JP2004303738A - ガラスセラミックス複合電解質、及びリチウム二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 リチウムイオン伝導性のガラスセラミックス粉体を含有する媒体中に非水系電解液を含浸してなるガラスセラミックス複合電解質、およびその複合電解質と、正極、負極、とを備えたリチウム二次電池。ガラスセラミックス粉体は平均粒径20μm以下(体積分率)、かつ最大粒径が44μm以下であり、リチウムイオン伝導度1×10-4S・cm-1以上の粒子からなる。ガラスセラミックス複合電解質の厚さは100μm以下であり、リチウムイオン伝導度は1×10-5S・cm-1以上である。
【選択図】 なし
Description
オロメタンスルホン酸イミドリチウム(LiN(CF3SO2)2)等のリチウム化合物を用いることができる。
リチウムイオン伝導性ガラスセラミックス粉体の作製
原料としてNH4H2PO4、Al(PO3)3、Li2CO3、SiO2、TiO2を使用し、これらを酸化物換算のmol%でP2O5を35.0%、Al2O3を7.5%、Li2Oを15.0%、TiO2を38.0%、SiO2を4.5%といった組成になるように秤量して均一に混合した後に、白金ポットに入れ、電気炉中1500℃でガラス融液を撹拌しながら2時間加熱熔解した。その後、ガラス融液を水中に直接キャストし、母ガラスを得た。この母ガラスを950℃で12時間の熱処理を行うことにより、目的のガラスセラミックスを得た。析出した結晶相は粉末X線回折法により、Li1+x+yAlxTi2-xSiyP3-yO12(0≦x≦0.4、0<y≦0.6)が主結晶相であることが確認された。そのガラスセラミックスのイオン伝導度は、25℃の室温において1.4×10-3S・cm-1であった。このガラスセラミックスを、遊星ボールミルを用いて粉砕した後に分級を行ない、平均粒径7μmのリチウムイオン伝導性ガラスセラミックス粉体を得た。
ポリビニリデンフルオライド(PVdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)および上記リチウムイオン伝導性ガラスセラミックスのそれぞれの粉体を35:40:25の質量比でアセトンに20質量%投入し、アセトン懸濁液を調製した。この液をキャスティング法により成膜した後、真空乾燥させて厚さ50μmのシート状ガラスセラミックス複合媒体を作製した。
エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)を50:50の質量比で混合した溶媒にヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を1mol/Lの濃度で溶解して、非水系電解液とした。
上記ガラスセラミックス複合媒体を、室温で上記非水系電解液に10分間浸漬することによって、ゲル状物からなるシート状の複合電解質を得た。
この得られた複合電解質を2枚のステンレスシートで挾み込み、これらのステンレスシートを電極として、リチウムイオン伝導度測定用の試料を作製した。室温におけるインピーダンス測定を行ない、イオン伝導度を求めた結果、イオン伝導度は、3.1×10-4S・cm-1であった。
媒体の作製時に、リチウムイオン伝導性ガラスセラミックスの替わりに、表面修飾されたフュームドシリカ(SiO2)を同量加えたこと以外は、実施例1と同様にシート状複合電解質を作製し、同様にイオン伝導度を求めた。その結果、イオン伝導度は、1.7×10-4S・cm-1であった。
次に、正極、負極、及びセパレータとしてガラスセラミックス複合電解質とを備えたリチウム二次電池の作製例を説明する。
正極の作製には、正極材料として市販のコバルト酸リチウム(LiCoO2)、導電剤としてアセチレンブラック、結着剤としてフッ素樹脂粉末(ポリビニリデンフルオライド(PVdF))を用いた。質量比で82:10:8のコバルト酸リチウム、アセチレンブラック、及びポリビニリデンフルオライドを、アセトンを用いて混合し、次に、キャスティング法により、この混合物を厚さ10μmのアルミニウム箔上に塗布した。更に、これを100℃の温度で乾燥させた。これにより、正極集電体(アルミニウム箔)上に厚さが約100μmのシート状の正極を作製した。
負極の作製には、負極材料として市販の10μmの黒鉛粉末、結着剤としてフッ素樹脂(ポリビニリデンフルオライド(PVdF))を用いた。質量比で92:8の黒鉛粉末とポリビニリデンフルオライドを、アセトンを用いて混合し、次に、キャスティング法により、この混合物を厚さ10μmの銅箔上に塗布した。更に、これを100℃の温度で乾燥させた。これにより、負極集電体(銅箔)上に厚さが約100μmのシート状の負極を作製した。
実施例1と同様にシート状のガラスセラミックス複合媒体を作製した。
実施例1と同様に非水系電解液を調製した。
