JP2002212351A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JP2002212351A
JP2002212351A JP2001013487A JP2001013487A JP2002212351A JP 2002212351 A JP2002212351 A JP 2002212351A JP 2001013487 A JP2001013487 A JP 2001013487A JP 2001013487 A JP2001013487 A JP 2001013487A JP 2002212351 A JP2002212351 A JP 2002212351A
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ethylene
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retardant resin
copolymer
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Masaki Aoyama
正貴 青山
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Dow Mitsui Polychemicals Co Ltd
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Du Pont Mitsui Polychemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 UL94垂直燃焼試験において、最難関のV
−0レベルの高度の難燃性を有すると共に、酸素指数
(OI)が極めて高く、かつ、弾性、機械強度および加
工性に優れた難燃性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A) エチレン・酢酸ビニル系共重合体、
(B) エチレン・(メタ)アクリル酸エステル系共重合
体、(C) 難燃性無機化合物および(D) 赤燐を含むことを
特徴とする難燃性樹脂組成物。(C) 難燃性無機化合物と
しては、水酸化マグネシウムを用いた時に難燃性が著し
く優れ、(D) 赤燐としては、赤燐単独ばかりでなく、上
記(A) 成分および/または(B) 成分とあらかじめマスタ
ーバッチ化したものを用いても良い。本発明の難燃性樹
脂組成物は、着火してもすぐに消化するというUL94
垂直燃焼試験におけるV−0レベルの難燃性を示すこと
から、電線用途に特に適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン系難燃
性樹脂組成物に関するものであって、より詳しくは、U
L94垂直燃焼試験に基づく極めて高度の難燃性を有す
ると共に、燃焼時の殻(シェル)形成性に優れ、酸素指
数が極めて高いばかりでなく、火災時の黒煙の発生を抑
制し、弾性、機械強度および加工性にも優れた難燃性樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン系重合体は、一般に電気的特
性、機械的特性ならびに加工性に優れていることから、
電気絶縁材料として広く使用されている。また、アクリ
ル酸エステル共重合体/難燃性無機化合物/シリコーン
系からなる組成物が難燃性に優れていることから数多く
特許出願され、現実に多用されている。
【0003】ところが、上記アクリル酸エステル共重合
体/難燃性無機化合物/シリコーン系からなる組成物
は、燃焼時に組成物の殻の形成が不十分であり、燃焼が
継続されたり、付近にある可燃物への着火源になる恐れ
がある。また、シリコーン系ではUL94垂直試験でV
−0レベルに達するのは困難であり、到達しても加工が
できないという問題がある。さらに、機械的強度が極端
に低いことや高コストである等の問題もあり、実用的な
ものとは言えない。
【0004】さらに、従来より難燃性樹脂組成物として
は、特公平7−103273号公報に記載されているよ
うに、オレフィン重合体の樹脂および/またはエラスト
マー70〜20重量%、アルミニウムおよび/またはマ
グネシウムの水酸化物、あるいはこれらに炭酸マグネシ
ウムを30重量%以下添加した配合物30〜80重量%
との合計量100重量部に対して、エチレンと不飽和カ
ルボン酸、その誘導体およびビニルエステルから選ばれ
た少なくとも1種のモノマーとの共重合体(エポキシ基
を含まない)0.02〜25重量部、およびエチレン性
不飽和エポキシ化合物含量0.5〜50重量%であるエ
チレンとエチレン性不飽和エポキシ化合物との共重合体
0.001〜3重量部を配合してなる自消性重合体組成
物が知られている。
【0005】しかしながら、この組成物は、白化性の抑
制、耐外傷性を損なうことなく耐寒性を向上させること
を目的にするものであり、本発明のように、UL94垂
直燃焼試験において、V−0レベルの難燃性を有するも
のではなく、かつ、燃焼時における殻形成性に優れ、か
つ火災時の黒煙の発生を抑制するという難燃性樹脂組成
