JP2006160921A - ウレタン樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 適度な硬化性と優れた接着性を同時に具備するウレタン樹脂組成物の提供を目的とする。
【解決手段】 本発明のウレタン樹脂組成物は、少なくとも(A)融点が45℃以上のポリエステルポリオール、(B)融点が45℃未満のポリエステルポリオール及び(C)ポリオレフィンポリオールの三成分のポリオールとポリイソシアネートを反応させて得られる末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有してなる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ウレタン樹脂組成物に関する。
従来から、ポリオレフィン等の極性の低い材料にも、ポリ塩化ビニル等の極性の高い材料にも接着可能な無溶剤系の接着剤の開発が望まれており、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及び水酸基末端ポリブタジエンからなる混合ポリオールとポリイソシアネートを反応させて得られるウレタン樹脂組成物(特許文献1参照)や、ジエン系のポリオールとポリエステルポリオール等のポリオールとイソシアネート化合物を含有する組成物(特許文献2参照)が提案されている。
特許第3448691号公報 特開平7−53939号公報
しかしながら、前者は、常温で液状であることを前提としているが、液状の場合、硬化性に劣り、接着作業が効率的に行えないという問題があった。接着作業を効率的に行うためには、被着体に接着剤を塗布して貼り合わせを行った後に、速やかに硬化し得る適度な硬化性が要求される。一方、後者では、適度な硬化性と優れた接着性を同時に具備させるのが困難であるという問題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、優れた接着性と適度な硬化性を同時に具備するウレタン樹脂組成物の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、少なくとも(A)融点が45℃以上のポリエステルポリオール、(B)融点が45℃未満のポリエステルポリオール及び(C)ポリオレフィンポリオールの三成分のポリオールとポリイソシアネートを反応させて得られる末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有するウレタン樹脂組成物に関する。
本発明のウレタン樹脂組成物は、優れた接着性と接着作業を効率的に行い得る適度な硬化性を同時に具備するものである。
本発明のウレタン樹脂組成物の主成分である末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーは、少なくとも上記(A)〜(C)の3成分のポリオールとポリイソシアネートを反応させることによって得られる。
本発明において、ポリオール(A)は、ポリカルボン酸と多価アルコールを縮重合させて得られる縮合系ポリエステルポリオール、若しくは、ε−カプロラクトンの開環重合により得られるラクトン系ポリエステルポリオールであって、その融点が45℃以上のものである。
上記ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸、ダイマー酸、トリメリット酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
上記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,4-ジヒドロキシメチルシクロヘキサン等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
これらの中でも、得られるウレタン樹脂組成物に優れた接着性を発現させる観点から、ポリカルボン酸としてセバシン酸を用い、多価アルコールとして1,6-ヘキサンジオールを用いて縮重合させて得られるポリエステルポリオールが好ましく用いられる。
また、上記ポリエステルポリオールの中でも、得られるウレタン樹脂組成物に適度な硬化性と優れた接着性を発現させる観点から、融点が200℃以下のポリエステルポリオールが好ましく用いられ、より好ましくは50〜150℃である。
さらに、ポリオール(A)の融点を考慮すれば、ポリオール(A)の数平均分子量は、好ましくは1000〜10000であり、より好ましくは2000〜5000である。なお、かかる範囲であれば、得られるウレタン樹脂組成物に優れた塗布作業性を発現させることができる。
