JP2006190792A - 赤外発光ダイオード及びその製造方法 - Google Patents

赤外発光ダイオード及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006190792A
JP2006190792A JP2005001018A JP2005001018A JP2006190792A JP 2006190792 A JP2006190792 A JP 2006190792A JP 2005001018 A JP2005001018 A JP 2005001018A JP 2005001018 A JP2005001018 A JP 2005001018A JP 2006190792 A JP2006190792 A JP 2006190792A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
infrared light
emitting diode
light emitting
type
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005001018A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4273237B2 (ja
Inventor
Haruhiko Watanabe
治彦 渡辺
Yoshinori Kurosawa
圭則 黒沢
Takashi Araki
隆司 新木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dowa Holdings Co Ltd
Original Assignee
Dowa Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dowa Mining Co Ltd filed Critical Dowa Mining Co Ltd
Priority to JP2005001018A priority Critical patent/JP4273237B2/ja
Priority to DE112005003346T priority patent/DE112005003346T5/de
Priority to PCT/JP2005/023749 priority patent/WO2006073077A1/ja
Priority to KR1020077017159A priority patent/KR20070104362A/ko
Priority to US11/813,321 priority patent/US8017960B2/en
Publication of JP2006190792A publication Critical patent/JP2006190792A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4273237B2 publication Critical patent/JP4273237B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/02Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor bodies
    • H01L33/26Materials of the light emitting region
    • H01L33/30Materials of the light emitting region containing only elements of Group III and Group V of the Periodic Table

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Led Devices (AREA)

