JP2001319520A - リチウムイオン伝導性固体電解質 - Google Patents

リチウムイオン伝導性固体電解質

Info

Publication number
JP2001319520A
JP2001319520A JP2000134106A JP2000134106A JP2001319520A JP 2001319520 A JP2001319520 A JP 2001319520A JP 2000134106 A JP2000134106 A JP 2000134106A JP 2000134106 A JP2000134106 A JP 2000134106A JP 2001319520 A JP2001319520 A JP 2001319520A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid electrolyte
ion conductive
lithium ion
lithium
titanium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000134106A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunori Takada
和典 高田
Shigeo Kondo
繁雄 近藤
Jun Watanabe
遵 渡辺
Taro Inada
太郎 稲田
Akihisa Kajiyama
亮尚 梶山
Masaru Takaguchi
勝 高口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Japan Storage Battery Co Ltd
National Institute for Materials Science
Toda Kogyo Corp
Original Assignee
Japan Storage Battery Co Ltd
National Institute for Materials Science
Toda Kogyo Corp
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Storage Battery Co Ltd, National Institute for Materials Science, Toda Kogyo Corp, Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Japan Storage Battery Co Ltd
Priority to JP2000134106A priority Critical patent/JP2001319520A/ja
Publication of JP2001319520A publication Critical patent/JP2001319520A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Conductive Materials (AREA)
  • Primary Cells (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温での焼結過程を経ることなく、高いイオ
ン伝導性の固体電解質層を作製することのできる、高い
イオン伝導性を示すリチウムイオン伝導性固体電解質を
提供する。 【解決手段】 リチウムとチタンを含有するリン酸塩
と、リチウムイオン伝導性非晶質固体電解質とを、焼結
させることなく混合してなることを特徴とするリチウム
イオン伝導性固体電解質。該リチウムイオン伝導性非晶
質固体電解質の好適な例には、硫化物を主体とした物が
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全固体リチウム電
池等の電気化学素子の電解質に用いられる、リチウムイ
オン伝導性固体電解質に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータ・携帯電
話等のポーダブル機器の開発に伴い、その電源として電
池の需要は非常に大きなものとなっている。特に、リチ
ウム電池は、リチウムが小さな原子量を持ちかつイオン
化エネルギーが大きな物質であることから、高エネルギ
ー密度を得ることができる電池として各方面で盛んに研
究が行われている。一方、これらの用途に用いられる電
池は、電解質に液体を使用しているため、電解質の漏液
等の問題を無視することができない。こうした問題を解
決し信頼性を高めるため、また素子を小型、薄型化する
ためにも、液体電解質を固体電解質に代えて、電池を全
固体化する試みが各方面でなされている。特に先に述べ
たリチウム電池に関しては、そのエネルギー密度が高
く、更に電解質として可燃性の有機溶媒を用いているこ
とから、電池に異常が生じた際には電池が発火する等の
恐れがある。そのため、電池の安全性を確保するため
