JP2006185913A - 全固体リチウムイオン二次電池および固体電解質 - Google Patents

全固体リチウムイオン二次電池および固体電解質 Download PDF

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Abstract

【課題】全固体型のリチウムイオン二次電池において、耐熱温度が高く、広い温度範囲にて使用する事ができ、電池容量も高く、また充放電サイクル特性も良好で、長期的に安定して使用できる固体電解質または全固体型リチウム二次電池を提供する。
【解決手段】リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性のガラスセラミックスを含有し、有機物、電解液を含まないことを特徴とする固体電解質および該固体電解質を備えるリチウムイオン二次電池。
【選択図】図1

Description

この発明は、主としてリチウムイオン二次電池に好適な固体電解質およびこの固体電解質を備えたリチウムイオン二次電池に関するものである。
従来から、リチウムイオン二次電池における電解質としては、一般に非水系の電解液をセパレータと称される微多孔膜に含浸させた電解質が使用されていたが、近年、このような液体が中心の電解質に替わり、高分子で構成されたポリマー電解質を用いたリチウムイオン二次電池(ポリマー電池)が注目されるようになってきた。
このポリマー電池は、ポリマー中に液体の電解液を含浸させたゲル状の電解質を使用しており、ポリマー中に電解液が保持されるため、漏液がしにくいため、電池の安全性が向上し、また電池の形状にも自由性があること等の利点があった。
ここで、このようなポリマー電解質は電解液のみに比べ、リチウムイオンの導電性が低いため、このポリマー電解質の厚みを薄くすることが行なわれるようになった。しかし、このようにポリマー電解質を薄くした場合その機械的強度が低くなって、電池の作製時にこのポリマー電解質が破壊され、正極と負極とが短絡し易いという問題があった。
そこで、従来においては、特許文献1に示されるように、電解質中にアルミナ等の無機酸化物を添加して固体電解質とし、機械的強度を向上させることが提案された。アルミナ以外にもシリカやアルミン酸リチウム等の無機酸化物が提案されている。
しかし、アルミナ等の無機酸化物を電解質中に添加させると、固体電解質におけるリチウムイオンの導電性が大きく低下する問題がある。またこの固体電解質を備えたリチウム二次電池において充放電を繰り返して行なうと、電解質と上記の無機酸化物とが反応して、リチウム二次電池における充放電サイクル特性が大きく低下してしまうなど問題があった。
また、ポリマー固体電解質を含むリチウムイオン二次電池は、ポリマーの特性上、温度変化による熱膨張や収縮、イオン伝導度の急激な変化が避けられない。そのためこのようなポリマー固体電解質を含むリチウムイオン二次電池は、耐熱温度が低く、広い温度範囲において使用することが不可能であった。
特開平6−140052号公報
この発明は、全固体型のリチウムイオン二次電池において、耐熱温度が高く、広い温度範囲にて使用する事ができ、電池容量も高く、また充放電サイクル特性も良好で、長期的に安定して使用できる固体電解質または全固体型リチウム二次電池を提供することを課題とするものである。
本発明者は、上記課題を解決するためには、電池の安全性の観点から固体電解質中に電解液を含まない事、さらに耐熱温度向上の観点から固体電解質中に有機物を含まない構成とすることが重要であることを見いだした。さらに、このような条件のもとでも優れた実用性を有する固体電解質、リチウムイオン二次電池の構成について鋭意試験研究を行った結果、固体電解質中に特定の組成のリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質、特にリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスを含むこと、またはその様な固体電解質を利用した二次電池の正極および/または負極においても特定の組成のリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質、特にリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスを含有させることによって、従来の全固体電解質型電池と比べて、耐熱温度が高く、広い温度範囲にて使用する事ができ、電池容量も高く、また充放電サイクル特性も良好で、長期的に安定して使用できる固体電解質または全固体型リチウム二次電池が得られることを見いだしたものである。
すなわち、本発明の第1の構成は、リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質を含有し、有機物、電解液を含まないことを特徴とする固体電解質である。
本発明の第2の構成は、リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質が、イオン伝導を阻害する空孔または結晶粒界を含まない事を特徴とする本発明の第1の構成の固体電解質である。
ここで、本明細書においてイオン伝導を阻害する空孔または結晶粒界とは、リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質全体の伝導度を該無機物質中のリチウムイオン伝導性結晶そのものの伝導度に対し、1/10以下へ減少させる空孔や結晶粒界等のイオン伝導性阻害因子をさす。
本発明の第3の構成は、リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質がリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスである本発明の第1または2のいずれかの構成の固体電解質である。
本発明の第4の構成は、リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質粉体またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックス粉体と、Liを含む無機化合物を含有することを特徴とする本発明の第1から3のいずれかの構成の固体電解質である。
本発明の第5の構成は、リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質粉体またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックス粉体は、10−4Scm−1以上のイオン伝導度を有し、平均粒径が9μm以下であり、固体電解質中に50〜95質量%含有されることを特徴とする本発明の第4の構成の固体電解質である。
本発明の第6の構成は、リチウムイオン伝導性ガラスセラミックスが薄板状であることを特徴とする本発明の第3の構成の固体電解質である。
本発明の第7の構成は、リチウムイオン伝導性ガラスセラミックスの厚さが15μm〜200μmであることを特徴とする本発明の第6の構成の固体電解質である。
本発明の第8の構成は、イオン伝導度が10−5Scm−1以上であることを特徴とする本発明の第1から7のいずれかの構成の固体電解質である。
本発明の第9の構成は、リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスは、主結晶相がLi1+x+yAlTi2−xSi3−y12ただし、0≦x≦1、0≦y≦1であることを特徴とする本発明の第1から8のいずれかの構成の固体電解質である。
本発明の第10の構成は、リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスは、mol%表示で、
LiO:12〜18%、および
Al+Ga:5〜10%、および
TiO+GeO:35〜45%、および
SiO:1〜10%、および
:30〜40%
の各成分を含有することを特徴とする本発明の第1から9のいずれかの構成の固体電解質である。
