JP2000302833A - ウレタンプレポリマー湿気硬化用触媒および一液湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤組成物 - Google Patents
ウレタンプレポリマー湿気硬化用触媒および一液湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤組成物Info
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Abstract
し、かつ使用時の熱安定性においても優れた性能を示す
触媒およびそれを硬化剤として含有する一液湿気硬化型
ウレタン系ホットメルト接着剤組成物を提供すること。 【解決手段】 ジアルキルアミノ基を有しアルコール部
位の炭素数が3以上である三級アミノアルコールをイソ
シアネート末端ウレタンプレポリマー湿気硬化用触媒と
し、該触媒を含有する一液湿気硬化型ウレタン系ホット
メルト接着剤とする。
Description
端ウレタンプレポリマー湿気硬化用触媒および該触媒と
イソシアネート末端ウレタンプレポリマーの加熱混合物
からなることを特徴とする一液湿気硬化型ウレタン系ホ
ットメルト接着剤組成物に関するものであり、接着剤技
術およびウレタンプレポリマー関連技術に属するもので
ある。
ソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、空気中に存
在する水分等により、末端イソシアネート基の反応が進
行して不安定なカルバミド酸基を生成し、それはさらに
アミンと二酸化炭素に分解し、生成したアミノ基は速や
かに他のイソシアネート基と反応して、尿素結合を形成
し、またここに架橋構造を形成するという分子生長反応
により高分子化するものである。一液湿気硬化型ウレタ
ン系ホットメルト接着剤は、このイソシアネート末端ウ
レタンプレポリマーを主成分とするものであり、ウレタ
ンプレポリマーの分子生長反応に起因して、他のホット
メルト接着剤に比べ、高い接着強度および高い耐熱性を
発現するという優れたものである。
ウレタンプレポリマーの湿気硬化反応において、触媒を
反応系内に添加すると、架橋反応が促進されるため、接
着剤に応用した場合、接着剤の接着強度の立ち上がりが
短時間で進行することが明らかにされている。この触媒
(以下硬化剤ともいう)として、公知なものは、スズ化合
物(例えばジブチルスズジラウリレート)、チタン化合
物等の有機金属触媒やトリエチルアミンやトリエチレン
ジアミンなどの三級アミン化合物が挙げられる。
して用いた場合、接着剤の熱安定性が著しく損なわれ、
塗布器内で接着剤が長時間滞留しているとゲル化してし
まうことがある。すなわち、従来の湿気硬化型ウレタン
系ホットメルト接着剤用硬化剤は、湿気硬化反応性は向
上させるが、熱安定性に悪影響を及ぼすものである為、
硬化促進性および熱安定性を同時に満たす触媒の開発が
課題となっていた。
に示した問題点を改善することにあり、湿気硬化性に優
れ、短時間で高強度を発現し、かつ使用時の熱安定性に
おいても優れた性能を示す触媒およびそれを硬化剤とし
て含有する接着剤組成物を提供することにある。
に鑑み鋭意検討した結果、触媒として特定の構造を有す
る化合物を用いることにより、上記の課題を解決できる
ことを見いだし、本発明に至ったものである。
性を同時に満たす硬化触媒およびそれを含有する接着剤
組成物に関するものであり、具体的には、ジアルキルア
ミノ基を有しアルコール部位の炭素数が3以上である三
級アミノアルコールからなることを特徴とするイソシア
ネート末端ウレタンプレポリマー湿気硬化用触媒および
該触媒とイソシアネート末端ウレタンプレポリマーの加
熱混合物からなることを特徴とする一液湿気硬化型ウレ
タン系ホットメルト接着剤組成物に関するものである。
する。 〇 三級アミノアルコール 本発明における触媒のジアルキルアミノ基を有しアルコ
ール部位の炭素数が3以上である三級アミノアルコール
は、構造式で表すと以下の式(1)に示される。
上の整数であり、R1およびR2はアルキル基、R3およ
びR4は水素あるいはアルキル基を示すものであり、ア
ルキル基としては炭素数1〜3の低級アルキル基が好ま
しい。アルコール部位の炭素数は3以上であるが、炭素
数が余りに大きいと、当該化合物が固体状となり融点が
高くホットメルト接着剤の硬化剤としては使用し難くな
るので18以下であるのが好ましい。また、アルコール
部位の炭素鎖が直鎖状の場合は、炭素数が5以上、即ち
nが5以上であるのが好ましい。さらに直鎖状の場合も
分岐状の場合もnは8以下であるのが好ましい。
体例としては、例えば、3-(ジメチルアミノ)-1-プロパ
ノール、3-(ジメチルアミノ)-2-メチル-1-プロパノー
ル、3-(ジメチルアミノ)-2,2-ジメチル-1-プロパノー
ル、3-(ジエチルアミノ)-1-プロパノール、3-(ジプロピ
