JP2019055521A - 波形生成装置、インクジェット記録装置及び波形データ - Google Patents

波形生成装置、インクジェット記録装置及び波形データ Download PDF

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Abstract

【課題】小液滴の発生を抑える波形生成装置、インクジェット記録装置及び波形データを提供すること。【解決手段】実施形態の波形生成装置は、圧力室内の液体をノズルから吐出させるためにアクチュエーターに印加する駆動信号を生成する生成部を備える。駆動信号は、第1のサイクル及び第2のサイクルをこの順で含む。第1のサイクルは、圧力室の圧力を減少させるようにアクチュエーターを駆動させる第1のパルスと、圧力室の圧力を増加させるようにアクチュエーターを駆動させる第2のパルスとをこの順で含む。第2のサイクルは、圧力室の圧力を減少させるようにアクチュエーターを駆動させる第3のパルスと、圧力室の圧力を増加させるようにアクチュエーターを駆動させる第4のパルスとをこの順で含む。第3のパルスの印加は、圧力室内のインク流速がゼロ近傍であり、圧力室内のインク圧力がゼロ近傍ではないときに開始する。【選択図】図6

Description

本発明の実施形態は、波形生成装置、インクジェット記録装置及び波形データに関する。
インクジェットプリンターなどのインクジェット記録装置は、インクジェットヘッドのノズルから吐出されたメインドット(主液滴)に付随して、サテライト又はミストなどと呼ばれる小液滴が発生する場合がある。このような小液滴は、印刷品質の低下などに繋がる。
特開2002−019103号公報
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、小液滴の発生を抑える波形生成装置、インクジェット記録装置及び波形データを提供することである。
実施形態の波形生成装置は、圧力室内の液体をノズルから吐出させるためにアクチュエーターに印加する駆動信号を生成する生成部を備える。前記駆動信号は、第1のサイクル及び第2のサイクルをこの順で含む。前記第1のサイクルは、前記圧力室の圧力を減少させるように前記アクチュエーターを駆動させる第1のパルスと、前記圧力室の圧力を増加させるように前記アクチュエーターを駆動させる第2のパルスとをこの順で含む。前記第2のサイクルは、前記圧力室の圧力を減少させるように前記アクチュエーターを駆動させる第3のパルスと、前記圧力室の圧力を増加させるように前記アクチュエーターを駆動させる第4のパルスとをこの順で含む。前記第3のパルスの印加は、前記圧力室内のインク流速がゼロ近傍であり、前記圧力室内のインク圧力がゼロ近傍ではないときに開始する。
第1実施形態及び第2実施形態に係るインクジェット記録装置の構成の一例を示す模式図。 図1中に示す液体吐出ヘッドの構成の一例を示す斜視模式図。 図1中に示す液体吐出ヘッドの構成の一例を示す分解斜視模式図。 図2のF−F線断面模式図。 図1に示すインクジェット記録装置の要部回路構成の一例を示すブロック図。 第1実施形態に係る駆動波形の一例を示す図。 第1実施形態に係る駆動波形をアクチュエーターに印加した場合のシミュレーションの結果を示す図。 第2実施形態に係る駆動波形の一例を示す図。 第2実施形態に係る駆動波形をアクチュエーターに印加した場合のシミュレーションの結果を示す図。
以下、いくつかの実施形態に係るインクジェット記録装置について図面を用いて説明する。なお、実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、各部の縮尺を適宜変更して示している場合がある。また、実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、構成を省略して示している場合がある。
〔第1実施形態〕
以下、第1実施形態に係るインクジェット記録装置の構成について説明する。
図1は、第1実施形態に係るインクジェット記録装置1の構成の一例を示す模式図である。
インクジェット記録装置1は、インクなどの記録材を用いて画像形成媒体Sなどに画像を形成する。インクジェット記録装置1は、一例として、複数の液体吐出部2と、液体吐出部2を移動可能に支持するヘッド支持機構3と、画像形成媒体Sを移動可能に支持する媒体支持機構4と、を備える。画像形成媒体Sは、例えば、紙、布又は樹脂などを素材とするシートである。
図1に示すように、複数の液体吐出部2が、所定の方向に並列して配置された状態でヘッド支持機構3に支持される。ヘッド支持機構3は、ローラー3aに掛けられた無端ベルト3bに取り付けられている。インクジェット記録装置1は、ローラー3aを回転させることで、ヘッド支持機構3を、画像形成媒体Sの搬送方向に対して直交する主走査方向Aに移動させることが可能である。液体吐出部2は、インクジェットヘッド10及び循環装置20を一体に備える。液体吐出部2は、液体として例えばインクIをインクジェットヘッド10から吐出させる吐出動作を行う。インクジェット記録装置1は、一例として、ヘッド支持機構3を主走査方向Aに往復移動させながらインク吐出動作を行うことで、対向して配置される画像形成媒体Sに所望の画像を形成するスキャン方式である。あるいは、インクジェット記録装置1は、ヘッド支持機構3を移動させずにインク吐出動作を行うシングルパス方式であっても良い。この場合、ローラー3a及び無端ベルト3bを設けるには及ばない。またこの場合、ヘッド支持機構3は、例えばインクジェット記録装置1の筐体などに固定される。
