JP2006160778A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 カメラ用ケーブルや医療等ケーブルなどの被覆材料として好適な、柔軟性、機械物性、難燃性、加工性等のバランスに優れた難燃材料を提供する。
【解決手段】 不飽和エステル単位含有量が30重量%を超え50重量%以下、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(JIS K7210−1999)が0.01〜50g/10分のエチレン・不飽和エステル共重合体(A)60〜90重量部とポリリン酸アンモニウム(B)40〜10重量部((A)及び(B)の合計が100重量部)とが溶融混練されてなる、硬度(JIS K7215−1986)がデュロメーターAタイプで80以下である難燃性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、エチレン・不飽和エステル共重合体をベースポリマーとする柔軟性、機械物性、難燃性のバランスに優れた難燃性樹脂組成物に関する。とりわけ電気・通信ケーブルの中でも高柔軟性が要求されるカメラ用ケーブルや医療用ケーブルにおける被覆材料として好適な難燃性樹脂組成物に関する。
エチレン系共重合体の中でも、エチレン・ビニルエステル共重合体やエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体は、フィラーの充填性が良好であるところから、これに金属水酸化物難燃剤、とくに水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムを配合した難燃性樹脂組成物は、電線や通信線の難燃被覆材料あるいは難燃性の建築用材料として広く使用されている。かかる難燃性樹脂組成物においては、充分な難燃効果を得るためには、金属水酸化物難燃剤を樹脂組成物全体の50重量%以上配合する必要があるため、加工性が損なわれると共に、エチレン・不飽和エステル共重合体が有する柔軟性や機械物性の低下が否めない状況にある。また焼却時に多量の配分が発生するため、放射性物質を取り扱う場所における建築工事用シートとして用いると、灰分の処理が煩雑になるという難点がある。
このため極性基を持つ単量体5〜30重量%を含有するエチレン系共重合体100重量部にリン酸塩系化合物30〜200重量部を配合した190℃におけるメルトフローレートが0.1〜10g/10分の組成物からなる難燃性のフィルム又はシートが提案されている(特許文献1)。この提案によれば、燃焼時の灰分量が少なく、建築工事用シートに適した柔軟性を有するフィルム又はシートが得られることが記載されている。またこの提案において、極性基を持つ単量体の含有量が30重量%以上のエチレン系共重合体を使用すると、加工性が著しく低下するため好ましくない旨説明されている。
また電線被覆分野においては、被覆層を2層構造とし、内層として金属水酸化物の配合量が比較的少ないポリオレフィン系樹脂層とし、外層にポリリン酸アンモニウム系難燃剤を配合したポリオレフィン系樹脂層とした、可撓性、機械特性、耐熱性などのバランスが取れた絶縁電線が提案されている(特許文献2)。
特開2000−53836号公報 特開平11−140242号公報
上記のような建築用シートや汎用の絶縁電線とは異なり、カメラ用ケーブルや医療等ケーブルなどの分野においては高い柔軟性が要求されるため、その被覆材料としてより高い柔軟性と共に、機械物性、難燃性、加工性等のバランスに優れた難燃材料が求められており、上記提案において具体的に開示されている難燃材料ではこの要求を満たすものではなかった。したがって本発明の目的は、カメラ用ケーブルや医療等ケーブルなどの被覆材料として好適な、柔軟性、機械物性、難燃性、加工性等のバランスに優れた難燃材料を提供することにある。
すなわち本発明は、ビニルエステル単位含有量が30重量%を超え50重量%以下、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(JIS K7210−1999、以下同じ)が0.01〜50g/10分のエチレン・ビニルエステル共重合体(A1)及び不飽和カルボン酸エステル単位含有量が30重量%を超え50重量%以下、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.01〜50g/10分のエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体(A2)から選ばれる少なくとも1種のエチレン系共重合体(A)60〜90重量部とポリリン酸アンモニウム(B)40〜10重量部((A)及び(B)の合計が100重量部)とが溶融混練されてなる、硬度(JIS K7215−1986)がデュロメーターAタイプで80以下である難燃性樹脂組成物に関する。上記エチレン・ビニルエステル共重合体(A1)としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体が好ましく、またエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体(A2)としては、エチレン・アクリル酸エチル共重合体を使用するのが好ましい。
本発明によれば、柔軟でしかも機械物性、難燃性に優れた樹脂組成物を提供することができる。このような難燃性樹脂組成物は、カメラ用ケーブルや医療等ケーブルの被覆材料として好適に使用することができる。
