JP2004307537A - 変性ポリエチレン系樹脂の製造方法及び変性ポリエチレン系樹脂 - Google Patents

変性ポリエチレン系樹脂の製造方法及び変性ポリエチレン系樹脂 Download PDF

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Abstract

【課題】MIの低下が少なく、かつ生産性の優れた変性ポリエチレン系樹脂の製造方法及び変性ポリエチレン系樹脂を提供する。
【解決手段】特定量の(A)、(B)及び(C)を配合して溶融混練する。
(A):ポリエチレン系樹脂
(B):同一分子内に(i)少なくとも一種の不飽和基すなわち炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合と(ii)少なくとも一種の極性基を併せ持つ化合物、又は、同一分子内に(iii)(OR)(ここでRは水素又はアルキル、アリール、アシル又はカルボニルジオキシ基である。)及び(iv)カルボン酸、酸ハライド、酸無水物、酸ハライド無水物、酸エステル、酸アミド、イミド、イミド、アミノ及びこれらの塩から選ばれた少なくとも二つの同一又は相異なる官能基を併せ持つ化合物
(C):半減期1分となる分解温度が50〜115℃である有機過酸化物
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変性ポリエチレン系樹脂の製造方法及び変性ポリエチレン系樹脂に関するものである。更に詳しくは、本発明は、有機過酸化物によるMIの低下が少なく、かつ生産性の優れた変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び変性ポリエチレン系樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレン系樹脂は、比較的安価で、かつ良好な成形性、耐熱性、耐溶剤性、機械的特性、外観等を有するため、各種成形品に加工され多方面の分野で使用されている。さらにその特長を活かすために、異種ポリマーとブレンドしたりアロイ化したり、各種の無機材料と組み合わせて複合材料としたり、あるいは金属に積層して、より優れた特長を有する材料を形成する試みが行われている。
【0003】
しかし、極性基のないポリエチレン系樹脂は、接着性、塗装性、印刷性等に問題があり、無機材料や金属との接着性が良好ではなかった。また、極性基を有する異種ポリマー、特にポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンオキサオド樹脂等のいわゆるエンジニアリングプラスチックとは相容性が低いために、両者を配合したポリマーアロイは耐衝撃性や機械的強度などが低くなり、成形品表面剥離が生じるという問題があった。
【0004】
この問題を解決するためにポリエチレン系樹脂を改質する方法が提案され、電子線、放射線やオゾン等でのポリエチレンを処理する方法、あるいは、有機過酸化物等ラジカル発生剤存在下、不飽和カルボン酸及びその誘導体等をグラフト変性させる方法が行われている。
【0005】
この中で一般的に用いられるのは、混練押出機を使用して溶融状態でポリエチレン系樹脂に極性基を有する化合物でグラフト変性させる方法(特許文献1、特許文献2)である。この方法は、グラフト化に際して有機過酸化物等を開始剤として用いるが、ポリエチレン系樹脂の一部が架橋を引き起こす。このため、グラフト量を向上させるために有機過酸化物等の開始剤の添加量を増やしていくと架橋によるMIの著しい低下及びゲル化が発生するので、開始剤の添加量にはおのずと限界があり、その結果グラフト量向上にも限度があるという問題が生じた。
【0006】
【特許文献1】
特公平3−41105号公報
【特許文献2】
特公平3−76327号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況の下、本発明は、有機過酸化物によるMIの低下が少なく、かつ生産性の優れた変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び変性ポリエチレン系樹脂を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定の有機過酸化物を使用することにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記の(A)100重量部に対して、(B)0.1〜20重量部及び(C)0.01〜20重量部を配合して溶融混練する変性ポリエチレン系樹脂の製造方法及び変性ポリエチレン系樹脂に係るものである。
