JP2006282930A - 変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び変性ポリオレフィン樹脂 - Google Patents
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Abstract
【課題】 生産安定性が高く、フィッシュアイが低減された変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び、その方法によって製造される変性ポリオレフィン樹脂を提供する。
【解決手段】 ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、
少なくとも一種の不飽和基(i)と少なくとも一種の極性基(ii)とを有する少なくとも一種の化合物(B)0.01〜20重量部と、
有機過酸化物(C)0.001〜20重量部とを、
ろ過精度が150μm以下のフィルターを装着した一軸押出機または二軸押出機によって溶融混練する変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び、その方法によって製造される変性ポリオレフィン樹脂。
【選択図】 なし
【解決手段】 ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、
少なくとも一種の不飽和基(i)と少なくとも一種の極性基(ii)とを有する少なくとも一種の化合物(B)0.01〜20重量部と、
有機過酸化物(C)0.001〜20重量部とを、
ろ過精度が150μm以下のフィルターを装着した一軸押出機または二軸押出機によって溶融混練する変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び、その方法によって製造される変性ポリオレフィン樹脂。
【選択図】 なし
Description
本発明は、変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び、その方法によって製造される変性ポリオレフィン樹脂に関するものである。更に詳しくは、本発明は、生産安定性が高く、フィッシュアイが低減された変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び、その方法によって製造される変性ポリオレフィン樹脂に関するものである。
従来から、ポリオレフィン樹脂を、異種ポリマーとブレンドしたり、アロイ化したり、各種の無機材料と組み合わせて複合材料としたり、または、金属に積層したりすることによって、より優れた特長を有する材料を形成させることが知られている。
そして、より優れた特長を有する材料を形成するときに、ポリオレフィン樹脂を改質する方法として、一般的に、押出機を使用して溶融状態でポリオレフィン樹脂を不飽和カルボン酸又はその誘導体でグラフト変性させる方法が知られている。
さらに、特開2004−175969号公報には、フィッシュアイの発生が抑制された変性エチレン系重合体を提供することを目的として、エチレン系重合体を、エチレン性不飽和化合物及びラジカル発生剤の存在下に、ラジカル発生剤に対して分解型の熱可塑性重合体を加えてグラフト反応条件に付して、変性エチレン系重合体を得ることが記載されている。
そして、より優れた特長を有する材料を形成するときに、ポリオレフィン樹脂を改質する方法として、一般的に、押出機を使用して溶融状態でポリオレフィン樹脂を不飽和カルボン酸又はその誘導体でグラフト変性させる方法が知られている。
さらに、特開2004−175969号公報には、フィッシュアイの発生が抑制された変性エチレン系重合体を提供することを目的として、エチレン系重合体を、エチレン性不飽和化合物及びラジカル発生剤の存在下に、ラジカル発生剤に対して分解型の熱可塑性重合体を加えてグラフト反応条件に付して、変性エチレン系重合体を得ることが記載されている。
しかし、上記の公報等に記載の方法においても、生産安定性を高めることや、フィッシュアイを低減することについては、さらなる改良が望まれていた。
かかる状況の下、本発明の目的は、生産安定性が高く、フィッシュアイが低減された変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び、その方法によって製造される変性ポリオレフィン樹脂を提供することにある。
かかる状況の下、本発明の目的は、生産安定性が高く、フィッシュアイが低減された変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び、その方法によって製造される変性ポリオレフィン樹脂を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、本発明が、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、
少なくとも一種の不飽和基(i)と少なくとも一種の極性基(ii)とを有する少なくとも一種の化合物(B)0.01〜20重量部と、
有機過酸化物(C)0.001〜20重量部とを、
ろ過精度が150μm以下のフィルターを装着した一軸押出機または二軸押出機によって溶融混練する変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び、その方法によって製造される変性ポリオレフィン樹脂に係るものである。