本発明においては、ビニルエステル単位含有量が30重量%を超え50重量%以下、好ましくは31〜46重量%、一層好ましくは32〜42重量%であって、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.01〜50g/10分、好ましくは0.05〜30g/10分、一層好ましくは0.1〜5g/10分のエチレン・ビニルエステル共重合体(A1)あるいは不飽和カルボン酸エステル単位含有量が30重量%を超え50重量%以下、好ましくは31〜46重量%、一層好ましくは32〜42重量%であって、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.01〜50g/10分、好ましくは0.05〜30g/10分、一層好ましくは0.1〜5g/10分のエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体(A2)から選ばれる少なくとも一種のエチレン系共重合体(A)がベースポリマーとして用いられる。すなわちビニルエステルや不飽和カルボン酸エステルなどの共重合成分単位が上記範囲にあり、かつメルトフローレートが上記範囲にあるエチレン系共重合体を使用することにより、難燃性、機械物性、柔軟性及び加工性のバランスの取れた難燃性樹脂組成物を得ることができる。
上記エチレン・ビニルエステル共重合体(A1)におけるビニルエステルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどを例示することができるが、とくに酢酸ビニルが好ましい。またエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体(A2)における不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−メトキシエチルのようなアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチルのようなメタクリル酸エステル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどのマレイン酸エステルなどの不飽和カルボン酸エステルとの共重合体を例示することができるが、とくにアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜4のアルキルエステルが好ましく、とりわけアクリル酸エチルが好ましい。
本発明においては、難燃剤としてポリリン酸アンモニウム(B)が使用される。ポリリン酸アンモニウムは、式(NH)n+23n+1(n≧2)で示されるものであって、ベースポリマーに対する相溶性を考慮すると、nが20〜1000程度のものが好ましい。このようなポリリン酸アンモニウムとして、エキソリット(Exolit)422、エキソリット700、スミセーフP(住友化学工業社製)、フォスチェック(Phos−check)P/30、フォスチェックP/40などの商品名の市販品を使用することができる。またポリリン酸アンモニウムは、加水分解を受け易いためその改良のために、あるいは難燃性や分散性を向上させるために、これを熱硬化性樹脂で被覆したもの、マイクロカプセル化したものあるいはメラミンモノマーや他の窒素化合物で被覆したもの、窒素含有化合物を共重合したものなどが知られており、例えばエキソリット462(ヘキスト社製)、スミセーフPM(住友化学工業社製)、テラージュ(TERRAJU)C60(チッソ社製)、テラージュC80(チッソ社製)、エキソリットAP750(クラリアント社製)などの商品名の市販品を使用することができる。
エチレン系共重合体(A)とポリリン酸アンモニウム(B)の配合割合は、両者の合計を100重量部とするときに、(A)が60〜90重量部、好ましくは65〜85重量部、さらに好ましくは70〜80重量部に対し、(B)が40〜10重量部、好ましくは35〜15重量部、さらに好ましくは30〜20重量部となる割合で、かつ溶融混合によって得られる難燃性樹脂組成物の硬度(JIS K7215−1986)がデュロメーターAタイプで80以下、好ましくは60〜80となるように配合される。このような配合割合とすることにより、柔軟性、難燃性、機械物性及び加工性のバランスが取れた樹脂組成物を得ることができる。
本発明においては、上記難燃性樹脂組成物の他の性質を大きく損なうことなく耐傷付き性を改良するために、アクリル変性ポリオルガノシロキサン(C)を、上記(A)と(B)の合計100重量部当たり、0.01〜10重量部、好ましくは1〜7重量部、さらに好ましくは2〜5重量部配合するのが有効である。
上記アクリル変性ポリオルガノシロキサン(C)としては、例えば下記一般式
Figure 2006160778
[式中、R、R及びRは、それぞれ独立に炭化水素基、Yは、ラジカル反応性基又は−SH基を持つ有機基、X及びXは、それぞれ独立に水素原子、低級アルキル基又は−SiR(R、R及びRは、それぞれ独立に炭化水素基、ラジカル反応性基又は−SH基を持つ有機基)で示される基を表し、mは10,000以下の整数、nは1以上の整数であり、シロキサン鎖には分岐があってもよい]で示されるポリオルガノシロキサン(C1)に、(メタ)アクリル酸エステル(C2)又は(メタ)アクリル酸エステル(C2)70重量%以上と共重合可能な他の単量体(C3)30重量%以下の混合物を重量比5/95〜95/5の割合でグラフト共重合してなるものが挙げられる。
上記式中、R、R及びRは、それぞれ独立に炭化水素基であり、ハロゲンのような置換基を有することができる。より具体的には、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、イソブチル、n−ブチルなどのアルキル基、フェニル、トリル、キシリル、ナフチルなどのアリール基、あるいはこれらの基における水素原子の1個以上がハロゲンで置換したハロゲン置換体などを例示することができる。
