JP2011080487A - 動力伝達用ベルト - Google Patents
動力伝達用ベルト Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011080487A JP2011080487A JP2009230618A JP2009230618A JP2011080487A JP 2011080487 A JP2011080487 A JP 2011080487A JP 2009230618 A JP2009230618 A JP 2009230618A JP 2009230618 A JP2009230618 A JP 2009230618A JP 2011080487 A JP2011080487 A JP 2011080487A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- power transmission
- transmission belt
- contact
- length
- protruding
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Transmissions By Endless Flexible Members (AREA)
Abstract
【課題】隣接するエレメントの移動の自由度を確保しつつ、エレメントがプーリの巻き掛け部から弦部に抜け出るときにエレメントが揺動するのを抑制することができるようにして、動力伝達用ベルトによって駆動プーリから従動プーリに伝達される動力の損失が発生するのを防止することができるとともに、積層リングの径方向外周面の耐久性が悪化するのを防止することができる動力伝達用ベルトを提供すること。
【解決手段】ディンプル44の長さLをホール45の深さHよりも長くし、このディンプル44の長さを、ディンプル44の先端がホール45の底面に接触した状態でエレメント30の一方の面が隣接するエレメント30の他方の面に接触しないような長さに設定する。
【選択図】図8
【解決手段】ディンプル44の長さLをホール45の深さHよりも長くし、このディンプル44の長さを、ディンプル44の先端がホール45の底面に接触した状態でエレメント30の一方の面が隣接するエレメント30の他方の面に接触しないような長さに設定する。
【選択図】図8
Description
本発明は、動力伝達用ベルトに関し、特に、複数のエレメントを対向させて配置して無端状の積層リングに組み付けることにより、環状に結束して構成した動力伝達用ベルトに関する。
一般に、複数の回転部材同士の間で動力の伝達を行う場合に用いる変速機として、変速比を段階的に変化させることができる有段変速機と、変速比を連続して、すなわち、無段階に変化させることができる無段変速機とがあり、後者の無段変速機としては、ベルト式無段変速機およびトロイダル式無段変速機等が知られている。
このうち、ベルト式無段変速機は、駆動プーリおよび従動プーリの2組のプーリと、駆動プーリおよび従動プーリに巻き掛けられる動力伝達用ベルトとを使用して変速比を無段階に変化させる変速機である。
図13、図14に基づいてベルト式無段変速機について説明する。ベルト式無段変速機(ベルト式CVT:Continuously Variable Transmission)は、入力軸11に取付けられた駆動プーリ12および出力軸13に取付けられた従動プーリ14に動力伝達用ベルト1が巻き掛けられて使用されている。
駆動プーリ12および従動プーリ14は、溝幅を無段階に変えられる1対のシーブ12a、14aをそれぞれ備えており、1対のシーブ12a、14aの溝幅を変えることによって動力伝達用ベルト1の駆動プーリ12および従動プーリ14に対する巻付け半径を可変することにより、入力軸11と出力軸13との間の回転数比、すなわち、変速比を連続的に無段階に変化させることができる。
このようなベルト式無段変速機に用いられる動力伝達用ベルト1として、例えば、エレメントあるいはブロック等と称される多数の板片をその板厚方向に互いに重ね合わせて環状に配列するとともに、それらの板片をリング、バンドあるいはキャリア等と称される環状の帯状体で環状に結束することにより、無端状に形成されたベルトが知られている。
このような動力伝達用ベルトとしては、例えば、図15に示すようなものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
動力伝達用ベルト1は、並列に配列される一対の積層リング2、3と、一対の積層リング2、3を並列に収容する凹部4を介して環状に結束された複数のエレメント5(図示1個)とから構成されている。
動力伝達用ベルト1は、並列に配列される一対の積層リング2、3と、一対の積層リング2、3を並列に収容する凹部4を介して環状に結束された複数のエレメント5(図示1個)とから構成されている。
