JP2006170135A - 遊星ギヤ機構減速式スタータ - Google Patents

遊星ギヤ機構減速式スタータ Download PDF

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Abstract

【課題】高トルク伝達を確保しつつ小型軽量で構造又は製造工程の簡素化が可能かつ潤滑信頼性に優れた外筒体嵌着型衝撃吸収機構型の遊星ギヤ機構減速式スタータを提供すること。
【解決手段】外筒体嵌着型衝撃吸収機構付きの遊星ギヤ機構減速式スタータにおいて、インターナルギヤ62の内周面に嵌着される外筒体66の外周面に遊星ギヤの個数以上の個数の回り止め突起(係止用突部)662を周方向に一定ピッチで形成し、センターケース12の内周面にこれら回り止め突起662と嵌合する回り止め溝部121を形成する。これにより、外筒体66の径方向肉厚を低減できるため、実用上重要な多くの効果を同時に得ることができることが判明した。
【選択図】図3

Description

本発明は遊星ギヤ機構減速式スタータに関する。
スタータモータでは、ピニオンがエンジンに噛合時に発生する噛合衝撃など種々の過大トルクが発生するための過大トルク吸収機構として、下記の特許文献1は、外筒体をインターナルギヤに嵌着し、外筒体の外周面に点対称に設けた一対の回り止め凸部を設け、この一対の係止用突部を機枠の溝部に嵌合して外筒体を回動不能に機枠に固定し、更に外筒体の内周面とインターナルギヤの外周面とを所定の滑りトルク以上で相対回動開始するように摩擦嵌合させた過大トルク吸収機構を提案している。以下、この機構を外筒体嵌着型衝撃吸収機構と略称する。
この機構によれば、外筒体とインターナルギヤとの間のクリアランスの精密製造を外筒体の増設により容易化することができるために、インターナルギヤの内周面に生じる所定の滑りトルク値以下のトルクを外筒体を通じて良好に機枠に伝達することができるとともに、インターナルギヤの内周面に上記滑りトルク値以上のトルクが生じると、インターナルギヤが外筒体に対して回動することにより、過大トルクの発生を防止することができる。
特許第3499177号公報
しかしながら、上記した特許文献1の外筒体嵌着型衝撃吸収機構をもつ遊星ギヤ機構減速式スタータでは、外筒体の厚さが減少すると、インターナルギヤが外筒体に対して滑りを開始するトルク値である滑りトルク値(単に滑りトルクとも言う)が当初の設定値からずれ易いという問題、並びに、外筒体とインターナルギヤとの楕円変形により偏摩耗が生じることから嵌合面の潤滑が難しいという問題が生じることがわかった。これらの問題は外筒体の厚さを増大すると軽減されるが、上記問題を実用許容範囲内にするためにはたとえば通常使用レベルの滑りトルクを発生する外筒体ではその厚さ(係止用突部が無い部分)を7mm以上とせねばならず、装置の体格重量及び製造コストの増大が不可避となるため、実用化が困難であった。
また、軸方向幅が等しく、嵌合隙間が僅かしかないインターナルギヤと外筒体との嵌合作業の最初において嵌合端面から嵌合面に傷が生じて嵌合面の潤滑性が劣化し、焼き付く可能性が増大すると言う問題もあった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、高トルク伝達を確保しつつ小型軽量で構造又は製造工程の簡素化が可能かつ潤滑信頼性に優れた外筒体嵌着型衝撃吸収機構型の遊星ギヤ機構減速式スタータを提供することをその目的としている。
上記課題を達成するため、3つの独立発明1〜3を以下に記載、説明する。各独立発明1〜3はそれぞれ、モータ回転軸を有するモータと、このモータの軸方向前方に配置される出力シャフト駆動用の一方向クラッチと、前記モータ回転軸の前端部外周側、かつ前記一方向クラッチの後方に配置されて前記モータ回転軸から前記一方向クラッチにトルクを伝達する遊星ギヤ機構と、前記モータ回転軸、及び出力シャフトを回転自在に支承するとともに、前記一方向クラッチ及び遊星ギヤ機構を囲覆するセンターケースとを備え、前記遊星ギヤ機構は、前記モータ回転軸に設けられたサンギヤと、前記このサンギヤに噛合う遊星ギヤと、この遊星ギヤに噛合うインターナルギヤと、前記センターケースに対応し、前記センターケースに係止される係止用突部、又は係止用溝部を外周面に有し、前記インターナルギヤの外周面に所定の衝撃トルク以下にて摩擦結合する円筒状の外筒体とを有する。
第1発明のスタータは、この外筒体嵌着型衝撃吸収機構付きの遊星ギヤ機構減速式スタータにおいて、前記外筒体が、前記遊星ギヤの個数の2倍以上の個数の前記係止用突部を周方向に一定ピッチで外周面に有してなることを特徴としている。ただし、遊星ギヤは、通常の遊星ギヤ機構減速式スタータと同様少なくとも3個以上設けられているものとする。このようにすれば、小型軽量化で信頼性に優れた外筒体嵌着型衝撃吸収機構型の遊星ギヤ機構減速式スタータを実現することができる。
以下、この第1発明による効果について説明する。
本発明者らは、特許文献1の外筒体嵌着型衝撃吸収機構の遊星ギヤ機構減速式スタータについて、検討した。その結果、既述した外筒体の厚さが少ないと滑りトルクが変動したり、嵌合面に偏摩耗が生じたりするのは、次の理由であるためであることがわかった。
遊星ギヤ機構減速式スタータでは、インターナルギヤの径方向内側にてインターナルギヤの内歯に噛合する少数の遊星ギヤがインターナルギヤとトルク授受する。すなわち、インターナルギヤの各内歯のうち実際に遊星ギヤとトルク授受する内歯(以下、トルク授受内歯と称する)はそのごく一部であり、その結果として、インターナルギヤの周方向各部におけるごく一部の部分だけがトルク授受に関与しているだけであることがわかる。これに対して、特許文献1では、インターナルギヤに所定の滑りトルク以上で相対回転可能に嵌着された外筒体は、係止用突部によりセンターケースに最終的にトルクを伝達する。
いま、遊星ギヤからインターナルギヤ、外筒体を順次通じてセンターケースに到るトルク伝達の様子を模式説明図である図9、図10を参照して説明する。図9は従来の回り止め突起、図10はこの発明の回り止め突起の一例を示す模式図である。
