JP4498035B2 - 印刷ヘッド及び印刷方法 - Google Patents

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本発明は、圧電性を有するアクチュエータを用いて文字や画像の印刷に用いるインクジェット式プリンタに搭載される印刷ヘッド及び印刷方法に関する。
近年、パーソナルコンピューターの普及やマルチメディアの発達に伴って、情報を記録媒体に出力する記録装置として、インクジェット方式の記録装置の利用が急速に拡大している。
かかるインクジェット方式の記録装置には、印刷ヘッドが搭載されており、この種の印刷ヘッドには、インクが充填されたインク流路内に加圧手段としてのヒーターを備え、ヒーターによりインクを加熱、沸騰させ、インク流路内に発生する気泡によってインクを加圧し、インク吐出孔より、インク流として吐出させるサーマル方式と、インクが充填されるインク流路の一部の壁を変位素子によって屈曲変位させ、機械的にインク流路内のインクを加圧し、インク吐出孔よりインク流として吐出させる圧電方式が一般的に知られている。
圧電方式を利用した印刷ヘッドは、例えば、複数の加圧室が設けられた基板上に、複数の圧力発生部を具備するアクチュエータを、一つの圧力発生部が一つの加圧室に当接するように接合した印刷ヘッドが提案されている(特許文献1)。
この圧力発生部は、独立して制御することが可能であるため、個々の圧力発生部における振動によって発生した圧力を用いて加圧室に充填されたインクを吐出することにより、インクジェットプリンタの高速化及び高精度化に寄与することができる。
特開平11−34321号公報図1、図2
しかしながら、最近の高精度プリンタにおいては印字画像の高品質化の要求に伴い、上記インク吐出孔の高密度、高精度配置が求められ、それに伴って加圧室同士の間隔をますます小さく、高密度に配列することが求められている。
このように高密度化すると、隔壁の幅が狭くなり、圧電発生部の形状が一様でない場合にも隣接する圧力発生部への振動に影響する。また、形状が一葉であっても、圧力発生部で発生した振動が隣接する圧力発生部の振動に影響を及ぼし、圧電発生部間で応力に差が生じ、この差が無視できなくなるため、特許文献1に記載の印刷ヘッドをプリンタに搭載してインクを吐出させると、印刷の品質が低下し、特に周辺部の画質が低下するという問題があった。
従って、本発明は、圧力発生部が高密度に形成されていても、画質の低下を改善した印刷ヘッド及びそれを用いた印刷方法を提供することを目的とする。
本発明は、加圧室が高密度で構成された場合、基板に多数設けられた加圧室のうち、最外周の加圧室とその内部の加圧室とではインク吐出量及び吐出圧力等が異なるため、それが原因で周辺部の画質が低下することを知見し、加圧室の外周にダミーキャビティを設け、圧電体層を分極することによって画質低下を顕著に改善したものである。
即ち、本発明の印刷ヘッドは、インクを導入するためのインク流路とインクを吐出するためのインク吐出孔が接続された加圧室が複数設けられた基板の主面に、圧電体層を含む圧力発生部を複数具備するアクチュエータが、前記加圧室の各々前記圧力発生部に当接するように配置して設けられ、該圧力発生部の前記圧電体層が分極されており、前記加圧室の外周の前記基板に、インク吐出孔を具備しないダミーキャビティが形成されおり、前記アクチュエータは、前記ダミーキャビティ、前記加圧室、複数の前記加圧室の間にある隔壁および前記加圧室と前記ダミーキャビティとの間にある隔壁を覆っていることを特徴とする。
また、インクを導入するためのインク流路とインクを吐出するためのインク吐出孔とが接続された加圧室が複数設けられた基板の主面に、圧力発生部を複数具備するアクチュエータが、前記加圧室の各々が前記圧力発生部に当接するように配置して設けられ、前記圧力発生部が表面電極と、共通電極と、該共通電極と前記表面電極とに挟持され、分極されている圧電体層とを有し、前記複数の加圧室の外周の前記基板に複数のダミーキャビティが形成され、該複数のダミーキャビティに当接する前記圧力発生部が外部に接続されていない表面電極と、前記共通電極と、該共通電極と前記外部に接続されていない表面電極とに挟持され、分極されている前記圧電体層とを有し、前記アクチュエータは、前記ダミーキャビティ、前記加圧室、複数の前記加圧室の間にある隔壁および前記加圧室と前記ダミーキャビティとの間にある隔壁を覆っていることを特徴とする。
このようにダミーキャビティに対応する圧力発生部の圧電体層を分極し、該圧電体層に分極応力を加える事で、さらに一つの圧力発生部の周囲に生じる応力分布の対称性を高めることができ、その結果、各圧力発生部における圧電体層の変位の均一性をより高めることができる。
このような構成を採用することによって、全ての加圧室が隣接する加圧室へ与える影響を均等にすることができるため、圧力発生部における圧電体層の変位を均一にできる。具体的には、加圧室に対応する圧力発生部が、ダミーキャビティに対応する圧力発生部よりも圧電特性に優れ、かつ均一となるため、インクの吐出量や吐出圧力のばらつきを改善し、画質の高い印刷を実現することができる。
特に、前記加圧室の形状と前記ダミーキャビティの形状とが同一であることが好ましい。このように、形状を同じにすることで、各圧力発生部における圧電体層の変位をより均一化することが容易となる。
また、前記ダミーキャビティと該ダミーキャビティに隣接する前記加圧室との間隔が、前記複数の加圧室間の間隔と同一であることが好ましい。このように、対称性を高めることによって、各圧力発生部における圧電体層の変位の均一性をより高めることが可能となる。
さらに、前記加圧室の全てについて、一つの前記加圧室と、該加圧室に隣接する他の前記加圧室又は前記ダミーキャビティの配置関係が同一であることが好ましい。これによって、各加圧室の対称性を高めることができ、各圧力発生部における圧電体層の変位の均一性をより確実に高めることができる。
さらにまた、前記ダミーキャビティにインクを充填することが可能であることが好ましい。このような構成によってインクをダミーキャビティに充填させることが可能となり、さらに対称性を高めて、各圧力発生部における圧電体層の変位の均一性をより一層高めることができる。
また、前記ダミーキャビティがインク吐出孔を具備しないことが好ましい。これにより、ダミーキャビティに充填したインクが誤って吐出し、画質低下の発生を防止することが容易になる。
さらに、前記圧力発生部が表面電極と、共通電極と、該共通電極と前記表面電極とに挟持された圧電体層とを有することが好ましい。このような構成によって、変位を大きくすることが可能で、インク吐出速度を容易に高めることができる。
また、本発明の印刷方法は、インクを導入するためのインク流路とインクを吐出するためのインク吐出孔とが接続された加圧室が複数設けられた基板の主面に、圧力発生部を複数具備するアクチュエータが、前記加圧室の各々が前記圧力発生部に当接するように配置して設けられ、前記圧力発生部が表面電極と、共通電極と、該共通電極と前記表面電極とに挟持された分極されている圧電体層とを有し、前記複数の加圧室の外周の前記基板に複数のダミーキャビティが形成され、該複数のダミーキャビティに当接する前記圧力発生部が表面電極と、前記共通電極と、該共通電極と前記表面電極とに挟持され、分極されている前記圧電体層とを有し、前記アクチュエータは、前記ダミーキャビティ、前記加圧室、複数の前記加圧室の間にある隔壁および前記加圧室と前記ダミーキャビティとの間にある隔壁を覆っている印刷ヘッドを用い、前記ダミーキャビティに当接する前記圧力発生部の前記表面電極には電圧を加えず、前記加圧室がそれぞれ当接する前記圧力発生部の前記表面電極に電圧を加えて、内部に配置された加圧室からインクを吐出させることを特徴とするもので、これにより、高画質の印刷を実現することができる。
本発明によれば、基板に設けられた加圧室の外周にダミーキャビティを設け、ダミーキャビティ6に対応する圧電体層を分極処理することによって、加圧室周囲の応力分布を均一化し、加圧室に対応する圧力発生部の変位を均一にすることができ、その結果、ダミーキャビティからのインク吐出を避け、その内部に配置された加圧室からインクを吐出することによって、特に周辺部における画質の低下を抑制することができる。
本発明のアクチュエータを、図を用いて説明する。
図1は本発明の印刷ヘッドの一実施例を示すもので、図1(a)に示したように、基板1の主面にアクチュエータ2が設けられている。
基板1には、加圧室4が複数設けられ、加圧室4は隔壁5でそれぞれ分離されている。そして、加圧室4の外周にダミーキャビティ6が設けられ、ダミーキャビティ6に当接する共通電極15とダミー電極16bとの間の圧電体層14bが分極されていることが重要である。即ち、ダミーキャビティ6と略同一の領域の圧電体層14bを分極処理することによって、その領域の圧電体層14bに分極による応力が発生する。
この分極処理は、加圧室4に対応する圧電体層14の全てにおいて実施されているものであり、ダミーキャビティ6に同じ処理を施すことによって、全ての加圧室4の周囲に働く応力分布が略同一とすることができ、応力の対称性を高め、各圧力発生部17における圧電体層14の変位の均一性を高めることができる。
加圧室4は、インクを導入するためのインク流路(図示せず)とインクを吐出するためのインク吐出孔3とに接続されている必要がある。なお、加圧室4は、インク流路の一部を形成しても良いが、いずれにしても、インクが吐出された後に加圧室4にインクが流れ込んでインクを補充し、常に加圧室4にインクを充填させる機構を有することが重要である。
加圧室4は、図1に示したように、全てが同一形状で、且つ一定周期で配置されることが好ましい。これにより、対称性を高め、加圧室4の圧力分布を均一にすることが容易になる。
加圧室4の形状は、図1に示したような長方形でも良いし、正方形、菱形、平行四辺形、円、楕円、多角形及びこれらの形状を変形させたもの、或いはこれら以外の形状でも採用することができる。ここで変形させたものとは、直線を緩やかな曲線で置換したり、角を丸めたりしたものを意味する。
加圧室4の形状とダミーキャビティ6の形状とを略同一にすることが好ましい。また、ダミーキャビティ6とダミーキャビティ6に隣接する加圧室4との間隔が、前記複数の加圧室4間の間隔と略同一であることが好ましい。さらに、一つの加圧室4に隣接する加圧室4及び/又はダミーキャビティ6の形状及び配置を全ての加圧室4について略同一とすることが好ましい。
このような構成によって、それぞれ圧力発生部における圧電体層の変位をより均一にすることが容易となり、その結果、インクの吐出量や吐出圧力のばらつきをよりいっそう小さくし、印刷品質をさらに改善することが容易になる。
加圧室4の数は特に制限されるものではなく、所望の解像度に基づいて所望の大きさ及び密度に設計することができる。また、基板1の大きさも所望のサイズを用いることができる。なお、本発明の印刷ヘッドの基板1の幅を、例えばA4用紙やA3用紙の幅と同じ長さに設定することによりライン型プリンタに対応でき、高速印刷を実現できるので好ましい。
アクチュエータ2は、圧電体層14と、圧電体層14の一方の主面に設けられた共通電極15と、圧電体層14の他方の主面に設けられた複数の表面電極16とを具備し、圧電体層14が共通電極15と表面電極16で挟持された構成となっている。また、アクチュエータ2は、基板上に設けられるに当り、表面電極16の各々に加圧室4の一つがそれぞれ当接するように配置されている。
そして、アクチュエータ2における一つの加圧室4と略同一の領域が一つの圧力発生部17として作用するため、アクチュエータ2には多数の圧力発生部17が設けられている。また、一つの圧力発生部17が、一つの加圧室6に当接するように配置させることで、圧力発生部17から発生した圧力やそれに伴う衝撃波がインクに伝わり、インクを効率的に吐出することができる。
アクチュエータ2の厚みは、薄くすることによって各圧力発生部17の変位量を大きくすることができるため、100μm以下、特に80μm以下、更には60μm以下、より公的には50μm以下であることが好ましい。なお、薄すぎて破損しないように、アクチュエータ2の厚みを5μm以上、特に10μm以上、さらには20μm以上とするのが良い。
表面電極16は圧電体層14上に複数設けられており、例えば図1(b)に示したように、表面電極16が等間隔で2次元的に配列され、それぞれ外部の電子制御回路に独立して接続され、それぞれの電極間に電圧が印加されると、電圧が印加された共通電極15と表面電極16に挟持された部位の圧電体層14が変位し、即ち圧力発生部17が振動して加圧室に充填されたインクに圧力を発生するとともに、その際に生じた圧力及び/又は衝撃波によってインク吐出孔3からインクが吐出される。
基板1の構造に関して、従来は、ダミーキャビティ6が設けられていなかったため、最外周の加圧室4から吐出されたインクと、内部の加圧室4から吐出されたインクとの間で、インクの吐出量や吐出速度、吐出圧力、インク液滴形状等が異なり、印刷すると周辺部の画質が低下する原因となっていた。しかし、本発明によれば、基板1に設けられた加圧室4の外周にダミーキャビティ6を設けたことによって、この問題を改善することができた。
本発明では、加圧室4の外周に設けたダミーキャビティ6にインクを充填することが可能であることが好ましい。即ち、インクタンク又はインク流路がダミーキャビティ6に接続していることが好ましい。
これにより、インクをダミーキャビティ6に充填することができ、インクが充填された加圧室4と状態にさらに近づくため、ダミーキャビティ6に隣接する加圧室4の対称性を、加圧室4のみに隣接する加圧室4の対称性と同様にすることができ、印刷の均一性をより高めることができる。
また、ダミーキャビティ6に対応する表面電極、即ちダミーキャビティ6の直上に設けられた表面電極をダミー電極16bとして設けても良い。ただし、ダミーキャビティ6に充填されたインクが印刷するために用いられないようにする機構を準備する必要がある。
そのためには、例えば、図1(a)に示したようにインク吐出孔3を設けないことが好ましい。これのようにインクの吐出を不可能にすることによってインクの吐出を確実に防止できる。
また、その他にも、インク吐出孔3及びダミー電極16bを設け、ダミー電極16bに電圧が印加されないように、電源との接続を行わない方法やコンピュータ制御等の電子制御によってダミー電極16bに印加する電圧を常にゼロにしておく方法を採用することも可能である。或いは又、吐出したインクを印刷用紙に着弾しないようにインク除去板等を設ける方法を採用しても良い。
なお、一つの加圧室4に対して一つの圧力発生部17が形成されていれば、アクチュエータ2はどのような方式や構成であっても良い。例えば、図1においては圧電体層14がd31の振動モードを使用することができるが、他の振動モードを用いても良い。
従って、基板1はステンレス、4−2アロイ(合金)等の金属材料、特に剛性の高い金属で構成されるのが振動や変形に対する信頼性の点で好ましい。また、低コストである点で樹脂を用いることもできる。
基板1とアクチュエータ2とは接着層を介して接合することができる。即ち、隔壁5との当接部には接着層を設け、加圧室4との当接部には接着層を設けずに接合する。これにより、隔壁5との当接したアクチュエータ2の非圧力発生部で変位が起こらず、加圧室4と当接した圧力発生部17で変位が発生するような構造を有している。
圧電体層14は、少なくともPb、Zr及びTiを含むペロブスカイト型結晶を主成分とすることが好ましい。例えば、Aサイト構成元素としてPbを含有し、且つ、Bサイト構成元素としてZr及びTiを含有する結晶であり、特に、チタン酸ジルコン酸鉛系化合物(PZT)であることが、より高いd定数を有する安定な圧電焼結体を得るために好ましい。
インクジェット印刷ヘッドとして用いる圧電歪定数は、例えばd31であり、インクジェット印刷ヘッドとして十分な吐出能力を発揮する為には、d31の大きさが100pm/V以上にすることが好ましい。また、高速で精細な印刷を得るためには、d31が150pm/V以上、更には200pm/V以上であることがより好ましい。
表面電極16及び共通電極15の材質としては、導電性を有するものならば何れでも良く、Au、Ag、Pd、Pt、Cu、Alやそれらの合金などが用いられる。例えば、表面電極16はAu、AgやCuの少なくとも1種を用いることができ、共通電極15は、銀とパラジウムの合金やAu、AgやCu等の低抵抗金属を採用することができる。このような電極をPZTからなる圧電体層14と組合せることにより、アクチュエータの残留圧縮応力を低減し、基板接合後の応力低下を抑制することができる。
また、表面電極16及び内部電極15の厚みとしては、導電性を有し且つ変位を妨げない程度である必要があり、一般に、0.1〜5μm程度で、表面電極16は0.1〜1μm、特に0.3〜0.7μm、内部電極15は1〜4μm、特に1.5〜3.5μmが好ましい。
次に、本発明のアクチュエータの製造方法を、具体的にPbZrTiO系ペロブスカイト型結晶を用いた場合を例として説明する。
先ず、原料粉末として、Pb、ZrO、TiO、BaCO、ZnO、SrCO、Sb、NiO、TeOを準備する。これらを、ペロブスカイト型結晶の化学量論組成に相当するPb量よりも多くなるようにPbを加えた組成に調整し、混合する。
得られた混合粉末を、ロールコーター法、スリットコーター法などの一般的なテープ成形法により、圧電セラミックスと有機組成物からなるテープの成形を行い、グリーンシートを作製する。
グリーンシートの一部には、その表面に表面電極及び共通電極を印刷法等により形成する。また、所望により、グリーンシートの一部にビアホールを形成し、その内部にビア導体を挿入する。
次いで、所望のグリーンシートを積層して積層体を作製し、さらに該グリーンシートと実質的に同一組成の圧電セラミックスと有機組成物からなる拘束シートを、上記積層体の両面若しくは片面に配置し、加圧密着を行う。加圧密着後の積層体を、焼成炉の内部に配置し、焼成する。
得られたアクチュエータをステンレス製の基板に接着剤を用いて接着する。この際に、表面電極が加圧室に当接するように配置させることが重要である。このようにして、図1のような印刷ヘッドを作製することができる。
本発明の印刷方法は、上記の印刷ヘッドを用いて行うもので、印刷ヘッドの外周に設けられたダミーキャビティからインクを吐出させず、内部に配置された圧力発生部からインクを吐出させることを特徴とするものである。
インクを吐出させない方法としては、表面電極を設けない、インク吐出孔を設けない、表面電極を電源と接続しない、或いは、加圧室にインクを充填しないなどの手法を用いることができる。
このような構成を採用することにより、加圧室を高密度にしても高画質の印刷を行うことが可能となる。また、高速・高精度印刷に対しても容易に対応できる。
図1(b)の配置において、ダミーキャビティに対応する表面電極及び共通電極に圧力発生部と同じ大きさの分極電圧を印加し、表面電極と共通電極に挟持された圧電体層を分極し、内部の加圧室(周囲に別の加圧室が隣接している)とコーナー部のダミーキャビティにおける変位(W)、コンプライアンス(Cv)及び発生圧力(Kp)を、有限要素法に基づいたコンピュータシミュレーションによって計算した。
モデル化に際しては、隣接する加圧室は、加圧室の場合には周囲の8つの加圧室を、コーナー部のダミーキャビティの場合には周囲の3つの加圧室を考慮した。
Wは20Vの電圧を印加したときに、圧力発生部(アクチュエータ)の厚み方向における中央部が加圧室の方へたわみ量とした。
Cvは振動板の柔らかさを表すパラメータ、Kpはアクチュエータに単位電圧を印加したときにインク室に発生する圧力を表すパラメータであり、いずれも加圧室に圧力を発生させるアクチュエータの性能を示すもので、具体的にはインクの吐出速度を決定するもので、CvとKpが共に小さくなると吐出速度は低下する。
解析の結果、ダミーキャビティに対応する圧力発生部のCv、W、Kpは加圧室に対応する圧力発生部のCv、W、Kpに比べてそれぞれ7%、7%、5%の低下となった。一方、加圧室に対応する圧力発生部のCv及びKpはいずれも同じ値となった。
従って、全ての加圧室におけるインクの吐出速度は均一となったが、ダミーキャビティからのインクの吐出速度は低下し、不均一となるため、ダミーキャビティを設けずに最外周の圧力発生部からインクを吐出させる場合には周辺部において印刷画像が乱れることがわかった。また、ダミーキャビティを設けることにより、周辺部の画質低下を改善できることがわかった。
本発明の印刷ヘッドの一例を示すもので、(a)は概略断面図、(b)はアクチュエータ側から見た平面図、(c)はアクチュエータ構造の異なる本発明の他の印刷ヘッドの概略断面図である。
符号の説明
1・・・基板
2・・・アクチュエータ
3・・・インク吐出孔
4・・・加圧室
5・・・隔壁
6・・・ダミーキャビティ
14、14b・・・圧電体層
15・・・共通電極
16・・・表面電極