に、不燃性の固体材料で構成される固体電解質を用いた
全固体リチウム電池の開発が望まれている。全固体リチ
ウム電池に用いられるリチウムイオン伝導性固体電解質
としては、これまで様々な物質の提案が行われている。
その中で、リチウムとチタンを含有するリン酸塩LiT
2(PO43はNASICON型構造を有しており、
高いリチウムイオン伝導性が期待されている。しかしな
がら、焼結性が悪く更に粒界の抵抗が高いため、観測さ
れる成型体のイオン伝導度は10-6S/cm〔H.アオ
ノ、E.スギモト、Y.サダオカ、N.イマナカ、及び
G.アダチ、ジャーナル オブ エレクトロケミカル
ソサイエティ、第137巻、第1023頁(199
0)〕〔H.Aono、E.Sugimoto、Y.S
adaoka、N.Imanaka、 and G.A
dachi、J.Electrochem.Soc.1
37,1023(1990)〕(以下、引例1とい
う)、10-6〜10-8S/cm〔Y.コバヤシ、T.タ
ケウチ、M.タブチ、K.アド、及びH.カゲヤマ、ジ
ャーナル オブ パワー ソーセズ、第81−82巻、
第853頁(1999)〔Y.Kobayashi、
T.Takeuchi、M.TabuchiK.Ad
o、 and H.Kageyama、J.Power
Sources,81−82,853(1999)〕
(以下、引例2という)の低い値が報告されているのみ
である。アオノらは、Tiの一部をSc,Al,In,
Yなどの3価の元素で置換したLi1+xTi2-xMe
x(PO43が10-3S/cm近くの高いイオン伝導性
を示すことを報告しており、3価元素の置換による焼結
体の空隙率の低下が、このイオン伝導性向上の原因であ
ると結論している(引例1)。更にアオノらは、LiT
2(PO43にLi3PO4やLi3BO3を加えると粒
界の抵抗が低下し、イオン伝導性が向上することを報告
している〔H.アオノ、E.スギモト、Y.サダオカ、
N.イマナカ、及びG.アダチ、ソリッド ステート
アイオニクス、第47巻、第257頁(1991)〕
(以下、引例3という)。また、コバヤシらは、焼結方
法としてスパーク・プラズマ・シンタリング法を用いる
ことで焼結体の密度が高くなり、通常の焼結法に比べて
3桁近くイオン伝導性が向上することを報告している
(引例2)。
【0003】上記、従来の技術において引例を用いて説
明したように、LiTi2(PO4 3を用いて高いイオ
ン伝導性を有する固体電解質層を形成するためには、焼
結体の充填密度を向上させ、更に焼結体中の粒界抵抗を
減じることが必要であり、高温下での焼結過程が不可欠
である。焼結温度は、引例1では900〜1250℃、
引例2では1100〜1200℃と報告されている。更
に引例3では、LiTi2(PO43の焼結は1160
℃ではほとんど進行しないことが報告されている。また
更に、LiTi2(PO43−Li3P04系での焼結は
800℃から900℃で顕著に起こり、LiTi2(P
43−Li3B03系では800℃の焼結により焼結体
が平滑な断面を呈し、良好なイオン伝導性を得ることが
できると報告されている。
【0004】このように、リチウムとチタンを含有する
リン酸塩では、高いイオン伝導性を得るために、このよ
うな高温下での焼結過程が必要であるために、全固体リ
チウム電池等の電気化学素子へ応用する際には下記の課
題が生じる。一般的に、電池をはじめとする電気化学素
子は、電解質層と電解質層を介して配される正負極の一
対の電極より構成される。そのため、固体電解質をはじ
めとする構成材料をいったん粉末化し、その粉末を用い
て正極層/固体電解質層/負極層の積層構造を形成する
こととなる。その際に、固体電解質層のイオン伝導性を
良好なものとするためにこの積層構造を高温下で焼結し
ようとすると、電解質層と電極層の熱膨張率の違いによ
り、電解質層や電極層に亀裂が生じる、あるいはその接
合界面で剥離が生じるなど、素子を構成する固体物質間
の接合性が低下する課題を有していた。また、高温での
焼結を行うことにより、電極材料と固体電解質材料が反
応する課題をも有している。例えば、固体電解質材料と
してLiTi2(PO43、電極材料としてLiCoO2
を用いた場合には、焼結過程においてLiCoO2とL
iTi2(PO43が反応し、CoTiO3,Co2Ti
4,LiCoPO4などが生成することが報告されてい
る(引例2)。このように、電極材料と固体電解質材料
の界面にリチウムイオン伝導性の低い層が生じるため、
素子の内部インピーダンスが高いものとなり、電池の場
合には高い電流値での作動が困難なものとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の課題
を解決し、高温での焼結過程を経ることなく高いイオン
伝導性の固体電解質層を作製することのできる、高いイ
オン伝導性を示すリチウムイオン伝導性固体電解質を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明は、リチウムとチタンを含有するリン酸塩と、リチ