本発明の第11の構成は、リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスは、質量%表示で、
LiO:3〜10%、および
Al+Ga:5〜20%、および
TiO+GeO:25〜40%、および
SiO:0.5〜8%、および
:40〜55%
の各成分を含有することを特徴とする本発明の第1から9のいずれかの構成の固体電解質である。
本発明の第12の構成は、本発明の第1から11のいずれかの構成の固体電解質を備えることを特徴とするリチウムイオン二次電池である。
本発明の第13の構成は、正極および/または負極にリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質を含有することを特徴とする本発明の第12の構成のリチウムイオン二次電池である。
本発明の第14の構成は、正極および/または負極に含まれるリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質が、イオン伝導を阻害する空孔または結晶粒界を含まない事を特徴とする本発明の第13の構成のリチウムイオン二次電池である。
本発明の第15の構成は、正極および/または負極に含まれるリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質がリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスであることを特徴とする本発明の第13または14のいずれかの構成のリチウムイオン二次電池である。
本発明の第16の構成は、正極および/または負極に含まれるリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスの平均粒径は、該リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスを含む正極および/または負極の活物質の平均粒径の1/5以下であることを特徴とする本発明の第13から15のいずれかの構成のリチウムイオン二次電池である。
本発明の第17の構成は、正極および/または負極に含まれるリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスの含有量は、含まれる正極および/または負極の活物質に対して2〜35質量%であることを特徴とする本発明の第13から16のいずれかの構成のリチウムイオン二次電池である。
本発明の第18の構成は、正極および/または負極に含まれるリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスは、mol%表示で、
LiO:12〜18%、および
Al+Ga:5〜10%、および
TiO+GeO:35〜45%、および
SiO:1〜10%、および
:30〜40%
の各成分を含有することを特徴とする本発明の第13から17のいずれかの構成のリチウムイオン二次電池である。
本発明の第19の構成は、正極および/または負極に含まれるリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスは、質量%表示で、
LiO:3〜10%、および
Al+Ga:5〜20%、および
TiO+GeO:25〜40%、および
SiO:0.5〜8%、および
:40〜55%
の各成分を含有することを特徴とする本発明の第13から17のいずれかの構成のリチウムイオン二次電池である。
本発明の第20の構成は、正極および/または負極に含まれるリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスは、主結晶相がLi1+x+yAlTi2−xSi3−y12(0≦x≦1、0≦y≦1)であることを特徴とする本発明の第13から19のいずれかの構成のリチウムイオン二次電池である。
本発明の第21の構成は、固体電解質に含有されるリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスと同じ無機物質またはガラスセラミックスを正極および/または負極に含有することを特徴とする本発明の第13から17のいずれかの構成のリチウムイオン二次電池である。
本発明の構成について詳細に説明する。
本発明の固体電解質は有機物および電解液を含まない。このような構成とすることによって、電解液の漏液による危険を回避することができる。また、温度変化による熱膨張・収縮が少なくかつ伝導度の急激な変化がなくなり、耐熱温度が高くなるため広い温度範囲において良好に使用することが可能となる。
従って、本発明の固体電解質に含有されるリチウムイオン伝導性物質は無機物質であることが好ましく、結晶の粒子間や結晶中に空孔が殆ど無い材料が得られ、良好なイオン伝導度を示すことから、この無機物質は特にガラスセラミックスが好ましい。
ここで、本発明において有機物および電解液を含まないとは、人為的に意図して含有させないことを意味し、不純物として混入される場合または、製造の工程で含有させるがその後の工程で除去する時に、意図せず少量残存する場合を含む。
本明細書において、ガラスセラミックスとは、ガラスを熱処理することによりガラス相中に結晶相を析出させて得られる材料であり、非晶質固体と結晶から成る材料をいう。また、ガラスセラミックスとは、結晶の粒子間や結晶中に空孔が殆ど無ければガラス相すべてを結晶相に相転移させた材料、すなわち、材料中の結晶量(結晶化度)が100質量%のものも含む。一般に言われるセラミックスや焼結体はその製造工程上、結晶の粒子間や結晶中の空孔や結晶粒界の存在が避けられず、ガラスセラミックスとは区別することができる。
特にイオン伝導に関しては、セラミックスの場合は空孔や結晶粒界の存在により、結晶粒子自体の伝導度よりもかなり低い値となってしまう。ガラスセラミックスは結晶化工程の制御により結晶間の伝導度の低下を抑えることができ、結晶粒子と同程度の伝導度を保つことができる。
上述の通り、ガラスセラミックスはその製造上結晶の粒子間や結晶中にイオン伝導を阻害する空孔や結晶粒界がない為、一般に言われるセラミックや焼結体と比較して、良好なイオン伝導度を示す。
本発明のリチウムイオン伝導性の結晶を有する無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスを含有した固体電解質は、電池として使用した場合、薄い方がリチウムイオンの移動距離が短いため高出力の電池が得られ、また単位体積当りの電極面積が広く確保できるため高容量の電池が得られる。そこで、固体電解質として用いるリチウムイオン伝導性ガラスセラミックス粉体を含有した固体電解質の厚さは60μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、40μm以下が最も好ましい。固体電解質をガラスセラミックスの薄板とした場合はこの薄板の厚さが固体電解質の厚さとなり、固体電解質の厚さは200μm以下が好ましく、150μm以下がより好ましく、100μm以下が最も好ましい。
しかし、過度に薄いと固体電解質の機械的強度が低下し、運搬時、電池製造時等に固体電解質のみを取り扱うことが困難になり、実際の工業的な電池製造においては好ましくない。したがって、前記の観点から固体電解質の厚さは15μm以上が好ましく、20μm以上である事がより好ましく、25μm以上であることが最も好ましい。
リチウム二次電池の充放電時におけるリチウムイオンの移動性は、電解質のリチウムイオン伝導度およびリチウムイオン輸率に依存する。したがって、固体電解質並びに、正極および/または負極に含有される、リチウムイオン伝導性の結晶を有する無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスのイオン伝導度は、1×10−4S・cm−1以上であることが好ましく、5×10−4S・cm−1以上であることがより好ましく、1×10−3S・cm−1以上であることが最も好ましく、リチウムイオン伝導性の結晶を有する無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスを含有した固体電解質のイオン伝導度は1×10−5S・cm−1以上であることが好ましく、5×10−5S・cm−1以上であることがより好ましく、1×10−4S・cm−1以上であることが最も好ましい。