エレメント5は、凹部4における左右の内側面4a、4bからエレメント5の幅方向内方に向かって突出するとともに、突出方向の先端面6a、7aによって並列に配列された積層リング2、3の幅の総和よりも小さい開口を形成し、凹部4内に並列に配列された積層リング2、3を係合する抜け止め部6、7とを備えており、抜け止め部6、7に積層リング2、3が係合することにより、積層リング2、3がエレメント5から外れないように積層リング2、3が凹部4の底面4cに載置されるようにして凹部4内に収容されている。
また、図16に示すようにエレメント5の板厚方向(積層リング2、3)の周方向の前後面にはそれぞれディンプル8aとホール8bとが設けられており、隣接するエレメント5同士の間でこれらのディンプル8aをホール8bに遊嵌させることにより、動力伝達用ベルト1の走行中にエレメント5を整列させるようになっている。
この動力伝達用ベルト1は、図13に示すように、駆動プーリ12および従動プーリ14に巻き掛けられた状態で駆動プーリ12が駆動されると、動力伝達用ベルト1は、シーブ12a、14aによる挟圧力により径方向での外側に荷重が作用するが、各エレメント5が積層リング2、3によって結束されているので、積層リング2、3の張力により径方向での外側への移動が規制される。
このため、エレメント5には、エレメント5と駆動プーリ12との接触部分の摩擦力および駆動プーリ12のトルクに応じて駆動プーリ12からエレメント5に対して加えられるエレメント5の積層方向、すなわち、エレメント5の板厚方向の圧縮力(エレメント5の押し出し力)が作用する。
そして、駆動プーリ12に接触しているエレメント5に伝達された圧縮力は、駆動プーリ12に巻き掛けられていないエレメント5を経由して、従動プーリ14に接触しているエレメント5に伝達される。
ここで、図14に示すように、動力伝達用ベルト1は、駆動プーリ12および従動プーリ14に巻き掛けられた巻き掛け部Mと、駆動プーリ12および従動プーリ14に巻き掛けられていない直線状の弦部Nとから構成されており、従動プーリ14に接触しているエレメント5に圧縮力が伝達されると、エレメント5と従動プーリ14との接触部分の摩擦力および伝達された圧縮力に応じて従動プーリ14を回転させようとするトルクが発生する。このようにして、駆動プーリ12と従動プーリ14との間で動力伝達用ベルト1を介して動力伝達が行われる。
ところで、このような構成を有する動力伝達用ベルト1にあっては、図17に示すように、エレメント5が巻き掛け部Mから弦部Nに抜けるときに、走行状態が円運動から直線運動に変換されるため、巻き掛け部Mから抜け出る直前まで行っていた円運動の影響から直線運動に変換された瞬間に動力伝達用ベルト1の走行方向Rに慣性を生じてしまう。
このため、エレメント5が動力伝達用ベルト1の走行方向前方に揺動(ピッチング)してしまい、揺動したエレメント5(揺動したエレメントを5Eで表す)が走行方向R前方のエレメント5に接触する前に、積層リング2、3の径方向外周面に抜け止め部6、7の内周面6b、7bが接触してしまった。
このため、積層リング2、3が走行方向R前方に揺動した状態から元の状態に復帰しようとする力が働いてしまい、エレメント5Eの前方に位置するエレメント5が動力を伝達するための必要な圧縮力を充分に受けることができなくなり、結果的に、動力伝達用ベルト1によって駆動プーリ12から従動プーリ14に伝達される動力損失が増大してしまい、燃費の悪化が生じてしまうおそれがある。
また、積層リング2、3の径方向外周面に抜け止め部6、7が接触してしまうため、積層リング2、3の径方向外周面(径方向外方に位置するリング)が磨耗してしまい、積層リング2、3の強度が低下してしまうおそれがあった。
また、エレメント5が巻き掛け部Mから弦部Nに抜けるときにエレメント5が動力伝達用ベルト1の走行方向R前方に揺動してしまうのを防止するものとしては、積層リング2、3の径方向外周面と抜け止め部6、7の内周面6b、7bの第1クリアランスを、ディンプル8aとホール8bの第2クリアランスよりも大きく設定することにより、エレメント5が揺動したときに、ディンプル8aとホール8bの第2クリアランスを最初に消滅させてエレメント5の揺動が大きくなるのを抑制するようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献2に記載されるものにあっては、積層リング2、3の径方向外周面と抜け止め部6、7の内周面6b、7bの第1クリアランスを、ディンプル8aとホール8bの第2クリアランスよりも大きく設定しているため、換言すれば、ディンプル8aとホール8bの第2クリアランスを小さくする必要があるため、隣接するエレメント5同士の移動の自由度が著しく制限されてしまうことになる。
