JP2006174618A - 圧電アクチュエータ及び液体吐出装置 - Google Patents

圧電アクチュエータ及び液体吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】圧電アクチュエータの繰り返し駆動に対して変位劣化の少ない圧電アクチュエータ及び液体吐出装置を提供する。
【解決手段】振動板の上に、共通電極、圧電セラミック層をこの順に形成し、前記圧電セラミック層の表面に複数の駆動電極をマトリックス状に配列してなるとともに、該駆動電極と、前記共通電極の前記駆動電極に対向する対向部位と、前記駆動電極及び前記対向部位で挟持される前記圧電セラミック層の挟持領域と、で形成される変位領域の分極方向が、変位領域間に形成された非変位領域の分極方向と異なることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電積層体、圧電アクチュエータ、印刷ヘッド及び印刷機に関し、特に、広がり振動、伸び振動、厚みたて振動を利用した圧電アクチュエータと、燃料噴射用インジェクタ、インクジェットプリンタ用印刷ヘッド、圧電ポンプ等に好適に用いることができる液体吐出装置に関する。
近年、パーソナルコンピューターの普及やマルチメディアの発達に伴って、情報を記録媒体に出力する記録装置として、インクジェット方式の記録装置の利用が急速に拡大している。
かかるインクジェット方式の記録装置には、印刷ヘッドが搭載されており、この種の印刷ヘッドには、インクが充填されたインク流路内に加圧手段としてのヒーターを備え、ヒーターによりインクを加熱、沸騰させ、インク流路内に発生する気泡によってインクを加圧し、インク吐出孔より、インク流として吐出させるサーマルヘッド方式と、インクが充填されるインク流路の一部の壁を変位素子によって屈曲変位させ、機械的にインク流路内のインクを加圧し、インク吐出孔よりインク流として吐出させる圧電方式が一般的に知られている。
圧電方式を利用したインクジェット記録装置に用いられる印刷ヘッドは、例えば図2(a)に示したように、圧電アクチュエータ21が、流路部材23の上に設けられた構造を有する(例えば、特許文献1参照)。圧電流路部材23は、複数のインク加圧室23aが隔壁23bによって仕切られ、インク加圧室23aは圧電アクチュエータ21に当接するように並設されている。
圧電アクチュエータ21は、共通電極24を表面に形成した振動板22上に圧電セラミック層25を設け、圧電セラミック層25の上に駆動電極26を設けてなる。換言すれば、駆動電極26と、共通電極24の駆動電極26に対向する対向部位24aと、駆動電極26及び対向部位24aで挟持される圧電セラミック層25の挟持領域25aと、で形成される変位素子27a、27cを、振動板22の上に複数配設してなるものである。
駆動電極26は、図2(b)に示したように、圧電セラミック層25の表面に複数配列されることにより、複数の圧電変位部27が形成されたものである。通常は、マトリックス配置をするように駆動電極26が形成される。この圧電アクチュエータ21は、インク加圧室23aの直上に駆動電極26が位置するようにして流路部材23上に配置している。
このような印刷ヘッドは、共通電極24と所定の駆動電極26との間に電圧を印加して駆動電極26直下の圧電セラミック層25の挟持領域25aを変位させることにより、変位領域27aが対応するインク加圧室23aの方向に凸になるように変形し、インク加圧室23a内のインクを加圧して、流路部材23の底面に開口したインク吐出口28より液滴を吐出することができる。
このような場合、圧電セラミック層25の全てを特定の方向に分極するか、又は、共通電極24と駆動電極26に電圧を印加して、これらの電極に挟持された圧電セラミック層25の挟持領域25aだけを特定の方向に分極することが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
例えば、図2(c)に示したように、共通電極24は、駆動電極26に対向とする対向部位24aと、それ以外の非対向部位24bとで構成され、圧電セラミック層25は、対向部位24aと駆動電極26とで挟持される挟持領域25a(破線内)と非挟持領域25b(破線外)とで構成される。また、変位素子27は、駆動電極26と、対向部位24aと、挟持領域25aと、で構成され、共通電極24と駆動電極26との間に駆動電圧を印加することによって変位する変位領域27a(波線内)が、変位に関与しない非変位領域27bによって囲まれ、且つ変位領域27aと隣接する変位領域27cとの間隙を非変位領域27bが埋設するように設けられている。