一方、本発明の固体電解質に含有させる高いイオン伝導度を有するリチウムイオン伝導性の結晶を有する無機物質粉体またはリチウムイオン伝導性のガラスセラミックス粉体としては、リチウムイオン伝導性の結晶を有する無機物質またはリチウムイオン伝導性のガラスセラミックスを粉砕したものを使用する。この粉体は、固体電解質中に均一に分散されていることが固体電解質のイオン伝導性、及び機械的強度の点で好ましい。分散性を良好にするため、また固体電解質の厚さを所望のものとするために、粉体の粒径は、平均で9μm以下が好ましく、6μm以下がより好ましく、3μm以下が最も好ましい。
本発明の固体電解質に含有されるリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスまたは、本発明のリチウムイオン二次電池の正極および/または負極に含有されるリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスは、母ガラスがLiO−Al−TiO−SiO−P系の組成であり、このガラスを熱処理して結晶化させ、その際の主結晶相がLi1+x+yAlTi2−xSi3−y12(0≦x≦1、0≦y≦1)であることを特徴としたガラスセラミックスである。良好なイオン伝導度の観点からより好ましくは、0≦x≦0.4、0<y≦0.6、最も好ましくは0.1≦x≦0.3、0.1<y≦0.4である。
本発明の固体電解質に含有されるリチウムイオン伝導性の結晶を有する無機物質または、本発明のリチウムイオン二次電池の正極および/または負極に含有されるリチウムイオン伝導性の結晶を有する無機物質は、主結晶相がLi1+x+yAlTi2−xSi3−y12(0≦x≦1、0≦y≦1)であることを特徴とする。良好なイオン伝導度の観点からより好ましくは、0≦x≦0.4、0<y≦0.6、最も好ましくは0.1≦x≦0.3、0.1<y≦0.4である。
前記リチウムイオン伝導性ガラスセラミックスを構成する各々の成分のmol%で表わされる組成比と効果について具体的に説明する。
LiO成分はLiイオンキャリアを提供し、リチウムイオン伝導性をもたらすのに欠かせない成分である。良好な伝導率を得るためには含有量の下限は12%であることが好ましく、13%であることがより好ましく、14%であることが最も好ましい。上限は18%であることが好ましく、17%であることがより好ましく、16%であることが最も好ましい。
Al成分は、母ガラスの熱的な安定を高めることができると同時に、Al3+イオンが前記結晶相に固溶し、リチウムイオン伝導率向上にも効果がある。この効果を得るためには、含有量の下限が5%であることが好ましく、5.5%であることがより好ましく、6%であることが最も好ましい。しかし含有量が10%を超えると、かえってガラスの熱的な安定性が悪くなりガラスセラミックスの伝導率も低下してしまうため、含有量の上限は10%とするのが好ましい。尚、より好ましい含有量の上限は9.5%であり、最も好ましい含有量の上限は9%である。
TiO成分およびGe成分はガラスの形成に寄与し,また前記結晶相の構成成分でもあり,ガラスにおいても前記結晶においても両者が連続的に置換しあうことが可能である。ガラス化するために少なくともどちらかを含まなければならないが、前記の結晶相が主相としてガラスから析出し高い伝導率を得るためには、両成分の合計の含有量の下限が35%であることが好ましく、36%であることがより好ましく、37%であることが最も好ましい。また両成分の合計の含有量の上限は45%であることが好ましく、43%であることがより好ましく、42%であることが最も好ましい。
SiO成分は、母ガラスの溶融性および熱的な安定性を高めることができると同時に、Si4+イオンが前記結晶相に固溶し、リチウムイオン伝導率の向上にも寄与する。この効果を十分に得るためには含有量の下限は1%であることが好ましく、2%であることがより好ましく、3%であることが最も好ましい。しかしその含有量が10%を超えると、かえって伝導率が低下してしまうため、含有量の上限は10%とすることが好ましく、8%とすることがより好ましく、7%とすることが最も好ましい。
成分はガラスの形成に必須の成分であり,また前記結晶相の構成成分でもある。含有量が30%未満であるとガラス化しにくくなるので、含有量の下限は30%であることが好ましく、32%であることがより好ましく、33%であることが最も好ましい。また含有量が40%を越えると前記結晶相がガラスから析出しにくく、所望の特性が得られにくくなるため、含有量の上限は40%とすることが好ましく、39%とすることがより好ましく、38%とすることが最も好ましい。
上記のmol%で表わされた組成比で得られる効果と同様の効果を得るための質量%で表わされた上記各成分の組成比は以下のようになる。
LiO成分は、含有量の下限は3質量%であることが好ましく、4質量%であることがより好ましく、5質量%であることが最も好ましい。上限は10質量%であることが好ましく、9質量%であることがより好ましく、8質量%であることが最も好ましい。
Al成分は、含有量の下限が5質量%であることが好ましく、6質量%であることがより好ましく、7質量%であることが最も好ましい。含有量の上限は20質量%とするのが好ましい。より好ましい含有量の上限は19質量%であり、最も好ましい含有量の上限は18質量%である。
TiOおよびGeO成分は、両成分の合計の含有量の下限が25質量%であることが好ましく、26質量%であることがより好ましく、27質量%であることが最も好ましい。また両成分の合計の含有量の上限は40質量%であることが好ましく、39質量%であることがより好ましく、38質量%であることが最も好ましい。
SiO成分は、含有量の下限は0.5質量%であることが好ましく、1質量%であることがより好ましく、2質量%であることが最も好ましい。含有量の上限は8質量%とすることが好ましく、7質量%とすることがより好ましく、6質量%とすることが最も好ましい。
成分は、含有量の下限は40質量%であることが好ましく、41質量%であることがより好ましく、42質量%であることが最も好ましい。含有量の上限は55質量%とすることが好ましく、54質量%とすることがより好ましく、53質量%とすることが最も好ましい。
上述の組成の場合、溶融ガラスをキャストして容易にガラスを得ることができ、このガラスを熱処理して得られた上記結晶相をもつガラスセラミックスは高いリチウムイオン伝導性を有する。
また、上記の組成以外にも、類似の結晶構造を有するガラスセラミックスであれば、AlをGa、TiOをGeOに一部または全部置換することも可能である。さらに、ガラスセラミックスの製造の際、その融点を下げるまたはガラスの安定性を上げるために、イオン伝導性を下げない範囲で他の原料を微量添加することも可能である。
固体電解質にリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはガラスセラミックス粉体を含有する場合は、Liを含む無機化合物を同時に含有することが好ましい。これはLiを含む無機化合物がバインダーの役割を果たし、リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質の粒子またはガラスセラミックス粒子を結合させる働きを持つからである。
Liを含む無機化合物としてはLiPO、LiPO、LiI、LiN、LiO、Li、LiF等が挙げられる。
