JP2006175544A - スナップリング装着・取り外し用の工具、及びスナップリング取り外し用の工具、並びにスナップリング取り外し方法。 - Google Patents

スナップリング装着・取り外し用の工具、及びスナップリング取り外し用の工具、並びにスナップリング取り外し方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】 軸部材2のリング溝2aに嵌め合わされるスナップリング3の着脱技術を改良して、別段の熟練を要せず、迅速容易かつ隔日に着脱することができ、しかも、周辺の機器(図示省略)を過って損傷させる虞れの無い工具および方法を提供する。
【解決手段】 軸部材2に対し、リング拡開案内6を芯合わせして当接し、このリング拡開案内6を治具として、鎖線で描かれたスナップリング3′を圧入筒7で圧し下げて、点線で描かれたスナップリング3の位置に嵌め込む。また、嵌め合わされているスナップリング3(点線)を抜き取るには、軸部材2にリング拡開案内6を芯合せ当接せしめて、このリング拡開案内6に圧入筒7を外嵌する。上記圧入筒7によって案内されるリング拡開ロッド8を圧し下げ(矢印a)その先端(テーパ状に細くなっている)をスナップリングの開口部に挿入して、これを拡開する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、軸部材に装着されるスナップリングの着脱方法、および同着脱工具に関するものである。
スナップリングには軸用と孔用とが有り、本発明は軸用スナップリングを適用の対象とする。
図5(A)および図5(B)は軸用スナップリングの概要的な外観正面図であり、図5(C)は、上記図5(A)に示したスナップリングの拡大詳細図である。
(図5(C)参照)破線で描いた軸部材2のリング溝2a(鎖線)に、スナップリング3が嵌め合わされている。スナップリング3の内周面はリング溝2aの溝底面とほぼ一致している。その直系寸法をψで表す。
該スナップリング3の外周は、軸部材2の外周よりも外側に張り出している。この張出し部分がスナップリングのストッパ機能を果たす。
上記図5(A)の状態で、スナップリング3はほぼ自由形状(ほとんど外力を受けず、内部応力がほとんどゼロの状態)である。
軸部材2のリング溝2aにスナップリング3を着脱する作業は、スナップリングの透孔3aに工具(スナップリング プライヤ)を掛けて、スナップリングの開口部を拡開し、該スナップリングの内径寸法ψを、軸部材2の外形寸法φよりも拡大させて行なう。
軸部材に対するスナップリングの装着作業を迅速容易に施工するため、各種の装置が提案されており、例えば次の公報に記載された発明が公知である。
特開2002−346855号公報 スナップリング装着装置
この発明は、孔用スナップリングを縮径させて装着する装置である。
特開2002−326130号公報 スナップリング取付装置
この発明は、スナップリング装着専用の装置である。
特開平05−177459号公報 スナップリングの組付装置
この発明は、スナップリングを装着するとともに,装着状態の良否を自動的に判定する装置である。
特開平05−162030号公報 スナップリング組付装置
この発明は、スナップリング装着専用の装置である。
特開2002−346855号公報 特開2002−326130号公報 特開平05−177459号公報 特開平05−162030号公報
前記各種のスナップリング装着装着は、総べてスナップリングを取り付けるための機器であって、スナップリングを取り外し得る機器は無い。
このため従来技術においては、スナップリングを取り外す際には手工具(スナップリングプライヤ)を用いて行わねばならなかった。
手工具によるスナップリング取り外し作業には熟練と労力、時間を要するのみでなく、周辺の機器を傷つける虞れが有った。
本発明は以上に述べた事情に鑑みて為されたものであって、その目的とするところは、
別段の熟練を要せず、迅速容易に、しかも周辺機器を損傷する虞れ無く、スナップリングを軸部材から取り外し得る器具、および、同じくスナップリングを軸部材から取り外す方法、ならびに、同じくスナップリングを軸部材から取り外したり取り付けたりし得る器具を提供するにある。
上記の目的を達成するために創作した本発明の基本的な原理を略述すると次のとおりである。
