JP2007112992A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】難燃性の要求レベルが高い場合であっても、エチレン系共重合体が本来的に有する諸物性を実質的に損なうことなく、求められるレベルの難燃性を付与することのできる難燃性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】エチレン系共重合体に、特定のアイオノマー樹脂と特定のオレフィン系ワックスを特定量配合する。具体的には、特定の中和度、特定のメルトフローレートを有する、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のマグネシウムアイオノマー(A−1)0.1〜50質量部と、特定のメルトフローレートを有するエチレン系共重合体(A−2)50〜99.9質量部と、(A−1)と(A−2)との合計量100質量部に対して、特定の粘度平均分子量、特定密度、特定融点を有するオレフィン系ワックス(B)0.01〜10質量部と、金属水和物(C)20〜300質量部と、を含む樹脂組成物とする。
【選択図】なし
【解決手段】エチレン系共重合体に、特定のアイオノマー樹脂と特定のオレフィン系ワックスを特定量配合する。具体的には、特定の中和度、特定のメルトフローレートを有する、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のマグネシウムアイオノマー(A−1)0.1〜50質量部と、特定のメルトフローレートを有するエチレン系共重合体(A−2)50〜99.9質量部と、(A−1)と(A−2)との合計量100質量部に対して、特定の粘度平均分子量、特定密度、特定融点を有するオレフィン系ワックス(B)0.01〜10質量部と、金属水和物(C)20〜300質量部と、を含む樹脂組成物とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、エチレン系共重合体をベースとした難燃性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、エチレン系共重合体が本来的に有する諸物性を実質的に損なうことなく、優れた難燃性が付与された難燃性樹脂組成物に関する。
最近の環境問題におけるノンハロゲン化の要請に伴い、電線や通信線等の難燃被覆材あるいは難燃性建築材料等の用途分野においては、塩化ビニル系樹脂等のハロゲン含有樹脂から、オレフィン系樹脂をベースとした難燃性樹脂組成物へと材料の代替が進んでいる。また、オレフィン系樹脂に難燃性を付与する難燃剤としても、ノンハロゲン化の実現を目的として、例えば、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の金属水和物が用いられるようになった。
しかしながら、エチレン系共重合体に高度な難燃性を付与するためには、難燃剤となる金属水和物を、ある程度の必要量まで配合する必要がある。このため、金属水和物の分散性が悪い場合には、難燃性付与の代償として、エチレン系共重合体が本来有する加工性や機械物性等の優れた特性を維持することが困難であった。
そこで、無機系難燃剤成分との相互作用が良好である点から、難燃性樹脂組成物のベースとなるオレフィン系樹脂として、エチレン・ビニルエステル共重合体やエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体と、オレフィン系アイオノマーと、を含むエチレン系共重合体組成物が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1に開示されたエチレン系共重合体組成物においては、エチレン・ビニルエステル共重合体やエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体成分は、加工性、可撓性、機械的強度を高める役割を有し、オレフィン系アイオノマー成分は、高度の難燃化を付与するために多量の無機系難燃剤成分を配合した場合であっても、機械的強度を低下させることなく、可撓性、耐衝撃性等を高める役割を有し、結果として難燃効果を高めることができる。
特開平7−018131号公報
しかしながら、求められる難燃性のレベルは、更に高度なものとなっており、特許文献1に記載の組成物では、難燃性の要求レベルが高い場合にあっては、その難燃性レベルは未だ満足できるものではなかった。また、特許文献1の共重合体組成物によれば、ある程度までの物性を向上させることはできるものの、用いられるエチレン系共重合体が本来的に有している諸物性を実質的に損なうことなく維持することは未だ困難であった。これは、無機系難燃剤成分の分散性が、要求物性を満足させるまでには達していないことに起因する。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、難燃性の要求レベルが高い場合であっても、エチレン系共重合体が本来的に有する諸物性を実質的に損なうことなく、求められるレベルの難燃性を付与することのできる難燃性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため、難燃剤の分散性の向上に着目して鋭意研究を重ねた。その結果、エチレン系共重合体に、特定のアイオノマー樹脂と特定のオレフィン系ワックスを特定量配合することにより、高度な難燃性を付与しつつ、エチレン系共重合体が本来的に有していた諸物性を実質的に損なうことなく維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 中和度が5〜60モル%、メルトフローレート(JIS K7210−1999、190℃、2160g荷重)が0.1〜100g/10分である、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のマグネシウムアイオノマー(A−1)0.1〜50質量部と、メルトフローレート(JIS K7210−1999、190℃、2160g荷重)が0.01〜25g/10分であるエチレン系共重合体(A−2)50〜99.9質量部と、前記マグネシウムアイオノマー(A−1)と前記エチレン系共重合体(A−2)との合計量100質量部に対して、粘度平均分子量が30,000以下、密度が880〜980kg/m3、融点が60〜160℃であるオレフィン系ワックス(B)0.01〜10質量部と、金属水和物(C)20〜300質量部と、を含む難燃性樹脂組成物。
(1)の難燃性樹脂組成物において、マグネシウムアイオノマー(A−1)は、高度の難燃化を付与するために多量の金属水和物(C)を配合した場合であっても、エチレン系共重合体(A−2)が本来的に有している機械的強度を低下させることなく、可撓性、耐衝撃性等を維持する役割を果たす。また、オレフィン系ワックス(B)は、難燃性組成物における金属水和物(C)の分散性を高める働きを持つ成分である。
したがって、(1)の難燃性樹脂組成物によれば、高度な難燃性を付与しつつ、エチレン系共重合体が本来的に有している加工性、可撓性、機械的特性等の優れた諸物性を実質的に損なうことなく維持することができる。また、(1)の難燃性樹脂組成物によれば、その表面が肌荒れすることなく、良好な外観を有する成形品を得ることができる。
マグネシウムアイオノマー(A−1)の中和度は、通常5〜60モル%、好ましくは10〜60モル%、特に好ましくは20〜60モル%である。マグネシウムアイオノマーの中和度が5モル%より小さい場合には、高度の難燃性を有する樹脂組成物を得ることが難しい。一方で、中和度が60モル%より大きい場合には、加工性に優れた樹脂組成物を得ることが難しい。
