPの重量に基づいて0.05重量%のIrganox 1010(酸化防止剤)粉末を混合した。
得られた混合物を、スクリューハウジング(screw housing)タイプ15/22を有するPlasticolor 2000 1スクリューフィーダーを用いたRheomex TW100強混合スクリューにて、ハーケレオコードシステム(Haake Rheocord system)40中に供給した。低酸素状態を維持するために、窒素をホッパー中(2.5リットル/分)およびダイの周囲(9リットル/分)に導入した。押出し中、スクリュー速度は50rpmに設定され、温度設定は190/250/250/250℃であった。得られたストランドを水浴を用いて冷却し、Automatik ASG5グラニュレーターを用いて粒状にした。
分析の前に、細粒を60℃にて循環オーブン中で1晩乾燥した。ポリマーのメルトフローインデックス(MFI)を、ASTM D 1238(230℃/2.16kg)法を用いた慣用のやり方で分析した。
結果を以下の表に与える。表は、本発明の開始剤組成物がポリプロピレンの減成のために適当に使用できることを示す。
Figure 2008525365
(比較)例27〜29
ポリプロピレンにグラフトした無水マレイン酸
開始剤組成物A(使用されるとき)をジクロロメタンに溶かし(約5重量%溶液)、0(比較例27)、0.5(実施例28)または1.0(実施例29)ミリ当量ペルオキシド/100gPPの量で、プロピレンホモポリマー(等級HC001A-B1、ボレアリス(Borealis)から)と混合した。
混合物を有毒ガス排出装置付き実験容器中に4時間置いて、ジクロロメタンを除去した。その後、PPの重量に基づいて0.05重量%のIrganox 1010(酸化防止剤)およびPPの重量に基づいて1重量%の無水マレイン酸(MAH)粉末を混合した。
得られた混合物を、スクリューハウジングタイプ15/22を有するPlasticolor 2000 1スクリューフィーダーを用いたRheomex TW 100強混合スクリューにて、ハーケレオコードシステム9000中に供給した。低酸素状態を維持するために、窒素をホッパー中(2.5リットル/分)およびダイの周囲(9リットル/分)に導入した。押出し中、スクリュー速度は80rpmに設定され、温度設定は160/220/220/220℃であった。得られたストランドを水浴を用いて冷却し、Automatik ASG5グラニュレーターを用いて粒状にした。
分析の前に、細粒を60℃にて循環オーブン中で1晩乾燥した。ポリマーのMFIを、ASTM D 1238(190℃/2.16kg)法を用いた慣用のやり方で分析した。
グラフトしていないMAHを除去するために、乾燥したポリマーを、Tecator Soxtec System HT2(1045抽出ユニット+1046サービスユニット)で、ジクロロメタン/シクロヘキサン3:1体積/体積の混合物80mlを用いて、沸騰状態で3時間、およびすすぎ状態で1時間抽出した。その後、抽出したポリマーを、70℃にて減圧オーブン中で1晩減圧乾燥した。抽出し、乾燥したポリマーを使用して、フォンティーンプレス(Fontijne press)で、フィルム材料をプレスした。
使用した条件は以下のようであった:
1.3グラムのポリマー
190℃/10kNで1分間
190℃/50kNで1分間
190℃/150kNで1分間
30℃/150kNで1分間。
得られたフィルム材料を使用して、Bruker Vector 22FT-IRを用いて赤外線測定によって、MAHグラフト率を分析した。この率は、1790cm-1でのMAH極大および1167 cm-1でのPP極大の吸収比(フィルム厚について補正)に100をかけたものとして定義される。
結果を以下の表に示す。表は、本発明の開始剤組成物がポリプロピレンにグラフトする無水マレイン酸のために適当に使用できることを示す。
Figure 2008525365

Claims (14)

