JP2006179743A - 電子部品及びその製造方法、電子部品付き配線基板 - Google Patents

電子部品及びその製造方法、電子部品付き配線基板 Download PDF

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Abstract

【課題】金属電極と誘電体層との間に剥離が生じにくく高信頼性の電子部品を提供すること。
【解決手段】本発明の電子部品10は、誘電体層21と金属電極11,31とを備えるセラミックコンデンサである。誘電体層21は、第1主面117及び第2主面118を有する。誘電体層21には、第1主面117側と第2主面118側とを連通させる連通部112が形成されている。金属電極11,31は、第1主面117側に形成された第1主面側金属層121、及び、第2主面118側に形成された第2主面側金属層122を、連通部112において接合した構造となっている。誘電体層21は、第1主面側金属層121と第2主面側金属層122とによって挟み込まれている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、誘電体層及び金属電極を備える電子部品及びその製造方法、電子部品付き配線基板に関するものである。
近年における電子機器の高性能化や小型化の要求は高く、このような要求が高まるにつれて電子部品の高密度化や高機能化に対する要求も確実に高くなってきている。それゆえ、配線基板における電子部品の実装効率を上げるために、例えば、インダクタ、コンデンサ、抵抗などの電子部品(受動部品)を内蔵した構造の配線基板などが各種提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1においては、例えば、支持体層、金属層、高誘電率材料からなる受動部品形成層、金属層を順次積層配置した構造の電子部品(即ちコンデンサ)が開示されるとともに、この電子部品を内蔵した配線基板が開示されている。また、特許文献1には、支持体層側の金属層に対して受動部品形成層を形成する方法として、例えば、高誘電率フィラーを充填・分散させた樹脂をシート状に硬化成形する方法、ゾルゲル法により無機化合物を層状に析出させる方法、溶射法などにより無機化合物の層を成膜する方法などが開示されている。
また、特許文献2においては、金属層間に誘電体層を配置した構造のコンデンサの製造方法が開示されている。このコンデンサは、金属箔上に導電性ペーストを付着させて焼成を行った後、次にその上に誘電体ペーストを塗布して焼成を行い、さらに導電性ペーストを塗布して焼成を行うことで、製造されるようになっている。
特開平2002−9416号公報(図1等) 特許第3556164号公報
ところで、一般的にこの種の電子部品においては、金属層とセラミック等からなる誘電体層との界面の密着性があまり高くないことから、しばしば当該界面にて剥離が生じやすい。
なお、特許文献2の製造方法においては、誘電体層となるべき誘電体ペーストの塗布に先立ち、金属箔上に導電性ペーストをアンダープリントすることで、金属層と誘電体層との密着性の改善を一応試みている。しかしながら、現状においては優れた密着性を実現するには至っておらず、信頼性の高い電子部品を製造することが困難であった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、金属電極と誘電体層との間に剥離が生じくいため高信頼性の電子部品及びその製造方法、電子部品付き配線基板を提供することにある。
上記課題を解決するための手段(手段1)としては、第1主面及び第2主面を有し、前記第1主面側と前記第2主面側とを連通させる連通部が形成された誘電体層と、前記第1主面側に形成された第1主面側金属層及び前記第2主面側に形成された第2主面側金属層を前記連通部において接合し、前記第1主面側金属層と前記第2主面側金属層とによって前記誘電体層を挟み込んだ構造を有する金属電極とを備えることを特徴とする電子部品がある。
従って、上記手段1の電子部品によると、第1主面側金属層及び第2主面側金属層を誘電体層の連通部において接合した結果、誘電体層と第1主面側金属層との間、誘電体層と第2主面側金属層との間に剥離が生じにくくなる。それゆえ、金属電極と誘電体層とが密着した状態となり、高信頼性の電子部品を実現することができる。
ここでいう電子部品とは、電子部品の完成品のみを指すのではなく、金属電極を後で形成する(例えば配線基板への実装後に形成する)ことではじめて完成する構成部品も含むものとする。勿論、上記電子部品における誘電体層は、1層のみであってもよいほか、2層以上であってもよい。
上記電子部品の好適例としては、いわゆる金属電極と誘電体層とを積層してなる積層電子部品を挙げることができ、その具体例としてはコンデンサなどがある。電子部品全体の厚さは特に限定されないが、例えば1μm以上100μm以下であることがよく、好ましくは5μm以上75μm以下であることがよい。全体の厚さが薄すぎると、部品単体として取り扱うことが困難になる。一方、全体の厚さが厚すぎると、配線基板の高密度化や小型化の達成を阻害するおそれがある。また、電子部品を配線基板に内蔵させる場合には、段差が発生しやすくなるため、基板表面の平滑性を確保しにくくなるおそれがある。