ルアミノ)-1-プロパノール、4-(ジメチルアミノ)-1-ブ
タノール、4-(ジメチルアミノ)-2-ブタノール、4-(ジメ
チルアミノ)-2-メチル-2-ブタノール、4-(ジメチルアミ
ノ)-2,2-ジメチル-1-ブタノール、5-(ジメチルアミノ)-
1-ペンタノール、6-(ジメチルアミノ)-1-ヘキサノー
ル、8-(ジメチルアミノ)-1-オクタノールなどが挙げら
れるが、この限りでは無い。
タン系ホットメルト接着剤組成物に硬化剤として配合さ
れて使用されるものであり、その際の配合量はホットメ
ルト樹脂全体の50〜2000ppmが好ましく、100
〜1000ppm配合するのがより好ましい。配合量が5
0ppm以下では、硬化促進効果が不十分であり、また2
000ppm以上では、組成物の熱安定性を損ない、加熱
された塗布器内でゲル化するおそれがある。
着剤 一液硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤は、前記した
様に末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリ
マーを主成分とする公知のものであり、本発明の触媒
は、それら公知の一液硬化型ウレタン系ホットメルト接
着剤の硬化剤として好適に使用されるものである。本発
明の触媒が適用される末端にイソシアネート基を有する
ウレタンプレポリマーとしては、分子内に2個以上の水
酸基を有するポリオール1種以上と分子内に2個以上の
イソシアネート基を有するポリイソシアネート1種以上
との反応生成物などが挙げられる。当該ウレタンプレポ
リマーは接着剤組成物において単独でまたは2種以上併
用されて使用される。ウレタンプレポリマーの原料とし
て使用されるポリオールは、分子内に2個以上の水酸基
を有するもので、従来より公知のものが使用可能であ
り、具体例を以下に示す。 ・ ポリエステルポリオール 1種以上のポリカルボン酸と1種以上のポリオールとを
ランダム共縮重合させて得られるものであり、ポリカル
ボン酸としてはコハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、ス
ベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、
アイコサン二酸、ε-カプロラクトン、テレフタル酸、
イソフタル酸、無水フタル酸、2,6-ナフタレンジカルボ
ン酸、トリメリット酸、パラオキシ安息香酸などが挙げ
られるが、これらに限られるものでく、分子内に2個以
上の基−COOHを有するものであれば良い。また、ポ
リオールはエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-
ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4-シ
クロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール、1,2,6-ヘキサントリオールなど
が挙げられるが、これらに限られるものでく、分子内に
2個以上の基−OHを有するものが用いられる。 ・ ポリエーテルポリオール ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリテトラメチレングリコール、ポリカプロラクトンな
どのポリエーテルポリオールが挙げられるが、これらに
限られるものでく、分子内にエーテル結合を1個以上有
するポリエーテルポリオールが用いられる。 ・ ポリオレフィンポリオール 水素化ポリブタジエンポリオール、水素化ポリイソプレ
ンポリオールなどのポリアルキレンポリオールの水素化
物およびα-オレフィンの共重合物などポリオレフィン
ポリオールが挙げられる。 ・ その他のポリオール ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール
等のポリアルキレンポリオールおよびポリカーボネート
ポリオールが挙げられるがこれらに限られるものではな
い。
れる分子内に2個以上のイソシアネート基を有するポリ
イソシアネートとしては、従来より公知のものが使用可
能である。具体例を以下に示す。p-フェニレンジイソシ
アネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、
トリレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニレンジイソ
シアネート、1,5-オクチレンジイソシアネート、トリメ
チレンジイソシアネート、テトラメチレンジイネシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレ
ンジイソシアネート、1,3-シクロペンタンジイソシアネ
