JP4725425B2 - 半導体レーザを作製する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体レーザを作製する方法に関する。
非特許文献1には、GaAs基板上に形成されたInGaAs/GaAs量子井戸構造が記載されている。6.4nm厚のIn0.42Ga0.58As/GaAs単一量子井戸構造からのフォトルミネッセンススペクトルの半値全幅は、77Kおよび室温においてそれぞれ9.78meVおよび18.4meVである。この量子井戸構造のピーク波長は、1.223マイクロメートルである。摂氏400度において成長された量子井戸構造からは、インジウム組成が0.4以上でも、シャープなスペクトルが得られる。このために、GaAs成長中に成長温度を摂氏550度から摂氏400度に下げており、成長を中断すること無く摂氏400度でInGaAsを成長している。温度の変更は3分間で行われる。GaAsの成長温度は、InGaAs半導体の成長温度と異なる。
J. Appl. phys. 78(3) 1 August 1995, pp.1685-1688
実用的なInGaAs/GaAs量子井戸構造を得るためには、InGaAs/GaAs量子井戸構造の成長を摂氏500度以下の温度で行うことが必要である。非特許文献1に記載された方法では、GaAs成長中に成長温度を摂氏400度に下げた後に、摂氏400度でInGaAsを成長している。成長を中断することを避けるために、成膜中に温度変更を実行している。一方、GaAs半導体の平坦性を向上するために、GaAs半導体の成膜を摂氏580度程度で行うことが好適である。非特許文献1に記載された方法を用いると、GaAs半導体の膜厚が厚くなる。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、GaAs半導体領域とInを含むIII−V化合物半導体との界面の平坦性を向上させることを可能な、半導体レーザを作製する方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る発明は、半導体レーザを作製する方法である。この方法は、(a)第1のIII−V化合物半導体上にGaAs領域を摂氏530度以上600度以下の範囲の基板温度で成長する工程と、(b)前記GaAs領域を成長した後に、As原料を供給し摂氏400度以上490度以下の範囲の温度に変更する工程と、(c)該温度を変更した後に、GaAs薄膜を成長する工程と、(d)分子線エピタキシ法を用いて、インジウムを含む第2のIII−V化合物半導体からなる井戸層を前記GaAs薄膜上に成長する工程とを備え、前記GaAs薄膜の厚さは前記GaAs領域の厚さよりも大きい。
インジウムを含む第2のIII−V化合物半導体の成長において三次元成長を抑制するために、この半導体を摂氏500度以下の温度で成長することが求められる。一方、GaAs半導体の成長は、上記温度よりも高温で行われることが好ましい。なぜなら、井戸層のための半導体膜の平坦性が良好になると共に、量子井戸構造のフォトルミネッセンススペクトルの半値幅が狭くなるからである。また、インジウムを含む第2のIII−V化合物半導体の成長温度に合わせた低温でGaAs半導体を成長した後に、引き続いて第2のIII−V化合物半導体の成長を行う場合、過剰なヒ素がGaAs半導体内で非発光中心を形成する。このため、フォトルミネッセンススペクトルの強度が低下する。さらに、成長を中断して温度変更を行った後に、インジウムを含む第2のIII−V化合物半導体をGaAs半導体上に成長する場合、フォトルミネッセンススペクトルの強度が低下する。しかしながら、本発明に係る方法では、高温でGaAs領域を成長した後に、成膜すること無しに温度を摂氏400度以上490度以下の温度に変更して、更にGaAs薄膜を成長する。これによれば、フォトルミネッセンススペクトルの強度低下を避けることができる。
本発明の一側面に係る半導体レーザを作製する方法は、(e)分子線エピタキシ法を用いて、前記第2のIII−V化合物半導体のバンドギャップ波長より小さいバンドギャップ波長を有する第3のIII−V化合物半導体からなるバリア層を前記GaAs薄膜上に成長する工程を備えることができる。この方法によれば、単一量子井戸構造の半導体レーザだけでなく、多重量子井戸構造の半導体レーザも作製される。