図3(A)に示したように、先細形のリング拡開ロッド8の先端をスナップリング3の開口部に臨ましめる。
上記のリング拡開ロッド8を下方に圧し下げて、図2(B)のようにスナップリング3を拡開させる。
このままリング拡開ロッド8を持ち上げると、「弾性復元力でリング拡開ロッド8を挟み付けているスナップリング3」は、「挟み付け部の摩擦力」によって釣り上げられる。
以上に説明した原理に基づく具体的な構成として本願請求項1に係る発明工具の構成は、(図1参照)軸部材(2)の端部付近のリング溝(2a)に嵌め付けられるスナップリング(3)の着脱工具において、
「軸部材(2)のスナップリング取付け部付近の外径寸法φとほぼ同径の大径部」、および、「前記スナップリングの自由形状における内径寸法よりも小径の小径部」とから成るテーパ部6bを有するリング拡開案内(6)と、
上記リング拡開案内に外嵌する圧入筒(7)と、
上記圧入筒に対して、その軸心Z方向に往復摺動可能なリング拡開ロッド(8)とを具備し、
前記リング拡開案内(6)の大径側の端を軸部材(2)の先端部に対して同心に位置決めする手段を備えており、
かつ、(図2参照)上記リング拡開ロッド(8)の先端部がテーパ状に先細になっていて、該先細の先端をスナップリング(3)の開口部に差し入れ得るようになっていて、
前記リング拡開ロッドの先端のテーパ状部をスナップリング開口部に押し込むことによって、該開口部が拡開される構造であることを特徴とする。
以上に説明した請求項1の発明工具によると、軸部材のリング溝に嵌め込まれたスナップリングを迅速容易に取り外すこともでき、また、スナップリングを迅速容易にリング溝へ嵌め込むこともできる。
すなわち、軸部材に対して位置決めされたリング拡開案内のテーパ部の小径部にスナップリングを嵌めて、該リング拡開案内に圧入筒を外嵌してスナップリングを押し進めると、スナップリングはテーパ部に沿って摺動しながら拡開され、軸部材に外嵌される。さらに押し進めてリング溝に差しかかると、半ば自動的に嵌合する。
また、軸部材に対し、リング拡開案内を介して圧入筒を位置決めし、該圧入筒で案内しながらリング拡開ロッドの先端をスナップリングの開口部に差し入れて押し込むと、スナップリングが拡開されてリング溝から外れるので、迅速容易に取り外すことができ、周辺の機器を損傷する虞れが無い。
請求項2に係る発明工具の構成は、前記請求項1の発明工具の構成要件に加えて、(図1参照)前記の「リング拡開案内(6)の大径側の端を軸部材(2)の先端部に対して同心に位置決めする手段」が、
軸部材(2)の先端に形成された突起(2b)と、
リング拡開案内(6)の大径側の端面に形成された芯出し穴(6a)との対偶であることを特徴とする。
以上に説明した請求項2の発明によると、軸部材に本来的に形成されていた突起を利用して、もしくはスナップリング着脱用に設けられた突起を用いて、「芯出し穴を設けたリング拡開案内」を同心に位置決めすることができる。この位置決め操作は、別段の熟練を要せず迅速容易に、かつ正確に行なうことができる。
請求項3に係る発明工具の構成は、前記請求項1の発明工具の構成要件に加えて、(図4(A)参照)前記の「リング拡開案内(6)の大径側の端を軸部材(2)の先端部に対して同心に位置決めする手段」が、
軸部材(2)の先端に形成されたセンタ穴(2c)と、
リング拡開案内(9)の大径側の端面に形成されたセンタ突起(9a)との対偶であることを特徴とする。
以上に説明した請求項3の発明によると、軸部材に本来的に形成されていたセンタ穴を利用して、もしくはスナップリング着脱用に設けられたセンタ穴を用いて、「センタ突起を設けたリング拡開案内」を同心に位置決めすることができる。この位置決め操作は、別段の熟練を要せず迅速容易に、かつ正確に行なうことができる。
請求項4に係る発明工具の構成は、(図4(B)参照)軸部材(2)の端部付近のリング溝(2a)に嵌め付けられているスナップリング(3)を取外す工具において、
上記軸部材のスナップリング取付け部付近の外径寸法φに嵌合する内径寸法を有する筒状の芯出し部(10a)を備えたロッド案内具(10)を具備しており、
上記ロッド案内具に、その軸心Zと平行なロッド案内溝(10b)が形成されていて、
このロッド案内溝に嵌合されたリング拡開ロッド(8)が、軸心Z方向に往復摺動可能であり、
かつ、上記リング拡開ロッド(8)の先端が先細のテーパ状をなしていて、この先端が「軸部材のリング溝(2a)に嵌め付けられているスナップリング(3)の開口部」に対向するように案内されており、
