JP2002146124A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JP2002146124A
JP2002146124A JP2000348942A JP2000348942A JP2002146124A JP 2002146124 A JP2002146124 A JP 2002146124A JP 2000348942 A JP2000348942 A JP 2000348942A JP 2000348942 A JP2000348942 A JP 2000348942A JP 2002146124 A JP2002146124 A JP 2002146124A
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ethylene
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retardant resin
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Masaki Aoyama
正貴 青山
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Dow Mitsui Polychemicals Co Ltd
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Du Pont Mitsui Polychemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高度の難燃性を有すると共に、燃焼時の殻
(シェル)形成性に優れ、酸素指数(OI)が極めて高
いばかりでなく、火災時の黒煙の発生を抑制し、また、
難燃性のみならず、弾性、機械強度および加工性に優れ
た難燃性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A) エチレン・酢酸ビニル系共重合体、
(B) エチレン・(メタ)アクリル酸エステル系共重合
体、(C) 難燃性無機化合物および(D) シリコーンを含む
ことを特徴とする難燃性樹脂組成物。(C) 難燃性無機化
合物としては、水酸化マグネシウムを用いた時に難燃性
が著しく優れ、(D) シリコーンとして、シリコーンオイ
ルを用いた時には、高い難燃性と共にゴムライクな組成
物が得られ、従来のゴムまたはPVCが用いられる成形
品用途に適用可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン系難燃
性樹脂組成物に関するものであって、より詳しくは、高
度の難燃性を有すると共に、燃焼時の殻(シェル)形成
性に優れ、酸素指数が極めて高いばかりでなく、火災時
の黒煙の発生を抑制し、また、難燃性のみならず、弾
性、機械強度および加工性に優れた難燃性樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン系重合体は、一般に電気的特
性、機械的特性ならびに加工性に優れていることから、
電気絶縁材料として広く使用されている。また、アクリ
ル酸エステル共重合体/難燃性無機化合物/シリコーン
系からなる組成物が難燃性に優れていることから数多く
特許出願され、現実に多用されている。
【0003】ところが、上記アクリル酸エステル共重合
体/難燃性無機化合物/シリコーン系からなる組成物
は、燃焼時に組成物の殻の形成が不十分であり、燃焼が
継続されたり、付近にある可燃物への着火源になる恐れ
がある。
【0004】さらに、従来より難燃性樹脂組成物として
は、特公平7−103273号公報に見られるように、
オレフィン重合体の樹脂および/またはエラストマー7
0〜20重量%、アルミニウムおよび/またはマグネシ
ウムの水酸化物、あるいはこれらに炭酸マグネシウムを
30重量%以下添加した配合物30〜80重量%との合
計量100重量部に対して、エチレンと不飽和カルボン
酸、その誘導体およびビニルエステルから選ばれた少な
くとも1種のモノマーとの共重合体(エポキシ基を含ま
ない)0.02〜25重量部、およびエチレン性不飽和
エポキシ化合物含量0.5〜50重量%であるエチレン
とエチレン性不飽和エポキシ化合物との共重合体0.0
01〜3重量部を配合してなる自消性重合体組成物が知
られている。
【0005】しかしながら、この組成物は、白化性の抑
制、耐外傷性を損なうことなく耐寒性を向上させること
を目的にするものであり、本発明のように、高度の難燃
性を有し、燃焼時における殻形成性に優れ、かつ火災時
の黒煙の発生を抑制するという難燃性樹脂組成物を目的
とするものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、高度の難燃性を有し、燃焼時における殻形成性に優
れ、かつ、火災時の黒煙の発生を著しく抑制した難燃性
樹脂組成物を提供することにある。本発明において言う
ところの、燃焼時における殻形成性とは、燃焼時の状況
を目視で観察したときに、殻を形成するもの、もしくは
殻自体が強固なものをいい、殻も形成せずに溶融しなが
らドリップするものは、殻形成性が優れているとは言わ