複数の液体吐出部2は、例えば、CMYK(cyan, magenta, yellow, and key(black))に対応する4色のインク、すなわちシアンインク、マゼンタインク、イエローインク及びブラックインクを、それぞれ吐出する。
以下、インクジェットヘッド10について図2〜図4に基づいて説明する。なお、インクジェットヘッド10として、シェアモードシェアウォール方式の循環タイプのサイドシューター型インクジェットヘッドを各図に例示する。しかしながら、インクジェットヘッド10は、その他の種類のインクジェットヘッドであっても良い。
図2は、インクジェットヘッド10の構成の一例を示す斜視図である。図3は、インクジェットヘッド10の構成の一例を示す分解斜視図である。図4は、図2のF−F線断面図である。
インクジェットヘッド10は、インクジェット記録装置1に搭載され、チューブのような部品を介してインクタンクに接続されている。このようなインクジェットヘッド10は、ヘッド本体11と、ユニット部12と、一対の回路基板13とを備えている。インクジェットヘッド10は、波形生成装置の一例である。
ヘッド本体11は、インクを吐出するための装置である。ヘッド本体11は、ユニット部12に取り付けられている。ユニット部12は、ヘッド本体11と前記インクタンクとの間の経路の一部を形成するマニホールドや、インクジェット記録装置1の内部に取り付けるための部材を含んでいる。一対の回路基板13は、ヘッド本体11にそれぞれ取り付けられている。
ヘッド本体11は、図3及び図4に示すようにベースプレート15と、ノズルプレート16と、枠部材17と、一対の駆動素子18とを備えている。ヘッド本体11の内部には、図4に示すように、インクが供給されるインク室19が形成されている。
ベースプレート15は、図3に示すように、例えばアルミナのようなセラミックスによって矩形の板状に形成されている。ベースプレート15は、平坦な実装面21を有している。ベースプレート15は、実装面21に、複数の供給孔22と、複数の排出孔23とが開口している。
供給孔22は、ベースプレート15の中央部において、ベースプレート15の長手方向に並んで設けられている。供給孔22は、ユニット部12の前記マニホールドのインク供給部12aに連通している。供給孔22は、インク供給部12aを介して循環装置20内のインクタンクに接続されている。前記インクタンクのインクは、インク供給部及び供給孔22を通じてインク室19に供給される。
排出孔23は、供給孔22を挟むように二列に並んで設けられている。排出孔23は、ユニット部12の前記マニホールドのインク排出部12bに連通している。排出孔23は、インク排出部12bを介して循環装置20内のインクタンクに接続されている。インク室19のインクは、インク排出部12b及び排出孔23を通じて前記インクタンクに回収される。このように、インクは前記インクタンクとインク室19との間で循環する。
ノズルプレート16は、例えば表面に撥液性機能を付与したポリイミド製の矩形状のフィルムによって形成されている。ノズルプレート16は、ベースプレート15の実装面21に対向している。ノズルプレート16に、複数のノズル25が設けられている。複数のノズル25は、ノズルプレート16の長手方向に沿って二列に並んでいる。
枠部材17は、例えばニッケル合金によって矩形の枠状に形成されている。枠部材17は、ベースプレート15の実装面21とノズルプレート16との間に介在している。枠部材17は、実装面21とノズルプレート16とにそれぞれ接着されている。すなわち、ノズルプレート16は、枠部材17を介してベースプレート15に取り付けられている。インク室19は、図4に示すように、ベースプレート15と、ノズルプレート16と、枠部材17とに囲まれて形成されている。
駆動素子18は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)によって形成された板状の二つの圧電体によって形成されている。前記二つの圧電体は、分極方向がその厚さ方向に互いに逆向きになるように貼り合わされている。
一対の駆動素子18は、図3に示すように、ベースプレート15の実装面21に接着されている。一対の駆動素子18は、図4に示すように、二列に並ぶノズル25に対応して、インク室19の中に平行に配置されている。駆動素子18は、断面台形状に形成されている。駆動素子18の頂部は、ノズルプレート16に接着されている。
駆動素子18に、複数の溝27が設けられている。溝27は、駆動素子18の長手方向と交差する方向にそれぞれ延びており、駆動素子18の長手方向に並んでいる。複数の溝27は、ノズルプレート16の複数のノズル25に対向している。本実施形態の駆動素子18は、図4に示すように、溝27にインクを吐出する駆動流路となる複数の圧力室51を配置している。
複数の溝27のそれぞれに、電極28が設けられている。電極28は、例えばニッケル薄膜をフォトレジストエッチング加工することによって形成されている。電極28は、溝27の内面を覆っている。
図3に示すように、ベースプレート15の実装面21から駆動素子18に亘って、複数の配線パターン35が設けられている。これらの配線パターン35は、例えばニッケル薄膜をフォトレジストエッチング加工することによって形成されている。
配線パターン35は、実装面21の一つの側端部21aおよび他方の側端部21bからそれぞれ延びている。なお、側端部21a,21bは、実装面21の縁のみならずその周辺の領域を含む。このため、配線パターン35は、実装面21の縁よりも内側に設けられても良い。
以下、一つの側端部21aから延びる配線パターン35について代表して説明する。なお、他方の側端部21bの配線パターン35の基本的な構成は、一つの側端部21aの配線パターン35と同様である。