特に、これらのLiを含む無機化合物は、リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはガラスセラミックスと混合して焼結させた際に、焼結温度・雰囲気を調整することにより、軟化または溶融させることが可能である。軟化または溶融したLiを含む無機化合物は、ガラスセラミックス粒子の隙間に流れ込み、リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはガラスセラミックスを強固に結合させることが可能である。
ここで、固体電解質中に高いイオン伝導度を有するリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性のガラスセラミックス粉体を含有させる際、その量が少ないと、リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはガラスセラミックスの高いリチウムイオン伝導性が固体電解質にみられない。一方、その量が多くなりすぎるとバインダーとして働く無機物の含有量が少なくなり、リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはガラスセラミックス−無機物の接着が弱く、上記のリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはガラスセラミックス粉体の間におけるリチウムイオンの移動性が悪くなり、また強度も低下する。そこで、本発明の固体電解質中におけるリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックス粉体の含有量の下限としては50質量%が好ましく、60質量%がより好ましく、70重量%が最も好ましい。また、上限としては98質量%が好ましく、97質量%がより好ましく、96質量%が最も好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池の正極は、少なくとも後述の正極活物質を含む構成である。また、正極合材と正極集電体を含む構成であることが好ましい。負極は、少なくとも後述の負極活物質を含む構成である。また、負極合材と負極集電体を含む構成であることが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池の正極合材および/または負極合材は、活物質と、イオン伝導助剤および/または電子伝導助剤と、それらを固定するバインダーとを含む構成であることが好ましい。
また、正極合材および/または負極合材を作製する際は、溶剤を用いて活物質と伝導助剤、バインダーを単純に混合、乾燥するだけで簡単に作製できる。(本明細書においてはこれを単純混合方法とする。)
できる限りイオン伝導助剤の添加量を減らしてより高容量の電池を得るという観点からは、正極合材および/または負極合材の作製は単純混合方法によるのではなく、活物質粒子の表面にイオン伝導助剤および/または電子伝導助剤がバインダーによって固定されている状態となる混合方法を用いることがより好ましい。(本明細書においてはこれを固定化混合方法とする。)
正極合材、負極合材は充放電により活物質からのLiイオンの脱離および挿入により体積変化が生じる。そして、活物質の膨張、収縮により電子伝導助剤およびイオン伝導助剤が活物質から徐々に剥離され、Liの脱挿入のできない活物質の量が増え、結果としてサイクル劣化を引き起こす可能性がある。 固定化混合方法によって活物質表面に粒子の細かい電子伝導助剤およびイオン伝導助剤がバインダーによって固定されていれば、活物質の膨張・収縮の際も剥離が少なく、充放電に伴う容量劣化が少なく、かつ単位体積および重量あたりの電池容量を低下させることもなくイオン伝導助剤の添加が可能になる。
固定化混合方法としては、以下の方法を用いることが好ましい。すなわち、活物質を高速で流動または回転させたところに、溶剤を用いて伝導助剤とバインダーをスラリー化した分散液を投入または噴霧し、溶剤の沸点以上の温度にて乾燥させるものである。活物質と伝導助剤を混合する場合、粒径の差が大きいほどインターラクティブミクスチャーが起こりやすくなり、大きな活物質粒子に微粉の伝導助剤が付着する傾向が大となって、活物質表面に伝導助剤の層が形成される。
固定化混合方法は、この方法に限らず、充分に粒径に差のある活物質と伝導助剤をバインダーと共に溶剤に分散させ、熱風乾燥、凍結乾燥する方法を用いることも可能である。また、従来からの造粒、表面コーティング技術を用いることも可能である。
本発明のリチウムイオン二次電池の正極に使用する活物質としては、リチウムの吸蔵,放出が可能な遷移金属化合物を用いることができ、例えば、マンガン,コバルト,ニッケル,バナジウム,ニオブ、モリブデン、チタン、鉄、リンから選ばれる少なくとも1種を含む遷移金属酸化物等を使用することができる。ほとんどの活物質材料は、電子伝導性およびイオン伝導性が乏しいため、電子伝導助剤として、導電性の炭素、黒鉛、炭素繊維、金属粉末、金属繊維、電子伝導性ポリマーなどを添加するのが好ましい。また、イオン伝導助剤として、イオン伝導性のガラスセラミックス、イオン伝導性ポリマーなどを添加するのが好ましい。電子・イオン伝導助剤の添加量は、正極活物質に対して、3〜35質量%の範囲であることが好ましく、2.5〜30質量%であることがより好ましく、3〜25質量%であることが最も好ましい。
また、このリチウム二次電池において、その負極に使用する活物質としては、金属リチウムやリチウム−アルミニウム合金、リチウム−インジウム合金などリチウムの吸蔵、放出が可能な合金、チタンやバナジウムなどの遷移金属酸化物、及びグラファイトや黒鉛などのカーボン系の材料を使用することが好ましい。活物質に電子伝導性が乏しい場合は、電子伝導助剤として、導電性の炭素、黒鉛、炭素繊維、金属粉末、金属繊維、電子伝導性ポリマーなどを添加するのが好ましい。また、イオン伝導助剤として、イオン伝導性のガラスセラミックス、イオン伝導性ポリマーなどを添加するのが好ましい。電子・イオン伝導助剤の添加量は、負極活物質に対して、3〜35質量%の範囲であることが好ましく、2.5〜30質量%であることがより好ましく、3〜25質量%であることが最も好ましい。
イオン伝導助剤としてリチウムイオン二次電池の正極および/または負極にリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスを含有させる場合には粉体であることが好ましい。
前記リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックス粉体の平均粒径は、単純混合方法によって正極および/または負極合材を作製する場合には、前記リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスを含む正極および/または負極の活物質の平均粒径の1/5以下であることが好ましく、1/7以下がより好ましく、1/10以下が最も好ましい。助剤であるリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはガラスセラミックスの平均粒径を活物質と比較して充分に小さくすることにより、活物質との接触面積が増大し、電池の容量を低下させない程度の添加によって充分なイオン伝導性の付与が行なわれるからである。リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはガラスセラミックスの平均粒径が正極および/または負極活物質と同じであるかまたは大きい場合、正極材および/または負極材に充分なイオン伝導性を付与させるためには、多量のリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはガラスセラミックスを含有させる必要がある。例えば、同じ粒径の場合、活物質と同量またはそれ以上のリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはガラスセラミックスの添加が必要となり、正極材料中の活物質含有量が小さくなるため、高容量の電池が得られない。
