JP2006167905A - 超音波補助回転機械加工用工具ユニット - Google Patents

Abstract

【課題】工作物を超音波補助回転機械加工するための工具ユニットを提供する。
【解決手段】工具ユニットは、超音波振動を生成し、伝達するために少なくとも１つの電気音響変換部（２２）を含む変換器（２３）と、変換器に結合された工具（３０）と、内部に変換部を含む変換器が配置構成され、工具スピンドル（１０）の保持部（１１）に少なくとも部分的に挿入可能であり、着脱式接続部（２７）によって工具スピンドルに接続可能であるホルダ（２１）とを有する。
【選択図】図１

Description

本発明は、請求項１のプリアンブルにより工作物を超音波補助回転機械加工するための工具ユニットに、およびこのような工具ユニットおよび工具スピンドルを有するアセンブリに関する。

セラミックス、ガラスまたは超硬合金のような硬質で脆弱、または機械加工が困難な材料の回転機械加工では、切削工具が時期尚早に摩耗するほど高い負荷にさらされることがある。工具の寿命を延長させるために、工具の回転運動に超音波振動運動を重ね合わせ、それによって超音波振動を工具または工作物それぞれに伝達することが、一般的に知られている慣行である。その結果、超音波振動は材料除去に有利な影響を及ぼす一方で、機械加工の運動学的性質が変化する。

このように組み合わせた機械加工に適した工具アセンブリが、参考文献のドイツ特許第ＤＥ−Ａ１−４１０３５６９号（米国特許第ＵＳ−Ａ−５，１４４，７７１号に対応する）および欧州特許第ＥＰ−ＡＬ−５９１１０４号（米国特許第ＵＳ−Ａ−５，３６１，５４３号に対応する）から知られている。このような既知のアセンブリには、現在の工具スピンドルでは保持できないという欠点があり、したがってこのような工具アセンブリを使用するために、機械工具を特殊設計しなければならない。したがって、例えば回転機械加工作業に専用である工具のような他の工具を、同じ機械工具に使用することも不可能であるか、困難である。特に、既知の工具アセンブリは、超音波補助機械加工作業も可能であるように、単純な方法で円形研磨機などの既存の機械を改装するには不適切である。さらに、先行技術の工具アセンブリは比較的嵩張り、したがって工具スピンドルの高い回転速度で使用するには不適切である。

序文で言及され、工具スピンドルで保持でき、容易に交換可能であり、可能な限りコンパクトな設計を有する種類の工具ユニットを提供することが、本発明の目的である。

これは、請求項１で定義された工具ユニットで達成される。さらなる請求項は、好ましい実施形態、さらに工具スピンドルを有するアセンブリを示す。

本発明を、以降で好ましい例示的実施形態に関して、図面を参照して説明する。

図１は、工具スピンドル１０の保持部１１内に挿入され、交換可能な工具モジュールとして設計された工具ユニット２０を示す。工具ユニット２０は、超音波振動を生成して、伝達する少なくとも１つの電気音響変換部２２を有する変換器２３が内部に配置構成されたホルダ２１、および変換器２３に結合された工具３０を有する。

図１の例では、ホルダ２１はスリーブの形態であり、少なくとも部分的に工具スピンドル１０の保持部１１内に挿入される。変換器２３は、２つの支持位置２４ａおよび２４ｂにてホルダ２１内に保持され、その位置は、発生した超音波振動の個々の節に対応する。支持位置２４ａおよび２４ｂは、個々の環状肩によって形成される。意図された用途に応じて、３つ以上の支持位置を設けてもよい。

電気的振動を機械的振動に変換する変換部２２は、例えば圧電式または磁歪式である。そのために、圧電セラミックまたは磁歪材料の１枚または複数のディスクを、変換器２３の突出する端部分２６の内部に配置構成する。変換部２２は、低い周波数範囲と高い周波数範囲の両方で、特に５０ｋＨｚより上で作動可能であることが好ましいように選択される。一般的に、比較的高い周波数を有する変換部２２を適用すると、工具ユニット２０の設計をさらにコンパクトにすることができる。

