JP4639492B2 - インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 Download PDF

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    • B41J2202/11Embodiments of or processes related to ink-jet heads characterised by specific geometrical characteristics

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力発生室内に貯留されているインクを加圧してノズル開口からインク滴として吐出させるインクジェット式記録ヘッド及びそのヘッドを用いて情報を記録媒体に印刷するインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、インクジェット式記録ヘッドは、ノズル開口と、このノズル開口に連通されており、一部が振動板で構成されている略直方体状の圧力発生室と、この圧力発生室の振動板に連接されている圧電素子を備えている。このような構成において、圧電素子を駆動,変位させて振動板を変形させ、圧力発生室内に貯留されているインクを加圧してノズル開口からインク滴として吐出させることにより、情報を記録媒体に記録するようになっている。
【0003】
上記インクジェット式記録ヘッドとしては、軸方向に伸長・収縮する縦振動モードの圧電素子を使用した方式のものが実用化されている。この方式のインクジェット式記録ヘッドによれば、圧電素子の端面を振動板に接触させることにより圧力発生室の容積を変化させることができるので、高密度印刷に適したものとすることができる。ところが、圧電素子を振動板に配設する製造工程において、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛歯状に切り分け、切り分けた圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定するという複雑かつ困難な作業が必要になるという問題がある。
【0004】
一方、他の方式のインクジェット式記録ヘッドとしては、たわみ振動モードの圧電素子を使用した方式のものが実用化されている。この方式のインクジェット式記録ヘッドによれば、圧電材料でなるグリーンシートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し焼成するのみという比較的簡単な作業で圧電素子を振動板に配設することができるので、上記問題を解消することができる。ところが、たわみ振動を利用しているため、圧電素子の面積がある程度必要であり、高密度配列が困難であるという問題がある。
【0005】
そこで、この問題を解消すべく成膜技術を利用したインクジェット式記録ヘッドが提案されている。すなわち、振動板の表面全面にわたって圧電材料層を均一に成膜し、この圧電材料層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けて圧電素子を各圧力発生室毎に独立するように形成する。これによれば、リソグラフィ法という精密で簡便な手法により圧電素子を振動板に配設することができるので、圧電素子を振動板に貼付する作業が不要となり、さらに圧電素子の厚みが薄くなって高速駆動が可能になるという利点がある。
【0006】
図6は、従来の成膜技術を利用したインクジェット式記録ヘッドを示す概略断面図である。このインクジェット式記録ヘッドは、ノズルプレート1の上に圧電素子2が形成された流路形成基板3が接合され、流路形成基板3の上にリザーバ形成基板4が接合され、リザーバ形成基板4の上に封止板5及び圧電素子2の駆動回路(ドライバIC)6が接合され、これらがケースヘッド7で覆われた構成となっている。
【0007】
流路形成基板3には上記圧力発生室3a及びこの圧力発生室3aにインクを供給するインク供給路3bが形成され、ノズルプレート1には圧力発生室3a内に貯留されているインクをインク滴として吐出するノズル開口1aが形成されている。そして、圧力発生室3aは、流路形成基板3を異方性エッチングすることにより形成され、インク供給路3bは、上記異方性エッチングした後の流路形成基板3をハーフエッチングすることにより形成され、ノズル開口1aは、ノズルプレート1をドライエッチングすることにより形成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したインクジェット式記録ヘッドを高密度化する場合、流路形成基板3を対クロストークのために薄くする必要がある。ところが、流路形成基板3を薄くすると、必然的に圧力発生室3aの断面積も小さくなるので、圧力発生室3aのイナータンスM(=ρl/S、ただし、ρ:密度、l:圧力発生室3aの長さ、S:断面積)が増加し、ノズル開口1aにおけるインクのメニスカスの減衰特性∝R/2M(なお、断面が略矩形の場合のR=8μl/ab3x(ただし、μ:粘度、x:係数、2a×2b:略矩形断面積(a>b)))が悪化する。