上記電子部品を構成する誘電体層とは、誘電率の高い無機物(例えば誘電体セラミックなど)を主成分とする層のことをいう。ここで誘電体セラミックとは、誘電率が高いセラミック(比誘電率が10以上のセラミックと定義する。)のことをいい、例えば、ペロブスカイト型結晶構造を有した複合酸化物がこれに該当する。かかる複合酸化物の具体例としては、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸鉛及びチタン酸ストロンチウムから選択される1種または2種以上にて構成された化合物を挙げることができる。
誘電体層の厚さは、例えば0.01μm以上10μm以下であることがよく、好ましくは0.1μm以上5μm以下であることがよい。例えば、電子部品がコンデンサである場合、誘電体層が薄いことは高容量化にとって好ましいが、その反面でこれが薄くなりすぎると、金属電極間に絶縁を確保しにくくなるおそれがあるからである。一方、誘電体層が厚くなりすぎると、高容量化の達成が困難になるばかりでなく、部品全体の厚さが厚くなるおそれがあり、柔軟性の欠如に起因して取扱性が低下するおそれもあるからである。
誘電体層には、前記第1主面側と前記第2主面側とを連通させる連通部が形成される。連通部の具体例としては、誘電体層の外形線よりも内側の領域に形成された貫通孔や貫通溝などであってもよいほか、誘電体層の外形線からその内側の領域に向かって形成された切欠部などであってもよい。このような連通部は誘電体層において1つまたは2つ以上形成される。第1主面側金属層及び第2主面側金属層は連通部において互いに直接接合されている。また、電子部品が2つ以上の金属電極を備えるような場合、前記連通部に、各金属電極を電気的に絶縁するための役割を担わせてもよい。
金属電極を構成する第1主面側金属層と第2主面側金属層は、誘電体層の外形線よりも内側の領域にて接合されているばかりではなく、誘電体層の少なくとも一部の周縁部において接合されていることが好ましい。このような構成であると、第1主面側金属層及び第2主面側金属層の接合部分が増えるので、層間における剥離をより確実に防止することができ、金属電極と誘電体層との密着性をいっそう改善することができる。この場合、第1主面側金属層と第2主面側金属層とを、誘電体層の周縁部の全域にわたって接合することがより好ましい。
連通部に位置する前記第1主面側金属層と前記第2主面側金属層との接合部分の面積の総和は、前記第1主面に直交する方向から見たときの誘電体層の投影面積の0.1%以上5%以下であることが好ましく、1%以上3%以下とすることがより好ましい。0.1%未満であると、電子部品に対する接合部分の面積比が小さすぎて、層間の剥離を十分に防止できないおそれがあるからである。一方、5%を越えると、例えば電子部品がコンデンサである場合に、構造的に大容量化が図りにくくなるおそれがあるからである。
また、第1主面側に形成された第1主面側金属層及び第2主面側に形成された第2主面側金属層が接合された連通部の外形線(前記第1主面に直交する方向から見たときの外形線)の長さの総和は、前記誘電体層の外形線(前記第1主面に直交する方向から見たときの外形線)の長さの0.5倍以上20倍以下であることが好ましい。0.5倍未満であると、層間の剥離を十分に防止できないおそれがあるからである。一方、20倍を越えると、例えば電子部品がコンデンサである場合に、構造的に大容量化が図りにくくなるおそれがあるからである。
上記電子部品を構成する金属電極は、互いに接合された第1主面側金属層と第2主面側金属層とからなる。第1主面側金属層及び第2主面側金属層の少なくとも一方は、導電性に優れた材料を用いて形成されることが好ましい。具体的には、銀、金、白金、銅、チタン、アルミニウム、パラジウム、ニッケル、タングステン等から選択される1種または2種以上の合金が使用されることがよい。焼成工程を経た金属層を金属電極として使用するような場合、第1主面側金属層または第2主面側金属層の形成用材料として例えばニッケルを用いることが好ましい。ニッケルは比較的安価な材料であることに加え、比較的融点が高いため高誘電率セラミックとの同時焼結が可能だからである。また、焼成工程を経た金属層を金属電極として使用しないような場合、第1主面側金属層または第2主面側金属層の形成用材料として例えば銅や銀を用いることが好ましい。銅や銀は高い導電性を有しており、電極用材料として好適だからである。
勿論、第1主面側金属層及び第2主面側金属層の両方につき、導電性材料を用いることが好ましく、さらには実質的に同種の導電性材料を用いることがより好ましい。その理由は、金属電極の低抵抗化及び層間の密着性改善が図りやすくなり、電子部品の高信頼化が達成しやすくなるからである。
金属電極を構成する第1主面側金属層、第2主面側金属層の厚さは、例えば0.1μm以上50μm以下であることがよい。金属電極が薄すぎると、電気的信頼性を確保しにくくなるおそれがあるからである。一方、金属電極が厚くなりすぎると、部品全体の厚さが厚くなるおそれがあるからである。その点、0.1μm以上50μm以下の範囲内で厚さを設定すれば、電気的信頼性を確保しつつ部品全体の厚肉化を防止することができる。