マグネシウムアイオノマー(A−1)のJIS K7210−1999、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートは、通常0.1〜100g/10分、好ましくは0.1〜50g/10分、特に好ましくは0.1〜25g/10分である。マグネシウムアイオノマー(A−1)として、0.1〜100g/10分の範囲のメルトフローレートを有するものを使用することにより、加工性、難燃性、機械的特性に優れた樹脂組成物を得ることができる。
また、マグネシウムアイオノマーの代わりにエチレン・不飽和カルボン酸共重合体や他の金属イオンを用いたアイオノマーを使用した場合には、高度の難燃性を有する樹脂組成物を得ることが困難となる。
エチレン系共重合体(A−2)のJIS K7210−1999、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートは、通常0.01〜25g/10分、好ましくは0.01〜10g/10分、更に好ましくは0.05〜5g/10分である。メルトフローレートが0.01〜25g/10分の範囲にあれば、難燃性、加工性、機械強度等各種の要求物性を満足させることができる。
(1)の難燃性樹脂組成物における、マグネシウムアイオノマー(A−1)とエチレン系共重合体(A−2)の組成は、両者の合計を100質量部とした場合の(A−1)/(A−2)で、通常、0.1〜50質量部/50〜99.9質量部、好ましくは、0.1〜20質量部/80〜99.9質量部、更に好ましくは、0.5〜10質量部/90〜99.5質量部である。
(A−1)/(A−2)を、0.1〜50質量部/50〜99.9質量部の配合割合とすることにより、エチレン系共重合体(A−2)の優れた特性、例えば加工性や機械特性を生かすことができると共に、これらの特性を大きく犠牲にすることなく、金属水和物(C)を多量に配合することが可能となる。その結果、エチレン系共重合体(A−2)が本来的に有している諸物性を低下させることなく、高度の難燃性を達成することができる。
(1)の難燃性樹脂組成物に用いられるオレフィン系ワックス(B)の粘度平均分子量は、通常30,000以下、好ましくは8000以下、より好ましくは1,000〜8,000である。粘度平均分子量が30,000以下にあれば、難燃性樹脂組成物におけるその他成分との相溶性に優れる。
また、オレフィン系ワックス(B)の密度は、通常880〜980kg/m3、好ましくは900〜980kg/m3である。密度が880〜980kg/m3の範囲にあれば、難燃性樹脂組成物におけるその他成分との相溶性に優れる。
また、オレフィン系ワックス(B)の融点は、通常60〜160℃、好ましくは60〜130℃である。融点が60〜160℃の範囲にあれば、燃性樹脂組成物におけるその他成分との相溶性に優れる。
(1)の難燃性樹脂組成物におけるオレフィン系ワックス(B)の配合量は、上記マグネシウムアイオノマー(A−1)とエチレン系共重合体(A−2)の合計100質量部に対して、通常0.01〜10質量部、好ましくは0.01〜5質量部、更に好ましくは0.1〜3質量部である。オレフィン系ワックス(B)の配合量が0.01〜10質量部の範囲にあると、金属水和物(C)の分散性が向上し、高度な難燃性を付与することができる。
(1)の難燃性樹脂組成物における金属水和物(C)の配合量は、上記マグネシウムアイオノマー(A−1)とエチレン系共重合体(A−2)の合計100質量部に対して、通常20〜300質量部、好ましくは50〜270質量部、更に好ましくは110〜250質量部の割合である。
金属水和物(C)の配合量は、マグネシウムアイオノマー(A−1)及びエチレン系共重合体(A−2)の種類や、これらの配合割合等によって異なるが、JIS K7210−1999、190℃、2160g荷重で測定した樹脂組成物のメルトフローレートが0.1〜300g/10分、好ましくは0.2〜100g/10分の範囲であって、UL−94準拠難燃試験でV−0相当の難燃性を示すように選択することができる。
(2) 前記マグネシウムアイオノマー(A−1)は、ベースポリマーとなるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体における不飽和カルボン酸単位の含量が、2〜30質量%である(1)記載の難燃性樹脂組成物。
(2)の難燃性樹脂組成物におけるマグネシウムアイオノマー(A−1)は、ベースポリマーとなるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体における不飽和カルボン酸単位の含量が、好ましくは2〜30質量%、更に好ましくは10〜30質量%、特に好ましくは10〜25質量%である。不飽和カルボン酸単位の含量が2〜30質量%のものを使用することにより、難燃性、機械的特性、加工性等に優れた難燃性樹脂組成物を容易に得ることができる。
(3) 前記エチレン系共重合体(A−2)は、エチレン・ビニルエステル共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種である(1)又は(2)記載の難燃性樹脂組成物。
(3)の難燃性樹脂組成物によれば、エチレン系共重合体(A−2)として、エチレン・ビニルエステル共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることにより、加工性、機械特性、フィラー充填性等を満足させることができる。これらの中では、エチレン・酢酸ビニル共重合体又はエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体が特に好ましい。
(4) 前記オレフィン系ワックス(B)は、粘度平均分子量が8,000以下、密度が880〜980kg/m3、融点が60〜130℃である(1)から(3)いずれか記載の難燃性樹脂組成物。
(4)の難燃性樹脂組成物によれば、物性の規定されたオレフィン系ワックス(B)を用いることにより、金属水和物(B)の分散性をより向上させることができる。
(5) 前記オレフィン系ワックス(B)は、ポリエチレンワックスである(1)から(4)いずれか記載の難燃性樹脂組成物。
(5)の難燃性樹脂組成物によれば、オレフィン系ワックス(B)としてポリエチレンワックスを用いることにより、組成物中の金属水和物(C)の分散性を向上させるのみならず、マグネシウムアイオノマー(A−1)とエチレン系共重合体(A−2)との相溶性に優れる。
(6) 前記オレフィン系ワックス(B)は、メタロセン系触媒によって製造されたものである(1)から(4)いずれか記載の難燃性樹脂組成物。
(6)の難燃性樹脂組成物によれば、オレフィン系ワックス(B)として、メタセン系触媒によって製造されたものを用いることにより、機械物性を向上させることができる。
(7) 前記金属水和物(C)は、水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウムである(1)から(6)いずれか記載の難燃性樹脂組成物。
(7)の難燃性樹脂組成物は、金属水和物(C)として水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウムを用いる。水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムは、市場での入手が容易であり、安全性が高い。したがって、(7)の難燃性樹脂組成物は、実現が容易である上、危険性の少ない組成物とすることができる。