本発明の一側面に係る半導体レーザを作製する方法では、前記GaAs薄膜の厚さは5nm以上であることが好ましい。厚さ5nm未満では、成膜すること無しに温度を摂氏400度以上490度以下の範囲の温度に変更した影響が現れる。また、前記GaAs薄膜の厚さは20nm以下であることが好ましい。厚さ20nmを越えると、GaAs表面の平坦性が低下する。
本発明の一側面に係る半導体レーザを作製する方法では、前記第2のIII−V化合物半導体はInGaAsまたはGaInNAsであることが好ましい。
本発明に係る方法によれば、特にInGaAs膜およびGaInNAs膜においてフォトルミネッセンススペクトルの半値幅が良好になる。
本発明の上記の目的および他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面を参照して進められる本発明の好適な実施の形態の以下の詳細な記述から、より容易に明らかになる。
以上説明したように、本発明によれば、GaAs半導体領域とInGaAs半導体領域との界面の平坦性を向上させることを可能な、半導体レーザを作製する方法が提供される。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明の半導体レーザを作製する方法に係る実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
(第1の実施の形態)
図1(A)、図1(B)、図1(C)、図2(A)、図2(B)および図2(C)は、本実施の形態に係る半導体レーザを作製する方法の主要な工程を示す図面である。
図1(A)に示されるように、結晶成長のための基板を準備する。この基板は、III−V化合物半導体からなり、例えばGaAs基板11であることができる。GaAs基板11は、結晶成長装置13に配置される。結晶成長装置13は分子線ビームエピタキシ装置である。結晶成長に先立って、GaAs基板11の主面11aのサーマルクリーニングを行う。サーマルクリーニングの温度は、例えば摂氏580度である。サーマルクリーニングにより、GaAs基板11の表面11aの自然酸化膜が除去される。
図1(B)に示されるように、成膜原料F1を供給して、GaAs基板11上にGaAs領域15が結晶成長装置13を用いて成長される。このGaAs領域15は、GaAs基板11の主面11aの全体を覆っている膜である。このGaAs膜の厚さは、例えば0.19マイクロメートルである。GaAs領域15の成長温度T1は、摂氏530度以上であることが好ましい。また、成長温度T1は、好ましく600度以下である。
図1(C)に示されるように、GaAs領域15を成長した後に、ヒ素原料以外の成膜原料を供給することなく、結晶成長装置13における基板温度を成長温度T1から温度T2に下げる。温度T2は、井戸層の成長のために好適な温度である。結晶成長装置13において、基板温度を、例えば摂氏490度以下の温度に変更する。また、基板温度を、例えば400度以上の温度に変更する。温度T2は上記の温度範囲にあることが好ましい。この温度変更は、結晶成長装置13の反応炉の真空を破ることなく行われる。
図2(A)に示されるように、温度変更の後に、成膜原料F2を供給してGaAs薄膜17を温度T2において成長する。GaAs薄膜17の厚さはGaAs領域15の厚さよりも小さい。半導体レーザを作製する方法では、GaAs薄膜17の厚さは5nm以上であることが好ましい。厚さ5nm未満では、成膜すること無しに温度を摂氏400度以上490度以下の範囲の温度に変更した影響が現れる。また、GaAs薄膜17の厚さは20nm以下であることが好ましい。厚さ20nmを越えると、GaAs表面の平坦性が低下する。好適には、GaAs薄膜17の厚さは10nm程度である。この成長中断の時間としては、温度変更を開始して温度が安定するまでの時間が必要である。安定までの時間は、装置の構造に依存しており、またできるだけ短いことが望ましい。