100は遊星ギヤ、101はインターナルギヤ、102は外筒体、103a、103bは外筒体102の係止用突部、104はセンターケース、105はセンターケース104の回り止め用の溝部である。簡単化のために遊星ギヤ100は一対の係止用突部103a、103bの中間位置に一個だけ図示されている。遊星ギヤ100はインターナルギヤ101のトルク授受内歯を示す点xにてインターナルギヤ101を周方向すなわちy方向へ付勢する。すると、この付勢力により、外筒体102の周方向各部のうち、遊星ギヤ100と係止用突部103aとの間の円弧部分は径外方向Aへ膨らむように付勢され、遊星ギヤ100と係止用突部103bとの間の円弧部分は径内方向Bへ凹むように付勢される。これは、外筒体102の真円性が低下し、その結果として、楕円変形によりインターナルギヤ101と外筒体102との間の各部面圧が変動し、最終的に滑りトルクのばらつきや外筒体の内周面の偏摩耗が生じることを意味する。
つまり、遊星ギヤ機構、特に大きな衝撃トルクが発生するスタータ用の遊星ギヤ機構にこの外筒体嵌着型衝撃吸収機構を採用する場合、インターナルギヤ上のトルク授受点が少ないために、外筒体に径方向への曲げ応力が生じるわけである。この外筒体嵌着型衝撃吸収機構の滑りトルクは、インターナルギヤと外筒体との間の面圧×摩擦接合面積に比例するため、上記曲げ応力により面圧が大幅に変動し、安定した滑りトルク値が得られない。
つまり、本発明者らは、従来の外筒体嵌着型衝撃吸収機構における滑りトルク変動や偏摩耗の原因が、外筒体とセンターケースとの間の係止用突部103a、103bの数が少ないために、トルク発生点xであるトルク授受内歯と、係止用突部103a、103bとの間の角度が大きいので、外筒体が受けた力の方向を大きく変更する必要があり、そのため外筒体が径方向外側及び内側に曲がってその真円度が低下するためであることを見いだした。
第1発明は、上記問題認識に基づいて行われたものであり、外筒体の係止用突部を周方向一定ピッチで、遊星ギヤの数の同数以上設ける。このようにすれば、図10に示すように、係止用突部103cの位置であるトルク受容点と、トルク授受内歯の位置であるトルク発生点xとの間の角度が小さく、トルク発生点xで遊星ギヤ100からインターナルギヤ101を通じて外筒体102に伝達されたトルクは、トルク発生点xを周方向に挟んでトルク発生点xに近接するトルク受容点としての一対の係止用突部103cに分散受承され、外筒体102はほとんど径方向の曲げ力を受けることがない。
これは、トルク発生点xと係止用突部103cとが近接しているため、両者の間の角度θが小さく、トルク発生点xにおける力Yの方向と係止用突部103cにおける力の方向とが略等しくなるためである。
また、この第1発明によれば、上記した滑りトルクの変動や偏摩耗を抑止しつつ外筒体が係止用突部を一定ピッチで多数もつために外筒体の厚さを薄くすることができるため、外筒体嵌着型衝撃吸収機構の小型軽量化と製造コストの低減を実現することもできる。
更に、この第1発明によれば、係止用突部の個数増大に応じて一個の係止用突部が負担するトルクを減らすことができるので、係止用突部の径方向高さを短縮することができ、その分だけ外筒体嵌着型衝撃吸収機構をもつ遊星ギヤ機構の小型軽量化も実現することができる。
好適な態様において、前記外筒体の係止用突部は、前記インターナルギヤの内歯ピッチに略等しいピッチで前記外筒体の外周面に形成されている。なお、ここで言う「略等しい」とは、0.5〜2.0倍を意味するものとする。このようにすれば、外筒体はほぼインターナルギヤに等しい数の係止用突部をもつため、インターナルギヤのどの内歯がトルク授受内歯となったとしても確実に内歯に対して周方向に略一致する係止用突部によりトルクを受容することができるので外筒体の曲げにより派生する上記問題はほとんど解消することができ、信頼性に優れ薄肉で小型軽量な外筒体嵌着型衝撃吸収機構を実現することができる。
好適な態様において、前記外筒体の係止用突部は、ギヤ形状を有している。このようにすれば、外筒体の係止用突部をインターナルギヤの内歯と同じ歯切り加工装置により製造することができるため、製造工程を簡素化することができる。
好適な態様において、前記外筒体に前記係止用突部を形成した後、前記外筒体の内周面を硬化するための熱処理加工を行う。このようにすれば、外筒体の内周面の耐摩耗性の向上の他、外筒体の曲げ剛性も向上することができ、係止用突部の強度も向上することができる。更に、この態様では、前記熱処理加工において、前記外筒体の両周面に形成された硬化用熱処理層の厚さに対して、1〜2倍の厚さの非熱処理層を前記外筒体の内部に残す。このようにすれば、いたずらに外筒体の径方向厚を増大することなく上記した外筒体の耐曲げ強度や耐摩耗性を確保しつつ粘り強さすなわち靱性も確保することができる。更に外筒体を薄肉化することにより、所定の滑りトルクを得る締代幅を大きく取れるため(例えば研磨公差を大きくできる)ため外筒体の製造が容易となる。たとえば、150Nmの滑りトルクを得るために、外筒体の硬化用熱処理層の深さ(ここでは浸炭深さとする)を0.8mmとすれば、外筒体の係止用突部の無い部位での厚さTo は、0.8x3=2.4〜3.2mmとされ、嵌合公差幅は60〜70μmを確保することができる。
好適な態様において、前記外筒体の前端部は、前記インターナルギヤの前端面に沿って径方向内側に延在して、インターナルギヤ抜け止め部材として、前記インターナルギヤの軸方向前方への移動を規制する内鍔部を有することを特徴としている。これにより、インターナルギヤの抜け止めを図ることができるととともに、外筒体の剛性低下を抑止しつつ外筒体の薄肉化を実現することができる。
好適な態様において、前記インターナルギヤの前端部は、前記外筒体の前端面に沿って径方向外側に延在して、前記センターケースの溝部に軸方向前方への変位不能に嵌入される輪板状の外鍔部を有することを特徴としている。これにより、インターナルギヤの抜け止めを図ることができるととともに、インターナルギヤの剛性低下を抑止しつつ外筒体の薄肉化を実現することができる。
