JP2006153089A - 無段変速機用ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】板厚を薄くした部分の適正な範囲が規定されたエレメントからなる無段変速機用ベルトを提供する。
【解決手段】無端状のリング50と、このリング50に保持されて周方向に整列され、相互に接触可能な前側主面40fおよび後側主面40rを有する多数のエレメント40からなり、ドライブプーリ5およびドリブンプーリ8に巻き掛けられて駆動力を伝達する金属Vベルト7において、エレメント40の後側主面40rの左右方向略中央部に上下に延びた凹部48が形成され、凹部48の深さをΔtとし、エレメント40が、前側主面40fが凸となるように反ったときの凹部48の左右方向幅Lに対応する部分の前側主面40fの突出量である凸高さをkとし、運転中におけるエレメント40同士の接触部における撓み量をξとしたとき、次式 Δt ≧ 2k + ξ を満足するように構成する。
【選択図】図8

Description

本発明は、例えば自動車のベルト式無段変速機に用いられる無段変速機用ベルトに関する。
ベルト式無段変速機に用いられるベルトは、無端状のリングに多数のエレメントが保持されて構成されており、ドライブおよびドリブンプーリに巻き掛けられて駆動力が伝達される。このようなベルト式無段変速機においては、前後のエレメントは互いに接触するため、ベルトに発生するミスアライメントを吸収したり、エレメントのヨーイングを防止しないと、耐久性が低くなる。そのため、エレメントの中央部の板厚を薄くして、エレメントの一方の面の左右両端部を突出させ、この突出した部分を対向するエレメントに接触させることにより、ミスアライメントの吸収とヨーイングを抑えた無段変速機用ベルトが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−27288号公報
しかしながら、従来の技術ではエレメントの中央部において板厚を薄くしている部分の幅や深さ(板厚)が規定されておらず、製品の精度のばらつきにより設計上意図した効果を得ることができないという課題があった。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、板厚を薄くしている部分の適正な範囲が規定されたエレメントを有してなる無段変速機用ベルトを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、第1の本発明に係る無段変速機用ベルト(例えば、実施形態における金属Vベルト7)は、無端状の金属リング(例えば、実施形態におけるリング50)と、この金属リングに保持されて金属リングの周方向に整列され、相互に接触可能な前側主面および後側主面を有する多数の金属エレメント(例えば、実施形態におけるエレメント40)からなり、前側の金属エレメントの後側主面と後側の金属エレメントの前側主面とを相互に接触させた状態でドライブプーリおよびドリブンプーリに巻き掛けられて駆動力を伝達するものであり、金属エレメントの後側主面の左右方向略中央部に上下に延びた凹部が形成され、凹部の深さをΔtとし、金属エレメントが、前側主面が凸となるように反ったときの凹部の左右方向幅に対応する部分の前側主面の突出量である凸高さをkとし、運転中における金属エレメント同士の接触部における撓み量をξとしたとき、次式
Δt ≧ 2k + ξ
を満足するように構成される。
また、第2の本発明に係る無段変速機用ベルトは、無端状の金属リングと、この金属リングに保持されて金属リングの周方向に整列され、相互に接触可能な前側主面および後側主面を有する多数の金属エレメントからなり、前側の金属エレメントの後側主面と後側の金属エレメントの前側主面とを相互に接触させた状態でドライブプーリおよびドリブンプーリに巻き掛けられて駆動力を伝達するものであり、金属エレメントの前側主面の左右方向略中央部に上下に延びた凹部が形成されるとともに、前側主面の前側の金属エレメントと接触する部分が凸状に形成され、凹部の深さをΔtとし、金属エレメントが、後側主面が凸となるように反ったときの凹部の左右方向幅に対応する部分の後側主面の突出量である凸高さをkとし、ドライブプーリ若しくはドリブンプーリに巻き付いているときの金属エレメントの接触位置と、巻き付いていないときの接触位置との違いにより生じる向笠のずれ量をk1とし、運転中における金属エレメント同士の接触部における撓み量をξとしたとき、次式