このため、何らかの理由によって所定の部位のエレメント5が積層リング2、3の径方向内方に移動した場合には、所定の部位のエレメント5に隣接するエレメント5が所定の部位のエレメント5と共に積層リング2、3の径方向内方に移動してしまう。
この場合、積層リング2、3からエレメント5の底面4cが離隔してしまうことになり、エレメント5が積層リング2、3に対してスリップしてしまい、動力伝達用ベルト1によって駆動プーリ12から従動プーリ14に伝達される動力の損失が発生して燃費の悪化が生じてしまうおそれがある。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、隣接するエレメントの移動の自由度を確保しつつ、エレメントがプーリの巻き掛け部から弦部に抜け出るときにエレメントが揺動するのを抑制することができるようにして、動力伝達用ベルトによって駆動プーリから従動プーリに伝達される動力の損失が発生するのを防止することができるとともに、積層リングの径方向外周面の耐久性が悪化するのを防止することができる動力伝達用ベルトを提供することを目的とする。
本発明に係る動力伝達用ベルトは、上記目的を達成するため、(1)無端状のフープを積層してなる積層リングと、前記積層リングを収容する収容手段を有し、前記収容手段を介して前記積層リングに取付けられた複数のエレメントとを備え、前記エレメントの板厚方向の一方の面に設けられた嵌合凸部を前記エレメントの板厚方向の他方の面に設けられた嵌合凹部に遊嵌させ、前記エレメントを板厚方向に互いに対向させて駆動プーリおよび従動プーリに巻き掛けることにより、前記駆動プーリの回転を前記従動プーリに伝達する動力伝達用ベルトであって、前記収容手段を、前記積層リングの径方向内周面が接触する底部と、前記底部から前記積層リングの径方向外方に突出する突出部と、前記突出部から前記エレメントの幅方向に向かって突出し、突出方向先端部に前記積層リングの径方向外周面と一定の隙間を介して離隔することにより、前記積層リングが前記底部から離脱するのを防止する抜け止め部とを含んで構成し、前記嵌合凸部の突出方向長さを、前記嵌合凹部の深さよりも長くしたものから構成されている。
この構成により、嵌合凸部の突出方向長さを嵌合凹部の深さよりも長くしたので、エレメントが、駆動プーリおよび従動プーリに巻き掛けられた巻き掛け部から直線状の弦部に抜け出るときに、エレメントが円運動から直線運動に変換される瞬間の慣性で揺動した場合に、このエレメントの嵌合凸部の先端を走行方向前方側のエレメントの嵌合凹部の底面に当接させることができ、エレメントの揺動を抑制することができる。
このため、エレメントの抜け止め部が積層リングの径方向外周面に接触するのを防止することができ、エレメントが元の状態に復帰するための余計な運動を行うのを防止することができる。このため、動力伝達用ベルトによって駆動プーリから従動プーリに伝達される動力の損失が発生するのを防止することができる。
また、エレメントの抜け止め部が積層リングの径方向外周面に接触しないようにすることができるため、積層リングの径方向外周面の耐久性が悪化するのを防止することができる。
また、嵌合凸部の突出方向長さを嵌合凹部の深さよりも長くしてエレメントの嵌合凸部の先端を走行方向前方側のエレメントの嵌合凹部の底面に当接させることによってエレメントの揺動を抑制することができるため、隣接するエレメントの移動の自由度が低下するのを防止することができ、動力伝達用ベルトによって駆動プーリから従動プーリに伝達される動力の損失が発生するのを防止することができる。
上記(1)に記載の動力伝達用ベルトにおいて、(2)前記嵌合凸部の突出方向長さは、前記嵌合凸部の突出方向先端部が前記嵌合凹部の底面に当接した状態において、前記エレメントの一方の面が隣接する前記エレメントの他方の面に接触しないような突出方向長さに設定されるものから構成されている。
この構成により、エレメントが駆動プーリおよび従動プーリに巻き掛けられた巻き掛け部から直線状の弦部に抜け出るときに、エレメントが円運動から直線運動に変換される瞬間の慣性で揺動した場合に、このエレメントの嵌合凸部が先端を走行方向前方側のエレメントの嵌合凹部の底面に当接させることができる。このときに、エレメントの一方の面が隣接するエレメントの他方の面に接触しないため、エレメントが揺動するのをより一層抑制することができる。
上記(1)または(2)に記載の動力伝達用ベルトにおいて、(3)前記嵌合凸部の突出方向長さは、前記エレメントが前記駆動プーリおよび従動プーリに巻き掛けられていない直線状の弦部に位置した状態において、前記嵌合凸部の突出方向先端部が前記嵌合凹部の底面に当接したときに、前記抜け止め部の内周面が前記積層リングの径方向外周面に接触しないような突出長さに設定されるものから構成されている。