Abstract

【課題】 赤外線通信とリモコン操作用通信との双方に利用可能であり、高出力、かつ、高速応答可能な、赤外発光ダイオードを提供する。
【解決手段】 赤外発光ダイオード1は、p型のAlx Ga1-x As(0.15≦x≦0.45)を含む少なくとも1層のp型クラッド層2と、p型のAly Ga1-y As(0≦y≦0.01)を含む活性層3と、n型のAlz Ga1-z As(0.15≦z≦0.45)を含む少なくとも1層のn型クラッド層4とを有し、活性層3の厚みは、2〜6μmであり、赤外線通信とリモコン操作通信との双方の赤外光源として使用できる。室温における発光ピーク波長を880〜890nmとすることができ、赤外線通信とリモコン操作用通信との双方への、高出力、高速応答可能な赤外光源として利用可能である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、赤外線通信とリモコン操作用通信との双方に利用可能である、赤外発光ダイオード及びその製造方法に関する。
化合物半導体のpn接合に順方向電流を流して発光させる発光ダイオード(以下、適宜、LEDと呼ぶ)のうち、AlGaAs、GaAs系LEDは赤外線通信やリモコン操作等の分野で広く使われている。
例えば、赤外線通信に使用されるLEDとしては、大容量のデータ通信に対応するため、より高出力化、高速化が要求されるので、ダブルへテロ(DH)構造のLEDが使用されている。DH構造のLEDにおいて、活性層の厚みは薄いほど出力及び応答性に有利であり、通常1μm程度とされている。
特許文献1には、上記DH構造のLEDが開示されており、活性層へ添加する実効的不純物(ドーパント)としてゲルマニウム(Ge)を用い、活性層の厚みを0.5〜1.5μmとすることにより、高出力、高信頼性、かつ応答性の良いLEDが得られることが記載されている。
また、リモコン操作用に使用されるLEDとしては、GaAsの液相成長によるホモ接合型LEDが使用されている。このLEDのpn接合は、液相成長する時にドーパントとして用いるシリコン(Si)が成長温度によりp型からn型へ変換する、所謂pn反転を利用して形成されている。Siは、GaAs中に他のドーパントに比べて深い不純物準位を形成するため、GaAsホモ接合型LEDの発光波長はGaAs吸収端(870nm)よりも長い波長側に広く分布する。しかしながら、キャリアの拡散距離が長いために、そのパルス応答性は遅いものであった。このため、パルス応答における、Tr(立ち上がり時間)及びTf(立ち下がり時間)は、数μsecが限界であった。
特開平8−293622号公報
近年、携帯電話等の小型の端末機器が各種開発され、赤外線通信とリモコン操作通信の両機能を兼ね備えた端末機器も開発されている。
ここで、機器間の送受信に用いられる赤外通信の場合には、例えば、850〜900nmの赤外線が用いられ、リモコン操作通信の場合には、受光部の感度が高い波長帯である、例えば880〜940nmの赤外線が用いられている。従来はこれら2つの機能を兼ね備える場合、発光波長の異なる2種類のLEDを用意する必要があった。
上記の赤外線通信とリモコン操作通信の双方に使用できるLEDとしては、発光波長が、例えば受光部の感度が高い波長である880nmより長波長側にピーク波長領域を有する必要があった。
しかしながら、特許文献1に記載されたDH構造LEDにおいては、その発光ピーク波長は800〜870nmであり、870nmより長波長のLEDが得られないという課題がある。
一方、Si添加のGaAsホモ接合型LEDでは、870nmより長波長の赤外発光が得られるが、赤外線通信に対応できる高速な応答性が得られないという課題がある。
本発明は、以上の点に鑑み、赤外線通信とリモコン操作用通信との双方に利用可能であり、高出力、かつ、高速応答可能な、赤外発光ダイオードを提供することを目的としている。
本発明者らは鋭意研究した結果、AlGaAs系赤外LEDにおいて、活性層厚みを2〜6μmとすることにより870nmより長波長側の発光ピーク波長が得られること、p型活性層の実効的不純物をGeとすれば、880〜890nmの範囲に発光ピーク波長を有し、ホモ接合型LEDに比べ高出力で、且つ、Tr及びTfが短いことにより高速応答性のLEDを作製できること、そして、赤外線通信及びリモコン操作用通信に兼用できる発光特性が得られること、などの知見を得て本発明に至ったものである。
上記目的を達成するため、本発明の赤外発光ダイオードは、p型のAlx Ga1-x As(0.15≦x≦0.45)を含む少なくとも1層のp型クラッド層と、p型のAly Ga1-y As(0≦y≦0.01)を含む活性層と、n型のAlz Ga1-z As(0.15≦z≦0.45)を含む少なくとも1層のn型クラッド層とを有し、活性層の厚みは、2〜6μmであり、赤外線通信とリモコン操作通信との双方の赤外光源として使用できることを特徴とする。
上記構成によれば、p型活性層の厚みを2〜6μmとすることにより、赤外線発光波長を所望の波長に制御して、赤外線通信とリモコン操作通信との双方の赤外光源として使用できる赤外発光ダイオードを提供することができる。
好ましくは、活性層の実効的不純物は、Geで形成されている。この構成によれば、活性層の実効的不純物はGeであるので、高出力、高速応答の赤外発光ダイオードを実現することができる。
赤外発光ダイオードの室温における発光ピーク波長は、好ましくは880〜890nmである。このため、本発明の赤外発光ダイオードを、赤外線通信とリモコン操作用通信との両方の用途への赤外光源として使用することができる。
また、上記の赤外発光ダイオードの製造方法は、p型クラッド層と、p型活性層と、n型クラッド層とが、GaAs基板上にエピタキシャル成長により形成され、エピタキシャル成長後に、基板が除去されることにより製造されることを特徴とする。
上記製造方法によれば、発光ピーク波長が880〜890nmであり、赤外線通信とリモコン操作用通信との両方の用途への高出力、高速応答ができる赤外発光ダイオードを、量産性よく、低コストで製造することができる。
本発明によれば、赤外線通信とリモコン操作用通信との双方に利用可能であり、高出力、高速応答ができる赤外発光ダイオードを提供することができる。このため、赤外線通信及びリモコン操作用通信機能を有する機器では、波長の異なる2種類の赤外発光ダイオードを使用する必要があったものが、本発明では、赤外発光ダイオードを1個使用するだけでよく、2種類の赤外発光ダイオードを使用する必要がなくなる。
また、本発明の赤外発光ダイオードの製造方法によれば、赤外線通信とリモコン操作用通信との双方に利用可能であり、高出力、高速応答ができる赤外発光ダイオードを量産性よく、低コストで製造することができる。
以下、本発明の実施形態に係る赤外発光ダイオードの構造について、図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明の赤外発光ダイオードの構造を示す模式的な断面図である。本発明の赤外発光ダイオード1は、p型クラッド層2と、活性層3と、n型クラッド層4と、からなるDH構造(ダブルヘテロ構造)を有し、p型クラッド層2及びn型クラッド層4には、それぞれ、p層電極5及びn層電極6が形成されている。赤外発光ダイオード1の上下両面に形成される電極5,6の形状は任意に選定することができる。
