JPH08325322A - 変性ポリオレフィンの後処理方法 - Google Patents

変性ポリオレフィンの後処理方法

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JPH08325322A
JPH08325322A JP7230696A JP7230696A JPH08325322A JP H08325322 A JPH08325322 A JP H08325322A JP 7230696 A JP7230696 A JP 7230696A JP 7230696 A JP7230696 A JP 7230696A JP H08325322 A JPH08325322 A JP H08325322A
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modified polyolefin
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polyolefin
melt
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JP7230696A
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English (en)
Inventor
Hiroyoshi Kakiuchi
内 博 賀 垣
Kazunori Yano
野 一 憲 矢
Meiji Wakayama
山 明 治 若
Masahide Ochiumi
海 雅 英 落
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着性、塗装性、印刷性が向上し、かつ、着
色が低減した変性ポリオレフィンの提供。 【解決手段】 ポリオレフィン、不飽和カルボン酸また
はその誘導体及び有機過酸化物からなる混合物を溶融混
練してグラフト反応条件に付して得られる変性ポリオレ
フィンを、該変性ポリオレフィン100重量部に対し、
10〜200重量部の水の存在下で溶融混練することを
特徴とする、変性ポリオレフィンの後処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変性ポリオレフィ
ンの後処理方法に関する。
【0002】さらに詳しくは、接着性に優れ、しかも、
着色の少ない変性ポリオレフィンを経済的に製造する変
性ポリオレフィンの後処理方法に関する。
【0003】
【従来の技術】ポリオレフィンは、比較的安価で、か
つ、良好な成形性、耐熱性、耐溶剤性、機械的特性、外
観等を有するためフィルム、容器、玩具等各種成形品の
材料として多方面の分野で使用されている。
【0004】しかしながら、ポリオレフィンは、本質的
に飽和炭化水素で構成されており、化学的反応性に乏し
いため、接着性、塗装性、印刷性等に問題があった。
【0005】この問題を解決するため、電子線等の放射
線やオゾン等でポリオレフィンを処理する方法、或い
は、有機過酸化物等のラジカル発生剤の存在下、エチレ
ン性不飽和化合物たとえばビニル化合物あるいは不飽和
カルボン酸等をグラフト反応させて、接着性、塗装性等
を付与する方法がある。
【0006】グラフト反応の方法は、大別して2種、す
なわち溶剤を使用して反応させるいわゆる溶液法と、溶
融状態で反応させるいわゆる溶融法とがある。溶液法
は、大量の溶剤を使用するので、コスト高となり、しか
も、地球環境問題からも好ましくない。一方、溶融法
は、そのような溶剤の使用がないので簡便的な手法とし
て注目されている。
【0007】しかし、溶融法で製造した変性ポリオレフ
ィンには、大量の未反応物、即ちグラフト反応しなかっ
たビニル化合物あるいは不飽和カルボン酸等のエチレン
性不飽和化合物やオリゴマー、すなわちビニル化合物あ
るいは不飽和カルボン酸等の不飽和化合物の低分子量重
合体、及びその他の副生物が存在しており、接着性、塗
装性、印刷性の阻害因子となり、しかも、シート、フィ
ルム等の成形体としたときに気泡を発生するという欠点
があった。
【0008】そのため、未反応物を除去する方法とし
て、ポリオレフィンに不飽和カルボン酸またはその酸無
水物を触媒の存在下に溶融混練してグラフト重合して得
られた変性ポリオレフィンを該ポリオレフィンおよび不
飽和カルボン酸またはその酸無水物の良溶媒にて該変性
ポリオレフィンが実質的に溶解しない状態で処理する変
性ポリオレフィンの製造法(溶解再沈法;特開昭54−
99193号公報)、ポリプロピレン、不飽和カルボン
酸またはその誘導体および有機過酸化物からなる混合物
を溶融混練して得られた変性ポリプロピレンを60℃以
上の温度で加熱乾燥する変性ポリプロピレンの製造方法
(加熱乾燥法;特開昭56−95914号公報)、ポリ
オレフィンに不飽和カルボン酸またはその酸無水物を触
媒の存在下に溶融混練してグラフト重合させて得られた