単純混合方法によって正極合材および/または負極合材を作製する場合、イオン伝導助剤として正極および/または負極に含まれるリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスの含有量は、良好な充放電を行うために正極合材および/または負極合材に充分なイオン伝導性を付与させる必要があるため、前記リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスを含む正極および/または負極の活物質に対して10質量%以上とすることが好ましく、12質量%以上とすることがより好ましく、15質量%以上とすることが最も好ましい。一方、リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスの含有量を多くすると、正極合材および/または負極合材中の活物質の含有率が少なくなり、単位体積または単位重量あたりの電池容量が低下してしまうため、含有量は35質量%以下とすることが好ましく、30質量%以下とすることがより好ましく、25質量%以下とすることが最も好ましい。
固定化混合方法によって正極合材および/または負極合材を作製する場合には、リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスの平均粒径は、前記リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスを含む正極および/または負極の活物質の平均粒径の1/5以下であることが好ましく、1/7以下であることがより好ましく1/10以下であることが最も好ましい。 イオン伝導助剤の含有量は単純混合方法を用いた場合と比較して少量で効果が得られるので、高容量の電池を得るためには、その含有量は前記リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスを含む正極および/または負極の活物質に対して2質量%以上が好ましく、2.5質量%以上がより好ましく、3質量%以上が最も好ましい。活物質を多く含有させるためにリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスの上限は15質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましく、10質量%以下が最も好ましい。また電子伝導助剤に関しても同様であり、伝導助剤の粒径をより小さくすることにより、従来よりも少量で同等またはそれ以上の伝導付与の効果が得られる。
正極および負極に含有するリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはイオン伝導性ガラスセラミックスは、固体電解質に含有されるリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはガラスセラミックスと同じものであることがより好ましい。これらが同じものであると電解質と電極材に含まれるイオン移動機構が統一されるため、電解質―電極間のイオン移動がスムーズに行え、より高出力・高容量の電池が提供できる。ここで同じリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはガラスセラミックスであるとは、同じ結晶系を有するリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはガラスセラミックスであることを意味する。電極中の主にイオン移動を担うリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはガラスセラミックスは、電解質中に含まれるリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはガラスセラミックスと同じ移動機構を有することにより、電池内の総てのイオン移動経路が等しくなり、イオン移動障壁が小さくなる。
活物質、伝導助剤を混合、結着して正極合材および/または負極合材を作製する際に使用するバインダーとしては、PVdFやPTFE、SBRゴムなどを用いることができるが、イオン伝導性の付与ができるため、イオン伝導性のバインダーを用いることがより好ましい。
ここで、イオン伝導性のバインダーとしては、高分子材料を用いることができる。例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、フッ素樹脂(ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等)、ポリアミド類、ポリエステル類ポリアクリレートやこれらの共重合体、これらの架橋構造体、またはこれらの混合物を用いることができ、またこれらのポリマーに任意のLi塩として、例えば、LiBF、LiSOCF、LiSOCH、LiN(SOCF、LiN(SO、LiC(SOCF、有機イオン性のポリスルフィドなどを添加することによりイオン伝導性を付与させたバインダーを用いることができる。
本発明によれば、漏液の問題のない全固体型のリチウムイオン二次電池において、耐熱温度が高く、広い温度範囲にて使用する事ができ、電池容量も高く、また充放電サイクル特性も良好で、長期的に安定して使用できる固体電解質または全固体型リチウム二次電池を提供することができる
以下、本発明に係るリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスを含有した固体電解質およびこれを用いたリチウムイオン二次電池について、具体的な実施例を挙げて説明すると共に、比較例を挙げこの実施例に係るリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質またはリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスを含有した固体電解質およびこれを備えたリチウムイオン二次電池が優れている点を明らかにする。なお、本発明は下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
[実施例1]
(リチウムイオン伝導性ガラスセラミックスの作製)
原料としてHPO、Al(PO、LiCO、SiO、TiOを使用し、これらを酸化物換算のmol%でPを35.0%、Alを7.5%、LiOを15.0%、TiOを38.0%、SiOを4.5%といった組成になるように秤量して均一に混合した後に、白金ポットに入れ、電気炉中1500℃でガラス融液を撹拌しながら3時間加熱熔解した。その後、ガラス融液をステンレス製の成形機にて厚さ0.3mmの薄板状に成形し、950℃で12時間の熱処理により結晶化を行い、ガラスセラミックスの薄板を作製した。
また、同じ組成のガラス融液を流水中に滴下させることにより、フレーク状のガラスを得、このガラスを950℃で12時間の熱処理により結晶化を行い、ガラスセラミックスを得た。得られたガラスセラミックスのフレークをボールミルにより粉砕し、平均粒径1.5μm、最大粒径7μmのガラスセラミックスの微粉体Aを得た。この微粉体Aをさらに湿式ボールミルにて微粉砕し、平均粒径0.2μm、最大粒径0.3μmのガラスセラミックス微粉体を含有するスラリーBを得た。
これらガラスセラミックスは、粉末X線回折法により、Li1+x+yAlTi2−xSi3−y12(0≦x≦0.4、0<y≦0.6)が主結晶相であることが確認された。
(固体電解質の作製)
上記で得られたガラスセラミックスの薄板を厚さ40μmまで研磨を行い、直径16mmに打ち抜き、固体電解質を作製した。
(正極の作製)
正極の活物質として市販のコバルト酸リチウムLiCoO2(平均粒径6μm)と、電子伝導助剤としてアセチレンブラック(平均粒径50nm)を正極活物質に対して5質量%と、および結着剤としてLiBFを添加したポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドの重合物とをエタノール溶媒を用い、真空撹拌脱泡装置を用いて混合した。この混合物を厚さ16μmの正極集電体であるアルミニウムシート上に均一に塗布した後、これを120℃の温度で乾燥させて正極を作製した。正極合材の厚みは30μmであり、これを直径15mmに打ち抜いて正極を作製した。