分極処理は、共通電極24と駆動電極26との間に分極電圧を印加することによって行われ、この処理によって、変位領域27a及び変位領域27cの挟持領域25a、25cは、矢印で示した厚み方向に分極し、非変位領域27bの非挟持部位25bは、分極されない。
そして、ユニモルフ型変形をともなう場合には、駆動電圧が共通電極24と駆動電極26との間に印加されると、挟持領域25aは、その厚み方向(矢印と同じ図面の縦方向)に伸長すると、圧電横効果により積層方向と垂直な面方向(図面の横方向)に収縮しようとする。非変位領域及び振動板は変形しないため、圧電アクチュエータ21は、変位領域27aが液体加圧室23a側に凸になるように変形し、液体加圧室23aに充填された液体を加圧し、液体吐出口から液滴を吐出させることができる。
なお、図2に設けられた波線は、便宜のために設けたものである。
特開2003−165214号公報 特開2001−105592号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の圧電アクチュエータ21では、上述したように変位領域27aの圧電セラミック層25aが面方向に収縮する動作と、収縮した状態から元の状態に復帰する動作とを、所望の時間をおいて繰り返す(変位素子の変位を連続して行う)うちに、徐々に変位量が低下して行き、最悪の場合には液滴が吐出しなくなるという問題があった。
特に、このような圧電アクチュエータ21をインクジェットプリンタの印刷ヘッドとして用いた場合、圧電アクチュエータ21の変位量が低下するにつれて、インクの吐出速度が低下し、文字の正確な印字や画像の精細な描写が不可能となり、或いは、目的とする色調を再現することができなくなるという問題があった。
そこで、本発明は、駆変位素子を繰り返し変位させても変位量の低下が少ない圧電アクチュエータ及び液体吐出装置を提供することを目的とするものである。
本発明の圧電アクチュエータは、基板の上に、一対の電極で圧電体を挟持してなる変位素子をマトリックス状に配置せしめ、一対の電極に電圧を印加することによって前記変位素子を変位させる前記圧電アクチュエータであって、該変位素子の変位によって変形する変位領域間に非変位領域を設け、該非変位領域の圧電セラミック層の分極方向を前記変位領域の圧電セラミック層の分極方向と異なるように分極処理を施してなることを特徴とする。
特に、振動基板の上に、共通電極、圧電セラミック層をこの順に形成し、さらに該圧電セラミック層の表面に複数の駆動電極を形成することによって、該駆動電極と、前記共通電極の前記駆動電極に対向する対向部位と、前記駆動電極及び前記対向部位で挟持される前記圧電セラミック層の挟持領域と、で形成される変位素子を、前記振動板の上に複数配設してなることが好ましい。これにより、ユニモルフ構造で、微細な領域を変位させることが容易になる。また、複数の駆動素子に個別に駆動信号を入力することで微細な領域の変位を個別に制御することが可能である。
前記振動板が、圧電体層と内部電極層との積層体であることが好ましい。これにより、基板の分極も簡単に行うことができる。また、厚みが100μm以下の構造体の強度保持に対しても有効に働く。
前記変位領域の分極方向と、前記非変位領域の分極方向とが、略反対であり、前記前厚みと垂直な方向に対して、記変位領域が伸長する際に前記非変位領域が収縮し、前記変位領域が収縮する際に前記非変位領域が伸長することが好ましい。これにより、変位領域に掛かる残留応力を軽減させ、変位させる原動力となる分域の回転を阻害することなく、駆動サイクルが増加しても変位の低下が少なくすることができる。
また、本発明の液体吐出装置は、複数の液体加圧室と、該複数の液体加圧室にそれぞれ連通する液滴吐出孔と、前記液体加圧室に液体を供給するための液体流路とを具備する流路部材の上に、請求項1〜4のいずれかに記載の圧電アクチュエータを、前記液体加圧室の壁面の一部が前記圧電アクチュエータで形成されるように、且つ前記液体加圧室と前記駆動電極との位置が揃うように取り付け、前記圧電アクチュエータの変位領域が変位することによって前記液体加圧室の容積を増減させ、該液体加圧室に充填された液体を加圧し、前記液滴吐出孔から液滴を吐出させることを特徴とする。これにより、駆動劣化の少ない圧電アクチュエータの変位により安定した液体の供給ができる。
特に、前記液体がインクであって、インクジェットヘッドとして用いられることが好ましい。これにより、インク吐出を繰り返してもインク供給量・供給速度が安定することができる。