物を目的とするものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、UL94垂直燃焼試験において、V−0レベルの高
度の難燃性を有し、燃焼時における殻形成性に優れ、か
つ、火災時の黒煙の発生を著しく抑制した難燃性樹脂組
成物を提供することにある。本発明において言うところ
の、燃焼時における殻形成性とは、燃焼時の状況を目視
で観察したときに、殻を形成するもの、もしくは殻自体
が強固なものをいい、殻も形成せずに溶融しながらドリ
ップするものは、殻形成性が優れているとは言わない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために提案されたものであって、難燃性樹脂組成
物の基本をなす重合体として、(A) エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体と、(B) エチレン・(メタ)アクリル酸エス
テル系共重合体からなる組成物を用い、これに、(C) 難
燃性無機化合物および(D) 赤燐を併用する点に重要な特
徴がある。
【0008】すなわち、本発明によれば、(A) エチレン
・酢酸ビニル共重合体、(B) エチレン・(メタ)アクリ
ル酸エステル系共重合体、(C) 難燃性無機化合物および
(D)赤燐を含むことを特徴とする難燃性樹脂組成物が提
供される。
【0009】また、本発明によれば、(A) エチレン・酢
酸ビニル共重合体と(B) エチレン・(メタ)アクリル酸
エステル系共重合体の重量比(B)/[(A)+(B)] が0.01
ないし0.99である上記難燃性樹脂組成物が提供され
る。
【0010】また、本発明によれば、(A) エチレン・酢
酸ビニル共重合体と(B) エチレン・(メタ)アクリル酸
エステル系共重合体の重量比(B)/[(A)+(B)] が0.01
ないし0.99であって、かつ、(A)、(B) のメルトフ
ローレートが0.1より大きい上記難燃性樹脂組成物が
提供される。
【0011】また、本発明によれば、(A) エチレン・酢
酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含量、および(B) エチレ
ン・(メタ)アクリル酸エステル系共重合体のアクリル
酸エステル含量が、2ないし80重量%で、かつ、0≦
|酢酸ビニル含量−(メタ)アクリル酸エステル含量|
≦60である上記難燃性樹脂組成物が提供される。
【0012】また、本発明によれば、(C) 難燃性無機化
合物が水酸化マグネシウムである上記難燃性樹脂組成物
が提供される。
【0013】また、本発明によれば、(D) 赤燐が、上記
(A) 成分および/または(B) 成分とあらかじめマスター
バッチ化したものを用いる上記難燃性樹脂組成物が提供
される。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、難燃性樹脂組成物の基
本をなす重合体として、(A) エチレン・酢酸ビニル共重
合体と(B) エチレン・(メタ)アクリル酸エステル系共
重合体からなる組成物を用い、これに、(C) 難燃性無機
化合物および(D) 赤燐を併用する点に重要な特徴があ
る。これらの(A),(B),(C),(D) 成分を併用することによ
り、UL94垂直燃焼試験において、V−0レベルの高
度の難燃性を有し、燃焼時における殻形成性に優れ、か
つ、火災時の黒煙の発生を著しく抑制した難燃性樹脂組
成物となる。
【0015】UL94垂直燃焼試験とは、米国UL規格
のひとつであり、難燃規格の中でも最も厳しい部類に属
し、その厳しさ故に材料の実用性を判定する指標として
広く使用されている。通常、V−0のレベルが高い難燃
性を示すものとして認識され、V−1やV−2のレベル
では、難燃性にやや優れていることを示し、V−2に未
達(V−2不合格)のレベルでは難燃性が劣ることを示
すものとして認識されている。
【0016】(A) エチレン・酢酸ビニル共重合体として
は、エチレン成分が20ないし98重量%、好ましくは
50ないし96重量%、酢酸ビニル成分が2ないし80
重量%、好ましくは4ないし50重量%の共重合体が用
いられる。
【0017】また、本発明の組成物の難燃特性を損ねな
い範囲で、上記酢酸ビニルの一部をO,N,S,P等の
元素を含む極性基を有するモノマーで置き換えた共重合
体であってもよい。上記極性基を有するモノマーとして
は、不飽和カルボン酸アルキルエステル以外の不飽和カ
ルボン酸、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル
酸グリシジルなど、不飽和ジカルボン酸ハーフエステ
ル、例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエ
チルなど、ジカルボン酸無水物、例えば、無水マレイン
酸など、その他、一酸化炭素、アクリロニトリル、二酸
化硫黄などが例示される。
【0018】エチレン・酢酸ビニル共重合体の、190
℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MF
R)は、0.1より大きく100g/10分以下であ
り、好ましくは0.2ないし50g/10分である。
【0019】(B) エチレン・(メタ)アクリル酸エステ