変性ポリオレフィンを該ポリオレフィンのピカット軟化
温度乃至この軟化温度より25℃低い温度の範囲で、
温、熱風または温、熱水にて処理する変性ポリオレフィ
ンの製造方法(温・熱水中で撹拌する方法;特開昭56
−118411号公報)等が提案されている。
【0009】しかし、これらの提案は、それなりの改善
をもたらすであろうとしても、何らかの問題を伴なうも
のと本発明者らには思える。すなわち、溶解再沈法は、
アセトン等の大量の溶剤を使用し、操作が煩雑であるの
で、コスト高になるという欠点があり、また、加熱乾燥
法は、未反応物の除去がまだ不十分で、しかも、加熱乾
燥する際に変性ポリオレフィン樹脂が着色するという欠
点がある。また、温・熱水中で攪拌処理する方法におい
ても、未反応物及びオリゴマーの除去や着色防止が未だ
十分ではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の欠点を解決して、接着性に優れ、しかも、着
色の少ない変性ポリオレフィンを経済的に製造する変性
ポリオレフィンの後処理方法、即ち、変性ポリオレフィ
ン中の未反応の不飽和カルボン酸またはその誘導体およ
びこれらのオリゴマー等の含有量を低減化する方法、を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
<概要>本発明は、ポリオレフィン、エチレン性不飽和
カルボン酸またはその誘導体及び有機過酸化物からなる
混合物を溶融混練してグラフト反応条件に付して得られ
る変性ポリオレフィンを、該変性ポリオレフィン100
重量部に対して10〜200重量部の水の存在下で溶融
混練すること、を特徴とするものである。 <効果>本発明によれば、変性ポリオレフィン中に残存
する不飽和カルボン酸またはその誘導体の未反応物が軽
減されるので、変性ポリオレフィンの接着性、塗装性、
印刷性が向上し、かつ、着色が低減した変性ポリオレフ
ィンを得ることができる。
【0012】本発明の好ましい実施態様の説明 本発明は、前記のように、ポリオレフィンにその溶融時
にエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させて得た変
性ポリオレフィンの後処理に関する。
【0013】本発明による変性ポリオレフィンの更なる
処理は、変性ポリオレフィン製造時に、in situ で、実
施することができる(詳細後記)。従って、本発明によ
る「後処理」は、このようなin situ 処理を包含する。 1.変性ポリオレフィンの製造 (1)ポリオレフィン 本発明でグラフト反応による変性ポリオレフィン製造に
際して「幹」として使用するポリオレフィンは、エチレ
ン、プロピレン、ブテン‐1、ヘキセン‐1、3‐メチ
ルブテン‐1、4‐メチルペンテン‐1、ヘプテン‐
1、オクテン‐1、デセン‐1等の炭素数が2〜8のα
‐オレフィンの単独重合体、これら2種類以上のα‐オ
レフィンのランダムまたはブロック共重合体、若しく
は、炭素数2以上のα‐オレフィンを主成分とし、これ
と他のビニル単量体とのランダム又はブロック、グラフ
ト等の重合体、或いは、これらの混合物である。
【0014】具体的には、プロピレン単独共重合体、プ
ロピレン‐エチレン共重合体、プロピレン‐エチレン‐
ブテン‐1共重合体、プロピレン‐4‐メチルペンテン
‐1共重合体等のプロピレンを主成分として含有するプ
ロピレン系重合体;低密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン‐プロピレ
ン共重合体、エチレン‐酢酸ビニル共重合体等のエチレ
ンを主成分として含有するエチレン共重合体;ポリ(4
‐メチルペンテン‐1)、ポリブテン‐1等が例示され
る。
【0015】これらの中でも好ましいポリオレフィン
は、エチレン系重合体およびプロピレン系重合体であ
り、後者が特に好ましい。
【0016】また、かかるポリオレフィンのASTM
D 1238に準拠したメルトフローレート(MFR)
は、エチレンを主成分とするエチレン系重合体では、1
90℃で2.16kg荷重の条件下で、好ましくは0.
01〜200g/10分、特に好ましくは0.1〜10
0g/10分であり、一方、プロピレンを主成分とする
プロピレン系重合体では、230℃で2.16kg荷重
の条件下で、好ましくは0.1〜200g/10分、特
に好ましくは0.2〜100g/10分である。 (2)エチレン性不飽和カルボン酸またはその誘導体 本発明で「枝」を構成すべきものとして使用するエチレ
ン性不飽和カルボン酸としては、好ましくは炭素数3〜
10のカルボン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸等
が、また、それらの不飽和カルボン酸の誘導体として酸
無水物、エステル(エステルのアルコールは、たとえ
ば、炭素数1〜10の、非置換または置換(置換基はヒ
ドロキシまたは1,2‐エポキシエチル)のアルカノー