【0009】
流路形成基板3を薄くし、かつ圧力発生室3aの断面積を大きくするには、各圧力発生室3a間に設けられている隔壁を薄くする必要がある。しかしながら、各圧力発生室間に設けられている隔壁を薄くすると、隔壁の剛性が低下し、隣接クロストークが発生するおそれがある。また、外力等が掛かった場合に隔壁が壊れるおそれがある。
【0010】
本発明は、上記のような課題に鑑みなされたものであり、その目的は、基本性能を維持しつつ高密度化を図ることができるインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置を提供することにある。
【0011】
上記目的達成のため、本発明の請求項1に係るインクジェット式記録ヘッドでは、複数のノズル開口が形成されたノズルプレートと、前記ノズル開口にそれぞれ連通した複数の圧力発生室及び前記各圧力発生室にインクを供給するインク供給路が形成された流路形成基板とを備え、前記圧力発生室内に貯留されている前記インクを加圧して前記ノズル開口からインク滴として吐出させるインクジェット式記録ヘッドにおいて、
前記ノズルプレートにおける前記圧力発生室に対応する位置に、前記圧力発生室の長手方向に延びる凹部を有し、当該凹部が前記圧力発生室の長手方向に複数に分割されて形成され、前記凹部における前記圧力発生室の長手方向と直交する方向の幅は、前記圧力発生室における長手方向と直交する方向の幅よりも狭くなるように形成されていることを特徴としている。
【0012】
これにより、インクジェット式記録ヘッドの高密度化を図るために流路形成基板を薄くしても、ノズルプレートに形成されている凹部の断面積の分が圧力発生室の断面積に加わるので、圧力発生室の断面積の減少を抑えることができ、ノズル開口におけるインクのメニスカスの減衰特性を良好に維持することができる。さらに、圧力発生室の断面積を増加させるために各圧力発生室間に設けられている隔壁を薄くする必要がないので、隔壁の剛性を保持することができ、隣接クロストークを防ぐことができる。また、外力等が掛かった場合における隔壁の破壊を防止することができる。また、圧力発生室の断面積は一様な増加とならないので、圧力発生室内の流路抵抗は小さくならない。したがって、圧力発生室の断面積が一様に増加したときの圧力発生室のイナータンスの減少によるメニスカスの減衰特性の向上と、圧力発生室の断面積が一様に増加したときの圧力発生室内の流路抵抗の減少によるメニスカスの減衰特性の劣化との相殺を防止することができる。さらに、各凹部間に設けられている隔壁の幅は、各圧力発生室間に設けられている隔壁の幅よりも広くなるので、各圧力発生室間の隔壁は各凹部間の隔壁の上部に確実に支持されることになる。したがって、各圧力発生室間の隔壁の剛性を保持することができ、外力等が掛かった場合における隔壁の破壊を防止することができる。
【0013】
請求項2に係る発明では、請求項1に記載のインクジェット式記録ヘッドにおいて、前記ノズルプレートは、異種の材料で成る(2つの)板材を備えていることを特徴としている。これにより、各板材の種類が異なることから、エッチングレートも異なり、凹部を一つの板材にのみ高精度に形成することができる。
【0014】
請求項3に係る発明では、請求項1または請求項2に記載のインクジェット式記録ヘッドにおいて、前記凹部の長手方向と直交する断面形状が、三角形であることを特徴としている。これにより、各凹部間に形成される隔壁の幅は、凹部の深さ方向に向かって広くなり、断面形状が台形の隔壁が形成される。各圧力発生室間の隔壁は、凹部間の断面形状が台形の隔壁の上部により確実に支持されることになる。したがって、各圧力発生室間の隔壁の剛性をより保持することができ、外力等が掛かった場合における隔壁の破壊をより防止することができる。
【0015】
請求項4に係る発明では、請求項2又は請求項3に記載のインクジェット式記録ヘッドにおいて、前記凹部は、面方位(100)のシリコン単結晶板で成る前記板材に形成されていることを特徴としている。これにより、断面形状が三角形となる凹部をエッチングにより容易に形成することができる。
【0017】
上記目的達成のため、本発明の請求項に係るインクジェット式記録装置では、請求項1〜の何れか一項に記載のインクジェット式記録ヘッドを備え、そのヘッドを用いて情報を記録媒体に印刷することを特徴としている。上述した各作用により、基本性能を維持しつつ高密度化を図ることができるインクジェット式記録ヘッドを備えた記録装置を提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係るインクジェット式記録装置の1つであるインクジェット式プリンタの構成例を示す斜視図である。このインクジェット式プリンタは、本体101内にインクジェット式プリント(記録)ヘッド100、ヘッド駆動機構102、オートシートフィーダ(自動連続給紙機構)103が配設され、本体101上部後方にトレイ104が配設されている。
【0020】