この構成により、エレメントが駆動プーリおよび従動プーリに巻き掛けられた巻き掛け部から直線状の弦部に抜け出るときに、エレメントが円運動から直線運動に変換される瞬間の慣性で揺動した場合に、このエレメントの嵌合凸部が先端を走行方向前方側のエレメントの嵌合凹部の底面に当接させることができる。このとき、抜け止め部が積層リングの径方向外周面に接触しないようにすることができるため、エレメントが揺動するのをより一層抑制することができる。
本発明によれば、隣接するエレメントの移動の自由度を確保しつつ、エレメントがプーリの巻き掛け部から弦部に抜け出るときにエレメントが揺動するのを抑制することができるようにして、動力伝達用ベルトによって駆動プーリから従動プーリに伝達される動力の損失が発生するのを防止することができるとともに、積層リングの径方向外周面の耐久性が悪化するのを防止することができる動力伝達用ベルトを提供することができる。
以下、本発明に係る動力伝達用ベルトの実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図8は、本発明に係る動力伝達用ベルトの第1の実施の形態を示す図である。
まず、構成を説明する。
図1、図2において、ベルト式無段変速機(ベルト式CVT:Continuously Variable Transmission)は、入力軸21に取付けられた駆動プーリ22および出力軸23に取付けられた従動プーリ24に動力伝達用ベルト25が巻き掛けられて使用されている。
(第1の実施の形態)
図1〜図8は、本発明に係る動力伝達用ベルトの第1の実施の形態を示す図である。
まず、構成を説明する。
図1、図2において、ベルト式無段変速機(ベルト式CVT:Continuously Variable Transmission)は、入力軸21に取付けられた駆動プーリ22および出力軸23に取付けられた従動プーリ24に動力伝達用ベルト25が巻き掛けられて使用されている。
駆動プーリ22および従動プーリ24は、V溝の幅を無段階に変えられる1対のシーブ26、27をそれぞれ備えており、1対のシーブ26、27によって構成されるV溝の幅を変えることによって動力伝達用ベルト25の駆動プーリ22および従動プーリ24に対する巻付け半径が可変することにより、入力軸21と出力軸23との間の回転数比、すなわち、変速比を連続的に無段階に変化させることができる。
シーブ26は、入力軸21に平行な方向に移動可能な可動シーブ28と、入力軸21に固定された固定シーブ29とを含んで構成されており、可動シーブ28に形成されたシーブ面28aと固定シーブ29に形成されたシーブ面29aとの間に動力伝達用ベルト25が挟持されている。
可動シーブ28のシーブ面28aおよび固定シーブ29のシーブ面29aは、シーブ面28a、29a同士の間隔が駆動プーリ22の径方向内側ほど狭くなるとともに、駆動プーリ22の径方向外側ほど広くなるように、駆動プーリ22の径方向に対して傾斜している。
また、従動プーリ24のシーブ27は、駆動プーリ22のシーブ27と同様に、シーブ面34aを有する可動シーブ34およびシーブ面35aを有する固定シーブ35から構成されている。
可動シーブ28には、可動シーブ28に供給される油圧力によって入力軸21に平行な方向の推力が作用するようになっており、この推力によって、可動シーブ28が入力軸21に平行な方向に移動することで、シーブ面28aとシーブ面29aの間隔が変化するとともに、動力伝達用ベルト25がシーブ面28a、29aに対して駆動プーリ22の径方向に摺動する。
この動力伝達用ベルト25の駆動プーリ22の径方向の摺動によって、動力伝達用ベルト25の駆動プーリ22および従動プーリ24への掛かり径が連続的に変化することで、ベルト式無段変速機の変速比が連続的に変化する。
図3に示すように、動力伝達用ベルト25は、多数のエレメント30を備えており、このエレメント30は、例えば、金属製の板片状の部材から構成されている。また、エレメント30は、エレメント30の幅方向(図3のX軸方向)の左右の側面31、32がテーパ状の傾斜した面として形成された本体33を有し、そのテーパ状に傾斜した側面31、32がベルト式無段変速機のシーブ26のシーブ面28a、29aあるいはシーブ27のシーブ面34a、35aに摩擦接触することにより、駆動プーリ22から従動プーリ24にトルクを伝達するようになっている。
エレメント30の本体33の幅方向(図3のX軸方向)における左右の両端部分にはエレメント30の上下方向(図3のY軸方向)で本体33の上端面(底部)33aから上方に突出する左右の柱部(突出部)36、37がそれぞれ形成されており、本体33の上端面33aと、柱部36、37の本体33の幅方向における中央を向いた左右の内側面36a、37aとによってエレメント30の上側(図3のY軸方向での上側)、すなわち、動力伝達用ベルト25の外周側に開口した収容手段としての凹部38が形成されている。このため、内側面36a、37aは凹部38の内側面を構成している。