ウムイオン伝導性非晶質固体電解質とを、焼結させるこ
となく混合してなるリウムイオン伝導性固体電解質に関
する。更に好ましくは、リチウムとチタンを含有するリ
ン酸塩として、Li1+xTi2 -xMex(PO43(0≦x
≦0.5、Meは、Al、Cr、Ga、Fe、Sc、I
n、Y、Laより選ばれる少なくとも1種の金属イオ
ン)を用いる。また、リチウムイオン伝導性非晶質固体
電解質として、硫化物を主体としてなるリチウムイオン
伝導性非晶質固体電解質を用いる。
【0007】本発明は、リチウムとチタンを含有するリ
ン酸塩の粒子間に、リチウムイオン伝導性非晶質固体電
解質を介在させることにより、焼結過程によりリン酸塩
粒子間の接合性を高める必要なく、高いイオン伝導性を
有する固体電解質層を作製できることを見出したことに
基づく。非晶質固体電解質粒子間のイオン伝導に関して
は、銀イオン伝導性固体電解質〔T.ミナミ、Y.タク
マ、及びM.タナカ、ジャーナル オブ エレクトロケ
ミカル ソサイエティ、第124巻、第1659頁(1
977)〕〔T.Minami、Y.Takuma、
and M.Tnaka、J.Electroche
m. Soc.124,1659(1977)〕やリチ
ウムイオン伝導性固体電解質〔K.タカダ、及びS.コ
ンドウ、アイオニクス、第4巻、第42頁(199
8)〕〔K.Takada and S.Kondo,
Ionics,4,42(1998)について報告され
ており、非晶質固体電解質粒子間の粒界抵抗は極めて低
いことが見出されている。それに対して、本発明者らは
結晶質固体電解質としてリチウムとチタンを含有するリ
ン酸塩粒子と、非晶質固体電解質の粒子間のイオン伝導
性を調べ、焼結過程により粒子間の接合性を高めない場
合にもこれらの粒子間でのイオン伝導が良好であること
を見出した。その結果、リン酸塩粒子間に非晶質固体電
解質を介在させることにより、焼結過程を経ることなく
高いリチウムイオン伝導性を示す固体電解質層を得るこ
とができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明における、リチウムとチタンを含有するリン
酸塩には、代表的なものとしてLiTi2(PO43
表されるものがある。そのほかにも、Tiの一部を他の
金属元素で置換したものや、他のリン酸塩との複合リン
酸塩等を用いることができる。リチウムとチタンを含有
するリン酸塩として、LiTi2(PO43を用いた場
合には、該リン酸塩粒子は微細なものであるために、各
粒子間に非晶質固体電解質を介在させ、粒子間のイオン
伝導性を高いものとするためには、非晶質固体電解質含
有量を高いものとする必要がある。それに対して、リチ
ウムとチタンを含有するリン酸塩がLi1+xTi2-xMe
x(PO43(0≦x≦0.5、Meは、3価の金属イオ
ン)を用いた場合には、該リン酸塩粒子が大きなものと
なり、粒子間のイオン伝導性を高いものとするために必
要な非晶質固体電解質の含有量を低く抑えることができ
る。そのため、リチウムとチタンを含有するリン酸塩と
してはLi1+xTi2-xMex(PO43(0≦x≦0.
5、Meは、3価の金属イオン)が好ましく用いられ、
3価の金属イオンとしては、Al、Cr、Ga、Fe、
Sc、In、Y、Laより選ばれる少なくとも1種の金
属イオンが用いられる。また、3価の金属イオンを添加
するのに代え、Li3PO4やLi3BO3などを添加した
場合もリン酸塩の粒子が大きなものとなり、同様の効果
を得ることができる。
【0009】また、リチウムイオン伝導性非晶質固体電
解質としては、高いイオン伝導性を有する固体電解質を
用いることが好ましい。Li2S−SiS2,Li2S−
2 5,Li2S−B23などの硫化物、あるいはこれ
ら硫化物にヨウ化リチウムなどのハロゲン化リチウム
や、Li3PO4,Li4SiO4などのリチウム酸素酸塩
を加えた非晶質固体電解質のイオン伝導度は10-4〜1
-3S/cmであり、リチウムとチタンを含有するリン
酸塩のバルクとほぼ同等のイオン伝導性を有している。
したがって、リチウムイオン伝導性固体電解質として、
これら硫化物を主体としてなるリチウムイオン伝導性非
晶質固体電解質を用いることで、リン酸塩粒子間のリチ
ウムイオンの伝導性が特に高いものとなり、固体電解質
層を作製した場合のイオン導電性を高めることができる
ため特に好ましい。
【0010】なお、引例3中に開示されたLiTi
2(PO43−Li3BO3においては、Li3BO3がガ
ラス状態となっていることが開示されているが、粒界抵
抗の活性化エネルギーに関する考察より、ガラス状態の
Li3BO3は粒界におけるイオン伝導経路ではないと結
論付けられている。また、Li3BO3自体は高いリチウ
ムイオン伝導性を有していない。それに対して本発明は
LiTi2(PO43の粒界抵抗を減ずるためにイオン
伝導経路として非晶質固体電解質を加えるものであり、