ない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために提案されたものであって、難燃性樹脂組成
物の基本をなす重合体として、(A) エチレン・酢酸ビニ
ル系共重合体と、(B)エチレン・(メタ)アクリル酸エ
ステル系共重合体からなる組成物を用い、これに、(C)
難燃性無機化合物および(D) シリコーンを併用する点に
重要な特徴がある。
【0008】すなわち、本発明によれば、(A) エチレン
・酢酸ビニル系共重合体、(B) エチレン・(メタ)アク
リル酸エステル系共重合体、(C) 難燃性無機化合物およ
び(D) シリコーンを含むことを特徴とする難燃性樹脂組
成物が提供される。
【0009】また、本発明によれば、(A) エチレン・酢
酸ビニル系共重合体と(B) エチレン・(メタ)アクリル
酸エステル系共重合体の重量比(B)/[(A)+(B)] が0.0
1ないし0.99である上記難燃性樹脂組成物が提供さ
れる。
【0010】また、本発明によれば、(A) エチレン・酢
酸ビニル系共重合体の酢酸ビニル含量、および(B) エチ
レン・(メタ)アクリル酸エステル系共重合体のアクリ
ル酸エステル含量が、2ないし80重量%である上記難
燃性樹脂組成物が提供される。
【0011】また、本発明によれば、(C) 難燃性無機化
合物が水酸化マグネシウムである上記難燃性樹脂組成物
が提供される。
【0012】また、本発明によれば、(D) シリコーン
が、25℃において液状もしくはグリース状のシリコー
ンオイルである上記難燃性樹脂組成物が提供される。
【0013】また、本発明によれば、(D) シリコーン
が、シリコーン・ポリオレフィン共重合体である上記難
燃性樹脂組成物が提供される。
【0014】また、本発明によれば、組成物が降伏点を
持たない上記難燃性樹脂組成物が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、難燃性樹脂組成物の基
本をなす重合体として、(A) エチレン・酢酸ビニル系共
重合体と(B) エチレン・(メタ)アクリル酸エステル系
共重合体からなる組成物を用い、これに、(C) 難燃性無
機化合物および(D) シリコーンを併用する点に重要な特
徴がある。これらの(A),(B),(C),(D) 成分を併用するこ
とにより、高度の難燃性を有し、燃焼時における殻形成
性に優れ、かつ、火災時の黒煙の発生を著しく抑制した
難燃性樹脂組成物となる。
【0016】(A) エチレン・酢酸ビニル系共重合体とし
ては、エチレン成分が20ないし98重量%、好ましく
は50ないし96重量%、酢酸ビニル成分が2ないし8
0重量%、好ましくは4ないし50重量%の共重合体が
用いられる。
【0017】また、本発明の組成物の難燃特性を損ねな
い範囲で、上記酢酸ビニルの一部をO,N,S,P等の
元素を含む極性基を有するモノマーで置き換えた共重合
体であってもよい。上記極性基を有するモノマーとして
は、不飽和カルボン酸アルキルエステル以外の不飽和カ
ルボン酸、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル
酸グリシジルなど、不飽和ジカルボン酸ハーフエステ
ル、例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエ
チルなど、ジカルボン酸無水物、例えば、無水マレイン
酸など、その他、一酸化炭素、アクリロニトリル、二酸
化硫黄などが例示される。
【0018】エチレン・酢酸ビニル共重合体の、190
℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MF
R)は、0.01ないし100g/10分、好ましくは
0.05ないし50g/10分である。
【0019】(B) エチレン・(メタ)アクリル酸エステ
ル系共重合体としては、エチレン成分が20ないし98
重量%、好ましくは25ないし95重量%、(メタ)ア
クリル酸エステル成分が2ないし80重量%、好ましく
は5ないし75重量%の共重合体が用いられる。また、
(B) エチレン・(メタ)アクリル酸エステル系共重合体
においても、(A) と同様に、本発明の組成物の難燃特性
を損ねない範囲で、上記アクリル酸エステルの一部を、
上記と同じくO,N,S,P等の元素を含む極性基を有
するモノマーで置き換えた共重合体であってもよい。エ
チレン・(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の、1
90℃、2160g荷重におけるメルトフローレート
(MFR)は、0.01ないし100g/10分、好ま
しくは0.05ないし50g/10分である。
【0020】(メタ)アクリル酸エステルとしては、不
飽和カルボン酸の炭素数1ないし15、とくに炭素数1
ないし8程度のアルキルエステルを使用するのが好まし
い。より具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソピロピ
ル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル
酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−2エチルヘキシ
ルなどを例示することができる。
【0021】さらに、上記(A) エチレン・酢酸ビニル系
