JP2006169281A - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性等の補強性を確保しつつ、加工性を向上させたゴム組成物を提供する。
【解決手段】天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分100質量部に対して、含水ケイ酸10〜150質量部を配合してなるゴム組成物において、前記含水ケイ酸は、BET吸着比表面積(N2SA)が100〜400m2/gであって、該BET吸着比表面積(N2SA(m2/g))と加熱減量(α(%))とが下記式(I):
0 < α < 0.0219 ×(N2SA)− 0.75 ・・・ (I)
の関係を満たすことを特徴とするゴム組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物及び該ゴム組成物を適用した空気入りタイヤに関し、特に耐摩耗性等の補強性を維持しつつ、タイヤ工場での生産性を向上させることが可能なゴム成物に関するものである。
従来、ゴム用の補強充填剤として、カーボンブラックが汎用されている。これは、カーボンブラックが他の充填剤に比べて高い補強性及び耐摩耗性を有するためである。しかしながら、近年、省エネルギー、省資源の社会的要請の下、自動車の燃料消費を節約するために、タイヤに使用するゴム組成物を低発熱化することが求められるようになってきた。ここで、上記カーボンブラックを用いてゴム組成物を低発熱化する方法としては、カーボンブラックの配合量を減量する手法や、大粒径のカーボンブラックを選択して使用する手法が考えられるが、いずれの手法によっても、ゴム組成物の低発熱性と耐摩耗性等の補強性とは、二律背反の関係にあり、ゴム組成物を低発熱化すると、耐摩耗性等が低下してしまうことが広く知られている。
一方、ゴム組成物を低発熱化する他の手法として、上記カーボンブラックに代えてシリカを配合する手法が知られており、特開平3−252431号公報(特許文献1)等、多くの特許出願がなされている。しかしながら、従来用いられているシリカは、主として湿式法により製造されたもので、多くの市販品が流通しているが、その表面官能基であるシラノール基の水素結合により、粒子同士が凝集し易く、該シリカを配合すると、ゴム組成物の混練時の粘度が高くなり、加工性が悪化するという問題があった。
これに対して、ゴム成分中にシリカ粒子を分散性良く配合するために、使用するシリカの比表面積を低下させたり、混練時間を長くしたり、分散剤を添加してシリカの分散性を向上させる等の手法が採られてきたが、使用するシリカの比表面積を低下させると、得られるゴム組成物の補強性が低下し、また、混練時間を長くすると、ゴム組成物の生産性が低下し、更に、分散剤を添加すると、得られるゴム組成物の補強性が低下するといった問題があった。
また、シリカ配合ゴム組成物は、ゴム成分へのシリカ粒子の分散性が不十分なため、ムーニー粘度が高く、押し出し等における加工性が悪い等の問題点を有していた。更に、シリカ粒子は、表面が酸性であるため、シリカ配合ゴム組成物を加硫する際には、シリカ粒子が加硫促進剤として用いられる塩基性物質を吸着してしまい、ゴム組成物の加硫が十分に進行せず、得られる加硫ゴムの弾性率を十分確保することができないという問題点を有していた。
これに対して、特公昭63−2886号公報(特許文献2)及び特開平6−157825号公報(特許文献3)には、充填剤として疎水性沈降ケイ酸を使用する技術が開示されているが、該公報では完全に疎水化処理を施した沈降ケイ酸が使用されており、該沈降ケイ酸にシランカップリング剤と反応可能な表面シラノール基が存在しないため、ゴムの補強性が十分に確保できないという問題点を有していた。
また、特開昭61−215633号公報(特許文献4)及び特開昭61−215637号公報(特許文献5)には、シリカを250℃から450℃で加熱して表面シラノール基を減少させ、シリカ同士の水素結合性を低減させる技術が開示されているが、この場合も、シランカップリング剤と反応する表面シラノール基が存在しなくなり、ゴムの補強性が十分に確保できないという問題点を有していた。
特開平3−252431号公報 特公昭63−2886号公報 特開平6−157825号公報 特開昭61−215633号公報 特開昭61−215637号公報
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、耐摩耗性等の補強性を確保しつつ、加工性を向上させたゴム組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかるゴム組成物を適用した生産性に優れ、十分な補強性を有する空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、ゴム成分に対して、特定範囲のBET吸着比表面積(N2SA)を有し且つBET吸着比表面積(N2SA)と加熱減量(α)とが特定の関係式を満たす含水ケイ酸を特定量配合することで、十分な補強性を有しつつ、未加硫時のムーニー粘度が低く加工性に優れたゴム組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のゴム組成物は、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分100質量部に対して、含水ケイ酸10〜150質量部を配合してなるゴム組成物において、
