JP2006190550A - シールドコネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 部品点数の削減を図る。
【解決手段】 第1シールドシェル30の内周面に螺旋状のカム溝33が形成され、第2ハウジング40の外周面にカムフォロア43が設けられ、両ハウジング10,40を初期嵌合させてカム溝33とカムフォロア43を係合させた状態で第1シールドシェル30を両ハウジング10,40に対して回転させると、両ハウジング10,40の嵌合が進む。シールド手段である第1シールドシェル30が倍力装置としての機能を兼ね備えているので、倍力装置としての専用部材を設ける場合に比べて、部品点数が少なくて済む。
【選択図】 図3
Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、部品点数の削減を図ることを目的とする。
第1シールドシェルが倍力装置としての機能を兼ね備えているので、倍力装置としての専用部材を設ける場合に比べて、部品点数が少なくて済む。
両ハウジングは嵌合する過程で相対回転しないので、嵌合過程においてシールリングが回転方向に変形させられずに済み、シールリングの過剰な変形に起因するシール性能の低下を回避することができる。
両ハウジングが正規嵌合状態に至った後、更に第1シールドシェルを回転させると、カムフォロアが遊び領域内で空転し、両ハウジングは正規嵌合状態を保つ。この第1シールドシェルの空転動作により各部品の寸法公差や部品間の組付け公差を吸収し、第1シールドシェルの連結部を、周方向において第2シールドシェルの連結部に対して位置決めすることができる。
第1シールドシェルを第1ハウジングに組み付ける過程では弾性係止片が弾性撓みする。第1シールドシェルが組付位置に達すると、第1シールドシェルは、ストッパに突き当たって前止まりされるとともに、弾性復帰した弾性係止片により戻り規制されることで、所定の組付位置に保持される。本発明によれば、第1シールドシェルを組付位置に保持するための作業工程が不要なので、作業性がよい。
第1シールドシェルの第1ハウジングに対する最大回転角度が規定されているので、最大回転角度が規定されていないものと比較すると、ハウジング同士を初期嵌合させてカム溝にカムフォロアを係合させる際の作業性がよい。
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図15を参照して説明する。本実施形態のシールドコネクタは、互いに嵌合可能な第1コネクタFと第2コネクタMとを備えている。
第1コネクタFは、第1ハウジング10内に3つの第1端子金具20を収容し、この3つの第1端子金具20と第1ハウジング10を包囲するように第1シールドシェル30を第1ハウジング10に組み付けて構成される。第1ハウジング10は、合成樹脂製であり、後述する第1シールドシェル30の中心と同心の円周上において120°間隔で配置された前後方向長い3つの端子収容部11を有する。各端子収容部11内にはランス12が形成されている。また、3つの端子収容部11は、後端部において一体化されており、端子収容部11の略前半部分は独立して前方へ突出した形態となっている。第1ハウジング10の前後方向における中央部には、3つの端子収容部11を包囲する形態のシール用筒部13が形成され、このシール用筒部13の外周にシールリング14が装着されている。また、シール用筒部13の後端部には、全周に亘って連続して径方向外側へフランジ状に突出するストッパ15が形成されている。
第2コネクタMは、インサート成形により3つの第2端子金具50を埋設した形態とされた合成樹脂製の第2ハウジング40と、第2ハウジング40の後端部を包囲(シールド)するアルミダイキャスト製の第2シールドシェル60とからなり、例えば電気自動車のモータやインバータ等の機器(図示せず)に設けられている。
第2ハウジング40は、合成樹脂製であり、全体として概ね円形をなす。第2ハウジング40の略前半部分は、外周が円形であって前方に開放されたフード部41となっており、フード部41内には、前方の開放された3つの嵌合凹部42が形成されている。フード部41の外周前端部には、フード部41の軸心に関して点対称な一対のカムフォロア43が形成されている。カムフォロア43は、軸線をフード部41の軸線と直角に向けた円柱形をなし、フード部41の外周から径方向外側へ突出した形態となっている。第2ハウジング40の略後半部分は、機器内収容部44となっている。この機器内収容部44の前端部外周には、一対の取付部45が突出形成されており、各取付部45には、前後方向に貫通するボルト孔45aが形成されている。さらに、機器内収容部44の外周前端部(第2ハウジング40の前後方向におけるほぼ中央位置)には、リング状の機器用シール部材46が取り付けられている。
第2コネクタMに第1コネクタFを嵌合する際には、カム溝33の入口33aにカムフォロア43を進入させるようにしつつ、第1シールドシェル30の大径部31をフード部41に外嵌させるとともに、第1ハウジング10の3つの端子収容部11を、夫々、第2ハウジング40の所定の嵌合凹部42に浅く嵌入させ、両コネクタF,Mを初期嵌合状態とする。この状態では、端子収容部11と嵌合凹部42との嵌合により、両ハウジング10,40は相対回転を規制されている。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では第1シールドシェルの内周にカム溝を形成するとともに、第2ハウジングの外周にカムフォロアを形成したが、本発明によれば、第1シールドシェルの内周にカムフォロアを形成するとともに、第2ハウジングの外周にカム溝を形成してもよい。
(2)上記実施形態では第2シールドシェルが機器のシールドケースである場合について説明したが、本発明は、第2シールドシェルが複数の電線を一括して包囲するシールド部材(例えば、筒状の編組線)である場合にも適用することもできる。