本発明において、ポリオール(B)は、ポリカルボン酸と多価アルコールを縮重合させて得られる縮合系ポリエステルポリオール、若しくは、ε−カプロラクトンの開環重合により得られるラクトン系ポリエステルポリオールあって、その融点が45℃未満のものである。ポリオール(B)を得るために用いられるポリカルボン酸及び多価アルコールとしては、ポリオール(A)を得るために用いられるポリカルボン酸及び多価アルコールでよく、これらを単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
これらの中でも、得られるウレタン樹脂組成物に適度な硬化性を発現させる観点から、ポリカルボン酸としてアジピン酸を用い、多価アルコールとして1,6-ヘキサンジオール及びネオペンチルグリコールを用いて縮重合させて得られるポリエステルポリオールが好ましく用いられる。
また、上記ポリエステルポリオールの中でも、得られるウレタン樹脂組成物に適度な硬化性と優れた接着性を発現させる観点から、融点が−100℃以上のポリエステルポリオールが好ましく用いられ、より好ましくは−50℃以上である。
また、ポリオール(B)の融点を考慮すれば、ポリオール(B)の数平均分子量は、好ましくは2000〜5000である。なお、かかる範囲であれば、得られるウレタン樹脂組成物に優れた塗布作業性を発現させることができる。
ここで、ポリオール(A)及び(B)の融点は、示差走査熱量測定法(DSC測定法)により測定される。具体的には、空気気流中、標準試料(アルミナ粉末)と同時に20℃/minで昇温し、最大吸熱ピークを示す温度(℃)を検出することにより測定される。
本発明において、ポリオール(C)として用いられるポリオレフィンポリオールとしては、例えば、分子中にヒドロキシル基を2個以上有するポリブタジエングリコール、ポリイソプレングリコール、水素添加ポリブタジエングリコール、水素添加ポリイソプレングリコール等が挙げられる。
ポリオール(C)の数平均分子量は、得られるウレタン樹脂組成物に優れた接着性を発現させる観点から、好ましくは200〜10000であり、より好ましくは800〜3500である。
ポリオール(A)とポリオール(B)の重量比率は、特に限定されるものではないが、適度な硬化性と優れた接着性を発現させる観点から、ポリオール(A)100重量部当り、ポリオール(B)を20〜300重量部とするのが好ましく、より好ましくは30〜200重量部である。
また、ポリオール(A)とポリオール(C)の重量比率は、特に限定されるものではないが、適度な硬化性と優れた接着性を発現させる観点から、ポリオール(A)100重量部当り、ポリオール(C)を20〜300重量部とするのが好ましく、より好ましくは30〜200重量部である。
ポリイソシアネートとしては、末端にイソシアネート基を2つ以上有するものであれば特に限定されず、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4, 4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2, 2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2, 4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4, 4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、2-ニトロジフェニル-4, 4’-ジイソシアネート、2,2’-ジフェニルプロパン-4, 4’-ジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4, 4’-ジイソシアネート、4, 4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、3,3’-ジメトキシジフェニル-4, 4’-ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート又はその水素添加物;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート;イソシアヌレート結合、カルボジイミド結合、ウレタン結合、尿素結合、ビューレット結合、アロファネート結合等を1種以上有する前記ポリイソシアネート変性物等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、得られるウレタン樹脂組成物に優れた接着性を発現させる観点、さらには、優れた塗布作業性を発現させるから、トリレンジイソシアネート、4, 4’-ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましく用いられる。