上記リング拡開ロッドの先端のテーパ状部をスナップリングの開口部に押し込むことによって、該開口部が拡開される構造(図2(A)および(B)を参照)であることを特徴とする。
以上に説明した請求項4の発明工具を適用すると、軸部材のリング溝に嵌め付けられているスナップリングを迅速容易に取り外すことができる。この請求項4の構成のみでは、スナップリングの装着はできない。
しかし、スナップリングの着脱操作の内で、装着は比較的容易であり、取り外しは非常に困難である。こうした観点から、取り外し専用である請求項4に係る発明工具の実用的価値は多大である。
請求項5に係る発明方法の構成は、(図1参照)軸部材(2)の端部付近のリング溝(2a)に嵌め付けられているスナップリング(3)を取外す方法において、
予め、先端が先細のテーパ状になっているリング拡開ロッド(8)を準備しておき、
(図2(A)参照)上記リング拡開ロッド(8)の先端を「軸部材のリング溝(2a)に嵌め付けられているスナップリング(3)の開口部」に差し入れ、
(図2(B)参照)このリング拡開ロッド先端のテーパ状部をスナップリング(3)の開口部に押し込んで該開口部を拡開し、
拡開されたスナップリングの弾性復元力によって、リング拡開ロッド(8)のテーパ部を挟みつけ、
挟み付け部の摩擦力によりスナップリングに移動力(図2(B)において持ち上げ力)を与えて取り外すことを特徴とする。
以上に説明した請求項5の発明方法によると、軸部材のリング溝に嵌め付けられているスナップリングを迅速容易に取り外すことができる。
この請求項5の手順はスナップリングの取り外しのみに適用され、装着には適しない。
しかし、スナップリングの着脱操作の内で、装着は比較的容易であり、取り外しは非常に困難である。こうした観点から、取り外し専用である請求項5に係る発明方法の実用的価値は多大である。
請求項6に係る発明方法の構成は、前記請求項5の発明方法の構成要件に加えて、(図4(B)参照)
前記リング拡開ロッド(8)を摺動可能に嵌合せしめるロッド案内溝(10b)を有するロッド案内具(10)を予め準備しておき、
該ロッド案内具を軸部材(2)に対して位置決めし、
リング拡開ロッド(8)の先端をスナップリング(3)の開口部に誘導することを特徴とする。
以上に説明した請求項6の発明方法によると、リング拡開ロッドの先端をスナップリングの開口部に誘導する操作が容易に、かつ確実に行なわれる。
リング拡開ロッドの誘導が確実であるため、過って周辺機器に損傷を与える危険性が極めて少ない。
請求項1の発明工具によると、軸部材のリング溝に嵌め込まれたスナップリングを迅速容易に取り外すこともでき、また、スナップリングを迅速容易にリング溝へ嵌め込むこともできる。
すなわち、軸部材に対して位置決めされたリング拡開案内のテーパ部の小径部にスナップリングを嵌めて、該リング拡開案内に圧入筒を外嵌してスナップリングを押し進めると、スナップリングはテーパ部に沿って摺動しながら拡開され、軸部材に外嵌される。さらに押し進めてリング溝に差しかかると、半ば自動的に嵌合する。
また、軸部材に対し、リング拡開案内を介して圧入筒を位置決めし、該圧入筒で案内しながらリング拡開ロッドの先端をスナップリングの開口部に差し入れて押し込むと、スナップリングが拡開されてリング溝から外れるので、迅速容易に取り外すことができ、周辺の機器を損傷する虞れが無い。
請求項2の発明によると、軸部材に本来的に形成されていた突起を利用して、もしくはスナップリング着脱用に設けられた突起を用いて、「芯出し穴を設けたリング拡開案内」を同心に位置決めすることができる。この位置決め操作は、別段の熟練を要せず迅速容易に、かつ正確に行なうことができる。
請求項3の発明によると、軸部材に本来的に形成されていたセンタ穴を利用して、もしくはスナップリング着脱用に設けられたセンタ穴を用いて、「センタ突起を設けたリング拡開案内」を同心に位置決めすることができる。この位置決め操作は、別段の熟練を要せず迅速容易に、かつ正確に行なうことができる。
請求項4の発明工具を適用すると、軸部材のリング溝に嵌め付けられているスナップリングを迅速容易に取り外すことができる。この請求項4の構成のみでは、スナップリングの装着はできない。