インクジェット式プリントヘッド100は、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの計4色のインクカートリッジ105を備えており、フルカラー印刷が可能なように構成されている。そして、インクジェット式プリントヘッド100のインク吐出タイミング及びヘッド駆動機構102の走査が、本体101に内蔵されている専用コントローラボード等により制御され、高精度なインクドット制御、ハーフトーン処理等が実行されるようになっている。
【0021】
また、トレイ104に給紙されている記録用紙106は、オートシートフィーダ103により自動的に送り出され、本体101正面に設けられている排紙口107から排出されるようになっている。この記録用紙106としては、普通紙、専用紙、推奨OHPシート、光沢紙、光沢フィルム、ラベルシート、官製葉書等が利用できる。
【0022】
図2は、図1のインクジェット式プリントへッド100の概略構成例を示す分解斜視図である。なお、この図では便宜上、1色分のヘッドのみを示している。このインクジェット式プリントへッド100は、ノズルプレート10の上に圧電素子20が形成された流路形成基板30が接合され、流路形成基板30の上にリザーバ形成基板40が接合され、リザーバ形成基板40の上に封止板50及び圧電素子20の駆動回路(ドライバIC)60が接合され、これらがケースヘッド70で覆われた構成となっている。
【0023】
図3は、図2のインクジェット式プリントへッド100を組み立てたときの詳細を示す断面図である。なお、この図でも便宜上、1色分のヘッドのみを示している。ノズルプレート10は、厚さが例えば0.1mm〜1mm、面方位が(100)のシリコン単結晶基板で作製されている。このノズルプレート10には、図3に示すように、2列に並んだ複数のノズル開口11が穿孔されている。さらに、ノズルプレート10の流路形成基板30と対向する面側には、本発明の特徴的な部分であり、後で詳述する凹部12が形成されている。
【0024】
流路形成基板30は、厚さが例えば50μm〜200μm、面方位が(110)のシリコン単結晶基板で作製されている。図3に示すように、この流路形成基板30のノズルプレート10と対向する面は開口面として形成され、リザーバ形成基板40と対向する面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンから成る厚さ1μm〜2μmの図示しない弾性膜が形成され、図2にも示すように、さらに圧電素子20が形成されている。
【0025】
流路形成基板30の開口面には、図3に示すように、複数の隔壁で区画された圧力発生室31が異方性エッチングにより幅方向に並設され、その長手方向外側には、図2及び図3に示すように、後述するリザーバ形成基板40のリザーバ部41に連通して各圧力発生室31の共通のインク室となるリザーバ80の一部を構成する連通部32が異方性エッチングにより形成され、各圧力発生室31の長手方向一端部とそれぞれインク供給路33を介して連通されている。なお、このインク供給路33も圧力発生室31と同様に隔壁によって区画されている。
【0026】
そして、この流路形成基板30の開口面側には、図3に示すように、各圧力発生室31のインク供給路33とは反対側で連通するノズル開口11が穿設されたノズルプレート10が接着剤や熱溶着フイルム等を介して固着されている。このため、ノズルプレート10は、一方の面で流路形成基板30の一面を全面的に覆って衝撃や外力から保護する補強板の役目も果たすことになる。なお、ノズルプレート10と流路形成基板30はシリコン単結晶基板という同一の材料で形成されており、ノズルプレート10と流路形成基板30との熱による変形が同一となるため、熱硬化性の接着剤等を用いて容易かつ確実に接合することが可能である。
【0027】
一方、流路形成基板30の開口面とは反対側の弾性膜の上には、図2及び図3に示すように、厚さが例えば約0.2μmの下電極膜と、厚さが例えば約1μmの圧電体層と、厚さが例えば約0.1μmの上電極膜とで成る圧電素子20が、薄膜形成プロセスで積層形成されている。一般的には、圧電素子20の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層を各圧力発生室31毎にパターニングして構成する。そして、圧電素子20の上電極膜の長手方向一端部近傍からリード電極21が圧力発生室31の周壁に対向する領域に延設されている。
【0028】
リザーバ形成基板40は、厚さが例えば150μm〜300μm、面方位が(110)のシリコン単結晶基板で作製されている。これにより、上述のノズルプレート10の場合と同様に、流路形成基板30とリザーバ形成基板40とを熱硬化性の接着剤等を用いて容易かつ確実に接着することが可能となる。
【0029】
このリザーバ形成基板40には、図2及び図3に示すように、上述した流路形成基板30の各圧力発生室31の共通のインク室となるリザーバ80の一部を構成する連通部32に連通したリザーバ部41が異方性エッチングにより幅方向に並設され、図3に示すように、さらに後述する封止板50のインク導入ロ51に連通するインク導入路42が異方性エッチングにより形成されている。
【0030】