ウレタンプレポリマーの製造方法としては、公知の種々の方法を用いればよく、特に限定されないが、例えば、上記ポリオール(A)〜(C)を予め混合攪拌しておき、80〜90℃にて、ポリイソシアネートと反応させる方法や、ポリオール(A)〜(C)を段階的にポリイソシアネートと反応させる方法、例えば、ポリオール(A)とポリイソシアネートを反応させて得られたウレタンプレポリマーと、ポリオール(B)を反応させ、次いでポリオール(C)と反応させる方法等が挙げられる。
ポリオール(A)〜(C)とポリイソシアネートとの反応に際して、両者の配合割合は、得られるウレタンプレポリマーの末端がイソシアネート基を有する限り特に限定されないが、NCO基/OH基の当量比が1.2〜4.0になるように調製するのが好ましく、より好ましくは2.5〜3.5である。かかる範囲であれば、得られるウレタン樹脂組成物に優れた塗布作業性を発現させることができると共に、得られるウレタン樹脂組成物の湿気硬化反応の際の発泡を抑制することができる。
ウレタンプレポリマーの製造に際して、反応の任意の段階で、適宜、他のポリオール、鎖長剤、脱水剤、触媒、安定剤等の添加剤を配合しても差し支えない。他のポリオールとしては、例えば、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。鎖長剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,4-ジヒドロキシメチルシクロヘキサン等が挙げられる。脱水剤としては、例えば、ゼオライト、p-トルエンスルホニルイソシアネート等のモノイソシアネート、オルトギ酸トリエチル等のオルトギ酸化合物等が挙げられる。触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート等の錫系触媒、鉛系触媒、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7等のアミン系触媒等が挙げられる。安定剤としては、例えば、フェノール系、リン系等の酸化防止剤;ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の光安定剤が挙げられる。
このようにして得られるウレタンプレポリマーの融点は、適度な硬化性を発現させる観点から、好ましくは45〜150℃であり、より好ましくは45〜130℃であり、特に好ましくは50〜80℃である。ここで、ウレタンプレポリマーの融点は、示差走査熱量測定法(DSC測定法)により測定される。具体的には、空気気流中、標準試料(アルミナ粉末)と同時に20℃/minで昇温し、最大吸熱ピークを示す温度(℃)を検出することにより測定される。
本発明のウレタン樹脂組成物は、上記ウレタンプレポリマー、又は上記ウレタンプレポリマーに他の任意成分を必要に応じて配合されてなるものである。この任意成分としては、例えば、熱可塑性ポリマー、カップリング剤、顔料、充填剤、難燃剤、架橋剤、プロセスオイル、可塑剤、液状樹脂、ワックス等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
このようにして得られる本発明のウレタン樹脂組成物の使用方法は、加熱装置を備えたロールコーター、フローコーター、エアーガン等の公知の塗布機で、60〜130℃に加熱溶融して被着体に塗布する方法や、前記温度で溶融した後、くし目ごて等で被着体に塗布する方法等が挙げられる。
本発明のウレタン樹脂組成物は、極性の低い材料に対しても、極性の高い材料に対しても優れた接着性を有する。従って、種々のプラスチック、ゴム、木材、繊維、紙、コンクリート、ガラス、金属、セラミックス、石材、コンクリート等、様々な基材の接着に用いることができる。また、本発明のウレタン樹脂組成物は、接着作業を効率的に行い得る適度な硬化性も有している。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下において、「部」とあるのは、重量を基準とするものとする。
ウレタンプレポリマーを調製するにあたり、以下のポリオール及びポリイソシアネートを用意した。
[ポリオールA]
ポリカルボン酸(セバシン酸)と多価アルコール(1,6-ヘキサンジオール)との縮重合系ポリエステルポリオール、融点:68.9℃、数平均分子量:2000
[ポリオールB]
ポリカルボン酸(アジピン酸)と多価アルコール(1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール)との縮重合系ポリエステルポリオール、融点:39℃、数平均分子量:2000