(負極の作製)
負極の作製には、負極活物質として市販の黒鉛粉末(平均粒径10μm)と、および結着剤としてLiBFを添加したポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドの重合物とをエタノール溶媒を用い、真空撹拌脱泡装置を用いて混合した。この混合物を負極集電体である厚さ12μmの銅シートに塗布した後、これを120℃の温度で乾燥させてシート状になった負極を作製した。負極材の厚みは20μmであり、これを直径15mmに打ち抜いて負極を作製した。
(電池の組み立て)
上記の正極、電解質、負極を順次重ね合わせ、150℃の乾燥雰囲気下にて一軸プレス後、コインセルに封入した。この電池の内部構造の断面図を図1に示す。
組み立てた電池を、25℃の室温にて、定電流100μA/cm、充電4.2V、放電3.0Vのカットオフ電圧にて充放電測定を行った。初期放電容量は0.80mAhであり、20回サイクルを繰り返した後の放電容量は、0.56mAhと初期の70%の容量を維持していた。
[実施例2]
正極および負極にガラスセラミックスの微粉体スラリーBを正極活物質および負極活物質に対して固形分でそれぞれ20質量%を含有させ、その他は実施例1と同じ構成の電池を組み立て、実施例1と同じ条件にて充放電測定を行った。初期放電容量は、1.20mAhであり、20回サイクルを繰り返した後の放電容量は、1.15mAhと初期の96%の容量を維持していた。
実施例1、2は初期放電容量も大きく、充放電サイクルに伴う容量劣化も小さい。正極と負極にリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスを含有させた実施例2は特に良好な値を示した。
[実施例3]
(固体電解質の作製)
実施例1で得られたガラスセラミックス粉体Aと5質量%のLiPOを混合し、CIP(Cold Isostatic Press)を用いてφ20mmのペレット状に成形した。成形したペレットをHIP(Hot Isostatic Press)を用いて1000℃にて焼結後、研削、研磨を行い、φ16mm、厚さ0.08mmの固体電解質を作製した。ここではLiPOが溶融し、粉体であるガラスセラミックスをバインドする液相焼結法を用いている。
(正極の作製)
正極合材の作製には、市販の流動造粒装置を用いた。電子伝導助剤としてケッチェンブラック(平均粒径40nm)を正極活物質に対して5質量%と、イオン伝導助剤として平均粒径1.5μmのガラスセラミックスの微粉体A(実施例1にて作製)を正極活物質に対して10質量%と、および結着剤としてLiTFSIを添加したポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドの重合物とをエタノール溶媒を用いて混合しスプレー懸濁液を調整した。
正極の活物質には、市販のマンガン酸リチウムLiMn(平均粒径10μm)を用い、この正極活物質材料を流動造粒装置に入れ、90℃の温度で流動している正極活物質に対して、調整したスプレー懸濁液を噴霧し、溶媒であるエタノールを揮発させることにより、活物質の粒子表面に電子伝導助剤とイオン伝導助剤を固定した。この表面を覆われた正極合材を再度エタノールを用いて軽く分散させ、厚さ20μmの正極集電体であるアルミニウムシート上に均一に塗布した後、これを再度120℃の温度で乾燥させて正極を作製した。正極合材の厚みは35μmであり、これを直径15mmに打ち抜いて正極を作製した。
(負極の作製)
負極合材の作製には、正極材と同じ市販の流動造粒装置を用いた。電子伝導助剤としてケッチェンブラック(平均粒径40nm)を負極活物質に対して5質量%と、イオン伝導助剤として平均粒径1.5μmのガラスセラミックスの微粉体A(実施例1にて作製)を負極活物質に対して10質量%と、および結着剤としてLiTFSIを添加したポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドの重合物とをエタノール溶媒を用いて混合しスプレー懸濁液を調整した。
負極の活物質には、市販のチタン酸リチウムLiTi12を造粒し、平均粒径を3μmとしたものを用いた。この負極活物質を流動造粒装置に入れ、90℃の温度で流動している負極活物質に対して、調整したスプレー懸濁液を噴霧し、溶媒であるエタノールを揮発させることにより、活物質の粒子表面に電子伝導助剤とイオン伝導助剤を固定した。この表面を覆われた負極合材を再度エタノールを用いて軽く分散させ、厚さ18μmの負極集電体である銅シート上に均一に塗布した後、これを再度120℃の温度で乾燥させて負極を作製した。負極合材の厚みは25μmであり、これを直径15mmに打ち抜いて正極を作製した。
(電池の組み立て)
上記の正極、電解質、負極を順次重ね合わせ、150℃の乾燥雰囲気下にて一軸プレス後、コインセルに封入した。組み立てた電池を、25℃の室温にて、定電流60μA/cm、充電4.0V、放電3.0Vのカットオフ電圧にて充放電測定を行った。初期放電容量は、0.95mAhであり、20回サイクルを繰り返した後の放電容量は、0.76mAhと初期の70%の容量を維持していた。
[実施例4]
実施例3の正極および負極それぞれに用いたガラスセラミックスの微粉体Aの代りに、実施例1で作製したスラリーBを正極および負極のイオン伝導助剤として正極活物質および負極活物質に対してそれぞれ固形分で5質量%を用い、その他は実施例3の電池と同様の製法、構成で電池を組み立て、実施例3と同じ条件にて充放電測定を行った。初期放電容量は、1.43mAhであり、20回サイクルを繰り返した後の放電容量は、1.31mAhと初期の92%の容量を維持していた。
実施例3と実施例4の充放電サイクルに伴う放電容量の変化を図3に示した。
実施例3、4は初期放電容量も大きく、充放電サイクルに伴う容量劣化も小さい。正極と負極に含有しているリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスの粒径がより小さい実施例4は特に良好な値を示した。
[実施例5]
(正極の作製)
正極合材の作製には、市販のスプレードライ装置を用いた。正極の活物質として、コバルト置換したコバルト酸リチウムLiNi0.8Co0.2(平均粒径3μm)と、電子伝導助剤としてカーボンナノファイバー(平均径80nm)を正極活物質に対して2質量%と、平均粒径50nmのSiO微粉体を正極活物質に対して4質量%と、および結着剤としてLiTFSIを添加したポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドの重合物とをメタノールとエタノールの混合溶媒を用いて混合し、懸濁液を調整した。この懸濁液を撹拌しながらスプレードライ装置にてスプレー乾燥し、溶媒を揮発させることにより、活物質の粒子表面に電子伝導助剤とイオン伝導助剤を固定した。この表面を覆われた正極合材をエタノール溶媒を用いて軽く分散させ、厚さ20μmの正極集電体であるアルミニウムシート上に均一に塗布した後、これを再度120℃の温度で乾燥させて正極を作製した。正極合材の厚みは40μmであり、これを直径15mmに打ち抜いて正極を作製した。
(負極の作製)
負極合材の作製には、正極材と同じ市販のスプレードライ装置を用いた。負極の活物質として、市販のチタン酸リチウムLiTi12を造粒し、平均粒径を3μmとしたものと、電子伝導助剤としてカーボンナノファイバー(平均径80nm)を負極活物質に対して2質量%と、平均粒径50nmのSiO微粉体を負極活物質に対して3質量%と、および結着剤としてLiTFSIを添加したポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドの重合物とをメタノールとエタノールの混合溶媒を用いて混合し、懸濁液を調整した。この懸濁液を撹拌しながらスプレードライ装置にてスプレー乾燥し、溶媒を揮発させることにより、活物質の粒子表面に電子伝導助剤とイオン伝導助剤を固定した。この表面を覆われた負極合材をエタノール溶媒を用いて軽く分散させ、厚さ18μmの負極集電体である銅シート上に均一に塗布した後、これを再度120℃の温度で乾燥させて負極を作製した。負極合材の厚みは40μmであり、これを直径15mmに打ち抜いて正極を作製した。