なお、赤外発光ダイオード1は、図1とは逆、すなわち、上方から順に、p層電極5、p型クラッド層2、活性層3、n型クラッド層4、n層電極6としてもよい。
p型クラッド層2は、p型のAlx Ga1-x As(ここで、xは混晶組成であり、0.15≦x≦0.45)を含む少なくとも1層のp型クラッド層2からなる。p型クラッド層2は、上記p型のAlx Ga1-x As層上に、さらに、p型GaAs層が形成される、2層構造を有していてもよい。例えば、p型GaAs層を高不純物密度層とすれば、p層電極5を容易に形成でき、直列抵抗の低減ができると共に、応答性能を向上させることができる。
n型クラッド層4は、n型のAlz Ga1-z As(ここで、zは混晶組成であり、0.15≦z≦0.45)を含む少なくとも1層のn型クラッド層4からなる。n型クラッド層4は、上記n型のAlz Ga1-z As層上に、さらに、n型GaAs層が形成される、2層構造を有していてもよい。例えば、n型GaAs層を高不純物密度層とすれば、n層電極6を容易に形成し、直列抵抗の低減ができ、応答性能を向上させることができる。
ここで、p型及びn型クラッド層2,4には、活性層3に対して、キャリアとなる電子及び正孔の閉じこめ効果と、光の閉じこめ効果と、の両方の作用が要求されるので、上記Alx Ga1-x As及びAlz Ga1-z As層のAl組成であるx及びzを、0.15以上とする必要がある。
一方、Al組成x,zの上限としては、キャリア及び光の閉じ込めのためには、原理的には高くてもよい。しかしながら、Al組成の上昇に伴い、通電による赤外発光ダイオードの腐食劣化の問題が生じたり、また、オーミックロスによる順方向電圧の上昇が引き起こされるので好ましくない。このため、Al組成は、0.15≦x,z≦0.45であることが望ましい。
活性層3は、p型及びn型のクラッド層2,4の間に挿入される層であり、発光層となる領域である。活性層3は、p型のAly Ga1-y As(0≦y≦0.01)を含む層、すなわち、GaAsを含む層、又はAly Ga1-y As(ここで、yは混晶組成であり、0<y≦0.01)を含む層からなる。Alの組成yは、0.01以上では、長波長の赤外光が発光しにくくなるので、好ましくない。
活性層3の導電型は、発光効率からはp型が好ましい。そして、高速応答性及び高信頼性のためにはp型活性層3の実効的不純物としては、Geが好ましい。この際、本発明の赤外発光ダイオード1を高速応答性とするためには、p型活性層3の不純物密度としては、おおよそ、1×1018cm-3以上とすればよい。
なお、本発明において実効的不純物とは、実効的に支配する不純物を示すものである。例えば、p型活性層3のGeによる不純物密度よりも低い、少量のZn(亜鉛)やMg(マグネシウム)が添加されてもよい。
そして、活性層3の厚さを、2〜6μmとすることにより、赤外発光ダイオードの室温における発光ピーク波長を880〜890nmとすることができる。
ここで、活性層3の厚さが2μm以下では、発光波長が880nmよりも短波長側にずれるので好ましくない。一方、活性層3の厚さを、6μm以上としても、発光波長の長波長側へのシフト量が飽和し、発光出力も低下するので好ましくない。
なお、LEDの発光波長は、発光部すなわちpn接合部の温度に依存して変化し、周囲温度が高い場合や高電流動作で接合部の温度が高い場合には、発光強度の最も大きい発光波長、すなわち発光ピーク波長は、長波長側に移動する。このため、本発明の赤外発光ダイオードのピーク発光波長は、室温において、直流順方向電流が20mAのときの測定値で定義する。
本発明の赤外発光ダイオードによれば、発光ピーク波長を880〜890nmとすることができるので、赤外線通信とリモコン操作用通信との両方の用途への高出力赤外光源として使用することができる。
そして、発光時のパルス応答が高速であるので、速度の遅いリモコン操作用通信用のみならず、高速赤外線通信に対応できる。
次に、本発明の実施形態に係る赤外発光ダイオードの製造方法について説明する。
本発明の赤外発光ダイオード1は、以下のようにして製造することができる。最初に、GaAs基板上に、p型クラッド層2、活性層3、n型クラッド層4の順に、エピタキシャル成長を行い、DH構造を得る。また、成長の順序は、上記とは逆の、n型クラッド層4、活性層3、p型クラッド層2の順番でもよい。ここで、用いるGaAs基板は、後述するように、エピタキシャル成長の後で除去する場合には、p型、n型、半絶縁性、アンドープの何れであってもよい。そして、GaAs基板を除去しない場合には、最初に成長させるクラッド層の導電型に対応するp型又はn型のGaAs基板を使用すればよい。
続いて、DH構造が形成されたGaAs基板から、GaAs基板を除去し、DH構造を得る。
次に、DH構造のp型クラッド層2及びn型クラッド層4にそれぞれ電極5,6を形成し、所定の面積のチップに分割する。その後で、光の取り出し効率を高めるためにチップ表面を荒らしてもよい。
その後、上記チップの下面電極をリードフレームの一方に固着し、リードフレームの他方と、上面電極と、の間を金線やAl線を用いたワイヤーボンディングにより接続して、チップが搭載されたリードフレームの上方をエポキシコートすることにより砲弾型の赤外発光ダイオードを製造することができる。
エピタキシャル成長は、液相成長法やMOCVD法などを用いることができる。液相成長法の場合には、徐冷法や温度差法を用いることができる。光の取り出し効率向上のためにはGaAs基板を除去することが好適である。この場合には、DH構造自体の膜厚は、電極形成などの後工程で破損しないように、100μm〜200μmとすることが好ましい。このため、エピタキシャル結晶成長方法としては、厚い成長層と高品質の結晶が容易に得られ、かつ、量産ができ、低コストである、液相成長法が好適である。
次に、DH構造のエピタキシャル成長について、詳しく説明する。
図2は、本発明の赤外発光ダイオードのエピタキシャル成長に使用するボートの模式断面図である。図2に示すように赤外発光ダイオードのエピタキシャル成長に使用するボート10は、るつぼ11と、ベース12と、仕切り13と、の3点の部品から構成されている。これらの部品の材料としては、カーボンを用いることができる。
るつぼ11は、少なくとも3槽からなる。これは、p型クラッド層2、活性層3、n型クラッド層4のエピタキシャル成長に必要な、組成及びドーパントの異なる溶液槽が3槽必要なことによる。るつぼ11の各槽には、DH構造の各層の所定組成になるような、Ga原料、Al原料、GaAs原料、及びドーパントが、それぞれ調合され、充填されている。
ここで、各槽に充填された各層の成長原料は、原料溶液となる。また、ベース12の中にはGaAs基板14が収納されている。
次に、ボート10を用いたDH構造の徐冷法によるエピタキシャル成長について説明する。