本発明は、変位領域と非変位領域との分極方向を変えることによって、変位領域が変位した際に、当該変位領域近傍の非変位領域が膨張する方向に変形するため、変位領域と非変位領域との境界に発生する残留応力が小さくなり、その結果、変位領域の分域回転が駆動サイクルの増加に伴い抑制されることを防止するとの知見に基づくものである。
即ち、圧電セラミック層の非挟持領域を分極し、その分極方向を挟持領域の分極方向と異なるようにすることによって、変位領域に分極方向と同一方向の駆動信号を入力した際、電圧印加により変位領域は収縮する。この際、表面電極の近傍には電気力線がもれているため表面電極周辺も圧電振動が発生する。このとき非駆動部分の分極方向は駆動部分と反対であるため、駆動部分と反対に膨張する。この作用により、従来の分極であれば表面電極周辺に発生する引っ張り応力が抑制されることになる。これは、従来引っ張り応力によって発生していた表面電極周辺の非駆動部の伸び(分域回転に起因する磁器変形)が抑制されることを意味する。その結果、駆動部分への圧縮応力が緩和され、分域回転の抑制が緩和される。その結果、駆動サイクルの増加による変位低下が抑制される。
例えば、圧電セラミック層をバネでモデル化すると、従来は、挟持領域がバネで構成され、非挟持領域が剛体で構成されるため、バネが収縮しようとすると、剛体に発生する応力によって剛体が次第に変形し、その結果、バネの収縮・伸長の変形幅が小さくなるのに対して、本発明では非挟持領域が剛体の両端に小さいバネを具備しているため、挟持領域が収縮すると、非挟持領域の端部のバネが伸長することによって剛体に加わる応力が激減し、剛体の変形が減少するため、バネの収縮・伸長を定常状態に保つことができる。
本発明は、圧電セラミック層の一部が振動する変位素子と、その変位素子間を埋設するように形成された非変位素子とからなる圧電アクチュエータであって、変位素子の変位モードは、伸び振動、広がり振動、厚み縦振動又はそれ以外の変位モードで変位するものであって、以下にユニモルフタイプの圧電アクチュエータを用いた液体吐出装置を例として本発明を説明する。図1は本発明の圧電アクチュエータの構造を示す断面図である。
図1によれば、圧電アクチュエータ1を、流路部材3の上に設けることによって液体吐出装置を構成している。
本発明の圧電アクチュエータ1は、基板2の表面に、共通電極4、圧電セラミック層5をこの順に形成し、さらに圧電セラミック層5の表面に複数の駆動電極6を形成してなり、駆動電極6と、共通電極4の駆動電極6に対向する対向部位4aと、駆動電極6及び対向部位4aで挟持される圧電セラミック層5の挟持領域5aと、で変位素子7を形成する。即ち、変位素子7は、一対の電極(対向部位4aと駆動電極6)と圧電体(挟持領域5a)とで構成される。
変位素子7の一対の電極間に電圧が印加されると、変位素子7と略同一の大きさの変位領域7aと、変位領域7aに当設する振動板とが液体加圧室に凸になるように変位する。また、電圧を解除することによってその変位を解除できる。液体吐出装置は、この変位素子の駆動を利用した物である。
図1(c)によれば、変位素子7が、振動板2上にマトリックス状に配列しており、各変位素子7は対応するノズル8に連通する液体加圧室3aの直上に配置されているため、所望の変位素子7を駆動させることによって、所望のノズルから液体を突出させることができる。
変位素子7はセラミック基板2上に複数設けられており、例えば図1(b)に示したように、駆動電極6が等間隔で2次元的に配列され、それぞれ外部の電子制御回路に独立して接続され、それぞれの電極間に電圧が印加されると、電圧が印加された共通電極4と駆動電極6に挟持された部位の圧電セラミック層5が変位することができる。
共通電極5と、駆動電極6とは、それぞれ駆動回路(不図示)に接続され、駆動回路は、制御手段(不図示)に接続されている。そして、共通電極4と所定の駆動電極6との間に電圧を印加して駆動電極6直下の圧電セラミック層5の挟持領域5aを変位させることにより、変位領域7aが対応する液体加圧室3aの方向に凸になるように変形し、液体加圧室3a内の容積を増減させることで、加圧室の液体を、流路部材3の底面に開口した液体吐出口8より液滴を吐出することができる。
本発明によれば、駆動電極6及び対向部位4aとで挟持される圧電セラミック層5の挟持領域5aと、で構成される変位領域7aの分極方向が、変位領域7a間に形成された非変位領域7bの分極方向と異なることが重要である。