しかし、スナップリングの着脱操作の内で、装着は比較的容易であり、取り外しは非常に困難である。こうした観点から、取り外し専用である請求項4に係る発明工具の実用的価値は多大である。
請求項5の発明方法によると、軸部材のリング溝に嵌め付けられているスナップリングを迅速容易に取り外すことができる。
この請求項5の手順はスナップリングの取り外しのみに適用され、装着には適しない。
しかし、スナップリングの着脱操作の内で、装着は比較的容易であり、取り外しは非常に困難である。こうした観点から、取り外し専用である請求項5に係る発明方法の実用的価値は多大である。
請求項6の発明方法によると、リング拡開ロッドの先端をスナップリングの開口部に誘導する操作が容易に、かつ確実に行なわれる。
リング拡開ロッドの誘導が確実であるため、過って周辺機器に損傷を与える危険性が極めて少ない。
図1は本発明に係るスナップリング着脱工具の1実施形態における断面図である。
スナップリング3は、軸部材2の上端付近のリング溝2aに嵌め合わされている。上記軸部材2は組立部品本体1に組み入れられ、スプリング4を圧縮保持しているスプリング押え5の抜け止め機能を果たしている。本例の軸部材2は、その先端に突起2bが形成されている。
本実施形態の工具は、リング拡開案内6と、圧入筒7と、「該圧入筒によって往復矢印a〜bのように案内されてスライドするリング拡開ロッド8」とから成っている。
リング拡開案内6は、前記突起2bに嵌合する芯出し穴6aとテーパ部6bとを形成されている。
上記芯出し穴6aを前記突起2bに嵌め合わせると、軸部材2とリング拡開案内6とが軸Zに関して同心に位置決め(詳しくは芯合わせ)される。
前記テーパ部6bの大径側寸法は、軸部材2のリング溝2a付近と同じく、直径φである。該テーパ部6bの小径側直径寸法αは、スナップリング3の内径寸法よりも小さく設定されている。
前記圧入筒7の内径寸法は、テーパ部6bの大径側と同じくφであり、軸部材2のリング溝2a付近の外径寸法と同じである。
従って、圧入筒7をリング拡開案内6に外嵌すると、「軸部材2、リング拡開案内6、及び圧入筒7」が、Zと同心に整列せしめられる。
前掲の図1に描かれた圧入筒7とリング拡開ロッド8との関係を図3(C)に示す。
圧入筒7には、その軸心と平行にロッド案内溝7aが削成されていて、リング拡開ロッド8を往復矢印a〜bのごとく摺動自在に案内している。
上記リング拡開ロッド8の先端部は、先細形のテーパ状に形成されている。該リング拡開ロッド8が矢印a方向に下降すると、図2(A)のように、その先端がスナップリング3の開口部に対向し、
さらに下降すると、図2(B)のようにスナップリングの開口部を拡開するようになっている。
スナップリング3の開口部が拡開されると、該スナップリングが全体的に拡大し、その内径寸法がφ(軸部材2の、リング溝2a付近の直径)よりも大きくなるとリング溝2aから外し得るようになる。
この状態(図2(B)参照)で、拡開されたスナップリング3は、弾性復元力によってリング拡開ロッド8を挟み付ける。
リング拡開ロッド8を引き上げると、上記挟み付けの摩擦力によってスナップリング3が持ち上げられる。
この図1に鎖線で記入されているスナップリング3′は、スナップリング嵌め込み操作における準備位置を表している。嵌め込み操作については、図3を参照して後に詳しく述べる。
図2(B)は、スナップリング3とリング拡開ロッド8とだけを抽出して描かれているが、実際には(図1参照)スナップリング3と、リング拡開ロッド8と、圧入筒7とを一緒に引き上げる。
上述の操作から明らかなように、本実施形態によると、スナップリング付近の機器(図示せず)を傷つける虞れが無く、別段の熟練を要せず、迅速容易にスナップリング3を取り外すことができる。
図3は、前掲の図1に示した工具を用いてスナップリングを装着する状態を描いた断面図である。ただし、図1とは切断面がことなるのでリング拡開ロッド8が現れていない。
リング拡開案内6を軸部材2の上に被せて、芯出し穴6aを突起2bに嵌合させ、両者をZ軸に芯合わせする。
次いで、鎖線で描いたスナップリング3′を、リング拡開案内6のテーパ部6bの小径部に嵌める。
上記リング拡開案内6の上方から、圧入筒7を外嵌して圧し下げると、スナップリング3′(鎖線)は矢印c,c′のように拡開されながら下降し、点線で描いたスナップリング3の位置に嵌め合わされる。
