JP2006185673A - 電子デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 導電性高分子を用いた透明導電膜の導電性および光透過率が良好であり、しかも低コスト化が可能な電子デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】 導電性高分子を含む透明導電膜23を形成する成膜工程と、透明導電膜23の一部に紫外線4を照射することによって、照射部分を第2の領域22とし、非照射部分を第1の領域21とする紫外線照射工程とを有し、この紫外線照射工程において、紫外線4は、導電性高分子の吸収スペクトルにおける吸光度がバックグラウンドに対し2倍以上となる吸収を示す波長を含む。
【選択図】 図2
【解決手段】 導電性高分子を含む透明導電膜23を形成する成膜工程と、透明導電膜23の一部に紫外線4を照射することによって、照射部分を第2の領域22とし、非照射部分を第1の領域21とする紫外線照射工程とを有し、この紫外線照射工程において、紫外線4は、導電性高分子の吸収スペクトルにおける吸光度がバックグラウンドに対し2倍以上となる吸収を示す波長を含む。
【選択図】 図2
Description
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス装置(有機EL装置)、タッチパネル等の電子デバイスを製造する方法に関する。
従来、導電性高分子を含む透明導電膜からなる配線部を備えた透明導電回路基板を用いた電子デバイスが広く用いられている(例えば特許文献1を参照)。
前記配線部は、通常、導電性高分子を水に分散させたペーストを、スクリーン印刷やインクジェット印刷によって、所定の形状(例えば線状)となるよう基板上に印刷することにより形成される。
特開2002−222056号公報
前記配線部は、通常、導電性高分子を水に分散させたペーストを、スクリーン印刷やインクジェット印刷によって、所定の形状(例えば線状)となるよう基板上に印刷することにより形成される。
しかしながら、導電性高分子を用いて配線部を形成する際には、配線部の形状が不完全になることがあった。これは、前記ペーストの性状(粘度等)に起因して、ペーストに気泡が混入したり、ペーストが基板上で滲んだり、基板がペーストをはじくことによって、配線部の形状が乱れるためである。
配線部の形状が不完全になった場合には、配線部の電気抵抗値が不安定になることがあった。
塗布したペースト上に重ねてペーストを塗布することによって配線部の形状を整えることは可能であるが、この場合には、配線部が厚くなり、透明性が低下してしまう。また、工程が多くなるため、コスト面で不利になるという問題があった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、導電性高分子を用いた透明導電膜の導電性および光透過率が良好であり、しかも低コスト化が可能な電子デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
配線部の形状が不完全になった場合には、配線部の電気抵抗値が不安定になることがあった。
塗布したペースト上に重ねてペーストを塗布することによって配線部の形状を整えることは可能であるが、この場合には、配線部が厚くなり、透明性が低下してしまう。また、工程が多くなるため、コスト面で不利になるという問題があった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、導電性高分子を用いた透明導電膜の導電性および光透過率が良好であり、しかも低コスト化が可能な電子デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る電子デバイスの製造方法は、基材上に、導電性高分子を含む透明導電膜を備え、この透明導電膜が、第1の領域と、この第1の領域に隣接し第1の領域より電気抵抗値が高い第2の領域とを有する電子デバイスを製造する方法であって、基材上に、導電性高分子を含む透明導電膜を形成する成膜工程と、前記透明導電膜の一部に、紫外線を照射することによって、照射部分を前記第2の領域とし、非照射部分を前記第1の領域とする紫外線照射工程とを有し、この紫外線照射工程において、前記紫外線が、導電性高分子の吸収スペクトルにおける吸光度がバックグラウンドに対し2倍以上となる吸収を示す波長を含むことを特徴とする。