  1. ペルオキシドの全量に基づき3.5重量%未満のジアルキルペルオキシドを含む、以下の式(I)
    Figure 2008525365
    のトリオキセパン化合物を製造する方法であって、
    酸の存在下で式R3CHOH-CH2-C(CH3)2OHのグリコール化合物と過酸化水素とを反応させて、グリコールヒドロペルオキシドを形成する工程、グリコールヒドロペルオキシドを精製する工程、精製したグリコールヒドロペルオキシドと式R1R2COのケトンもしくはアルデヒドとを酸の存在下で反応させて、トリオキセパン化合物を形成する工程、およびトリオキセパン化合物を精製する工程を含み、ここで、R1、R2およびR3は独立して、水素および置換もしくは非置換のヒドロカルビル基から選択され、ただし、R1およびR2が共にメチル基であるなら、R3は水素ではない方法。
  2. 式(I)
    Figure 2008525365
    のトリオキセパン化合物および、ペルオキシドの全量に基づき0ppm〜3.5重量%の式(II)
    Figure 2008525365
    のジアルキルペルオキシド化合物を含む開始剤組成物であって、R1、R2およびR3は独立して、水素および置換もしくは非置換のヒドロカルビル基から選択され、任意的にR1、R2およびR3の基のうちの2個は結合して環構造を形成し、ただし、R1およびR2が共にメチル基であるなら、R3は水素ではない、開始剤組成物。
  3. R1およびR3が、メチル、エチルおよびイソプロピルのような低級アルキル基から選択され、R2が、水素、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、tert-ブチル、アミル、イソアミル、シクロヘキシル、フェニル、CH3C(O)CH2-、C2H5OC(O)CH2-、HOC(CH3)2CH2-、および
    Figure 2008525365
    (ここで、R4は独立して、R1-3について与えられた化合物の群のいずれかから選択される)
    から選択される、請求項2記載の開始剤組成物。
  4. 架橋性ポリマーを架橋する方法であって、架橋性ポリマーを含む反応混合物が、請求項2または3記載の開始剤組成物の存在下で架橋性ポリマーの架橋反応を開始するのに適当な温度にされることを含む方法。
  5. 温度が160〜500℃(好ましくは170〜400℃)である請求項4記載の方法。
  6. 架橋性ポリマーおよび請求項2または3記載の開始剤組成物を含むマスターバッチ。
  7. 成形品を形成する方法であって、架橋性ポリマーが所望の形に加工処理される工程および、架橋性ポリマーが請求項4に従って架橋される別の工程を含む方法。
  8. 架橋工程が、成形工程と同時に、またはその後行われる請求項7記載の方法。
  9. 請求項2または3記載の開始剤組成物を用いて遊離基によってポリマーまたはコポリマーのレオロジーが変更される方法。
  10. ポリマーがポリプロピレンである請求項9記載の方法。
  11. 請求項2または3記載の開始剤組成物を用いてモノマーをポリマーにグラフトする方法。
  12. 無水マレイン酸がポリプロピレンにグラフトされる請求項11記載の方法。
  13. 請求項4〜5または7〜12のいずれか1項記載の方法によって得ることができるポリマー。
  14. 請求項13記載のポリマーを含む成形品。
JP2007547402A 2004-12-23 2005-09-27 トリオキセパン組成物の製造方法およびポリマーの架橋におけるその使用 Pending JP2008525365A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP04078494 2004-12-23
US64898805P 2005-01-31 2005-01-31
PCT/EP2005/054821 WO2006066984A1 (en) 2004-12-23 2005-09-27 Process for preparing trioxepane composition and use thereof in crosslinking polymers

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008525365A true JP2008525365A (ja) 2008-07-17

Family

ID=34928771

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007547402A Pending JP2008525365A (ja) 2004-12-23 2005-09-27 トリオキセパン組成物の製造方法およびポリマーの架橋におけるその使用

Country Status (14)

Country Link
US (1) US7825059B2 (ja)
EP (1) EP1828286B1 (ja)
JP (1) JP2008525365A (ja)
KR (1) KR101189558B1 (ja)
CN (1) CN101107297B (ja)
AT (1) ATE508158T1 (ja)
AU (1) AU2005318298B2 (ja)
BR (1) BRPI0516379B1 (ja)
CA (1) CA2592418C (ja)
DE (1) DE602005027896D1 (ja)
MX (1) MX2007007621A (ja)
RU (1) RU2398771C2 (ja)
TW (1) TWI411610B (ja)
WO (1) WO2006066984A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014500353A (ja) * 2010-11-16 2014-01-09 ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー エーテル含有カルビノール末端化ポリマー
JP2016531957A (ja) * 2013-09-30 2016-10-13 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー ポリエチレン樹脂の溶融強度を増大させるプロセス、マスターバッチ組成物、及びポリマー組成物