凹部38は、互いに密着して環状に配列されたエレメント30を環状に結束するための無端状の積層リング39、40(図4参照)を並列に配列して収容するようになっており、上端面33aが、積層リング39、40の径方向内周面(すなわち、積層リング39、40の径方向内周側に位置するリング)39a、40aを接触させて載置するためのサドル面を構成している。
積層リング39、40は、例えば、金属製の環状のフープを径方向に複数枚積層させて形成したものから構成されており、積層リング39、40は、互いに材質、強度および周長(具体的には最内周面の周長)が等しいものから構成されている。本実施の形態では、エレメント30および積層リング39、40が動力伝達用ベルト25を構成している。
柱部36、37の突出方向先端部には柱部36、37から本体33の幅方向内方に向かって突出し、突出方向先端部に積層リング39、40の径方向外周面39b、40bと一定の隙間を介して離隔する抜け止め部41、42が形成されており、この抜け止め部41、42の先端面(突出方向先端面)41a、42aによって凹部38の開口が形成されている。したがって、凹部38の開口は、積層リング39、40の幅の総和よりも小さい開口幅となっている。
この動力伝達用ベルト25を構成する多数のエレメント30は、互いに対向して環状に配列された状態で積層リング39、40によって結束され、その状態で駆動プーリ22および従動プーリ24に巻き掛けられる。
したがって、駆動プーリ22および従動プーリ24に巻き掛けられた状態では、各エレメント30が、駆動プーリ22および従動プーリ24の中心に対して扇状に拡がり、かつ互いに密着する必要があるため、各エレメント30の図5中、下方部分(環状に配列した状態での中心側の部分)が薄肉に形成されている。
すなわち、本体33の一方の面(例えば、図5における左側の面)における上端面33aより所定寸法下がった(オフセットされた)部分から下側の部分が削り落とされた状態で次第に薄肉化されている。したがって、各エレメント30が扇形に拡がって接触する状態、言い換えると、各エレメント30が駆動プーリ22および従動プーリ24に巻き掛かり円弧状に湾曲して配列されて動力伝達用ベルト25が湾曲する状態で、その板厚の変化する境界部分で接触する。
この境界部分のエッジが、所謂、ロッキングエッジ43となっており、各エレメント30が円弧状に湾曲した配列状態となった場合に(図8参照)、ロッキングエッジ43が隣接する他のエレメント30に接触する。
また、エレメント30の柱部36、37には、各エレメント30が駆動プーリ22および従動プーリ24に巻き掛からず直線状に配列されるベルト直線状態において各エレメント30の相対的な位置を決めるための嵌合凸部としてのディンプル44と嵌合凹部としてのホール45とが形成されている。
具体的には、エレメント30の一方の面である柱部36、37の一方の面(図5、図6では、ロッキングエッジ43のある面側)に凸となる円錐台形のディンプル44が形成されており、このディンプル44とは反対側のエレメント30の他方の面である柱部36、37の他方の面(図5、図7では、ロッキングエッジ43が形成されていない面側)には、隣接するエレメント30におけるディンプル44を遊嵌させる有底円筒状のホール45が形成されている。ここで、遊嵌とは、ディンプル44とホール45の間に隙間が画成されるようにディンプル44をホール45に緩く嵌合させることである。
したがって、動力伝達用ベルト25の直線状態でディンプル44をホール45に遊嵌することによって、その状態におけるエレメント30同士の図3での左右方向および上下方向の相対位置を決めてエレメント30を積層方向に整列させることができ、例えば、ベルト式無段変速機が運転される場合に、動力伝達用ベルト25のがたつきを防止して動力伝達用ベルト25を安定して走行させることができる。
また、図5に示すように、本実施の形態のディンプル44の長さ(突出方向長さ)Lは、ホール45の深さHよりも長く形成されており、ディンプル44の先端がホール45の底面に接触した状態では、エレメント30の一方の面が隣接するエレメント30の他方の面に接触しないようにディンプル44の長さが設定されている。
次に、作用を説明する。
動力伝達用ベルト25は、図2に示すように、駆動プーリ22および従動プーリ24に巻き掛けられた状態で駆動プーリ22が駆動されると、動力伝達用ベルト25は、シーブ26、27による挟圧力により径方向での外側に荷重が作用するが、各エレメント30が積層リング39、40によって結束されているので、積層リング39、40の張力により径方向での外側への移動が規制される。
動力伝達用ベルト25は、図2に示すように、駆動プーリ22および従動プーリ24に巻き掛けられた状態で駆動プーリ22が駆動されると、動力伝達用ベルト25は、シーブ26、27による挟圧力により径方向での外側に荷重が作用するが、各エレメント30が積層リング39、40によって結束されているので、積層リング39、40の張力により径方向での外側への移動が規制される。