上記課題を解決するための別の手段(手段2)としては、第1主面及び第2主面を有する誘電体層と、前記第1主面側に形成された第1主面側金属層及び前記第2主面側に形成された第2主面側金属層を、前記第1主面に直交する方向から見たときの前記誘電体層の外形線よりも内側の領域において接合し、前記第1主面側金属層と前記第2主面側金属層とによって前記誘電体層を挟み込んだ構造を有する金属電極とを備えることを特徴とする電子部品がある。
従って、上記手段2の電子部品によると、第1主面側金属層及び第2主面側金属層を誘電体層の外形線よりも内側の領域において接合した結果、誘電体層と第1主面側金属層との間、誘電体層と第2主面側金属層との間に剥離が生じにくくなる。それゆえ、金属電極と誘電体層とが密着した状態となり、高信頼性の電子部品を実現することができる。
上記課題を解決するための別の手段(手段3)としては、手段1,2に記載の電子部品を有する電子部品付き配線基板がある。
従って、この手段3にかかる電子部品付き配線基板における電子部品では、第1主面側金属層及び第2主面側金属層を接合した結果、誘電体層と第1主面側金属層との間、誘電体層と第2主面側金属層との間に剥離が生じにくくなる。それゆえ、金属電極と誘電体層とが密着した状態となり、高信頼性の電子部品が得られる結果、高信頼性の電子部品付き配線基板を得ることができる。
上記配線基板は、例えばコア基板上に絶縁層及び導体層を形成した構成を有している。コア基板の形成材料については特に限定されず、コスト性、加工性、絶縁性、機械的強度などを考慮して適宜選択することができる。コア基板としては、例えば、樹脂基板、セラミック基板、金属基板などが挙げられる。樹脂基板の具体例としては、EP樹脂(エポキシ樹脂)基板、PI樹脂(ポリイミド樹脂)基板、BT樹脂(ビスマレイミド−トリアジン樹脂)基板、PPE樹脂(ポリフェニレンエーテル樹脂)基板などがある。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料からなる基板を使用してもよい。あるいは、連続多孔質PTFE等の三次元網目状フッ素系樹脂基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂−樹脂複合材料からなる基板等を使用してもよい。前記セラミック基板の具体例としては、例えば、アルミナ基板、ベリリア基板、ガラスセラミック基板、結晶化ガラス等の低温焼成材料からなる基板などがある。前記金属基板の具体例としては、例えば、銅基板や銅合金基板、銅以外の金属単体からなる基板、銅以外の金属の合金からなる基板などがある。
コア基板上に形成される好適な絶縁層としては、樹脂絶縁層を挙げることができる。その理由は、樹脂製の絶縁層は電子部品の支持体として好ましいため、例えば電子部品を埋め込んだ構造を実現しやすくなるからである。樹脂絶縁層は、例えば、EP樹脂(エポキシ樹脂)、PI樹脂(ポリイミド樹脂)、BT樹脂(ビスマレイミド−トリアジン樹脂)、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を用いて形成される。
導体層は、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、フルアディティブ法などといった公知の手法によって、コア基板上や絶縁層上にパターン形成される。導体層の形成に用いられる金属材料の例としては、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、スズ、スズ合金などが挙げられる。なお、コア基板の片面または両面に、導体層と絶縁層とが交互に積層されてなるビルドアップ層が形成されていてもよい。
上記電子部品付き配線基板において、電子部品は、配線基板の表面にて露出した状態で実装されていてもよく、配線基板の内部に埋め込まれた状態で実装されていてもよい。後者の実装態様を採る場合には、電子部品をコア基板内に埋め込む構造、電子部品をコア基板と絶縁層との間に埋め込む構造、電子部品を絶縁層内に埋め込む構造のいずれにしてもよい。この場合、併せて抵抗素子やインダクタ等を配線基板の内部に埋め込むようにしてもよい。
なお、前者の実装態様と比較した場合の後者の実装態様の利点としては、以下のようなことがある。例えば、当該電子部品が配線基板内に埋め込まれた結果、配線基板表面上の部品実装可能領域が増えるため、そこに他の電子部品を実装することが可能となる。ここで、上記の他の電子部品としては、例えば、半導体集積回路チップ、チップトランジスタ、チップダイオード等の能動部品や、チップ抵抗、チップコンデンサ、チップインダクタ、チップコイル等の受動部品を挙げることができる。
上記課題を解決するための別の手段(手段4)としては、手段1の電子部品の製造方法において、金属箔上に前記誘電体層となるべき未焼結誘電体層を積層する誘電体層積層工程と、前記誘電体層となるべき未焼結誘電体層に前記連通部を形成する連通部形成工程と、前記連通部が形成された前記未焼結誘電体層上に未焼結金属層を形成する金属層形成工程と、前記未焼結誘電体層及び前記未焼結金属層を加熱して焼結させることにより、前記誘電体層を形成するとともに、前記連通部において前記第1主面側金属層及び前記第2主面側金属層が接合した構造の前記金属電極を形成する焼成工程とを含むことを特徴とする電子部品の製造方法がある。