工具スピンドル１０と着脱可能に接続するために、ホルダ２１は、工具スピンドル１０に設けられる脱着手段に適合する少なくとも１つの接続手段２７を有する。図１による例では、ホルダ２１は少なくとも１つの締め付け位置２７を有し、工具スピンドル１０の頭部は、少なくとも１つの十字穴２８を有する。締め付け位置２７に作用するねじ（図示せず）は、保持部１１内に工具ユニット２０を固定するために、前記穴に通すことができる。このような締め付けねじ接続は、複数の締め付け位置２７および対応する十字穴２８も有してよい。

工具スピンドル１０に設けられる脱着手段として中空軸部のテーパを使用する場合、ホルダ２１に対応する円錐形外面を設けて、接続手段を形成する。着脱可能な結合および／または締まり嵌め接続によって工具を保持する脱着手段を使用する場合、接続手段２７は、工具スピンドル内で工具ユニット２０を受けて、保持するために、相応して設計される。別の適切な脱着手段は、工具スピンドル１０の保持部１１に内ねじを設け、ホルダ２１に対応する外ねじを設けるねじ接続である。

工具３０は、変換器２３の前端に結合され、それによって工具が振動可能になり、この場合はこれをソノトロードとも呼ぶ。工具３０は、チタン、アルミ、またはＣＰＭのような焼入鋼で作成する。

図２でも見られるように、工具３０は第１円筒形工具部分３１を有し、この第１工具部分３１と連続してこれより小さい直径の第２工具部分３２がある。機械加工すべき工作物と接触する工具本体３３が、工具３０の先端に配置される。工具３０の形状は、振幅の増幅を提供し、変換部２２によって生成された超音波振動が所望の程度まで増幅されるように選択することができる。典型的な用途では、工具先端振動の振幅は、０から約２０マイクロメートルの範囲で構成される。ソノトロード３０は、円錐形または単なる円筒形など、図２で示した形状とは別の形状を有してもよい。振幅をさらに増幅するために、変換器２３とソノトロード３０の間に、いわゆるブースタを挿入することも想定可能である。

第１工具部分３１の端面に、軸方向のセンタリング表面３５、および変換器２３の内腔と係合する後続のねじ部分３６を有する接続部材３４を設ける。図２で示すように、センタリング表面３５は円筒形であるが、例えば円錐形など、異なる方法で設計してもよい。第１工具部分３１の端面は、半径方向のセンタリング表面３７として設計される。センタリング表面３５および３７によって、工具３０は、変換器２３との結合時に軸方向および半径方向にセンタリングされ、したがって偏心せずに回転可能であることが保証される。

工具本体３３は、意図された機械加工作業に従って設計される。研磨体は、研磨作業用に任意選択でダイアモンドまたはＣＢＮのコーティングを設けることができる。第２工具部分３２は、研磨体３３と一体作成し、研磨用コーティングで直接被覆することができる。研磨体３３を、例えばねじ込み、焼き入れ、締め付け、はんだ付けおよび／または結合などの着脱式接続によって第２工具部分３２内により支持される別個の部材として設けることも可能である。

特に図２で示すように、工具３０に半径方向内腔３９を設け、これは入口開口４０を有し、工具先端に出口開口４２を有する軸方向内腔４１と連絡する。内腔３９および４１は、液体の形態の冷却剤を案内することができる通路を形成する。これによって、冷却および／または潤滑のために工具３０および出口開口４２を通して冷却剤を排出することができ、これは工具３０の寿命を延長し、さらに工作物の機械加工した表面の品質も向上させる。

図３および図４でも示すように、工具スピンドル１０は静止部分１２を有し、この中ではスピンドル保持部１１を備えるシャフト１３が回転可能であり、その外側では、締め付けスリーブ４６またはねじ締め付けによってベル４５が固定される。ベル４５は、シャフト１３の前方部分を囲み、冷却剤取付部４７と、入口開口４０に供給できる冷却剤が通る内腔４８とが設けられる。静止した内腔４８と回転可能な工具３０との間に、例えばラビリンスシールの形態の密封手段４９を設ける。