ル)、アミド、イミド、無機塩(特に、アルカリ金属
塩)がある。具体的には、無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸、無水シトラコン酸、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタ
クリル酸2‐ヒドロキシエチル、メタクリル酸アリル、
アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミド、アク
リル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル
酸カリウム、メタクリル酸カリウム等を挙げることがで
きる。これらの中でも、無水マレイン酸が好適に使用さ
れる。
【0017】この不飽和カルボン酸またはその誘導体
は、上記ポリオレフィン100重量部に対して、0.1
〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部、の範囲
で使用される。上記配合量が0.1重量部未満では十分
な接着性、塗装性を有する変性ポリオレフィンを製造す
ることができず、一方、20重量部超過では未反応物お
よび副生物の量が増加するので接着性、塗装性、印刷性
の阻害因子、および着色原因となり、その除去のための
後処理に手間がかかることとなる。
【0018】不飽和カルボン酸またはその誘導体のグラ
フト効率は、芳香族ビニル化合物を併用することによっ
て向上することが判った。従って、本発明で変性ポリオ
レフィン製造の際の「エチレン性不飽和カルボン酸また
はその誘導体」というときは、このような芳香族ビニル
化合物を併用する場合を包含するものである。かかる芳
香族ビニル化合物としては、核および/または側鎖置換
スチレンおよびビニルナフタレン、ここで置換基は、低
級アルキル(特にC〜C)、低級アルコキシ、ハロ
ゲン、その他、たとえばスチレンおよびビニルナフタレ
ン(いずれも非置換)、α‐メチルスチレン、α‐メト
キシスチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、
2,4,6‐トリメチルスチレン、クロロスチレン、ジ
クロロスチレン、ブロモスチレン、ニトロスチレン、ク
ロロメチルスチレン、シアノスチレン、t‐ブチルスチ
レン、ビニルナフタレン等を挙げることができる。これ
らの中でもスチレン、α‐メトキシスチレン、およびメ
チルスチレンが好ましい。
【0019】これらは単独で又は2種以上併用すること
ができる。また、かかる芳香族ビニル化合物を使用する
場合の使用量は、上述したポリオレフィン100重量部
に対して好ましくは0.1〜20重量部、特に好ましく
は0.2〜10重量部、である。なお、芳香族ビニル化
合物はエチレン性不飽和カルボン酸またはその誘導体の
グラフト効率向上のための助剤であるので、その使用量
は後者と等モル以下であることがふつうである。 (3)有機過酸化物 グラフト反応を生じさせるべく使用する有機過酸化物と
しては、半減期1分となる温度(T1M)が120〜2
30℃、好ましくは125〜200℃、特に好ましくは
130〜190℃、の範囲にある化合物が適当である。
例えば、アセチルパーオキシド(T1M:123℃)、
サクシニックアシッドパーオキシド(T1M:132
℃)、ベンゾイルパーオキシド(T1M:130℃)、
m‐トルオイルパーオキシド(T1M:131℃)、t
‐ブチルパーオキシ2‐エチルヘキサノエート(T1
M:134℃)、t‐ブチルパーオキシイソブチレート
(T1M:136℃)、1,1‐ビス(t‐ブチルパー
オキシ)シクロヘキサン(T1M:149℃)、t‐ブ
チルパーオキシイソプロピルカルボネート(T1M:1
59℃)、2,2‐ビス(t‐ブチルパーオキシ)オク
タン(T1M:159℃)、t‐ブチルパーオキシアセ
テート(T1M:160℃)、2,5‐ジメチル‐2,
5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(T1M:1
58℃)、t‐ブチルパーオキシラウレート(T1M:
159℃)、ジ‐t‐ブチルパーオキシイソフタレート
(T1M:167℃)、t‐ブチルパーオキシベンゼン
(T1M:167℃)、ジクミルパーオキシド(T1
M:173℃)、α,α′‐ビス(t‐ブチルパーオキ
シ‐m‐イソプロピル)ベンゼン(T1M:175
℃)、t‐ブチルクミルパーオキシド(T1M:173
℃)、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパー
オキシ)ヘキサン(T1M:180℃)、ジ‐t‐ブチ
ルパーオキシド(T1M:186℃)、2,5‐ジメチ
ル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキシン‐3
(T1M:194℃)等を挙げることができる。これら