また、リザーバ形成基板40の圧電素子20に対応する領域には、図3に示すように、圧電素子20の運動を阻害しない程度の密封可能な空間43が異方性エッチングにより形成され、さらにこの空間43と外部とを連通する図示しない連通孔が異方性エッチングにより設けられている。また、この空間43の形成面とは反対側の面には、図2及び図3に示すように、圧電素子20の駆動回路60及び配線パターン61が配設されている。
【0031】
上記空間43内には例えば不活性ガス等の乾燥流体が連通孔を介して充填され封止されている。この空間43内は大気よりも低い気圧で密封されており、これにより圧電素子20は乾燥流体雰囲気中に確実に密封されて外部環境と遮断される。なお、乾燥流体としては、不活性ガスの他、還元性ガスを用いることもできるが、逆に、酸化性ガスを含有させることにより、圧電体層の劣化を防止する環境を形成することができる。また、このような不活性ガスを用いる場合には、その中の水の蒸気圧(分圧)をできるだけ低くするのが望ましい。
【0032】
そして、リザーバ形成基板40のリザーバ部41と空間43の形成部との間には、図2及び図3に示すように、圧電素子20の配置面側から駆動回路60の配置面側に貫通しており、圧電素子20のリード電極21と駆動回路60とを電気的に接続する複数の配線62が通る貫通溝44が異方性エッチングにより形成されている。
【0033】
封止板50は、例えばPPSフィルムとステンレス鋼板の積層板で作製されている。この封止板50はリザーバ80を封止する役目を有している。また、図3に示すように、封止板50には上述したようにリザーバ形成基板40のインク導入路42に連通するインク導入ロ51が形成されている。ケースヘッド70は、上記各部を覆って保護し、また図3に示すように、駆動回路60と配線62の封止樹脂71の注入空間部を形成する役目を有している。
【0034】
図4(A)、(B)、(C)は、圧力発生室31周りのノズルプレート10と流路形成基板30を示すA―A線断面図、平面図及びB−B線断面図である。ノズルプレート10における各圧力発生室31に対応する位置には、圧力発生室31の長手方向に延びる2つの凹部12が圧力発生室31の長手方向に並んで形成されている。この凹部12の長手方向と直交する方向の幅w1は、圧力発生室31の長手方向と直交する方向の幅w2よりも狭くなるように形成されている。
【0035】
このようにノズルプレート10に凹部12を形成することにより、インクジェット式プリントヘッド100の高密度化を図るために流路形成基板30を薄くしても、凹部12の断面積の分が圧力発生室31の断面積に加わるので、圧力発生室31の断面積の減少を抑えることができる。このため、ノズル開口11におけるインクのメニスカスの減衰特性を良好に維持することができる。さらに、圧力発生室31の断面積を増加させるために各圧力発生室31間に設けられている隔壁を薄くする必要がなくなるので、隔壁の剛性を保持することができ、隣接クロストークを防止することができる。また、外力等が掛かった場合における隔壁の破壊を防止することができる。
【0036】
また、2つの凹部12を圧力発生室31の長手方向に並べて形成、すなわち圧力発生室31の長手方向の一端部から他端部にわたって1つの凹部を形成するのではなく、それを2つに分割した形状に形成しているので、圧力発生室31の断面積は一様な増加とならず、圧力発生室31内の流路抵抗は小さくならない。したがって、圧力発生室31の断面積が一様に増加したときの圧力発生室31のイナータンスの減少によるメニスカスの減衰特性の向上と、圧力発生室31の断面積が一様に増加したときの圧力発生室31内の流路抵抗の減少によるメニスカスの減衰特性の劣化との相殺を防止することができる。
【0037】
また、各凹部12間に設けられている隔壁の幅は、各圧力発生室31間に設けられている隔壁の幅よりも広くなるので、各圧力発生室31間の隔壁は各凹部12間の隔壁の上部に確実に支持されることになる。したがって、各圧力発生室31間の隔壁の剛性を保持することができ、外力等が掛かった場合における隔壁の破壊を防止することができる。
【0038】
また、面方位が(100)のシリコン単結晶基板で作製されたノズルプレート10を用いているので、断面形状が三角形または略台形となる凹部12をエッチングにより容易に形成することができる。なお、1つの圧力発生室31内に形成する凹部12の数は2つ以上であれば任意の数を形成しても同様の効果を奏する。
【0039】
図5(A)、(B)、(C)は、図4とは別の形態の圧力発生室31周りのノズルプレート10'と流路形成基板30を示すA―A線断面図、平面図及びB−B線断面図である。この例でのノズルプレート10'は、接着剤により張り合わされた異種の材料で成る2枚の板材13、14で構成されている。そして、凹部12'は、ノズルプレート10'における一方の板材13、すなわち流路形成基板30側の板材13に、圧力発生室31の長手方向に延び、かつ圧力発生室31の長手方向に2つ並んで形成されている。この凹部12'も、その長手方向と直交する方向の幅w1は、圧力発生室31の長手方向と直交する方向の幅w2よりも狭くなるように形成されている。