ル系共重合体としては、エチレン成分が20ないし98
重量%、好ましくは25ないし95重量%、(メタ)ア
クリル酸エステル成分が2ないし80重量%、好ましく
は5ないし75重量%の共重合体が用いられる。また、
(B) エチレン・(メタ)アクリル酸エステル系共重合体
においても、(A) と同様に、本発明の組成物の難燃特性
を損ねない範囲で、上記アクリル酸エステルの一部を、
上記と同じくO,N,S,P等の元素を含む極性基を有
するモノマーで置き換えた共重合体であってもよい。エ
チレン・(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の、1
90℃、2160g荷重におけるメルトフローレート
(MFR)は、0.1より大きく100g/10分以下
であり、好ましくは0.2ないし50g/10分であ
る。
【0020】(メタ)アクリル酸エステルとしては、不
飽和カルボン酸の炭素数1ないし15、とくに炭素数1
ないし8程度のアルキルエステルを使用するのが好まし
い。より具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソピロピ
ル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル
酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−2エチルヘキシ
ルなどを例示することができる。
【0021】さらに、上記(A) エチレン・酢酸ビニル共
重合体と(B) エチレン・アクリル酸エステル共重合体
は、その一部を該共重合体の酸変性体で置き換えてもよ
い。酸変性体としては、該共重合体を不飽和カルボン酸
またはその誘導体によるグラフト変性体を挙げることが
できる。酸変性体のグラフト量は、共重合体に対して
0.01ないし10重量%程度が好ましい。
【0022】不飽和カルボン酸としては、例えば、アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、シトラコン酸などが挙げられ、その誘導体として
は、酸無水物、エステル、アミド、金属塩、例えば、無
水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、ア
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリ
ル酸ブチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリ
シジルなどが例示される。これらの酸変性体の中では、
無水マレイン酸変性体が好ましく用いられる。
【0023】上記(A) エチレン・酢酸ビニル共重合体と
(B) エチレン・(メタ)アクリル酸エステル系共重合体
の重量比は、(B)/[(A)+(B)]=0.01ないし0.99、
好ましくは0.04ないし0.96である。(B) の重量
比が上記の範囲をはずれる場合は、赤燐を配合しても強
固な殻形成が得られず好ましくない。
【0024】本発明における(C) 難燃性無機化合物と
は、重合体の難燃化を目的に配合される自体公知のもの
であり、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、クレイ、
ゼオライト、カーボンブラック、ガラス繊維などの充填
剤、あるいは、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化アルミニウムなどの金属の水酸化物など
が挙げられる。またはこれら無機化合物の表面を脂肪酸
アミド、脂肪酸塩、脂肪酸エステルもしくはシランカッ
プリング剤などで処理したものも用いてもよい。中でも
水酸化マグネシウムを用いたときには、難燃性、機械強
度および発煙性(低煙)が著しく優れているという特徴
がある。
【0025】(C) 難燃性無機化合物の粒径は、とくに限
定されるものではないが、重合体組成物との混和性や、
成形物の外観等を考慮すると、0.05ないし20μ
m、とくに0.1ないし5μm程度のものが好ましく用
いられる。難燃性無機化合物の配合量は、樹脂(A)+(B)
100重量部に対して30ないし250重量部、好まし
くは50ないし200重量部である。
【0026】(D) 赤燐としては、粉末状のものが分散性
に優れ、機械物性や難燃性が良好である。また、赤燐
は、粉末状のままではなく、熱硬化性樹脂などでコーテ
ィングしたものも使用される。更に、この赤燐は、上記
(A),(B),(C) の各成分と単に混合してもよいが、あらか
じめ、(A) および/または(B) とマスターマスターバッ
チ化したものを用いてもよい。赤燐の配合量は、樹脂
(A)+(B) 100重量部に対して1ないし30重量部、好
ましくは2ないし20重量部である。
【0027】本発明の難燃性樹脂組成物には、目的を損
なわない範囲で、自体公知の各種添加剤を配合すること
ができる。そのような添加剤の例としては、ヒンダード
フェノール等の一次酸化防止剤、リン系あるいは硫黄系
の二次酸化防止剤などの酸化防止剤、HALS(ヒンダ
ードアミン)などの光安定剤、ベンゾトリアゾール系、