Δt ≧ 2k +k1 + ξ
を満足するように構成される。
第1および第2の本発明に係る無段変速機用ベルトを以上のように構成すると、この無段変速機用ベルトを構成するエレメントの製造において発生する反りに左右されることなく、設計上意図したエレメント同士の接触により動力伝達を維持することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1および図2を用いて、本実施例に係る無段変速機用ベルト(以下、「金属Vベルト7」と呼ぶ)が用いられるベルト式無段変速機1について説明する。ベルト式無段変速機(CVT)1は、エンジンENGの出力シャフトとフライホイールダンパ10を介して繋がる変速機入力シャフト2と、この変速機入力シャフト2に平行に配設された変速機カウンタシャフト3と、これら両シャフト2,3の間に配設された金属Vベルト機構4と、変速機入力シャフト2の上に配設された遊星歯車式前後進切替機構20とから構成される。このベルト式無段変速機1には、油圧ポンプ30、変速制御バルブ60等が設けられ、油圧ポンプ30からの作動油が油路30c〜30eを通り、変速制御バルブ60により制御された金属Vベルト機構4に送られて変速制御がなされる。
金属Vベルト機構4は、変速機入力シャフト2上に回転自在に配設されたドライブプーリ5と、変速機カウンタシャフト3上にこの変速機カウンタシャフト3と一体回転するように配設されたドリブンプーリ8と、両プーリ5,8間に巻き掛けられた金属Vベルト7とから構成されている。
金属Vベルト7は、図3に示す通り、金属材料で形成され、連結された多数のエレメント40と、このエレメント40が周方向に整列されて取り付けられた2束のリング50とから構成される。エレメント40は、図4に示すとおり、平板状に形成されており、左右にイヤー部42が延びるヘッド部41と、左右に延びるボディ部44およびこのヘッド部41とボディ部44とを上下に繋ぐネック部43とから構成されている。
このエレメント40の進行方向前側および後側には、前側主面40fおよび後側主面40rがそれぞれ形成され、前側主面40fの下部には左右方向に延びるロッキングエッジ部45を介して傾斜面44aが形成されていて、下端に向かって板厚が薄くなっている。また、ヘッド部41の前面にはノーズ部46が突出して形成されており、後面にはノーズホール47が凹状に形成されている。そのため、隣接するエレメント40同士は、このノーズ46およびノーズホール47が嵌合して連結されている。さらに、後側主面40rの左右方向略中央部には、上下に延びる凹部48が形成され、この部分の板厚が薄くなっている。
リング50は、エレメント40の左右に形成されたイヤー部42とロッキングエッジ部45の上面(サドル面)との間に形成されたリングスロット49に挟持されている。また、ボディ部44の左右両側面にはV面44bが形成されており、このV面44bが後述するドライブおよびドリブンプーリ5,8のV面11に接触して挟持される。
なお、金属Vベルト7はリングを1束で構成することも可能であり、その場合のエレメント140は図5に示すような形状となる。このエレメント140は、左右に延びるボディ部141と、このボディ部141の上部の左右端からそれぞれ上方に延びるピラー部142から構成される。前側主面140fには左右に延びるロッキングエッジ部143の下部に傾斜面141aが形成されており、下端に向かって板厚が薄くなるように構成されている。また、後側主面140rの左右方向略中央部には、上下に延びる凹部146が形成され、この部分の板厚が薄くなっている。そして、左右のピラー部142とロッキングエッジ部143の上面(サドル面144)の間に形成されたリングスロット145にリングが挟持される。このエレメント140においても、ボディ部141の左右両側面にV面141bが形成されている。