上述の操作から明らかなように、本実施形態によると、スナップリング付近の機器(図示せず)を傷つける虞れが無く、別段の熟練を要せず、迅速容易にスナップリング3を装着することができる。
前掲の図1に示したスナップリング3の取り外し操作、及び、図3に示したスナップリング3の装着操作においては、軸部材2に対してリング拡開案内6を同心に合わせることが必要であった。これらの実施形態では、軸部材の突起2bとリング拡開案内の芯出し穴6aとによって芯合わせが行われた。
上記の突起2bは、軸部材2に本来的に設けられていた突起を利用した。この場合、突起の形状寸法に合わせて芯出し穴6aを形成すれば支障無く適合する。
軸部材に、本来的な突起が無い場合は、スナップリング着脱のための突起を設けても良いし、図4を参照して後述する実施形態(2例のいずれか)を適用しても良い。
図4は、前記と異なる実施形態の2例を示す。
軸部材2の先端部に突起が形成されていなくても(図4(A)参照)、リング溝2a付近の軸端にセンタ穴2cが形成されている場合は、前記リング拡開案内6に類似する部材であるリング拡開案内9にセンタ突起9aを形成する。
前記センタ突起9aをセンタ穴2cに合わせると、リング拡開案内9が軸部材2に対して芯合わせされる。この図4(A)の実施形態によると、軸部材に本来的に設けられているセンタ穴を利用し、もしくは、スナップリング着脱のためのセンタ穴を設けておいて、上述のようにして芯合わせし、その後は図3の実施形態に準じてスナップリングの装着を行なうことができる。
また、図1及び図2の実施形態に準じてスナップリングの取り外しを行なうこともできる。
図4(B)は前記と異なる実施形態に係るスナップリング取り外し工具の模式的な断面図である。
この実施形態の特徴は、軸部材の端に突起もセンタ穴も不要であること。及び、取り外し専用であって装着には不向きであること、である(装着も不可能ではないが…)。
本図4(B)の左半は外観を、右半は断面を、それぞれ描いてある。左半の外観図において、読図を容易にするためスナップリング3に斑点を付した。斑点の無い箇所βはスナップリングの開口部である。
先に図3(A)、(B)を参照して説明したように、本発明によってスナップリングを取り外す操作の要点は、該スナップリングの開口部にリング拡開ロッド8の先端部を差し入れて拡開することである。さらに要約すると、リング拡開ロッド8の先端をスナップリングの開口部に誘導することである。
本図4(B)の実施形態は、リング拡開ロッド8の先端を所望の箇所(スナップリング開口部)へ導くことを主眼として構成したものである。
リング拡開ロッド8を所望の箇所(スナップリング開口部)へ導くためのロッド案内具10が設けられている。
このロッド案内具10の先端部(図において下端)に、短円筒状の芯出し部10aが同心に形成されている。
上記芯出し部10aを軸部材2の先端に嵌め合わすと、ロッド案内具10が軸心Zに揃えられる。
上記のロッド案内具10には、図示の状態で軸心Zと平行なロッド案内溝10bが形成されていて、リング拡開ロッド8をZ軸方向に摺動自在に案内している。
該リング拡開ロッド8の先端をスナップリング開口部βに合わせて押し込むと、先に図2(A)、(B)を参照して説明した作用によってスナップリングを拡開させ、リング溝2aから抜き出すことができる。
上述の操作から明らかなように、本図4(B)の実施形態によっても、周辺の機器を損傷させる虞れ無く、迅速かつ容易にスナップリングを取り外すことができる。
本発明の1実施形態を描いた模式的な断面図 本発明におけるスナップリング取外し操作の原理を説明するための模式図 本発明装置を用いてスナップリングを装着している状態の断面図 前記と異なる実施形態の2例を描いた部分断面図 公知のスナップリングを描いた平面図
符号の説明
1…組立部品本体
2…軸部材
2a…リング溝
2b…突起
2c…センタ穴
3…スナップリング
4…スプリング
5…スプリング押え
6…リング拡開案内
6a…芯出し穴
6b…テーパ部
7…圧入筒
7a…ロッド案内溝
8…リング拡開ロッド
9…リング拡開案内
9a…センタ突起
9b…テーパ部
10…ロッド案内具
10a…芯出し部
10b…ロッド案内溝
a…リング拡開ロッドの下降を表す矢印
b…リング拡開ロッドの上昇を表す矢印
c,c′…スナップリングの拡開装着を表す矢印
α …テーパ部の小径部の直径
β …スナップリングの開口部
φ …テーパ部の大径部の直径
ψ …スナップリングの内周の直径