本発明の請求項2に係る電子デバイスの製造方法は、請求項1において、前記紫外線照射工程に先だって、前記透明導電膜を乾燥し硬化させる硬化工程を有することを特徴とする。
本発明の請求項2に係る電子デバイスの製造方法は、請求項1において、前記紫外線照射工程に先だって、前記透明導電膜を乾燥し硬化させる硬化工程を有することを特徴とする。
本発明では、紫外線照射工程で透明導電膜に照射する紫外線が、導電性高分子の吸収スペクトルにおける吸光度がバックグラウンドに対し2倍以上となる吸収を示す波長を含むので、照射部の導電性を効率よく低下させることができる。
このため、短時間の紫外線照射により第1の領域および第2の領域を形成することができる。よって、生産効率を高め、製造コスト低減を図ることができる。
また、短時間の紫外線照射により第1の領域および第2の領域を形成することができるため、非照射部である第1の領域の導電性が紫外線により低下するのを防ぐことができる。
従って、導電性が良好な第1の領域を形成することができる。
このため、短時間の紫外線照射により第1の領域および第2の領域を形成することができる。よって、生産効率を高め、製造コスト低減を図ることができる。
また、短時間の紫外線照射により第1の領域および第2の領域を形成することができるため、非照射部である第1の領域の導電性が紫外線により低下するのを防ぐことができる。
従って、導電性が良好な第1の領域を形成することができる。
また、紫外線照射によって、透明導電膜に第1の領域および第2の領域を形成するので、印刷により配線部を形成する従来技術に比べ、滲みなどによる配線部の形成不良が起きることがなく、正確な形状の第1の領域を形成することができる。
従って、第1の領域(配線部)の導電性を良好にすることができる。
さらには、第1の領域の形状を正確にすることができるため、第1の領域の導電性を低下させずに透明導電膜を薄く形成できる。
従って、透明導電膜の光透過性を高めることができる。
従って、第1の領域(配線部)の導電性を良好にすることができる。
さらには、第1の領域の形状を正確にすることができるため、第1の領域の導電性を低下させずに透明導電膜を薄く形成できる。
従って、透明導電膜の光透過性を高めることができる。
図1は、本発明の製造方法によって得られる透明導電回路基板の一例を示す一部断面図である。
透明導電回路基板11は、基材1上に、導電性高分子を含む透明導電膜2を備えている。
基材1は、透明な材料、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)からなり、板状またはフィルム状に形成されている。
透明導電回路基板11は、基材1上に、導電性高分子を含む透明導電膜2を備えている。
基材1は、透明な材料、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)からなり、板状またはフィルム状に形成されている。
透明導電膜2は、紫外線の照射によって電気抵抗値が上昇する性質を有する導電性高分子を含む材料からなる。
透明導電膜2は、第1の領域21と、第1の領域21に隣接して形成された第2の領域22とを有する。
第1の領域21は、電気抵抗値が比較的低い低抵抗領域である。第1の領域21の電気抵抗値(表面抵抗)は、例えば103Ω/□以下とすることができる。
第1の領域21は、透明導電回路を構成する配線部20となっている。
第1の領域21の形状は、特に限定されないが、一定幅の線状とすることができる。
透明導電膜2は、第1の領域21と、第1の領域21に隣接して形成された第2の領域22とを有する。
第1の領域21は、電気抵抗値が比較的低い低抵抗領域である。第1の領域21の電気抵抗値(表面抵抗)は、例えば103Ω/□以下とすることができる。
第1の領域21は、透明導電回路を構成する配線部20となっている。
第1の領域21の形状は、特に限定されないが、一定幅の線状とすることができる。
第2の領域22は、第1の領域21より電気抵抗値が高い高抵抗領域である。
第2の領域22の電気抵抗値(表面抵抗)は、第1の領域21の電気抵抗値の104倍以上(好ましくは105倍以上)とするのが好ましい。具体的には、108Ω/□以上とすることができる。
第2の領域22の電気抵抗値を、第1の領域21の電気抵抗値の104倍以上とすることによって、隣り合う配線部20間の絶縁性を高め、しかも配線部20の導電性を良好にすることができる。
第2の領域22の電気抵抗値(表面抵抗)は、第1の領域21の電気抵抗値の104倍以上(好ましくは105倍以上)とするのが好ましい。具体的には、108Ω/□以上とすることができる。