(8) 前記マグネシウムアイオノマー(A−1)と前記エチレン系共重合体(A−2)との合計量100質量部に対して、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性されたオレフィン系重合体(D−1)及び不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性されたスチレン系重合体(D−2)からなる群より選ばれる少なくとも一種の変性重合(D)を、25質量部以下含む(1)から(7)いずれか記載の難燃性樹脂組成物。
(8)の難燃性樹脂組成物は、変性重合(D)を含むことにより、難燃性を一層向上させることができる。
(8)の難燃性樹脂組成物における変性樹脂(D)の配合量は、上記マグネシウムアイオノマー(A−1)とエチレン系共重合体(A−2)の合計100質量部に対して、通常25質量部以下、好ましくは0.5〜25質量部、更に好ましくは1〜10質量部である。
(9) UL94耐炎性試験準拠の垂直難燃性試験において、1mm厚の試験片でV−1相当以上の難燃性を示す(1)から(8)いずれか記載の難燃性樹脂組成物。
(9)の難燃性樹脂組成物は、難燃性試験でも上位レベルに相当するV−1相当以上の難燃性を有する。このため、高度な難燃性が要求される箇所の適用も可能となる。
(10) (1)から(9)いずれか記載の難燃性樹脂組成物からなる被覆材。
(10)の被覆材は、高度な難燃性を備えると共に、エチレン系重合体が本来的に有している加工性、可撓性、機械的特性等の諸物性を備えるものである。したがって、例えば、電線や通信線等の被覆材に求められる、適度な柔軟性、加工性、難燃性、機械的強度を有している。
本発明の難燃性組成物によれば、高度な難燃性を付与しつつ、エチレン系共重合体が本来的に有している加工性、可撓性、機械的特性等の優れた諸物性を実質的に損なうことなく維持することができる。また、本発明の難燃性組成物によれば、その表面が肌荒れすることなく、良好な外観を有する成形品を得ることができる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
<難燃性樹脂組成物>
本発明の難燃性樹脂組成物について説明する。本発明の難燃性樹脂組成物は、エチレン系共重合体(A−2)、オレフィン系ワックス(B)、及び、金属水和物(C)を必須成分とする組成物である。
本発明の難燃性樹脂組成物について説明する。本発明の難燃性樹脂組成物は、エチレン系共重合体(A−2)、オレフィン系ワックス(B)、及び、金属水和物(C)を必須成分とする組成物である。
[マグネシウムアイオノマー(A−1)]
本発明に用いられるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のマグネシウムアイオノマー(A−1)は、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の一部をマグネシウム(イオン)により中和してなるものである。
本発明に用いられるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のマグネシウムアイオノマー(A−1)は、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の一部をマグネシウム(イオン)により中和してなるものである。
マグネシウムアイオノマー(A−1)の中和度は、通常5〜60モル%、好ましくは10〜60モル%、特に好ましくは20〜60モル%の範囲である。
また、マグネシウムアイオノマー(A−1)のJIS K7210−1999、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートは、通常0.1〜100g/10分、好ましくは0.1〜50g/10分、特に好ましくは0.1〜25g/10分である。
上記マグネシウムアイオノマー(A−1)は、ベースポリマーとなるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体における不飽和カルボン酸単位の含量が、好ましくは2〜30質量%、更に好ましくは10〜30質量%、特に好ましくは10〜25質量%である。
ベースポリマーとして使用されるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体としては、特に限定されるものではない。エチレンと不飽和カルボン酸からなる2元共重合体のみならず、他の極性モノマーやスチレン系モノマー等を共重合成分として含む多元共重合体であってもよい。
ベースポリマーとして使用されるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体を構成する不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸等を挙げることができる。これらの中では、特にアクリル酸又はメタクリル酸が好ましい。
また、ベースポリマーとして使用されるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体を構成する任意の共重合成分となる他の極性モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステルや、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル等の不飽和カルボン酸エステル等を挙げることができる。
ベースポリマーとして使用されるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の構成単位として、上記のような他の極性モノマーを含める場合には、共重合体の柔軟性付与に効果的である。また、その含量は、例えば、30質量%以下、特に20質量%以下であることが好ましい。
ベースポリマーとして使用されるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体を構成する任意の共重合成分となるスチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルイソプロペニルトルエン等を挙げることができる。
このような、本発明のマグネシウムアイオノマー(A−1)のベースポリマーとなるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、高温、高圧下のラジカル共重合によって得ることができる。
また、本発明において用いられるマグネシウムアイオノマー(A−1)は、上記の条件を満足する限り、1種単独のみならず、2種以上を同時に用いてもよい。
[エチレン系共重合体(A−2)]
本発明に用いられるエチレン系共重合体(A−2)は、エチレンを主体とし、これに極性モノマー又は炭素数3以上のα−オレフィンを共重合させたものである。
本発明に用いられるエチレン系共重合体(A−2)は、エチレンを主体とし、これに極性モノマー又は炭素数3以上のα−オレフィンを共重合させたものである。
エチレン系共重合体(A−2)のJIS K7210−1999、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートは、通常0.01〜25g/10分、好ましくは0.01〜10g/10分、更に好ましくは0.05〜5g/10分である。
本発明において用いられるエチレン系共重合体(A−2)において、エチレンと共重合させる極性モノマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、不飽和エステルを挙げることができる。エチレンと共重合される不飽和エステルとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸N、N−ジメチルアミノエチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチルのようなアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチルのようなメタクリル酸エステル;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル等のマレイン酸エステル等を挙げることができる。