引例3とは明瞭に区別されるべきものである。
【0011】
【実施例】以下、本発明について実施例を用いて更に具
体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されな
い。
【0012】実施例1 リチウムとチタンを含有するリン酸塩としてLiTi2
(PO43を、リチウムイオン伝導性非晶質固体電解質
として0.01Li3PO4−0.63Li2S−0.3
6SiS2で表されるオキシ硫化物ガラスを用い、下記
の方法でリチウムイオン伝導性固体電解質を得た。Li
Ti2(PO43は、下記の方法により合成した。出発
物質としてはLi2CO3,TiO2,P25を用い、化
学量論比で混合した後、1000℃で2時間予備焼成し
た。焼成後の粉末を加圧成型し、1000℃で2時間焼
成した。合成物の同定は粉末X線回折により行い、得ら
れた物質がLiTi2(PO43(JCPDS35−0
754)であることを確認した。次に、0.01Li3
PO4−0.63Li2S−0.36SiS2で表される
オキシ硫化物ガラスを、以下の方法でリチウムイオン伝
導性非晶質固体電解質として合成した。硫化リチウムと
硫化ケイ素、リン酸リチウムをモル比で63:36:1
の割合で秤量混合した。この混合物をグラッシーカーボ
ン製坩堝に充填し、アルゴンガス気流中で1000℃で
2時間溶融した。該溶融物を双ローラーで超急冷するこ
とにより、リチウムイオン伝導性非晶質固体電解質を得
た。このようにして得たLiTi2(PO43と0.0
1Li3PO4−0.63Li2S−0.36SiS2
を、様々な重量比で、焼結させることなく混合し、下記
の方法でイオン伝導度を測定した。LiTi2(PO4
3と0.01Li3PO4−0.63Li2S−0.36S
iS2の混合物をポリエチレン・テレフタレート製の測
定セルに形成された直径10mmの穴中で加圧成型し、
リチウムイオン伝導性固体電解質の層を作製した。続い
てこの試料層の両側に電極として二硫化チタン粉末を入
れ、試料層の両側から圧接した。更に集電体としてステ
ンレス板を二硫化チタン層に接合し、リード線を取り出
した。イオン伝導度の測定は、交流インピーダンス法に
より100kHz〜1Hzの周波数範囲で測定した。
【0013】この結果得られた、25℃におけるイオン
伝導度を図1に示す。図1において、縦軸は電気伝導度
(S・cm-1)、横軸はガラス組成(重量%)を意味す
る。LiTi2(PO43のみのイオン伝導度は10-9
S/cm台であり、引例1あるいは引例2で報告された
値に比べて極めて低い値であった。本実施例において
は、加圧成型のみによりLiTi2(PO43を成型し
ているために、その粒界抵抗が極めて高いものとなって
いることが原因と考えられる。LiTi2(PO43
0.01Li3PO4−0.63Li2S−0.36Si
2を混合することによりそのイオン伝導性は急激に上
昇し、50重量%混合することで10-4S/cmの高い
イオン伝導性を示した。以上のことから、本発明による
と焼結過程を経ることなく、高いイオン伝導性をもつ固
体電解質層を作製することのできるリチウムイオン伝導
性固体電解質を得ることができることがわかった。
【0014】実施例2 リチウムとチタンを含有するリン酸塩としてLi1.3
0.3Ti1.7(PO4 3を、リチウムイオン伝導性非晶
質固体電解質として0.67Li2S−0.33P25
で表される硫化物ガラスを用い、下記の方法でリチウム
イオン伝導性固体電解質を得た。Li1.3Al0.3Ti
1.7(PO43は、下記の方法により合成した。出発物
質としてはLi2CO3,Al23,TiO2,P25
用い、化学量論比で混合した後、1000℃で2時間予
備焼成した。焼成後の粉末を加圧成型し、1000℃で
2時間焼成した。合成物の同定は粉末X線回折により行
い、得られた物質がLiTi2(PO4 3(JCPDS
35−0754)と同じ結晶構造を有するLi1.3Al
0.3Ti1.7(PO43であることを確認した。次に、リ
チウムイオン伝導性非晶質固体電解質の原材料として、
硫化リチウム(Li2S)と硫化リン(P25)をモル
比で0.67:0.33の割合で混合した。この混合物
を石英管中に封入し、900℃で溶融の後、石英管を水
中に落とし込み急冷し、0.67Li2S−0.33P2
5で表される非晶質固体電解質を得た。このようにし
て得たLi1.3Al0.3Ti1.7(PO43と0.67L
2S−0.33P25とを、様々な重量比で焼結させ
ることなく混合し、実施例1と同様の方法でイオン伝導
度を測定した。この結果、Li1.3Al0.3Ti1.7(P
43のイオン伝導度は10-7S/cm以下の低いもの
であり、引例1で報告された値(10-3S/cm)に比
べて極めて低い値であった。引例1では焼結体のイオン
伝導度を測定しており、焼結体の空隙率は4.1%と低
いものである。それに対して、本実施例においては、加
圧成型のみによりLi1.3Al0.3Ti1.7(PO43