前記含水ケイ酸は、BET吸着比表面積(N2SA)が100〜400m2/gであって、該BET吸着比表面積(N2SA(m2/g))と加熱減量(α(%))とが下記式(I):
0 < α < 0.0219 ×(N2SA)− 0.75 ・・・ (I)
の関係を満たすことを特徴とする。
ここで、含水ケイ酸のBET吸着比表面積(N2SA)は、J. Am. Chem. Soc., 60, p309, (1938)に記載された理論に基づいて測定された値であり、また、含水ケイ酸の加熱減量(α)は、含水ケイ酸を105℃で加熱し、含水ケイ酸シリカの水分のみを減量させた場合の減量分である。
本発明のゴム組成物の好適例においては、前記含水ケイ酸は、相対圧力P/P0=0.9における単位表面積当たりの平衡水分吸着量(β)が0.65cc/m2以上である。この場合、ゴム組成物の加工性を更に向上させることができる。
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記含水ケイ酸は、シラノール基密度が3.0個/nm2以上である。この場合、ゴム組成物の補強性を十分に向上させることができる。
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記含水ケイ酸が230℃以下で熱処理されたものである。また、前記含水ケイ酸は、真空乾燥機内で熱処理されたものであることが好ましい。この場合、含水ケイ酸の表面シラノール基の量を確保しつつ、平衡水分吸着量(β)を増加させ、ゴム組成物の補強性を十分に確保しつつ、加工性を確実に向上させることができる。
本発明のゴム組成物は、更にシランカップリング剤を前記含水ケイ酸の配合量の1〜20質量%含有することが好ましい。ここで、該シランカップリング剤としては、下記一般式(II):
m3-mSi−(CH2)a−Sb−(CH2)a−SiAm3-m ・・・ (II)
[式中、AはCn2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり;Bは炭素数1〜3のアルキル基であり;mは1〜3の整数で、aは1〜9の整数で、bは1以上の整数で分布を有してもよく、但し、mが1の場合、2つのBは同一でも異なっていてもよく、mが2又は3の場合、2つ又は3つのAは同一でも異なっていてもよい]で表される化合物、下記一般式(III):
m3-mSi−(CH2)c−Y ・・・ (III)
[式中、AはCn2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり;Bは炭素数1〜3のアルキル基であり;Yは、メルカプト基、ビニル基、アミノ基、グリシドキシ基又はエポキシ基であり;mは1〜3の整数で、cは0〜9の整数であり、但し、mが1の場合、2つのBは同一でも異なっていてもよく、mが2又は3の場合、2つ又は3つのAは同一でも異なっていてもよい]で表される化合物、及び下記一般式(IV):
m3-mSi−(CH2)a−Sb−Z ・・・ (IV)
[式中、AはCn2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり;Bは炭素数1〜3のアルキル基であり;Zは、ベンゾチアゾリル基、N,N-ジメチルチオカルバモイル基又はメタクリロイル基であり;mは1〜3の整数で、aは1〜9の整数で、bは1以上の整数で分布を有してもよく、但し、mが1の場合、2つのBは同一でも異なっていてもよく、mが2又は3の場合、2つ又は3つのAは同一でも異なっていてもよい]で表される化合物が好ましい。
本発明のゴム組成物は、更に補強用充填剤としてカーボンブラックを前記ゴム成分100質量部に対して80質量部以下含有し、該カーボンブラックと前記含水ケイ酸との総配合量が120質量部以下であることが好ましい。
また、本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに適用したことを特徴とする。
本発明によれば、ゴム成分に対して、特定範囲のBET吸着比表面積(N2SA)を有し且つBET吸着比表面積(N2SA)と加熱減量(α)とが特定の関係式を満たす含水ケイ酸を特定量配合することで、十分な補強性を有しつつ、加工性に優れたゴム組成物を提供することができる。また、該ゴム組成物を用いた、生産性に優れ、十分な補強性を有する空気入りタイヤを提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明のゴム組成物は、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分100質量部に対して、含水ケイ酸10〜150質量部を配合してなり、前記含水ケイ酸は、BET吸着比表面積(N2SA)が100〜400m2/gであって、該BET吸着比表面積(N2SA(m2/g))と加熱減量(α(%))とが絶対値として下記式(I):
0 < α < 0.0219 ×(N2SA)− 0.75 ・・・ (I)
の関係を満たすことを特徴とする。式(I)を満たす含水ケイ酸は、表面に吸着した水分量が少ない一方、表面シラノール基の数が維持されているため、該含水ケイ酸を配合することで、ゴム組成物の補強性を低下させずに、未加硫時の粘度を低下させ、ゴム組成物の加工性を大幅に向上させることができる。従って、該ゴム組成物をタイヤ、特にタイヤのトレッドに適用することで、従来技術では二律背反の関係にあった耐摩耗性と工場での生産性を両立することができる。