また、エチレン系共重合体(A−2)としてエチレンと不飽和エステルの共重合体を用いる場合には、エチレンと不飽和エステル以外に、更にアクリルアミド、一酸化炭素のような他の極性モノマーを共重合成分として用いたものであってもよい。
このようなエチレン・不飽和エステル共重合体は、高温、高圧下のラジカル共重合によって得ることができる。
エチレン系共重合体(A−2)としてエチレン・不飽和エステル共重合体を用いる場合には、加工性、機械特性、フィラー充填性等の観点から、エチレン・ビニルエステル共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、中でも、エチレン・酢酸ビニル共重合体又はエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体が特に好ましい。
エチレン系共重合体(A−2)として好適に用いることのできるエチレン・不飽和エステル共重合体における、不飽和エステル単位の含量は、通常1〜50質量%、好ましくは5〜46質量%である。また、任意成分としての他の極性モノマーを含む場合には、極性モノマーの含量は、通常0〜20質量%、好ましくは0〜15質量%の範囲である。
特に、エチレン系共重合体(A−2)としてエチレン・酢酸ビニル共重合体を用いる場合には、酢酸ビニル単位の含量が、通常5〜50質量%、好ましくは15〜46質量%、更に好ましくは25〜46質量%であることが望ましい。
また、エチレン系共重合体(A−2)としてエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体を用いる場合には、(メタ)アクリル酸エステル単位の含量が、通常1〜50質量%、好ましくは8〜40質量%、更に好ましくは8〜30質量%であることが望ましい。
本発明に用いられるエチレン系共重合体(A−2)としては、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンとの共重合体を用いることもできる。用いられるα−オレフィンの種類は特に限定されるものではなく、炭素数3〜12のα−オレフィンが好ましい。例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテンを挙げることができる。
エチレン系共重合体(A−2)として用いることのできるエチレン・α−オレフィン共重合体は、いかなる重合方法及びいかなる触媒系で製造されたものであってもよい。例えば、過酸化物触媒による高温、高圧下でのラジカル重合、あるいは高活性チタン触媒成分と有機アルミニウム化合物成分とからなるマルチサイト触媒系、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも1個以上有するジルコニウムの化合物からなる触媒成分と有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分とからなるシングルサイト触媒系等を挙げることができる。
エチレン系共重合体(A−2)として用いることのできるエチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、製造方法や共重合体中のα−オレフィン含量に応じて、適宜選択使用することができるが、JIS K7112−D法による値で、好ましくは870〜970kg/m3、更に好ましくは890〜960kg/m3、特に好ましくは900〜950kg/m3範囲にある共重合体を使用することが望ましい。
尚、本発明のエチレン系共重合体(A−2)は、1種単独のみならず、2種以上を組み合わせて使用することもできる。更に、エチレン系共重合体(A−2)の一部として、上記した共重合体を不飽和シラン化合物等で変性した変性エチレン系共重合体を含ませることもできる。
[オレフィン系ワックス(B)]
本発明に用いられるオレフィン系ワックス(B)は、特に限定されるものではない。一般に、オレフィン系ワックスとしては、高分子量ポリオレフィンの熱分解によって得られるワックス、オレフィンの単独重合又は他のオレフィンとの共重合によって得られるワックス等があるが、本発明においては、これらの中から適宜選択して使用することができる。
本発明に用いられるオレフィン系ワックス(B)は、特に限定されるものではない。一般に、オレフィン系ワックスとしては、高分子量ポリオレフィンの熱分解によって得られるワックス、オレフィンの単独重合又は他のオレフィンとの共重合によって得られるワックス等があるが、本発明においては、これらの中から適宜選択して使用することができる。
本発明に用いられるオレフィン系ワックス(B)の粘度平均分子量は、通常30,000以下、好ましくは8000以下、より好ましくは1,000〜8,000である。
また、本発明に用いられるオレフィン系ワックス(B)の密度は、通常880〜980kg/m3、好ましくは900〜980kg/m3である。
また、融点は、通常60〜160℃、好ましくは60〜130℃である。
本発明のより好ましいオレフィンワックス(B)は、粘度平均分子量が8,000以下であり、密度が880〜980kg/m3であり、融点が60〜130℃であり、Mw/Mnが3.0以下のワックスである。
本発明に用いられるオレフィン系ワックス(B)の原料は、特に限定されるものではない。各種原料によるオレフィン系ワックスを用いることが可能であるが、マグネシウムアイオノマー(A−1)、エチレン系共重合体(A−2)との相溶性に照らせば、エチレン系ワックスを用いることが好ましい。
本発明に好適に用いることのできるエチレン系ワックスとしては、特に限定されるものではない。例えば、高分子量ポリエチレンの熱分解で得られるポリエチレンワックス、高圧法におけるエチレンの遊離基重合により得られたポリエチレンワックス、又はエチレンを金属触媒の存在下に単独重合するか、エチレンとα−オレフィンとを金属触媒の存在下に共重合することによって得られるポリエチレンワックス等が挙げられる。これらの中では、その他成分との相溶性の観点から、エチレン・α−オレフィン共重合体ワックスをより好ましく使用することができる。
オレフィン系ワックス(B)としてエチレン・α−オレフィン共重合体ワックスを用いる場合には、α−オレフィンとしては、炭素数3〜12のα−オレフィンを好ましい例として挙げることができる。炭素数3〜12のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテンが挙げられる
また、エチレン・α−オレフィン共重合体ワックスにおけるα−オレフィンの含量は、15モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることが更に好ましい。
本発明に用いられるオレフィン系ワックス(B)が、金属触媒の存在下に(共)重合して製造されたものである場合には、用いられる金属触媒としては、特に限定されるものではない。例えば、チーグラー系触媒等のマルチサイト触媒、メタロセン系触媒等のシングルサイト触媒等が挙げられるが、シングルサイト触媒を用いたオレフィン系ワックスを使用した場合には、機械物性の向上の観点から好ましい結果が得られる。したがって、本発明においては、シングルサイト触媒、特にはメタロセン系触媒によって製造されたオレフィン系ワックスを用いることが好ましい。