図2(B)に示されるように、GaAs薄膜15の成長の後に、成膜原料F3を供給して、インジウムを含む第2のIII−V化合物半導体層19を成長する。第2のIII−V化合物半導体層19の成膜温度は、例えば温度T2である。第2のIII−V化合物半導体層19は、例えばInGaAsまたはGaInNAsである。第2のIII−V化合物半導体層19は、例えば井戸層として機能する。第2のIII−V化合物半導体層19の厚さは、例えば7nm程度である。InGaAs井戸層を用いる半導体レーザの量子井戸構造は、例えば1100nm〜1150nmの範囲内の発光波長を実現するように設けられている。
図2(C)に示されるように、第2のIII−V化合物半導体層19の成長の後に、成膜原料F4を供給してGaAs膜21を成長する。GaAs膜21は、例えばキャップ層として機能する。GaAs膜21の厚さは、例えば0.1マイクロメートルである。GaAs膜21を、第2のIII−V化合物半導体層19の成長温度から変更を行うことなく成長することができ、また、第2のIII−V化合物半導体層19の成長温度よりも高い温度で成長することもできる。成長中断を行うことなく、第2のIII−V化合物半導体層19の成長からGaAs膜21の成長へ移ることが好ましい。
インジウムを含む第2のIII−V化合物半導体19の成長において三次元成長を抑制するために、この半導体19を摂氏500度以下の温度で成長することが必要である。一方、井戸層のための半導体膜19の平坦性を良好にすると共に、量子井戸構造のフォトルミネッセンススペクトルの半値幅を狭くするために、GaAs半導体の成長は上記温度よりも高温で行われることが好ましい。また、第2のIII−V化合物半導体(インジウムを含むIII−V化合物半導体)の成長温度に合わせた低温でGaAs半導体を成長した後に、引き続いて第2のIII−V化合物半導体の成長を行うと、過剰なヒ素がGaAs半導体内に取り込まれる。これらは非発光中心を形成するので、フォトルミネッセンススペクトルの強度が低下する。さらに、成長を中断して温度変更を行った後に、インジウムを含む第2のIII−V化合物半導体をGaAs半導体上に成長すると、フォトルミネッセンススペクトルの強度が低下する。しかしながら、本実施の形態に係る方法によれば、高温でGaAs領域を成長した後に、成膜すること無しに温度を摂氏450度以上490度以下の温度に変更して、更にGaAs薄膜17を成長する。これによれば、フォトルミネッセンススペクトルの強度低下を避けることができる。
(実施例1)
引き続き、いくつかの実施例を説明する。いずれの実験例においても、成長に先立ってサーマルクリーニング(摂氏580度、20分)を行う。また、成膜速度は1μm/hとしている。フォトルミネッセンス波長は、室温で1100nmである。ヒ素のフラックス強度は3.5×10−5Torrである。
例1:
GaAs成長1:膜厚0.1μm、成長温度、摂氏470度
In0.3Ga0.7As成長:膜厚7nm、成長温度、470度
GaAs成長2:膜厚0.1μm、成長温度、470度
例2:
GaAs成長1:膜厚0.1μm、成長温度、摂氏530度
成長中断:温度530度から470度へ温度変更、5分間
In0.3Ga0.7As成長:膜厚7nm、成長温度、摂氏470度
GaAs成長2:膜厚0.1μm、成長温度、470度
例3:
GaAs成長1:膜厚0.09μm、成長温度、摂氏530度
成長中断:温度530度から470度へ温度変更、5分間
GaAs成長2:膜厚0.01μm、成長温度、摂氏470度
In0.3Ga0.7As成長:膜厚7nm、成長温度、470度
GaAs成長3:膜厚0.02μm、成長温度、470度から580度
GaAs成長4:膜厚0.08μm、成長温度、摂氏580度
例4:
GaAs成長2:膜厚0.09μm、成長温度、摂氏580度
成長中断:温度580度から470度へ温度変更、5分間
GaAs成長2:膜厚0.01μm、成長温度、摂氏470度
In0.3Ga0.7As成長:膜厚7nm、成長温度、470度
GaAs成長3:膜厚0.02μm、成長温度、470度〜580度変更中
GaAs成長4:膜厚0.08μm、成長温度、摂氏580度