最初に、るつぼ11内に原料が充填されたボート10は、電気炉内の石英管に収容され、窒素ガスパージや真空引きの後、水素ガスなどが流され、電気炉により成長温度まで昇温され、所定の時間保持される。
次に、ボート10が、電気炉の制御により徐冷されるとともに、つぼ8を動かして原料溶液を、GaAs基板14が収納されているベース12内に導入する。そして、所定の温度、時間、及び徐冷速度により、エピタキシャル成長を行い、仕切り13を操作して成長後の原料溶液をGaAs基板から分離する。この繰り返しによりDH構造の各層2,3,4を成長させることができる。
ここで、AlAsの偏析係数がGaAsのそれより大きいため、クラッド層2,4の厚い層を成長させる場合に、Ga中のAlAs成分が減少し、クラッド層2,4内のAl組成x,zが傾斜する。一方、活性層3は、厚みがクラッド層2,4の厚さに比べて非常に薄いので、Al組成yの変動は殆ど生起しない。
本発明の赤外発光ダイオードの製造方法によれば、発光ピーク波長を880〜890nmとすることで、赤外線通信とリモコン操作用通信との両方の用途への高出力、高速応答ができる赤外発光ダイオードを、量産性よく、低コストで製造することができる。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の実施例においては、液相成長法として徐冷法を用い、GaAs基板上にp型クラッド層2と、p型活性層3と、n型クラッド層4と、からなるDH構造をエピタキシャル成長させた。エピタキシャル成長は、p型クラッド層2及びn型クラッド層4の厚さを、それぞれ約100μm、約60μmと固定し、p型活性層3となるAlGa1-y As層の厚さを種々変化させた。ここで、成長温度は、600〜900℃の範囲であった。
表1は、実施例で製造したDH構造の各層のAl組成、不純物密度、用いた不純物(ドーパント)、厚さの一例を示す表である。
表1から明らかなように、p型クラッド層2の組成xは0.15〜0.45であり、Znによる不純物密度は3×1017cm3 であり、厚さは100μmである。p型活性層3の組成yは0、すなわち、GaAsであり、Geによる実効的不純物密度は2×1018cm3 であり、厚さは種々変えたのでdμmと表記しているが、0.5μm〜8μm程度の厚さとした。
n型クラッド層4の組成zは0.20〜0.45であり、Teによる不純物密度は6×1017cm3 であり、厚さは60μmである。
なお、上記組成x,zは、上記したようにそれぞれ各膜厚内の変動幅を示している。
次に、GaAs基板を除去し、p型クラッド層2及びn型クラッド層4にそれぞれ、電極5,6を形成し、所定の面積のチップに分割し、赤外発光ダイオード1を上記で説明した方法により製造した。
この赤外発光ダイオードのチップの大きさは、0.32mm×0.32mmの面積を有し、その厚さは、活性層の厚さがクラッド層よりも十分に薄いので無視すると、約160μmである。
次に、上記実施例の赤外発光ダイオードの発光特性について説明する。
図3は、実施例の赤外発光ダイオードにおける、活性層厚さdを変化させたときのピーク発光波長及びピーク発光波長における発光出力を示すものである。図において、横軸は活性層厚さd(μm)を、左縦軸はピーク発光波長(nm)を、右縦軸はピーク発光波長での光出力(mW)を示している。この際、発光ダイオード1には、室温(25℃)で、20mAの電流を流している。ここで、発光特性は、分光器(MCPD3000大塚電子(株)製)を用いて測定した。
図から明らかように、活性層厚さdを0.5μmから6μmまで変化させたときに、ピーク発光波長が約870〜890nmまで変化する。そして、活性層厚さdが2μm〜6μmの間では、ピーク発光波長が約880nm〜890nmとなることが分かる。この際、ピーク発光波長における出力は、4mW前後の高出力が得られた。これにより、上記880nm〜890nmのピーク発光波長は、赤外線通信とリモコン操作用通信との双方に利用できる赤外光領域の境界に当たる波長に相当し、しかも、高出力である。
図4は、実施例の赤外発光ダイオードにおける、活性層厚さdを変化させたときの発光の立ち上がり時間Tr及び立ち下がり時間Tfを示す図である。図において、横軸は活性層厚さd(μm)を示し、縦軸は立ち上がり時間Tr及び立ち下がり時間Tf(nsec)を示し、立ち上がり時間Trは菱形(◆印)で、立ち下がり時間Tf(nsec)は四角(■印)で表わしている。
ここで、立ち上がり時間Tr及び立ち下がり時間Tfの測定は、赤外発光ダイオード1に、パルス幅125nsec、デューティ比25%、ピーク電流500mAのパルスを印加して測定した。
図から明らかように、活性層厚さdを2μmから6μmまで変化させたときに、立ち上がり時間Tr及び立ち下がり時間Tfはほぼ同じ値であり、約37nsecから55nsec程度であり、赤外線通信に要求される遮断周波数に対応できる応答性能であることが分かる。
次に、活性層厚さを2.8μm及び4.8μmとした赤外発光ダイオード1の発光特性例を説明する。
ピーク発光波長等の測定は、室温で、直流順方向電流を20mA印加したときの値である。活性層厚さを2.8μmとした赤外発光ダイオードにおいては、ピーク発光波長は885nmであり、その半値幅(発光出力が1/2となる発光波長幅)は51nmであった。その発光出力は3.82mWであった。また、パルス電流500mA駆動時の立ち上がり時間Tr及び立ち下がり時間Tfは、それぞれ、30nsecであった。活性層厚さを4.8μmとした赤外発光ダイオードにおいては、ピーク発光波長は885nmであり、その半値幅は51nmであった。その発光出力は3.59mWであった。また、パルス電流500mA駆動時の立ち上がり時間Tr及び立ち下がり時間Tfは、それぞれ、65nsecであった。
これにより、実施例の赤外発光ダイオードによれば、発光ピーク波長を880nm〜890nmとすることができるので、赤外線通信とリモコン操作用通信との双方への、高出力、高速応答可能な、赤外光源として使用することができる。したがって、高速赤外通信用の赤外光源として使用できる。例えば、IrDA(赤外線通信の規格制定団体であるInfrared Data Associationの略称)用赤外光源として利用できる。
本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。例えば、エポキシコートの赤外発光ダイオードだけに限定されることなく、各種のモデュール用赤外発光ダイオードチップなどにも使用することができる。
本発明の赤外発光ダイオードの構造を示す模式的な断面図である。 本発明の赤外発光ダイオードのエピタキシャル成長に使用するボートの模式断面図である。 実施例の赤外発光ダイオードにおける、活性層厚さdを変化させたときのピーク発光波長及びピーク発光波長における発光出力を示すグラフである。 実施例の赤外発光ダイオードにおける、活性層厚さdを変化させたときの発光の立ち上がり時間Tr及び立ち下がり時間Tfを示すグラフである。
符号の説明
1:赤外発光ダイオード
2:p型クラッド層
3:活性層(p型活性層)
4:n型クラッド層
5:p層電極
6:n層電極
10:ボート
11:るつぼ
12:ベース
13:仕切り
14:GaAs基板