ここで、メタロセン系触媒とは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等の遷移金属に少なくとも1つのシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を有するメタロセン系化合物からなる触媒成分と、アルモキサン、アルキルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物、有機アルミニウムオキシ化合物、あるいはイオン化イオン性化合物等の共触媒成分と、から構成される触媒をいう。触媒としての反応点の特徴から、シングルサイト触媒と呼ばれる。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては、シクロペンタジエニル環インデニル環、フルオレニル環等をあげることができ、これらの配位子は置換基を有していてもよく、また配位子同士が炭化水素基、シリル基等を介して結合していてもよい。
本発明のオレフィン系ワックス(B)を得るために好適に用いられるメタロセン系触媒の具体的例としては、例えば、特開昭58−19309号公報、特開昭59−96292号公報、特開昭60−35005号公報、特開昭61−130314号公報、特開平3−163088号公報、欧州特許公開420,436号公報、米国特許5,055,438号明細書等に記載されているものを挙げることができるが、本発明においては、これらに限定されるものではない。
メタロセン化合物の一例としては、シクロペンタシエニルチタニウム(ジメチルアミド)、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロリド、インデニルチタニウム(ジエチルアミド)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムビス(メチルホスホナト)等を挙げることができる。
また、本発明において好適に用いることのできるメタロセン系触媒によるエチレン系ワックスは、例えば、特開平8−231640号公報や特開2004−59869号公報に記載された方法を参照して製造することができる。また、本発明においては、ポリエチレンワックスとして市販されているものから、選択使用してもよい。
本発明に用いられるオレフィン系ワックス(B)は、分子中に水酸基、カルボン酸基、エポキシ基等の反応性基を含有していてもよい。これらの反応性基は、反応性基を含む不飽和化合物をワックス製造時に共重合させたり、オレフィン系ワックスにグラフト反応することにより導入することができる。一般に、オレフィン系ワックスの分子中に反応性基を含有させることを、オレフィン系ワックスの変性と呼ぶ。
また、上記以外の変性されたオレフィン系ワックスとして、オレフィン系ワックスの酸化反応によって得られる酸化オレフィン系ワックスを使用することもできる。変性されたオレフィン系ワックスとしては、オレフィン系ワックスに、不飽和化合物をグラフト反応させたものが好ましい。不飽和化合物としては、不飽和カルボン酸、その無水物又は誘導体を挙げることができ、中でも無水マレイン酸をグラフトしたオレフィン系ワックスが特に好ましい。
[金属水和物(C)]
本発明に用いられる金属水和物(C)は、難燃剤としての役割を果たすものである。金属水和物(C)は、特に限定されるものではなく、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等を挙げることができる。これらの中では水酸化マグネシウム及び/又は水酸化アルミニウムの使用が好ましい。
本発明に用いられる金属水和物(C)は、難燃剤としての役割を果たすものである。金属水和物(C)は、特に限定されるものではなく、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等を挙げることができる。これらの中では水酸化マグネシウム及び/又は水酸化アルミニウムの使用が好ましい。
金属水和物(C)の粒径は、特に限定されるものではないが、例えば、0.05〜20μm、好ましくは0.1〜5μm程度のものを使用することが好ましい。
また、金属水和物(C)は、表面処理されていても、されていなくてもよい。表面処理する場合の表面処理剤としては、例えば、カプリン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、リノール酸ナトリウム等の高級脂肪酸のアルカリ金属塩;カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等の高級脂肪酸;脂肪酸アミド;脂肪酸エステル;高級脂肪族アルコール;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルバイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタンカップリング剤;ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤;シリコンオイル;各種リン酸エステル等を挙げることができる。
[マグネシウムアイオノマー(A−1)とエチレン系共重合体(A−2)の組成割合]
本発明において、マグネシウムアイオノマー(A−1)とエチレン系共重合体(A−2)の組成は、両者の合計を100質量部とした場合の(A−1)/(A−2)で、通常、0.1〜50質量部/50〜99.9質量部、好ましくは、0.1〜20質量部/80〜99.9質量部、更に好ましくは、0.5〜10質量部/90〜99.5質量部の割合である。
本発明において、マグネシウムアイオノマー(A−1)とエチレン系共重合体(A−2)の組成は、両者の合計を100質量部とした場合の(A−1)/(A−2)で、通常、0.1〜50質量部/50〜99.9質量部、好ましくは、0.1〜20質量部/80〜99.9質量部、更に好ましくは、0.5〜10質量部/90〜99.5質量部の割合である。
[オレフィン系ワックス(B)の配合量]
オレフィン系ワックス(B)の配合量は、上記マグネシウムアイオノマー(A−1)とエチレン系共重合体(A−2)の合計100質量部に対して、通常0.01〜10質量部、好ましくは0.01〜5質量部、更に好ましくは0.1〜3質量部である。
オレフィン系ワックス(B)の配合量は、上記マグネシウムアイオノマー(A−1)とエチレン系共重合体(A−2)の合計100質量部に対して、通常0.01〜10質量部、好ましくは0.01〜5質量部、更に好ましくは0.1〜3質量部である。
[金属水和物(C)の配合量]
金属水和物(C)の配合量は、上記マグネシウムアイオノマー(A−1)とエチレン系共重合体(A−2)の合計100質量部に対して、通常20〜300質量部、好ましくは50〜270質量部、更に好ましくは110〜250質量部である。金属水和物(C)の好適な配合量は、マグネシウムアイオノマー(A−1)とエチレン系共重合体(A−2)の種類や配合割合等によっても異なるが、JIS K7210−1999、190℃、2160g荷重で測定した樹脂組成物のメルトフローレートが0.1〜300g/10分、好ましくは0.2〜100g/10分の範囲であって、UL−94準拠難燃試験でV−0相当の難燃性を有するように選択することができる。
金属水和物(C)の配合量は、上記マグネシウムアイオノマー(A−1)とエチレン系共重合体(A−2)の合計100質量部に対して、通常20〜300質量部、好ましくは50〜270質量部、更に好ましくは110〜250質量部である。金属水和物(C)の好適な配合量は、マグネシウムアイオノマー(A−1)とエチレン系共重合体(A−2)の種類や配合割合等によっても異なるが、JIS K7210−1999、190℃、2160g荷重で測定した樹脂組成物のメルトフローレートが0.1〜300g/10分、好ましくは0.2〜100g/10分の範囲であって、UL−94準拠難燃試験でV−0相当の難燃性を有するように選択することができる。