本発明のゴム組成物のゴム成分としては、天然ゴム及びジエン系合成ゴムを用いることができ、ここで、ジエン系合成ゴムとしては、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)等が挙げられる。なお、これらゴム成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上のブレンドとして用いてもよい。
本発明のゴム組成物に用いる含水ケイ酸は、BET吸着比表面積(N2SA)が100〜400m2/gであることを要し、150〜250m2/gであることが好ましい。使用する含水ケイ酸のBET吸着比表面積(N2SA)が100m2/g未満では、ゴム組成物の補強性を十分に確保することができず、400m2/gを超えると、含水ケイ酸同士の凝集力が高くなり過ぎ、含水ケイ酸のゴム成分への分散性が悪くなる。
また、上記含水ケイ酸は、上記BET吸着比表面積(N2SA(m2/g))と加熱減量(α(%))とが上記式(I)の関係を満たすことを要する。含水ケイ酸が式(I)の関係を満たさない場合、ゴム組成物のムーニー粘度が高くなり、ゴム組成物の加工性が低下する傾向がある。
更に、上記含水ケイ酸は、相対圧力P/P0=0.9における単位表面積当たりの平衡水分吸着量(β)が0.65cc/m2以上であることが好ましい。使用する含水ケイ酸の平衡水分吸着量(β)が0.65cc/m2以上であれば、ゴム組成物のムーニー粘度を更に低減して、加工性を改善することができる。なお、含水ケイ酸の単位表面積当たりの平衡水分吸着量(β)は、含水ケイ酸表面に吸着する水分量を減少させることで上昇させることができる。
また更に、上記含水ケイ酸は、シラノール基密度が3.0個/nm2以上であることが好ましい。使用する含水ケイ酸のシラノール基密度が3.0個/nm2以上であれば、シランカップリング剤を配合した場合、含水ケイ酸がシランカップリング剤と十分に反応して、ゴム組成物の補強性を十分に向上させることができる。
上記含水ケイ酸は、230℃以下で熱処理されたものであることが好ましい。230℃以下で熱処理することで、シランカップリング剤と反応可能な表面シラノール基の量を確保しつつ、表面に吸着した水分量を減少させることができ、その結果、上記単位表面積当たりの平衡水分吸着量(β)が増加して、ゴム組成物の補強性を十分に確保しつつ、ムーニー粘度を更に低減することができる。ここで、含水ケイ酸を230℃を超える温度で熱処理した場合、表面吸着した水分の量と共に表面シラノール基の量が減少してしまい、ゴム組成物の補強性を十分に確保することができなくなる。なお、熱処理前の原料の含水ケイ酸としては、特に限定されるものではなく、市販の湿式シリカ等を用いることができる。また、上記含水ケイ酸は、真空乾燥機内で熱処理されたものであることが好ましい。
上記含水ケイ酸の配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して10〜150質量部であることを要する。含水ケイ酸の配合量が上記ゴム成分100質量部に対して10質量部未満では、ゴム組成物を低発熱化する効果が十分に得られず、一方、150質量部を超えると、ゴム組成物の加工性が低下してしまう。
本発明のゴム組成物は、更にシランカップリング剤を上記含水ケイ酸の配合量の1〜20質量%含有することが好ましい。シランカップリング剤を上記含水ケイ酸の配合量の1質量%以上配合することで、ゴム組成物の耐摩耗性等の補強性及び低発熱性を向上させることができる一方、シランカップリング剤を20質量%以上配合しても、補強性及び低発熱性を更に向上させることができず、コスト高となる。
上記シランカップリング剤としては、上記一般式(II)で表される化合物、上記一般式(III)で表される化合物及び上記一般式(IV)で表される化合物が好ましく、これらシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記一般式(II)で表される化合物としては、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド,ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド,ビス(3-メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド,ビス(3-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド,ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド,ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド,ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド等が挙げられる。
また、上記一般式(III)で表される化合物としては、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン,3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン,ビニルトリエトキシシラン,ビニルトリメトキシシラン,3-アミノプロピルトリエトキシシラン,3-アミノプロピルトリメトキシシラン,3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン,γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