(3)上記実施形態では第1シールドシェルをアルミダイキャスト製としたが、本発明によれば、アルミニウム以外の金属材料や、導電性樹脂材料によって第1シールドシェルを構成してもよい。
(4)上記実施形態ではカム溝が第1シールドシェルの外周面に貫通しない形態としたが、本発明によれば、カム溝を第1シールドシェルの外周面に貫通する形態としてもよい。
(5)上記実施形態ではシールリングを第1ハウジングと第2ハウジングの周面間に介在させるようにしたが、本発明によれば、シールリングを第1シールドシェルの内周面と第2ハウジングの外周面との間に介在させてもよい。
(6)上記実施形態では両ハウジングの嵌合時に第1シールドシェルが第2ハウジングの一部を包囲する形態としたが、本発明によれば、両ハウジングの嵌合時に第1シールドシェルの先端側部分が第2ハウジングの内周側に入り込む形態としてもよい。
(7)上記実施形態では第1シールドシェルを第1ハウジングの後方から組み付けるようにしたが、本発明によれば、第1シールドシェルを第1ハウジングの前方から組み付けてもよい。
(8)上記実施形態では第1シールドシェルの第1ハウジングに対する最大回転角度を規定したが、本発明によれば、第1シールドシェルが第1ハウジングに対して制約なく自由に回転できるようにしてもよい。
(9)上記実施形態では第1シールドシェルを戻り規制する手段である弾性係止片が、第1シールドシェルの最大回転角を規定する手段を兼ねるようにしたが、本発明によれば、第1ハウジングに、弾性係止片とは別に、第1シールドシェルの最大回転角を規定する専用の手段を設けてもよい。
(10)上記実施形態では自動的に弾性復帰する弾性係止片を用いて第1シールドシェルを戻り規制するようにしたが、本発明によれば、戻りリング等の別部材を用いて手作業により第1シールドシェルを戻り規制してもよい。
(11)上記実施形態では極数が3極である場合について説明したが、本発明は、2極、または4極以上の極数のものにも適用できる。
(12)上記実施形態では複数の端子金具が第1シールドシェルと同心の円状に配置されるようにしたが、本発明は、複数の端子金具が横並び、又は縦横に整列して配置されるものにも適用できる。
(13)上記実施形態では弾性係止片の数を3片としたが、本発明によれば、弾性係止片の数は、2片以下、又は4片以上としてもよい。
M…第2コネクタ
10…第1ハウジング
14…シールリング
15…ストッパ
16…弾性係止片(当接部)
20…第1端子金具
30…第1シールドシェル
33…カム溝
34…遊び領域
35…連結部
36a…当接段部(当接部)
40…第2ハウジング
50…第2子金具
43…カムフォロア
60…第2シールドシェル
62…雌ネジ孔(連結部)
Claims (5)
- 第1端子金具が収容された第1ハウジングを第1シールドシェルで包囲してなる第1コネクタと、
第2端子金具が収容された第2ハウジングを第2シールドシェルで包囲した第2コネクタとからなり、
前記第1ハウジングと前記第2ハウジングを相対回転を規制した状態で嵌合することで、前記第1端子金具と前記第2端子金具が接続されるとともに、前記第1シールドシェルと前記第2シールドシェルとが導通可能に接続されるようになっているものにおいて、
前記第1シールドシェルが、前記第1ハウジングに対し、前記第2ハウジングとの嵌合方向と平行な軸線を中心とする回転を可能に支持され、
前記第1シールドシェルの内周面と前記第2ハウジングの外周面のうち、いずれか一方の周面に概ね螺旋状のカム溝が形成されているとともに、他方の周面にカムフォロアが設けられており、
前記両ハウジングを初期嵌合させて前記カム溝と前記カムフォロアを係合させた状態で前記第1シールドシェルを前記両ハウジングに対して回転させることで、前記両ハウジングの嵌合が進む構成としたことを特徴とするシールドコネクタ。 - 前記第1ハウジングの外周又は前記第2ハウジングの内周に、前記両ハウジングの周面間をシールするシールリングが設けられていることを特徴とする請求項1記載のシールドコネクタ。
- 前記第2シールドシェルが前記第2ハウジングに対して相対回転を規制された状態で組み付けられ、
前記第1シールドシェルと前記第2シールドシェルに、ボルト締めにより連結される連結部が設けられているものであって、
前記カム溝には、その前記カムフォロアの係合経路の終端から周方向に延出する遊び領域が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシールドコネクタ。 - 前記第1ハウジングの外周には、
軸線方向に組み付けられた前記第1シールドシェルを前止まりさせるストッパと、
前記第1シールドシェルの組付経路外へ径方向に弾性撓みすることを可能とされているとともに、弾性復帰した状態では組付状態の前記第1シールドシェルを戻り規制することを可能とされた弾性係止片とが設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のシールドコネクタ。 - 前記第1ハウジングの外周と前記第1シールドシェルの内周に、互いに当接することで、前記第1シールドシェルの前記第1ハウジングに対する最大回転角度を規定する当接部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のシールドコネクタ。
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- 2005-01-05 JP JP2005000976A patent/JP2006190550A/ja active Pending
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