すなわち、本発明は、
ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、
少なくとも一種の不飽和基(i)と少なくとも一種の極性基(ii)とを有する少なくとも一種の化合物(B)0.01〜20重量部と、
有機過酸化物(C)0.001〜20重量部とを、
ろ過精度が150μm以下のフィルターを装着した一軸押出機または二軸押出機によって溶融混練する変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び、その方法によって製造される変性ポリオレフィン樹脂に係るものである。
本発明によれば、変性ポリオレフィン樹脂の生産安定性を高めることができ、フィッシュアイが低減された変性ポリオレフィン樹脂を得ることができる。
本発明で用いられる「ポリオレフィン樹脂」とは、オレフィンに由来する構造単位を有する樹脂を意味する。
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂(成分(A))としては、エチレン重合体樹脂、プロピレン重合体樹脂、ブテン重合体樹脂、および水素添加ブロック共重合体樹脂等が例示され、好ましくはエチレン重合体樹脂である。
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂(成分(A))としては、エチレン重合体樹脂、プロピレン重合体樹脂、ブテン重合体樹脂、および水素添加ブロック共重合体樹脂等が例示され、好ましくはエチレン重合体樹脂である。
本発明で用いられる「エチレン重合体樹脂」とは、エチレン単独重合体、エチレンに由来する構造単位51〜99.99重量%と、エチレンと共重合可能な少なくとも1種のモノマーに由来する構造単位49〜0.01重量%とからなる共重合体(ただし、共重合体の全量を100重量%とする)、または、これらの混合物を意味する。
エチレンと共重合可能なモノマーとして、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−デセン等の炭素数3−20のα−オレフィン;アクリル酸メチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル;ならびに、酢酸ビニル等が例示される。
エチレンと共重合可能なモノマーとエチレンとの共重合体としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−デセン等のエチレン−α−オレフィン共重合体;エチレン−メタクリル酸メチル共重合体;ならびに、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が例示される。
本発明で用いられる化合物(B)は、少なくとも一種の不飽和基(i)と少なくとも一種の極性基(ii)とを有する少なくとも一種の化合物である。
少なくとも一種の不飽和基(i)とは、炭素−炭素二重結合、または、炭素−炭素三重結合である。
少なくとも一種の不飽和基(i)とは、炭素−炭素二重結合、または、炭素−炭素三重結合である。
少なくとも一種の極性基(ii)とは、例えば、ポリアミド樹脂中に含まれるアミド結合、連鎖末端に存在するカルボキシル基やアミノ基と、親和性や化学反応性を示す官能基等が挙げられる。
さらに具体的には、カルボキシル基、エステル基、アミノ基、アミド基、イミド基、ニトリル基、エポキシ基、水酸基、イソシアン酸エステル基、およびカルボン酸化合物、酸アミド化合物、酸アジド化合物、酸ハロゲン化物、酸無水物やオキサゾリンから誘導される官能基や、カルボン酸化合物、酸アミド化合物、酸アジド化合物、酸ハロゲン化物の塩から誘導される官能基等が挙げられる。
さらに具体的には、カルボキシル基、エステル基、アミノ基、アミド基、イミド基、ニトリル基、エポキシ基、水酸基、イソシアン酸エステル基、およびカルボン酸化合物、酸アミド化合物、酸アジド化合物、酸ハロゲン化物、酸無水物やオキサゾリンから誘導される官能基や、カルボン酸化合物、酸アミド化合物、酸アジド化合物、酸ハロゲン化物の塩から誘導される官能基等が挙げられる。
化合物(B)としては、例えば、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和エポキシ化合物、不飽和アルコール、不飽和アミン、不飽和イソシアン酸エステル等が挙げられる。
さらに具体的には、
(1)マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、マレイミド、マレイン酸ヒドラジド、無水メチルナジック酸、無水ジクロロマレイン酸、マレイン酸アミド、イタコン酸、無水イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、
(1)マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、マレイミド、マレイン酸ヒドラジド、無水メチルナジック酸、無水ジクロロマレイン酸、マレイン酸アミド、イタコン酸、無水イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、
(3)大豆油、キリ油、ヒマシ油、アマニ油、麻実油、綿実油、ゴマ油、菜種油、落花生油、椿油、オリーブ油、ヤシ油、イワシ油などの天然油脂類、