配線パターン35は、図3及び図4に示すように、第1の部分35aと、第2の部分35bとを有している。配線パターン35の第1の部分35aは、実装面21の側端部21aから駆動素子18に向かって直線状に延びている部分である。第1の部分35aは、互いに平行に延びている。配線パターン35の第2の部分35bは、第1の部分35aの端部と、電極28とに跨る部分である。第2の部分35bは、電極28にそれぞれ電気的に接続されている。
一つの駆動素子18において、複数の電極28のうち幾つかの電極28は、第1の電極群31を構成する。複数の電極28のうち他の幾つかの電極28は、第2の電極群32を構成する。
第1の電極群31と第2の電極群32とは、駆動素子18の長手方向の中央部を境に分かれている。第2の電極群32は、第1の電極群31と隣り合っている。第1および第2の電極群31,32は、例えば159個の電極28をそれぞれ含んでいる。
図2に示すように、一対の回路基板13のそれぞれは、基板本体44と、一対のフィルムキャリアーパッケージ(FCP)45とをそれぞれ有している。なお、FCPは、テープキャリアーパッケージ(TCP)とも称される。
基板本体44は、矩形状に形成された剛性を有するプリント配線板である。基板本体44に、種々の電子部品やコネクターが実装される。また、基板本体44に、一対のFCP45がそれぞれ取り付けられている。
一対のFCP45は、複数の配線が形成されるとともに柔軟性を有する樹脂製のフィルム46と、前記複数の配線に接続されたヘッド駆動回路47とをそれぞれ有している。フィルム46は、テープオートメーテッドボンディング(TAB)である。ヘッド駆動回路47は、電極28に電圧を印加するためのIC(integrated circuit)である。ヘッド駆動回路47は、樹脂によってフィルム46に固定されている。
一方のFCP45の端部は、異方性導電性フィルム(ACF)48によって、配線パターン35の第1の部分35aに、熱圧着接続されている。これにより、FCP45の前記複数の配線は、配線パターン35に電気的に接続される。
FCP45が配線パターン35に接続されることで、ヘッド駆動回路47が、FCP45の前記配線を介して電極28に電気的に接続される。ヘッド駆動回路47は、フィルム46の前記配線を介して電極28に電圧を印加する。
ヘッド駆動回路47が電極28に電圧を印加すると、駆動素子18がシェアモード変形することにより、当該電極28が設けられた圧力室51の容積が増減させられる。これにより、圧力室51の中のインクの圧力が変化し、当該インクがノズル25から吐出される。このように、圧力室51を隔てる駆動素子18は、圧力室51の内部に圧力振動を与えるためのアクチュエーターとなる。
図1に示す循環装置20は、金属製などの連結部品によりインクジェットヘッド10の上部に一体に連結されている。循環装置20は、前記インクタンク及びインクジェットヘッド10を通り液体が循環可能に構成された所定の循環路を備える。循環装置20は、液体を循環させるためのポンプを備える。当該液体は、ポンプの働きにより循環装置20からインク供給部を通じてインクジェットヘッド10内に供給され、所定の流路を通った後、インク排出部を通じてインクジェットヘッド10内から循環装置20へと送られる。
また、循環装置20は、循環路の外部に設けられる補給タンクとしてのカートリッジから循環路に液体を補給する。
インクジェット記録装置1の要部回路構成について説明する。図5は、実施形態に係るインクジェット記録装置1の要部回路構成の一例を示すブロック図である。
インクジェット記録装置1は、プロセッサー101、ROM(read-only memory)102、RAM(random-access memory)103、通信インターフェース104、表示部105、操作部106、ヘッドインターフェース107、バス108及びインクジェットヘッド10を含む。
プロセッサー101は、インクジェット記録装置1の動作に必要な処理及び制御を行うコンピューターの中枢部分に相当する。プロセッサー101は、ROM102に記憶されたシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア又はファームウェアなどのプログラムに基づいて、インクジェット記録装置1の各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサー101は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)又はGPU(graphics processing unit)などである。あるいは、プロセッサー101は、これらの組み合わせである。
ROM102は、プロセッサー101を中枢とするコンピューターの主記憶部分に相当する、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM102は、上記のプログラムを記憶する。また、ROM102は、プロセッサー101が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値などを記憶する。
RAM103は、プロセッサー101を中枢とするコンピューターの主記憶部分に相当する、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM103は、プロセッサー101が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアなどとして利用される。
通信インターフェース104は、インクジェット記録装置1がネットワーク又は通信ケーブルなどを介してホストコンピューターなどと通信するためのインターフェースである。