従って、この手段4にかかる製造方法によると、誘電体層となるべき未焼結誘電体層に連通部を形成する連通部形成工程をあらかじめ行った後、焼成工程を行ってその未焼結誘電体層を焼結させるため、誘電体層におけるクラックの発生を未然に防ぐことができる。ゆえに、焼結した誘電体層に対して連通部を形成する場合に比べて歩留まりが高くなる。よって、この製造方法によれば、上記の優れた電子部品を効率よく得ることができる。
以下、上記手段4にかかる電子部品の製造方法について説明する。
誘電体層積層工程では、後に第1主面側金属層または第2主面側金属層となるべき金属箔上に、後に誘電体層となるべき未焼結誘電体層を積層する。ここで使用する金属箔としては、銀箔、金箔、白金箔、銅箔、チタン箔、アルミニウム箔、パラジウム箔、ニッケル箔、タングステン箔などを挙げることができる。これらのなかでもニッケル箔が好適である。ここで金属箔を使用する利点としては、金属箔が脆弱な未焼結誘電体層の支持体となるため、電子部品の製造過程における取扱性が向上するからである。そして、取扱性の向上は歩留まりの向上に寄与するからである。
第1主面に直交する方向から見たときの金属箔の寸法は、同じ方向から見たときの誘電体層の外形寸法よりも大きいことが好ましい。換言すると、金属箔の外周部は誘電体層の外形線から少なくとも若干はみ出していることが好ましい。この場合には、第1主面側金属層と第2主面側金属層とを誘電体層の周縁部において接合する構造を実現しやすくなる。
ここで使用する未焼結誘電体層としては、例えば、誘電体粉を含有する未焼結誘電体層形成用ペーストを材料として用いて、これを塗布及び乾燥して形成されたペースト層などが好適である。誘電体粉としては、上述したチタン酸バリウム、チタン酸鉛及びチタン酸ストロンチウムから選択される1種または2種以上にて構成された化合物などが、好適である。このほか、誘電体粉を含有するグリーンシート(未焼結誘電体グリーンシート)を未焼結誘電体層として用いてもよい。このような未焼結誘電体グリーンシートは、誘電体粉を含有するスラリーをシート状にキャスティングする手法により比較的簡単に得ることができる。この手法の利点は、ペーストを用いた手法に比べて、薄くて均一な厚さの誘電体層が効率よく得られることにある。よって、ショート不良やキャパシタンスのばらつきの低減を達成しやすくなる。
連通部形成工程では、誘電体層となるべき未焼結誘電体層に前記連通部を形成する。連通部を形成する方法としては従来周知の方法を採用することができ、具体例としては、エッチング加工、レーザ加工、切削加工、ドリル加工、パンチング加工などがある。このような連通部形成工程は誘電体層積層工程前に実施してもよいが、誘電体層積層工程後に実施してもよい。ちなみに前者の方法によれば、金属箔がない状態で誘電体層の加工を行うことができるので、加工によるダメージを金属箔に与える心配がない。
金属層形成工程では、連通部が形成された前記未焼結誘電体層上に未焼結金属層を形成する。具体的にいうと、例えば、金属粉を含有する未焼結金属層形成用ペーストを材料として用いて、これを未焼結誘電体層上に塗布及び乾燥して未焼結金属層形成用ペースト層を形成すること等が挙げられる。このほか、金属粉を含有する未焼結金属層形成用グリーンシートを未焼結誘電体層上に積層してもよい。この工程においては、連通部において露出している金属箔に対して、未焼結金属層が直接接触するように形成しておくことが好ましい。その理由は、あらかじめ確実に接触させた状態で焼結させることで両者が確実に密着するからである。両者を直接接触させるための具体的な手法としては、未焼結金属層の形成時または形成後に、積層体の厚さ方向に圧力を加えるようにして、連通部内に未焼結金属層を押し込むようにする。この場合、未焼結金属層形成用グリーンシートを用いた方法よりも、未焼結金属層形成用ペーストを用いた方法のほうが、未焼結金属層を金属箔に追従させやすいという利点がある。
また、金属箔の外周部を誘電体層の外形線から若干はみ出して形成した場合には、未焼結金属層も同様に、その外周部を誘電体層の外形線から若干はみ出して形成することが好ましい。このようにすることで、金属箔の外周部と未焼結金属層もの外周部とが直接接触した状態となり、第1主面側金属層と第2主面側金属層とが誘電体層の周縁部において接合する構造を実現しやすくなる。
次に、必要に応じて脱脂工程を行った後、未焼結誘電体層及び未焼結金属層を加熱して焼結させる焼成工程を行う。そしてこの工程を経ると、誘電体層が形成されるとともに、前記連通部において第1主面側金属層及び第2主面側金属層が接合した構造の金属電極が形成される。
ここで、必要に応じて、第1主面側金属層または第2主面側金属層を所定箇所で分断する電極分断工程を実施し、金属電極を電気的に絶縁する。この場合、エッチング加工やレーザ加工などが好適である。なお、このような電極分断工程に代えて、あらかじめ分断された未焼結金属層を形成しておき、焼成工程を行うようにしても構わない。