従来のように、変位領域7aと非変位領域7bの分極方向が同じ場合、又は非変位領域7bが分極されてない場合、変位領域7aは逆圧電効果により面方向(図1における左右方向)に伸縮振動が発生する。しかし、この際、変位領域7aに隣接する非変位領域7bの境界部分Aは圧電非活性のため、境界部分Aに振動による残留応力が発生する。この残留応力は引っ張り応力のため圧電体である境界部分Aを変位領域7a方向に伸びるように変形させる。この結果、変位領域は基板面方向から圧縮応力を受けるようになる。このため変位が低下するのである。これに対して本発明である変位領域7aと非変位領域7bの分極方向が逆の場合、駆動部分が収縮している際、境界部分Aは周辺にもれる電気力線の作用により変位部と反対に伸びる。この作用により、境界部分Aに残留応力の発生を緩和させることができ、変位領域の圧縮応力を緩和するため変位低下が抑制されるのである。
また、変位領域7aの分極方向と、非変位領域7bの分極方向とが、略反対であり、厚み方向と垂直な方向に対して、記変位領域が伸長する際に前記非変位領域が収縮し、前記変位領域が収縮する際に前記非変位領域が伸長することが好ましい。これにより、境界部分Aの残留応力が緩和され、変位低下が抑制することができる。
また、振動板が圧電体層と内部電極層との積層体であることが好ましい。これにより、厚み100μm以下の積層体であっても強度を保持することができる。
本発明の液体吐出装置は、上述したように、複数の液体加圧室と、該複数の液体加圧室にそれぞれ連通する液滴吐出孔と、前記液体加圧室に液体を供給するための液体流路とを具備する流路部材の上に、上記の圧電アクチュエータを、前記液体加圧室の壁面の一部が前記圧電アクチュエータで形成されるように、且つ前記液体加圧室と前記駆動電極との位置が揃うように取り付け、前記圧電アクチュエータの変位領域が変位することによって前記液体加圧室の容積を増減させ、該液体加圧室に充填された液体を加圧し、前記液滴吐出孔から液滴を吐出させることを特徴とする。
これにより、実用的な信頼性を有し且つ、複数の変位素子が多連多列に形成されたアクチュエータを実現できる。
前記液体がインクであって、インクジェットヘッドとして用いられることが好ましい。これにより、複数の変位素子が多連多列に形成されたアクチュエータを用いることにより高速印刷が可能なインクジェットプリンタに実用的な信頼性を保持させることが実現できる。このように、本発明の圧電体は、繰り返し駆動させることによる圧電アクチュエータの変位低下を抑制し圧電アクチュエータとしてインクジェットプリンタの印刷ヘッドとして好適に用いることができる。
圧電セラミック層に用いる圧電材料をチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)とし、PZTを用いたスラリーを作成し、このスラリーから、成形方法としてロールコーター法を採用して、グリーンシートを作製した。
次いで、金型打ち抜きによって、100μm径の貫通孔をグリーンシートに形成した。その後、Ag−Pd合金を含む導体ペーストを用いたスクリーン印刷法により、各グリーンシートの表面に、共通電極となる電極パターンを形成した。
また、Ag−Pd合金に対して、圧電体粉末をフィラー剤として30体積%添加してビア導体ペーストを作製し、これをスクリーン印刷にて、グリーンシートに形成した貫通孔の内部に充填し、ビア電極を形成した。
次いで、グリーンシートを積層して、内部に共通電極及びビア電極を備えた積層成形体を作製した。その後、この積層成形体を980℃の温度で焼成して圧電焼結体を作製した。
この圧電焼結体の表面に、変位素子を構成する部分の共通電極に相対するように主成分Auを含む導体ペーストを用いたスクリーン印刷により、図1(b)のようにマトリックス状に駆動電極を形成し、しかる後に、800℃の熱処理によって駆動電極を形成した。
次に、圧電セラミック層のほぼ全面を分極するために、圧電セラミック層の表面に駆動電極を覆うように、Agを主体とする仮電極ペーストを塗布し、乾燥させて分極電極を形成した。なお、圧電セラミック層の表面に形成されたビア電極とその周囲には分極電極を形成しなかった。この全面分極を行った後に、共通電極と、分極電極との間に電圧を印加して圧電セラミック層のほぼ全面を分極し、その後、有機溶剤中で超音波洗浄して分極電極を除去した。
さらに、溝幅0.4mm、溝長さ0.4mmの溝形状(開口部面積0.16mm2)を有し、溝ピッチが0.6mmで格子状にマトリックス配置された流路部材の上に、圧電アクチュエータを、開口部にそれぞれの変位素子が位置するように接着し、液体吐出装置を作製した。
そして、共通電極と、全駆動電極との間に、全面電極と逆の電圧を印加して、部分分極を行った。なお、この部分分極による分極方向は、全面分極と反対方向になった。