上記目的を達成する第2発明の外筒体嵌着型衝撃吸収機構を有する遊星ギヤ機構減速式スタータは、前記外筒体の内周面、又はインターナルギヤの外周面は、軸方向中央部に位置して互いに摩擦結合する接触面部と、この接触面部の端から前記内周面、又は外周面の軸方向端に向けてテーパ状に面取りしてなる嵌合案内面部とを有し、前記接触面部及び嵌合案内面部は、固体性潤滑膜により覆設されていることを特徴としている。ただし、嵌合案内面部は、軸方向に少なくとも1mm以上設けられ、かつ、嵌合案内部の径方向面取り寸法は少なくとも固体潤滑膜の厚さ(通常は10〜30μm)以上とされる。
すなわち、この第2発明では、たとえば二硫化モリブデンや有機モリブデンなどの無機材料又は有機材料からなる固体潤滑膜を嵌合面すなわち外筒体の内周面又はインターナルギヤの外周面に形成する。好適には、この固体潤滑膜は、上記嵌合案内面部や接触面部を化成皮膜処理して固体潤滑材保持のために粗面化した後でコーティングされる。これにより、従来のグリス潤滑における潤滑剤補給又は保持のための種々の機構を省略することができるため、小型で製造が容易な外筒体嵌着型衝撃吸収機構を実現することができる。
なお、上記した固体潤滑膜を摺動面にコーティングすること自体は公知技術である。ただし、本発明が適用される遊星ギヤ機構減速式スタータの外筒体嵌着型衝撃吸収機構では、滑りトルク確保のために外筒体とインターナルギヤとの間の嵌合クリアランスが非常に狭いため、両者の嵌合時に、径方向内側の部材(嵌入部材)であるインターナルギヤの外周面と端面との間の角部が径方向外側の部材(嵌着部材)である外筒体の内周面を傷つけたり、逆に、外筒体の内周面と端面との間の角部がインターナルギヤの外周面を傷つけたりする問題が発生する。このような場合、これらの周面に固体潤滑膜が存在すると、この固体潤滑膜が傷付き、この部位から固体潤滑膜の傷が拡大するため、従来の外筒体嵌着型衝撃吸収機構をもつ遊星ギヤ機構減速式スタータでは、固体潤滑膜をインターナルギヤと外筒体との間に用いることが困難であった。
そこで、この第2発明では、インターナルギヤの外周面角部及び外筒体の内周面角部をテーパ状に面取りして嵌合案内面部とし、嵌合時にこれら角部が相手側の周面を傷付けるのを防止する工夫を行っている。これにより、外筒体嵌着型衝撃吸収機構をもつ遊星ギヤ機構減速式スタータにおいても外筒体とインターナルギヤとの間の嵌合面に固体潤滑膜を採用することができ、特に潤滑グリスの保持、補給機構の省略を実現することができ、構造の簡素化と製造及び保守の容易化を実現することができる。
なお、この発明の嵌合案内面部は、インターナルギヤの外周面と外筒体の内周面のどちらか一方に設ければよいが、インターナルギヤの外周面と外筒体の内周面との両方に設けると、嵌合時の傷防止効果を一層向上することができる。また、インターナルギヤの外周面両側や外筒体の内周面両側にこれら嵌合案内面部を設けると、製造時に面合わせが不要となるため製造が容易となる。
好適な態様において、異なる滑りトルクを与えるために前記嵌合案内部の軸方向幅を変更する。すなわち、遊星ギヤ機構減速式スタータの機種ごとに滑りトルク値を変更する場合に、インターナルギヤや外筒体の径寸法や軸寸法を一定としておき、嵌合案内面部の軸方向幅を変更すれば、簡単にこの滑りトルク変更に対応することができ、実質的に部品又はその半製品の種類を減らすことができる。
第3発明の外筒体嵌着型衝撃吸収機構を有する遊星ギヤ機構減速式スタータは、前記外筒体の前端面及びインターナルギヤの前端面は、第1のワッシャを介して前記センターケースの段差端面に支承され、前記外筒体の後端面及びインターナルギヤの後端面は、少なくとも第2のワッシャを介して前記モータのヨークの端面に支承され、前記ヨークは、スルーボルトにより前記センターケースに締結されていることを特徴としている。
すなわち、この第3発明では、外筒体をモータのヨークの端面とセンターケースの段差面とに挟設し、ヨークとセンターケースとをスルーボルトにより締結する際に固定する。また、外筒体の両端面に接しつつ径方向内側にワッシャを延在させ、これら一対のワッシャによりインターナルギヤの軸方向変位を防止する。インターナルギヤの軸方向変位のための構造を実質的に省略することができるため、構造の簡素化と装置の小型軽量化を実現することができる。また、外筒体を単純な円筒形状とすることができるので、嵌合部の面圧を均一化でき嵌合部の潤滑寿命を延長することができる。
本発明のスタータの好適な実施形態を図面を参照して以下に説明する。ただし、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想を他の公知技術又はそれと必要機能が共通するその他の技術を組み合わせて構成できることはもちろんである。
(全体構造)
この実施例のスタータは、後述する筒状体を除いて基本的に周知となっている通常の遊星ギヤ機構減速式スタータと同一構造をもつため、スタータ全体構造については、図面を用いずに簡単に説明し、要部のみ、図1に示す要部軸方向断面図及び図2のその要部拡大軸方向断面図を用いて説明するものとする。
スタータは、モータ2、出力シャフト3、ピニオンギヤ4、マグネットスイッチ5、遊星ギヤ機構6、一方向クラッチ7、シフトレバー8を有し、ピニオンギヤ4はエンジン側のリングギヤ9に近接配置されている。
(ハウジング)
これらの構成要素を収容するスタータハウジングは、後端が開口された略椀状部材であるフロントフレーム11と、センターケース12、鍔付き円筒形状の隔壁板13、両端が開口された円筒形状のヨーク14、前端が開口された略椀状部材であるエンドフレームにより構成され、前記した順序で軸方向前側から後ろ側へ順に配置されている。センターケース12は、上側にマグネットスイッチ5を収容するための後端開口のスイッチ収容室を有し、下側に遊星ギヤ機構6と一方向クラッチ7とを収容する後端開口のトルク伝達機構収容室Sを有している。ヨーク14とエンドフレーム15とは内部にモータ2を収容するためのモータ室Mを有している。フロントフレーム11は内部にシフトレバー室Cを有している。
フロントフレーム11とエンドフレーム15とは、センターケース12及びヨーク14を軸方向に挟んでスルーボルト16により固定されている。これにより、隔壁板13は、センターケース12とヨーク14とにより軸方向に挟圧されてセンターケース12の上述したトルク伝達機構収容室Sとヨーク14の上述したモータ室Mとを遮断している。