例5:
GaAs成長1:膜厚0.09μm、成長温度、摂氏600度
成長中断:温度600度から470度へ温度変更、5分間
GaAs成長2:膜厚0.01μm、成長温度、摂氏470度
In0.3Ga0.7As成長:膜厚7nm、成長温度、470度
GaAs成長3:膜厚0.02μm、成長温度470度〜600度へ変更中
GaAs成長4:膜厚0.08μm、成長温度、摂氏600度
例6:
GaAs成長1:膜厚0.09μm、成長温度、摂氏580度
成長中断1:温度580度から470度へ温度変更、5分間
GaAs成長2:膜厚0.01μm、成長温度、摂氏470度
In0.3Ga0.7As成長:膜厚7nm、成長温度、470度
GaAs成長3:膜厚0.02μm、成長温度、470度
成長中断2:温度(摂氏)470度から580度へ温度変更、5分間
GaAs成長4:膜厚0.08μm、成長温度、摂氏580度
例7:
GaAs成長1:膜厚0.09μm、成長温度、摂氏580度
成長中断1:温度580度〜470度へ温度変更、5分間
GaAs成長2:膜厚0.01μm、成長温度、摂氏470度
In0.3Ga0.7As成長:膜厚7nm、成長温度、470度
GaAs成長3:膜厚0.1μm、成長温度、470度
例8:
GaAs成長1:膜厚0.1μm、成長温度、摂氏470度
In0.3Ga0.7As成長:膜厚7nm、成長温度、470度
成長中断:温度470度〜530度へ温度変更、5分間
GaAs成長2:膜厚0.1μm、成長温度、摂氏530度
これらの実験例の各々により作製された試料のフォトルミネッセンスのピーク強度および半値幅を求めると
試料名 ピーク強度(任意単位) 半値幅(単位:meV)
例1: 1 44
例2: ノイズレベル
例3: 1.1 35
例4: 1.6 23
例5: 0.8 25
例6: 1.35 21
例7: 1 30.4
例8: 0.5 69
である。これらの実験結果によれば、例1と比較して、例3、例4、例5、例6、例7において半値幅が優れる。また、例1の結果と比較すると、例3、例4、例6においてピーク強度が優れる。
また、GaAs成長後に成長中断中に温度を下げて、GaAsを成長せず直ちにInGaAsを成長した場合には、フォトルミネッセンス発光強度がノイズレベルにまで低下した。これは、界面での成長中断が過剰なヒ素や不純物のパイルアップにより非発光再結合中心を増加させていることを示している。
さらに、摂氏580度でGaAsを成長した後に、成長中断を行わずにGaAs成長中に成長温度を下げる(例えば1度/秒の速度で摂氏470度に降温)と、フォトルミネッセンス強度が例1の約60パーセントにまで低下した。GaAs成長中に成長中断をせずに温度変更をすると、温度変更開始から温度安定までの時間には3分程度はかかる。1μm/hの成長速度では、温度遷移領域の厚みが0.05μm以上となるので、高温成長の効果がなくなる。
InGaAsを成長した後にGaAsキャップ膜の成長温度は、InGaAsの成長温度と同じでもよいし、温度を上昇させてもよい。GaAs/InGaAs界面と同様の理由により、InGaAsの表面を露出させた状態で成長中断した後にGaAsを成長してInGaAs/GaAs界面を形成することは、避けることが良い。
つまり、GaAs領域を成長した後に、As以外の成膜原料を供給することなく摂氏400度以上490度以下の範囲の温度に変更すること、該温度を変更した後にGaAs薄膜を成長すること、引き続いて井戸層(例えば、InGaAs)をGaAs薄膜上に成長することが好ましい。図3は、フォトルミネッセンススペクトルの半値幅を示す図面である。図4は、フォトルミネッセンススペクトルのピーク強度を示す図面である。
GaAs成長温度(摂氏) FWHM PL強度(任意単位)
Temp1:470 60 1
Temp2:530 35 1.3
Temp3:580 18 1.6
Temp4:600 25 0.8
である。