表示部105は、インクジェット記録装置1の操作者に各種情報を通知するための画面を表示する。表示部105は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(electro-luminescence)ディスプレイなどのディスプレイである。
操作部106は、インクジェット記録装置1の操作者による操作を受け付ける。操作部106は、例えば、キーボード、キーパッド、タッチパッド又はマウスなどである。また、操作部106としては、表示部105の表示パネルに重ねて配置されたタッチパッドを用いることもできる。すなわち、タッチパネルが備える表示パネルを表示部105として、タッチパネルが備えるタッチパッドを操作部106として用いることができる。
ヘッドインターフェース107は、プロセッサー101がインクジェットヘッド10と通信するために設けられる。ヘッドインターフェース107は、プロセッサー101の制御のもと、階調データなどをインクジェットヘッド10へ送信する。
バス108は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、インクジェット記録装置1の各部で授受される信号を伝送する。
インクジェットヘッド10は、ヘッドドライバー100を備える。
ヘッドドライバー100は、インクジェットヘッド10を動作させるための駆動回路である。ヘッドドライバー100は、例えばラインドライバーである。ヘッドドライバー100は、波形データWDを記憶する。
ヘッドドライバー100は、波形データWDに基づいて単一の駆動信号を繰り返し生成する。そして、ヘッドドライバー100は、階調データに基づき、画像形成媒体S上の画素それぞれに対して液滴を吐出する回数を制御する。なお、単一の駆動信号の印加ごとに、ノズル25からは2発のインク(主液滴)が吐出される。したがって、インクジェット記録装置1は、例えば、インク2発を1セットとして、何セットのインクをそれぞれの画素に吐出するかによって濃淡を表現する。すなわち、1つの画素に対して多くのセットのインクを吐出するほど、当該画素における対応する色の濃さが濃くなる。
ヘッドドライバー100は、波形生成装置の一例である。また、ヘッドドライバー100は、駆動信号を生成することで、生成部として動作する。
一例として、ヘッドドライバー100は、波形データWDが記憶された状態でヘッドドライバー100の管理者などへと譲渡される。しかしながら、ヘッドドライバー100は、波形データWDがヘッドドライバー100に記憶されない状態で当該管理者などに譲渡されても良い。また、ヘッドドライバー100は、別の波形データが記憶された状態で当該管理者などに譲渡されても良い。そして、波形データWDが別途に当該管理者などへと譲渡され、当該管理者又はサービスマンなどによる操作の下にヘッドドライバー100へと書き込まれても良い。このときの波形データWDの譲渡は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク又は半導体メモリなどのようなリムーバブルな記憶媒体に記録して、あるいはネットワークなどを介したダウンロードにより実現できる。
駆動信号が印加されることで、圧電体である駆動素子18は、シェアモード変形する。この変形により、圧力室51の容積が変化する。
駆動信号の電位が0のときの圧力室51は、通常状態であるとする。駆動信号の電位が正のとき、圧力室51は収縮して圧力室51の容積は通常状態に比べて減少する。また、駆動信号の電位が負のとき、圧力室51は拡張して圧力室51の容積は通常状態に比べて増加する。以上のような圧力室51の容積変化に伴い、圧力室51内のインクの圧力が変化する。インクジェットヘッド10は、特定の波形を有する駆動信号が印加されることによって、インクを吐出させる。なお、駆動信号の波形を以下「駆動波形」という。
以下、第1実施形態に係る駆動波形の例を図6及び図7に基づいて説明する。図6は、インクをノズル25から吐出させるためにヘッドドライバー100がアクチュエーターに印加する駆動波形の一例を示す。なお、図6に示す駆動波形は、波形データWDに基づいて生成される単一の駆動波形である。図6に示す駆動波形D1がアクチュエーターに印加されることで、ノズル25からインクが2発吐出される。図7は、駆動波形D1をアクチュエーターに印加した場合の圧力室51におけるインク流速及びインク圧力のシミュレーション結果を示すものである。なお、当該シミュレーションは、LCR直列共振回路を等価的に用いるものである。
なお、インク流速は、圧力室51のノズル25におけるメニスカス面での液体(インク)の速度である。インク流速は、ノズルの開口面(以下「ノズル面」という。)に垂直でインクが吐出する方向を正、ノズル面に垂直でインク室側の方向を負とする値である。また、インク圧力は、ノズル25におけるメニスカス面での液体(インク)の圧力である。インク圧力は、インク流速と同様に、ノズル面に垂直でインクが吐出する方向を正とし、ノズル面に垂直でインク室側の方向を負とする値である。
第1実施形態に係る駆動波形D1は、一例として、図6に示すように、パルスP1−1、パルスP2−1、パルスP1−2及びパルスP2−2をこの順で含む。パルスP1−1及びパルスP1−2は、それぞれ、負の電位を印加する単一の矩形波である。パルスP2−1及びパルスP2−2は、それぞれ、正の電位を印加する単一の矩形波である。したがって、駆動波形D1は、負電位(a)、ゼロ電位(b)、正電位(c)、ゼロ電位(d)、負電位(e)、ゼロ電位(f)、正電位(g)、ゼロ電位(h)の順に電位が変化する波形である。なお、駆動波形D1は、2つのサイクルから構成される。負電位(a)、ゼロ電位(b)、正電位(c)及びゼロ電位(d)から成る、パルスP1−1及びパルスP2−1を含む部分をサイクルC1。負電位(e)、ゼロ電位(f)、正電位(g)及びゼロ電位(h)から成る、パルスP1−2及びパルスP2−2を含む部分をサイクルC2と呼ぶものとする。