フロントフレーム11のシフトレバー室Cにはシフトレバー8が、センターケース12のトルク伝達機構収容室Sには遊星ギヤ機構6及び一方向クラッチ7が、センターケース12の上記スイッチ室にはマグネットスイッチ5が、ヨーク14及びエンドフレーム15の内部にはモータ2が、それぞれ収容されている。
(モータ2)
モータ2はモータ回転軸20を有する直流モータである。モータ回転軸20は隔壁板13とエンドフレーム15とに軸受けを介して回転自在に支持されている。ヨーク14には界磁コイル及びアーマチャが、エンドフレーム15には整流子及びブラシ等が収容されている。ただし、ヨーク14は、モータ2の静止継鉄部材としてモータ2の磁気回路の一部を構成している。アーマチャ及び整流子はモータ回転軸20に固定され、モータ回転軸20の先端部は隔壁板13を貫通してセンターケース12のトルク伝達機構収容室Sに突出している。モータ2自体は周知であり、これ以上の説明は省略する。
(遊星ギヤ機構6)
センターケース12の下部には隔壁板13に隣接して遊星ギヤ機構6が収容されている。遊星ギヤ機構6は、モータ回転軸20の先端部に形成されたサンギヤ61と、リング状のインターナルギヤ62と、両ギヤ61、62に噛合する複数の遊星ギヤ63と、遊星ギヤ63を軸受けを介して回転自在に支持する遊星ギヤピン64と、遊星ギヤピン64が固定されるキャリヤ65と、センターケース12に嵌入されてインターナルギヤ62に嵌着された外筒体66とにより構成されており、モータ回転軸20の回転速度を遊星ギヤ63の公転速度まで減速する。遊星ギヤピン64は、キャリヤ65の穴に圧入されて固定されている。この実施例ではキャリヤ65は後述する一方向クラッチ7のクラッチアウタ71と一体化されている。外筒体66については、この実施例の特徴をなすため後で詳細に説明するものとする。
(一方向クラッチ7)
一方向クラッチ7は、遊星ギヤ機構6のキャリヤ65と一体化されたクラッチアウタ71と、クラッチアウタ71の径方向内側に配置されていわゆるクラッチインナを構成する略円筒形状のチューブ72と、クラッチアウタ71の内周面に形成されたくさび状のカム室に不図示のローラスプリングとともに収容されたクラッチローラ73等より構成されている。クラッチローラ73は、クラッチアウタ71の内周面から伝達されたトルクをチューブ72の外周面に伝達する。
クラッチアウタ71は、軸受けを介してモータ回転軸20の先端部に相対回転自在に嵌着されている。クラッチアウタ71は前方に開口する凹部を有する椀状部材であって、その底部が上述のキャリヤ65を構成している。クラッチアウタ71には出力シャフト3の後端面に軸方向に対面する面に図示省略したスラストワッシャ(図示せず)を設けているが、出力シャフト3の後端面とモータ回転軸20の前端面との間にはスラスト伝達を遮断するために間隙が確保されている。
チューブ72は、軸方向前端側に突出する軸受部72aを有している。軸受部72aは、ボールベアリング74を介してセンターケース12の前端部に回転自在に支持されている。ボールベアリング74は、軸受部72aを内輪として利用することにより、チューブ72と一体的に設けられている。
クラッチアウタ71の前端開口はワッシャ75によりクラッチローラ73の脱出を防止するべく閉鎖され、ワッシャ75はカバー76により固定されている。
(出力シャフト3)
チューブ72には出力シャフト3の後端部が軸方向進退可能に嵌入されており、チューブ72の軸受部72aは、出力シャフト3を軸方向進退可能かつこの実施例では相対回転自在に支持している。チューブ72の内周面には、軸受部72aからチューブ72の後端まで雌ヘリカルスプライン72cが形成されている。ただし、軸受部72aの前端部から雌ヘリカルスプライン72cの前端部までは雌ヘリカルスプライン72cは形成されず、これにより、雌ヘリカルスプライン72cの前端部は、出力シャフト3がエンジン側(図1の左側)へ移動した時に出力シャフト3の移動を規制するための前端ストッパとして機能するようになっている。この前端ストッパ機能は別の場所に設けてもよいことはもちろんである。出力シャフト3の前端部は、フロントフレーム11に軸受を介して回転自在、且つ摺動自在に支持されている。出力シャフト3の後端部の外周面には、チューブ72の雌ヘリカルスプライン72cに嵌合する雄ヘリカルスプライン3aが形成されている。
13aは、隔壁板13の前端面に当接しつつ径方向に延在するスラストワッシャであり、遊星ギヤピン64を通じて出力シャフト3の後退スラストを受承する。なお、このスラストワッシャ13aは更に径方向外側に延設して、後述する外筒体66と隔壁板13とにより挟設してもよい。スラストワッシャ13aは、輪板形状に形成された耐摩耗性部材であって、出力シャフト3がシフトレバーにより後退させられる際に出力シャフト3から最終的に遊星ギヤピン64に伝達される後方へのスラストを、このスラストワッシャ13aにより受承することができる。その結果、出力シャフト3の惰性回転エネルギーを、遊星ギヤピン64とスラストワッシャ13aとの摩擦により良好に消耗させて、出力シャフト3の回転を速やかに停止させることができる。
(ピニオンギヤ4)
ピニオンギヤ4は、フロントフレーム11から前方へ突き出た出力シャフト3の前端部に軸方向相対移動可能、相対回転不能にスプライン嵌合しており、ピニオンギヤと出力シャフト3との間に配設されたピニオンスプリングに付勢されて出力シャフト3上を前方へ付勢されている。出力シャフト3の先端部には、ピニオンギヤ4の前進を規制するカラーが取り付けられている。
(マグネットスイッチ)
センターケース12はマグネットスイッチ5とその下方の一方向クラッチ7及び遊星ギヤ機構6とを区画分離している。マグネットスイッチ5のプランジャの前端部はフロントフレーム11の内部に突出している。マグネットスイッチ5は、エンジン始動スイッチの閉動によりバッテリから通電される励磁コイルと、この励磁コイルの発生する磁力により吸引されるプランジャと、励磁コイルへの通電が停止されて磁力が消滅した時にプランジャを押し戻すためのリターンスプリング等より構成されているが、周知である通常のものと同じであるため説明を省略する。
(シフトレバー8)