第2の領域22の電気抵抗値を、第1の領域21の電気抵抗値の104倍以上とすることによって、隣り合う配線部20間の絶縁性を高め、しかも配線部20の導電性を良好にすることができる。
導電性高分子としては、ポリチオフェン系導電性高分子が好ましい。
ポリチオフェン系導電性高分子としては、例えば、式(1)に示すポリチオフェン系高分子からなる主鎖を有する未ドープの高分子に、ヨウ素等のハロゲン、あるいは他の酸化剤をドープして、これにより前記高分子を部分酸化して、カチオン構造を形成させたものを用いることができる。
ポリチオフェン系導電性高分子としては、例えば、式(1)に示すポリチオフェン系高分子からなる主鎖を有する未ドープの高分子に、ヨウ素等のハロゲン、あるいは他の酸化剤をドープして、これにより前記高分子を部分酸化して、カチオン構造を形成させたものを用いることができる。
式(1)において、基R1、R2は、それぞれ互いに独立に選択することができ、選択肢としては、水素原子;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子;シアノ基;メチル、エチル、プロピル、ブチル(n−ブチル)、ペンチル(n−ペンチル)、ヘキシル、オクチル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシルなどの直鎖アルキル基;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチルなどの分枝のあるアルキル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシなどの直鎖もしくは分枝のあるアルコキシ基;ビニル、プロペニル、アリル、ブテニル、オレイルなどのアルケニル基、エチニル、プロピニル、ブチニルなどのアルキニル基;メトキシメチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、3−エトキシプロピルなどのアルコキシアルキル基;C2H5O(CH2CH2O)mCH2CH2基(mは1以上の整数)、CH3O(CH2CH2O)mCH2CH2基(mは1以上の整数)などのポリエーテル基;フルオロメチル基等、前記置換基のフッ素等のハロゲン置換誘導体等が例示される。
導電性高分子は、主鎖にπ−共役結合を含むものが好ましい。
導電性高分子は、主鎖にπ−共役結合を含むものが好ましい。
ポリチオフェン系導電性高分子としては、3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)が好ましい。特に、PEDOTをポリスチレンスルホン酸(PSS)でドーピングしたPEDOT−PSSが好ましい。
PEDOT−PSSからなる導電膜は、例えば次のようにして作製できる。
3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマーにFe(III)トリス−p−トルエンスルフォネート溶液、イミダゾールの1−ブタノール溶液を加え、これを基材上に塗布し、加熱し乾燥した後、メタノール中でリンスしFe(II)ビス−p−トルエンスルフォネートを除去する。
PEDOT−PSSからなる導電膜は、例えば次のようにして作製できる。
3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマーにFe(III)トリス−p−トルエンスルフォネート溶液、イミダゾールの1−ブタノール溶液を加え、これを基材上に塗布し、加熱し乾燥した後、メタノール中でリンスしFe(II)ビス−p−トルエンスルフォネートを除去する。
ポリチオフェン系導電性高分子として使用可能な市販品としては、スタルクヴィテック株式会社製BaytronP、長瀬産業株式会社製Denatron#5002LA、アグファゲバルト社製OrgaconS300を挙げることができる。
次に、透明導電回路基板11を製造する方法を説明する。
図2(a)に示すように、基材1上に、その全面にわたって導電性高分子を含む原料液を塗布することなどによって、ほぼ一定厚さの透明導電膜23を形成し、導電基板10を得る(成膜工程)。
原料液の塗布は、ディップコート、スピンコート、バーコート等によって行うことができる。なお、透明導電膜23は塗布以外の方法によって形成してもよい。
図2(a)に示すように、基材1上に、その全面にわたって導電性高分子を含む原料液を塗布することなどによって、ほぼ一定厚さの透明導電膜23を形成し、導電基板10を得る(成膜工程)。