(4)エポキシ化天然油脂類、
(4)エポキシ化天然油脂類、
(5)アクリル酸、ブテン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、メタクリル酸、ペンテン酸、アンゲリカ酸、チグリン酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、α−エチルアクリル酸、β−メチルクロトン酸、4−ペンテン酸、2−ヘキセン、2−メチル−2−ペンテン酸、3−メチル−2−ペンテン酸、α−エチルクロトン酸、2,2−ジメチル−3−ブテン酸、2−ヘプテン酸、2−オクテン酸、4−デセン酸、9−ウンデセン酸、10−ウンデセン酸、4−ドデセン酸、5−ドデセン酸、4−テトラデセン酸、9−テトラデセン酸、9−ヘキサデセン酸、2−オクタデセン酸、9−オクタデセン酸、アイコセン酸、ドコセン酸、エルカ酸、テトラコセン酸、ミコリペン酸、2,4−ヘキサジエン酸、ジアリル酢酸、ゲラニウム酸、2,4−デカジエン酸、2,4−ドデカジエン酸、9,12−ヘキサデカジエン酸、9,12−オクタデカジエン酸、ヘキサデカトリエン酸、アイコサジエン酸、アイコサトリエン酸、アイコサテトラエン酸、リシノール酸、エレオステアリン酸、オレイン酸、アイコサペンタエン酸、エルシン酸、ドコサジエン酸、ドコサトリエン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、テトラコセン酸、ヘキサコセン酸、ヘキサコジエン酸、オクタコセン酸、トラアコンテン酸などの不飽和カルボン酸類、
(6)上記の不飽和カルボン酸のエステル化合物、酸アミド化合物または無水物、
(6)上記の不飽和カルボン酸のエステル化合物、酸アミド化合物または無水物、
(7)アリルアルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビノール、アリルカルビノール、メチルプロピペニルカルビノール、4−ペンテン−1−オール、10−ウンデセン−1−オール、プロパルギルアルコール、1,4−ペンタジエン−3−オール、1,4−ヘキサジエン−3−オール、3,5−ヘキサジエン−2−オール、2,4−ヘキサジエン−1−オール、
(8)3−ブテン−1,2−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキセン−2,5−ジオール、1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール、2,6−オクタジエン−4,5−ジオールなどの不飽和アルコール類、
(9)上記の不飽和アルコール類のOH基が、−NH2基に置換された不飽和アミン類、
(9)上記の不飽和アルコール類のOH基が、−NH2基に置換された不飽和アミン類、
(10)ブタジエンやイソプレンなどの重合体であって、分子量が低いもの(例えば、平均分子量が500から10000ぐらいのもの)、
(11)高分子量体(例えば、平均分子量が10000以上のもの)に無水マレイン酸やフェノール類を付加したもの、
(12)高分子量体(例えば、平均分子量が10000以上のもの)にアミノ基、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基などを導入したもの、
(13)イソシアン酸アリル
等が挙げられる。
(11)高分子量体(例えば、平均分子量が10000以上のもの)に無水マレイン酸やフェノール類を付加したもの、
(12)高分子量体(例えば、平均分子量が10000以上のもの)にアミノ基、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基などを導入したもの、
(13)イソシアン酸アリル
等が挙げられる。
化合物(B)として、好ましくは無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、無水イタコン酸、イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートである。
また、化合物(B)としては、同種の不飽和基を少なくとも2個、または異種の不飽和基を少なくとも2個有していても良く、そして、同種の極性基を少なくとも2個、または異種の極性基を少なくとも2個有していても良い。
そして、化合物(B)を、単独で用いてもよく、少なくとも2種を併用しても良い。
そして、化合物(B)を、単独で用いてもよく、少なくとも2種を併用しても良い。
化合物(B)の配合量は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して0.01〜20重量部であり、好ましくは0.3〜10重量部である。
化合物(B)の配合量が0.01重量部未満であると、ポリオレフィン樹脂(A)への化合物(B)のグラフト量が低下して十分な接着強度が得られない場合があり、配合量が20重量部を超えると、変性ポリオレフィン樹脂中に残存する未反応の化合物(B)が多くなり、十分な接着強度が得られない場合がある。
本発明で用いられる有機過酸化物(C)としては、グラフト量を向上させるという観点や、樹脂の分解を防ぐという観点から、好ましくは半減期が1分となる分解温度が50〜210℃である有機過酸化物である。また、分解してラジカルを発生した後、ポリオレフィン樹脂(A)からプロトンを引き抜く作用を有する有機過酸化物が好ましい。