Claims (4)

  1. p型のAlx Ga1-x As(0.15≦x≦0.45)を含む少なくとも1層のp型クラッド層と、
    p型のAly Ga1-y As(0≦y≦0.01)を含む活性層と、
    n型のAlz Ga1-z As(0.15≦z≦0.45)を含む少なくとも1層のn型クラッド層と、を有し、
    上記活性層の厚みは、2〜6μmであり、赤外線通信とリモコン操作通信との双方の赤外光源として使用できることを特徴とする、赤外発光ダイオード。
  2. 前記活性層の実効的不純物が、Geで形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の赤外発光ダイオード。
  3. 前記赤外発光ダイオードの室温における発光ピーク波長は、880〜890nmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の赤外発光ダイオード。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の赤外発光ダイオードの製造方法であって、
    前記p型クラッド層と、前記p型活性層と、前記n型クラッド層とが、GaAs基板上にエピタキシャル成長により形成され、
    上記エピタキシャル成長後に、上記基板が除去されることにより製造されることを特徴とする、赤外発光ダイオードの製造方法。
JP2005001018A 2005-01-05 2005-01-05 赤外発光ダイオード及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4273237B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005001018A JP4273237B2 (ja) 2005-01-05 2005-01-05 赤外発光ダイオード及びその製造方法
DE112005003346T DE112005003346T5 (de) 2005-01-05 2005-12-26 Infrarot-Emittierende Diode und Verfahren zu ihrer Herstellung
PCT/JP2005/023749 WO2006073077A1 (ja) 2005-01-05 2005-12-26 赤外発光ダイオード及びその製造方法
KR1020077017159A KR20070104362A (ko) 2005-01-05 2005-12-26 적외 발광 다이오드 및 그것의 제조 방법
US11/813,321 US8017960B2 (en) 2005-01-05 2005-12-26 Infrared emitting diode and method of its manufacture