(電池の組み立て)
上記の正極、実施例4で作製した電解質、負極を順次重ね合わせ、150℃の乾燥雰囲気下にて一軸プレス後、コインセルに封入した。組み立てた電池を、25℃の室温にて、定電流60μA/cm、充電4.0V、放電3.0Vのカットオフ電圧にて充放電測定を行った。初期放電容量は、0.58mAhであり、20回サイクルを繰り返した後の放電容量は、0.46mAhと初期の80%程度の容量を維持していた
[実施例6]
実施例5の電池において正極・負極それぞれに含まれる平均粒径50nmのSiO微粉体の代りに、イオン伝導助剤としてガラスセラミックスの微粉体スラリーB(実施例1にて作製)を正極には正極活物質に対して固形分で4質量%、負極には負極活物質に対して3質量%用い、その他は実施例5の電池と同様の製法、構成で電池を組み立て、実施例5と同じ条件にて充放電測定を行った。初期放電容量は、2.18mAhであり、20回サイクルを繰り返した後の放電容量は、2.07mAhと初期の95%の容量を維持していた。
実施例5と実施例6の充放電サイクルに伴う放電容量の変化を図4に示した。
実施例5、6は初期放電容量も大きく、充放電サイクルに伴う容量劣化も小さい。正極と負極にリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスを含有させた実施例6は特に良好な値を示した。
[実施例7]
(正極の作製)
正極の活物質には市販のコバルト酸リチウムLiCoO(平均粒径6μm)を用い、正極合材の作製には、高速処理装置を用いた。コバルト酸リチウムを5000rpmで高速で混合させ、そこに電子伝導助剤としてケッチェンブラック(平均粒径40nm)を正極活物質に対して5質量%と、および結着剤としてLiBFを添加したポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドの重合物を正極活物質に対して9質量%とを分散させたエタノール溶剤を少しずつスプレーし、正極活物質への伝導助剤の埋め込みを行い、120℃に真空乾燥させて正極合材を作製した。
(負極の作製)
スパッタにより表面にCuを成膜した厚さ0.2mmの金属Li箔をφ15mmのサイズに打ち抜き、負極材とした。
(電池の組み立て)
上記にて作製した正極、実施例4で作製した固体電解質、負極を重ねて、150℃の乾燥雰囲気にて一軸プレスを行い、コイン型のセルに封入して、コイン電池を組み立てた。
組み立てた電池を、25℃の室温および80℃にて、定電流0.1mA/cm、充電4.2V、放電3.0Vのカットオフ電圧にて充放電測定を行った。25℃における初期放電容量は、2.9mAhであり、20回サイクルを繰り返した後の放電容量は、2.5mAhと初期の85%の容量を維持していた。80℃における初期放電容量は、4.2mAhであり、20回サイクルを繰り返した後の放電容量は、3.9mAhと初期の90%の容量を維持していた。
[実施例8]
実施例7の電池において、正極にさらにガラスセラミックスの微粉体スラリーB(実施例1にて作製)を正極活物質に対して固形分で7質量%含有させ、LiBFを添加したポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドの重合物の含有量を正極活物質に対して2質量%としたこと以外は、実施例7と同様の製法、構成の電池を組み立てた。実施例7と同じ条件にて充放電測定を行った結果、25℃における初期放電容量は、4.1mAhであり、20回サイクルを繰り返した後の放電容量は、3.9mAhと初期の95%の容量を維持していた。80℃における初期放電容量は、4.5mAhであり、20回サイクルを繰り返した後の放電容量は、4.1mAhと初期の90%の容量を維持していた。
実施例7と実施例8の放電容量の比較を表1に示した。実施例7、8は初期放電容量も大きく、充放電サイクルに伴う容量劣化も小さい。正極にリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスを含有させた実施例8は25℃の室温においては、特に良好な値を示した。

Figure 2006185913
[比較例]
(固体電解質の作製)
イオン伝導性セラミックスであるLiIを平均粒径2μmに粉砕したものをCIPを用いてφ20mmのペレット状に成形した。成形したペレットを350℃にて焼結後、研削、研磨を行い、φ16mm、厚さ0.08mmの固体電解質を作製した。
(電池の組み立て)
実施例7と同じ正極、上記にて作製した固体電解質、実施例7と同じ負極を重ねて一軸プレスを行い、コイン型のセルに封入して、コイン電池を組み立てた。25℃の室温にて、定電流0.1mA/cm2、充電4.2V、放電3.0Vのカットオフ電圧にて充放電測定を行った。初期放電容量は、1.1mAhであり、20回サイクルを繰り返した後の放電容量は、0.3mAhと大きな容量が低下した。
以上述べたように、本発明のリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスを含有したリチウムイオン二次電池は、有機電解液を含まない全固体電池であっても高出力であり充放電サイクル特性も良好な電池であることがわかる。
無機化合物およびリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスを含有する本発明の電解質は、リチウムイオン伝導性が高く、電気化学的に安定であるため、リチウムイオン二次電池用の電解質だけではなく、リチウム一次電池やハイブリッドキャパシタと称される電気化学キャパシタ、色素増感型太陽電池、リチウムイオンを電荷移動担体とする他の電気化学素子への応用も可能である。
以下にその他の電気化学素子としての例をいくつか挙げる。
電解質上に、任意の感応電極を取り付けることにより、様々なガスセンサーや検知器に応用することができる。例えば、炭酸塩を電極にすると炭酸ガスセンサー、硝酸塩を含む電極にするとNOxセンサー、硫酸塩を含む電極にするとSOxセンサーに応用することができる。また、電解セルを組むことにより、排ガス中に含まれるNOx、SOx等の分解・捕集装置用の電解質にも応用できる。
電解質上にLiイオンの挿脱離により着色または変色する無機化合物または有機化合物を取り付け、その上にITOなどの透明電極を取り付けることによりエレクトロクロミック素子を構成することが可能であり、消費電力が少なく、メモリー性のあるエレクトロクロミックディスプレィを提供することができる。
本発明の電解質のイオン伝導経路は、リチウムイオンに最適なサイズとなっているため、他のアルカリイオンが存在している場合でもリチウムイオンを選択的に通すことができる。そのため、リチウムイオン選択捕集装置の隔膜またはLiイオン選択電極用隔膜として使用することができる。また、透過するリチウムイオンの速度は、イオンの質量が小さいほど速いため、リチウムイオンの同位体分離に適用することができる。これにより核融合炉燃料のトリチウム生成ブランケット材に必要な濃縮6Li(天然存在比で7.42%)の濃縮および分離が可能になる。
電解質および電極材に含有しているリチウムイオン伝導性ガラスセラミックス粉末は、リチウムイオン伝導性が高く、電気化学的に安定であるため、他の樹脂や塗料に練り込むことにより、イオン伝導性付与、帯電防止、表面電位制御等の添加剤として使用することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池の一例の内部構造を示した断面説明図である。 実施例1及び実施例2で得られたリチウムイオン二次電池の充放電サイクルに伴う放電容量の変化である。 実施例3及び実施例4で得られたリチウムイオン二次電池の充放電サイクルに伴う放電容量の変化である。 実施例5及び実施例6で得られたリチウムイオン二次電池の充放電サイクルに伴う放電容量の変化である。