半減期が1分となる分解温度が50〜210℃である有機過酸化物としては、ジアシルパーオキサイド化合物、ジアルキルパーオキサイド化合物、パーオキシケタール化合物、アルキルパーエステル化合物、パーカーボネート化合物等が挙げられる。好ましくは、ジアルキルパーオキサイド化合物、ジアシルパーオキサイド化合物、パーカーボネート化合物、アルキルパーエステル化合物である。
有機過酸化物(C)として、具体的には、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジミリスチルパーオキシカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルネオデカノエート、α―クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブテン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレラート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が挙げられる。
有機過酸化物(C)の配合量は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、0.001〜20重量部であり、好ましくは0.003〜10重量部である。
また、ポリオレフィン樹脂(A)に化合物(B)及び有機過酸化物(C)を配合して、溶融混練して、変性ポリオレフィン樹脂を得るときに、必要に応じて、スチレンやジビニルベンゼン等のビニル芳香族化合物を配合しても良い。ビニル芳香族化合物の配合量は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、0〜15重量部であり、好ましくは0〜7重量部である。
また、ポリオレフィン樹脂(A)に化合物(B)及び有機過酸化物(C)を配合して、溶融混練して、変性ポリオレフィン樹脂を得るときに、必要に応じて、スチレンやジビニルベンゼン等のビニル芳香族化合物を配合しても良い。ビニル芳香族化合物の配合量は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、0〜15重量部であり、好ましくは0〜7重量部である。
また、本発明では必要に応じて、酸化防止剤、中和剤、滑剤、帯電防止剤、造核剤、紫外線防止剤、難燃剤、充填剤、可塑剤、発泡剤、発泡助剤、分散剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、抗菌剤、架橋剤、架橋助剤、有機多孔質パウダー、顔料等の添加剤を添加することができる。
本発明に用いられるフィルターは、ろ過精度が150μm以下のフィルターである。150μmを超えるとフィッシュアイを捕捉することができないことがある。
本発明に用いるフィルターとして、好ましくは金属繊維焼結フィルターである。金属繊維焼結フィルターは、押付けられた金属繊維が絡み合って各種孔径の孔を有する立体構造の細密フィルターである。
なお、本発明に用いられるフィルターは、ろ過精度が150μm以下のフィルターの前後に補強材として、より大きなメッシュを有する複数枚のフィルターを組み合わせた構成にしても良い。
本発明の製造方法で用いられる溶融混練の方法は、一軸又は二軸押出機を用いて溶融混練する方法であって、具体的には、成分(A)と成分(B)と成分(C)とを予め十分に予備混合し、得られた混合物を、一軸又は二軸押出機の供給口から供給して溶融混練する方法である。
押出機の溶融混練を行う部分の温度(例えば、押出機のシリンダー温度)は、グラフト量を向上させるという観点や、樹脂の分解を防ぐという観点から、通常、50〜300℃であり、好ましくは80〜270℃である。溶融混練の時間は、十分なグラフト量を得るという観点や、樹脂の分解を防ぐという観点から、通常、0.1〜30分間であり、好ましくは0.5〜5分間である。
本発明の製造方法として、好ましくは、押出機によって溶融混練され、押出機から押出されたストランドを、指穴の面積が10cm2〜30cm2である洋鋏で切断した後、押出機から押出されたストランドをストランドカッターに導入して、ストランドをペレットにする製造方法である。
ここでいう洋鋏とは、指穴部に力点、中央に支点、その先に作用点がある鋏であり、握り部に支点、中央部に力点、その先に作用点がある和鋏とは異なるものである。また指穴の面積は、図1に示す指穴Aの面積と指穴Bの面積の和で求められるものである。
指穴の面積として、好ましくは、指と鋏との間に遊びが少なく、鋏の開閉に無駄を生じないようにし、ストランドを切り易くし、鋏を落とし難くするために、30cm2を以下であり、また、鋏の開閉運動に支障をきたすことがなく、指の通し方によらず、ストランドを切り易くするために、10cm2以上である。
本発明を以下の実施例によって説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1
JIS K7210に従い、190℃、荷重21.2Nで測定したメルトインデックスが7g/10分のエチレン−メタクリル酸メチル共重合体(A)(住友化学製 商品名 アクリフトWD301)100重量部に、無水マレイン酸(B)0.5重量部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(C)(活性酸素量が9.9%、半減期が1分である分解温度が181℃)0.006重量部を添加して十分に混合し、混合物を得た。