上記課題を解決するための別の手段(手段5)としては、手段1の電子部品の製造方法において、第1未焼結金属層上に前記誘電体層となるべき未焼結誘電体層を積層する誘電体層積層工程と、前記誘電体層となるべき未焼結誘電体層に前記連通部を形成する連通部形成工程と、前記連通部が形成された前記未焼結誘電体層上に第2未焼結金属層を形成する金属層形成工程と、前記未焼結誘電体層、前記第1未焼結金属層及び前記第2未焼結金属層を加熱して焼結させることにより、前記誘電体層を形成するとともに、前記連通部において前記第1主面側金属層及び前記第2主面側金属層が接合した構造の前記金属電極を形成する焼成工程とを含むことを特徴とする電子部品の製造方法がある。
従って、この手段5にかかる製造方法によると、誘電体層となるべき未焼結誘電体層に連通部を形成する連通部形成工程をあらかじめ行った後、焼成工程を行ってその未焼結誘電体層を焼結させるため、誘電体層におけるクラックの発生を未然に防ぐことができる。ゆえに、焼結した誘電体層に対して連通部を形成する場合に比べて歩留まりが高くなる。よって、この製造方法によれば、上記の優れた電子部品を効率よく得ることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態のセラミックコンデンサ内蔵配線基板及びその製造方法を図1〜図8に基づき説明する。
図1に示されるように、このセラミックコンデンサ内蔵配線基板71は、ガラスエポキシからなるコア基板72上に、ビルドアップ層73を形成してなるものである。ビルドアップ層73は、同じくエポキシ樹脂からなる樹脂絶縁層81,82,83,84(いわゆる層間絶縁層)を4層備えている。樹脂絶縁層81,82,83,84同士の界面には、銅からなる導体層91,92,93がパターン形成されている。また、最表層の樹脂絶縁層84の表面上における複数箇所には、銅にニッケル−金めっきを被覆した端子パッド94が形成されている。樹脂絶縁層81,82,83,84内には、それぞれビア導体96が設けられている。これらのビア導体96のほとんどは同軸上に配置されるとともに、それらを介して導体層91,92,93及び端子パッド94が相互に電気的に接続されている。
ビルドアップ層73の内部(具体的には第1層の樹脂絶縁層81と第2層の樹脂絶縁層82との界面)には、図2に示すセラミックコンデンサ10(電子部品)が、埋め込んだ状態で実装されている。本実施形態のセラミックコンデンサ10はチタン酸バリウムからなる誘電体層21を備えている。
図2等に示されるように、セラミックコンデンサ10を構成する誘電体層21の中央部付近には、第1主面117側と第2主面118側とを連通させる連通部112が形成されている。連通部112の形状は特に限定されないが、本実施形態における連通部112は第1主面117に直交する方向から見て円形状の貫通孔となっている。誘電体層21の第1主面117側には、ニッケル箔12(金属箔)からなる第1主面側金属層121が形成されている。第1主面117側には溝113が環状に形成され、その溝113によって第1主面側金属層121がそれぞれ所定箇所で分断されている。また、誘電体層21の第2主面118側には、未焼結金属層としてのニッケルペースト層を焼結して得た第2主面側金属層122が形成されている。第2主面118側には溝114が環状(詳細には正方環状あるいは矩形環状)に形成され、その溝114によって第2主面側金属層122が所定箇所で分断されている。そして、本実施形態においては、第1主面117において連通部112に対応した箇所(即ち溝113の内側領域)にある第1主面側金属層121と、第2主面118における周縁部を除く領域にある第2主面側金属層122とが、連通部112内にて接合している。図2における部材番号115は接合部分を示している。その結果、誘電体層21を挟み込んだ状態の当該第1主面側金属層121及び当該第2主面側金属層122によって、第2ニッケル電極31(金属電極)が形成されている。また、第1主面117において連通部112を除く箇所(溝113の外側領域)にある第1主面側金属層121と、第2主面118における周縁部にある第2主面側金属層122とについても、互いに接合している。その結果、誘電体層21を挟み込んだ状態の当該第1主面側金属層121及び当該第2主面側金属層122によって、第1ニッケル電極11(金属電極)が形成されている。つまり、本実施形態のセラミックコンデンサ10の場合、第1ニッケル電極11と第2ニッケル電極31とが溝113,114によって分断されることで、互いに電気的に絶縁されている。なお、第1主面側金属層121と第2主面側金属層122とが実質的に同種の金属からなる場合、連通部112における、第1主面側金属層121と第2主面側金属層122との境界は、視覚的、あるいは、その他の方法により、必ずしも判別できない状態となっている。そのような場合においては、連通部112を誘電体層厚さを高さとした円柱と見なした場合、便宜的に、接合部分115は、連通部内部あるいは上下底面上のいずれかにあるものとする。また、セラミックコンデンサ周縁部においても同様に判断するものとする。
本実施形態では、第1ニッケル電極11の厚さが約30μmに設定され、第2ニッケル電極31の厚さが約4μmに設定され、誘電体層21の厚さが約4μmに設定されている。ゆえに、このセラミックコンデンサ10の全体の厚さは、約38μmとなっている。また、誘電体層21は、厚さばらつきが±0.5μm程度であって、比較的均一な厚さを有している。さらに本実施形態の場合、連通部112に位置する第1主面側金属層121と第2主面側金属層122の接合部分115の面積の総和は、図2の上側方向から見たときのセラミックコンデンサ10の投影面積の1%程度となるように設定されている。また、連通部112の外形線の長さの総和は、誘電体層21の外形線の長さの10倍程度となるように設定されている。