符号の説明
1:正極集電体
2:正極合材
3:固体電解質
4:負極合材
5:負極集電体


Claims (21)

  1. リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質を含有し、有機物、電解液を含まないことを特徴とする固体電解質。
  2. リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質が、イオン伝導を阻害する空孔または結晶粒界を含まない事を特徴とする請求項1に記載の固体電解質。
  3. リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質が、リチウムイオン伝導性ガラスセラミックスである請求項1または2のいずれかに記載の固体電解質。
  4. リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質粉体と、Liを含む無機化合物を含有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の固体電解質。
  5. リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質粉体は、10−4Scm−1以上のイオン伝導度を有し、平均粒径が9μm以下であり、固体電解質中に50〜95質量%含有されることを特徴とする請求項4に記載の固体電解質。
  6. リチウムイオン伝導性ガラスセラミックスが薄板状であることを特徴とする請求項3に記載の固体電解質。
  7. リチウムイオン伝導性ガラスセラミックスの厚さが15μm〜200μmであることを特徴とする請求項6に記載の固体電解質。
  8. イオン伝導度が10−5Scm−1以上であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の固体電解質。
  9. リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質は、主結晶相がLi1+x+yAlTi2−xSi3−y12ただし、0≦x≦1、0≦y≦1であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の固体電解質。
  10. リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質は、mol%表示で、
    LiO:12〜18%、および
    Al+Ga:5〜10%、および
    TiO+GeO:35〜45%、および
    SiO:1〜10%、および
    :30〜40%
    の各成分を含有することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の固体電解質。
  11. リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質は、質量%表示で、
    LiO:3〜10%、および
    Al+Ga:5〜20%、および
    TiO+GeO:25〜40%、および
    SiO:0.5〜8%、および
    :40〜55%
    の各成分を含有することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の固体電解質。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の固体電解質を備えることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  13. 正極および/または負極にリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質を含有することを特徴とする請求項12に記載のリチウムイオン二次電池。
  14. 正極および/または負極に含まれるリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質が、イオン伝導を阻害する空孔または結晶粒界を含まない事を特徴とする請求項13に記載のリチウムイオン二次電池。
  15. 正極および/または負極に含まれるリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質が、リチウムイオン伝導性ガラスセラミックスであることを特徴とする請求項13または14のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
  16. 正極および/または負極に含まれるリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質の平均粒径は、該リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質を含む正極および/または負極の活物質の平均粒径の1/5以下であることを特徴とする請求項13から15のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
  17. 正極および/または負極に含まれるリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質の含有量は、含まれる正極および/または負極の活物質に対して2〜35質量%であることを特徴とする請求項13から16のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
  18. 正極および/または負極に含まれるリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質は、mol%表示で、
    LiO:12〜18%、および
    Al+Ga:5〜10%、および
    TiO+GeO:35〜45%、および
    SiO:1〜10%、および
    :30〜40%
    の各成分を含有することを特徴とする請求項13から17のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
  19. 正極および/または負極に含まれるリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質は、質量%表示で、
    LiO:3〜10%、および
    Al+Ga:5〜20%、および
    TiO+GeO:25〜40%、および
    SiO:0.5〜8%、および
    :40〜55%
    の各成分を含有することを特徴とする請求項13から17いずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
  20. 正極および/または負極に含まれるリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質は、主結晶相がLi1+x+yAlTi2−xSi3−y12(0≦x≦1、0≦y≦1)であることを特徴とする請求項13から19のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
  21. 固体電解質に含有されるリチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質と同じ無機物質を正極および/または負極に含有することを特徴とする請求項13から17のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。

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