の有機過酸化物は単独で、または2種類以上を併用して
用いられる。
【0020】この有機過酸化物は、上記ポリオレフィン
100重量部に対して、0.01〜20重量部、好まし
くは0.1〜15重量部、特に好ましくは0.5〜10
重量部、の範囲で配合するのが適当である。 (4)変性ポリオレフィンの製造 本発明の後処理方法に供される変性ポリオレフィンは、
上記ポリオレフィン及び不飽和カルボン酸またはその誘
導体及び有機過酸化物の混合物を溶融混練してグラフト
反応条件に付することによって製造することができる。
【0021】該変性ポリオレフィンは、(i)不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体がグラフトしたポリオレフィ
ン、(ii)不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフ
トしていないポリオレフィン、(iii)不飽和カルボン酸
またはその誘導体の未反応物および(iv)ポリオレフィ
ンにグラフトしなかった、不飽和カルボン酸またはその
誘導体の二量体から分子量10,000までの低分子量
体であるオリゴマー(v)及びその他の副生物からなる
混合物である。
【0022】この溶融混練によってグラフト反応させる
際に用いる装置としては、通常の溶融混練機、例えば、
一軸または二軸の押出機、バンバリーミキサー、ミキシ
ングロール、ブラベンダープラストグラフ等が使用でき
る。好適な混練温度は、160〜260℃の範囲であ
る。混練温度が低すぎると有機過酸化物が十分に分解し
がたい傾向にあり、一方、混練温度が高すぎるとポリオ
レフィンの熱分解反応あるいは架橋反応が優先する傾向
にあり、いずれも期待する変性が十分でない傾向にあ
る。なお、溶融混練グラフト用の溶融混練機は、溶融混
練中に生じるかも知れない低沸点物を排出させるための
手段、たとえばベント口を設けたものでありうる。
【0023】上記のグラフト変性により得られる変性ポ
リオレフィンの不飽和カルボン酸またはその誘導体のグ
ラフト量(測定法:赤外分光光度計)は、好ましくは
0.01〜10重量%、特に0.05〜7重量%、殊更
0.1〜5重量%、が好ましい。
【0024】グラフト量が0.01重量%未満では接着
性が低下し、一方、10重量%を越えるとグラフト反応
時に一部架橋を起こして成形性が低下し同時にフィッシ
ュアイやブツ等による成形品外観が悪化し、かつ接着性
も低下する傾向となる。 2.変性ポリオレフィンの後処理 本発明による変性ポリオレフィンの後処理は、このよう
にして得られる変性ポリオレフィンを水の存在下で溶融
混練することからなる。この処理によって、該変性ポリ
オレフィン中の「夾雑物」、すなわち不飽和カルボン酸
またはその誘導体の未反応物、および不飽和カルボン酸
またはその誘導体の低分子量体であるオリゴマー、を低
減化することができる。
【0025】水存在下の溶融混練の具体的な方法は、た
とえば、溶融した変性ポリオレフィン100重量部に、
水を10〜200重量部、好ましくは20〜100重量
部、添加して、所望の夾雑物濃度低下が実現されるま
で、変性ポリオレフィンを溶融混練することからなる。
水が10重量部未満では未反応物およびオリゴマーの低
減が不十分となる。一方、水を200重量部を超過して
供給すると混練機の混練部の温度が低下しすぎ十分な混
練効果が得られず、しかも水の揮発化に必要な熱量が不
足するので水の分離が困難となる。
【0026】変性ポリオレフィンの溶融温度は一般に1
00℃より高いから、水の存在下の溶融混練は加圧条件
下で行なうことが必要である。そして、本発明による変
性ポリオレフィンの「精製」は、夾雑物またはその分解
生成物が水蒸気に同伴されて変性ポリオレフィンから逃
散すると解されるところから(たゞし、そのような理論
には拘束されない)溶融混練後に水が水蒸気として溶融
混練域から排出される構造の加圧加熱装置が一般に本発
明で使用することができる。
【0027】連続的な後処理の観点からは、押出機の構
造が好ましく、そのような押出機の吐出口および/また
はバレルにガス排出口、所謂ベント口を設けたものが一
般に好ましい。
【0028】この後処理に用いる装置としては、具体的
には、たとえば通常のベント口を有する溶融混練機、例
えば、一軸または二軸の押出機、バンバリーミキサー、
ミキシングロール、ブラベンダープラストグラフ等を使
用でき、この中でも二軸押出機が好適である。後処理時
の好適な混練温度は、140〜260℃、特に好ましく
は160〜200℃あり、また、好適な混練時間は、
0.5〜30分間、特に好ましくは1〜10分間であ
る。
【0029】押出機等への水の供給は、混練部に設けた
注水口によりポンプにて加圧した水を供給して行う。
【0030】後処理に使用し揮発した水(水蒸気)は、
揮発した未反応物と共にベント口から排出されて後処理
ポリオレフィンと分離される。水の供給並びに排出のし