共重合体と(B) エチレン・アクリル酸エステル共重合体
は、その一部を該共重合体の酸変性体で置き換えてもよ
い。酸変性体としては、該共重合体を不飽和カルボン酸
またはその誘導体によるグラフト変性体を挙げることが
できる。酸変性体のグラフト量は、共重合体に対して
0.01ないし10重量%程度が好ましい。
【0022】不飽和カルボン酸としては、例えば、アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、シトラコン酸などが挙げられ、その誘導体として
は、酸無水物、エステル、アミド、金属塩、例えば、無
水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、ア
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリ
ル酸ブチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリ
シジルなどが例示される。これらの酸変性体の中では、
無水マレイン酸変性体が好ましく用いられる。
【0023】上記(A) エチレン・酢酸ビニル系共重合体
と(B) エチレン・(メタ)アクリル酸エステル系共重合
体の重量比は、(B)/[(A)+(B)]=0.01ないし0.9
9、好ましくは0.04ないし0.96である。(B) の
重量比が上記の範囲をはずれる場合は、強固な殻形成が
得られず好ましくない。
【0024】本発明における(C) 難燃性無機化合物と
は、重合体の難燃化を目的に配合される自体公知のもの
であり、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、クレイ、
ゼオライト、カーボンブラック、ガラス繊維などの充填
剤、あるいは、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化アルミニウムなどの金属の水酸化物など
が挙げられる。またはこれら無機化合物の表面を脂肪酸
アミド、脂肪酸塩、脂肪酸エステルもしくはシランカッ
プリング剤などで処理したものも用いてもよい。中でも
水酸化マグネシウムを用いたときには、難燃性、機械強
度および発煙性(低煙)が著しく優れているという特徴
がある。
【0025】(C) 難燃性無機化合物の粒径は、とくに限
定されるものではないが、重合体組成物との混和性や、
成形物の外観等を考慮すると、0.05ないし20μ
m、とくに0.1ないし5μm程度のものが好ましく用
いられる。
【0026】(D) シリコーンとしては、シリコーンオイ
ルおよびシリコーン・ポリオレフィン共重合体などがあ
り、本発明の難燃性樹脂組成物の難燃性を更に高める効
果がある。中でも、シリコーンオイルを用いた場合に
は、難燃性を高めるばかりでなく、ポリ塩化ビニルやゴ
ムライクのSS挙動を示すために成形品の適用性がさら
に広がるというメリットもある。シリコーンの配合量
は、樹脂(B)/[(A)+(B)] 100重量部に対して0.1な
いし30重量部、好ましくは0.3ないし15重量部で
ある。
【0027】シリコーンオイルとしては、自体公知のも
のがいずれも使用できるが、中でも、変性シリコーンオ
イル、特に高級脂肪酸などで変性した変性シリコーンオ
イルを用いた時には、(A) エチレン−酢酸ビニル系共重
合体および(B) エチレン・(メタ)アクリル酸エステル
共重合体と高い親和性を示すと共に、優れた難燃性を有
し、ブリード等の現象をより起こしにくいという特徴が
ある。また、シリコーンオイルとして、ポリオレフィン
等の樹脂でマスターバッチ化されたものを使用してもよ
い。
【0028】本発明の難燃性樹脂組成物には、目的を損
なわない範囲で、自体公知の各種添加剤を配合すること
ができる。そのような添加剤の例としては、ヒンダード
フェノール等の一次酸化防止剤、リン系あるいは硫黄系
の二次酸化防止剤などの酸化防止剤、HALS(ヒンダ
ードアミン)などの光安定剤、ベンゾトリアゾール系、
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などの紫外線吸収剤、無
機顔料やフタロシアニン、アゾ顔料などの顔料、油溶性
染料などの染料、金属石鹸、ステアリン酸、シリコーン
などの滑剤、シリカ、オレイン酸アミドなどのブロッキ
ング防止剤、アゾジカルボンアミドなどの発泡剤、DC
Pなどの架橋剤、ならびにリン系難燃剤などを挙げるこ
とができる。
【0029】本発明の難燃性樹脂組成物は、上記各成分
をバンバリーミキサー、加圧ニーダー、単軸押出機、二
軸押出機、ロール等の自体公知の混練機で溶融混練し、
必要に応じてペレット化するなどの工程を経て、押出成
形、射出成形、圧縮成形、中空成形、発泡成形などの目
的物に応じた成形加工手段で難燃性樹脂成形品とされ
る。また、電子線照射による架橋も可能である。
【0030】本発明により得られる難燃性樹脂組成物
は、このような特性を利用して、ホース、シート、テー
プ、壁紙、玩具、電線被覆剤、建材などのような用途に
有効に利用される。
【0031】このような成形品の例としては、例えば、
人工芝、マット、止水シート、トンネルシート、ルーフ
ィング等の土木分野、ホース、チューブ等のパイプ用
途、パッキング、制振シート等の家電用品、カーペット