上記の正極、負極の間にセパレータとして上記のシート状ガラスセラミックス複合媒体を挾み込んで、ダブルローラーラミネータによって接着し、正極集電体、正極、ガラスセラミックス複合媒体、負極、負極集電体の5層構造体を組み立てた。この5層構造体を、室温で上記非水系電解液に10分間浸漬して、ガラスセラミックス複合媒体に非水系電解液を含浸させて複合電解質とし、セパレータとしてこの複合電解質を備えたリチウム二次電池を作製した。非水系電解液の含浸量は複合電解質の質量の約60%であった。このリチウム二次電池の構造を図1に示す。図1のリチウム二次電池において、1は正極集電体、2は正極、3はガラスセラミックス複合電解質、4は負極、5は負極集電体を示す。1層が8cm2のこのリチウム二次電池をさらに6層積層させて、400mAh級のリチウム二次電池を組み上げ、室温25℃において定電流で充放電サイクル試験を行った。この試験では、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3.0V、充電速度10mA/cm2とし、電池の放電容量を測定した。なお、このリチウム二次電池のエネルギー容量は1480mWhであった。
媒体の作製時に、リチウムイオン伝導性ガラスセラミックス粉体の替わりに、表面修飾された粉末状のフュームドシリカ(SiO2)を同量加えたこと以外は、実施例2と同様にリチウム二次電池を作製し、同条件にて充放電サイクル試験を行い、電池の放電容量を測定した。
実施例2と同様に複合電解質を備えたリチウム二次電池を組み立て、同じく室温25℃において充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3.0Vの条件下の充放電サイクル試験を実施例2に比較して3倍の急速充電を適用して行った。
比較例2と同様にリチウム二次電池を組み立て、同じく室温25℃において充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3.0Vの同じ条件下の充放電サイクル試験を実施例2に比較して3倍の急速充電を適用して行った。
また、実施例3及び比較例3で得られた電池それぞれの充放電サイクルに伴う放電容量の変化を図3に示した。
実施例2と同様に複合電解質を備えたリチウム二次電池を組み立て、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3.0Vの同じ条件下の充放電サイクル試験において作動温度を変化させて行った。試験は、-10℃、0℃、25℃、50℃、75℃の各温度で行った。
比較例2と同様にリチウム二次電池を組み立て、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3.0Vの同じ条件下の充放電サイクル試験において作動温度を変化させて行った。試験は、-10℃、0℃、25℃、50℃、75℃の各温度で行った。
媒体の作製時に、可塑剤として用いていたヘキサフルオロプロピレンHFPを使用せずに、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)とリチウムイオン伝導性ガラスセラミックスのそれぞれの粉体を60:40の質量比で同様にアセトン懸濁液とし、シート状ガラスセラミックス複合媒体を作製したこと以外は、実施例2と同様に複合電解質を備えたリチウム二次電池を作製した。非水系電解液の含浸量は複合電解質の質量の約18%であった。
媒体の作製時に、リチウムイオン伝導性ガラスセラミックス粉体の替わりに、表面修飾された粉末状のフュームドシリカ(SiO2)を同量加えたこと以外は、実施例5と同様に電池を作製した。
2:正極
3:ガラスセラミックス複合電解質
4:負極
5:負極集電体
Claims (6)
- リチウムイオン伝導性のガラスセラミックス粉体を含有する媒体中に非水系電解液を含浸してなり、イオン伝導度が1×10−5S・cm−1以上であるガラスセラミックス複合電解質。
- 該ガラスセラミックス粉体は平均粒径20μm以下(体積分率)、かつ最大粒径が44μm以下であり、リチウムイオン伝導度1×10-4S・cm-1以上の粒子からなる請求項1記載の複合電解質。
- 該媒体はシート状高分子材料にガラスセラミックス粉体を含有してなる請求項1又は2記載の複合電解質。
- 厚さ100μm以下であり、イオン伝導度1×10-5S・cm-1以上である請求項1から3のうちいずれか一項記載の複合電解質。
- 該媒体中におけるガラスセラミックス粉体の含有量が10〜90質量%である請求項1から4のうちいずれか一項記載の複合電解質。
- 正極、負極、及びセパレータを備えたリチウム二次電池であって、該セパレータは請求項1から5のうちいずれか一項記載の複合電解質からなるリチウム二次電池。
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JP2000173654A (ja) * | 1998-12-04 | 2000-06-23 | Toshiba Battery Co Ltd | ポリマーリチウム二次電池 |
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