GaAs成長温度が摂氏500度以上になると、PLスペクトルの半値幅が改善される。また、摂氏600度で成長したGaAs膜の表面はわずかにくもり気味であった。従って、GaAs成長温度としては、摂氏500度を越え600度以下が望ましい。低温で成長中断した場合は、成長中断しなかった場合より半値幅は広くなっているが、GaAsの成長温度を高くすれば成長中断の悪影響を除去できる。摂氏530度以上600度以下の範囲の基板温度でGaAsを成長することが好ましい。図4を参照すると、GaAsの成長温度を上げるにつれて、摂氏600度では低下が見られるがPL強度は改善される傾向にある。故に、摂氏550度以上の温度がGaAs成長温度としてより好ましく、また580度以下の温度がGaAs成長温度として好ましい。
InGaAsの成長温度とV/III比を下記のように変えてInGaAsS量子井戸(QW)を成長したところ、PL強度と半値幅は以下のようになった。InGaAs層成長条件以外は例4と同様で、GaAs成長温度はいずれも摂氏580度である。
Temp1からTemp4まではAsフラックス強度が1×10−5Torr、
Temp5は1×10−4Torr、Temp6は1×10−5Torrである。
InGaAs成長温度(摂氏) FWHM PL強度(任意単位)
Temp1:440 25 7
Temp2:430 23 1.7
Temp3:420 22 0.8
Temp4:400 20 0.1
Temp5:490 29 5
Temp6:490 50 5・5
成長温度が420度以下になると実用上必要な程度のPL強度が得られなくなる。また3次元成長抑制のため、高温になるほど高As圧が必要となるが、成長温度490℃で30meV以下の半値幅を得るために必要なフラックス強度は1×10−4Torrとなる。これ以上のフラックス強度は、MBE成長では実用上困難であり、成長温度上限は490℃がのぞましい。従ってInGaAsの場合は成長温度は420℃から490℃がより望ましい。
(第2の実施の形態)
図5(A)、図5(B)、図5(C)、図6(A)、図6(B)および図6(C)は、本実施の形態に係る半導体レーザを作製する方法の主要な工程を示す図面である。
結晶成長のための基板を準備する。この基板は、III−V化合物半導体からなり、例えばGaAs基板31であることができる。GaAs基板31は、例えば結晶成長装置13に配置される。
図5(A)に示されるように、GaAs基板31上にGaAsバッファ層を形成する。GaAsバッファ層33にはシリコンが添加されており、キャリア濃度は5×1017cm−3である。GaAsバッファ層33の厚さは、例えば200nmである。次いで、GaAsバッファ層33上にn型クラッド層35を形成する。n型クラッド層35は、例えばGaInPである。n型クラッド層35にはシリコンが添加されており、キャリア濃度は5×1017cm−3である。n型クラッド層35の厚さは、例えば1400nmである。
図5(B)に示されるように、n型クラッド層35上に光ガイド層37を形成する。光ガイド層37は、例えばアンドープGaAsである。光ガイド層37の厚さは、例えば140nmである。次いで、図5(C)に示されるように、光ガイド層37上に井戸層39を形成する。井戸層39は、例えばGaInNAsである。井戸層39の厚さは、例えば10nmである。光ガイド層37から井戸層39の成長に、第1の実施の形態と同様に成長フローを適用する。つまり、GaAs領域37aを成長した後に、成膜原料を供給することなく摂氏400度以上490度以下の範囲の温度に変更すること、該温度を変更した後にGaAs薄膜37bを摂氏530度から600度の範囲の温度で成長すること、井戸層(この実施例ではGaInNAs)をGaAs薄膜37b上に成長する。この場合、光ガイド層37はGaAs領域37aおよびGaAs薄膜37bからなり、光ガイド層37を形成する工程も、GaAs領域37aを成長する工程と、この工程の後に温度を下げてGaAs薄膜37bを成長する工程とを含む。具体例では、光ガイド層のためのGaAs領域37aの成長温度は、例えば摂氏580度である。約5分間の成長中断を行って、摂氏580度から440度まで温度を下げる。摂氏440度において、10nm厚のGaAs薄膜37bと、この薄膜37b上に10nm厚のGaInNAs井戸層を成長する。窒素原料は、ラジカルガンを用いて作製される。