ート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4'-メ
チレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル2,
4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル2,6-シクロ
ヘキサンジイソシアネート、1,4-ビス(イソシアネート
メチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(イソシアネートメチ
ル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネートおよ
びカルボジイミド変性4,4'-ジフェニルメタンジイソシ
アネートなどが挙げられる。
は、それを製造する際のポリオールに対するポリイソシ
アネートの量が、基−NCO/基−OHの当量比で1〜
5となるような範囲のものが好ましく、より好ましくは
1.2〜3の範囲のものである。
ト接着剤は、ウレタンプレポリマーと上述の触媒を加熱
撹拌して得られる。この場合の加熱温度としては70〜
100℃が好ましく、加熱時間は0.5〜3時間程度で
良い。なお、ウレタンプレポリマー調製時、すなわちポ
リオールとポリイソシアネートとの反応時に、上述の触
媒を添加することは、触媒が直接ウレタンプレポリマー
の原料であるイソシアネートと反応するためと思われる
が、触媒としての性能が低下するので避けるのが望まし
い。また、本発明の接着剤組成物には、要望される特性
に応じて、熱可塑性ポリマー、粘着付与剤(例えば、ロ
ジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂)、充填剤(例
えば炭酸カルシウム)、可塑剤(例えばメタクリル酸エス
テル重合体)、ワックス(例えばパラフィンワックス、マ
イクロクリスタリンワックス)、安定剤、酸化防止剤な
どの添加剤が併用される。
シアネート末端ウレタンプレポリマー100重量部に対
して、熱可塑性ポリマーを0〜40重量部、粘着性付与
剤を0〜100重量部、可塑剤を0〜30重量部、充填
剤を0〜70重量部が好ましい。通常配合は、配合物を
全て一括混合するが、ポットライフや作業効率上2分割
以上に分割して調整し、塗布直前に混合機を用いて混合
しても良い。接着剤の混合調製は、これらの原料を予
め、加熱真空乾燥等の方法により、脱水、脱湿した後、
加熱可能な通常の攪拌機から成る混合機、プラネタリ
ー、およびニーダーなどを用いて、80〜150℃で
0.5〜3時間程度、乾燥窒素ガスをパージするなどの
方法で、湿気を含んだ外気を遮断して混合することによ
り行われる。
基を有しているので、イソシアネート末端ウレタンプレ
ポリマーに加熱混合されると、ウレタンプレポリマーの
末端イソシアネート基と容易に反応し、末端に三級アミ
ノ基を有するウレタンプレポリマーを生成し、該ウレタ
ンプレポリマーがウレタン硬化触媒として機能すること
により、本発明の優れた効果が奏されるものと思われ
る。この効果は、アルコール部位の炭素数が3以上であ
る三級アミノアルコールで始めて認められるものであ
り、炭素数が2以下の場合、具体的には2−ジメチルア
ミノエタノール等の場合、硬化促進性は見られるものの
熱安定性に欠け、粘度上昇を押さえることができない。
また、アルコール部位の炭素鎖が直鎖状の場合で炭素数
が3または4のものも、効果は認められるが、上記した
様にかならずしも優れたものではない。
ールを主成分とするポリエステルポリオール(水酸基価
56)83重量部と4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネ
ート17重量部とを混合撹拌しながら、窒素雰囲気下で
80℃2時間反応させた後、硬化剤としてジメチルアミ
ノヘキサノールを500ppm加えたのち、さらに2時間
加熱してイソシアネート末端ウレタンプレポリマーを主
成分とする接着剤組成物を得た。得られたプレポリマー
は、融点51℃で赤外分光分析で2267cm-1、173
7cm-1に特性ピークを有するものであった。
-メチル-1-プロパノール500ppmを用いる以外は実施
例1と同様にして接着剤組成物を得た。
2,2-ジメチル-1-プロパノール500ppmを用いる以外は
実施例1と同様にして接着剤組成物を得た。
オールを主成分とするポリエステルポリオール(水酸基
価33)88重量部と4,4'-ジフェニルメタンジイソシア
ネート12重量部とを混合撹拌しながら、窒素雰囲気下
で80℃2時間反応させた後、硬化剤としてジメチルア
ミノヘキサノール100ppm加えたのち、さらに2時間
加熱して接着剤組成物を得た。得られたプレポリマー
は、融点54℃で赤外分光分析で2272cm-1、173
0cm-1に特性ピークを有するものであった。
は、実施例1と同様にして接着剤組成物を得た。(比較