ところで、以上の図4および図5で示したエレメント40(140)においては、凹部48(146)を後側主面40r(140r)に設けた場合について説明したが、この凹部は、前側主面40f(140f)に設けても良いし、両面に設けても良い。
ドライブプーリ5は、変速機入力シャフト2の上に回転自在に配設された固定プーリ半体5Aと、この固定プーリ半体5Aに対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体5Bとから構成される。可動プーリ半体5Bの側方にはドライブ側シリンダ室6が形成され、変速制御バルブ60から油路30dを介して供給される油圧により、可動プーリ半体5Bを軸方向に移動させる軸方向推力(ドライブプーリ軸方向推力)が発生する。固定プーリ半体5Aの金属Vベルト7と接触する部分にはV面11が形成されており、このV面11は可動プーリ半体5Bの固定プーリ半体5Aと対向する面にも形成されている。そして、固定プーリ半体5Aおよび可動プーリ半体5Bに形成されたV面11により金属Vベルト7が挟持されている。
ドリブンプーリ8は、変速機カウンタシャフト3の上に結合して配設された固定プーリ半体8Aと、この固定プーリ半体8Aに対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体8Bとから構成される。可動プーリ半体8Bの側方にはドリブン側シリンダ室9が形成され、変速制御バルブ60から油路30eを介して供給される油圧により、可動プーリ半体8Bを軸方向に移動させる軸方向推力(ドリブンプーリ軸方向推力)が発生する。ドリブンプーリ8においてもドライブプーリ5と同様にV面11が形成されており、固定プーリ半体8Aと可動プーリ半体8BのV面11で金属Vベルト7が挟持されている。
このように、ドライブ側シリンダ室6およびドリブン側シリンダ室9へ供給される油圧(プーリ側圧制御油圧)を制御することにより、金属Vベルト7にスリップが発生しないプーリ軸推力(スリップ防止軸推力と称する)が設定できるとともに、ドライブプーリ5およびドリブンプーリ8のプーリ幅を可変設定することができ、金属Vベルト7の両プーリ5,8に対する巻き掛け半径を連続的に変化させて変速比を無段階に(連続的に)制御することができる。
遊星歯車式前後進切替機構20は、シングルピニオン式の遊星歯車機構を備え、変速機入力シャフト2に結合されたサンギヤ21と、固定プーリ半体5Aに結合されたキャリア22と、後進用ブレーキ25により固定保持可能なリングギヤ23と、サンギヤ21とリングギヤ23とを連結可能な前進用クラッチ24とを有して構成される。前進用クラッチ24が結合されると、サンギヤ21、キャリア22およびリングギヤ23が変速機入力シャフト2と一体に回転し、ドライブプーリ5は変速機入力シャフト2と同一方向(前進方向)に回転駆動される。一方、後進用ブレーキ25が係合されるとリングギヤ23が固定保持され、キャリア22がサンギヤ21と逆方向(後進方向)に回転駆動される。
以上のような構成の金属Vベルト機構4、遊星歯車式前後進切替機構20を介して変速されて変速機カウンタシャフト3に伝達されたエンジンENGからの動力は、発進クラッチ26およびギヤ27a,27b,28a,28bを介してディファレンシャル機構29に伝達され、図示しない左右の車輪に分割して伝達される。
なお、上述のように、ドライブ側およびドリブン側シリンダ室6,9への油圧供給を変速制御バルブ60により制御して変速制御がなされるのであるが、変速制御バルブ60の作動制御は、制御ユニット70からの変速制御信号CDR,CDNにより行われる。この変速制御バルブ60は、ドライブ側シリンダ室6およびドリブン側シリンダ室9に供給する油圧を制御する二個のソレノイドバルブを有して構成され、これらソレノイドバルブが変速制御バルブ70から出力される変速制御信号CDR,CDNに基づいて両シリンダ室6,9内の油圧が設定され、ドライブおよびドリブンプーリ5,8に作用するドライブおよびドリブンプーリ軸方向推力が設定される。この変速制御のため、変速制御ユニット70には、エンジン回転信号Ne、エンジンスロットル開度信号TH、車速信号V、ドライブ側回転数検出器71より得られたドライブプーリ回転信号NDRおよびドリブン側回転数検出器72より得られたドリブンプーリ回転信号NDNが検出されて入力されている。