図6(A)に示されるように、井戸層39を成長した後に、分子線エピタキシ法を用いてバリア層41を成長する。バリア層41は、井戸層のためのIII−V化合物半導体のバンドギャップ波長より小さいバンドギャップ波長を有するIII−V化合物半導体からなり、例えばアンドープGaAs半導体である。バリア層41の厚さは、例えば10nmである。井戸層の成長およびバリア層の成長を所望の回数だけ繰り返すことによって、単一量子井戸構造の半導体レーザだけでなく、多重量子井戸構造の半導体レーザも作製される。本実施例では、図6(B)に示されるように、バリア層41上に井戸層43を成長する。井戸層43は、例えばGaInNAsである。井戸層43の厚さは、例えば10nmである。
井戸層43を成長した後に、図6(C)に示されるように光ガイド層45を成長する。この後に、順に、p型クラッド層47、コンタクト層49を形成する。光ガイド層45は、例えばアンドープGaAsであり、例えば厚さ140nmである。p型クラッド層47は、例えばGaInPである。p型クラッド層47には亜鉛が添加されており、キャリア濃度は7×1017cm−3である。p型クラッド層47の厚さは、例えば1400nmである。コンタクト層49はパターン形成されている。p型コンタクト層49は、例えばGaAsある。p型コンタクト層49には亜鉛が添加されており、キャリア濃度は2×1018cm−3である。p型コンタクト層49の厚さは、例えば200nmである。シリコン酸化物といった絶縁膜51上にアノード電極53を形成すると共に、基板31の裏面にカソード電極55を形成する。これらの工程により、半導体レーザを作製する方法の主要な工程が説明された。
(実施例2)
いくつかの成長条件を用いた実験用試料を作製した。As圧はすべて3×10−5Torrである。
例9:
GaAs成長1:膜厚0.09μm、成長温度、摂氏580度
成長中断1:温度580度から465度へ温度変更、5分間
GaAs成長2:膜厚0.01μm、成長温度、465度
In0.3Ga0.70.05As0.95成長:膜厚7nm、成長温度、465度
GaAs成長3:膜厚0.02μm、成長温度465度〜600度温度変更
GaAs成長4:膜厚0.08μm、成長温度、600度
例10:
GaAs成長1:膜厚0.1μm、成長温度、摂氏465度
In0.3Ga0.70.05As0.95成長:膜厚7nm、成長温度465度
GaAs成長2:膜厚0.02μm、成長温度465度
成長中断:温度465度から530度へ温度変更、2分50秒間
GaAs成長3:膜厚0.1μm、成長温度600度
アニールはRTA 750℃、30秒で行った。N組成は0.5%、波長は1150nmであった。これらの実験例の各々により作製された試料のフォトルミネッセンスのピーク強度および半値幅を求める。
試料名 ピーク強度(任意単位) 半値幅(単位:meV)
例9: 0.24 40
例10:0.2 50
である。これらの実験結果によれば、例10と比較して、例9において半値幅およびピーク強度が優れる。
これらの実施例とは別に、井戸層の下地となるGaAs領域の全てを摂氏480度で成長した試料A、井戸層の下地となるGaAs領域の一部を580度で成長した後に成長中断して下げた摂氏470度の温度にてGaAs薄膜を成長した試料Bを準備した。これらの試料A、Bにアニールが施されている。アニールは、RTA法を用い、摂氏750度、15秒の条件で行われた。試料Aの半値幅は60meVであり、試料Bの半値幅は45meVである。したがって、GaAsの高温成長、成長中断中の降温、GaAsの低温成長、井戸層の成長の工程順が量子井戸構造の形成のために好ましい。
GaInNAs井戸層を用いる半導体レーザの量子井戸構造は、例えば1150nm〜1350nmの範囲内の発光波長を実現するように設けられている。インジウム組成は例えば28%〜35%であり、窒素組成は例えば0.5%〜2%程度である。
実施例3
いくつかの成長条件を用いた実験用試料を作製した。As圧はすべて1×10−5Torrである。成長温度をTemp1からTemp4まで変化させている。
例9:
GaAs成長1:膜厚0.09μm、成長温度、摂氏580度