易さからの観点から溶融混練機として二軸押出機が好ま
しい。
【0031】一般的に、二軸押出機は、シャフト、シャ
フトに装着したスクリュエレメント及びシリンダーから
構成されL/D(L:スクリュ長さ、D:スクリュ
径)、スクリュの回転方向(同方向、異方向)及びスク
リュの噛み合い形態(分離型、接触型、部分噛み合い
型、完全噛み合い型)により特性が相違する。
【0032】本発明の方法に使用する好適な溶融混練機
である二軸押出機は、L/Dが10〜100、好ましく
は20〜70であり、二軸の回転方向が同方向であり、
スクリュの噛み合い形態が部分噛み合い型又は完全噛み
合い型である。
【0033】本発明を実施するための好ましい装置は熱
可塑性樹脂の溶融混練機であり、従ってこの装置は、基
本的には、溶融混練グラフト用の装置と同一であること
ができる。
【0034】このような処理条件および/または使用機
器の類似性から、溶融混練グラフトによる変性ポリオレ
フィンの製造と本発明による水存在下の変性ポリオレフ
ィンの後処理とを同時に行なうことができることは明ら
かである。従って、本発明がこのような変性ポリオレフ
ィンの後処理を変性ポリオレフィンの製造とin situに
実施する態様を包含することは前記したところである。
【0035】しかし、溶融混練グラフトと変性ポリオレ
フィンの後処理とを同一装置内で実施するには、後者の
完全なin situ operation よりも、前者の工程に後者の
工程を直結して、後者を文字通り前者の後工程として実
施することが好ましい。
【0036】このような前提の下で、本発明の方法に使
用する二軸押出機を図に基づいて説明すれば、下記の通
りである。
【0037】図1記載の装置は、別途変性工程で得られ
た変性ポリオレフィンを後処理するための二軸押出機の
断面模式図である。
【0038】該押出機1は、シリンダー2、シャフト3
及びスクリュエレメント4から基本的に構成され、さら
にスクリュエレメント4は、輸送エレメント(スクリュ
ブッシング)4aと混練エレメント4bから構成され
る。
【0039】後処理に使用される変性ポリオレフィン
は、原料供給口11から供給され、水は注水口12から
供給され溶融混練される。溶融混練で発生する水蒸気は
揮発未反応分と共にベント口13から排出される。未反
応分の除去された後処理後の変性ポリオレフィンは吐出
部14から押出ダイ15を経て吐出されカッティング又
は粉砕されて、ペレット状の変性ポリオレフィンが得ら
れる。
【0040】このときの二軸押出機の構成は、輸送部2
1、混練部22、輸送部21、脱揮部23、輸送部2
1、脱揮部23、輸送部21の順の構成となる。
【0041】なお、ベント口13は単に開放しているだ
けでも、或いは真空ポンプと接続して減圧するようにな
っていてもいずれの構造であっても良い。またベント口
13は1つであっても複数設けられていても良い。
【0042】この後処理は、前記したように、変性ポリ
オレフィンを製造した後に実施する方法以外に、変性ポ
リオレフィンの製造工程、即ち、ポリオレフィン、不飽
和カルボン酸またはその誘導体及び有機過酸化物からな
る混合物を溶融混練してグラフト反応条件に付する工程
に直結して実施することも可能である。つまり、同一装
置内で溶融変性と水添加による後処理を実施する方法で
ある。
【0043】図2記載の装置は、ポリオレフィンの変性
工程と後処理工程を同一装置内で一括して実施するため
の二軸押出機の断面模式図である。基本的な構成は図1
に記載した二軸押出機と同じであるが、変性工程用の混
練部が付加されている点で相違する。
【0044】かかる一括処理においては、ポリオレフィ
ン、不飽和カルボン酸またはその誘導体及び有機過酸化
物を原料供給口11から供給して混練しベント口13A
から未反応物を排出し、次いで注水口12から水を供給
して後処理混練を行いベント口13Bから水蒸気と未反
応分を排出する。未反応分の除去された後処理後の変性
ポリオレフィンは吐出部14から押出ダイ15を経て吐
出されカッティング又は粉砕されて、ペレット状の変性
ポリオレフィンが得られる。
【0045】このときの二軸押出機の構成は、輸送部2
1、混練部22、脱揮部23、混練部22、輸送部2
1、脱揮部23、輸送部21、脱揮部23、輸送部21
の順の構成となる。
【0046】なお、ベント口13A又は13Bは単に開
放しているだけでも、或いは真空ポンプと接続して減圧
するようになっていてもいずれの構造であっても良い。
またベント口13Bは1つであっても複数設けられてい
ても良い。
【0047】この後処理時における溶融混練に際して
は、溶融混練時の熱酸化劣化を抑制するために酸化防止
剤を、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜配合する
ことができる。好ましくは変性ポリオレフィン100重
量部に対し、0.01〜2重量部、特に好ましくは0.