上記式中、Yは、ラジカル反応性基又は−SH基を持つ有機基であって、具体的にはビニル、アリル、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタクリロキシプロピルなどのラジカル反応性基やγ−メルカプトプロピルなどの−SH基を持つ有機基を例示することができる。また上記式中、X及びXは、それぞれ独立に水素原子、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、イソブチル、n−ブチルなどの低級アルキル基又は−SiRで示される基である。ここにR、R及びRは、それぞれ独立にR、R及びRで示したようなハロゲンで置換されていてもよい炭化水素基、Yで示したようなラジカル反応性基又は−SH基を持つ有機基を表す。
上記式中、mは10,000以下の整数、好ましくは500〜8000、nは1以上の整数で、好ましくは1〜500ある。またm個の重合単位におけるR,R、n個の重合単位におけるR、Yはそれぞれ同一でも異なるものであってもよい。上記式のポリオルガノシロキサンには若干の分岐があってもよい。
上記アクリル変性ポリオルガノシロキサン(C)は、上記ポリオルガノシロキサン(C1)に、(メタ)アクリル酸エステル(C2)又は(メタ)アクリル酸エステル(C2)70重量%以上と共重合可能な他の単量体(C3)30重量%以下との混合物を、重量比5/95〜95/5の割合でグラフト共重合させることによって得ることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステル(C2)としては、アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステル、アルコキシアルキルエステルなどであり、具体的にはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−メトキシエチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸nへキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−ラウリル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−エトキシエチルなどのメタクリル酸エステルを例示することができる。これらは1種又は2種以上組合せて使用することができる。これらの中ではとくにメタクリル酸メチルを少なくとも一成分として使用することが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル(C2)と共重合可能な他の単量体(C3)としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンのようなスチレン系化合物、アクリロニトリルやメタクリロニトリルのような不飽和ニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン化オレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどの不飽和アミド、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸のような不飽和カルボン酸等の二重結合を1個有する単量体の他にエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の多不飽和単量体を代表例として挙げることができる。これらは2種以上使用することができる。
アクリル変性ポリオルガノシロキサン(C)は、上記のようにして得られるポリオルガノシロキサン(C1)の乳化液に、(メタ)アクリル酸エステル(C2)又は(メタ)アクリル酸エステル(C2)と共重合可能な他の単量体(C3)との混合物を加え、ラジカル開始剤の存在下でグラフト共重合することによって得ることができる。ラジカル開始剤としては、過硫酸塩や有機過酸化物のような通常の乳化重合用のものを使用することができる。ポリオルガノシロキサン(C1)と(メタ)アクリル酸エステル(C2)又は(メタ)アクリル酸エステル(C2)と共重合可能な他の単量体(C3)との混合物の使用比率は、(C1)/[(C2)+(C3)](重量比)で5/95〜95/5、好ましくは40/60〜80/20の範囲である。重合終了後は、塩析、凝固させることによってアクリル変性ポリオルガノシロキサン(C)を分離、回収することができる。
本発明の難燃性樹脂組成物には、ポリリン酸アンモニウムの難燃性と柔軟性を損なわない範囲において他の難燃剤を添加してもよい。このような難燃剤として、例えば水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪酸金属塩、ホウ酸金属塩、シリカ、アルミナ、タルク、クレー、ゼオライト、カーボンブラックなどが挙げられる。これら難燃剤の表面には、分散性アップや安全性を考慮して、高級脂肪酸、リン酸エステル、各種シランカップリング剤、金属塩、シリコンポリマー等がコーティングされていてもよく、また表面処理剤の異なる2種以上の難燃剤を使用してもよい。これら他の難燃剤を添加する場合には、ポリリン酸アンモニウムの添加量と同量以下とするのが好ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において、他の重合体や添加剤を配合することができる。このような他の重合体としては剛直でないものが好ましく、例えば直鎖低密度ポリエチレン、低結晶性エチレン・α−オレフィン共重合体などの樹脂状エチレン系重合体、プロピレン・エチレン・α−オレフィン3元共重合体のようなプロピレン系重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマーやSEBSで代表されるスチレン系熱可塑性エラストマー、EPRやEPDMのようなエチレン系共重合ゴムや商品名ベイマックで代表されるアクリルゴムなどのゴムを例示することができる。これら重合体はいかなる方法で製造されたものでもよく、また酸無水物や珪素化合物などで変性されたものであってもよい。