成型しており、空隙率を計算したところ27%であり、
粒界抵抗が極めて高いことに加え、この空隙がイオン伝
導性を阻害しているものと考えられた。それに対し、L
1.3Al0.3Ti1.7(PO43に0.67Li2S−
0.33P25を焼結させることなく混合することによ
りそのイオン伝導性は急激に上昇し、75重量%混合す
ることで10-4S/cm台の高いイオン伝導性を示し
た。以上のことから、本発明によると焼結過程を経るこ
となく、高いイオン伝導性をもつ固体電解質層を作製す
ることのできる、リチウムイオン伝導性固体電解質を得
ることができることがわかった。
【0015】なお、本発明の実施例においては、リチウ
ムとチタンを含有するリン酸塩としてLiTi2(P
43、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO43についての
み説明を行ったが、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO43
やLiTi2(PO43−Li3BO3など、本発明の実
施例では説明を行わなかったリチウムとチタンを含有す
るリン酸塩についても同様の効果が得られることはいう
までもなく、本発明はこれら実施例で説明を行ったリチ
ウムとチタンを含有するリン酸塩に限定されるものでは
ない。また、本発明の実施例においては、リチウムとチ
タンを含有するリン酸塩に混合するリチウムイオン伝導
性非晶質固体電解質として、0.01Li3PO4−0.
63Li2S−0.36SiS2などについてのみ説明を
行ったが、これら実施例で説明したものと組成の異なる
もの、あるいは、Li3BO3−Li2S−SiS2、Si
2−B23、LiI−Li2S−SiS2など本発明の
実施例では説明を行わなかったリチウムイオン伝導性非
晶質固体電解質についても同様の効果が得られることは
いうまでもなく、本発明はこれら実施例で説明を行った
リチウムイオン伝導性非晶質固体電解質に限定されるも
のではない。
【0016】
【発明の効果】リチウムとチタンを含有するリン酸塩に
リチウムイオン伝導性非晶質固体電解質を混合すること
で、焼結過程を経ることなく高いイオン伝導性を有する
電解質層を作製することのできる、リチウムイオン伝導
性固体電解質を得ることができた。更に、リチウムとチ
タンを含有するリン酸塩として、Li1+xTi2-xMex
(PO43(0≦x≦0.5、Meは、Al、Cr、G
a、Fe、Sc、In、Y、Laより選ばれる少なくと
も1種の金属イオン)を用いることで、焼結過程を経る
ことなく高いイオン伝導性を有する電解質層を作製する
ことのできる、リチウムイオン伝導性固体電解質を得る
ことができた。また、リチウムイオン伝導性非晶質固体
電解質として、硫化物を主体としてなるリチウムイオン
伝導性非晶質固体電解質を用いることで、焼結過程を経
ることなく高いイオン伝導性を有する電解質層を作製す
ることのできる、リチウムイオン伝導性固体電解質を得
ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例で示したリチウムイオン伝導
性固体電解質における、LiTi2(PO43と0.0
1Li3PO4−0.63Li2S−0.36SiS2の混
合比率と、イオン伝導性の関係を示した図である。
フロントページの続き (71)出願人 000003296 電気化学工業株式会社 東京都千代田区有楽町1丁目4番1号 (72)発明者 高田 和典 茨城県つくば市並木1丁目1番地 科学技 術庁 無機材質研究所内 (72)発明者 近藤 繁雄 茨城県つくば市並木1丁目1番地 科学技 術庁 無機材質研究所内 (72)発明者 渡辺 遵 茨城県つくば市並木1丁目1番地 科学技 術庁 無機材質研究所内 (72)発明者 稲田 太郎 東京都町田市旭町3丁目5番1号 電気化 学工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 梶山 亮尚 広島県大竹市明治新開1番4号 戸田工業 株式会社大竹創造センター内 (72)発明者 高口 勝 京都府京都市南区吉祥院西ノ庄猪之馬場町 1番地 日本電池株式会社内 Fターム(参考) 5G301 CA01 CA05 CA12 CA15 CA16 CA19 CA25 CA26 CA30 CD01 CE10 5H024 BB07 DD17 EE06 EE07 FF22 FF31 HH01 5H029 AJ06 AM12 CJ08 DJ09 DJ18 EJ05 EJ07 HJ02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムとチタンを含有するリン酸塩
    と、リチウムイオン伝導性非晶質固体電解質とを、焼結
    させることなく混合してなることを特徴とするリチウム
    イオン伝導性固体電解質。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のリチウムとチタンを含有