1〜1重量部、配合される。
【0048】酸化防止剤としては、例えば2,6‐ジ‐
t‐ブチル‐4‐メチルフェノール、2,2′‐メチレ
ン‐ビス‐(4‐メチル‐6‐t‐ブチルフェノー
ル)、4,4′‐ブチリデン‐ビス‐(3‐メチル‐6
‐t‐ブチルフェノール)、4,4′‐チオビス‐(3
‐メチル‐6‐t‐ブチルフェノール)、オクタデシル
‐3‐(3,5‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート、テトラキス‐[メチレン‐3‐
(3′,5′‐ジ‐t‐ブチル‐4′‐ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]メタン、6‐(3,5‐ジ‐t
‐ブチル‐4‐ヒドロキシアニリノ)‐2,4‐ビス‐
オクチルチオ‐1,3,5‐トリアジン、トリス‐
(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシベンジル)
イソシアヌレート、トリス‐(4‐t‐ブチル‐2,6
‐ジメチル‐3‐ヒドロキシベンジル)イソアヌレート
等のラジカル補捉剤、又は、ジ‐ラウリル‐チオ‐ジ‐
プロピオネート、ジ‐ステアリル‐チオ‐ジ‐プロピオ
ネート、トリス‐ノニルフェニル‐ホスファイト等の過
酸化物分解剤を挙げることができる。これらの酸化防止
剤は単独で、又は2種類以上を併用して用いられる。
【0049】本発明の後処理方法によれば、変性ポリオ
レフィンに含有された不飽和カルボン酸またはその誘導
体の未反応物量、および不飽和カルボン酸またはその誘
導体の低分子量体であるオリゴマー量を5〜100%低
減化することができる。 (注)低減化率={後処理前の変性PO中の未反応物量
−後処理後の変性PO中の未反応物量}÷後処理前の変
性PO中の未反応物量
【0050】
【実施例】次に実施例および比較例により本発明をさら
に詳細に説明する。 (A)評価方法 (1)不飽和カルボン酸又はその誘導体の量 無水マレイン酸 ペレット状のサンプル樹脂を熱プレス成形により200
℃、100kg/cm2 Gで厚さ約100μmのフィル
ムを作成し、赤外線吸収スペクトルの1780cm-1
ピークにより無水マレイン酸量を検量し、この値を全無
水マレイン酸量とした。
【0051】ペレット状のサンプル樹脂を6時間アセト
ン抽出した後、50℃で24時間真空乾燥し、上記と同
様の方法で無水マレイン酸の量を検量して、この値をグ
ラフトした無水マレイン酸の量とした。また、全無水マ
レイン酸量からグラフト無水マレイン酸の量を差し引い
た値を残存未反応無水マレイン酸量とした。
【0052】メタクリル酸グリシジル 赤外線吸収スペクトルの1724cm-1のピークで検量
した以外は、無水マレイン酸の場合と同様の方法でメタ
クリル酸グリシジルのグラフト量を求めた。
【0053】メタクリル酸2‐ヒドロキシエチル 赤外線吸収スペクトルの1724cm-1のピークで検量
した以外は、無水マレイン酸の場合と同様の方法でメタ
クリル酸2‐ヒドロキシエチルのグラフト量を求めた。 (2)色相 2mm厚シート状に成形したサンプルの色の3刺激値で
あるX,Y,ZをJISK7103に準拠してカラーテ
スターで測定し、次の関係式に従って黄色度の指標の一
つであるYI値を計算した。
【0054】
【数1】 このYI値が大きいほど着色していることを表す。 (3)接着性の評価 変性ポリオレフィン10重量部を未変性のポリオレフィ
ン90重量部に混合した後、熱プレスにより、20cm
角、肉厚0.5mmのシートに成形し、このシートを肉
厚0.5mmのナイロン6フィルムまたはアルミニウム
箔の上にのせて再び熱プレスすることにより厚み1mm
の積層シートを作成した。
【0055】これらの積層シートから幅1cm、長さ1
2cmの試験片を作成して、上記のナイロン6フィルム
またはアルミニウム箔と変性ポリオレフィンとの接着強
度を測定した。接着強度の測定には、インストロン試験
機を使用し、引張速度50mm/分の条件で行った。 (B)変性ポリオレフィンの製造 MFRが1.0g/10分のプロピレン単独重合体10
0重量部、無水マレイン酸5重量部、有機過酸化物であ
るベンゾイルパーオキシド(日本油脂(株)製ナイパー
BMT、T1M=130℃)3.0重量部の混合物を、
温度160℃、スクリュー回転速度150rpmに設定
した同方向二軸スクリュ押出機(日本製鋼所社製「TE
X30SST」、スクリュ径:30mm、L/D:4
2)に6.0kg/時間の速度で供給して溶融混練し
た。該押出機の押出ダイから溶融樹脂をストランド状に
押し出し、これをカッティングすることによって変性ポ
リオレフィン(変PO−1)のペレットを得た。
【0056】また、これと同様の方法にて、表1に示す
配合にて変性ポリオレフィン(変PO−2〜変PO−
7)のペレットを製造した。
【0057】
【表1】 〔実施例1〕変性ポリオレフィンとして変PO−1を1
00重量部、酸化防止剤としてテトラキス‐[メチレン
‐3‐(3′,5′‐ジ‐t‐ブチル‐4′‐ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]メタンを0.1重量部、
並びに、トリス‐(4‐t‐ブチル‐2,6‐ジメチル
‐3‐ヒドロキシベンジル)イソアヌレートを0.1重
量部の各成分を配合した混合物を、温度160℃、スク
リュー回転速度150rpmの条件に設定した同方向二