等の裏打ち材、ドアパネル防水シート、泥よけ、モール
等の自動車用途、壁紙、家具、床材、発泡シート等の建
材用途、通信ケーブル、機器内配線、プラグ、収縮チュ
ーブ等のケーブル用途、粘着テープ等の接着用途等の分
野で用いられるものが挙げられる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、上記(A),(B),(C),(D)
からなる特定の成分を組み合わせたことにより、高度の
難燃性を有すると共に、燃焼時の殻(シェル)形成性に
優れ、酸素指数(OI)が極めて高いばかりでなく、火
災時の黒煙の発生を抑制した難燃性樹脂組成物が提供さ
れる。本発明の難燃性樹脂組成物においては、(D) 成分
のシリコーンとして、シリコーンオイルを用いた時に
は、ゴムライクの組成物が得られるので、従来、ゴムや
PVCでなければ適用できなかった用途への難燃成形物
が提供できるばかりでなく、難燃性樹脂組成物として使
用される場合の重要な実用物性である、弾性、機械強度
および加工性に優れている。
【0033】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を説明する
が、これらの実施例は本発明の好適な態様を開示するた
めのものであって、これに限定されるものではない。実
施例および比較例において用いられた原料樹脂、無機化
合物、添加剤の種類および得られた重合体組成物の物性
試験方法は下記の通りである。
【0034】1.原料 (A) エチレン・酢酸ビニル系共重合体 エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)=83/17
(wt%) MFR 0.8(g/10分) (B) エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体 エチレン/エチルアクリレート共重合体(EEA)=8
5/15(wt%) MFR 0.5(g/10分) (C) 難燃性無機化合物 (C-1) 水酸化マグネシウム(平均粒径 0.7μm)・・・・難燃剤−1 (C-2) 炭酸カルシウム(平均粒径 2μm) ・・・・難燃剤−2 (D) シリコーン (D-1) シリコーンオイル(高級脂肪酸変性シリコーンオイル・粘度(25℃) ;30cSt 、東芝シリコーン社製 商品名「TSF410」) ・・・・シリコーン−1 (D-2) シリコーン/EVA共重合体(ダウコーニング アジア社製・MFR 0.2g/10 分 商品名「SP110」) ・・・・シリコーン−2 (D-3) シリコーンガム(信越化学社製・ゴム状(25℃) 商品名「X21− 5805」) ・・・・シリコーン−3 (E) その他の成分 酸化防止剤(チバスペシャリティ・ケミカルズ社製 商
品名「イルガノックス1010」)
【0035】2.難燃性樹脂組成物の物性評価方法 (A) 難燃性 (A-1) 難燃性の指標として、JIS K7201に準拠
して酸素指数(OI)の測定を行った。 (A-2) さらに、燃焼時の殻の作りやすさを黙視にて観察
し、◎、〇、×で評価した。 ◎:強固な殻を形成する; 〇:殻を形成する; ×:殻を形成しても手で触れると崩れるか、あるいは殻
を形成しないもの;(A-3) 殻の色を目視で観察した。 (A-4) 煙の評価 酸素指数測定時に、目視で黒煙の発生が確認されたもの
を×,発生が見られなかったものを〇とした。 (B) 強度および伸び (B-1) 強度および伸びを、JIS K6760に準拠し
て測定を行った。 (B-2) 弾性:延伸時のゴム弾性の指標として降伏点に着
目し、伸び測定時に、伸びが500%に達しないものを
×、500%以上の伸びが見られ、かつ、降伏点が見ら
れるものを△、降伏点が見られないものを〇とした。な
お、降伏点とは、応力の増加を伴わずにひずみが増加す
るときの応力であり、応力−ひずみ線図において曲線の
勾配が0になるところに相当する。 (C) 加工性 加工性の指標としてJIS K6760に準拠してMF
R(g/10分)の測定を行った。 その理由は、実際の成形時とMFRには相関性があり、
MFRから加工性を評価することができるからである。
荷重2160g,温度190℃の測定条件において、 MFRが0.01以上、0.2以下のものを×; MFRが0.2より大きく、0.5以下のものを△; MFRが0.5より大きく、測定時のストランドにメル
トフラクチャーが見られないものを〇; で表した。 (D) ブリード性 強度測定用のサンプルを23℃、50%RHで30日間
放置し、表面が変色もしくは表面にブリード成分が見ら
れるものを×、外観変化が見られないものを〇で表し
た。
【0036】<実施例1>原料の(A),(B),(C),(D),(E)
成分を表1に示す割合で配合し、500mlのミキサー
にて加熱、混合後、ロール加工機にて分出してシートを
作成した。これを180℃でプレス成形することによ
り、3mmシートを作成し、難燃性の評価を行った。ま
た、同様の操作で各サンプルを調製し、上記各物性の評
価を行い、結果を表1に示した。なお、表1における配
合割合は重量部である。また、シリコーン、難燃剤、酸
化防止剤の配合割合は、樹脂100重量部に対する割合
であり、難燃無機化合物の配合量は樹脂100重量部に
対し、25ないし250重量部である。