図1に示されるように、第1ニッケル電極11を構成する第1主面側金属層121は、第2層の樹脂絶縁層82内にあるビア導体96に電気的に接続されている。同様に、第2ニッケル電極31を構成する第2主面側金属層122も、第2層の樹脂絶縁層82内にあるビア導体96に電気的に接続されている。
そして、このような構成のセラミックコンデンサ10に通電を行い、第1ニッケル電極11−第2ニッケル電極31間に所定の電圧を加えると、一方の電極にプラスの電荷が蓄積し、他方の電極にマイナスの電荷が蓄積するようになっている。
次に、このセラミックコンデンサ10の製造方法を図3〜図8に基づいて説明する。
(1)未焼結誘電体グリーンシート221の作製
まず以下の手順で誘電体スラリーを調製した。平均粒径0.7μmのチタン酸バリウム粉末(誘電体粉)、エタノールとトルエンとの混合溶剤、分散剤、可塑剤、有機バインダをポットで湿式混合することにより、未焼結誘電体グリーンシートを形成する際の出発材料となる誘電体スラリーを得る。このとき、各成分の配合比率を適宜変更することにより、誘電体スラリーを約0.5Pa・sの粘度(リオン株式会社製ビスコテスター VT−04型粘度計 No.1ロータ 62.5rpm 1分値 25℃で測定した粘度をいう。)に調製する。次に、この誘電体スラリーを用いて未焼結誘電体グリーンシートの形成を以下のように行う。即ち、所定幅のPETフィルムのロールを用意して、このロールをキャスティング装置の供給側にセットし、ドクターブレード法やリップコーティングなどの従来周知の手法によりPETフィルムの上面に誘電体スラリーを薄く均一な厚さでキャスティング(塗工)する。その後、シート状にキャスティングされた誘電体スラリーをキャスティング装置の供給側と巻き取り側との間に配置されているヒータで加熱乾燥し、厚さ7μmの未焼結誘電体グリーンシート221(誘電体層21となるべき未焼結誘電体層)を形成する。
(2)ニッケルペースト220の調製
平均粒径0.7μmのニッケル粉(金属粉)に分散剤、可塑剤を加える。これをターピネオールを分散媒として、さらに有機バインダを加えた上で3本ロールで混合し、ニッケルペースト層222(未焼結金属層)を形成する際の出発材料となるニッケルペースト220を得る。
(3)連通部112の形成、未焼結積層体50の作製
金属箔である厚さ30μmのニッケル箔12を用意するとともに、そのニッケル箔12を打ち抜き金型等の従来周知の手段を用いて所定の大きさに切断する。また、未焼結誘電体グリーンシート221についても、同様の手段を用いてニッケル箔12よりも一回り小さい所定の大きさに切断する。本実施形態では、この打ち抜きを行う際に同時に連通部112を形成する。この段階ではまだ未焼結誘電体グリーンシート221は硬化していないため、比較的簡単に打ち抜きを行うことができ、しかもクラックの発生を未然に防止することができる。
そして次に、ニッケル箔12上にPETフィルム付きの未焼結誘電体グリーンシート221を積層配置する。このとき、ニッケル箔12の外周部が未焼結誘電体グリーンシート221の外形線からはみ出るようにする。次に、前記ラミネート装置を用いて80℃で250kgf/cmの条件で押圧力を加え、圧着させる。PETフィルムを剥離した後、未焼結誘電体グリーンシート221の剥離面上に、従来周知のペースト印刷装置(例えばスクリーン印刷装置)を用いてニッケルペースト220を印刷塗布する。このとき、はみ出しているニッケル箔12の外周部にもニッケルペースト220を印刷塗布するようにする。印刷塗布されたニッケルペースト220は、連通部112と外周部とにおいて露出しているニッケル箔12に対して、直接接触して追従した状態となる。なお、このときの塗布厚みは、後の焼成工程を経た段階で約4μmとなるように、5μm〜8μm程度に設定される。次いで、80℃で乾燥し、ニッケルペースト層222を形成する。この後、PETフィルムを剥離して未焼結積層体50を得る。この未焼結積層体50では、ニッケル箔12、未焼結誘電体グリーンシート221(誘電体層21となるべき未焼結誘電体層)及びニッケルペースト層222(未焼結金属層)が積層配置された状態となっている(図3参照)。
(4)脱脂、同時焼成
次に、上記未焼結積層体を大気中にて250℃で10時間脱脂し、さらに窒素−水素−水蒸気からなる雰囲気中1260℃にて所定時間焼成する。その結果、チタン酸バリウム及びニッケルが同時焼結し、ニッケル箔12(第1主面側金属層121)、誘電体層21及び焼結したニッケルペースト層(第2主面側金属層122)の順で積層された焼結体110が得られる(図4参照)。この焼結体110においては、第1主面側金属層121と第2主面側金属層122とが、連通部112内において接合するとともに、誘電体層21の周縁部の全域にわたって接合している(図4に示す接合部分115を参照)。
(5)第2主面側金属層122のパターニング