例2)硬化剤にジブチルスズジラウリレート(DBTL)
50ppmを用いる以外は、実施例1と同様にして接着剤
組成物を得た。(比較例3)硬化剤にジメチルアミノエ
タノール500ppmを用いる以外は、実施例1と同様に
して接着剤組成物を得た。
および接着を行い(接着面積25mm×12.5mm)、接着
サンプルを30℃65%RHに所定時間養生して、引張
り剪断接着強さを測定し、養生時間と強度の相関を調べ
た。引張り剪断接着強さの測定は、JIS−K6850
に準拠して行った。 熱安定性の評価 各接着剤組成物をφ18mmの試験管に液深が5cmになる
迄入れ、120℃一定で加熱溶融した状態でBM型粘度
計のローターを接着剤中で回転させながら、溶融粘度の
経時変化を追跡した。
着剤組成物は湿気硬化性および熱安定性共に十分な特性
を示すのに対し、比較例1の接着剤組成物は硬化促進性
に欠け、また比較例2、3の接着剤組成物は熱安定性に
問題があることがわかる。
するウレタンプレポリマーを主成分とする一液湿気硬化
型ポリウレタン系ホットメルト接着剤の湿気硬化性と熱
安定性を著しく改良したものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 ジアルキルアミノ基を有しアルコール部
位の炭素数が3以上である三級アミノアルコールからな
ることを特徴とするイソシアネート末端ウレタンプレポ
リマー湿気硬化用触媒。 - 【請求項2】 イソシアネート末端ウレタンプレポリマ
ーと請求項1記載の触媒の加熱混合物からなることを特
徴とする一液湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤
組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11110308A JP2000302833A (ja) | 1999-04-19 | 1999-04-19 | ウレタンプレポリマー湿気硬化用触媒および一液湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11110308A JP2000302833A (ja) | 1999-04-19 | 1999-04-19 | ウレタンプレポリマー湿気硬化用触媒および一液湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000302833A true JP2000302833A (ja) | 2000-10-31 |
Family
ID=14532425
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11110308A Pending JP2000302833A (ja) | 1999-04-19 | 1999-04-19 | ウレタンプレポリマー湿気硬化用触媒および一液湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000302833A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006160921A (ja) * | 2004-12-08 | 2006-06-22 | Toyo Polymer Co Ltd | ウレタン樹脂組成物 |
WO2014017641A1 (ja) * | 2012-07-26 | 2014-01-30 | 東ソー株式会社 | ポリイソシアネート化合物硬化用アミン触媒、及びそのアミン触媒を含有するポリイソシアネート接着剤組成物 |
-
1999
- 1999-04-19 JP JP11110308A patent/JP2000302833A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006160921A (ja) * | 2004-12-08 | 2006-06-22 | Toyo Polymer Co Ltd | ウレタン樹脂組成物 |
WO2014017641A1 (ja) * | 2012-07-26 | 2014-01-30 | 東ソー株式会社 | ポリイソシアネート化合物硬化用アミン触媒、及びそのアミン触媒を含有するポリイソシアネート接着剤組成物 |
US9777199B2 (en) | 2012-07-26 | 2017-10-03 | Tosoh Corporation | Amine catalyst for curing polyisocyanate compound and polyisocyanate adhesive composition containing amine catalyst for curing polyisocyanate compound |
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