以上のように構成されたベルト式無段変速機1の金属Vベルト機構4において、金属Vベルト7を構成するエレメント40(140)は、互いに接触してドライブプーリ5からドリブンプーリ8へトルクを伝達する。そのため、エレメント40(140)同士を安定して接触するための、前側主面40f(140f)若しくは後側主面40r(140r)の少なくとも一方の面(この実施例では後側主面40r(140r))に凹部48(146)を設けている。なお、エレメント40(140)において、板厚を薄くしている凹部48(146)の両端部は、段付きとせず、図6に示すように滑らかに板厚を変化させても良い(図6等においては、リング50が一束の場合のエレメント140について示して説明を行うが、リング50が二束の場合のエレメント40においても同様である)。
エレメント40(140)は、製造中に反りが発生することがある。しかしながら、反りが大きいとエレメント40(140)単体での耐久性が落ちるため、反り量の最大値は、耐久性に影響の出ない範囲以下と規定されている。
設計上、エレメント40(140)の前側主面40f(140f)および、後側主面40r(140r)を平面とした場合の接触状態と反りが生じた場合で、運転中の隣り合うエレメント40(140)同士の接触位置が大きく異なると、エレメント40(140)の強度を検討するのが困難であるとともに、金属Vベルト7の挙動にも悪影響を及ぼす。反りが無いエレメント40(140)同士の接触の場合、ロッキングエッジ45(143)中央は接触によって撓む量より薄く(凹部48(146)を深く)形成すれば接触しなくなるが、反りを考慮した場合、薄くする量等を厳密に計算する必要が生じる。
すなわち、凹部48(146)の板厚を薄くする量(以下、「深さ」と呼ぶ)Δtがエレメント40(140)の反り量に比べて少ないと、図7(a)に示すように、隣り合うエレメント40(140)同士の接触部が一点となり、挙動の不安定や過大な面圧の発生を起こしてしまう。反対に、図7(b)に示すように、深さΔtが適正な値の場合は、エレメント40(140)が反っていたとしても、安定して接触することができる。
そこで、図8に示すように、ロッキングエッジ部45(143)の左右方向の幅(以下、「エレメント幅」と呼ぶ)がWのエレメント40(140)において、後側主面40r(140r)に幅Lの凹部48(146)を設けた場合において、エレメント40(140)の反り量Sと、反りによって生じる幅Lの凹部48(146)に対向して突出する部分の凸高さkとの関係は、図9のようになる。ここで、エレメント幅Wのエレメント40(140)全体が反り量Sであったとき、中心の凹部48(146)の幅Lとその幅内での凸高さkの関係は図9(a)のようになり、幅Lを一定値とした場合の反り量Sと凸高さkとの関係は図9(b)のようになる。
このように、互いに接触するエレメント40(140)の凹部48(146)の深さΔtを設定する場合、この凸高さkの量を考慮する必要があるが、図9から明らかなように、凸高さkは、エレメント40(140)の反り量Sと凹部48(146)の幅Lとから求められる数値である。なお、反り量Sは、上述のように使用状況により許容される値であり、実機耐久試験や数値解析により決められる値である。
なお、凹部48(146)の幅Lは、リング50が2束の場合の金属Vベルト7においては、その最小値をネック部43の左右方向幅よりも大きいものとする。これは、ネック部43を板厚差の付いた段付き形状にすると、プレスによる成形が難しくなるとともに、運転中に応力集中を招き耐久性を低下させることになるためである。
一方、リング50が1束の場合の金属Vベルト7においては、幅Lの最小値はサドル面144の幅と略同一であるものとする。これは、押し力の伝達を左右のピラー部142で行う構造であるため、ピラー部142が形成されていない中間部は接触しない方が常に同条件での接触を保つことになるため、幅Lはなるべく大きい方が良いが、ピラー部142の根元のR部は応力集中し易いので、そこに段付き形状を設けることはエレメント140単体の耐久性低下を招くからである。よって、サドル面144のピラー部142の内側両端部以上が幅Lの適正範囲となる。