【0037】表1の結果から明らかなように、実施例に
より得られた本発明の難燃性樹脂組成物は、酸素指数が
極めて高く、燃えにくい材料であることがわかる。ま
た、燃焼時の殻形成性に優れ、かつ、黒煙等の発生も観
察されず、火災時の安全性に優れた材料であるといえ
る。さらに、比較例と対比してみてもわかるように、エ
チレンアクリル酸エステル共重合体組成物の本来有する
強度、加工性を損ねることがないどころか、むしろ、そ
れらの物性に優れており、難燃材料としての実用性が高
い。
【0038】従来、強度と加工性は相反する物性であ
り、両方の性能を向上させることは困難であるとされて
きたが、本願の難燃性樹脂組成物は、複数の極性樹脂を
併用することによりその問題点が解決されている。さら
に、難燃性樹脂組成物の弾性がゴムライクであり、従来
のゴムやPVC以外では難しかった用途への適用が可能
となる。
【0039】<実施例2>実施例1で使用したシリコー
ンオイルに代えてシリコーン/EVAが共重合したシリ
コーンを配合し、実施例1と同様の操作で材料の調整と
評価を実施した。その結果、シリコーンとEVAが共重
合していることから、大量に配合してもブリードや強度
低下は見られず、また、良好な難燃性および加工性を有
する材料が得られた。
【0040】<比較例1>ポリマー成分がエチレン・ア
クリル酸エステルだけの場合、殻の形成性が低く、難燃
材料としての機能が低い。また、強度や加工性は比較的
良好であるが、弾性の面で劣るため、PVCが使用され
ている用途や加工機械では使用できない場合があると考
えられる。
【0041】<比較例2>難燃性無機化合物は、難燃性
(OI、殻形成)、強度、加工性に大きな影響を与える
ことがわかる。従来例である比較例1の難燃性無機化合
物に代えてシリコーンと相性が良いとされている炭酸カ
ルシウムを組み合わせて比較例1と同様の検討を行った
が、すべての物性において満足の行くものは得られなか
った。
【0042】<比較例3>ポリマーとしてエチレン−酢
酸ビニル共重合体だけを用い、これに大量の難燃性無機
化合物を配合することにより、難燃性(OI、殻、煙)
に優れた組成物を得ることはできたが、強度が低く、ま
た加工性が悪いため実用的な材料ではないことがわか
る。
【0043】<比較例4>実施例1で使用したシリコー
ンオイルに代えて、極めて粘度が高い、すなわち、ゴム
状シリコーンガムを用いて実施例1と同様の操作で材料
の調製と評価を実施した。シリコーンガムでは酸素指数
が低く、燃えやすいとともに、実施例1に比べて強度や
加工性に劣ることがわかる。
【0044】
【表1】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) エチレン・酢酸ビニル系共重合体、
    (B) エチレン・(メタ)アクリル酸エステル系共重合
    体、(C) 難燃性無機化合物および(D) シリコーンを含む
    ことを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A) エチレン・酢酸ビニル系共重合体と
    (B) エチレン・(メタ)アクリル酸エステル系共重合体
    の重量比(B)/[(A)+(B)] が0.01ないし0.99であ
    る請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A) エチレン・酢酸ビニル系共重合体の
    酢酸ビニル含量、および(B) エチレン・(メタ)アクリ
    ル酸エステル系共重合体のアクリル酸エステル含量が、
    2ないし80重量%である請求項1または2記載の難燃
    性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (C) 難燃性無機化合物が水酸化マグネシ
    ウムである請求項1ないし3のいずれか1項記載の難燃
    性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (D) シリコーンが、25℃において液状
    もしくはグリース状のシリコーンオイルである請求項1
    ないし4のいずれか1項記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (D) シリコーンが、シリコーン・ポリオ
    レフィン共重合体である請求項1ないし4のいずれか1
    項記載の難燃性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 組成物が降伏点を持たない請求項1ない
    し4のいずれか1項記載の難燃性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003026936A (ja) * 2001-07-18 2003-01-29 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd 難燃性樹脂組成物
CN103547730A (zh) * 2010-11-26 2014-01-29 圣戈班艾德福斯公司 用于基于矿物纤维的垫的含水阻燃性组合物和获得的垫

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