次いで、図5に示されるように、従来周知のフォトリソグラフィの手法によって第2主面側金属層122をパターニングし、所定箇所に溝114を形成する。この場合、フォトリソグラフィに代えてレーザートリミングの手法を用いることもできる。あるいは、ニッケルペーストの印刷塗布を行う際に、あらかじめ溝114の部分ができるようにしてもよい。
(6)第1層の樹脂絶縁層81の形成、部品実装
次に、第1層の樹脂絶縁層81が形成されたコア基板72を用意し、その第1層の樹脂絶縁層81上に、第1主面117側を上向きにして前記焼結体110を搭載する(図6参照)。
より詳細にいうと、第1層の樹脂絶縁層81を形成するための未硬化のフィルム材を用意し、それをラミネータ等でコア基板72の表面上に貼付する。前記フィルム材としては、例えば、未硬化の熱硬化性樹脂からなるものが好適である。次いで、図5の状態の焼結体110をフィルム材上に搭載し、所定の圧力で押し付ける。この時点では、まだフィルム材は未硬化であるため、焼結体110をフィルム材内に容易に埋め込むことができる。この場合の埋込深さは、焼結体110全体の厚さの半分程度に設定されることがよい。即ち、完全に埋め込んでしまうと、後工程にて行う第1主面側金属層121のパターニングが困難になるおそれがあるからである。次に、加熱を行ってフィルム材を硬化させ、第1層の樹脂絶縁層81に焼結体110を支持固定させる。なお、この時点における焼結体110は、セラミックコンデンサ10の完成品とほぼ同じ構造を有している。
(7)第1主面側金属層121のパターニング等
次に、従来周知のフォトリソグラフィの手法によって第1主面側金属層121をパターニングし、所定箇所に溝113を形成することで、セラミックコンデンサ10を完成させる(図7参照)。この場合、フォトリソグラフィに代えてレーザートリミングの手法を用いることもできる。なお、溝113の形成を行う際に、併せて第1層の樹脂絶縁層81に対するビア穴あけを行ってもよい。この後、銅めっきまたは銅ペーストの充填等を行い、ビア導体96を形成するとともに、第1層の導体層91を形成する。
(5)第2層から第5層の樹脂絶縁層82,83,84の形成
次に、第1層の樹脂絶縁層81上に上記の未硬化のフィルム材をラミネータ等で貼付した後、熱硬化させて第2層の樹脂絶縁層82とする。この時点でセラミックコンデンサ10が完全に埋め込まれる。次に、第2層の樹脂絶縁層82に対するビア穴あけを行った後、さらに銅めっきまたは銅ペーストの充填、印刷等を行って、ビア導体96を形成するとともに、第2層の導体層92を形成する(図8参照)。この後、同様の手法により、第3層及び第4層(最表層)の樹脂絶縁層83,84の形成を行い、図1のセラミックコンデンサ内蔵配線基板71を完成させる。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態のセラミックコンデンサ内蔵配線基板71の場合、セラミックコンデンサ10を構成する誘電体層21に連通部112を設けている。そして、連通部112において互いに接合された第1主面側金属層121及び第2主面側金属層122によって、誘電体層21を挟み込んだ構造の第2ニッケル電極31を形成している。このため、誘電体層21と第1主面側金属層121との間、誘電体層21と第2主面側金属層122との間に剥離が生じにくくなる。つまり、第2ニッケル電極31が第1主面117及び第2主面118の両側に及ぶようにして形成されているため、第1主面側金属層121または第2主面側金属層122を引き剥がす際の抵抗が従来に比べて増大する。それゆえ、第2ニッケル電極31と誘電体層21とが密着した状態となり、高信頼性のセラミックコンデンサ10、ひいては高信頼性のセラミックコンデンサ内蔵配線基板71を実現することができる。
(2)しかも本実施形態では、第1ニッケル電極11を構成する第1主面側金属層121と第2主面側金属層122とを、誘電体層21の周縁部の全域にわたって接合している。このため、接合部分115の面積が確保され、層間における剥離をより確実に防止することができ、第1ニッケル電極11と誘電体層21との密着性をいっそう改善することができる。
(3)本実施形態の製造方法では、誘電体層21となるべき未焼結誘電体グリーンシート221に連通部112を形成する連通部形成工程をあらかじめ行った後、焼成工程を行ってその未焼結誘電体グリーンシート221を焼結させている。そのため、誘電体層21におけるクラックの発生を未然に防ぐことができる。ゆえに、焼結した誘電体層21に対して連通部112を形成する場合に比べて歩留まりが高くなる。よって、この製造方法によれば、高信頼性のセラミックコンデンサ10、セラミックコンデンサ内蔵配線基板71を効率よく得ることができる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、セラミックコンデンサ10を第1層の樹脂絶縁層81と第2層の樹脂絶縁層82との界面に埋め込むようにして実装を行ったが、例えば、最表層の樹脂絶縁層84上にこれを実装するようにしてもよい。