(A):ポリエチレン系樹脂
(B):下記(B1)及び(B2)からなる群から選ばれる少なくともひとつの化合物
(B1):同一分子内に(i)少なくとも一種の不飽和基すなわち炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合と(ii)少なくとも一種の極性基を併せ持つ化合物
(B2):同一分子内に(iii)(OR)(ここでRは水素又はアルキル、アリール、アシル又はカルボニルジオキシ基である。)及び(iv)カルボン酸、酸ハライド、酸無水物、酸ハライド無水物、酸エステル、酸アミド、イミド、イミド、アミノ及びこれらの塩から選ばれた少なくとも二つの同一又は相異なる官能基を併せ持つ化合物
(C):半減期1分となる分解温度が50〜115℃である有機過酸化物
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の成分(A)はポリエチレン系樹脂である。ポリエチレン系樹脂としては、イオン重合法やラジカル重合法により製造される高密度エチレン重合体、エチレンとエチレン−α−オレフィンの共重合体である直鎖状低密度エチレン重合体、低密度エチレン重合体等が挙げられる。
【0010】
エチレン−α−オレフィン共重合体で用いられるα−オレフィンとしては、炭素数が3〜20のα−オレフィンが挙げられ、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。
【0011】
本発明の成分(B)は、下記(B1)及び(B2)からなる群から選ばれる少なくともひとつの化合物である。
(B1):同一分子内に(i)少なくとも一種の不飽和基すなわち炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合と(ii)少なくとも一種の極性基を併せ持つ化合物
(B2):同一分子内に(iii)(OR)(ここでRは水素又はアルキル、アリール、アシル又はカルボニルジオキシ基である。)及び(iv)カルボン酸、酸ハライド、酸無水物、酸ハライド無水物、酸エステル、酸アミド、イミド、イミド、アミノ及びこれらの塩から選ばれた少なくとも二つの同一又は相異なる官能基を併せ持つ化合物
【0012】
(i)少なくとも一種の不飽和基すなわち炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合と(ii)少なくとも一種の極性基を併せ持つ化合物は、不飽和基すなわち炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合と、極性基すなはちポリアミド樹脂中に含まれるアミド結合、連鎖末端に存在するカルボキシル基、アミノ基と親和性や、化学反応性を示す官能基を同一分子内に併せ持つ化合物である。かかる官能基としては、カルボン酸基、カルボン酸より誘導される基すなわちカルボキシル基の水素原子あるいは水酸基が置換した各種の塩やエステル、酸アミド、酸無水物、イミド、酸アジド、酸ハロゲン化物、あるいはオキサゾリン、ニトリルなどの官能基、エポキシ基、アミノ基、水酸基、又は、イソシアン酸エステル基などがあげられ、不飽和基と極性基を併せ持つ化合物すなわち、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和エポキシ化合物、不飽和アルコール、不飽和アミン、不飽和イソシアン酸エステルが用いられる。具体的には、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、マレイミド、マレイン酸ヒドラジド、無水マレイン酸とジアミンの反応物たとえば、式
Figure 2004307537
(ただしRは脂肪族、芳香族基を示す。)などで示される構造を有するもの、無水メチルナジック酸、無水ジクロロマレイン酸、マレイン酸アミド、イタコン酸、無水イタコン酸、大豆油、キリ油、ヒマシ油、アマニ油、麻実油、綿実油、ゴマ油、菜種油、落花生油 