    するリン酸塩が、Li1+xTi2-xMex(PO43(0
    ≦x≦0.5、Meは、Al、Cr、Ga、Fe、S
    c、In、Y、Laより選ばれる少なくとも1種の金属
    イオン)で表されることを特徴とする請求項1記載のリ
    チウムイオン伝導性固体電解質。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のリチウムイオン伝導性非
    晶質固体電解質が、硫化物を主体としてなることを特徴
    とする請求項1記載のリチウムイオン伝導性固体電解
    質。
JP2000134106A 2000-05-08 2000-05-08 リチウムイオン伝導性固体電解質 Pending JP2001319520A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000134106A JP2001319520A (ja) 2000-05-08 2000-05-08 リチウムイオン伝導性固体電解質

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000134106A JP2001319520A (ja) 2000-05-08 2000-05-08 リチウムイオン伝導性固体電解質

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001319520A true JP2001319520A (ja) 2001-11-16

Family

ID=18642448

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000134106A Pending JP2001319520A (ja) 2000-05-08 2000-05-08 リチウムイオン伝導性固体電解質

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001319520A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6818356B1 (en) 2002-07-09 2004-11-16 Oak Ridge Micro-Energy, Inc. Thin film battery and electrolyte therefor
JP2006185913A (ja) * 2004-12-02 2006-07-13 Ohara Inc 全固体リチウムイオン二次電池および固体電解質
US7410730B2 (en) 2002-07-09 2008-08-12 Oak Ridge Micro-Energy, Inc. Thin film battery and electrolyte therefor
JP2013045738A (ja) * 2011-08-26 2013-03-04 Toyota Motor Corp 固体電解質焼結体、及びその製造方法、並びに全固体リチウム電池
JP2013114764A (ja) * 2011-11-25 2013-06-10 Sony Corp リチウムイオン電池およびセパレータ、並びに電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム
JP2015145335A (ja) * 2009-10-16 2015-08-13 ジュート−ヘミー イーペー ゲーエムベーハー ウント コー カーゲーSued−Chemie Ip Gmbh & Co. Kg 純粋相リン酸リチウムアルミニウムチタンおよびその製造方法ならびにその使用
WO2016157751A1 (ja) * 2015-03-31 2016-10-06 ソニー株式会社 リチウムイオン伝導体、固体電解質層、電極、電池および電子機器

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6818356B1 (en) 2002-07-09 2004-11-16 Oak Ridge Micro-Energy, Inc. Thin film battery and electrolyte therefor
US7410730B2 (en) 2002-07-09 2008-08-12 Oak Ridge Micro-Energy, Inc. Thin film battery and electrolyte therefor
JP2006185913A (ja) * 2004-12-02 2006-07-13 Ohara Inc 全固体リチウムイオン二次電池および固体電解質
JP2015145335A (ja) * 2009-10-16 2015-08-13 ジュート−ヘミー イーペー ゲーエムベーハー ウント コー カーゲーSued−Chemie Ip Gmbh & Co. Kg 純粋相リン酸リチウムアルミニウムチタンおよびその製造方法ならびにその使用
