JP5292664B2 - 多層ペレットおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
熱可塑性樹脂(A1)を含有する鞘層と、
メルトインデックスが200g/10分以上である熱可塑性樹脂(A2)を含有する芯層とからなる多層ペレット(ただし、樹脂(A1)と樹脂(A2)は異なる熱可塑性樹脂である。)、および、およびその製造方法に係るものである。
本発明の多層ペレットの芯層に用いられる熱可塑性樹脂(A2)の230℃で測定したメルトインデックスが200g/10分以上である。そして、熱可塑性樹脂(A2)として、好ましくは、熱可塑性樹脂(A)と、少なくとも一種の不飽和基(a)を有する少なくとも一種の化合物(B)と、有機過酸化物(C)とを溶融混練してなる変性熱可塑性樹脂である。さらに好ましくは、熱可塑性樹脂(A)と、少なくとも一種の不飽和基(a)と少なくとも一種の極性基(b)とを有する少なくとも一種の化合物(B)と、有機過酸化物(C)とを溶融混練してなる変性熱可塑性樹脂である。
(I)CH2=CR1−R2
(上記の式中、R1、R2は、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)
であらわされる化合物(I)、または、
(II)下記の式で表される化合物(II)等が挙げられる。
(式中、R3は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、R4は炭素数1〜20のアルキレン基を表す。)
(1)マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、マレイミド、マレイン酸ヒドラジド、無水メチルナジック酸、無水ジクロロマレイン酸、マレイン酸アミド、イタコン酸、無水イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、
(4)エポキシ化天然油脂類、
(6)上記の不飽和カルボン酸のエステル化合物、酸アミド化合物または無水物、
(9)上記の不飽和アルコール類のOH基が、−NH2基に置換された不飽和アミン類、
(11)高分子量体(例えば、平均分子量が10000以上のもの)に無水マレイン酸やフェノール類を付加したもの、
(12)高分子量体(例えば、平均分子量が10000以上のもの)にアミノ基、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基などを導入したもの、
(13)イソシアン酸アリル
等が挙げられる。
そして、化合物(B)を、単独で用いてもよく、少なくとも2種を併用しても良い。
使用するクロスヘッドダイの好適な構造の例としては、欧州特許公開公報EP1063070−A2に詳細に開示されているクロスヘッドダイである。
特に車両部品としては、例えば、インストルメンタルパネル、ドア、ピラー等の自動車内装部品、バンパー等の自動車外装部品等があげられる。電線としては、プラスチックケーブル、絶縁電線、電線保護材等が挙げられる。
実施例1
JIS K7210に従い、230℃、荷重21.2Nで測定したMFRが300g/10分のポリプロピレン単独重合体(A)100重量部に、無水マレイン酸(B)5重量部、ジセチル パーオキシジカルボネート(C)(活性酸素量が2.8%、半減期が1分である分解温度が99℃)0.50重量部、1,3−ビス(t−ブチル パーオキシイソプロピル)ベンゼン(D)(活性酸素量が9.3%、半減期が1分である分解温度が183℃)0.15重量部、ステアリン酸カルシウム0.05重量部、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(酸化防止剤)0.3重量部を添加して十分に混合し、配合物を得た。
該配合物を芯用二軸押出機(池貝社製PCM46:46φmm、L/D=38.5)に供給し、一方でポリプロピレン単独重合体(商品名:住友ノーブレンU501E1、住友化学工業社製、MFR=120)を鞘用単軸押出機(池貝社製VS40:40φmm、L/D=25)に供給した。それぞれの押出機から温度250℃で芯鞘型ダイ(口金6個)に芯鞘比が、芯/鞘=90/10重量%で供給した。押し出された6本のストランドを水槽に通し冷却しペレタイザーにてカッティングし、2層ペレットを得た。MFRを測定すると1500g/10分、グラフト率は0.2wt%であった。