[その他の成分]
〔変性重合体(D)〕
マグネシウムアイオノマー(A−1)、エチレン系共重合体(A−2)、オレフィン系ワックス(B)、及び金属水和物(C)を含む難燃性樹脂組成物の難燃性を一層改善するために、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性されたオレフィン系重合体(D−1)及び不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性されたスチレン系重合体(D−2)からなる群より選ばれる少なくとも一種の変性重合体(D)を配合することが好ましい。
〔変性重合体(D)〕
マグネシウムアイオノマー(A−1)、エチレン系共重合体(A−2)、オレフィン系ワックス(B)、及び金属水和物(C)を含む難燃性樹脂組成物の難燃性を一層改善するために、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性されたオレフィン系重合体(D−1)及び不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性されたスチレン系重合体(D−2)からなる群より選ばれる少なくとも一種の変性重合体(D)を配合することが好ましい。
変性重合体(D)の配合量は、上記マグネシウムアイオノマー(A−1)とエチレン系共重合体(A−2)の合計100質量部に対して、通常25質量部以下、好ましくは0.5〜25質量部、更に好ましくは1〜10質量部である。
好ましい変性重合体(D)のひとつである不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性されたオレフィン系重合体(D−1)は、樹脂状あるいはエラストマー状のオレフィン系重合体を、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体でグラフト変性又は共重合変性したものである。ベースポリマーとなるオレフィン系重合体は、特に限定されるものではなく、オレフィンの単独重合体、2種以上のオレフィンの共重合体、オレフィンと極性モノマーの共重合体等である。
不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性されるオレフィン系重合体(ベースポリマー)としては、例えば、樹脂状オレフィン重合体として、高、中、低密度ポリエチレン、上記(A−2)成分として例示したエチレン・α−オレフィン共重合体、上記(A−2)成分として例示したエチレン・不飽和エステル共重合体等のエチレン系共重合体、プロピレン単独重合体、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体等のプロピレン系重合体、ポリ−1−ブテン等が挙げられる。また、エラストマー状オレフィン重合体として、エチレン・プロピレン共重合体ゴム等のエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム、プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム等のエチレン・α−オレフィン・ジエン共重合体ゴム、規則性を制御したポリプロピレンにエチレン・プロピレン共重合体部を共重合したブロック共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体ゴム、エチレン・アクリル酸メチル・架橋サイトモノマー共重合体ゴム等を挙げることができる。上記各共重合体におけるα−オレフィンとしては、炭素数2〜12程度のものが好ましい。
好ましい変性重合体(D)の別のひとつである不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性されたスチレン系重合体(D−2)は、樹脂状あるいはエラストマー状のスチレン系重合体を、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体でグラフト変性又は共重合変性したものである。ベースポリマーとなるスチレン系重合体としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリスチレン、スチレン・ジエンブロック共重合体及びその水素添加物を挙げることができる。
上記のスチレン・ジエンブロック共重合体及びその水素添加物の具体例としては、例えば、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、及びその水素添加物であるスチレン・エチレン/ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、及びその水素添加物であるスチレン・エチレン/プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン・エチレン・エチレン/プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEEPS)等を挙げることができる。
ベースポリマーとなるオレフィン系重合体及びスチレン系重合体の変性に用いられる不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体としては、特に限定されるものではない。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸無水物を挙げることができる。
変性重合体(D)における不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体のグラフトモノマー単位あるいは共重合モノマー単位の含有量は、変性重合体を基準として、好ましくは0.01〜20質量%、更に好ましくは0.1〜5質量%である。
変性重合体(D)のメルトフローレートは、ベースポリマーがエチレン系重合体の場合には、JIS K7210−1999、190℃、2160g荷重における場合で、好ましくは0.1〜50g/10分、更に好ましくは0.2〜10g/10分のものが望ましい。また、ベースポリマーがプロピレン系重合体やスチレン系重合体の場合には、JIS K7210−1999、230℃、2160g荷重における場合で、好ましくは0.1〜50g/10分、更に好ましくは0.2〜10g/10分のものが望ましい。
〔各種添加剤等〕
本発明の難燃性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において、他の熱可塑性樹脂あるいは他の難燃剤や各種添加剤を配合することができる。このような他の難燃剤の例としては、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等の2価の金属の化合物、具体的には、珪酸金属塩、ホウ酸金属塩、炭酸塩等の金属塩を挙げることができる。またその他の各種添加剤の例としては、シリカ、アルミナ、タルク、クレイ、ゼオライト、カーボンブラック等の無機充填剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、難燃助剤、顔料、染料、滑剤、ブロッキング防止剤、発泡剤、発泡助剤、架橋剤、架橋助剤等を挙げることができる。
