JP2006161306A - 建設機械の配線引き回し構造 - Google Patents

Abstract

【課題】 建設機械の「カウンタウエイトに装着した電装品からのケーブルを外部に露出しないようにする。
【解決手段】 カウンタウエイト２０を構成する後面板２２には傾斜面２２ａが凹状となるように形成されており、この傾斜面２２ａには、例えば後方監視カメラや、通信機器，ランプ，警報装置等からなる電装品３０が装着され、上面板２４の電装品３０の近傍位置に凹溝３２が形成されており、この凹溝３２は上面板２４の電装品３０の装着部から端面板２３に至るまで実質的に真っ直ぐ延在させて、内部にハーネス３１を挿通させて、建屋内に導かれるようになっている。
【選択図】 図３

Description

本発明は、油圧ショベル等、カウンタウエイトを備えた建設機械において、このカウンタウエイトに電装品を装備すると共に、この電装品からの配線の引き回し構造に関するものである。

カウンタウエイトを備えた建設機械として、例えば油圧ショベルは、図６に示したように、下部走行体１上に上部旋回体２を旋回可能に連結して設けたものであり、この上部旋回体２には、一般的には、土砂の掘削等の作業を行う掘削作業手段３が設けられており、また運転室４が設置されている。さらに、エンジン等を収容する建屋５を備えており、さらに最後端部にはカウンタウエイト６が装着されている。ここで、上部旋回体２にカウンタウエイト６を装着するのは、掘削作業手段３の作業時における重量バランスを取るためである。従って、カウンタウエイト６はケーシングの内部にセメント等の重量物を充填することにより構成される。

カウンタウエイト６には各種の電装品が搭載されることがある。その代表的なものとしては、例えばランプを設けるという場合もあった。ところで、特に、近年においては、ＴＶカメラの価格低減，小型化等により、運転室４内で機械の操作を行なっているオペレータが通常の姿勢状態では視野が得られない後部位置にＴＶカメラを設置して、主に後方の監視を可能とする、所謂後方監視カメラを設置するように構成したものが実用化されている。例えば、特許文献１には、カウンタウエイト６の上面に後方監視カメラを設置する構成となし、この後方監視カメラからの映像を運転室４内に設置したモニタに表示するようにしている。これによって、運転室４内のオペレータにとって死角となる後方領域の安全確保を図ることができるという利点がある。
特開２００３−２２１８４４号公報

ところで、後方監視カメラは電装品であり、当然電源供給が必要であり、カメラに対する駆動制御信号及びカメラからの映像信号を伝送するためにも、このＴＶカメラにはケーブルが接続され、このケーブルの他端は最終的には運転室内に設置したプロセッサに接続されることになる。前述した特許文献１においては、図７に示したように、カウンタウエイト６の上面板６ａに設けた吊穴を利用して、ボルト１０により支持部材１１を取り付けるようになし、この支持部材１１に取付座１２を固定して設け、この取付座１２に後方監視カメラ１３を装着する構成としている。そして、この後方監視カメラ１３を保護するために、保護カバー１４を装着するようにしている。

後方監視カメラ１３からのケーブル１５は、カウンタウエイト６の上面において、この後方監視カメラ１３から引き出されて、支持部材１１にクリップバンド１６等によって、一度固定した後、カウンタウエイト６と建屋５との間に引き込むようになされている。

油圧ショベルのように、野外の過酷な条件下で稼動するものにおいて、後方監視カメラ１３は保護カバー１４で覆う等、それなりに保護がなされているが、ケーブル１５の引き回しにおいては、格別の保護がなされておらず、岩石等の衝突による損傷のおそれ等があるだけでなく、ケーブル１５をカウンタウエイト６の表面から露出させておくことは、見栄えが悪いということがある。つまり、カウンタウエイト６の表面からケーブル１５の一部が露出していると、外観上好ましいものではない。

本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、カウンタウエイトに装着した電装品からのケーブルを外部に露出しないようにすることにある。

前述した目的を達成するために、本発明においては、建設機械のカウンタウエイトに電装品を装着し、この電装品に接続した配線を引き回すに当って、前記カウンタウエイトの内部に一端側が前記電装品の配設位置に通じ、内部に前記配線を挿通するトンネル状通路を形成し、このトンネル状通路の他端は、このカウンタウエイトの端面と建屋の端部との間に開口させる構成としたことをその特徴とするものである。