JIS K7210に従い、230℃、荷重21.2Nで測定したMFRが300g/10分のポリプロピレン単独重合体(A)100重量部に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(B)12重量部、t−ブチルパーオキシベンゾエート(C)(活性酸素量が8.1%、半減期が1分である分解温度が169℃)3重量部、スチレンモノマーを1.2重量部、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガノックス1010を0.2重量部、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガフォス168を0.2重量部、有機多孔質パウダーとしてMEMABRANA社製 MP−1000を5重量部添加して十分に混合し、配合物を得た。
該配合物を芯用二軸押出機(池貝社製PCM46:46φmm、L/D=38.5)に供給し、一方でポリプロピレン単独重合体(商品名:住友ノーブレンU501E1、住友化学工業社製、MFR=120)を鞘用単軸押出機(池貝社製VS40:40φmm、L/D=25)に供給した。それぞれの押出機から温度220℃で芯鞘型ダイ(口金6個)に芯鞘比が、芯/鞘=97/3重量%で供給した。押し出された6本のストランドを水槽に通し冷却しペレタイザーにてカッティングし、2層ペレットを得た。MFRを測定すると1000g/10分、グラフト率は3.5wt%であった。
JIS K7210に従い、230℃、荷重21.2Nで測定したMFRが300g/10分のポリプロピレン単独重合体(A)100重量部に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(B)12重量部、t-ブチルパーオキシベンゾエート(C)(活性酸素量が8.1%、半減期が1分である分解温度が169℃)3重量部、スチレンモノマーを1.2重量部、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガノックス1010を0.2重量部、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガフォス168を0.2重量部、有機多孔質パウダーとしてMEMABRANA社製 MP−1000を5重量部添加して十分に混合し、配合物を得た。
該配合物を芯用二軸押出機(池貝社製PCM46:46φmm、L/D=38.5)に供給し、押出機から温度220℃で芯鞘型ダイ(口金6個)で供給した。押し出された6本のストランドは溶融張力が低く、ストランドを引くことが困難であった。
Claims (4)
- 温度230℃、荷重21.2Nで測定したメルトインデックスが200g/10分未満のポリオレフィン樹脂(A1)を含有する鞘層と、
ポリオレフィン系樹脂(A)と、少なくとも一種の不飽和基(a)を有する少なくとも一種の化合物(B)と、有機過酸化物(C)とを溶融混練してなる変性ポリオレフィン樹脂であり、温度230℃、荷重21.2Nで測定したメルトインデックスが200g/10分以上であるポリオレフィン樹脂(A2)を含有する芯層と
からなり(ただし、樹脂(A1)と樹脂(A2)は異なる熱可塑性樹脂である。)、
鞘層と芯層のそれぞれの重量の比(鞘層/芯層)が、50/50〜1/99であり、かつ、前記鞘層によって前記芯層が完全に包み込まれた構造を除く構造を有する多層ペレット。 - ポリオレフィン系樹脂(A2)が、ポリオレフィン系樹脂(A)と、少なくとも一種の不飽和基(a)と少なくとも一種の極性基(b)とを有する少なくとも一種の化合物(B)と、有機過酸化物(C)とを溶融混練してなる変性ポリオレフィン系樹脂である請求項1に記載の多層ペレット。
- 少なくとも1機の押出機から、温度230℃、荷重21.2Nで測定したメルトインデックスが200g/10分未満のポリオレフィン樹脂(A1)をクロスヘッドダイに供給し、
少なくとも1機の他の押出機から温度230℃、荷重21.2Nで測定したメルトインデックスが200g/10分以上であるポリオレフィン系樹脂(A2)(ただし、樹脂(A1)と樹脂(A2)は異なる熱可塑性樹脂である。)を前記クロスヘッドダイに供給し、
前記クロスヘッドダイで前記熱可塑性樹脂(A1)を含有する鞘層と前記ポリオレフィン系樹脂(A2)を含有する芯層とからなる構造を有する多層ストランドを形成し、当該多層ストランドを押出し、冷却してカッティングする請求項1または2に記載の多層ペレットの製造方法。 - 少なくとも1機の押出機で、熱可塑性樹脂(A)と、少なくとも一種の不飽和基(a)と少なくとも一種の極性基(b)とを有する少なくとも一種の化合物(B)と、有機過酸化物(C)とを溶融混練してなるポリオレフィン系樹脂(A2)をクロスヘッドダイに供給する請求項3に記載の多層ペレットの製造方法。
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