、椿油、オリーブ油、ヤシ油、イワシ油などの天然油脂類、エポキシ化天然油脂類、アクリル酸、ブテン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、メタクリル酸、ペンテン酸、アンゲリカ酸、チグリン酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、α−エチルアクリル酸、β−メチルクロトン酸、4−ペンテン酸、2−ヘキセン、2−メチル−2−ペンテン酸、3−メチル−2−ペンテン酸、α−エチルクロトン酸、2,2−ジメチル−3−ブテン酸、2−ヘプテン酸、2−オクテン酸、4−デセン酸、9−ウンデセン酸、10−ウンデセン酸、4−ドデセン酸、5−ドデセン酸、4−テトラデセン酸、9−テトラデセン酸、9−ヘキサデセン酸、2−オクタデセン酸、9−オクタデセン酸、アイコセン酸、ドコセン酸、エルカ酸、テトラコセン酸、ミコリペン酸、2,4−ヘキサジエン酸、ジアリル酢酸、ゲラニウム酸、2,4−デカジエン酸、2,4−ドデカジエン酸、9,12−ヘキサデカジエン酸、9,12−オクタデカジエン酸、ヘキサデカトリエン酸、アイコサジエン酸、アイコサトリエン酸、アイコサテトラエン酸、リシノール酸、エレオステアリン酸、オレイン酸、アイコサペンタエン酸、エルシン酸、ドコサジエン酸、ドコサトリエン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、テトラコセン酸、ヘキサコセン酸、ヘキサコジエン酸、オクタコセン酸、トラアコンテン酸などの不飽和カルボン酸、あるいはこれらの不飽和カルボン酸のエステル、酸アミド、無水物、あるいはアリルアルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビノール、アリルカルビノール、メチルプロピペニルカルビノール、4−ペンテン−1−オール、10−ウンデセン−1−オール、プロパルギルアルコール、1,4−ペンタジエン−3−オール、1,4−ヘキサジエン−3−オール、3,5−ヘキサジエン−2−オール、2,4−ヘキサジエン−1−オール、一般式C2n−5OH、C2n−7OH、C2n−9OH(ただし、nは正の整数)で示されるアルコール、3−ブテン−1,2−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキセン−2,5−ジオール、1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール、2,6−オクタジエン−4,5−ジオールなどの不飽和アルコール、あるいはこのような不飽和アルコールのOH基が、−NH基に置き換わった不飽和アミン、あるいはグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどがあげられる。また、ブタジエン、イソプレンなどの低重合(たとえば平均分子量が500から10000ぐらいのもの)あるいは高分子量体(たとえば平均分子量が10000以上のもの)に無水マレイン酸、フェノール類を付加したもの、あるいはアミノ基、カルボン酸基、水酸基、エポキシ基などを導入したもの、イソシアン酸アリルなどがあげられる。
【0013】
本発明における同一分子内に不飽和基と極性基を併せ持つ化合物の定義には、不飽和基を2個以上、極性基を2個以上(同種又は異種)含んだ化合物も含まれることは、いうまでもなく、また、2種以上の特定化合物を使うことも可能である。これらの内で、好ましくは無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、無水イタコン酸、イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが用いられる。
【0014】
同一分子内に(iii)(OR)(ここでRは水素又はアルキル、アリール、アシル又はカルボニルジオキシ基である。)及び(iv)カルボン酸、酸ハライド、酸無水物、酸ハライド無水物、酸エステル、酸アミド、イミド、イミド、アミノ及びこれらの塩から選ばれた少なくとも二つの同一又は相異なる官能基を併せ持つ化合物は、アリファティックポリカルボン酸、酸エステル又は酸アミドであり、一般式(RO)mR(COOR)n(CONR)l
(ここで、Rは:線状又は分岐状飽和アリファティック炭化水素であって2〜20個、好ましくは2〜10個の炭素原子を有するものであり、 Rは水素、アルキル基、アリール基、アシル基、又はカルボニルジオキシ基で特に好ましくは水素であり、Rは水素、アルキル基、又はアリール基で炭素数1〜20、好ましくは1〜10であり、R及びRは水素、アルキル基、又はアリール基で炭素数1〜10、好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜4であり、m=1であり、n+lは2以上の整数、好ましくは2又は3であり、nは0以上の整数であり、lは0以上の整数であり、(RO)はカルボニル基のα位又はβ位に位置し、少なくとも2つのカルボニル基の間には、2〜6個の炭素が存在するものである。)によって表される飽和脂肪族ポリカルボン酸及びその誘導体化合物。(具体的には、飽和脂肪族ポリカルボン酸のエステル化合物、アミド化合物、無水物、水加物及び塩などを示す。飽和脂肪族ポリカルボン酸として、クエン酸、リンゴ酸、アガリシン酸などである。これらの化合物の詳細は、公表特許公報昭61−502195号公報に開示されている。)