ここで、カウンタウエイトはケーシング内にセメント等の重量物を充填したものから構成されるが、この重量物の充填はケーシングの内部における全容積分に重量物が充填される訳ではなく、上部側には多少の空間が生じている。従って、配線を挿通させるトンネル状通路を、カウンタウエイトの主にこの空間の部位に形成する。これによって、重量物の充填時にトンネル状通路が変形することがなく、またトンネル状通路を設けることにより重量物の充填空間が制約されるようなことはない。

トンネル状通路の具体例としては、例えば、カウンタウエイトの上面部に凹溝を形成し、この凹溝をカバー部材で閉鎖するように構成したり、カウンタウエイトの内部において、重量物が充填されない上部空間に設けたパイプ材で構成したりすることができる。そして、凹溝やパイプ材で構成されるトンネル状通路は、概略水平方向に延在させることもできるが、電装品装着部から他端側に向けて下方に傾斜させるようにすることもできる。そうすると、ケーブルを挿通させる作業が容易になると共に、使用時に雨水等の汚損物が溜まることなく流出する。

以上のように構成することによって、カウンタウエイトに設けた電装品からの配線を外部に露出することがなくなり、その保護が図られると共に、外観上における見栄えが良くなり、意匠的見地からも優れたものとなる。

以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。まず、図１乃至図３は本発明における第１の実施の形態を示すものであって、図１にはカウンタウエイト２０の正面図が、また図２はカウンタウエイト２０の平面図が、さらに図３は図１のＸ−Ｘ断面をそれぞれ示す。これらの図から明らかなように、カウンタウエイト２０は、上部旋回体のメインフレームに載置する２箇所の凹部２１ａ，２１ａを有する底板２１と、なだらかな曲面形状となった後面板２２と、この後面板２２に対面する端面板２３と、上面板２４とから構成され、これらによって全体が密閉構造となったケーシングが形成される。

このようにして形成されるケーシングの内部には重量物が充填される。重量物を充填する際には、上面板２４を非装着状態となし、もってカウンタウエイト２０の上部を開口させる。これによって、上部側から重量物を充填することができる。図３から明らかなように、重量物はカウンタウエイト２０を構成するケーシング内に完全に充満させるのではなく、上部にはある程度の空間が形成されている。

カウンタウエイト２０を構成する後面板２２には傾斜面２２ａが凹状となるように形成されており、この傾斜面２２ａには、例えば後方監視カメラや、通信機器，ランプ，警報装置等からなる電装品３０が装着されている。この電装品３０は傾斜面２２ａに固定して設けられており、この固定部から傾斜面２２ａに沿って上方に向けて配線，ケーブルを束ねたハーネス３１が延在されている。そして、電装品３０を保護するために、カウンタウエイト２０の上面板２４には保護カバー２５が取り付けられており、この保護カバー２５で電装品３０を覆うようにしている。保護カバー２５はねじ止めにより後面板２３または上面板２４に固定されている。

そして、上面板２４における電装品３０の近傍位置には凹溝３２が形成されており、この凹溝３２は上面板２４の電装品３０の装着部から端面板２３に至るまで実質的に真っ直ぐ延在させた溝であって、この凹溝３２内にハーネス３１が挿通されている。この凹溝３２の断面形状はハーネス３１が余裕をもって収容できる程度の大きさを有するものであって、凹溝３２の上面部はカバー板３３で覆われている。ここで、カバー板３３は比較的薄い金属板からなり、上面板２４に溶接等の手段で固着されるか、またはねじ止め等により取り外し可能となっている。従って、ハーネス３１は電装品３０から最短距離を通って建屋の内部にまで導かれるようになり、この建屋の内部において、所望の状態に引き回されることになる。

以上のように、ハーネス３１はカウンタウエイト２０の部位を貫通するように引き回されるが、このカウンタウエイト２０を通る際には、内部に充填される重量物と干渉することがない。しかも、カウンタウエイト２０の外部に露出することはないので、ハーネス３１に岩石等が衝突して損傷させるようなことはない。また、ハーネス３１がカウンタウエイト２０のケーシングの外部に露出していないので、外観に影響を与えるようなことがなく、見栄えの面からも望ましい。