Z …軸心の線

Claims (6)

  1. 軸部材(2)の端部付近のリング溝(2a)に嵌め付けられるスナップリング(3)の着脱工具において、
    上記軸部材のスナップリング取付け部付近の外径寸法φとほぼ同径の大径部、および、前記スナップリングの自由形状における内径寸法よりも小径の小径部とから成るテーパ部6bを有するリング拡開案内(6)と、
    上記リング拡開案内に外嵌する圧入筒(7)と、
    上記圧入筒に対して、その軸心Z方向に往復摺動可能なリング拡開ロッド(8)とを具備し、
    前記リング拡開案内(6)の大径側の端を軸部材(2)の先端部に対して同心に位置決めする手段を備えており、
    かつ、上記リング拡開ロッドの先端部がテーパ状に先細になっていて、該先細の先端を「軸部材のリング溝(2a)に嵌め付けられているスナップリング(3)の開口部」に差し入れ得るようになっていて、
    前記リング拡開ロッドの先端のテーパ状部をスナップリング開口部に押し込むことによって、該開口部が拡開される構造であることを特徴とする、スナップリング装着・取り外し用の工具。
  2. 前記の「リング拡開案内(6)の大径側の端を軸部材(2)の先端部に対して同心に位置決めする手段」が、
    軸部材(2)の先端に形成された突起(2b)と、
    リング拡開案内(6)の大径側の端面に形成された芯出し穴(6a)との対偶であることを特徴とする、請求項1に記載したスナップリング装着・取り外し用の工具。
  3. 前記の「リング拡開案内(6)の大径側の端を軸部材(2)の先端部に対して同心に位置決めする手段」が、
    軸部材(2)の先端に形成されたセンタ穴(2c)と、
    リング拡開案内(9)の大径側の端面に形成されたセンタ突起(9a)との対偶であることを特徴とする、請求項1に記載したスナップリング装着・取り外し用の工具。
  4. 軸部材(2)の端部付近のリング溝(2a)に嵌め付けられているスナップリング(3)を取外す工具において、
    上記軸部材のスナップリング取付け部付近の外径寸法φに嵌合する内径寸法を有する筒状の芯出し部(10a)を備えたロッド案内具(10)を具備しており、
    上記ロッド案内具に、その軸心Zと平行なロッド案内溝(10b)が形成されていて、
    このロッド案内溝に嵌合されたリング拡開ロッド(8)が、軸心Z方向に往復摺動可能であり、
    かつ、上記リング拡開ロッド(8)の先端が先細のテーパ状をなしていて、この先端が「軸部材のリング溝(2a)に嵌め付けられているスナップリング(3)の開口部」に対向するように案内されており、
    上記リング拡開ロッドの先端のテーパ状部をスナップリング開口部に押し込むことによって、該開口部が拡開される構造であることを特徴とする、スナップリング取り外し用の工具。
  5. 軸部材(2)の端部付近のリング溝(2a)に嵌め付けられているスナップリング(3)を取外す方法において、
    予め、先端が先細のテーパ状になっているリング拡開ロッド(8)を準備しておき、
    上記リング拡開ロッド(8)の先端を「軸部材のリング溝(2a)に嵌め付けられているスナップリング(3)の開口部」に差し入れ、
    このリング拡開ロッド先端のテーパ状部をスナップリング(3)の開口部に押し込んで該開口部を拡開し、
    拡開されたスナップリングの弾性復元力によって、リング拡開ロッド(8)のテーパ部を挟みつけ、
    挟み付け部の摩擦力によってスナップリングに移動力を与えて取り外すことを特徴とする、スナップリング取り外し方法。
  6. 前記リング拡開ロッド(8)を摺動可能に嵌合せしめるロッド案内溝(10b)を有するロッド案内具(10)を予め準備しておき、
    該ロッド案内具を軸部材(2)に対して位置決めし、
    リング拡開ロッド(8)の先端をスナップリング(3)の開口部に誘導することを特徴とする、請求項5に記載したスナップリング取り外し方法。
JP2004370613A 2004-12-22 2004-12-22 スナップリング装着・取り外し用の工具、及びスナップリング取り外し用の工具、並びにスナップリング取り外し方法。 Withdrawn JP2006175544A (ja)

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