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などの紫外線吸収剤、無
機顔料やフタロシアニン、アゾ顔料などの顔料、油溶性
染料などの染料、金属石鹸、ステアリン酸などの滑剤、
シリカ、オレイン酸アミドなどのブロッキング防止剤、
アゾジカルボンアミドなどの発泡剤、DCPなどの架橋
剤、ならびにリン系難燃剤などを挙げることができる。
【0028】本発明の難燃性樹脂組成物は、上記各成分
をバンバリーミキサー、加圧ニーダー、単軸押出機、二
軸押出機、ロール等の自体公知の混練機で溶融混練し、
必要に応じてペレット化するなどの工程を経て、押出成
形、射出成形、圧縮成形、中空成形、発泡成形などの目
的物に応じた成形加工手段で難燃性樹脂成形品とされ
る。また、電子線照射による架橋も可能である。
【0029】本発明により得られる難燃性樹脂組成物
は、このような特性を利用して、ホース、シート、テー
プ、壁紙、玩具、電線被覆剤、建材の他に、特に高度の
難燃性が求められる電気・通信部品のような用途に有効
に利用される。
【0030】このような成形品の例としては、例えば、
人工芝、マット、止水シート、トンネルシート、ルーフ
ィング等の土木分野、ホース、チューブ等のパイプ用
途、パッキング、制振シート等の家電用品、カーペット
等の裏打ち材、ドアパネル防水シート、泥よけ、モール
等の自動車用途、壁紙、家具、床材、発泡シート等の建
材用途、通信ケーブル、機器内配線、プラグ、収縮チュ
ーブ等のケーブル用途、粘着テープ等の接着用途等の分
野などが挙げられる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、上記(A),(B),(C),(D)
からなる特定の成分を組み合わせたことにより、UL9
4垂直燃焼試験におけるVOレベルの高度の難燃性を有
すると共に、燃焼時の殻(シェル)形成性に優れ、酸素
指数(OI)が極めて高いばかりでなく、火災時の黒煙
の発生を抑制した難燃性樹脂組成物が提供される。本発
明の難燃性樹脂組成物においては、(D) 成分の赤燐とし
て、(A) および/または(B) 成分とマスターバッチ化し
たものを用いた時には、赤燐が粉末状で飛散することが
なく、加工時の環境の改善や安全性の向上に寄与するこ
とができる。このようなことから、本発明の難燃性樹脂
組成物は、従来、ゴムやPVCでなければ適用できなか
った用途への難燃成形物が提供できるばかりでなく、難
燃性樹脂組成物として使用される場合の重要な実用物性
である、弾性、機械強度および加工性に優れている。
【0032】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を説明する
が、これらの実施例は本発明の好適な態様を開示するた
めのものであって、これに限定されるものではない。実
施例および比較例において用いられた原料樹脂、無機化
合物、添加剤の種類および得られた重合体組成物の物性
試験方法は下記の通りである。
【0033】 1.原料 (A) エチレン・酢酸ビニル共重合体 エチレン/酢酸ビニル共重合比=83/17(wt%) MFR 0.8(g/10分) (B) エチレン・(メタ)アクリル酸系共重合体 B-1:エチレン・エチルアクリレート共重合 エチレン/エチルアクリレート共重合比=85/15(wt%) MFR0.5(g/10分) B-2:エチレン・エチルアクリレート共重合体 エチレン/エチルアクリレート共重合比=83/17(wt%) MFR25(g/10分) B-3:エチレン・nブチルアクリレート・一酸化炭素共重合体 エチレン/nブチルアクリレート/一酸化炭素共重合比= 60/30/10(wt%) MFR8(g/10分) (C) 難燃性無機化合物 水酸化マグネシウム(平均粒径 0.7μm) (D) 赤燐 D-1:赤燐(リンカセキリンの特殊コート品)平均粒径 30μm D-2:赤燐20wt%マスターバッチ ベース樹脂 (B-2)/ 赤燐(D-1) =80/20(wt%) (E) その他の成分 酸化防止剤(チバスペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名「イルガノック ス1010」)
【0034】2.難燃性樹脂組成物の物性評価方法 2-1 難燃性 2-1-1 難燃性の指標として、JIS K7201に準拠
して酸素指数(OI)の測定を行った。 2-1-2 UL94垂直燃焼試験 UL94垂直燃焼試験に準拠して測定を行った。 2-2 強度および伸び 強度および伸びを、JIS K6760に準拠して測定
を行った。 2-3 MFR 加工性の指標としてJIS K6760に準拠してMF
R(g/10分)の測定を行った。なお、加工機や加工
方法にもよるが、一般的な加工性の目安は以下のとおり
である。MFRが0.1以下のものは、加工性が劣る。
MFRが0.1より大きく、0.5以下のものは加工性
が良好である。MFRが0.5より大きいものは、加工
性が極めて優れている。 2-4 燃焼時間(秒) 2回目のテスト炎を取り去った後のグローイング時間で
最大の時間(秒)を燃焼時間とした。燃焼時間は短い方
が難燃性に優れている。
【0035】<実施例1> (A) エチレン・酢酸ビニル共重合体、(B) エチレン・ア
クリル酸エステル系共重合体、(C) 難燃性無機化合物