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005001018A JP4273237B2 (ja) 2005-01-05 2005-01-05 赤外発光ダイオード及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006190792A true JP2006190792A (ja) 2006-07-20
JP4273237B2 JP4273237B2 (ja) 2009-06-03

Family

ID=36647559

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005001018A Expired - Fee Related JP4273237B2 (ja) 2005-01-05 2005-01-05 赤外発光ダイオード及びその製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8017960B2 (ja)
JP (1) JP4273237B2 (ja)
KR (1) KR20070104362A (ja)
DE (1) DE112005003346T5 (ja)
WO (1) WO2006073077A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8754398B2 (en) 2010-01-25 2014-06-17 Showa Denko K.K. Light-emitting diode, light-emitting diode lamp and lighting device
US9112084B2 (en) 2009-09-15 2015-08-18 Showa Denko K.K. Light emitting diode, light emitting diode lamp, and illuminating apparatus
US9299885B2 (en) 2010-12-02 2016-03-29 Showa Denko K.K. Light-emitting diode, light-emitting diode lamp, and illumination device

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101207660B1 (ko) * 2005-02-25 2012-12-03 도와 일렉트로닉스 가부시키가이샤 이중 헤테로 접합을 가지는 A1GaAs계 발광 다이오드및 그 제조 방법