なお、試料No.6は、全面分極を行わず、部分分極だけを行って、駆動電極及び共通電極の対向部位で挟持される圧電セラミック層の挟持領域のみを分極した。また、試料No.7は、全面分極だけを行い、部分分極を行わなかった。
得られた液体吐出装置を用いて、変位特性を評価した。初期変位として、圧電アクチュエータを駆動させる前に、予め変位素子の初期変位量Aを測定した。次いで、駆動電極と共通電極間にピーク電圧25V、周波数2KHz、デューティ80%のパルス波を50億サイクル印加した後で、変位素子の駆動後変位量Bを測定し、初期変位量Aに対する駆動後変位量Bの劣化率(A−B)/Aを算出した。その結果を表1に示す。
なお、変位量の測定は、ドライバーICを用いたアクチュエータ駆動回路を用いて変位素子部に駆動信号(矩形波)を入力し変位部をグラフテック社製のレーザードップラー変位形にて変位を測定して行った。結果を表1に示した。
Figure 2006174618
本発明の試料No.1〜5は、変位量の低下率が10%以下であり、変位劣化の少ない信頼性が高い圧電アクチュエータであった。
一方、一対の電極間の圧電セラミック層の挟持領域だけを分極した本発明の範囲外の試料No.6は、初期変位量は103nmと本発明品と遜色がなかったが、50億サイクル後の劣化率が23%と大きく、駆動信頼性が低かった。
また、圧電セラミック層を全面同一方向に分極した試料No.7は、初期変位量は102nmと本発明品と同等であったが、50億サイクルで劣化率12%と大きく駆動信頼性は本発明品に及ぶものではなかった。
本発明の圧電アクチュエータの構造を示すもので、(a)は概略断面図、(b)は(a)の部分拡大図、(c)は平面図である。 本発明の圧電アクチュエータの分極状態を示す概略断面図である。
符号の説明
1・・・圧電アクチュエータ
2・・・基板
3・・・流路部材
4・・・共通電極
4a・・・共通電極の駆動電極に対向する対向部位
5・・・圧電セラミック層
5a・・・駆動電極及び対向部位で挟持される圧電セラミック層の挟持領域
6・・・駆動電極
7・・・変位素子
7a・・・変位領域
7b・・・非変位領域

Claims (6)

  1. 基板の上に、一対の電極で圧電体を挟持してなる変位素子をマトリックス状に配置せしめ、一対の電極に電圧を印加することによって前記変位素子を変位させる前記圧電アクチュエータであって、該変位素子の変位によって変形する変位領域間に非変位領域を設け、該非変位領域の圧電セラミック層の分極方向を前記変位領域の圧電セラミック層の分極方向と異なるように分極処理を施してなることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 振動基板の上に、共通電極、圧電セラミック層をこの順に形成し、さらに該圧電セラミック層の表面に複数の駆動電極を形成することによって、該駆動電極と、前記共通電極の前記駆動電極に対向する対向部位と、前記駆動電極及び前記対向部位で挟持される前記圧電セラミック層の挟持領域と、で形成される変位素子を、前記振動板の上に複数配設してなることを特徴とする請求項1記載の圧電アクチュエータ。
  3. 前記振動板が、圧電体層と内部電極層との積層体であることを特徴とする請求項1又は2記載の圧電アクチュエータ。
  4. 前記変位領域の分極方向と、前記非変位領域の分極方向とが、略反対であり、前記厚み方向と垂直な方向に対して、記変位領域が伸長する際に前記非変位領域が収縮し、前記変位領域が収縮する際に前記非変位領域が伸長することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  5. 複数の液体加圧室と、該複数の液体加圧室にそれぞれ連通する液滴吐出孔と、前記液体加圧室に液体を供給するための液体流路とを具備する流路部材の上に、請求項1〜4のいずれかに記載の圧電アクチュエータを、前記液体加圧室の壁面の一部が前記圧電アクチュエータで形成されるように、且つ前記液体加圧室と前記駆動電極との位置が揃うように取り付け、前記圧電アクチュエータの変位領域が変位することによって前記液体加圧室の容積を増減させ、該液体加圧室に充填された液体を加圧し、前記液滴吐出孔から液滴を吐出させることを特徴とする液体吐出装置。
  6. 前記液体がインクであって、インクジェットヘッドとして用いられることを特徴とする請求項5記載の液体吐出装置。

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