原料液の塗布は、ディップコート、スピンコート、バーコート等によって行うことができる。なお、透明導電膜23は塗布以外の方法によって形成してもよい。
図3は、透明導電膜23に使用できる導電性高分子の紫外線吸収スペクトルの一例を示すものである。この図に示すように、この導電性高分子の吸光度は、波長約240nmで最大(極大)となり、500nm以上の範囲においてほぼ定常値(バックグラウンド)となっている。
図2(b)に示すように、透明導電膜23に紫外線4を照射する。
この際、透明導電膜23に、非透過部31と透過部32とを有するマスク3を施し、マスク3を介して紫外線4を照射する(紫外線照射工程)。
紫外線4としては、この吸収スペクトルにおける吸光度がバックグラウンドに対し2倍以上(好ましくは2.5倍以上)となる吸収を示す波長を含むものを用いる。
図3に示す例では、バックグラウンドの吸光度は、0.18であるため、バックグラウンドの2倍に相当する吸光度は0.36である。吸光度が0.36以上に相当する吸収を示す波長の下限値λ1は225nmであり、上限値λ2は300nmである。
すなわち、紫外線4としては、波長225〜300nmを含むものを用いる。また、吸光度がバックグラウンドに対し2.5倍以上となる吸収を示す波長は、230〜280nmである。
紫外線4の強度は100mW以上が好ましく、照射時間は30秒以上が好ましい。
この際、透明導電膜23に、非透過部31と透過部32とを有するマスク3を施し、マスク3を介して紫外線4を照射する(紫外線照射工程)。
紫外線4としては、この吸収スペクトルにおける吸光度がバックグラウンドに対し2倍以上(好ましくは2.5倍以上)となる吸収を示す波長を含むものを用いる。
図3に示す例では、バックグラウンドの吸光度は、0.18であるため、バックグラウンドの2倍に相当する吸光度は0.36である。吸光度が0.36以上に相当する吸収を示す波長の下限値λ1は225nmであり、上限値λ2は300nmである。
すなわち、紫外線4としては、波長225〜300nmを含むものを用いる。また、吸光度がバックグラウンドに対し2.5倍以上となる吸収を示す波長は、230〜280nmである。
紫外線4の強度は100mW以上が好ましく、照射時間は30秒以上が好ましい。
図2(c)に示すように、透過部32を通して紫外線4が照射された部分(照射部)は、導電性が低下し、高抵抗領域である第2の領域22となる。
非透過部31によって紫外線4が遮られた部分(非照射部)は、導電性の低下が起こらず、低抵抗領域である第1の領域21となる。
紫外線4の照射方向が透明導電膜23に対しほぼ垂直である場合には、領域21、22は、断面略矩形となる。
以上の操作によって、図1に示す透明導電回路基板11が得られる。
非透過部31によって紫外線4が遮られた部分(非照射部)は、導電性の低下が起こらず、低抵抗領域である第1の領域21となる。
紫外線4の照射方向が透明導電膜23に対しほぼ垂直である場合には、領域21、22は、断面略矩形となる。
以上の操作によって、図1に示す透明導電回路基板11が得られる。
上記製造方法は、紫外線照射工程で透明導電膜23に照射する紫外線4が、上記吸光度がバックグラウンドに対し2倍以上となる吸収を示す波長を含むので、照射部の導電性を効率よく低下させることができる。
このため、短時間の紫外線照射により第1の領域21および第2の領域22を形成することができる。よって、生産効率を高め、製造コスト低減を図ることができる。
このため、短時間の紫外線照射により第1の領域21および第2の領域22を形成することができる。よって、生産効率を高め、製造コスト低減を図ることができる。
また、短時間の紫外線照射により第1の領域21および第2の領域22を形成することができるため、非照射部である第1の領域21の導電性が紫外線4により低下するのを防ぐことができる。従って、配線部20の導電性を良好にすることができる。
また、紫外線照射によって、透明導電膜2に第1の領域21および第2の領域22を形成するので、印刷により配線部を形成する従来技術に比べ、滲みなどによる配線部の形成不良が起きることがなく、正確な形状の第1の領域21を形成することができる。
従って、配線部20の導電性を良好にすることができる。また、幅が狭い配線部20を容易に形成することができる。
さらには、第1の領域21の形状を正確にすることができるため、第1の領域21の導電性を低下させずに透明導電膜2を薄く形成できる。