本発明の難燃性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において、他の熱可塑性樹脂あるいは他の難燃剤や各種添加剤を配合することができる。このような他の難燃剤の例としては、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等の2価の金属の化合物、具体的には、珪酸金属塩、ホウ酸金属塩、炭酸塩等の金属塩を挙げることができる。またその他の各種添加剤の例としては、シリカ、アルミナ、タルク、クレイ、ゼオライト、カーボンブラック等の無機充填剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、難燃助剤、顔料、染料、滑剤、ブロッキング防止剤、発泡剤、発泡助剤、架橋剤、架橋助剤等を挙げることができる。
<難燃性樹脂組成物の製造方法>
本発明の難燃性樹脂組成物の製造方法は、特に限定されるものでなく、公知の方法を採用することができる。例えば、マグネシウムアイオノマー(A−1)、エチレン系共重合体(A−2)、オレフィン系ワックス(B)、及び金属水和物(C)、必要に応じて、更に他の樹脂、他の難燃剤あるいは各種添加剤を溶融混練することによって調製することができる。用いられる溶融混練装置としては、例えば、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ロール等が挙げられる。溶融混練は、通常、100〜300℃の温度で30秒〜1時間行われる。
本発明の難燃性樹脂組成物の製造方法は、特に限定されるものでなく、公知の方法を採用することができる。例えば、マグネシウムアイオノマー(A−1)、エチレン系共重合体(A−2)、オレフィン系ワックス(B)、及び金属水和物(C)、必要に応じて、更に他の樹脂、他の難燃剤あるいは各種添加剤を溶融混練することによって調製することができる。用いられる溶融混練装置としては、例えば、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ロール等が挙げられる。溶融混練は、通常、100〜300℃の温度で30秒〜1時間行われる。
<難燃性樹脂組成物の物性>
本発明の難燃性樹脂組成物においては、用途によって要求される難燃レベルは異なるが、UL94耐炎性試験準拠の垂直難燃性試験において、1mm厚の試験片で、好ましくはV−2以上、更に好ましくはV−1以上、特に好ましくは、V−0の難燃レベルを示すことが望ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物においては、用途によって要求される難燃レベルは異なるが、UL94耐炎性試験準拠の垂直難燃性試験において、1mm厚の試験片で、好ましくはV−2以上、更に好ましくはV−1以上、特に好ましくは、V−0の難燃レベルを示すことが望ましい。
<難燃性樹脂組成物の用途>
本発明の難燃性樹脂組成物は、高度な難燃性が要求される分野、例えば玩具、ホース、シート、テープ、壁紙、電線被覆材、建材等の用途に有効に利用することができる。より詳細には、例えば、玩具、人工芝、マット、止水シート、トンネルシート、ルーフィング等の土木分野、ホース、チューブ等のパイプ用途、パッキング、制振シート等の家電製品、カーペット等の裏打ち材、ドアパネル防水シート、泥よけ、モール等の自動車用途、壁紙、家具、床材、発泡シート等の建材用途、配線ケーブル、通信ケーブル、機器用ケーブル、電源コード、プラグ、耐火ケーブル、制御・計装ケーブル、収縮チューブ等のケーブル用途、粘着テープ等の接着用途等の分野で使用することができる。これらの中では、エチレン系共重合体の加工性、可撓性、機械的特性等の諸物性を有効に活用できることから、電線や通信線等の被覆材として好適に利用できる。
本発明の難燃性樹脂組成物は、高度な難燃性が要求される分野、例えば玩具、ホース、シート、テープ、壁紙、電線被覆材、建材等の用途に有効に利用することができる。より詳細には、例えば、玩具、人工芝、マット、止水シート、トンネルシート、ルーフィング等の土木分野、ホース、チューブ等のパイプ用途、パッキング、制振シート等の家電製品、カーペット等の裏打ち材、ドアパネル防水シート、泥よけ、モール等の自動車用途、壁紙、家具、床材、発泡シート等の建材用途、配線ケーブル、通信ケーブル、機器用ケーブル、電源コード、プラグ、耐火ケーブル、制御・計装ケーブル、収縮チューブ等のケーブル用途、粘着テープ等の接着用途等の分野で使用することができる。これらの中では、エチレン系共重合体の加工性、可撓性、機械的特性等の諸物性を有効に活用できることから、電線や通信線等の被覆材として好適に利用できる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例及び比較例において用いた原料及び得られた樹脂組成物の物性評価方法は次の通りである。
<原料>
[アイオノマー(A−1)]
MgIO:エチレン・メタクリル酸共重合体(メタクリル酸単位含量:15質量%)のマグネシウムアイオノマー
中和度 30%、
メルトフローレート(JIS K7210−1999、190℃、2160g荷重) 7g/10分
[アイオノマー(A−1)]
MgIO:エチレン・メタクリル酸共重合体(メタクリル酸単位含量:15質量%)のマグネシウムアイオノマー
中和度 30%、
メルトフローレート(JIS K7210−1999、190℃、2160g荷重) 7g/10分
[エチレン系重合体(A−2)]
EVA:エチレン・酢酸ビニル共重合体
酢酸ビニル単位含量 33質量%、
メルトフローレート(JIS K7210−1999、190℃、2160g荷重) 0.2g/10分
EVA:エチレン・酢酸ビニル共重合体
酢酸ビニル単位含量 33質量%、
メルトフローレート(JIS K7210−1999、190℃、2160g荷重) 0.2g/10分
[オレフィン系ワックス(B)]
メタロセン系ワックス:商品名 エクセレックスHW48070B(三井化学(株)製)
粘度平均分子量 4,600、
密度 902kg/m3、
融点 90℃
メタロセン系ワックス:商品名 エクセレックスHW48070B(三井化学(株)製)
粘度平均分子量 4,600、
密度 902kg/m3、
融点 90℃
[金属水和物(C)]
水酸化マグネシウム−1:商品名 マグシーズS−4(神島化学工業(株)製、シランカップリング剤処理)
水酸化マグネシウム−2:商品名 マグシーズN−4(神島化学工業(株)製、高級脂肪酸処理)
水酸化マグネシウム−1:商品名 マグシーズS−4(神島化学工業(株)製、シランカップリング剤処理)
水酸化マグネシウム−2:商品名 マグシーズN−4(神島化学工業(株)製、高級脂肪酸処理)
[変性重合体(D−2)]
変性SEBS:商品名 タフテックM1913(旭化成ケミカルズ(株)製)
比重 0.92(JIS K7112−1980)、
メルトフローレート(JIS K7210−1976、230℃、5kg荷重) 5.0g/10分、
酸価 10mgCH3ONa/g(滴定法)
変性SEBS:商品名 タフテックM1913(旭化成ケミカルズ(株)製)
比重 0.92(JIS K7112−1980)、
メルトフローレート(JIS K7210−1976、230℃、5kg荷重) 5.0g/10分、
酸価 10mgCH3ONa/g(滴定法)
[酸化防止剤]
酸化防止剤:商品名 イルガノックス1010(チバ・スペシャリティケミカルズ(株)製)
酸化防止剤:商品名 イルガノックス1010(チバ・スペシャリティケミカルズ(株)製)
<評価方法>
[ストランド外観]
メルトインデクサー(JIS K7210−1999法、190℃、10kg荷重)から得られる難燃性樹脂組成物のストランドを目視観察し、以下の基準により評価した。
○:肌荒れなし
△:多少肌荒れしている
×:肌荒れしている(又はメルトインデクサーから流出せず)