・上記実施形態では、既にほぼ完成品となっているセラミックコンデンサ10を樹脂絶縁層上に実装する製造方法を例示しているが、以下のようにしてもよい。まず、第1主面117側に第1主面側金属層121を有し、第2主面118側に第2主面側金属層122を有しない未完成のセラミックコンデンサ(いわばコンデンサ構成部品)を樹脂絶縁層上に実装する。実装完了後、上側を向いている第2主面118上に従来周知の手法(めっき、スパッタリング等)により第2主面側金属層122を形成する。
・上記実施形態では、第1ニッケル電極11の上面に対して、第2層の樹脂絶縁層82内のビア導体96の底部が接続していた。これ以外にも、例えば、図9に示す別の実施形態のように、第2ニッケル電極31を構成する第1主面側金属層121及び第2主面側金属層122を貫通するビア導体141を形成してもよい。図9では、ビア導体141がコア基板72側のビア導体142に接続されている。そしてこの構成によると、第2ニッケル電極31を構成する第1主面側金属層121及び第2主面側金属層122との接触面積が大きくなることで、低抵抗化や高信頼化が達成しやすくなる。
次に、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)第1主面及び第2主面を有し、前記第1主面側と前記第2主面側とを連通させる連通部が形成された誘電体層と、前記第1主面側に形成された第1主面側金属層及び前記第2主面側に形成された第2主面側金属層を前記連通部において接合するとともに、前記誘電体層の周縁部の全域にわたって接合し、前記第1主面側金属層と前記第2主面側金属層とによって前記誘電体層を挟み込んだ構造を有する金属電極とを備えることを特徴とする電子部品。
(2)第1主面及び第2主面を有し、前記第1主面側と前記第2主面側とを連通させる連通部が形成された誘電体層と、前記第1主面側に形成された第1主面側金属層及び前記第2主面側に形成された第2主面側金属層を前記連通部において接合し、前記第1主面側金属層と前記第2主面側金属層とによって前記誘電体層を挟み込んだ構造を有する金属電極とを備える電子部品が、樹脂絶縁層内に埋め込まれていることを特徴とする電子部品内蔵配線基板。
(3)第1主面及び第2主面を有する誘電体層と、前記第1主面側に形成された第1主面側金属層及び前記第2主面側に形成された第2主面側金属層を、前記第1主面に直交する方向から見たときの前記誘電体層の外形線よりも内側の領域において接合し、前記第1主面側金属層と前記第2主面側金属層とによって前記誘電体層を挟み込んだ構造を有する金属電極とを備えることを特徴とする電子部品。
本発明を具体化した実施形態のセラミックコンデンサ内蔵配線基板の一部を示す概略断面図。 実施形態のセラミックコンデンサを示す概略断面図。 実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 別の実施形態のセラミックコンデンサを説明するための概略断面図。
符号の説明
10…電子部品としてのセラミックコンデンサ
11…金属電極としての第1ニッケル電極
12…金属箔としてのニッケル箔
31…金属電極としての第2ニッケル電極
71…電子部品付き配線基板としてのセラミックコンデンサ内蔵配線基板
112…連通部
115…接合部分
117…第1主面
118…第2主面
121…第1主面側金属層
122…第2主面側金属層
211…未焼結誘電体層としての未焼結誘電体グリーンシート

Claims (5)

  1. 第1主面及び第2主面を有し、前記第1主面側と前記第2主面側とを連通させる連通部が形成された誘電体層と、
    前記第1主面側に形成された第1主面側金属層及び前記第2主面側に形成された第2主面側金属層を前記連通部において接合し、前記第1主面側金属層と前記第2主面側金属層とによって前記誘電体層を挟み込んだ構造を有する金属電極と
    を備えることを特徴とする電子部品。
  2. 前記金属電極を構成する前記第1主面側金属層と前記第2主面側金属層は、前記誘電体層の少なくとも一部の周縁部において接合されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記連通部の外形線の長さの総和は、前記誘電体層の外形線の長さの0.5倍以上20倍以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子部品。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子部品を有する電子部品付き配線基板。
  5. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子部品の製造方法において、
    金属箔上に前記誘電体層となるべき未焼結誘電体層を積層する誘電体層積層工程と、
    前記誘電体層となるべき未焼結誘電体層に前記連通部を形成する連通部形成工程と、
    前記連通部が形成された前記未焼結誘電体層上に未焼結金属層を形成する金属層形成工程と、
    前記未焼結誘電体層及び前記未焼結金属層を加熱して焼結させることにより、前記誘電体層を形成するとともに、前記連通部において前記第1主面側金属層及び前記第2主面側金属層が接合した構造の前記金属電極を形成する焼成工程と
    を含むことを特徴とする電子部品の製造方法。
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