パルスP1−1は、圧力室の圧力を減少させるようにアクチュエーターを駆動させる第1のパルスの一例である。パルスP2−1は、圧力室の圧力を増加させるようにアクチュエーターを駆動させる第2のパルスの一例である。パルスP1−2は、圧力室の圧力を減少させるようにアクチュエーターを駆動させる第3のパルスの一例である。パルスP2−2は、圧力室の圧力を増加させるようにアクチュエーターを駆動させる第4のパルスの一例である。
サイクルC1は、第1のサイクルの一例である。サイクルC2は、第2のサイクルの一例である。
駆動波形D1の各部の時間の長さを、説明のために、図6に示すように以下の通り定義する。
パルスP1−1のパルス幅、あるいは負電位(a)の印加時間は、時間T1−1である。パルスP1−1の印加終了からパルスP2−1の印加開始までの時間、あるいはゼロ電位(b)の印加時間は、時間T3−1である。パルスP2−1のパルス幅、あるいは正電位(c)の印加時間は、時間T2−1である。パルスP2−1の印加終了からパルスP1−2の印加開始までの時間、あるいはゼロ電位(d)の印加時間は、時間T4−1である。パルスP1−2のパルス幅、あるいは負電位(e)の印加時間は、時間T1−2である。パルスP1−2の印加終了からパルスP2−2の印加開始までの時間、あるいはゼロ電位(f)の印加時間は、時間T3−2である。パルスP2−2のパルス幅、あるいは正電位(g)の印加時間は、時間T2−2である。時間T4−2は、パルスP2−2印加終了後のゼロ電位(h)の印加時間であるが、駆動波形D1が繰り返し実行される場合は、パルスP2−2印加終了から次のパルスP1−1までの時間、あるいはゼロ電位(h)の印加時間となる。
時間T1−1は、圧力室51の固有振動周期の半分の時間であることが好ましい。なお、圧力室51の固有振動周期の半分の時間を、1AL(acoustic length)とする。したがって、時間T1−1は、1ALであることが好ましい。
パルスP1−1の印加によって圧力室51が拡張する。これによって、圧力室51内のノズル25付近に負の圧力が瞬間的に加わる。そして、時間T1−1経過後、パルスP1−1の印加が終了する。これに伴い、圧力室51は、通常状態に戻る。このとき、圧力室51には、正の圧力が瞬間的に発生する。この圧力により、ノズル25のメニスカス面が、吐出方向への前進を開始する。メニスカス面の前進は、パルスP1−1の印加終了から1AL経過するまで継続する。そして、パルスP1−1の印加終了から一定時間経過後、インクの液柱がノズル25から分離される直前となる。なお、液柱は、主液滴に続いてノズル25から吐出される柱状のインクである。ここで、液柱がノズル25から分離される直前に、圧力室51を収縮させる、すなわちパルスP2−1が印加開始されることで、インクの液柱を押し出す作用が働く。その結果、液柱が主液滴と共にノズル内のインクと分離する。これにより、液柱が主液滴と一体的に飛翔する。サテライトなどの小液滴の発生原因の1つは、主液滴と分離した液柱であるため、液柱が主液滴と一体的に飛翔することで、小液滴の発生を抑えることができる。したがって、時間T3−1は、パルスP1−1の印加終了から、液柱がノズル25から分離される直前までの時間であることが好ましい。
時間T2−1は、パルスP2−1の印加開始から、液柱がノズル25内のインクと分離してノズル25から吐出され終えるまでに要する時間であることが好ましい。パルスP2−1の印加開始から時間T2−1経過後、パルスP2−1の印加が終了する。なお、このとき、図7に示すように残留振動は残った状態である。
時間T4−1は、パルスP2−1の印加終了から圧力室51内のノズル25近傍のインク流速の大きさがゼロ近傍の所定の値以下になるタイミングまでの時間であることが好ましい。パルスP2−1の印加終了から時間T4−1経過後、サイクルC1が終了する。
サイクルC1による残留振動が残った状態で、サイクルC1の終了に伴いサイクルC2が開始される。サイクルC2の時間T1−2は、サイクルC2開始時の圧力室51内のインク圧力の大きさがゼロ近傍の所定の値以下になっている場合、サイクルC1の時間T1−1と同様に1ALとすれば良い。しかしながら、サイクルC2開始時の圧力室51内のインク圧力の大きさがゼロ近傍の所定の値以下でない場合、時間T1−2は、時間T1−1よりも短いことが好ましく、1ALよりも短いことが好ましい。このうち、特に、インク圧力の大きさがゼロ近傍の所定の値よりも大きく、且つインク圧力が負の値である場合に、時間T1−2は、時間T1−1よりも短いことが好ましく、1ALよりも短いことが好ましい。なお、サイクルC2開始時の圧力室51内のインク圧力は、例えば負の値を持つ。時間T1−2が十分に短ければ、パルスP1−2の印加終了時に圧力室51が拡張状態から通常状態に戻ることにより発生する正の圧力のピーク圧力PP2が、パルスP1−1の印加終了時に発生する正の圧力のピーク圧力PP1以下となる。ピーク圧力PP2がピーク圧力PP1以下であることにより、サイクルC2によって吐出されるインクの飛翔速度がサイクルC1によって吐出された時点のインクの飛翔速度以下になる。これにより、サイクルC2によって吐出された時点のインクがサイクルC1によって吐出されるインクに急激に追いつくことを防ぐことができる。そして、このように主液滴が急激に追いつくことを防ぐことで、印刷品質の低下を抑えることができる。したがって、時間T1−2は、ピーク圧力PP2がピーク圧力PP1以下となるような値であることが好ましい。時間T1−2は、サイクルC2によって吐出された時点のインクの飛翔速度がサイクルC1によって吐出された時点のインクの飛翔速度以下になるような値であることが好ましい。なお、時間T1−1の長さに応じて、サイクルC1によって吐出された時点の主液滴の吐出速度が変わる。そして、時間T1−2の長さに応じて、サイクルC2によって吐出された時点の主液滴の吐出速度が変わる。