[ストランド外観]
メルトインデクサー(JIS K7210−1999法、190℃、10kg荷重)から得られる難燃性樹脂組成物のストランドを目視観察し、以下の基準により評価した。
○:肌荒れなし
△:多少肌荒れしている
×:肌荒れしている(又はメルトインデクサーから流出せず)
[機械的物性]
引張破断点強度及び破断点伸びをJIS K6760法(JIS K6301の3号ダンベル、厚み1mm、引張速度200mm/min)により測定した。
引張破断点強度及び破断点伸びをJIS K6760法(JIS K6301の3号ダンベル、厚み1mm、引張速度200mm/min)により測定した。
[燃焼性]
UL94燃焼試験機(スガ試験機(株)製)を用い、試料片の厚み1mmで、UL94垂直燃焼試験を行い、評価した。
UL94燃焼試験機(スガ試験機(株)製)を用い、試料片の厚み1mmで、UL94垂直燃焼試験を行い、評価した。
[燃焼性のバラツキ]
上記の燃焼性の試験において、任意の試験片20本について燃焼性試験を実施した際に、以下に示す要求性能のいずれかについて未達であった回数を計測した。
〔要求性能〕
(1)どの試験片も接炎後のフレーミングは30秒以内。
(2)クランプまでフレーミング又はグローイングしない。
(3)305mm以下の綿を発火するフレーミング粒を滴下しない。
(4)2回目の炎を取り去りグローイングは60秒以内。
上記の燃焼性の試験において、任意の試験片20本について燃焼性試験を実施した際に、以下に示す要求性能のいずれかについて未達であった回数を計測した。
〔要求性能〕
(1)どの試験片も接炎後のフレーミングは30秒以内。
(2)クランプまでフレーミング又はグローイングしない。
(3)305mm以下の綿を発火するフレーミング粒を滴下しない。
(4)2回目の炎を取り去りグローイングは60秒以内。
<実施例1〜2>
表1に示す割合でアイオノマー(A−1)とエチレン・酢酸ビニル共重合体(A−2)とを予めヘンシェルミキサーでブレンドした後、L/Dが28の一軸押出機を用いて、樹脂温度160℃で2分間、溶融混練してペレタイズした。引き続き、得られた混練樹脂のペレットと表1に示す量のメタロセン系ワックス(B)、金属水和物(C)、変性重合体(D−2)、及び酸化防止剤を、加圧ニーダーを用いて、樹脂温度210℃で20分間混練し、ロールでシーティングした後、ペレタイズして難燃性樹脂組成物を得た。
表1に示す割合でアイオノマー(A−1)とエチレン・酢酸ビニル共重合体(A−2)とを予めヘンシェルミキサーでブレンドした後、L/Dが28の一軸押出機を用いて、樹脂温度160℃で2分間、溶融混練してペレタイズした。引き続き、得られた混練樹脂のペレットと表1に示す量のメタロセン系ワックス(B)、金属水和物(C)、変性重合体(D−2)、及び酸化防止剤を、加圧ニーダーを用いて、樹脂温度210℃で20分間混練し、ロールでシーティングした後、ペレタイズして難燃性樹脂組成物を得た。
更に、得られた組成物のペレットを、熱板温度160℃に設定したプレス成形機にて、圧力100kg/cm2(ゲージ圧)の条件で10分間プレス成形し、厚さ1mmの150mm角のプレスシートを作製した。
上記の難燃性樹脂組成物及びそのプレスシートについて、前記の評価方法にしたがって評価した。結果を表1に示す。
Claims (10)
- 中和度が5〜60モル%、メルトフローレート(JIS K7210−1999、190℃、2160g荷重)が0.1〜100g/10分である、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のマグネシウムアイオノマー(A−1)0.1〜50質量部と、
メルトフローレート(JIS K7210−1999、190℃、2160g荷重)が0.01〜25g/10分であるエチレン系共重合体(A−2)50〜99.9質量部と、
前記マグネシウムアイオノマー(A−1)と前記エチレン系共重合体(A−2)との合計量100質量部に対して、
粘度平均分子量が30,000以下、密度が880〜980kg/m3、融点が60〜160℃であるオレフィン系ワックス(B)0.01〜10質量部と、
金属水和物(C)20〜300質量部と、を含む難燃性樹脂組成物。 - 前記マグネシウムアイオノマー(A−1)は、ベースポリマーとなるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体における不飽和カルボン酸単位の含量が、2〜30質量%である請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記エチレン系共重合体(A−2)は、エチレン・ビニルエステル共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記オレフィン系ワックス(B)は、粘度平均分子量が8,000以下、密度が880〜980kg/m3、融点が60〜130℃である請求項1から3いずれか記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記オレフィン系ワックス(B)は、ポリエチレンワックスである請求項1から4いずれか記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記オレフィン系ワックス(B)は、メタロセン系触媒によって製造されたものである請求項1から4いずれか記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記金属水和物(C)は、水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウムである請求項1から6いずれか記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記マグネシウムアイオノマー(A−1)と前記エチレン系共重合体(A−2)との合計量100質量部に対して、
不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性されたオレフィン系重合体(D−1)及び不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性されたスチレン系重合体(D−2)からなる群より選ばれる少なくとも一種の変性重合体(D)を、25質量部以下含む請求項1から7いずれか記載の難燃性樹脂組成物。 - UL94耐炎性試験準拠の垂直難燃性試験において、1mm厚の試験片でV−1相当以上の難燃性を示す請求項1から8いずれか記載の難燃性樹脂組成物。
- 請求項1から9いずれか記載の難燃性樹脂組成物からなる被覆材。
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---|---|---|---|---|
WO2008038709A1 (fr) * | 2006-09-29 | 2008-04-03 | Du Pont-Mitsui Polychemicals Co. Ltd. | Composition de résine ignifuge |
CN114316418A (zh) * | 2021-12-09 | 2022-04-12 | 成都金发科技新材料有限公司 | 一种低收缩阻燃聚乙烯组合物以及制备方法与应用 |
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2006
- 2006-09-20 JP JP2006253967A patent/JP2007112992A/ja not_active Withdrawn
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