このため、エレメント30には、エレメント30と駆動プーリ22との接触部分の摩擦力および駆動プーリ22のトルクに応じて駆動プーリ22からエレメント30に対して加えられるエレメント30の積層方向、すなわち、エレメント30の板厚方向の圧縮力(エレメント30の押し出し力)が作用する。
そして、駆動プーリ22に接触しているエレメント30に伝達された圧縮力は、駆動プーリ22に巻き掛けられていないエレメント30を経由して、従動プーリ24に接触しているエレメント30に伝達される。
図2に示すように、動力伝達用ベルト30は、駆動プーリ22および従動プーリ24に巻き掛けられた巻き掛け部M1と、駆動プーリ22および従動プーリ24に巻き掛けられていない直線状の弦部N1とから構成されており、従動プーリ24に接触しているエレメント30に圧縮力が伝達されると、エレメント30と従動プーリ24との接触部分の摩擦力および伝達された圧縮力に応じて従動プーリ24を回転させようとするトルクが発生する。このようにして、駆動プーリ22と従動プーリ24との間で動力伝達用ベルト25を介して動力伝達が行われる。
ここで、図8に示すように、エレメント30は、巻き掛け部M1から弦部N1に抜けるときに(巻き掛け部M1から弦部N1に抜けるエレメント30をエレメント30Eで示す)、走行状態が円運動から直線運動に変換されるため、巻き掛け部M1から抜け出る直前まで行っていた円運動の影響から直線運動に変換された瞬間に動力伝達用ベルト25の走行方向R1に慣性を生じてしまう。
このため、エレメント30Eが動力伝達用ベルト25の走行方向前方に揺動(ピッチング)する。本実施の形態では、ディンプル44の長さLをホール45の深さHよりも長くしたので、エレメント30Eが駆動プーリ22および従動プーリ24に巻き掛けられた巻き掛け部M1から直線状の弦部N1に抜け出るときに、エレメント30Eが円運動から直線運動に変換される瞬間の慣性で揺動した場合に、エレメント30Eのディンプル44の先端を走行方向R1に対して前方に隣接するエレメント30のホール45の底面に当接させることができ、エレメント30Eの揺動を抑制することができる。
特に、本実施の形態では、ディンプル44の長さを、ディンプル44の先端がホール45の底面に接触した状態でエレメント30の一方の面が隣接するエレメント30の他方の面に接触しないような長さに設定したので、エレメント30Eが揺動するのをより一層抑制することができる。
このため、エレメント30Eの抜け止め部41、42の内周面41b、42bが積層リング39、40の径方向外周面(すなわち、積層リング39、40の径方向外周側に位置するリング)39b、40bに接触するのを防止することができる。
このため、エレメント30Eが元の状態に復帰するための余計な運動を行うことがなく、エレメント30Eの前方に位置するエレメント30に動力を伝達するために必要な圧縮力を充分に与えることができる。このため、動力伝達用ベルト25によって駆動プーリ22から従動プーリ24に伝達される動力の損失が発生するのを防止することができる。
また、エレメント30の抜け止め部41、42が積層リング39、40の径方向外周面39b、40bに接触しないようにすることができるため、積層リング39、40の径方向外周面39b、40bの耐久性が悪化するのを防止することができる。
また、ディンプル44の長さLをホール45の深さHよりも長くしてエレメント30のディンプル44の先端を走行方向R1に対して前方に位置するエレメント30のホール45の底面に当接させることによってエレメント30の揺動を抑制することができるため、隣接するエレメント30の移動の自由度が低下するのを防止することができ、何らかの理由によって特定のエレメント30が積層リング39、40の径方向内方に移動した場合であっても、特定のエレメント30に隣接するエレメント30が特定のエレメント30と共に積層リング39、40の径方向内方に移動してしまうような事態が発生することがない。
したがって、積層リング39、40から本体33の上端面33aが離隔してしまうのを防止して、複数のエレメント30が積層リング39、40に対してスリップしてしまうような事態が発生するのを防止することができ、動力伝達用ベルト25によって駆動プーリ22から従動プーリ24に伝達される動力の損失が発生するのを防止することができる。
なお、本実施の形態では、ディンプル44の長さを、ディンプル44の先端がホール45の底面に接触した状態でエレメント30の一方の面が隣接するエレメント30の他方の面に接触しないような長さに設定しているが、これに限らず、ディンプル44の長さLを、エレメント30が直線状の弦部N1に位置した状態において、すなわち、エレメント30が巻き掛け部M1から弦部N1に抜け出た状態において、ディンプル44の突出方向先端部がホール45の底面に当接したときに、抜け止め部41、42の内周面41b、42bが積層リング39、40の径方向外周面39b、40bに接触しないような長さに設定するようにしてもよい。このようにしてもエレメント30が揺動するのをより一層抑制することができる。