[ポリオールC]
ポリブタジエングリコール(1,4付加体水酸基末端ポリブタジエン、1,2付加体含有率20%以下)数平均分子量:2800
[ポリイソシアネート]
4, 4’-ジフェニルメタンジイソシアネート
[調製方法]
攪拌機、温度計、窒素導入口及び減圧口を備えた四口フラスコに、各ポリオールを表1に示す組成となるように、合計100部を計量して入れ、加熱して溶融混合後、105℃で3時間減圧乾燥を行った。次に、フラスコに窒素を導入してフラスコ内を常圧に戻し、80℃に冷却し、NCO基/OH基の当量比が2.8となるように、ポリイソシアネートを計量して添加した。そして、80〜90℃にて3時間反応させて、ウレタンプレポリマーを得た。
こうして得られたウレタンプレポリマーの外観状態の観察を行った。また、得られたウレタンプレポリマーの融点を、示差走査熱量測定装置〔理学電機株式会社製、DSC8230〕を用いて測定した。これらの結果についても表1に示す。
Figure 2006160921
次に、得られたウレタンプレポリマーの硬化性について、初期接着強さ及びタックフリータイムを測定することにより評価し、接着性について、常態接着強さ及び耐水接着強さを測定することにより評価した。測定方法は以下のとおりであり、評価結果については表2に示す。
<初期接着強さ>
得られたウレタンプレポリマーを130℃で溶融し、23℃、50%RHの雰囲気下で、くし目ごて(JIS規格品)を用いて、下地材〔厚さ8mmのフレキシブルスレート板〕上に200〜300g/m塗布し、その上に、試験材〔40×40mm、厚さ3mm、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)タイル〕を載置し、更にその上から、質量1kgの錘を約5秒間載せた後、この錘を取り除き、試験体を作製した。こうして得られた試験体を、23℃、50%RHの雰囲気下で1時間養生して、試験体の接着面に対して垂直方向に、オートグラフ〔ミネベア株式会社製、型番:TCM−1000〕を用いて、3mm/minの引張速度にて測定を行い、試験体が破断したときの強度を用い、式:〔接着強さ(N/mm)〕=〔破断強度(N)〕÷〔試験片の断面積(mm)〕に基づいて、接着強さを求めた。
[評価基準]
○:接着強さが0.64N/mm以上であり初期接着性に優れる
×:接着強さが0.64N/mm未満であり初期接着性に劣る
<タックフリータイム>
得られたウレタンプレポリマーを130℃で溶融し、23℃、50%RHの雰囲気下で、くし目ごて(JIS規格品)を用いて、上記下地材上に200〜300g/m塗布した後、23℃、50%RHの雰囲気下に放置して、試料が指先に付着しなくなるまでに要した時間を測定することにより求めた。
本発明では、初期接着性が「○」であって、タックフリータイムが、0〜60分であれば、適度な硬化性を有するといえ、より好ましくはタックフリータイムが15〜45分である。
<常態接着強さ>
得られたウレタンプレポリマーを130℃で溶融し、23℃、50%RHの雰囲気下で、くし目ごて(JIS規格品)を用いて、上記下地材上に200〜300g/m塗布し、その上に、試験材を載置し、更にその上から、質量1kgの錘を約5秒間載せた後、この錘を取り除き、試験体を作製した。こうして得られた試験体を、23℃、50%RHの雰囲気下で48時間養生して、試験体の接着面に対して垂直方向に、オートグラフを用いて、3mm/minの引張速度にて測定を行い、試験体が破断したときの強度から接着強さを求めた(JIS A 5536に準ずる)。
[評価基準]
○:接着強さが0.8N/mm以上であり常態接着性に優れる
△:接着強さが0.8N/mm未満であるが、後述する破断面の状態が「AF」以外であり、試験材との接着性には優れる
×:接着強さが0.8N/mm未満であり常態接着性に劣る
また、上記試験材の詳細については、以下のとおりである。
試験材1:ポリ塩化ビニル系〔40×40mm、厚さ2mm、ホモジニアスタイル〕
試験材2:ゴム系〔40×40mm、厚さ3mm、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)タイル〕
<耐水接着強さ>
上述した常態接着強さの測定と同様にして得られた試験体を、23℃、50%RHの雰囲気下で48時間養生して、23℃の水中に168時間浸漬後、直ちに試験体の接着面に対して垂直方向に、オートグラフを用いて、3mm/minの引張速度にて測定を行い、試験体が破断したときの強度から接着強さを求めた(JIS A 5536に準ずる)。
[評価基準]
○:接着強さが0.5N/mm以上であり耐水接着性に優れる
△:接着強さが0.5N/mm未満であるが、後述する破断面の状態が「AF」以外であり、試験材との接着性には優れる