サイクルC1のパルスP1−1と同様に、パルスP1−2の印加終了から一定時間経過したとき、インクの液柱がノズル25から分離される直前となる。ここで、液柱がノズル25から分離される直前よりも前に、圧力室51を収縮させる、すなわちパルスP2−2が印加開始されることで、インクの液柱を分離する作用が働く。その結果、液柱は、主液滴から分離される。これにより、液柱は、主液滴とは分離され、圧力室内に引き込まれる。したがって、時間T3−2は、パルスP1−2の印加終了から、液柱がノズル25から分離される直前よりも前までの時間であることが好ましい。
圧力室51内のノズル25近傍のインク流速の大きさがゼロ近傍の所定の値以下であるタイミングで、且つ圧力室51を収縮状態から通常状態にもどすことにより圧力室51内の圧力の大きさがゼロ近傍の所定の値以下になるタイミングでパルスP2−2の印加を終了することが好ましい。したがって、時間T2−2は、パルスP2−2の印加開始から、圧力室51内のノズル25近傍のインク流速の大きさがゼロ近傍の所定の値以下で且つパルスP2−2の印加終了により圧力室51内の圧力の大きさがゼロ近傍の所定の値以下となるタイミングであることが好ましい。これにより、図7に示すように残留振動の発生を抑えることができる。
パルスP2−2の印加終了に伴い、残留振動の抑制を抑えることができる為、時間T4−2は、短い方がよく、例えば、波形の最小設定幅とすることが好ましい。
固有振動周期(=2AL)は、一例として5.2μ秒である。この場合、前述した条件に基づけば、時間T1−1は2.6μ秒、時間T2−1は1.2μ秒、時間T3−1は3.7μ秒、時間T4−1は1.2μ秒、時間T1−2は1.0μ秒、時間T2−2は0.5μ秒、時間T3−2は4.6μ秒、時間T4−2は0.2μ秒となる。
駆動波形D1(サイクルC1とサイクルC2との組み合わせ)のパルスを複数回繰り返すことによりマルチドロップによる階調表現を高める手段を講じても良い。サイクルC2の終了時は残留振動が抑えられていることから、次のサイクルC1をそのまま印加することができる。
〔第2実施形態〕
第2実施形態に係るインクジェット記録装置1の構成は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
以下、第2実施形態に係る駆動波形の例を図8に基づいて説明する。図8は、インクをノズル25から吐出させるためにヘッドドライバー100がアクチュエーターに印加する駆動波形の一例を示す。なお、図8に示す駆動波形は、波形データWDに基づいて生成される単一の駆動波形である。図8に示す駆動波形D2がアクチュエーターに印加されることで、ノズル25からインクが2発吐出される。図9は、駆動波形D2をアクチュエーターに印加した場合の圧力室51におけるインク流速及びインク圧力をシミュレーションした結果を示すものである。
第2実施形態に係る駆動波形D2は、駆動波形D1と同様にパルスP1−3、パルスP2−3、パルスP1−4及びパルスP2−4をこの順で含む。そして、駆動波形D2は、駆動波形D1と同様に負電位(a2)、ゼロ電位(b2)、正電位(c2)、ゼロ電位(d2)、負電位(e2)、ゼロ電位(f2)、正電位(g2)、ゼロ電位(h2)の順に電位が変化する波形である。駆動波形D2は、2つのサイクルから構成される。負電位(a2)、ゼロ電位(b2)、正電位(c2)及びゼロ電位(d2)から成る、パルスP1−3及びパルスP2−3を含む部分をサイクルC3。負電位(e2)、ゼロ電位(f2)、正電位(g2)及びゼロ電位(h2)から成る、パルスP1−4及びパルスP2−4を含む部分をサイクルC4と呼ぶものとする。
パルスP1−3は、圧力室の圧力を減少させるようにアクチュエーターを駆動させる第3のパルスの一例である。パルスP2−3は、圧力室の圧力を増加させるようにアクチュエーターを駆動させる第4のパルスの一例である。パルスP1−4は、圧力室の圧力を減少させるようにアクチュエーターを駆動させる第1のパルスの一例である。パルスP2−4は、圧力室の圧力を増加させるようにアクチュエーターを駆動させる第2のパルスの一例である。
サイクルC3は、第2のサイクルの一例である。サイクルC4は、第1のサイクルの一例である。
駆動波形D2の各部の時間の長さを、説明のために、図8に示すように以下の通り定義する。
パルスP1−3のパルス幅、あるいは負電位(a2)の印加時間は、時間T1−3である。パルスP1−3の印加終了からパルスP2−3の印加開始までの時間、あるいはゼロ電位(b2)の印加時間は、時間T3−3である。パルスP2−3のパルス幅、あるいは正電位(c2)の印加時間は、時間T2−3である。パルスP2−3の印加終了からパルスP1−4の印加開始までの時間、あるいはゼロ電位(d2)の印加時間は、時間T4−3である。パルスP1−4のパルス幅、あるいは負電位(e2)の印加時間は、時間T1−4である。パルスP1−4の印加終了からパルスP2−4の印加開始までの時間、あるいはゼロ電位(f2)の印加時間は、時間T3−4である。パルスP2−4のパルス幅、あるいは正電位(g2)の印加時間は、時間T2−4である。