従って、透明導電膜2の光透過性を高めることができる。
従って、配線部20の導電性を良好にすることができる。また、幅が狭い配線部20を容易に形成することができる。
さらには、第1の領域21の形状を正確にすることができるため、第1の領域21の導電性を低下させずに透明導電膜2を薄く形成できる。
従って、透明導電膜2の光透過性を高めることができる。
紫外線4が照射された部分において、透明導電膜23の導電性が低下する理由は明らかではないが、次の推測が可能である。
すなわち、前記導電性高分子では、分子内の結合エネルギーが紫外線のエネルギー領域にあるため、紫外線の照射によってその結合がラジカル解裂し、その結果、導電性が低下すると考えることができる。
すなわち、前記導電性高分子では、分子内の結合エネルギーが紫外線のエネルギー領域にあるため、紫外線の照射によってその結合がラジカル解裂し、その結果、導電性が低下すると考えることができる。
前記導電性高分子としては、紫外線極大吸収波長が380nm以下、好ましくは330nm以下であるものが好適である。
極大吸収波長がこの範囲にある導電性高分子を用いると、上述の条件を満たす紫外線は比較的短波長となるため、直進性が高く、マスクを通して照射する際に拡がることがない。このため、正確な形状(例えば断面矩形状)の配線部20を形成できる。
導電性高分子の紫外線極大吸収波長は、220nm以上であることが好ましい。
紫外線極大吸収波長がこの範囲にある導電性高分子を用いると、紫外線が透明導電膜の深部に到達しやすくなる。
極大吸収波長がこの範囲にある導電性高分子を用いると、上述の条件を満たす紫外線は比較的短波長となるため、直進性が高く、マスクを通して照射する際に拡がることがない。このため、正確な形状(例えば断面矩形状)の配線部20を形成できる。
導電性高分子の紫外線極大吸収波長は、220nm以上であることが好ましい。
紫外線極大吸収波長がこの範囲にある導電性高分子を用いると、紫外線が透明導電膜の深部に到達しやすくなる。
本発明では、紫外線照射工程に先だって、透明導電膜23を乾燥し硬化させる硬化工程を行うのが好ましい。
この工程における温度条件は、例えば50〜130℃とすることができる。処理時間は1〜10分が好適である。
透明導電膜23を硬化させることによって、紫外線照射工程においてマスク3を透明導電膜2に当接させることができる。
従って、非透過部31および透過部32に正確に沿う領域21、22を形成することができる。
この工程における温度条件は、例えば50〜130℃とすることができる。処理時間は1〜10分が好適である。
透明導電膜23を硬化させることによって、紫外線照射工程においてマスク3を透明導電膜2に当接させることができる。
従って、非透過部31および透過部32に正確に沿う領域21、22を形成することができる。
透明導電回路基板11が適用される電子デバイスとしては、透明導電回路基板11上に、発光素子(図示略)が設けられた有機EL装置などの表示装置を挙げることができる。
透明導電回路基板11は、透明導電膜2の厚さを均一にすることができるため、透明導電膜2の光透過性を均一にすることができる。
このため、透明導電回路基板11を有機EL装置などの表示装置に用いる場合には、表示特性を高めることができる。
また、電子デバイスの他の例としては、透明導電回路基板11上に、空間を隔てて導電層(図示略)が設けられ、上方からの押圧によって導電層を配線部20に接触させることができるようにされたタッチパネルを挙げることができる。
透明導電回路基板11は、透明導電膜2の厚さを均一にすることができるため、透明導電膜2の光透過性を均一にすることができる。
このため、透明導電回路基板11を有機EL装置などの表示装置に用いる場合には、表示特性を高めることができる。
また、電子デバイスの他の例としては、透明導電回路基板11上に、空間を隔てて導電層(図示略)が設けられ、上方からの押圧によって導電層を配線部20に接触させることができるようにされたタッチパネルを挙げることができる。
(実施例1〜3)
長さ15cm、幅15cm、厚さ188μmのPETフィルム(東レ社製:ルミラーS10)からなる基材1上に、ポリチオフェン系導電性高分子を含む透明導電インク(長瀬産業株式会社製:Denatron#5002LA)からなる透明導電膜23を、ディップコートにより形成し、導電基板10を得た。透明導電膜23を80℃で2分間乾燥させ、硬化させた。
導電性高分子としては、図3に示す紫外線吸収スペクトルを示すものを用いた。