工具ユニット２０が乾式機械加工専用である場合、工具３０は言うまでもなく、開口４０、４２および通路３９、４１なしで設計することができる。

工具ユニット２０は、Ｌ＝Ｌ１＋Ｌ２という全長を有するコンパクトな構造を有し、ここでＬ１はスピンドル保持部１１内に配置される部分の長さを指し、Ｌ２は、工具スピンドル１０から突出し、したがって自立式である部分の長さを指す。通常、工具ユニット２０は、Ｌ２が１００ｍｍより小さく、好ましくは５０ｍｍより小さくなり、Ｌ１が１５０ｍｍより小さく、好ましくは１００ｍｍより小さくなるように設計する。コンパクトな構造によって、高い回転速度でも、特に毎分６０，０００回転を超える回転速度で、工具ユニット３０を使用することができる。このような回転速度を達成するために、工具スピンドル１０は、例えば高周波数スピンドルとして、または結合した駆動モータを有するスピンドルとして相応して設計される。

変換部２２が圧電式である場合は、発電機に接続可能な集電環５０を設ける。集電環５０は、工具スピンドル１０のシャフト１３に結合され、それを通して変換部２２に電力が供給される。集電環５０の材料は、工具スピンドル１０によって回転速度を達成するために適切であるように選択される。

変換部２２が磁歪式である場合は、図５で示すように少なくとも１つの励起コイル５１を設ける。図２では図１と同じような部材が同じ参照番号で示されている。励起コイル５１は、工具スピンドル１０の静止部分１２に収容され、磁気誘導によって変換部２２に非接触式にエネルギを供給する働きをする。ベル４５内に励起コイル５１を収容することも想定可能である。

本明細書で説明する工具ユニット３０は、例えば研磨機、特に円形研磨機、またはフライス盤のような微細機械加工用の機械工具に適用可能である。工具３３の構成に応じて、工具ユニット３０は、穿孔、旋削、リーマ仕上げ、ホーニング、バリ取りなどのような他の機械加工作業で、超音波補助機械加工にも使用することができる。特に、工具ユニット３０は、例えばセラミックス、ＣＢＮ（立方晶窒化硼素）で作成した材料、ＰＣＤ（多結晶質ダイアモンド）で作成した材料、サーメット、超硬合金のような硬質で脆弱、または機械加工が困難な材料の機械加工および／または例えば鋼材料、非鉄金属、焼結材料、合成材料などの従来通りの材料の機械加工に適切である。

前述以外に、本発明の工具ユニットは以下の利点を提供する。
工具ユニットは、交換可能なユニットとして設計され、他の工具と同じ機械スピンドル上で使用することができる。また、以前に回転機械加工専用であった既存の機械工具を、追加的な超音波補助機械加工用に改装することができる。
工具ユニットはコンパクトな設計を有する。毎分６０，０００回転を超える回転速度での機械加工作業でさえ可能であり、５０ｋＨｚを超える周波数を有する振動を、工作物の軸方向と半径方向の両方の機械加工における運動に重ね合わせることができるように、設計することができる。

工具スピンドル内に保持されている本発明の工具ユニットの側断面図を示す。 図１による工具ユニットの工具の側面図を示す。 図１の工具ユニットおよび工具スピンドルのアセンブリの斜視背面図を示す。 図１のアセンブリの斜視前面図を示す。 本発明による工具ユニットの第２実施形態の側断面図を示す。