時間T1−3は、時間T1−4よりも短いことが好ましく、1ALよりも短いことが好ましい。時間T1−3が十分に短ければ、パルスP1−3の印加終了時に圧力室51が拡張状態から通常状態に戻ることにより発生する正の圧力のピーク圧力PP3が、パルスP1−4の印加終了時に発生する正の圧力のピーク圧力PP4以下となる。ピーク圧力PP3がピーク圧力PP4以下であることにより、サイクルC3によって吐出された時点のインクの飛翔速度がサイクルC4によって吐出された時点のインクの飛翔速度以下になる。時間T1−3及び時間T1−4は、ピーク圧力PP2がピーク圧力PP1以下となるような値であることが好ましい。時間T1−3及び時間T1−4は、サイクルC3によって吐出された時点のインクの飛翔速度がサイクルC4によって吐出された時点のインクの飛翔速度以下になるような値であることが好ましい。なお、時間T1−3の長さに応じて、サイクルC3によって吐出される主液滴の吐出速度が変わる。そして、時間T1−4の長さに応じて、サイクルC4によって吐出される主液滴の吐出速度が変わる。
第1実施形態のパルスP1−1及びパルスP1−2と同様に、パルスP1−3の印加終了から一定時間経過したとき、インクの液柱がノズル25から分離される直前となる。ここで、液柱がノズル25から分離される直前よりも前に、圧力室51を収縮させる、すなわちパルスP2−3が印加開始されることで、インクの液柱を分離する作用が働く。その結果、液柱は、主液滴と分離される。これにより、液柱は、主液滴とは分離され、圧力室内に引き込まれる。したがって、時間T3−3は、パルスP1−3の印加終了から、液柱がノズル25から分離される直前よりも前までの時間であることが好ましい。
圧力室51内のノズル25近傍のインク流速の大きさがゼロ近傍の所定の値以下になるタイミングで、且つ圧力室51を収縮状態から通常状態にもどすことが好ましい。圧力室51内の圧力の大きさがゼロ近傍の所定の値以下になるタイミングでパルスP2−3の印加を終了することが好ましい。したがって、時間T2−3は、パルスP2−3の印加開始から、圧力室51内のノズル25近傍のインク流速の大きさがゼロ近傍の所定の値以下で且つパルスP2−3の印加終了により圧力室51内の圧力の大きさがゼロ近傍の所定の値以下となるタイミングであることが好ましい。これにより、残留振動の発生を抑えることができる。
パルスP2−3の印加終了時点で残留振動が抑制されるため、時間T4−3は、短い方がよく、例えば、波形最小設定幅であることが好ましい。パルスP2−3の印加終了から時間T4−3経過後、サイクルC3が終了する。
サイクルC3の終了に伴いサイクルC4が開始される。時間T1−4は、1ALであることが好ましい。時間T1−4が1ALであることにより、インクが効率よく吐出される。
サイクルC3のパルスP1−3などと同様に、パルスP1−4の印加終了から一定時間経過したとき、インクの液柱がノズル25から分離される直前となる。ここで、液柱がノズル25から分離される直前に、圧力室51を収縮させる、すなわちパルスP2−4が印加開始されることで、インクの液柱を押し出す作用が働く。その結果、液柱が主液滴と共にノズル内のインクと分離する。これにより、液柱が主液滴と一体的に飛翔する。したがって、時間T3−4は、パルスP1−4の印加終了から、液柱がノズル25から分離される直前までの時間であることが好ましい。
時間T2−4は、パルスP2−4の印加開始から、液柱がノズル25内のインクと分離してノズル25から吐出され終えるまでに要する時間であることが好ましい。パルスP2−4の印加開始から時間T2−4経過後、パルスP2−4の印加が終了する。
サイクルC4は、インク流速の大きさがゼロ近傍の所定の値以下で且つインク圧力の大きさがゼロ近傍の所定の値以下でないときに終了する。したがって、時間T4−4は、パルスP2−4の印加終了時から、インク流速の大きさがゼロ近傍の所定の値以下で且つインク圧力の大きさがゼロ近傍の所定の値以下でなくなる最初のときまでの時間である。パルスP2−4の印加終了から時間T4−4経過時、駆動信号D2が終了する。駆動信号D2が複数回連続して印加される場合、パルスP2−4の印加終了から時間T4−4経過時から次の駆動信号D2の印加が開始される。ここで、ピーク圧力PP3がピーク圧力PP4以下であることにより、サイクルC3によって吐出されるインクの吐出時点での飛翔速度がサイクルC4によって吐出されるインクの吐出時点での飛翔速度以下になる。したがって、複数の駆動信号D2が連続する場合、連続する2つの駆動信号D2のうちの後の駆動信号D2のサイクルC3によって吐出されるインクが、当該連続する2つの駆動信号D2のうちの先の駆動信号D2のサイクルC4によって吐出されるインクに急激に追いつくことを防ぐことができる。これにより、印刷品質の低下を抑えることができる。
固有振動周期(=2AL)は、一例として5.2μ秒である。この場合、前述した条件に基づけば、時間T1−3は2.0μ秒、時間T2−3は0.8μ秒、時間T3−3は3.8μ秒、時間T4−3は0.2μ秒、時間T1−4は2.6μ秒、時間T2−4は1.4μ秒、時間T3−4は3.8μ秒、時間T4−4は1.0μ秒となる。
上記の実施形態は以下のような変形も可能である。
上記の実施形態では、駆動素子18は、シェアモード変形する。しかしながら、駆動素子18は、シェアモード以外のモードで変形するものであっても良い。
インクジェットヘッド10は、上記実施形態の他、例えば静電気で振動板を変形させてインクを吐出する構造、あるいはヒーターなどの熱エネルギーを利用してノズルからインクを吐出する構造などであってもよい。これらの場合、当該振動板又はヒーターなどは、圧力室51の内部に圧力振動を与えるためのアクチュエーターである。