JP2013045738A (ja) * 2011-08-26 2013-03-04 Toyota Motor Corp 固体電解質焼結体、及びその製造方法、並びに全固体リチウム電池
JP2013114764A (ja) * 2011-11-25 2013-06-10 Sony Corp リチウムイオン電池およびセパレータ、並びに電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム
WO2016157751A1 (ja) * 2015-03-31 2016-10-06 ソニー株式会社 リチウムイオン伝導体、固体電解質層、電極、電池および電子機器
KR20170133316A (ko) * 2015-03-31 2017-12-05 소니 주식회사 리튬 이온 전도체, 고체 전해질층, 전극, 전지 및 전자 기기
JPWO2016157751A1 (ja) * 2015-03-31 2018-01-25 株式会社村田製作所 リチウムイオン伝導体、固体電解質層、電極、電池および電子機器
US10770750B2 (en) 2015-03-31 2020-09-08 Murata Manufacturing Co., Ltd. Lithium ion conductor, solid electrolyte layer, electrode, battery, and electronic device
KR102160330B1 (ko) 2015-03-31 2020-09-25 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 리튬 이온 전도체, 고체 전해질층, 전극, 전지 및 전자 기기

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109417194B (zh) 锂二次电池用硫化物系固体电解质
JP5358825B2 (ja) 全固体電池
KR102410194B1 (ko) 나트륨 이온 전지용 전극합재, 그 제조 방법 및 나트륨 전고체 전지
Minami et al. Electrical and electrochemical properties of glass–ceramic electrolytes in the systems Li2S–P2S5–P2S3 and Li2S–P2S5–P2O5
JP5721540B2 (ja) リチウムイオン伝導性無機物質
JP5484928B2 (ja) 全固体電池
JP6164812B2 (ja) 全固体リチウムイオン二次電池
JP5299860B2 (ja) 全固体電池
KR101862665B1 (ko) 펄스 전류 소결 방식에 의한 고체 상태의 배터리 제조 방법
WO2013099834A1 (ja) 硫化物系固体電解質
JP5304168B2 (ja) 全固体電池
Park et al. Electrochemical properties of composite cathode using bimodal sized electrolyte for all-solid-state batteries
JP7394757B2 (ja) 非晶質固体電解質およびそれを用いた全固体二次電池
WO2000028608A1 (fr) Pile secondaire au lithium
JP2010529593A (ja) リチウムイオン電池用のリチウムリン酸鉄正極活物質及びその調製方法
WO2014141456A1 (ja) 固体電解質及びそれを用いた全固体型イオン二次電池
JP2014229579A (ja) リチウムイオン伝導性無機固体複合体
JP3012211B2 (ja) リチウムイオン伝導性ガラスセラミックスおよびこれを用いた電池、ガスセンサー
CN104769758A (zh) 全固体离子二次电池
JP2013045738A (ja) 固体電解質焼結体、及びその製造方法、並びに全固体リチウム電池
EP2058881B1 (en) All-solid-state cell
JPH11157872A (ja) リチウムイオン伝導性ガラスセラミックスおよびこれを用いた電池、ガスセンサー
Liang et al. High lithium-ion conductivity in all-solid-state lithium batteries by Sb doping LLZO
JP2001319520A (ja) リチウムイオン伝導性固体電解質
Yang et al. Inorganic All‐Solid‐State Sodium Batteries: Electrolyte Designing and Interface Engineering

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20051213