【0015】
成分(B)の添加量は、ポリエチレン系樹脂(A)100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部である。添加量が過少であるとポリエチレン系樹脂へのグラフト量が低下して十分な接着強度は得られない。また、添加量が過多になると樹脂中の未反応の成分(B)が多くなり、十分な接着強度は得られない。
【0016】
本発明の成分(C)は、半減期が1分となる分解温度が50〜115℃である有機過酸化物であり、好ましくは該分解温度が70〜110℃である有機過酸化物である。分解温度が低すぎるとグラフト量が向上せず、分解温度が高すぎるとMIの著しい低下が発生する。また、これらの有機過酸化物は分解してラジカルを発生した後、ポリオレフィン樹脂からプロトンを引き抜く作用があることが好ましい。半減期が1分となる分解温度が50〜115℃である有機過酸化物としては、ジアシルパーオキサイド化合物、パーカボネート化合物(分子骨格中に下記構造式(1)で表される構造を有する化合物I)やアルキルパーエステル化合物(下記構造式(2)で表される構造を有する化合物(II))等があげられる。
Figure 2004307537
【0017】
構造式(1)で表される構造を有する化合物Iとしては、ジセチル パーオキシジカルボネート、ジ−3−メトキシ ブチル パーオキシジカルボネート,ジ−2−エチルヘキシル パーオキシジカルボネート、ビス(4−t−ブチル シクロヘキシル)パーオキシジカルボネート、ジイソプロピル パーオキシジカルボネート、t−ブチル パーオキシイソプロピルカーボネート、ジミリスチル パーオキシカルボネート等があげられる。構造式(2)で表される構造を有する化合物IIとしては、1,1,3,3−テトラメチル ブチル ネオデカノエート,α―クミル パーオキシ ネオデカノエート,t−ブチル パーオキシ ネオデカノエート等があげられる。これらの有機過酸化物(C)のうち、好ましいのは、パーカボネート化合物(分子骨格中に構造式(1)で表される構造を有する化合物I)である。というのも、パーカボネート化合物は分解してラジカルを発生した後、ポリオレフィン樹脂からプロトンを引き抜く作用を有するからである。半減期が1分となる分解温度が50〜115℃である有機過酸化物の添加量は、ポリエチレン系樹脂(A)100重量部に対して0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜10重量部である。添加量が過少であるとポリエチレン系樹脂へのグラフト量が低下する。また、添加量が過多になると樹脂の架橋が促進される。
【0018】
本発明における樹脂組成物には、その目的、効果を大きく阻害しない範囲で、他の有機過酸化物と併用することができる。他の有機過酸化物としてジアルキルパーオキサイド化合物が挙げられる。
【0019】
本発明における樹脂組成物には、その目的、効果を大きく阻害しない範囲で、スチレンやジビニルベンゼン等の電子供与性化合物を配合することが可能である。また、一般にポリオレフィン樹脂に添加される公知の物質、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、中和剤等をさらに配合することも可能である。
【0020】
本発明での製造法としては、樹脂同士あるいは樹脂と固体もしくは液体の添加物を混合するための公知の各種方法が採用可能である。好ましい例としては、各成分の全部もしくはいくつかを組み合わせて別々にヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、ブレンダー等により混合して均一な混合物とした後、該混合物を溶融混練する等の方法を挙げることができる。溶融混練の手段としては、バンバリーミキサー、プラストミル、ブラベンダープラストグラフ、一軸又は二軸の押出機等の従来公知の溶融混練手段が広く採用可能である。特に好ましいのは、一軸又は二軸押出機を用い、予め十分に予備混合した(A)ポリエチレン系樹脂、(B1)及び(B2)からなる群から選ばれる少なくともひとつの化合物、(C)有機過酸化物を押出機の供給口より供給して溶融混練を行う方法である。というのも、本方法では連続生産が可能であり、生産性が向上するからである。混練機の混練を行う部分の温度は(例えば、押出機ならシリンダー温度)、50〜300℃、好ましくは100〜250℃である。温度が低すぎるとグラフト量が向上しない場合があり、また、温度が高すぎると樹脂の分解が起こる場合がある。混練機の混練を行う部分の温度は、混練を前半と後半の二段階に分け、前半より後半の温度を高めた設定にすることができる。混練時間は、0.1〜30分間、特に好ましくは0.5〜5分間である。混練時間が短すぎると十分なグラフト量は得られない場合があり、また、混練時間が長すぎると樹脂の分解が起こる場合がある。