実施例1
JIS K7210に従い、190℃、荷重21.2Nで測定したメルトインデックスが7g/10分のエチレン−メタクリル酸メチル共重合体(A)(住友化学製 商品名 アクリフトWD301)100重量部に、無水マレイン酸(B)0.5重量部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(C)(活性酸素量が9.9%、半減期が1分である分解温度が181℃)0.006重量部を添加して十分に混合し、混合物を得た。
該混合物を、東洋精機製の商品名が2D25−Sなる二軸押出機(L/D=25,シリンダー径=20mm)に日本精線株式会社製金属繊維焼結フィルターNF−15N(ろ過精度100μm)を装着し、溶融混練部の温度を210℃にし、スクリュー回転数を70rpmにして溶融混練した。ストランドは指穴の面積が17cm2である洋鋏を用いると1回で切断できた。ストランドの切断面をストランドカッターに導入してペレットとし、変性ポリオレフィン樹脂を得た。
該変性ポリオレフィン樹脂のグラフト率は、変性ポリオレフィン樹脂の重量を100重量%として、0.3重量%であった。なお、変性ポリオレフィン樹脂のグラフト率は、以下の方法(1)〜(7)によって測定した。
(1)変性ポリオレフィン樹脂1.0gをキシレン10mlに溶解して溶液を調製する。
(2)溶液をメタノール300mlに攪拌しながら滴下して、変性共重合体を再沈殿させる。
(3)再沈殿された変性共重合体を回収する。
(4)回収された変性共重合体を、80℃で8時間真空乾燥する。
(5)乾燥された変性共重合体を熱プレスして、厚さ100μmのフイルムを作成する。
(6)該フイルムの赤外吸収スペクトルを測定する。
(7)該スペクトルの1730cm-1付近の吸収から、グラフト率を求める。
(1)変性ポリオレフィン樹脂1.0gをキシレン10mlに溶解して溶液を調製する。
(2)溶液をメタノール300mlに攪拌しながら滴下して、変性共重合体を再沈殿させる。
(3)再沈殿された変性共重合体を回収する。
(4)回収された変性共重合体を、80℃で8時間真空乾燥する。
(5)乾燥された変性共重合体を熱プレスして、厚さ100μmのフイルムを作成する。
(6)該フイルムの赤外吸収スペクトルを測定する。
(7)該スペクトルの1730cm-1付近の吸収から、グラフト率を求める。
得られた変性ポリオレフィン樹脂を特開平2003−90804号公報の実施例1記載の方法によって、フィッシュアイ測定用樹脂製シートを作成して、直径が30μ以上であるフィッシュアイの個数、及び、最大フィッシュアイの直径を得た。結果を表1に示した。
比較例1
実施例1で用いたフィルターを、ろ過精度634μmのフィルターに変えた以外は、実施例1と同じ方法で変性ポリオレフィン樹脂を得た。結果を表1に示した。
実施例1で用いたフィルターを、ろ過精度634μmのフィルターに変えた以外は、実施例1と同じ方法で変性ポリオレフィン樹脂を得た。結果を表1に示した。
Claims (4)
- ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、
少なくとも一種の不飽和基(i)と少なくとも一種の極性基(ii)とを有する少なくとも一種の化合物(B)0.01〜20重量部と、
有機過酸化物(C)0.001〜20重量部とを、
ろ過精度が150μm以下のフィルターを装着した一軸押出機または二軸押出機によって溶融混練する変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。 - フィルターが金属繊維焼結フィルターである請求項1記載の変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
- 押出機によって溶融混練され、押出機から押出されたストランドを、指穴の面積が10cm2〜30cm2である洋鋏で切断した後、押出機から押出されたストランドをストランドカッターに導入して、ストランドをペレットにする請求項1または2に記載の変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法によって製造される変性ポリオレフィン樹脂。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013126760A (ja) * | 2006-10-20 | 2013-06-27 | Daikin Industries Ltd | 溶融ペレットの製造方法、及び、電線の製造方法 |
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2005
- 2005-04-04 JP JP2005107382A patent/JP2006282930A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013126760A (ja) * | 2006-10-20 | 2013-06-27 | Daikin Industries Ltd | 溶融ペレットの製造方法、及び、電線の製造方法 |
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