成長中断1:温度580度から成長温度Tgへ温度変更、5分間
GaAs成長2:膜厚0.01μm、成長温度、Tg
In0.3Ga0.70.1As0.9成長:膜厚7nm、成長温度、Tg度
GaAs成長3:膜厚0.02μm、成長温度Tg度〜600度へ温度変更
GaAs成長4:膜厚0.08μm、成長温度、600度
である。
GaInNAs成長温度(摂氏) FWHM PL強度(任意単位)
Temp1:410 35 0.13
Temp2:420 35 0・36
Temp3:428 40 0.4
Temp4:435 50 0.1
アニールはRTA 750℃、30秒で行った。N組成は1%、波長は1250nmであった。
このようにN=1%、As圧1×10−5Torrの条件では、成長温度としては420℃から430℃が望ましい。GaInNAsはN組成とAs圧によって最適成長温度、アニール温度が異なるが、400℃以下ではPL強度の低下が著しく、また490℃以上ではAs圧をあげても3次元成長抑制が困難となるため、成長温度範囲は400℃から490℃が適している。実用上必要な半値幅、PL強度を得るためには400℃から470℃がより好ましい。
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
図1(A)、図1(B)および図1(C)は、第1の実施の形態に係る半導体レーザを作製する方法の主要な工程を示す図面である。 図2(A)、図2(B)および図2(C)は、第1の実施の形態に係る半導体レーザを作製する方法の主要な工程を示す図面である。 図3は、フォトルミネッセンススペクトルの半値幅を示す図面である。 図4は、フォトルミネッセンススペクトルのピーク強度を示す図面である。 図5(A)、図5(B)および図5(C)は、第1の実施の形態に係る半導体レーザを作製する方法の主要な工程を示す図面である。 図6(A)、図6(B)および図6(C)は、第1の実施の形態に係る半導体レーザを作製する方法の主要な工程を示す図面である。
符号の説明
11…GaAs基板、13…結晶成長装置、F1、F2、F3、F4…成膜原料、15…GaAs領域、17…GaAs薄膜、19…第2のIII−V化合物半導体層、21…GaAs膜、31…GaAs基板、33…GaAsバッファ層、35…n型クラッド層、37…光ガイド層、39…井戸層、37a…GaAs領域、37b…GaAs薄膜、41…バリア層、43…井戸層、47…p型クラッド層、49…コンタクト層、51…絶縁膜、53…アノード電極、55…カソード電極

Claims (4)

  1. 半導体レーザを作製する方法であって、
    第1のIII−V化合物半導体上にGaAs領域を摂氏530度以上600度以下の範囲の基板温度で成長する工程と、
    前記GaAs領域を成長した後に、As原料を供給し摂氏400度以上490度以下の範囲の温度に変更する工程と、
    該温度を変更した後に、GaAs薄膜を成長する工程と、
    分子線エピタキシ法を用いて、インジウムを含む第2のIII−V化合物半導体からなる井戸層を前記GaAs薄膜上に成長する工程と、
    を備え、
    前記GaAs薄膜の厚さは前記GaAs領域の厚さよりも小さい、ことを特徴とする方法。
  2. 分子線エピタキシ法を用いて、前記第2のIII−V化合物半導体のバンドギャップ波長より小さいバンドギャップ波長を有する第3のIII−V化合物半導体からなるバリア層を前記GaAs薄膜上に成長する工程を更に備える、ことを特徴とする請求項1に記載された方法。
  3. 前記GaAs薄膜の厚さは5nm以上であり、
    前記GaAs薄膜の厚さは20nm以下である、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された方法。
  4. 前記第2のIII−V化合物半導体はInGaAsまたはGaInNAsである、ことを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載された方法。
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