シフトレバー8は、センターケース12に固定されたレバーホルダにより揺動自在に支持されており、シフトレバー8の上端部はマグネットスイッチ5のプランジャの前端部にフックで連結され、シフトレバー8の下端部は出力シャフト3に設けられた一組のワッシャの間に係合されて、プランジャの動きを出力シャフト3に伝達することにより、出力シャフト3を軸方向に進退させる。
(動作説明)
エンジン始動スイッチの閉操作によりマグネットスイッチ5の励磁コイルに通電されると、プランジャが後方へ吸引され、プランジャはシフトレバー8を介して出力シャフト3を前方へ押し出す。
ピニオンギヤ4がエンジンのリングギヤ9にスムーズに噛み合った場合には、マグネットスイッチ5の可動接点が一組の固定接点に当接し、モータ2に通電されてモータ2が回転する。ピニオンギヤ4がリングギヤ9に噛み合うことなくリングギヤ9に衝突した場合は、ピニオンスプリングを押し縮めながら出力シャフト3だけが更に前進し、これによりピニオンギヤ4が出力シャフト3上を相対的に後退する。この時、出力シャフト3の移動に伴ってピニオンギヤ4がリングギヤ9と噛み合い可能な位置まで回転し、ピニオンスプリングの反力により、ピニオンギヤ4が押し出されてリングギヤ9に噛み合い、その後、マグネットスイッチ5の固定接点が可動接点に当接してモータ2は回転力を発生する。ピニオンギヤ4とリングギヤ9との噛み合いが完了すると、ピニオンギヤ4からリングギヤ9に回転力が伝達されてエンジンをクランキングする。
エンジン始動後、エンジン始動スイッチが開動されると、マグネットスイッチ5の励磁コイルへの通電停止により磁力が消滅するため、プランジャがリターンスプリングの反力で押し戻され、マグネットスイッチ5の可動接点が固定接点から離れてモータ2への通電が停止される。また、プランジャが押し戻されるとシフトレバー8を介して出力シャフト3が戻されるため、出力シャフト3の後端面がクラッチアウタ71に摺接して停止する。
(外筒体66)
この実施例の特徴をなす外筒体66について、図2及び図3を参照して以下に説明する。図3は外筒体66の一部拡大径方向断面図である。
外筒体66は、図1、図2に示すように、両端開口の円筒状部材であって、インターナルギヤ62に嵌着されてインターナルギヤ62の外周面に嵌着された円筒形状の主筒部661と、主筒部661の外周面に周方向所定ピッチで突設された回り止め突起662とからなる。各回り止め突起662は軸方向に延在しているが、螺旋状に形成されていても構わない。主筒部661の内周面は、インターナルギヤ62の外周面に摩擦結合している。
回り止め突起662は、図3に示すように径方向においてギヤ形状に形成されており、センターケース12の後端開口近傍の内周面に凹設された回り止め溝部121に歯合している。したがって、回り止め溝部121の数は、回り止め突起662の数に等しい。なお、回り止め突起662の径方向形状はギヤ形状に限定されるものではない。
8は、インターナルギヤ62の軸方向変位を規制する輪板状の抜け止めワッシャであって、外筒体66の前端面に沿いつつ延設されている。抜け止めワッシャ8の外周部は、外筒体66の主筒部661の前端面と回り止め溝部121の奥端面とにより挟圧、固定されている。これにより、抜け止めワッシャ8は、インターナルギヤ62の前方への移動を規制することができる。なお、抜け止めワッシャ8の径方向内端は遊星ギヤ63の歯頂よりも径方向外側に位置していることが好適である。
外筒体66の後端面は、スラストワッシャ13aの前端面に当接しており、具体的には、図示しないスルーボルトの締結により、抜け止めワッシャ8、外筒体66、スラストワッシャ13a及び隔壁板13は、ヨーク14とセンターケース12とにより軸方向に挟圧、固定されている。その結果、インターナルギヤ62の後端面はスラストワッシャ13aに当接するため、インターナルギヤ62の回動が生じても、隔壁板13が摩耗することがない。また、遊星ギヤピン64を通じて出力シャフト3の後退スラストを受承するスラストワッシャ13aは、外筒体66及びワッシャ8とともにスルーボルトにより挟圧固定されるため、外筒体66、ワッシャ8及びスラストワッシャ13aの固定のためのセンターケース12側の溝加工を簡単に行うことができる。なお、ワッシャ8の外周部には外筒体66の回り止め突起662と同様の回り止め突起を設けることができる。これにより、インターナルギヤ62との連れ回りによるワッシャ8の回転を規制することができる。同様に、スラストワッシャ13aや隔壁板13の外周部に外筒体66の回り止め突起662と同様の回り止め突起を設けることができる。
以下、この実施例において重要な点を順次説明する。
(回り止め突起662の個数)
まず、この実施例では、外筒体66の外周面に突設される回り止め突起662の個数は、少なくとも遊星ギヤ63の個数の2倍以上で、遊星ギヤ63の個数は3個以上とされている。更に好適には、外筒体66の回り止め突起662の数をインターナルギヤ62の内歯ピッチと0.5〜2.0倍とされる。このようにすれば、既述したように、大きなトルクがインターナルギヤ62に入力した場合でも、遊星ギヤ63からトルクを受ける内歯は周方向に近接する外筒体66の回り止め突起662にトルクを伝達することができるため、既述した外筒体66の湾曲によるその真円度の低下を防止することができる。その結果、外筒体66の内周面とインターナルギヤ62の外周面との間の各部面圧がばらついて、楕円変形による偏摩耗が生じたり、滑りトルク値が変動したりするという問題を良好に抑止することができる。また、外筒体66やインターナルギヤ62の最小径方向厚さを減らすことができるため、遊星ギヤ機構6やそれを囲包するセンターケース12の小型軽量化を実現することもできる。なお、上記では、回り止め突起662を遊星ギヤ63の個数の2倍以上としているが、遊星ギヤ63と同数以上でも良い。
(外筒体66の厚さ)
この実施例によれば、外筒体66の回り止め突起662を上記説明したように多数設けたことにより外筒体66への局部的な応力集中や変形を減らすことができるので、外筒体66の径方向厚さを従来より格段に縮小することができる。なお、ここで言う外筒体66の厚さとは、回り止め突起662が無い部位における外径と内径との距離であり、この実施例では、図3に示す歯底厚Toを意味するものとする。