【0040】
この凹部12'は、接着剤により2枚の板材13、14を張り合わせた後、板材13のみを異方性エッチングすることにより形成される。凹部12'が形成される板材13としては、例えば厚さが例えば0.05mm〜0.5mm、面方位が(100)のシリコン単結晶基板で作製され、板材14としては、例えば厚さが例えば0.05mm〜0.5mmのステンレス板で作製されている。なお、板材13としては、シリコン単結晶基板に限られるものではなく、ステンレス板以外の金属板やガラス板を使用することができる。このように、各板材13、14の種類が異なることからエッチングレートも異なることになるので、凹部12'を一方の板材13のみに高精度に形成することができる。
【0041】
なお、上述した実施形態では、プリンタを例に説明したが、これに限られるものではなく、インクジェット式の記録装置、例えばファクシミリ装置やコピー装置等にも適用可能である。
【0042】
以上、本発明を種々の実施形態に関して述べたが、本発明は以上の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の実施形態についても適用されるのは勿論である。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置によれば、ヘッドの高密度化を図るために流路形成基板を薄くしても、ノズルプレートに形成されている凹部の断面積の分が圧力発生室の断面積に加わるので、圧力発生室の断面積の減少を抑えることができ、ノズル開口におけるインクのメニスカスの減衰特性を良好に維持することができる。さらに、圧力発生室の断面積を増加させるために各圧力発生室間に設けられている隔壁を薄くする必要がないので、隔壁の剛性を保持することができ、隣接クロストークを防ぐことができる。また、外力等が掛かった場合における隔壁の破壊を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るインクジェット式記録装置の1つであるインクジェット式プリンタの構成例を示す斜視図である。
【図2】図1のインクジェット式プリントへッドの概略構成例を示す分解斜視図である。
【図3】図2のインクジェット式プリントへッドを組み立てたときの詳細を示す断面図である。
【図4】図2のインクジェット式プリントへッドの圧力発生室周りのノズルプレートと流路形成基板を示すA―A線断面図、平面図及びB−B線断面図である。
【図5】図2のインクジェット式プリントへッドの別の形態の圧力発生室周りのノズルプレートと流路形成基板を示すA―A線断面図、平面図及びB−B線断面図である。
【図6】従来の成膜技術を利用したインクジェット式記録ヘッドを示す概略断面図である。
【符号の説明】
10 ノズルプレート
11 ノズル開口
12、12' 凹部
20 圧電素子
30 流路形成基板
31 圧力発生室
32 連通部
33 インク供給路
40 リザーバ形成基板
41 リザーバ部
42 インク導入路
43 空間
44 貫通溝
50 封止板
51 インク導入ロ
60 駆動回路(ドライバIC)
70 ケースヘッド
71 封止樹脂
80 リザーバ
100 インクジェット式記録ヘッド
101 本体
102 ヘッド駆動機構
103 オートシートフィーダ(自動連続給紙機構)
104 トレイ
105 インクカートリッジ
106 記録用紙
107 排紙口

Claims (5)

  1. 複数のノズル開口が形成されたノズルプレートと、前記ノズル開口にそれぞれ連通した複数の圧力発生室及び前記各圧力発生室にインクを供給するインク供給路が形成された流路形成基板とを備え、前記圧力発生室内に貯留されている前記インクを加圧して前記ノズル開口からインク滴として吐出させるインクジェット式記録ヘッドにおいて、
    前記ノズルプレートにおける前記圧力発生室に対応する位置に、前記圧力発生室の長手方向に延びる凹部を有し、当該凹部が前記圧力発生室の長手方向に複数に分割されて形成され、前記凹部における前記圧力発生室の長手方向と直交する方向の幅は、前記圧力発生室における長手方向と直交する方向の幅よりも狭くなるように形成されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  2. 前記ノズルプレートは、異種の材料で成る(2つの)板材を備えていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  3. 前記凹部の長手方向と直交する断面形状が、三角形であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  4. 前記凹部は、面方位(100)のシリコン単結晶板で成る前記板材に形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載のインクジェット式記録ヘッドを備え、そのヘッドを用いて情報を記録媒体に印刷することを特徴とするインクジェット式記録装置。
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