軸スクリュ押出機(日本製鋼所社製「TEX30SS
T」、スクリュ径:30mm、L/D:42)に3.0
kg/時間の速度で供給し、同時に、水を該押出機のミ
キシング部に設けた供給口から加圧ポンプにて3.0k
g/時間の速度で供給して、上記変性ポリオレフィンの
後処理を実施した。このときベント部から未反応物を水
蒸気と共に脱揮除去しながら該押出機の押出ダイから溶
融樹脂をストランド状に押し出し、カッティングするこ
とにより後処理変性ポリオレフィン(後処理PO−1)
のペレットを得た。この後処理PO−1の評価結果を表
2に示す。
【0058】次に、未変性のプロピレン‐エチレンラン
ダム共重合体(MFR:0.6g/10分、エチレン含
量3.9重量%)90重量部にこの後処理PO−1を1
0重量部の割合で配合し、以下上記の方法と同じくして
接着性の評価を行った。評価結果を表2に示す。 〔実施例2〜9及び比較例1〜17〕表2及び表3に示
す変性ポリオレフィンを実施例1と同様の方法で後処理
した。これらの評価結果を表2及び表3に示す。 〔比較例18〕変性ポリオレフィンとして変PO−1を
10重量部使用し、沸騰した水100重量部中で6時間
攪拌混合して処理した。これらの評価結果を表3に示
す。 〔実施例10〕MFRが1.0g/10分のプロピレン
単独重合体100重量部、無水マレイン酸5重量部、有
機過酸化物のベンゾイルパーオキサイド(日本油脂
(株)製「ナイパーBMT」、T1M=130℃)3重
量部の混合物を、温度160℃、スクリュー回転速度1
50rpmに設定した同方向二軸スクリュ押出機(日本
製鋼所社製「TEX30SST」、スクリュ径:30m
m、L/D:42)に6.0kg/時間の速度で供給
し、同時に水を該押出機の混練部に設けた供給口から加
圧ポンプにて2.0kg/時間の速度で供給して、変性
ポリオレフィンの製造と該変性ポリオレフィンの後処理
を同一の押出機にて実施した。このとき該押出機のベン
ト口から未反応物を水蒸気と共に脱揮除去しながら該押
出機の押出ダイから溶融樹脂をストランド状に押出し、
カッティングすることにより変性と後処理を一括して行
った変性ポリオレフィン(変PO−T)のペレットを得
た。
【0059】かかる後処理変性PO−Tの評価結果を表
2に示す。
【0060】次に、未変性のプロピレン‐エチレンラン
ダム共重合体(MFR:0.6g/10分、エチレン含
量3.9重量%)90重量部に上記方法で得た後処理変
性PO−Tを10重量部を配合し、実施例1と同様にし
て接着性の評価を行った。結果を表2に示す。 〔比較例19〕MFRが1.0g/10分のプロピレン
単独重合体100重量部、無水マレイン酸5重量部、有
機過酸化物のベンゾイルパーオキサイド(日本油脂
(株)製「ナイパーBMT」、T1M=130℃)3重
量部、水2重量部の混合物を、温度160℃、スクリュ
ー回転速度150rpmに設定した同方向二軸スクリュ
押出機(日本製鋼所社製「TEX30SST」、スクリ
ュ径:30mm、L/D:42)に6.0kg/時間の
速度で供給して溶融混練を行った。該押出機の押出ダイ
から溶融樹脂をストランド状に押出し、カッティングす
ることにより変性ポリオレフィン(変PO−8)のペレ
ットを得た。
【0061】次に、未変性のプロピレン‐エチレンラン
ダム共重合体(MFR:0.6g/10分、エチレン含
量3.9重量%)90重量部に上記方法で得た変PO−
8を10重量部を配合し、実施例1と同様にして接着性
の評価を行った。結果を表3に示す。 〔比較例20〕水の量を10重量部とした以外は、比較
例19と同様の条件にて変性ポリオレフィン(変PO−
9)を得て評価した。結果を表3に示す。
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、変性ポリオレフィン中
に残存する不飽和カルボン酸またはその誘導体の未反応
物が軽減されるので、変性ポリオレフィンの接着性、塗
装性、印刷性が向上し、かつ、着色が低減した変性ポリ
オレフィンを得ることができることは「課題を解決する
ための手段」の項において前記したところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】別途変性工程で得られた変性ポリオレフィンを
後処理するための二軸押出機の断面模式図である。
【図2】ポリオレフィンの変性工程と後処理工程を同一
装置内で一括して実施するための二軸押出機の断面模式
図である。基本的な構成は図1に記載した二軸押出機と
同じであるが、変性工程用の混練部が付加されている点
で相違する。
【符号の説明】 1 二軸押出機 2 シリンダ 3 シャフト 4 スクリュエレメント 4a 輸送エレメント 4b 混練エレメント 11 原料供給口 12 注水口 13 ベント口 13A ベント口 13B ベント口 14 吐出部 15 押出ダイ 21 輸送部 22 混練部 23 脱揮部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 落 海 雅 英 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市総合研究所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン、不飽和カルボン酸または
    その誘導体及び有機過酸化物からなる混合物を溶融混練
    してグラフト反応条件に付して得られる変性ポリオレフ