また任意に配合可能な添加剤としては、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、滑剤、ブロッキング防止剤、発泡剤、発泡助剤、架橋剤、架橋助剤、無機充填剤などを例示することができる。
本発明の難燃性樹脂組成物は、エチレン系共重合体(A)、ポリリン酸アンモニウム(B)、任意に配合されるアクリル変性ポリオルガノシロキサン(C)、他の難燃剤、他の重合体や添加剤などを、一括して、あるいは逐次的に加熱溶融混練することによって得ることができる。溶融混練する際には、ロール、単軸押出機、二軸押出機、加圧ニーダー、バンバリーミキサーなどの装置を使用することができる。得られた難燃性樹脂組成物は、種々の方法によって各種製品に成形することができる。例えば電線やケーブルに押し出し被覆することによって、難燃電線あるいは難燃ケーブルを得ることができる。このような成形に際し、あるいは成形後に、耐熱性、その他物性を改良する目的で、難燃性樹脂組成物層を有機過酸化物や電子線照射によって架橋することができる。有機過酸化物で架橋する場合には、樹脂組成物中の重合体成分100重量部当たり、有機過酸化物を0.005〜3重量部程度配合しておき、成形と同時に架橋するのがよい。また電子線照射により架橋する場合は、成形物に1〜30Mrad程度の線量を照射することによって行うのがよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。尚、実施例及び比較例において用いた原料及び得られた樹脂組成物の物性評価方法は次の通りである。
1.原料
(1)エチレン・酢酸ビニル共重合体
(イ)EVA−1:酢酸ビニル含量17重量%、メルトフローレート0.8g/10分のエチレン・酢酸ビニル共重合体
(ロ)EVA−2:酢酸ビニル含量28重量%、メルトフローレート1.0g/10分のエチレン・酢酸ビニル共重合体
(ハ)EVA−3:酢酸ビニル含量33重量%、メルトフローレート0.2g/10分のエチレン・酢酸ビニル共重合体
(ニ)EVA−4:酢酸ビニル含量41重量%、メルトフローレート2.0g/10分のエチレン・酢酸ビニル共重合体
(2)ポリリン酸アンモニウム(APP)
商品名:Exolit AP750(クラリアント社製)
(3)アクリル変性ポリオルガノシロキサン(Si−A)
商品名:シャリーヌR−170S(日進化学工業社製)
(4)水酸化マグネシウム(水酸化Mg)
商品名:キスマ5A(協和化学工業社製)
(5)酸化防止剤
商品名:イルガノックス1010(チバスペシャルティケミカル社製)
2.物性評価方法
(1)引張試験
JIS K6301(3号ダンベル、1mm厚、引張速度200mm/分)に従って引張強さと伸びを測定した。
(2)硬度
JIS K7215(デュロメータ Aタイプ、東洋精機社製)に従って、硬度を測定した。
(3)燃焼性
UL94V耐炎性試験規格に記載された評価方法に従った(スガ試験機社製)。尚、試料片の厚みは1mmとした。
[実施例1〜3、比較例1〜3]
表1に示す原料を、表1に示す割合で加圧ニーダーに投入し、樹脂温度150℃で20分間混練した後、150℃においてロールでシーティングした。次いで熱板温度160℃に設定したプレス成形機にて、圧力100kg/cm(ゲージ圧)の条件で10分間プレス成形し、所定のプレスシートを作成した。得られたプレスシートを前記評価方法にしたがって評価した。結果を表1に示す。
Figure 2006160778

Claims (4)

  1. ビニルエステル単位含有量が30重量%を超え50重量%以下、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(JIS K7210−1999)が0.01〜50g/10分のエチレン・ビニルエステル共重合体(A1)及び不飽和カルボン酸エステル単位含有量が30重量%を超え50重量%以下、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(JIS K7210−1999)が0.01〜50g/10分のエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体(A2)から選ばれる少なくとも1種のエチレン系共重合体(A)60〜90重量部とポリリン酸アンモニウム(B)40〜10重量部((A)及び(B)の合計が100重量部)とが溶融混練されてなる、硬度(JIS K7215−1986)がデュロメーターAタイプで80以下である難燃性樹脂組成物。
  2. エチレン・ビニルエステル共重合体(A1)が、エチレン・酢酸ビニル共重合体である請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  3. エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体(A2)が、エチレン・アクリル酸エチル共重合体である請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  4. (A)及び(B)の合計100重量部に対し、アクリル変性ポリオルガノシロキサン(C)が0.01〜10重量部の割合で配合されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
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