符号の説明

１０ 工具スピンドル
１１ 保持器
１２ 静止部分
１３ シャフト
２０ 工具ユニット
２１ ホルダ
２２ 電気音響変換部
２３ 変換器
２４ 支持位置
２７ 接続手段／締め付け位置
３０ 工具
３１ 第１工具部分
３２ 第２工具部分
３３ 工具本体
３４ 接続部材
３５ 表面
３６ ねじ部分
３７ 表面
３９ 半径方向内腔
４０ 入口開口
４１ 軸方向内腔
４２ 出口開口
４５ ベル
４６ スリーブ
４７ 冷却剤取付具
４８ 内腔
４９ 密封手段
５０ 集電環
５１ 励起コイル

Claims (16)

1. 工作物を超音波補助回転機械加工する工具ユニットであって、
   超音波振動を生成し、伝達する変換器（２３）を有し、変換器は少なくとも１つの電気音響変換部（２２）を有し、さらに、
   変換器に結合された工具（３０）を有し、
   内部に前記電気音響変換部を有する前記変換器が配置構成されたホルダ（２１）を特徴とし、該ホルダが、
   工具スピンドル（１０）の保持部（１１）内に少なくとも部分的に挿入可能であり、着脱式接続部（２７）によって前記スピンドルに接続可能である工具ユニット。
2. ホルダ（２１）が、少なくとも１つの締め付け位置（２７）、ねじ山、円錐形外面および／または前記着脱式接続部を形成する円筒形外面を有することを特徴とする、請求項１に記載の工具ユニット。
3. 工具スピンドル（１０）の保持部（１１）内に挿入されると、後者から１００ｍｍより小さく、好ましくは５０ｍｍより小さい長さ（Ｌ２）だけ突出するように設計されることを特徴とする、請求項１または２に記載の工具ユニット。
4. 工具（３０）が、少なくとも１つの横方向入口開口（４０）、および工具の頭部にある少なくとも１つの出口開口（４２）を有し、２つの開口が通路（３９、４１）によって接続されることを特徴とする、請求項１から３いずれか１項に記載の工具ユニット。
5. 工具（３０）が、チタン、鋼またはアルミで作成したソノトロードの形態であることを特徴とする、請求項１から４いずれか１項に記載の工具ユニット。
6. 工具（３０）が研削またはミリング工具であることを特徴とする、請求項１から５いずれか１項に記載の工具ユニット。
7. さらに、工作物を機械加工する働きをし、着脱式接続部によって工具に締め付けられる工具本体（３３）を有することを特徴とする、請求項１から６いずれか１項に記載の工具ユニット。
8. 変換部（２２）が圧電式または磁歪式変換部であることを特徴とする、請求項１から７いずれか１項に記載の工具ユニット。
9. 電気音響変換部（２２）が少なくとも５０ｋＨｚの周波数で作動可能であることを特徴とする、請求項１から８いずれか１項に記載の工具ユニット。
10. 変換器（２３）が、発生した超音波振動の節を画定する少なくとも２つの支持位置（２４ａ、２４ｂ）にて、ホルダ（２１）内に保持されることを特徴とする、請求項１から９いずれか１項に記載の工具ユニット。
11. ホルダ（２１）が、支持位置（２４ａ、２４ｂ）を形成するための環状肩を有することを特徴とする、請求項１０に記載の工具ユニット。
12. ホルダ（２１）がスリーブとして設計されることを特徴とする、請求項１から１１いずれか１項に記載の工具ユニット。
13. 工具（３０）に冷却剤を供給するベル（４５）を有することを特徴とする、請求項１から１２いずれか１項に記載の工具ユニット。
14. 請求項１から１３いずれか１項に記載の工具ユニットと、工具ユニットおよび少なくとも１つの他の工具、特に研削工具を保持するために所定の脱着手段を設けた工具スピンドル（１０）とを有するアセンブリ。
15. 工具スピンドル（１０）が、発電機に接続可能である集電環（５０）を有するか、アセンブリが、電気音響変換部（２２）に電力を供給するために少なくとも１つの励起コイルを有する、あるいはその両方である、請求項１４に記載のアセンブリ。
16. アセンブリが、毎分６０，０００回転を超える工具スピンドル（１０）の回転速度用に設計される、請求項１４または１５に記載のアセンブリ。
    

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