透明導電膜23に、幅10mmの非透過部31を有するクロムマスク3を介して紫外線4を照射し、幅10mmの第1の領域21(配線部20)と第2の領域22とを有する透明導電回路基板11を得た。
紫外線4は、カットフィルターを用いて所定波長以下の光を遮断して照射した。紫外線4の照射強度は500mW/cm2とした。
紫外線4を照射した部分の表面抵抗を経時的に測定した結果を表1に示す。
第1の領域21における表面抵抗は、いずれも800Ω/□であった。
長さ15cm、幅15cm、厚さ188μmのPETフィルム(東レ社製:ルミラーS10)からなる基材1上に、ポリチオフェン系導電性高分子を含む透明導電インク(長瀬産業株式会社製:Denatron#5002LA)からなる透明導電膜23を、ディップコートにより形成し、導電基板10を得た。透明導電膜23を80℃で2分間乾燥させ、硬化させた。
導電性高分子としては、図3に示す紫外線吸収スペクトルを示すものを用いた。
透明導電膜23に、幅10mmの非透過部31を有するクロムマスク3を介して紫外線4を照射し、幅10mmの第1の領域21(配線部20)と第2の領域22とを有する透明導電回路基板11を得た。
紫外線4は、カットフィルターを用いて所定波長以下の光を遮断して照射した。紫外線4の照射強度は500mW/cm2とした。
紫外線4を照射した部分の表面抵抗を経時的に測定した結果を表1に示す。
第1の領域21における表面抵抗は、いずれも800Ω/□であった。
(比較例1)
遮断波長が異なるカットフィルターを用いること以外は実施例1と同様にして透明導電回路基板11を作製した。
紫外線4を照射した部分の表面抵抗を経時的に測定した結果を表1に示す。
第1の領域21における表面抵抗は、800Ω/□であった。
遮断波長が異なるカットフィルターを用いること以外は実施例1と同様にして透明導電回路基板11を作製した。
紫外線4を照射した部分の表面抵抗を経時的に測定した結果を表1に示す。
第1の領域21における表面抵抗は、800Ω/□であった。
表1より、220nmを越える波長の紫外線を用いた実施例1、および260nmを越える波長の紫外線を用いた実施例2、および290nmを越える波長の紫外線を用いた実施例3では、紫外線照射部分における抵抗値が短時間で上昇したことがわかる。
これに対し、330nmを越える波長の紫外線を用いた比較例1では、抵抗値が上昇するのに比較的長時間を要した。
この結果から、吸光度がバックグラウンドに対し2倍以上となる吸収を示す波長(225〜300nm)の紫外線の照射によって、短時間で第1の領域21および第2の領域22を形成することができることがわかる。
これに対し、330nmを越える波長の紫外線を用いた比較例1では、抵抗値が上昇するのに比較的長時間を要した。
この結果から、吸光度がバックグラウンドに対し2倍以上となる吸収を示す波長(225〜300nm)の紫外線の照射によって、短時間で第1の領域21および第2の領域22を形成することができることがわかる。
本発明の電子デバイスの製造方法は、透明導電膜に良好な導電性を与えることができるため、有機EL装置、タッチパネル、集積回路などの精密な電子デバイスに適用可能である。
1・・・基材、2・・・透明導電膜、3・・・マスク、4・・・紫外線、10・・・導電基板、11・・・透明導電回路基板、20・・・配線部、21・・・第1の領域、22・・・第2の領域、31・・・非透過部、32・・・透過部
Claims (2)
- 基材上に、導電性高分子を含む透明導電膜を備え、この透明導電膜が、第1の領域と、この第1の領域に隣接し第1の領域より電気抵抗値が高い第2の領域とを有する電子デバイスを製造する方法であって、
基材上に、導電性高分子を含む透明導電膜を形成する成膜工程と、
前記透明導電膜の一部に、紫外線を照射することによって、照射部分を前記第2の領域とし、非照射部分を前記第1の領域とする紫外線照射工程とを有し、
この紫外線照射工程において、前記紫外線は、導電性高分子の吸収スペクトルにおける吸光度がバックグラウンドに対し2倍以上となる吸収を示す波長を含むことを特徴とする電子デバイスの製造方法。 - 前記紫外線照射工程に先だって、前記透明導電膜を乾燥し硬化させる硬化工程を有することを特徴とする請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
Priority Applications (8)
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