×:接着強さが0.5N/mm未満であり耐水接着性に劣る
また、上記の測定において、破断面の状態について観察した。表2に示す記号の意味は、以下のとおりである。
F:破断面の最大面積を占める部位が試験材の材料破壊面である
A:破断面の最大面積を占める部位が接着剤層の凝集破壊面である
G:破断面の最大面積を占める部位が下地材の材料破壊面である
AF:破断面の最大面積を占める部位が接着材と試験材との界面である
GA:破断面の最大面積を占める部位が下地材と接着剤との界面である
Figure 2006160921
表2に示すように、各実施例は、適度な硬化性を有し、かつ、極性の高いポリ塩化ビニルに対しても極性の低いゴムに対しても優れた接着性を有していた。一方、比較例1及び比較例3は、適度な硬化性を有していたものの、接着性に劣っていた。また、比較例2は、優れた接着性を有していたものの、硬化性に劣っていた。
また、ウレタン樹脂組成物は、耐熱性を具備することが必要とされている。そこで、実施例1及び比較例1で得られたウレタンプレポリマーの耐熱性について、耐熱接着強さ、耐熱水接着強さ及びサーマルショック接着強さを測定することにより評価した。測定方法は以下のとおりであり、評価結果については表3に示す。
<耐熱接着強さ>
上述した常態接着強さの測定と同様にして得られた試験体を、23℃、50%RHの雰囲気下で48時間養生して、60℃の雰囲気下で200時間放置した後、23℃、50%RHの雰囲気下で24時間放置後、試験体の接着面に対して垂直方向に、オートグラフを用いて、3mm/minの引張速度にて測定を行い、試験体が破断したときの強度から接着強さを求めた。
[評価基準]
○:接着強さが0.8N/mm以上
×:接着強さが0.8N/mm未満
<耐熱水接着強さ>
上述した常態接着強さの測定と同様にして得られた試験体を、23℃、50%RHの雰囲気下で48時間養生して、60℃の水中に200時間浸漬し、次いで、23℃の水中に24時間放置後、直ちに試験体の接着面に対して垂直方向に、オートグラフを用いて、3mm/minの引張速度にて測定を行い、試験体が破断したときの強度から接着強さを求めた。
[評価基準]
○:接着強さが0.5N/mm以上
×:接着強さが0.5N/mm未満
<サーマルショック接着強さ>
上述した常態接着強さの測定と同様にして得られた試験体を、23℃、50%RHの雰囲気下で48時間養生後、−20℃雰囲気下で1時間放置後、80℃の雰囲気下で1時間を放置するという工程を1サイクルとし、20サイクル行った(−20℃から80℃へは5℃/minで昇温させ、80℃から−20℃へは2℃/minで降温させた)。その後、23℃、50%RHの雰囲気下で24時間放置後、試験体の接着面に対して垂直方向に、オートグラフを用いて、3mm/minの引張速度にて測定を行い、試験体が破断したときの強度から接着強さを求めた。
[評価基準]
○:接着強さが0.8N/mm以上
×:接着強さが0.8N/mm未満
なお、耐熱性については、上記試験材2を用いて評価を行った。
Figure 2006160921
表3に示すように、実施例1は、いずれの試験に対しても優れた接着強さを示しており、耐熱性にも優れていることが確認された。一方、比較例1は、実施例1に比べてもともとの接着性が劣っていたこともあり、耐熱性にも劣っていた。

Claims (4)

  1. 少なくとも(A)融点が45℃以上のポリエステルポリオール、(B)融点が45℃未満のポリエステルポリオール及び(C)ポリオレフィンポリオールの三成分のポリオールとポリイソシアネートを反応させて得られる末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有するウレタン樹脂組成物。
  2. 前記ポリオール(A)100重量部に対して、前記ポリオール(B)が20〜300重量部の割合で、ポリイソシアネートと反応させて得られる末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する請求項1に記載のウレタン樹脂組成物。
  3. 前記ポリオール(A)100重量部に対して、前記ポリオール(C)が20〜300重量部の割合で、ポリイソシアネートと反応させて得られる末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する請求項1又は2に記載のウレタン樹脂組成物。
  4. 前記ウレタンプレポリマーの融点が、45〜150℃である請求項1〜3のいずれかに記載のウレタン樹脂組成物。
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