次に、図４及び図５に本発明における第２の実施の形態を示す。図４は基本的には図７に示した従来技術における後方監視カメラの装着機構と同じである。即ち、カウンタウエイト４０の上面板４１には、このカウンタウエイト４０をクレーン等で吊り上げるために設けた２箇所の吊穴にボルト４２ａにより固定して設けた支持部材４２が装着されており、この支持部材４２に取付座４３を連結して設け、この取付座４３上に後方監視カメラ４４が装着されている。この後方監視カメラ４４は、さらに取付座４３に装着した保護カバー４５により保護されている。後方監視カメラ４４の視野の前方は開放されており、また後方も開放状態となっている。従って、後方監視カメラ４４に接続したケーブル４６はそのまま後方に向けて延在されるようになっている。

ただし、図５から明らかなように、取付座４３には貫通孔４３ａが穿設されており、ケーブル４６はこの貫通孔４３ａに挿通されて、上面板４１に向けて延在されている。そして、上面板４１の内面側にはケーブル４６のトンネル状通路として機能するケーブル挿通パイプ４７が固着して設けられており、このケーブル挿通パイプ４７は上面板４１から斜め下方に延在されており、カウンタウエイト４０における端面板４８を貫通して建屋側に向けて僅かに延在されている。

このように構成することによっても、後方監視カメラ４４に接続されているケーブル４６は、保護カバー４５の内部で後方監視カメラ４４より後方から、取付座４３の貫通孔４３ａを通り、ケーブル挿通パイプ４７の内部から建屋側に引き出されることから、実質的にケーブル４６が外部に露出することはない。また、ケーブル挿通パイプ４７は斜め下方に延在されているので、その内部にケーブル４６を挿通させる作業が極めて容易に行なえる。

なお、前述した実施の形態においては、ケーシングの内部に重量物が充填されるタイプのカウンタウエイトを例にあげて説明したが、このタイプ以外のカウンタウエイト、例えば鋳物成形により形成されるカウンタウエイト等に適用しても、同様の作用効果を有するものである。

本発明における第１の実施の形態を示す建設機械の配線引き回し構造において、電装品が装着され、配線が引き回されるカウンタウエイトの正面図である。 図１の平面図である。 図１のＸ−Ｘ拡大断面図である。 本発明における第２の実施の形態を示す建設機械の配線引き回し構造において、カウンタウエイト上で、電装品としての後方監視カメラが装着され、ケーブルが引き回される状態を示す構成説明図である。 図４のカウンタウエイトにおける後方監視カメラの装着位置の断面図である。 建設機械の一例としての油圧ショベルの外観図である。 油圧ショベルに設けられる電装品としての後方監視カメラの装着状態を示す構成説明図である。

符号の説明

２０，４０ カウンタウエイト
２２ 後面板
２３ 端面板
２４，４１ 上面板
２５ 保護カバー
３０ 電装品
３１ ハーネス
３２ 凹溝
３３ カバー板
４３ 取付座
４４ 後方監視カメラ
４６ ケーブル
４７ ケーブル挿通パイプ

Claims (4)

1. 建設機械のカウンタウエイトに電装品を装着し、この電装品に接続した配線を引き回すに当って、前記カウンタウエイトの内部に一端側が前記電装品の配設位置に通じ、内部に前記配線を挿通するトンネル状通路を形成し、このトンネル状通路の他端は、このカウンタウエイトの端面と建屋の端部との間に開口させる構成としたことを特徴とする建設機械の配線引き回し構造。
2. 前記トンネル状通路は、カウンタウエイトの上面板に形成され、前記配線が挿通される凹溝と、この凹溝を覆うカバー部材とで構成したことを特徴とする請求項１記載の建設機械の配線引き回し構造。
3. 前記トンネル状通路は、少なくともカウンタウエイトの上面板に固着して設けたパイプ材からなり、内部に配線を通す挿通パイプで構成したことを特徴とする請求項1記載の建設機械の配線引き回し構造。
4. 前記トンネル状通路は前記他端側に向けて下方に傾斜していることを特徴とする請求項２または請求項３記載の建設機械の配線引き回し構造。
   

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