(第2の実施の形態)
図9〜図12は、本発明に係る動力伝達用ベルトの第2の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同一の構成には同一の番号を付して説明を省略する。
図9において、入力軸21に取付けられた駆動プーリ22および出力軸23に取付けられた従動プーリ24に動力伝達用ベルト50が巻き掛けられており、図10に示すように、動力伝達用ベルト50は、駆動プーリ22の可動シーブ28に形成されたシーブ面28aと固定シーブ29に形成されたシーブ面29aとの間に挟持されている。なお、図示しないが、動力伝達用ベルト50は、図1と同様に従動プーリ24の可動シーブ34に形成されたシーブ面34aと固定シーブ35に形成されたシーブ面35aとの間に挟持されている。
図9〜図12は、本発明に係る動力伝達用ベルトの第2の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同一の構成には同一の番号を付して説明を省略する。
図9において、入力軸21に取付けられた駆動プーリ22および出力軸23に取付けられた従動プーリ24に動力伝達用ベルト50が巻き掛けられており、図10に示すように、動力伝達用ベルト50は、駆動プーリ22の可動シーブ28に形成されたシーブ面28aと固定シーブ29に形成されたシーブ面29aとの間に挟持されている。なお、図示しないが、動力伝達用ベルト50は、図1と同様に従動プーリ24の可動シーブ34に形成されたシーブ面34aと固定シーブ35に形成されたシーブ面35aとの間に挟持されている。
図10に示すように、エレメント51は、例えば、金属製の板片状の部材からなり、幅方向(図10のX方向)における左右の両側面52、53がテーパ状の傾斜した面として形成された本体54を有し、このテーパ状に傾斜した側面52、53が駆動プーリ22および従動プーリ24のシーブ面28a、29a、34a、35aに摩擦接触してトルクを伝達する摩擦面を構成している。
また、本体54の幅方向(図10のX方向)における中央部には本体54の上端面(底部)54aから上方に突出する首部(突出部)55が形成されており、首部55の突出方向先端部には本体54の幅方向外方に傘状に突出し、突出方向先端部に積層リング39、40の径方向外周面39b、40bと一定の隙間を介して離隔する頭部(抜け止め部)57が形成されている。
このため、本体54の上端面54aと頭部57の内周面57aの間には、本体54の幅方向に開いた収容手段としてのスリット部58、59が形成されることになり、このスリット部58、59に積層リング39、40が並列に配列されている。
そして、この積層リング39、40は、頭部57に係合することによってスリット部58、59、すなわち、本体54の上端面54aから脱落しないようにスリット部58、59に収容される。
このため、本体54の上端面54aが積層リング39、40の径方向内周面39a、40aを載置するサドル面を構成する。
また、エレメント51は、環状に配列された状態で積層リング39、40に結束され、この状態で駆動プーリ22および従動プーリ24に巻き掛けられるようになっているため、駆動プーリ22および従動プーリ24に巻き掛けられた状態では、各エレメント51が、駆動プーリ22および従動プーリ24のそれぞれの中心に対して扇状に拡がり、かつ互いに密着する必要があるため、各エレメント51の図11に示す下側の部分(環状に配列した状態での中心側の部分)が薄肉に形成されている。
すなわち、本体54の一方の面(例えば、図12における左側の面)における本体54の上端面54aより所定寸法下がった(オフセットされた)部分から下側の部分が削り落とされた状態で次第に薄肉化されている。
したがって、各エレメント51が扇形に拡がって接触する状態、言い換えると、各エレメント51が駆動プーリ22および従動プーリ24に巻き掛かり円弧状に湾曲して配列されて動力伝達用ベルト50が湾曲する状態の場合に、エレメント51の板厚の変化する境界部分で接触する。この境界分のエッジが、ロッキングエッジ60となっており、各エレメント51が円弧状に湾曲した配列状態となった場合に(図12参照)、ロッキングエッジ60が隣接する他のエレメント51に接触する。
また、エレメント51の頭部57には、各エレメント51が駆動プーリ22および従動プーリ24に巻き掛からず直線状に配列されるベルト直線状態において各エレメント51の相対的な位置を決めるための嵌合凸部としてのディンプル61と嵌合凹部としてのホール62とが形成されている。