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6149486A (ja) 1984-08-17 1986-03-11 Mitsubishi Electric Corp 発光ダイオ−ド
FR2573897B1 (fr) * 1984-11-23 1987-03-20 Radiotechnique Compelec Matrice de diodes electroluminescentes et son procede de fabrication
JPS63178568A (ja) * 1987-01-20 1988-07-22 Fuji Xerox Co Ltd 発光ダイオ−ドアレイ
JPH04179279A (ja) * 1990-11-14 1992-06-25 Omron Corp 微小発光領域面発光素子およびその作製方法
JPH0567806A (ja) * 1991-09-06 1993-03-19 Sanyo Electric Co Ltd 発光ダイオード
TW253999B (ja) * 1993-06-30 1995-08-11 Hitachi Cable
JP3187279B2 (ja) * 1995-04-24 2001-07-11 同和鉱業株式会社 赤外発光ダイオードおよびその製造方法
JP2000138640A (ja) * 1998-10-30 2000-05-16 Sanyo Electric Co Ltd 光半導体装置
TW456058B (en) * 2000-08-10 2001-09-21 United Epitaxy Co Ltd Light emitting diode and the manufacturing method thereof
TW550834B (en) * 2002-02-15 2003-09-01 United Epitaxy Co Ltd Light emitting diode and its manufacturing method

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9112084B2 (en) 2009-09-15 2015-08-18 Showa Denko K.K. Light emitting diode, light emitting diode lamp, and illuminating apparatus
US8754398B2 (en) 2010-01-25 2014-06-17 Showa Denko K.K. Light-emitting diode, light-emitting diode lamp and lighting device
US9299885B2 (en) 2010-12-02 2016-03-29 Showa Denko K.K. Light-emitting diode, light-emitting diode lamp, and illumination device

Also Published As

Publication number Publication date
DE112005003346T5 (de) 2007-11-22
US8017960B2 (en) 2011-09-13
WO2006073077A1 (ja) 2006-07-13
US20090008658A1 (en) 2009-01-08
JP4273237B2 (ja) 2009-06-03
KR20070104362A (ko) 2007-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4831940B2 (ja) 半導体素子の製造方法
KR20070068303A (ko) Led 구조
US7084422B2 (en) Semiconductor light emitting device having quantum well layer sandwiched between carrier confinement layers
JP2007227832A (ja) 窒化物半導体素子
JP4273237B2 (ja) 赤外発光ダイオード及びその製造方法
JPH11191639A (ja) 窒化物半導体素子
JPH077182A (ja) 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子
KR20060121432A (ko) 로드형 발광 구조물 및 그를 형성하는 방법
JP4705384B2 (ja) 窒化ガリウム系半導体素子
JP2016143771A (ja) エピタキシャルウエハ、半導体発光素子、発光装置及びエピタキシャルウエハの製造方法
JP2001274454A (ja) 発光ダイオード及びその製造方法
US6900467B2 (en) Semiconductor light emitting device having quantum well layer sandwiched between carrier confinement layers
JP2006135001A (ja) 半導体素子およびその製造方法
JPH08139358A (ja) エピタキシャルウエーハ
US7629670B2 (en) Radiation-emitting semi-conductor component
JP4402217B2 (ja) 赤外発光素子用エピタキシャル基板およびこれを用いて作製した発光素子
JP2002141552A (ja) 3族窒化物半導体、半導体基板、該半導体を用いたレーザおよび半導体装置
JP4156873B2 (ja) エピタキシャルウエハの製造方法
JP4704421B2 (ja) Iii族窒化物半導体の製造方法および半導体装置
JP2007201145A (ja) n型III族窒化物系化合物半導体層の成長方法
KR100430615B1 (ko) 적외선 발광 소자용 에피택셜 웨이퍼
JP4570728B2 (ja) 半導体発光素子用エピタキシャルウェハ
JP2006032738A (ja) 発光素子
JP2005116922A (ja) 発光ダイオード及び発光ダイオードからの二次発光の制御方法
JP4725425B2 (ja) 半導体レーザを作製する方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20070615

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070615

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080602

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080805

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080904

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081003

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20081014

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081125

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090113

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20090206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4273237

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120313

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120313

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130313

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130313

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140313

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees