JP2001328260A - 液体噴射装置、及びそれを備えた画像記録装置 - Google Patents

液体噴射装置、及びそれを備えた画像記録装置

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JP2001328260A JP2000149461A JP2000149461A JP2001328260A JP 2001328260 A JP2001328260 A JP 2001328260A JP 2000149461 A JP2000149461 A JP 2000149461A JP 2000149461 A JP2000149461 A JP 2000149461A JP 2001328260 A JP2001328260 A JP 2001328260A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブロック端部に位置する圧力室の特性を、ブ
ロック内の他の圧力室の特性に揃える。 【解決手段】 隣り合うブロックに属する圧力室16同
士の間に、液体の噴射に関与しないダミー圧力室33
を、ブロック内の各圧力室16と連通させない独立状態
で配設し、さらに、このダミー圧力室33を大気開放す
る。この大気開放は、ダミー圧力室33と大気連通口3
5とを大気開放路で連通することで行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録ヘッドなどの液体噴射装置、及び、この液体噴射装置
を備えた画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術を液体噴射装置の一種である
インクジェット式の記録ヘッドを例に挙げて説明する。
この種の記録ヘッドは、インク滴を吐出(つまり、液体
を噴射)可能なノズル開口が列設されたノズル列を備え
ている。そして、色などが異なる複数種類のインクを吐
出可能に構成した記録ヘッドには、ノズル開口や、この
ノズル開口に連通したインク流路をノズル列の方向に複
数ブロックに分割し、各ブロック単位でインクの種類を
設定して吐出させるようにしたものがある。例えば、特
開平8−58117号公報には、共通インク室とも称さ
れる共通流路を3つ備え、各ノズル開口毎に設けた複数
の独立流路を圧力室を介して所定の共通流路に連通させ
ることで、1つのノズル列から3色のインクを吐出可能
に構成した記録ヘッドが開示されている。つまり、共通
流路単位で分割されたブロック毎に、異なる色のインク
を吐出可能に構成した記録ヘッドが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記公報の記録ヘッド
は、互いに隣り合う圧力室同士は壁部によって区画され
ている。このため、1つのブロックの端部に位置する圧
力室と隣のブロックの端部に位置する圧力室とは壁部に
よって区画されている。従って、この区画壁部が厚い場
合には、ブロック端部の圧力室の特性が同じブロックの
他の圧力室とは異なってしまい、インク滴の量のばらつ
きや着弾位置のばらつきの一因となる。また、この区画
壁部の厚さがブロック内の区画壁部と同じかそれよりも
薄い場合には、ブロック端部の圧力室は、隣のブロック
からの圧力変動の影響を受けてしまい、吐出の状態によ
っては同じブロックの他の圧力室とは特性が異なってし
まう虞がある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、1つのノズル列を複数ブロ
ックに分割した構成であっても、ブロック端部に位置す
る圧力室の特性をブロック内の他の圧力室の特性に揃え
ることができる液体噴射装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために提案されたものであり、請求項1に記載の
ものは、複数のノズル開口が列状に穿設されたノズル列
と、噴射される液体を貯留可能な複数の共通液室と、各
ノズル開口から対応する圧力室を通って共通液室に至る
複数の液体流路とを備え、前記液体流路をノズル列方向
に複数ブロックに分割し、各ブロック毎に異なる共通液
室に連通させた液体噴射装置であって、前記圧力室を列
状に並べて形成するとともに、隣り合うブロックに属す
る圧力室同士の間に、液体の噴射に関与しないダミー圧
力室を配設したことを特徴とする液体噴射装置である。
【0006】請求項2に記載のものは、前記ダミー圧力
室を、ブロック内の各圧力室と連通させない独立状態で
配設したことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装
置である。
【0007】請求項3に記載のものは、前記ダミー圧力
室とブロック内の各圧力室とを等ピッチで形成したこと
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体噴射装
置である。
【0008】請求項4に記載のものは、外側表面に開口
させた大気連通口とダミー圧力室との間を大気開放路で
連通し、ダミー圧力室を大気開放したことを特徴とする
請求項1から請求項3の何れかに記載の液体噴射装置で
ある。
【0009】請求項5に記載のものは、前記大気連通口
を、ノズル開口が穿設されたノズルプレートとは反対側
の表面に開口させたことを特徴とする請求項4に記載の
液体噴射装置である。
【0010】請求項6に記載のものは、前記共通液室が
形成されたリザーバープレートやノズル開口が穿設され
たノズルプレートなどのプレート部材同士を接着フィル
ム層により接着し、前記大気開放路は、上記接着フィル
ム層に設けられて厚さ方向を貫通する孔を少なくとも一
部に含んで構成されることを特徴とする請求項4又は請
求項5に記載の液体噴射装置である。
【0011】請求項7に記載のものは、請求項1から請
求項6の何れかに記載の液体噴射装置と、インクを貯留
したインク貯留部と、インク貯留部と共通液室とを連通
するインク供給路とを備え、インク貯留部に貯留された
インクを共通液室に供給し、ノズル開口からインクを噴
射させるように構成したことを特徴とする画像記録装置
である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、液
体噴射装置の一種であるインクジェット式の記録ヘッド
を例に挙げて説明する。ここで、図1は、ヘッドユニッ
トをノズルプレート側から見た斜視図、図2は記録ヘッ
ドをアクチュエータユニット側から見た斜視図、図3は
記録ヘッドの平面図、図4は図3のA−A断面図、図5
は図3のB−B断面図、図6は図3のC−C断面図であ
る。なお、この記録ヘッドは、プリンタやプロッタ等の
画像記録装置に組み込まれて使用される。
【0013】図1に示すように、例示したヘッドユニッ
ト1はフレーム2を備えており、フレーム2におけるベ
ース板部3の上面にはインクカートリッジ4(本願発明
のインク貯留部の一種)が取り付け可能なカートリッジ
ホルダ部5が形成されている。カートリッジホルダ部5
に取り付けられるインクカートリッジ4は、内部が複数
の区画室に区画形成された中空箱体状の部材であり、各
区画室内にはインク吸収材内に保持された状態でインク
が貯留されている。本実施形態では、各区画室に異なる
色のインクを貯留させている。即ち、ブラック、シア
ン、マゼンタ、及び、イエローの4色のインクを別個に
貯留させている。一方、カートリッジホルダ部5とは反
対側となるベース板部3の下面には、記録ヘッド6が下
側から取り付けられている。
【0014】この記録ヘッド6とカートリッジホルダ部
5に保持されたインクカートリッジ4とはインク供給路
7…によって連通される。従って、記録ヘッド6には、
対応するインク供給路7を通じて所定のインクが供給さ
れる。そして、記録ヘッド6に供給されたインクは、記
録ヘッド6の外側表面に複数形成されたノズル開口9…
から吐出される。このノズル開口9はドット形成密度に
対応したピッチで列状に穿設されており、このノズル列
が2列横並びに形成されている。これらのノズル列の
内、一方のノズル列は同じインクを吐出可能な単一ノズ
ル列10であり、他方のノズル列はノズル開口9をノズ
ル列方向に複数のブロックに分割した分割ノズル列11
である。本実施形態では、分割ノズル列11を3つのブ
ロックから構成しており、ブロック同士の間については
1ピッチ分空けてノズル開口9を形成している。
【0015】図2及び図6に示すように、記録ヘッド6
は、アクチュエータユニット14と流路ユニット15と
から構成されており、アクチュエータユニット14と流
路ユニット15とを重ね合わせた状態で一体化してあ
る。アクチュエータユニット14は、複数の圧力室16
…を形成した圧力室プレート17、第1ノズル連通口1
8や供給側連通口19を形成した圧力室基板20、及
び、圧電振動子21を実装した振動板22とを積層し、
焼成等により一体化することで構成されている。流路ユ
ニット15は、インク供給口25を形成した供給口プレ
ート26、複数のリザーバー27を形成したリザーバー
プレート28、及び、ノズル列10,11が形成された
ノズルプレート29からなるプレート部材を積層して一
体化することで構成されている。詳しくは、供給口プレ
ート26とリザーバープレート28との間に第1接着フ
ィルム30(以下、SRフィルム30と称する。)を配
設し、リザーバープレート28とノズルプレート29と
の間に第2接着フィルム31(以下、NRフィルム31
と称する。)を配設して、これらの接着フィルム30,
31によって各プレート部材26,28,29を一体的
に接合している。さらに、アクチュエータユニット14
と流路ユニット15についても、アクチュエータユニッ
ト14と流路ユニット15との間に介在させた第3接着
フィルム32(以下、SAフィルム32と称する。)に
よって一体的に接合する。なお、本実施形態ではこれら
の接着フィルム30,31,32に熱溶着性のフィルム
を使用しているが、熱溶着性フィルムに限定されるもの
ではなく、各プレート部材を接着できるものであればよ
い。
【0016】圧力室プレート17は、圧力室を形成する
のに適した厚さのセラミックス材の薄板、例えば厚さが
100マイクロメートル程度の板状のアルミナやジルコ
ニア等によって構成されている。そして、図7に示すよ
うに、複数の圧力室16,33…がプレートの厚さ方向
に貫通した状態で形成されている。これらの圧力室1
6,33は、ノズルプレート29のノズル開口9…のピ
ッチと同じ一定のピッチで列状に開設され、列設方向と
直交する左右方向に細長い長孔である。そして、本実施
形態では、圧力室の列を左右横並びに2列形成してお
り、一側の圧力室列(図中右側の圧力室列)が分割ノズ
ル列11用の圧力室列であり、他側の圧力室列(図中左
側の圧力室列)が単一ノズル列10用の圧力室列であ
る。そして、これらの圧力室列を構成する圧力室16,
33の内、圧力室列の端部に位置する圧力室はインク滴
の吐出に関与しないダミー圧力室33として構成されて
いる。さらに、分割ノズル列11側の圧力室列を構成す
る圧力室16,33については、ブロック同士の間に位
置する圧力室もダミー圧力室33として構成される。な
お、これらの圧力室16及びダミー圧力室33は一定の
ピッチで形成されているので、圧力室16,33におけ
る圧力室列設方向の一側の区画壁部の厚さと、他側の区
画壁部の厚さとは同じである。
【0017】圧力室基板20は、圧力室プレート17と
同様のセラミックス材であって、第1ノズル連通口18
と供給側連通口19とを形成した薄板によって構成され
ている。第1ノズル連通口18は、圧力室16の左右内
側端部(即ち、ノズル開口9側の端部)に連通し、板厚
方向を貫通する円形の孔であり、圧力室16,33と同
じピッチで複数形成される。また、供給側連通口19
は、第1ノズル連通口19とは反対側の圧力室16の左
右外側端部に連通し、板厚方向を貫通する円形の孔であ
り、圧力室16,33と同じピッチで複数形成される。
本実施形態においては、これらの第1ノズル連通口18
と供給側連通口19とは同じ直径、詳しくは、圧力室1
6,33の幅と同じ直径である。
【0018】振動板22は、厚さが6マイクロメートル
程度の弾性を有するセラミックス材の薄板であり、本実
施形態ではアルミナやジルコニア等の薄板によって構成
されている。圧力室16とは反対側となる振動板22の
外側表面には、各圧力室16…に対応した状態で複数の
圧電振動子21…が配設される。例示した圧電振動子2
1は撓み振動モードの振動子であり、図示しない信号供
給ケーブルから供給される駆動信号によって撓み、圧力
室16の容積を変化させる。
【0019】供給口プレート26は、図9に示すよう
に、ステンレス材等の金属材料によって構成された薄い
板状部材であり、板厚方向を貫通するインク供給口25
を上記の供給側連通口19に対応させて複数形成し、ま
た、板厚方向を貫通する第2ノズル連通口34を上記の
第1ノズル連通口18に対応させて複数形成する。この
第2ノズル連通口34は、第1ノズル連通口18と同じ
直径の円形の孔である。また、インク供給口25は、後
述するインク流路内のインクに対して流体抵抗(流動抵
抗)を付与する部分であり、その直径は、供給側連通口
19の直径よりも十分に絞られている。また、供給口プ
レート26における連通口列設方向の一側端部であって
左右略中央には大気連通口35を開設してある。この大
気連通口35は、ダミー圧力室33を大気開放するため
の大気開放路(後述する)の出口である。供給口プレー
ト26における連通口列設方向の他側端部には、インク
導入口36を開設してある。このインク導入口36は、
吐出可能なインクの種類に合わせて4つ開設してある。
この他に、供給口プレート26には、肉厚を他の部分よ
りも十分に薄くしたコンプライアンス部37…を形成し
てある。このコンプライアンス部37は、図中破線で示
す部分、詳しくは、後述するリザーバー27(27a〜
27d、図11参照)の範囲内に形成してある。
【0020】アクチュエータユニット14と供給口プレ
ート26とを接合するSAフィルム32は、図8に示す
ように、第1ノズル連通口18…及び第2ノズル連通口
34…を覆うように配置され、連通口形成方向に細長い
第1帯部40,40と、供給側連通口19…及びインク
供給口25…を覆うように配置され、供給口形成方向に
細長い第2帯部41,41とを備え、各帯部40,41
の長手方向両端を左右方向に細長い第3帯部42で連結
した形状の粘着性のフィルムである。第1帯部40に
は、第1ノズル連通口18や第2ノズル連通口34の直
径よりも少し大きい直径の円形開口部43…を、これら
のノズル連通口18,34と同じピッチで開設してい
る。また、開口部列設方向の端部には、この列設方向に
細長い長孔44を開設している。一方、第2帯部41に
は、供給側連通口19の直径と略同じ幅であって、左右
方向に少し細長い矩形状開口部45…を、供給側連通口
19と同じピッチで開設している。そして、第2帯部4
1の開口部列設方向の端部には、列設方向の幅が他の矩
形状開口部45よりも広い大形の矩形状開口部46…を
開設している。
【0021】リザーバープレート28は、ステンレス材
等の金属材料によって構成された薄い板状部材である。
そして、図11に示すように、このリザーバープレート
28には、単一ノズル列10に対応する第1リザーバー
27aと、分割ノズル列11に対応する第2リザーバー
27b、第3リザーバー27c、及び、第4リザーバー
27dとが形成されている。これらのリザーバー27
は、本願発明における共通液室に相当する部分であり、
板厚方向を貫通する開口部によって構成されている。そ
して、各リザーバー27の端部は、対応するインク導入
口36の位置まで延設され、インク導入口36と連通し
ている。本実施形態では、第1リザーバー27aをブラ
ックインクが貯留されるブラックリザーバーとして使用
し、第2リザーバー27bをイエローインクが貯留され
るイエローリザーバーとして使用し、第3リザーバー2
7cをマゼンタインクが貯留されるマゼンタリザーバー
として使用し、第4リザーバー27dをシアンインクが
貯留されるシアンリザーバーとして使用している。
【0022】また、リザーバープレート28には、板厚
方向を貫通する第3ノズル連通口47…を上記の第2ノ
ズル連通口34に対応させて複数形成している。この第
3ノズル連通口47…の列も、第1ノズル連通口18や
第2ノズル連通口34と同様に左右横並びに2列形成し
てある。そして、分割ノズル列11に対応する列には第
1開放連通口49…も形成してある。この第1開放連通
口49は、ブロック間のダミー圧力室33に対応して設
けられ、このダミー圧力室33を大気開放するために設
けられる。本実施形態では、板厚方向を貫通する孔であ
って左右外側(図11では右側)に少し細長い長孔によ
り構成してある。この他に、リザーバープレート28に
は、第2開放連通口50と第3開放連通口51とを形成
してある。第2開放連通口50は、第3ノズル連通口4
7…の列の近傍にこの連通口の列に沿って形成された長
孔であり、ダミー圧力室33を大気開放するために設け
られる。第3開放連通口51は、大気連通口35と連通
する部分であり、分割ノズル列11側にのみ形成され
る。この第3開放連通口51は、第2開放連通口50と
同列上であって、第3ノズル連通口47の列の端部から
一側に離隔した場所に形成してある。
【0023】供給口プレート26とリザーバープレート
28とを接合するSRフィルム30は、図10に示すよ
うに、ノズル連通口の列同士の間の部分や、リザーバー
27に対応する部分等に複数の貫通開口部を形成した粘
着性のフィルムである。このSRフィルム30における
第2ノズル連通口34や第3ノズル連通口47に対応す
る位置には、これらのノズル連通口34,47の直径よ
りも少し大きい直径の円形開口部52…を、ノズル連通
口34,47と同じピッチで開設している。そして、こ
の円形開口部52…の列の両端部には、開口部列設方向
に少し長い長孔開口部53…を形成している。また、こ
の円形開口部52…の列の左右外側には、この列に沿っ
て細長い開放開口部54…を形成している。この開放開
口部54は、単一ノズル列10側に2つ、分割ノズル列
11側に3つ、それぞれ縦方向に並べて形成してある。
【0024】ノズルプレート29は、ステンレス材等の
金属材料によって構成された薄い板状部材である。そし
て、図13に示すように、ノズルプレート29には、2
列のノズル列が横並びに形成されており、一方の列が単
一ノズル列10として構成され、他方の列が分割ノズル
列11として構成されている。本実施形態では、単一ノ
ズル列10は一定のピッチで開設された48個のノズル
開口9…によって構成されている。分割ノズル列11
は、単一ノズル列10側のノズル開口9…と同じピッチ
で開設された15個のノズル開口9で1つのブロックB
を構成し、このブロックBをノズル列方向に3つ並べて
いる。さらに、各ブロックB…を、ブロック同士の間に
1ノズル開口分(1ピッチ分)離隔させて配置してい
る。即ち、ダミー圧力室33に対応する位置にはノズル
開口9を形成せずに塞いだ状態にしている。
【0025】リザーバープレート28とノズルプレート
29とを接合するNRフィルム31は、上記のSRフィ
ルム30と同じ形状の粘着性のフィルムにより構成され
ている。即ち、このNRフィルム31は、図12に示す
ように、ノズル連通口の列同士の間の部分やリザーバー
27に対応する部分等に形成された複数の貫通開口部
と、第3ノズル連通口47に対応する位置に形成された
円形開口部55…と、円形開口部55…の列の両端部に
形成された長孔開口部56…と、円形開口部55…の列
の左右外側に沿って形成された開放開口部57とを備え
ている。
【0026】上記した各プレート部材を積層して一体化
した記録ヘッド61では、図3及び図6に示すように、
リザーバー27と圧力室16の外側端部とが、供給口プ
レート26のインク供給口25、SAフィルム32の矩
形状開口部45、及び、圧力室基板20の供給側連通口
19を通じて連通される。また、圧力室16の内側端部
とノズル開口9とが、圧力室基板20の第1ノズル連通
口18、SAフィルム32の円形開口部43、供給口プ
レート26の第2ノズル連通口34、SRフィルム30
の円形開口部52、リザーバープレート28の第3ノズ
ル連通口47、及び、NRフィルム31の円形開口部5
5を通じて連通される。従って、リザーバー27から圧
力室16を通ってノズル開口9に至る一連のインク流路
(本願発明における液体流路に相当)が、ノズル開口9
毎に形成される。
【0027】次に、ブロック同士の間に配置したダミー
圧力室33について説明する。このダミー圧力室33
は、ブロック内の各圧力室16と連通させない独立状態
で配設してあり、大気開放路を介して大気連通口35と
連通することで大気開放させている。本実施形態では、
大気開放路を、供給口プレート26の第2ノズル連通口
34と、リザーバープレート28の第1開放連通口4
9、第2開放連通口50及び第3開放連通口51と、S
Rフィルム30の開放開口部54及びNRフィルム31
の開放開口部57とから構成している。
【0028】図4に示すように、このダミー圧力室33
の外側端部には供給側連通口19が連通し、内側端部に
は第1ノズル連通口18が連通している。そして、供給
側連通口19は、SAフィルム32の矩形状開口部45
に臨んでいるが、この矩形状開口部45のノズルプレー
ト29側の開口面は、供給口プレート26によって塞が
れている。つまり、ダミー圧力室33の外側端部側は、
供給側連通口19及び矩形状開口部45等によって閉じ
られている。ここで、ダミー圧力室33の部分にも矩形
状開口部45を形成したのは、隣の矩形状開口部45が
塞がれてしまうのを防止するためである。即ち、ダミー
圧力室33の部分に矩形状開口部45を設けずに塞いで
しまうと、アクチュエータユニット14と流路ユニット
15とを接合した際に、SAフィルム32のダミー圧力
室33に対応する部分が押し潰されて面方向に大きく広
がり、隣の矩形状開口部45を塞いでしまう虞がある。
本実施形態のように、ダミー圧力室33の部分にも矩形
状開口部45を設けると、アクチュエータユニット14
と流路ユニット15とを接合しても広がりが少ないの
で、隣の矩形状開口部45が塞がれてしまう不具合を確
実に防止できる。
【0029】上記の第1ノズル連通口18は、SAフィ
ルム32の円形開口部43、供給口プレート26の第2
ノズル連通口34、及び、SRフィルム30の円形開口
部52を通じて第1開放連通口49に連通している。そ
して、この第1開放連通口49は、第2ノズル連通口3
4との接続部よりも外側(図4では右側)で、SRフィ
ルム30の開放開口部54及びNRフィルム31の開放
開口部57に連通している。そして、図5に示すよう
に、SRフィルム30の開放開口部54及びNRフィル
ム31の開放開口部57は、圧力室16の配設方向(円
形開口部52,55の配設方向と同じ方向)に延設され
ており、隣り合う開放開口部同士の境界部分をリザーバ
ープレート28の第2開放連通口50で連通している。
さらに、SRフィルム30の開放開口部54は、一側端
部で大気連通口35に連通しており、この連通部分とN
Rフィルム31の開放開口部57との間をリザーバープ
レート28の第3開放連通口51で連通している。
【0030】そして、上記構成のダミー圧力室33をブ
ロック同士の間に設けたことにより、次の作用効果を奏
する。
【0031】即ち、ブロック端部の圧力室16に関し、
ブロック内側の区画壁部とダミー圧力室33側の区画壁
部とについて、厚さを揃えることができる。このため、
ブロック端部の圧力室16の特性を同じブロックの他の
圧力室16に揃えることができる。また、隣のブロック
の端部に位置する圧力室16との間にダミー圧力室33
が配置されているので、隣のブロックからの圧力変動の
影響を受け難くすることができる。この点でも、ブロッ
ク端部の圧力室16の特性を他の圧力室16の特性に確
実に揃えることができる。特に、コンプライアンスを揃
える上で有益である。
【0032】また、ダミー圧力室33は、大気開放路に
よって大気開放されているので、記録ヘッド6の温度変
化に伴うダミー圧力室33の容積変化を防止することが
でき、温度の変化に起因してブロックの端部に位置する
圧力室16の特性が変化してしまう不具合を確実に防止
することができる。そして、この大気開放路は、接着用
のSRフィルム30やNRフィルム31に設けた開放開
口部54,57を一部に含ませているので、大気開放路
専用のプレート部材を必要とせず、記録ヘッド6の厚み
を薄くすることができる。
【0033】また、上記の大気連通口35を、ノズルプ
レート29とは反対側になる供給口プレート26の表面
に開口させてあるので、紙粉やインク飛沫等による目詰
まりを防止でき、ダミー圧力室33の大気開放状態を長
期間に亘って確実に維持することができる。
【0034】さらに、圧力室列の端部に位置するダミー
圧力室33については、SAフィルム32に設けた長孔
44や大形の矩形状開口部46によって大気開放してい
る。即ち、図2に示すように、これらの長孔44や矩形
状開口部46は、アクチュエータユニット14と流路ユ
ニット15とを接合した状態において、その端部がアク
チュエータユニット14の外縁よりも外側にはみ出して
おり、このはみ出した部分44a,46aがヘッド外部
との連通部となる。従って、圧力室列の端部のダミー圧
力室33については、長孔44や矩形状開口部46によ
って大気開放される。
【0035】ところで、上記の実施形態はあくまで例示
であって、特許請求の範囲に記載された範囲内で種々の
変形が可能である。例えば、ブロックB,B同士の間に
配設されるダミー圧力室33は、1つに限定されるもの
ではなく、2つ以上設けても良い。
【0036】また、分割ノズル列11に関し、1列に3
つのブロックを備えた構成を例示したが、これに限定さ
れない。例えば、1列に2つのブロックBを備えた構成
でも良いし、1列に4以上のブロックBを備えた構成で
あってもよい。
【0037】また、本願発明のインク貯留部はインクカ
ートリッジ4に限定されるものではなく、記録ヘッド6
とは離隔した位置に設けられるインクパックやインクタ
ンクによって構成してもよい。この場合、インクパック
やインクタンクと記録ヘッド6との間をチューブ(本願
発明におけるインク供給路の一種)によって接続し、こ
のチューブを介して記録ヘッド6にインクを供給する。
【0038】また、上記実施形態は、液体噴射装置を、
インクジェット式の記録ヘッド6を例に挙げて説明した
が、本発明は、グルーやマニキュア等を噴射する液体噴
射装置にも適用することができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、以
下の効果を発揮する。即ち、隣り合うブロックに属する
圧力室同士の間に、液体の噴射に関与しないダミー圧力
室を配設したので、ブロック端部に位置する圧力室につ
いて、ブロック内側の区画壁部とダミー圧力室側の区画
壁部とを厚さを揃えて形成することができる。このた
め、ブロック端部の圧力室の特性を同じブロックの他の
圧力室に揃えることができる。また、隣のブロックの端
部に位置する圧力室との間にダミー圧力室が配置されて
いるので、隣のブロックからの圧力変動の影響を受け難
くすることができ、ブロック端部の圧力室の特性を他の
圧力室の特性に確実に揃えることができる。
【0040】また、ダミー圧力室を、ブロック内の各圧
力室と連通させない独立状態で配設した場合には、隣り
合う一方のブロックからの圧力変動の影響を他方のブロ
ックに一層与え難くすることができる。
【0041】また、大気連通口とダミー圧力室との間を
大気開放路で連通し、ダミー圧力室を大気開放した場合
には、周囲温度の変化に伴って生じるダミー圧力室の容
積変化を防止することができる。これにより、ブロック
端部に位置する圧力室の特性変化を防止できる。
【0042】また、大気連通口を、ノズル開口が穿設さ
れたノズルプレートとは反対側の表面に開口させた場合
には、大気連通口の目詰まりを防止することができ、ダ
ミー圧力室の大気開放状態を長期間に亘って確実に維持
することができる。
【0043】また、大気開放路を、接着フィルム層に設
けられて厚さ方向を貫通する孔を少なくとも一部に含ん
で構成した場合には、接着フィルム層内に大気開放路の
一部が形成されるので、液体噴射装置の厚さを薄くする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヘッドユニットをノズルプレート側から見た斜
視図である。
【図2】記録ヘッドをアクチュエータユニット側から見
た斜視図である。
【図3】記録ヘッドの平面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】図3のB−B断面図である。
【図6】図3のC−C断面図である。
【図7】アクチュエータユニットの平面図である。
【図8】SAフィルムの平面図である。
【図9】供給プレートの平面図である。
【図10】SRフィルムの平面図である。
【図11】リザーバープレートの平面図である。
【図12】NRフィルムの平面図である。
【図13】ノズルプレートの平面図である。
【符号の説明】
1 ヘッドユニット 2 フレーム 3 ベース板部 4 インクカートリッジ 5 カートリッジホルダ部 6 記録ヘッド 7 インク供給路 9 ノズル開口 10 単一ノズル列 11 分割ノズル列 14 アクチュエータユニット 15 流路ユニット 16 圧力室 17 圧力室プレート 18 第1ノズル連通口 19 供給側連通口 20 圧力室基板 21 圧電振動子 22 振動板 25 インク供給口 26 供給口プレート 27 共通インク室 28 リザーバープレート 29 ノズルプレート 30 SRフィルム 31 NRフィルム 32 SAフィルム 33 ダミー圧力室 34 第2ノズル連通口 35 大気連通口 36 インク導入口 37 コンプライアンス部 40 SAフィルムの第1帯部 41 SAフィルムの第2帯部 42 SAフィルムの第3帯部 43 第1帯部の円形開口部 44 第1帯部の長孔 45 第2帯部の矩形状開口部 46 第2帯部の矩形状開口部(大形) 47 第3ノズル連通口 49 第1開放連通口 50 第2開放連通口 51 第3開放連通口 52 SRフィルムの円形開口部 53 SRフィルムの長孔開口部 54 SRフィルムの開放開口部 55 NRフィルムの円形開口部 56 NRフィルムの長孔開口部 57 NRフィルムの開放開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片倉 孝浩 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF40 AG14 AG40 AG44 AG73 BA04 BA14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のノズル開口が列状に穿設されたノ
    ズル列と、噴射される液体を貯留可能な複数の共通液室
    と、各ノズル開口から対応する圧力室を通って共通液室
    に至る複数の液体流路とを備え、前記液体流路をノズル
    列方向に複数ブロックに分割し、各ブロック毎に異なる
    共通液室に連通させた液体噴射装置であって、 前記圧力室を列状に並べて形成するとともに、隣り合う
    ブロックに属する圧力室同士の間に、液体の噴射に関与
    しないダミー圧力室を配設したことを特徴とする液体噴
    射装置。
  2. 【請求項2】 前記ダミー圧力室を、ブロック内の各圧
    力室と連通させない独立状態で配設したことを特徴とす
    る請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 【請求項3】 前記ダミー圧力室とブロック内の各圧力
    室とを等ピッチで形成したことを特徴とする請求項1又
    は請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 【請求項4】 外側表面に開口させた大気連通口とダミ
    ー圧力室との間を大気開放路で連通し、ダミー圧力室を
    大気開放したことを特徴とする請求項1から請求項3の
    何れかに記載の液体噴射装置。
  5. 【請求項5】 前記大気連通口を、ノズル開口が穿設さ
    れたノズルプレートとは反対側の表面に開口させたこと
    を特徴とする請求項4に記載の液体噴射装置。
  6. 【請求項6】 前記共通液室が形成されたリザーバープ
    レートやノズル開口が穿設されたノズルプレートなどの
    プレート部材同士を接着フィルム層により接着し、 前記大気開放路は、上記接着フィルム層に設けられて厚
    さ方向を貫通する孔を少なくとも一部に含んで構成され
    ることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の液体
    噴射装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6の何れかに記載の
    液体噴射装置と、インクを貯留したインク貯留部と、イ
    ンク貯留部と共通液室とを連通するインク供給路とを備
    え、 インク貯留部に貯留されたインクを共通液室に供給し、
    ノズル開口からインクを噴射させるように構成したこと
    を特徴とする画像記録装置。
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