実施形態のインクジェット記録装置1は、画像形成媒体Sに、インクによる二次元の画像を形成するインクジェットプリンターである。しかしながら、実施形態のインクジェット記録装置は、これに限られるものではない。実施形態のインクジェット記録装置は、例えば、3Dプリンター、産業用の製造機械、又は医療用機械などであっても良い。実施形態のインクジェット記録装置が3Dプリンターなどである場合には、実施形態のインクジェット記録装置は、例えば、素材となる物質又は素材を固めるためのバインダーなどをインクジェットヘッドから吐出させることで、立体物を形成する。
実施形態のインクジェット記録装置1は、液体吐出部2を4つ備え、それぞれの液体吐出部2が使用するインクIの色はシアン、マゼンタ、イエロー又はブラックである。しかしながら、インクジェット記録装置が備える液体吐出部2の数は4つに限定せず、また、複数ではなくても良い。また、それぞれの液体吐出部2が使用するインクIの色及び特性などは限定しない。
また、液体吐出部2は、透明光沢インク、赤外線又は紫外線等を照射したときに発色するインク、又はその他の特殊インクなども吐出可能である。さらに、液体吐出部2は、インク以外の液体を吐出することができるものであっても良い。なお、液体吐出部2が吐出する液体は、懸濁液などの分散液であっても良い。液体吐出部2が吐出するインク以外の液体としては例えば、プリント配線基板の配線パターンを形成するための導電性粒子を含む液体、人工的に組織又は臓器などを形成するための細胞などを含む液体、接着剤などのバインダー、ワックス、又は液体状の樹脂などが挙げられる。
上記実施形態における各数値は、本発明の目的が達成される範囲の誤差が許容される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1……インクジェット記録装置、10……インクジェットヘッド、18……駆動素子(アクチュエーター)、100……ヘッドドライバー、WD……波形データ

Claims (6)

  1. 圧力室内の液体をノズルから吐出させるためにアクチュエーターに印加する駆動信号を生成する生成部を備え、
    前記駆動信号は、第1のサイクルと、前記第1のサイクルの後の第2のサイクルとを含み、
    前記第1のサイクルは、前記圧力室の圧力を減少させるように前記アクチュエーターを駆動させる第1のパルスと、前記圧力室の圧力を増加させるように前記アクチュエーターを駆動させる第2のパルスとをこの順で含み、
    前記第2のサイクルは、前記圧力室の圧力を減少させるように前記アクチュエーターを駆動させる第3のパルスと、前記圧力室の圧力を増加させるように前記アクチュエーターを駆動させる第4のパルスとをこの順で含み、
    前記第3のパルスは、前記圧力室内のインク流速がゼロ近傍であり、且つ前記圧力室内のインク圧力がゼロ近傍ではないときに印加が開始される、波形生成装置。
  2. 圧力室内の液体をノズルから吐出させるためにアクチュエーターに印加する駆動信号を生成する生成部を備え、
    前記駆動信号は、第2のサイクルと、前記第2のサイクルの後の第1のサイクルとを含み、
    前記第1のサイクルは、前記圧力室の圧力を減少させるように前記アクチュエーターを駆動させる第1のパルスと、前記圧力室の圧力を増加させるように前記アクチュエーターを駆動させる第2のパルスとをこの順で含み、
    前記第2のサイクルは、前記圧力室の圧力を減少させるように前記アクチュエーターを駆動させる第3のパルスと、前記圧力室の圧力を増加させるように前記アクチュエーターを駆動させる第4のパルスとをこの順で含み、
    前記第2のサイクルは、前記圧力室内のインク流速の大きさが第1の規定値以下であり、前記圧力室内のインク圧力の大きさが第2の規定値以下ではないときに印加が終了される、波形生成装置。
  3. 前記第3のパルスの印加終了後の前記圧力室内のインク圧力の正のピーク圧力は、前記第1のパルスの印加終了後の前記圧力室内のインク圧力の正のピーク圧力以下である、請求項1又は請求項2に記載の波形生成装置。
  4. 前記第4のパルスの印加は、前記圧力室内のインク流速がゼロ近傍であり、印加終了時点での前記圧力室内のインク圧力がゼロ近傍となるときに終了する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の波形生成装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の波形生成装置を備える、インクジェット記録装置。
  6. 圧力室内の液体をノズルから吐出させるためにアクチュエーターに印加する駆動信号を生成する波形生成装置に用いられる波形データであって、
    前記駆動信号は、第1のサイクル及び第2のサイクルを含み、
    前記第1のサイクルは、前記圧力室の圧力を減少させるように前記アクチュエーターを駆動させる第1のパルスと、前記圧力室の圧力を増加させるように前記アクチュエーターを駆動させる第2のパルスとをこの順で含み、
    前記第2のサイクルは、前記圧力室の圧力を減少させるように前記アクチュエーターを駆動させる第3のパルスと、前記圧力室の圧力を増加させるように前記アクチュエーターを駆動させる第4のパルスとをこの順で含み、
    前記第3のパルスの印加は、前記圧力室内のインク流速がゼロ近傍であり、前記圧力室内のインク圧力がゼロ近傍ではないときに開始する、波形データ。
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