【0021】
【実施例】
以下実施例により、本発明を説明するが、これらは単なる例示であり、本発明を逸脱しない限りこれら実施例に限定されるものではない。
【0022】
[評価用サンプルの調製法]
実施例及び比較例における評価用サンプルの製造には、東芝機械製二軸押出機TEM−50A(L/D=41,シリンダー径=53mm)を用いた。シリンダー温度は混練を前半と後半の二段階に分け、前半は180℃に設定し、後半は260℃に設定した。スクリュー回転数は250rpmで行った。
【0023】
実施例及び比較例における評価方法について以下に示す。
(1)MI
JIS K7210に準拠し、温度190℃、荷重21.2Nで測定した。
(2)無水マレイン酸グラフト量
サンプル1.0gをキシレン10mlに溶解した。サンプルの溶液をメタノール300mlに攪拌しながら滴下してサンプルを再沈殿させて回収した。回収したサンプルを真空乾燥した後(80℃、8時間)、熱プレスにより厚さ100μmのフイルムを作成した。この作成したフイルムの赤外吸収スペクトルを測定し、1780cm−1付近の吸収より無水マレイン酸グラフト量を定量した。
【0024】
実施例1
MI=50の直鎖状低密度エチレン重合体(GA804 住友化学工業(株)製)100重量部に、無水マレイン酸2重量部、ジセチル パーオキシジカルボネート0.50重量部を添加して十分に予備混合後、二軸押出機の供給口より供給して混練を行い、サンプルを得た。条件及び評価結果を表1に示した。
【0025】
比較例1
MI=50の直鎖状低密度エチレン重合体(GA804 住友化学工業(株)製)100重量部に、無水マレイン酸2重量部、1,3−ビス(t−ブチル パーオキシイソプロピル)ベンゼン0.15重量部を添加して十分に予備混合後、二軸押出機の供給口より供給して混練を行い、サンプルを得た。条件及び評価結果を表1に示した。
【0026】
【表1】
Figure 2004307537
C:ジセチル パーオキシジカルボネート(活性酸素量が2.8%、半減期が1分となる温度=99℃)
D:1,3−ビス(t−ブチル パーオキシイソプロピル)ベンゼン(活性酸素量が9.3%、半減期が1分となる温度=183℃)
【0027】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により、半減期1分となる分解温度が50〜115℃である有機過酸化物を用いることにより、MIの低下が少なく、かつ生産性の優れた変性ポリエチレン系樹脂の製造方法及び変性ポリエチレン系樹脂を提供することができた。

Claims (5)

  1. 下記の(A)100重量部に対して、(B)0.1〜20重量部及び(C)0.01〜20重量部を配合して溶融混練する変性ポリエチレン系樹脂の製造方法。
    (A):ポリエチレン系樹脂
    (B):下記(B1)及び(B2)からなる群から選ばれる少なくともひとつの化合物
    (B1):同一分子内に(i)少なくとも一種の不飽和基すなわち炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合と(ii)少なくとも一種の極性基を併せ持つ化合物
    (B2):同一分子内に(iii)(OR)(ここでRは水素又はアルキル、アリール、アシル又はカルボニルジオキシ基である。)及び(iv)カルボン酸、酸ハライド、酸無水物、酸ハライド無水物、酸エステル、酸アミド、イミド、イミド、アミノ及びこれらの塩から選ばれた少なくとも二つの同一又は相異なる官能基を併せ持つ化合物
    (C):半減期1分となる分解温度が50〜115℃である有機過酸化物
  2. (C)が下記構造式(1)で表される構造を分子骨格中に有する請求項1記載の製造方法。
    Figure 2004307537
  3. (C)がジセチル パーオキシジカルボネートである請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 押出機を用いて溶融混練する請求項1〜3のいずれか一項記載の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項記載の製造方法で製造された変性ポリオレフィン樹脂。
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