ところで、図10に示すように、互いに接触するエレメント40(140)のうち、ロッキングエッジ部45(143)と傾斜面44a(141a)の境界部が接触する場合には、このエレメント40(140)が剛体である場合や、エレメント40(140)間に大きな押し力が働いていないときは図11(a)に示すように変形せずに接触するが、上述のように通常、エレメント40(140)は金属材料で形成されているためエレメント40(140)間の押し力により、図11(b)に示すような撓み量ξを生じる。このような撓み量ξも見かけ上の板厚減少となるので、上述の凹部48(146)の深さΔtを設計する際に考慮する必要がある。但し、通常の運転条件ではこの撓み量ξは、0.01mm未満と小さな値である。
以上より、凹部48(146)の深さΔtは、次に示す条件式(1)のように設定することにより、エレメント40(140)を安定して接触させることができる。
Δt ≧ 2k + ξ (1)
この条件式(1)に示すように、深さΔtは、エレメント40(140)の反りによって生ずる凸高さkの2倍以上とし、更に、運転中におけるエレメント40(140)同士の接触部の撓み量ξを加えることにより、図7(b)に示すように安定して接触させることができる。
なお、上述のように、凹部48(146)はエレメント40(140)の前側主面40f(140f)若しくは後側主面40r(140r)のいずれか一方、若しくは、両方に設けることができるが、両面に設けた場合は、深さΔtはそれぞれの深さの合計値となる。
また、図6(a)に示すように、凹部48(146)の両端部を段付きとせず滑らかに板厚を変化させた場合には、最小の板厚としている部分を幅Lとする。さらに、図6(b)に示すように、板厚の変化をひとつの滑らかな曲線に置き換えている場合には、曲線の任意の点における幅Lとその部分の深さΔtが条件式(1)の関係を満たしていれば良い。
以上のように、前後のエレメント40(140)は、図12等に示すようにロッキングエッジ部45(143)において接触しているが、このロッキングエッジ部45の下部は図13に示すように小さな曲面を形成してその下方に延びる傾斜面44a(141a)と繋がっている。そのため、エレメント40(140)同士の接触部の位置は、図13(a)に示すように、金属Vベルト7がプーリ5,8に巻付いているときと、図13(b)に示すように弦部にあるときとで異なってくる。
上述の実施例においては、凹部48(146)をエレメント40(140)の後側主面40r(140r)に設けた場合について説明したが、前側主面40f(140f)に設けた場合は、エレメント40(140)同士の接触部の位置により、凹部48′(図12および図13においては、リング50が2束の場合のエレメント40において形成され凹部48′として説明するが、1束の場合も同様である)の深さΔtがことなる。
すなわち、図12および図13(a)に示すように、プーリ5,8に巻付き中のエレメント40を横から見ると、接触部はロッキングエッジ部45(143)の半径Rの曲面のいずれかになるため、この接触部における板厚は、僅かにk1だけ減少する(「ずれ量k1」と呼ぶ)。よって、主面側中央の板厚を薄くした場合、巻付き中は薄くしている量が減少することになる。そのため、前側主面40f(140f)に凹部48′を設けた場合は、上述の条件式(1)においては、このずれ量k1も考慮する必要があり、次に示す条件式(2)のようになる。
Δt ≧ 2k + k1 + ξ (2)
以上のように、条件式(1)若しくは(2)となるように凹部48(146)を形成してロッキングエッジ部45(143)の中央部の板厚を薄く形成することにより、製造上生じるエレメント40(140)の反りに左右されることなく、設計上意図したエレメント40(140)同士の接触がなされ、金属Vベルト機構4による動力伝達を維持することができる。