更に、上記一般式(IV)で表される化合物としては、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルカルバモイルテトラスルフィド,3-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド,3-トリメトキシシリルプロピルメタクリロイルモノスルフィド等が挙げられる。
本発明のゴム組成物には、更に補強用充填剤としてカーボンブラックを配合してもよく、該カーボンブラックの配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して80質量部以下の範囲が好ましい。カーボンブラックの配合量が上記ゴム成分100質量部に対して80質量部を超えると、ゴム組成物の低発熱性が悪化するとともに、加工性も低下する。また、この場合、該カーボンブラックと上記含水ケイ酸との総配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して120質量部以下の範囲が好ましい。カーボンブラックと含水ケイ酸との総配合量を上記ゴム成分100質量部に対して120質量部以下とすることで、ゴム組成物の加工性を十分に向上させることができる。
本発明のゴム組成物には、通常のゴム組成物に配合する添加剤を本発明の効果を損なわない程度に配合することができ、例えば、ゴム工業で通常使用されている老化防止剤、加硫促進剤、硫黄、酸化亜鉛、ステアリン酸、オゾン劣化防止剤等の添加剤を適宜配合することができる。なお、本発明のゴム組成物は、ロール等の開放式混練機や、バンバリーミキサー等の密閉式混練機等を用いて混練りすることによって得られ、成形加工後に加硫を行い、各種ゴム製品に適用可能である。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに適用したことを特徴とする。ここで、本発明のタイヤにおいては、上記ゴム組成物をトレッドに用いることが特に好ましく、上記ゴム組成物をトレッドに用いたタイヤは、転がり抵抗が低く、工場での生産性に優れる上、耐摩耗性等の補強性が高い。なお、本発明のタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を変えた空気、又は窒素等の不活性ガスが挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
表1に示す配合処方のゴム組成物を常法に従って調製し、JIS K6300に準拠して130℃におけるムーニー粘度ML1+4(130℃)を測定し、比較例1のゴム組成物のムーニー粘度の値を100として指数表示した。指数値が小さい程、ムーニー粘度が低く、加工性が良好であることを示す。結果を表2に示す。
Figure 2006169281
*1 JSR社製, #120, ゴム成分100質量部に対して37.5質量部のアロマ油で油展.
*2 宇部興産製, 150L.
*3 後記する含水ケイ酸A〜Fを使用.
*4 ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド, デグッサ社製, Si69.
*5 N-フェニル-N'-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン.
*6 1,3-ジフェニルグアニジン.
*7 N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド.
次に、得られたゴム組成物をトレッドに適用して、タイヤを試作し、更に該タイヤを車両に装着し、2万km走行させて、タイヤの溝の減量を測定し、比較例1のタイヤの溝の減量を100として指数表示した。指数値が大きい程、溝の減量が少なく、耐摩耗性に優れることを示す。結果を表2に示す。
Figure 2006169281
*8 含水ケイ酸A:東ソー・シリカ(株)社製含水ケイ酸「Nipsil VN3」500gを100℃の真空乾燥機内で5時間熱処理したもの.
*9 含水ケイ酸B:東ソー・シリカ(株)社製含水ケイ酸「Nipsil VN3」500gを100℃の真空乾燥機内で30分間熱処理したもの.
*10 含水ケイ酸C:東ソー・シリカ(株)社製含水ケイ酸「Nipsil KQ」500gを100℃の真空乾燥機内で5時間熱処理したもの.
*11 含水ケイ酸D:東ソー・シリカ(株)社製含水ケイ酸「Nipsil VN3」.
*12 含水ケイ酸E:東ソー・シリカ(株)社製含水ケイ酸「Nipsil KQ」.
*13 含水ケイ酸F:東ソー・シリカ(株)社製含水ケイ酸「Nipsil VN3」500gをロータリーキルンに投入し、400℃で20分間処理し、室温まで放冷したもの.
*14 Zhuravlev, L. T. Colloids Surf., 1993, 74(1), 71に記載の手法により測定した.
*15 J. Am. Chem. Soc., 60巻, 309頁(1938年)に記載された理論に基づいて、マイクロ・データ(株)製全自動比表面積測定装置ベータ4232型を用いて、一点法により測定した.