    ィンを、該変性ポリオレフィン100重量部に対し、1
    0〜200重量部の水の存在下で溶融混練することを特
    徴とする、変性ポリオレフィンの後処理方法。
  2. 【請求項2】ポリオレフィン、不飽和カルボン酸または
    その誘導体及び有機過酸化物からなる混合物を溶融混練
    してグラフト反応条件に付して得られる変性ポリオレフ
    ィンを、該変性ポリオレフィン100重量部に対し、1
    0〜200重量部の水の存在下でベント口付溶融混練機
    にて溶融混練し、かつ該溶融混練後に生じた水蒸気を該
    ベント口から脱揮することを特徴とする、変性ポリオレ
    フィンの後処理方法。
  3. 【請求項3】ポリオレフィン、不飽和カルボン酸または
    その誘導体及び有機過酸化物からなる混合物を溶融混練
    してグラフト反応条件に付して得られる変性ポリオレフ
    ィンを、該変性ポリオレフィン100重量部に対し、1
    0〜200重量部の水の存在下で溶融混練することによ
    り、該変性ポリオレフィンに含有される不飽和カルボン
    酸又はその誘導体の未反応物量、不飽和カルボン酸また
    はその誘導体の低分子量重合体であるオリゴマー量を5
    〜100%低減化させることを特徴とする、変性ポリオ
    レフィンの後処理方法。
  4. 【請求項4】ポリオレフィン、不飽和カルボン酸または
    その誘導体、芳香族ビニル化合物及び有機過酸化物から
    なる混合物を溶融混練してグラフト反応条件に付して得
    られる変性ポリオレフィンを、該変性ポリオレフィン1
    00重量部に対し、10〜200重量部の水の存在下で
    溶融混練することを特徴とする、変性ポリオレフィンの
    後処理方法。
  5. 【請求項5】ポリオレフィン、不飽和カルボン酸または
    その誘導体及び有機過酸化物からなる混合物を溶融混練
    してグラフト反応条件に付して変性ポリオレフィンを得
    る変性工程を実施し、次いで該変性ポリオレフィン10
    0重量部に対し、10〜200重量部の水の存在下でベ
    ント口付溶融混練機にて溶融混練し、かつ該溶融混練後
    に生じた水蒸気を該ベント口から脱揮する変性ポリオレ
    フィンの後処理工程を実施する方法において、該変性工
    程と該後処理工程を同一のベント口付溶融混練機を使用
    して実施する方法。
  6. 【請求項6】ポリオレフィンが、エチレン系重合体又は
    プロピレン系重合体から選ばれる少なくとも一種のポリ
    オレフィンである、請求項1乃至5記載の変性ポリオレ
    フィンの後処理方法。
  7. 【請求項7】ポリオレフィンが、プロピレン系重合体で
    ある、請求項1乃至5記載の変性ポリオレフィンの後処
    理方法。
  8. 【請求項8】不飽和カルボン酸またはその誘導体が、無
    水マレイン酸、メタクリル酸2‐ヒドロキシエチル及び
    メタクリル酸グリシジルから選ばれる少なくとも一種で
    ある、請求項1乃至5記載の変性ポリオレフィンの後処
    理方法。
  9. 【請求項9】不飽和カルボン酸またはその誘導体が、無
    水マレイン酸である、請求項1乃至5記載の変性ポリオ
    レフィンの後処理方法。
  10. 【請求項10】水の存在下で溶融混練する温度が、14
    0〜260℃である、請求項1乃至5記載の変性ポリオ
    レフィンの後処理方法。
  11. 【請求項11】変性ポリオレフィンのグラフト率が0.
    01〜10%である、請求項1乃至5記載の変性ポリオ
    レフィンの後処理方法。
  12. 【請求項12】変性ポリオレフィンが、ポリオレフィン
    100重量部、該ポリオレフィン100重量部に対して
    不飽和カルボン酸またはその誘導体0.1〜20重量部
    および有機過酸化物0.01〜20重量部からなる混合
    物を溶融混練してグラフト反応条件に付して得られたも
    のである、請求項1乃至5記載の変性ポリオレフィンの
    後処理方法。
  13. 【請求項13】有機過酸化物の半減期1分となる温度が
    120〜230℃である、請求項1乃至5記載の変性ポ
    リオレフィンの後処理方法。
  14. 【請求項14】変性ポリオレフィンを水の存在下に溶融
    混練する際に、該変性ポリオレフィン100重量部に対
    して酸化防止剤を0.01〜2重量部配合する、請求項
    1乃至5記載の変性ポリオレフィンの後処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009179665A (ja) * 2008-01-29 2009-08-13 Prime Polymer Co Ltd 変性ポリプロピレン樹脂、およびその製造方法
JP2012251038A (ja) * 2011-06-01 2012-12-20 Mitsubishi Chemicals Corp 変性ポリオレフィン樹脂及び変性ポリオレフィン樹脂組成物並びに積層体
JP2013249444A (ja) * 2012-06-04 2013-12-12 Kaneka Corp 変性ポリオレフィン樹脂組成物及びその製造方法

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