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013181784A1 (zh) 2012-06-04 2013-12-12 北京低碳清洁能源研究所 一种加工性能改善的交联聚乙烯组合物
US9617356B2 (en) 2012-06-13 2017-04-11 National Institute Of Clean-And-Low-Carbon Energy Crosslinked polyethylene composition
WO2020169322A1 (en) 2019-02-22 2020-08-27 Nouryon Chemicals International B.V. Process for producing an organic peroxide

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11106521A (ja) * 1997-05-02 1999-04-20 Witco Corp 熱可塑性ポリマーの架橋方法およびこの方法に使用される架橋システム

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CZ2003438A3 (cs) * 2000-08-15 2003-06-18 Akzo Nobel N. V. Trioxepanové deriváty

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11106521A (ja) * 1997-05-02 1999-04-20 Witco Corp 熱可塑性ポリマーの架橋方法およびこの方法に使用される架橋システム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014500353A (ja) * 2010-11-16 2014-01-09 ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー エーテル含有カルビノール末端化ポリマー
JP2016000832A (ja) * 2010-11-16 2016-01-07 ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー エーテル含有カルビノール末端化ポリマー
JP2016531957A (ja) * 2013-09-30 2016-10-13 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー ポリエチレン樹脂の溶融強度を増大させるプロセス、マスターバッチ組成物、及びポリマー組成物

Also Published As

Publication number Publication date
AU2005318298A1 (en) 2006-06-29
BRPI0516379B1 (pt) 2016-05-31
US7825059B2 (en) 2010-11-02
CN101107297B (zh) 2012-11-21
CN101107297A (zh) 2008-01-16
KR101189558B1 (ko) 2012-10-11
KR20070095936A (ko) 2007-10-01
TW200621743A (en) 2006-07-01
CA2592418A1 (en) 2006-06-29
US20080132651A1 (en) 2008-06-05
AU2005318298B2 (en) 2011-03-24
ATE508158T1 (de) 2011-05-15
EP1828286A1 (en) 2007-09-05
RU2398771C2 (ru) 2010-09-10
TWI411610B (zh) 2013-10-11
WO2006066984A1 (en) 2006-06-29
CA2592418C (en) 2013-05-28
MX2007007621A (es) 2007-09-06
EP1828286B1 (en) 2011-05-04
BRPI0516379A (pt) 2008-09-02
RU2007128002A (ru) 2009-01-27
DE602005027896D1 (de) 2011-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4134927A (en) Production of thermoplastic olefin elastomers
EP0777693B1 (en) Maleated high acid number high molecular weight polypropylene of low color
US7683134B2 (en) Maleated high acid number high molecular weight polypropylene of low color
JP3830160B2 (ja) 環状ケトン過酸化物による重合体または共重合体の変性
EP1279684A1 (en) Polypropylene copolymers and method of preparing polypropylene copolymers
JPH0593010A (ja) 実質的に架橋していない無水マレイン酸変性エチレンポリマー及びその製造法
JP2008525365A (ja) トリオキセパン組成物の製造方法およびポリマーの架橋におけるその使用
EP1155052B1 (en) Functionalized polypropylenes and process for production
JPH09278956A (ja) 無水マレイン酸変性ポリオレフィンの製造方法
JP6324545B2 (ja) ポリプロピレンの溶融強度を増強する方法
US5635567A (en) Propylene polymer, process for obtaining it and use
JPH11172016A (ja) 改質ポリプロピレン系樹脂シート
US20020040108A1 (en) Use of trioxepans in the process to modify (CO) polymers
WO2023215309A1 (en) A process for modifying an olefin polymer composition and products thereof
JPH0987454A (ja) 熱可塑性樹脂組成物、それを用いた成形材料及び成型品
MXPA01008831A (es) Polipropilenos funcionalizados y proceso para produccion

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080918

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20090731

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20090722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120307

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120403