ベルト式無段変速機の全体構成を示す断面図である。 ベルト式無段変速機の全体構成を示すスケルトン図である。 金属Vベルトの構造を示す斜視図である。 2束のリングにより保持されるエレメントを示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のIVB−IVB断面図である。 1束のリングにより保持されるエレメントを示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のVB−VB断面図である。 図5のVI−VI断面図であり、(a)は凹部の両端部の板厚をなめらかに変化させた場合であり、(b)は凹部を一つの滑らかな曲線で形成した場合である。 隣り合うエレメントの接触状態を示す図であり、(a)はΔtが少ない場合であり、(b)はΔtが適切な場合である。 エレメントの反り量と凸高さを示すための説明図である。 エレメントの凸高さと凹部幅および反り量との関係を示すグラフであり、(a)は凹部の幅とその幅内での凸高さの関係を示すグラフであり、(b)は凹部の幅を一定値とした場合の反り量と凸高さの関係を示すグラフである。 互いに接触するエレメントを示す説明図である。 図10における要部XIの拡大図であり、(a)は押し圧力が働かない場合であり、(b)は押し力が働いている場合である。 前側主面に凹部を形成した場合のエレメント全体の側面図である。 前側主面に凹部を形成した場合の凹部の深さのずれ量を示す図であり、(a)は、金属Vベルトがプーリに巻きかけられている状態を示す図であり、(b)は金属Vベルトが弦部にある状態を示す図である。
符号の説明
5 ドライブプーリ
7 金属Vベルト(無段変速機用ベルト)
8 ドリブンプーリ
40 エレメント(金属エレメント)
40f 前側主面
40r 後側主面
48,48′ 凹部
50 リング(金属リング)

Claims (2)

  1. 無端状の金属リングと、前記金属リングに保持されて前記金属リングの周方向に整列され、相互に接触可能な前側主面および後側主面を有する多数の金属エレメントからなり、前側の前記金属エレメントの前記後側主面と後側の前記金属エレメントの前記前側主面とを相互に接触させた状態でドライブプーリおよびドリブンプーリに巻き掛けられて駆動力の伝達を行う無段変速機用ベルトであって、
    前記金属エレメントの前記後側主面の左右方向略中央部に上下に延びた凹部が形成され、
    前記凹部の深さをΔtとし、前記金属エレメントが、前記前側主面が凸となるように反ったときの前記凹部の左右方向幅に対応する部分の前記前側主面の突出量である凸高さをkとし、運転中における前記金属エレメント同士の接触部における撓み量をξとしたとき、次式
    Δt ≧ 2k + ξ
    を満足することを特徴とする無段変速機用ベルト。
  2. 無端状の金属リングと、前記金属リングに保持されて前記金属リングの周方向に整列され、相互に接触可能な前側主面および後側主面を有する多数の金属エレメントからなり、前側の前記金属エレメントの前記後側主面と後側の前記金属エレメントの前記前側主面とを相互に接触させた状態でドライブプーリおよびドリブンプーリに巻き掛けられて駆動力の伝達を行う無段変速機用ベルトであって、
    前記金属エレメントの前記前側主面の左右方向略中央部に上下に延びた凹部が形成されるとともに、前記前側主面の前側の前記金属エレメントと接触する部分が凸状に形成され、
    前記凹部の深さをΔtとし、前記金属エレメントが、前記後側主面が凸となるように反ったときの前記凹部の左右方向幅に対応する部分の前記後側主面の突出量である凸高さをkとし、前記ドライブプーリ若しくは前記ドリブンプーリに巻き付いているときの前記金属エレメントの接触位置と、巻き付いていないときの前記接触位置との違いにより生じる前記深さのずれ量をk1とし、運転中における前記金属エレメント同士の接触部における撓み量をξとしたとき、次式
    Δt ≧ 2k +k1 + ξ
    を満足することを特徴とする無段変速機用ベルト。
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