外筒体66の厚さを薄くできると言うことは、製造上、外筒体66の内径の許容公差を大きくすることができるため、外筒体66の製造及びその組み立て(組み立て)が格段に容易となるという効果を生じる。以下、更に説明する。
この現象を更に詳しく説明する。
この実施例の外筒体66とインターナルギヤ62との円筒面の摩擦接触において、滑りトルクは、面圧×摩擦接触面積×径(中心軸から摩擦円筒面までの距離)に比例する。すなわち滑りトルクは面圧に比例し、この面圧は外筒体66の内周面とインターナルギヤ62の外周面との間の締代に依存することは容易にわかる。外筒体66はインターナルギヤ62の外周面に圧入により嵌着されるが、外筒体66の肉厚が薄いと外筒体66の径方向の弾性変形が容易となるために、所定の許容面圧変化範囲における嵌合締代の範囲は大きくなる。なお、ここで言う嵌合締代とは、外筒体66の内周面の径の許容公差を言うものとする。この所定の許容面圧変化範囲は、上記した滑りトルクが面圧×摩擦接触面積×径に比例することから、所定の許容滑りトルク範囲に相当する。この実施例における滑りトルクの許容範囲はあらかじめ決まっている。結局、一定の滑りトルクの許容範囲を維持する条件下においてる嵌合締代は、外筒体66の最小肉厚(最小径幅または歯底幅とも言う)Toが小さくなるほど大きくすることができる。
このことを、図4の滑りトルク嵌合締代特性図を用いて図示する。図4において、縦軸は滑りトルクTの値を、横軸は嵌合締代の量を示す。T1、T2、T3、T4は、外筒体66の最小径幅Toをその熱処理硬化層(一面分)の厚さで割った値(比)である。この比を用いるのは、熱処理硬化層の厚さは最低限必要となるため、外筒体66の最小径幅を熱処理硬化層を基準として示すのが便利なためである。T1は2.4、T2は3.2、T3は4.8、T4は5.6である。δ1は外筒体66の最小肉厚Toの比TiがT1(=2.4)、かつ、滑りトルクが許容滑りトルク範囲内にある場合の嵌合締代の範囲を示し、δ5は外筒体66の最小肉厚Toの比Tiが5.6、かつ、滑りトルクが許容滑りトルク範囲内にある場合の嵌合締代の範囲を示す。
実際の製造、特に外筒体66及びインターナルギヤ62の製造と嵌合の工程において所定の嵌合締代が必要であることは明白である。製造に好適な嵌合締代をδ1とする。一方、外筒体66とインターナルギヤ62との間の許容滑りトルクTの範囲ΔTもスタータ仕様において予め定められている値である。また、外筒体66の最小径幅tiは、内周面側の熱処理層の厚さと外周面側の熱処理硬化層の厚さと内部の非熱処理層の厚さの和となる。非熱処理層の厚さの最小値は熱処理硬化層の厚さ以上設定することが必要である。熱処理硬化層の厚さはある最小値以上は必要となる。
これらの各条件から、本発明者は、非熱処理層の厚さを熱処理硬化層の厚さの1〜2倍に設定することにより、上記各条件を満足させて、目的とする許容滑りトルクTの範囲をもつ外筒体嵌着型衝撃吸収機構を高度の製造条件を必要とせずに製造可能なことを見出したものである。
結局、回り止め突起662を多数設けて外筒体66の最小肉厚Toを減少させることにより、嵌合締代を大幅に増大することができるため外筒体66へのインターナルギヤ62の圧入嵌合を非常に容易とすることができることが理解される。
更に説明すれば、図4においてT1の場合と、T4の場合当接突起5で比較すると、前者のような外筒体66の薄肉化により図4に示すように嵌合締代の大幅な増大とそれに起因する製造容易性を実現することができる。逆に言えば、外筒体66の最小径幅の増大は嵌合締代の大幅な減少を招いて、外筒体66の製造及び嵌合作業が極めて困難となるわけである。製造において、この嵌合締代を大きく確保できることは、後述する外筒体66の表面硬化処理後の研磨処理における研磨公差を大きくできることを意味する。また、後述するように、外筒体66の内周面に固体潤滑膜を形成する場合には、固体潤滑膜のコーティング前に外筒体66の内周面になされる表面粗面化処理(潤滑剤保持用表面処理)の公差を大きくできることも意味する。
(外筒体66の表面処理)
この実施例によれば、上記したように外筒体66を薄肉化できるものの、外筒体66の内周面は摩擦面であるため耐摩耗性を付与する必要がある。耐摩耗性付与のためには浸炭処理が最も生産性に優れた技法である。また、外筒体66の外周面側も摩耗防止などの理由により同様の熱処理硬化層が同時に形成するのが通常である。しかし、知られているように浸炭処理により外筒体66の表面に熱処理硬化層を形成すると外筒体66の靱性が低下する。この外筒体66の靱性確保のためには外筒体66の内部にすくなくとも表面の熱処理硬化層以上の厚さの熱処理されない未熱処理硬化層を残す必要がある。このことは、熱処理硬化層の厚さを1とする時、外筒体66の最小肉厚Toを3以上とする必要があることがわかる。好適には、外筒体66の最小肉厚Toは熱処理硬化層(浸炭深さ)の3〜5倍とすることが好適であり、更に好適には3〜4倍とされる。これにより、外筒体66を実用可能な最小厚さにすることができるため、製造公差(嵌合締代)の増大、嵌合作業の容易化、更には一方向クラッチ7の小型化を実現することができる。
外筒体66の材質としては、浸炭処理に適するクロムモリブデン鋼(SCM415)を採用したが、これに限られるものではなく、浸炭などの表面硬化熱処理が可能なものであれば他の鋼材を採用することも可能である。なお、このように浸炭処理を行った場合には、表面を所定量だけ研磨処理するのが通常であるが、この研磨処理における許容公差は、上記した多数の回り止め突起662の設置により許容滑りトルクTの範囲ΔTを維持しつつ大幅に増大できるわけである。
この実施例では、150Nmの滑りトルクを得るために、外筒体66の硬化用熱処理層の深さ(ここでは浸炭深さとする)を0.8mmとし、外筒体66の最小肉厚Toを2.4〜3.2とした、これにより、嵌合締代を約70μm確保することができた。なお、この製造条件をインターナルギヤ62に適用することも可能である。
(固体潤滑膜のコーティング)