16b・・・ダミー電極
17・・・圧力発生部

Claims (9)

  1. インクを導入するためのインク流路とインクを吐出するためのインク吐出孔が接続された加圧室が複数設けられた基板の主面に、圧電体層を含む圧力発生部を複数具備するアクチュエータが、前記加圧室の各々前記圧力発生部に当接するように配置して設けられ、該圧力発生部の前記圧電体層が分極されており、前記加圧室の外周の前記基板に、インク吐出孔を具備しない複数のダミーキャビティが形成され、該複数のダミーキャビティに当接する前記圧力発生部の前記圧電体層が分極されており、前記アクチュエータは、前記ダミーキャビティ、前記加圧室、複数の前記加圧室の間にある隔壁および前記加圧室と前記ダミーキャビティとの間にある隔壁を覆っていることを特徴とする印刷ヘッド。
  2. 前記圧力発生部が表面電極と、共通電極と、該共通電極と前記表面電極とに挟持された前記圧電体層とを有することを特徴とする請求項1に記載の印刷ヘッド。
  3. インクを導入するためのインク流路とインクを吐出するためのインク吐出孔とが接続された加圧室が複数設けられた基板の主面に、圧力発生部を複数具備するアクチュエータが、前記加圧室の各々が前記圧力発生部に当接するように配置して設けられ、前記圧力発生部が表面電極と、共通電極と、該共通電極と前記表面電極とに挟持され、分極されている圧電体層とを有し、前記複数の加圧室の外周の前記基板に複数のダミーキャビティが形成され、該複数のダミーキャビティに当接する前記圧力発生部が外部に接続されていない表面電極と、前記共通電極と、該共通電極と前記外部に接続されていない表面電極とに挟持され、分極されている前記圧電体層とを有し、前記アクチュエータは、前記ダミーキャビティ、前記加圧室、複数の前記加圧室の間にある隔壁および前記加圧室と前記ダミーキャビティとの間にある隔壁を覆っていることを特徴とする印刷ヘッド。
  4. 前記ダミーキャビティがインク吐出孔を具備しないことを特徴とする請求項に記載の印刷ヘッド。
  5. 前記加圧室の形状と前記ダミーキャビティの形状とが同一であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の印刷ヘッド。
  6. 前記ダミーキャビティと該ダミーキャビティに隣接する前記加圧室との間隔が、前記複数の加圧室間の間隔と同一であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の印刷ヘッド。
  7. 前記加圧室の全てについて、一つの前記加圧室と、該加圧室に隣接する他の前記加圧室又は前記ダミーキャビティの配置関係が同一であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の印刷ヘッド。
  8. 前記ダミーキャビティにインクを充填することが可能であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の印刷ヘッド。
  9. インクを導入するためのインク流路とインクを吐出するためのインク吐出孔とが接続された加圧室が複数設けられた基板の主面に、圧力発生部を複数具備するアクチュエータが、前記加圧室の各々が前記圧力発生部に当接するように配置して設けられ、前記圧力発生部が表面電極と、共通電極と、該共通電極と前記表面電極とに挟持された分極されている圧電体層とを有し、前記複数の加圧室の外周の前記基板に複数のダミーキャビティが形成され、該複数のダミーキャビティに当接する前記圧力発生部が表面電極と、前記共通電極と、該共通電極と前記表面電極とに挟持され、分極されている前記圧電体層とを有し、前記アクチュエータは、前記ダミーキャビティ、前記加圧室、複数の前記加圧室の間にある隔壁および前記加圧室と前記ダミーキャビティとの間にある隔壁を覆っている印刷ヘッドを用い、前記ダミーキャビティに当接する前記圧力発生部の前記表面電極には電圧を加えず、前記加圧室が当接する前記圧力発生部の前記表面電極に電圧を加えて、内部に配置された前記加圧室からインクを吐出させることを特徴とする印刷方法。
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