(水酸化マグネシウム)、(D) 赤燐およびその他の添加
剤を表1に示した割合で配合し、6インチミキシングロ
ールで加熱、混練後、分出し、シートを180℃でプレ
ス成形して1ないし3mm厚みのシートを作成し、各種
物性を評価した。評価結果を表1に併記した。
【0036】表1の結果から明らかなように、実施例に
より得られた本発明の重合体組成物は、加工性、強度、
伸びおよび難燃性特性が極めて優れていた。なかんず
く、難燃性の高さは特筆すべきものであり、無機系難燃
剤の配合量が樹脂に対して100重量部であるにもかか
わらず、酸素指数が極めて高く、かつ、高難燃性の指標
であるUL94垂直燃焼試験においても、最難関のV−
0レベルに合格し、その際、着火後の残炎がほとんど見
られなかった。このような結果から、着火後すぐ火が消
えるという特性は電線等で実際に使用される場合の有用
性が高いことを示している。
【0037】<実施例2>赤燐と(B) エチレン・エチル
アクリレート共重合体を用いて実施例1と同様の操作お
よび評価を行った。その結果、実施例1と同様に優れた
実用物性および難燃性を有する樹脂組成物が得られた。
【0038】<実施例3>異なるタイプの(B) エチレン
・エチルアクリレート共重合体を複数用いて実施例1と
同様の操作および評価を行った。その結果、実施例1と
同様に優れた実用物性および難燃性を有する樹脂組成物
が得られた。
【0039】<比較例1>難燃性無機化合物が樹脂に対
して200重量部配合された代表的なUL94垂直燃焼
試験対応配合系を、実施例1と同様の操作でサンプルを
作成し、評価を行った。その結果は、UL94垂直燃焼
試験においては、V−0ランクが達成されるものの、燃
え易さの指標である酸素指数が実施例1と比較してはる
かに小さいことがわかった。また、MFRが0.1以下
であり、加工性が極めて悪いこともわかった。さらに、
強度は10MPa未満であり、かつ、伸びも41%とほ
とんど伸びないことから実用的ではないことも明らかで
ある。
【0040】<比較例2>実施例1の原材料から、エチ
レン・エチルアクリレート共重合体を除いて、同様の操
作でサンプルの調製と評価を行った。エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体単独系では、UL94垂直燃焼試験の結果
がV−2にも不合格であった。
【0041】
【表1】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) エチレン・酢酸ビニル共重合体、
    (B) エチレン・(メタ)アクリル酸エステル系共重合
    体、(C) 難燃性無機化合物および(D) 赤燐を含むことを
    特徴とする難燃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A) エチレン・酢酸ビニル共重合体と
    (B) エチレン・(メタ)アクリル酸エステル系共重合体
    の重量比(B)/[(A)+(B)] が0.01ないし0.99であ
    る請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A) エチレン・酢酸ビニル共重合体と
    (B) エチレン・(メタ)アクリル酸エステル系共重合体
    の重量比(B)/[(A)+(B)] が0.01ないし0.99であ
    って、かつ、(A)、(B) のメルトフローレートが0.1
    より大きい請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A) エチレン・酢酸ビニル共重合体の酢
    酸ビニル含量、および(B) エチレン・(メタ)アクリル
    酸エステル系共重合体のアクリル酸エステル含量が、2
    ないし80重量%で、かつ、0≦|酢酸ビニル含量−
    (メタ)アクリル酸エステル含量|≦60である請求項
    1または2記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (C) 難燃性無機化合物が水酸化マグネシ
    ウムである請求項1ないし4のいずれか1項記載の難燃
    性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (D) 赤燐が、上記(A) 成分および/また
    は(B) 成分とあらかじめマスターバッチ化したものを用
    いる請求項1ないし4のいずれか1項記載の難燃性樹脂
    組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120230740A1 (en) * 2011-03-11 2012-09-13 Ricoh Company, Ltd. Intermediate transfer belt and image forming apparatus using the same
CN109810655A (zh) * 2019-01-23 2019-05-28 深圳市诺美斯新材料有限公司 一种阻燃材料及其制备方法

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