この実施例によれば、外筒体66の内周面に固体潤滑膜がコーティングされる。この固体潤滑膜の形成により、グリスなどの流動性潤滑剤の保持、補給に関する問題や温度によるその流動性の変化の問題を解消することができる。固体潤滑膜の形成は、上記浸炭処理とその後の研磨処理の後、まず、潤滑材保持用表面処理(たとばボンデライト処理)を行い、その後、二硫化モリブデンのコーティング処理を行うことによりなされる。コーティング処理としては、タンブラー処理、吹き付け処理あるいは浸漬処理など適宜採用すればよい。固体潤滑膜の膜厚は10〜30μmとするのが好適である。なお、この固体潤滑膜はインターナルギヤ62の外周面側に設けてもよい。
結局、外筒体66とインターナルギヤ62との嵌合面の製造には、上記した研磨処理の公差、潤滑材保持表面処理の公差、固体潤滑膜の厚さ公差の合計からなる公差が発生し、更に通常では外筒体66の内周面とインターナルギヤ62の外周面との両方に熱処理を行うため、研磨処理公差は2倍必要である。このような公差合計すなわち嵌合締代を確保するためには、外筒体66の薄肉化が必要となり、そのためには外筒体66の回り止め突起662を製造費用が許す範囲でできる多数設けることが必須となる。このような問題の理解は、従来の外筒体嵌着型衝撃吸収機構をもつ遊星ギヤ機構減速式スタータには欠けていたものである。
(外筒体66の嵌合)
しかしながら、上記した固体潤滑膜を外筒体66の内周面又はインターナルギヤ62の外周面に設ける場合、嵌合時に外筒体66の内周面の角部又はインターナルギヤ62の外周面の角部が嵌合初期に斜めに相手側に接触して、固体潤滑膜を傷つける可能性が生じる。固体潤滑膜にこのような傷が付くと固体潤滑膜がこの傷の部位から剥離しやすくなり、焼き付きなどが生じる可能性が生まれる。そこで、この実施例では、図5に示すように、インターナルギヤ62の外周面の軸方向両端部及び外筒体66の内周面の軸方向両端部にテーパをもつ嵌合案内面部を設けるという工夫を行った。
この嵌合案内面部について図6を参照して更に詳しく説明する。
外筒体66の主筒部661の内周面は、接触面部6610と、その両側の嵌合案内面部6611、6612とに区分される。同じく、インターナルギヤ62の外周面は、接触面部6200と、その両側の嵌合案内面部6201、6202に区分される。二つの接触面部6610、6200は摩擦接触している。インターナルギヤ62の嵌合案内面部6201、6202は接触面部6200から離れるにつれて径小となるテーパ面となっており、同じく、外筒体66の嵌合案内面部6611、6612も接触面部6610からから離れるにつれて径大となるテーパ面となっている。テーパ角度はθとされている。ただし、嵌合案内面部6611、6612、6201、6202の軸方向長さは1mm以上、テーパ角θは15〜30度とする。また、既述したように、外筒体66の少なくとも内周面及びインターナルギヤ62の少なくとも外周面は上記浸炭などの熱硬化処理され、どちらかに固体潤滑膜のコーティングがなされている。
このようにすれば、外筒体嵌着型衝撃吸収機構をもつ遊星ギヤ機構減速式スタータの製造において、外筒体66とインターナルギヤ62との精密な嵌合作業時の固体潤滑膜や摺接周面を傷つけることを抑止する危険を減らせるため、この傷により潤滑性が低下するのを抑止することができる。つまり、このテーパ嵌合案内面部の採用により固体潤滑膜の嵌合時の傷を防止できるため、従来のグリス潤滑の問題であった潤滑剤の保持、補給機構を省略することができるとともに、テーパ嵌合案内面部の軸方向長さを調整することにより、外筒体66やインターナルギヤ62の軸方向長さや径を変更することなく、滑りトルクの機種ごとの変更に対応することができる。
(変形態様)
変形態様を図7を参照して説明する。この変形態様は図2に示す実施例において、外筒体66の前端部に径方向内側に延在する内鍔部663を設けたものである。この内鍔部663を設けることにより、インターナルギヤ62の軸方向前方への逸脱を防止できる。
(変形態様)
変形態様を図8を参照して説明する。この変形態様は図2に示す実施例において、インターナルギヤ62の前端部に径方向外側に延在する輪板状の外鍔部666を設けたものである。この外鍔部666は、センターケース12の回り止め溝部121に嵌入されて、回り止め溝部121の奥端面に当接している。これにより、インターナルギヤ62の軸方向前方への逸脱を防止することができる。
(変形態様)
なお、外筒体66の外周面に係止用突部を設ける代わりに係止用溝部を設け、センターケース側12にこの係止用溝部と嵌合する係止用突部を設けてもよいことはもちろんである。
(効果)
インターナルギヤ62の外周面と外筒体66の主筒部661の内周面との間の摩擦力を超えるトルクがインターナルギヤ62に伝達されると、インターナルギヤ62は相対回転する。これにより、インターナルギヤ62に過大トルクが入力してもそれを良好に吸収することができる。その他の効果は、前項に既述したので重複記載を省略する。
実施例の外筒体嵌着型衝撃吸収機構をもつ遊星ギヤ機構減速式スタータを示す軸方向断面図である。 図1の要部拡大軸方向断面図である。 外筒体の部分拡大正面図である。 滑りトルクと嵌合締代と外筒体の最小肉厚との関係を示す特性図である。 変形態様を示す要部拡大軸方向断面図である。 図5の一部拡大軸方向断面図である。 変形態様を示す要部拡大軸方向断面図である。 変形態様を示す要部拡大軸方向断面図である。 従来の外筒体嵌着型衝撃吸収機構をもつ遊星ギヤ機構減速式スタータの外筒体の歪みを説明する説明図である。 この発明の外筒体嵌着型衝撃吸収機構をもつ遊星ギヤ機構減速式スタータの外筒体の歪みを説明する説明図である。
符号の説明
C シフトレバー室
M モータ室
S トルク伝達機構収容室
To 外筒体の最小肉厚(歯底厚)
θ テーパ角
2 モータ
3 出力シャフト
3a 雄ヘリカルスプライン
6 遊星ギヤ機構
7 一方向クラッチ
8 ワッシャ
11 フロントフレーム
12 センターケース
13 隔壁板
13a スラストワッシャ
14 ヨーク
15 エンドフレーム
20 モータ回転軸
61 サンギヤ
62 インターナルギヤ
63 遊星ギヤ
64 遊星ギヤピン
65 キャリヤ
66 外筒体
71 クラッチアウタ
72 チューブ
72a 軸受部
72c 雌ヘリカルスプライン
73 クラッチローラ
74 ボールベアリング
75 ワッシャ
76 カバー
121 センターケースの回り止め溝部