*16 JIS K5101に準拠して測定した.
*17 含水ケイ酸10mgをガラスチューブ内に精秤し、蒸気吸着測定装置[Quantachrome Instruments社製Autosorb−1]を用い、25℃における水の吸着等温線を測定し、水の相対圧力P/P0=0.90のときの水の吸着量A(cc/g)及び含水ケイ酸の比表面積S(m2/g)から下記の式:
β=A/S
を用いて、単位表面積当たりの平衡水分吸着量β(cc/m2)を計算した.
実施例1及び3に用いた含水ケイ酸は、BET吸着比表面積及び平衡水分吸着量が本発明で規定する範囲にあり且つ上記式(I)の関係式を満たすため、実施例1は、比較例1と比べ耐摩耗性を低下させることなく、ムーニー粘度が大幅に低減されており、また、実施例3は、比較例2と比べ耐摩耗性を低下させることなく、ムーニー粘度が大幅に低減されていた。なお、実施例2は、使用した含水ケイ酸の熱処理時間が短く、単位表面積当たりの平衡水分吸着量が少ないため、実施例1に比べてムーニー粘度の低減効果が小さかった。また、比較例3は、使用した含水ケイ酸のシラノール基密度が小さ過ぎるため、耐摩耗性が低かった。

Claims (9)

  1. 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分100質量部に対して、含水ケイ酸10〜150質量部を配合してなるゴム組成物において、
    前記含水ケイ酸は、BET吸着比表面積(N2SA)が100〜400m2/gであって、該BET吸着比表面積(N2SA(m2/g))と加熱減量(α(%))とが下記式(I):
    0 < α < 0.0219 ×(N2SA)− 0.75 ・・・ (I)
    の関係を満たすことを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記含水ケイ酸は、相対圧力P/P0=0.9における単位表面積当たりの平衡水分吸着量(β)が0.65cc/m2以上であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記含水ケイ酸は、シラノール基密度が3.0個/nm2以上であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  4. 前記含水ケイ酸が230℃以下で熱処理されたものであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  5. 前記含水ケイ酸が真空乾燥機内で熱処理されたものであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  6. 更にシランカップリング剤を前記含水ケイ酸の配合量の1〜20質量%配合したことを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  7. 前記シランカップリング剤が、下記一般式(II):
    m3-mSi−(CH2)a−Sb−(CH2)a−SiAm3-m ・・・ (II)
    [式中、AはCn2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり;Bは炭素数1〜3のアルキル基であり;mは1〜3の整数で、aは1〜9の整数で、bは1以上の整数で分布を有してもよく、但し、mが1の場合、2つのBは同一でも異なっていてもよく、mが2又は3の場合、2つ又は3つのAは同一でも異なっていてもよい]で表される化合物、下記一般式(III):
    m3-mSi−(CH2)c−Y ・・・ (III)
    [式中、AはCn2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり;Bは炭素数1〜3のアルキル基であり;Yは、メルカプト基、ビニル基、アミノ基、グリシドキシ基又はエポキシ基であり;mは1〜3の整数で、cは0〜9の整数であり、但し、mが1の場合、2つのBは同一でも異なっていてもよく、mが2又は3の場合、2つ又は3つのAは同一でも異なっていてもよい]で表される化合物、及び下記一般式(IV):
    m3-mSi−(CH2)a−Sb−Z ・・・ (IV)
    [式中、AはCn2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり;Bは炭素数1〜3のアルキル基であり;Zは、ベンゾチアゾリル基、N,N-ジメチルチオカルバモイル基又はメタクリロイル基であり;mは1〜3の整数で、aは1〜9の整数で、bは1以上の整数で分布を有してもよく、但し、mが1の場合、2つのBは同一でも異なっていてもよく、mが2又は3の場合、2つ又は3つのAは同一でも異なっていてもよい]で表される化合物からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項6に記載のゴム組成物。
  8. 更に補強用充填剤としてカーボンブラックを前記ゴム成分100質量部に対して80質量部以下含有し、該カーボンブラックと前記含水ケイ酸との総配合量が120質量部以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに適用した空気入りタイヤ。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007138069A (ja) * 2005-11-21 2007-06-07 Bridgestone Corp ゴム組成物および空気入りタイヤ
JP2008044992A (ja) * 2006-08-11 2008-02-28 Bridgestone Corp ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ
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US7776950B2 (en) 2007-03-28 2010-08-17 Tokai Rubber Industries, Ltd. Antivibration rubber composition

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