6200 接触面部
6201 嵌合案内面部
6202 嵌合案内面部
661 主筒部
6610 接触面部
6611 嵌合案内面部
6612 嵌合案内面部
662 回り止め突起
663 内鍔部
666 外鍔部

Claims (10)

  1. モータ回転軸を有するモータと、このモータの軸方向前方に配置される出力シャフト駆動用の一方向クラッチと、前記モータ回転軸の前端部外周側、かつ前記一方向クラッチの後方に配置されて前記モータ回転軸から前記一方向クラッチにトルクを伝達する遊星ギヤ機構と、前記モータ回転軸、及び出力シャフトを回転自在に支承するとともに、前記一方向クラッチ及び遊星ギヤ機構を囲覆するセンターケースとを備え、
    前記遊星ギヤ機構は、前記モータ回転軸に設けられたサンギヤと、このサンギヤに噛合う遊星ギヤと、この遊星ギヤに噛合うインターナルギヤと、前記センターケースに対応し、前記センターケースに係止される係止用突部、又は係止用溝部を外周面に有し、前記インターナルギヤの外周面に所定の衝撃トルク以下にて摩擦結合する円筒状の外筒体とを有する遊星ギヤ機構減速式スタータであって、
    前記外筒体は、前記遊星ギヤの個数以上の個数の前記係止用突部、又は係止用溝部を周方向に一定ピッチで外周面に設けたことを特徴とする遊星ギヤ機構減速式スタータ。
  2. 請求項1記載の遊星ギヤ機構減速式スタータにおいて、
    前記外筒体の係止用突部は、前記インターナルギヤの内歯ピッチに略等しいピッチで前記外筒体の外周面に形成されていることを特徴とする遊星ギヤ機構減速式スタータ。
  3. 請求項1又は2記載の遊星ギヤ機構減速式スタータにおいて、
    前記外筒体の係止用突部は、ギヤ形状を有していることを特徴とする遊星ギヤ機構減速式スタータ。
  4. 請求項1記載の遊星ギヤ機構減速式スタータの製造方法において、
    前記外筒体に前記係止用突部を形成した後、前記外筒体の内周面を硬化するための熱処理加工を行い、
    前記熱処理加工は、前記外筒体の両周面に形成された硬化用熱処理層の厚さに対して、1〜2倍の厚さの非熱処理層を前記外筒体の内部に残すことを特徴とする遊星ギヤ機構減速式スタータの製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか記載の遊星ギヤ機構減速式スタータにおいて、
    前記外筒体の前端部は、
    前記インターナルギヤの前端面に沿って径方向内側に延在して、前記インターナルギヤ抜け止め部材として、前記インターナルギヤの軸方向前方への移動を規制する内鍔部を有することを特徴とする遊星ギヤ機構減速式スタータ。
  6. 請求項1乃至4のいずれか記載の遊星ギヤ機構減速式スタータにおいて、
    前記インターナルギヤの前端部は、
    前記外筒体の前端面に沿って径方向外側に延在して、前記センターケースの溝部に軸方向前方への変位不能に嵌入される輪板状の外鍔部を有することを特徴とする遊星ギヤ機構減速式スタータ。
  7. モータ回転軸を有するモータと、このモータの軸方向前方に配置される出力シャフト駆動用の一方向クラッチと、前記モータ回転軸の前端部外周側、かつ前記一方向クラッチの後方に配置されて前記モータ回転軸から前記一方向クラッチにトルクを伝達する遊星ギヤ機構と、前記モータ回転軸及び出力シャフトを回転自在に支承するとともに、前記一方向クラッチ及び遊星ギヤ機構を囲覆するセンターケースとを備え、
    前記遊星ギヤ機構は、前記モータ回転軸に設けられたサンギヤと、このサンギヤに噛合う遊星ギヤと、この遊星ギヤに噛合うインターナルギヤと、前記センターケースに対応し、前記センターケースに係止される係止用突部、又は係止用溝部を外周面に有して前記インターナルギヤの外周面に所定の衝撃トルク以下にて摩擦結合する円筒状の外筒体とを有する遊星ギヤ機構減速式スタータであって、
    前記外筒体の内周面、又はインターナルギヤの外周面は、軸方向中央部に位置して互いに摩擦結合する接触面部と、この接触面部の端から前記内周面、又は外周面の軸方向端に向けてテーパ状に面取りしてなる嵌合案内面部とを有し、前記接触面部及び嵌合案内面部は、固体性潤滑膜により覆設されていることを特徴とする遊星ギヤ機構減速式スタータ。
  8. 請求項7記載の遊星ギヤ機構減速式スタータの製造方法において、
    異なる滑りトルクを与えるために前記嵌合案内部の軸方向幅を変更することを特徴とする遊星ギヤ機構減速式スタータの製造方法。
  9. モータ回転軸を有するモータと、このモータの軸方向前方に配置される出力シャフト駆動用の一方向クラッチと、前記モータ回転軸の前端部外周側、かつ前記一方向クラッチの後方に配置されて前記モータ回転軸から前記一方向クラッチにトルクを伝達する遊星ギヤ機構と、前記モータ回転軸、及び出力シャフトを回転自在に支承するとともに前記一方向クラッチ及び遊星ギヤ機構を囲覆するセンターケースとを備え、
    前記遊星ギヤ機構は、前記モータ回転軸に設けられたサンギヤと、このサンギヤに噛合う遊星ギヤと、この遊星ギヤに噛合するインターナルギヤと、前記センターケースに対応し、前記センターケースに係止される係止用突部、又は係止用溝部を外周面に有して前記インターナルギヤの外周面に所定の衝撃トルク以下にて摩擦結合する円筒状の外筒体とを有する遊星ギヤ機構減速式スタータであって、
    前記外筒体の前端面、及びインターナルギヤの前端面は、第1のワッシャを介して前記センターケースの段差端面に支承され、
    前記外筒体の後端面、及びインターナルギヤの後端面は、少なくとも第2のワッシャを介して前記モータのヨークの端面に支承され、
    前記ヨークは、スルーボルトにより前記センターケースに締結されていることを特徴とする遊星ギヤ機構減速式スタータ。
  10. 請求項1記載の遊星ギヤ機構減速式スタータにおいて、
    前記第2のワッシャは、
    前記一方向クラッチのアウタから軸方向後方へ延在して、前記遊星ギヤを回転自在に支承する遊星ギヤピンの後端面を通じて、前記出力シャフトの後退スラストを受承することを特徴とする遊星ギヤ機構減速式スタータ。
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