具体的には、エレメント51の一方の面である頭部57の一方の面側(図12では、ロッキングエッジ60のある面側)に凸となる円錐台形のディンプル61が形成されており、エレメント51の他方の面である頭部57の他方の面(図12では、ロッキングエッジ60が形成されていない面)には、隣接するエレメント51におけるディンプル61を遊嵌させる有底円筒状のホール62が形成されている。
したがって、動力伝達用ベルト50の直線状態でディンプル61をホール62に遊嵌することによって、その状態におけるエレメント51同士の図10での左右方向および上下方向の相対位置を決めてエレメント51を積層方向に整列させることができ、例えば、ベルト式無段変速機が運転される場合に、動力伝達用ベルト50のがたつきを防止して動力伝達用ベルト50を安定して走行させることができる。
また、図11に示すように、本実施の形態のディンプル61の長さ(突出方向長さ)L1は、ホール62の深さH1よりも長く形成されており、ディンプル61の先端がホール62の底面に接触した状態では、エレメント51の一方の面が隣接するエレメント51の他方の面に接触しないようにディンプル61の長さが設定されている。
次に、作用を説明する。
第1の実施の形態と同様に、動力伝達用ベルト50のエレメント51には、エレメント51と駆動プーリ22との接触部分の摩擦力および駆動プーリ22のトルクに応じて駆動プーリ22からエレメント51に対して加えられるエレメント51の積層方向、すなわち、エレメント51の板厚方向の圧縮力(エレメント51の押し出し力)が作用する。
第1の実施の形態と同様に、動力伝達用ベルト50のエレメント51には、エレメント51と駆動プーリ22との接触部分の摩擦力および駆動プーリ22のトルクに応じて駆動プーリ22からエレメント51に対して加えられるエレメント51の積層方向、すなわち、エレメント51の板厚方向の圧縮力(エレメント51の押し出し力)が作用する。
そして、駆動プーリ22に接触しているエレメント51に伝達された圧縮力は、駆動プーリ22に巻き掛けられていないエレメント51を経由して、従動プーリ24に接触しているエレメント51に伝達される。
そして、図9に示すように、エレメント51は、エレメント51が巻き掛け部M2から弦部N2に抜けるときに(巻き掛け部M2から弦部N2に抜けるエレメント51をエレメント51Eで示す)、走行状態が円運動から直線運動に変換されるため、巻き掛け部M2から抜け出る直前まで行っていた円運動の影響から直線運動に変換された瞬間に動力伝達用ベルト50の走行方向R2に慣性を生じてしまう。
このため、エレメント51が動力伝達用ベルト50の走行方向R2前方に揺動(ピッチング)する。本実施の形態では、ディンプル61の長さL1をホール62の深さH1よりも長くしたので、エレメント51Eが駆動プーリ22および従動プーリ24に巻き掛けられた巻き掛け部M2から直線状の弦部N2に抜け出るときに、エレメント51Eが円運動から直線運動に変換される瞬間の慣性で揺動した場合に、エレメント51Eのディンプル61の先端を走行方向R2に対して前方に隣接するエレメント51のホール62の底面に当接させることができ、エレメント51Eの揺動を抑制することができる。
特に、本実施の形態では、ディンプル61の長さをディンプル61の先端がホール62の底面に接触した状態でエレメント51の一方の面が隣接するエレメント51の他方の面に接触しないような長さに設定したので、エレメント51Eが揺動するのをより一層抑制することができる。
このため、エレメント51Eの頭部57が積層リング39、40の径方向外周面(すなわち、積層リング39、40の径方向外周側に位置するリング)39b、40bに接触するのを防止することができる。
このため、エレメント51Eが元の状態に復帰するための余計な運動を行うことがなく、エレメント51Eの前方に位置するエレメント51に動力を伝達するために必要な圧縮力を与えることができる。このため、動力伝達用ベルト50によって駆動プーリ22から従動プーリ24に伝達される動力の損失が発生するのを防止することができる。
また、エレメント51の頭部57が積層リング39、40の径方向外周面39b、40bに接触しないようにすることができるため、積層リング39、40の径方向外周面39b、40bの耐久性が悪化するのを防止することができる。
また、ディンプル61の長さL1をホール62の深さH1よりも長くしてエレメント51のディンプル61の先端を走行方向R2に対して前方に位置するエレメント51のホール62の底面に当接させることによってエレメント51の揺動を抑制することができるため、隣接するエレメント51の移動の自由度が低下するのを防止することができ、何らかの理由によって特定のエレメント51が積層リング39、40の径方向内方に移動した場合であっても、特定のエレメント51に隣接するエレメント51が特定のエレメント51と共に積層リング39、40の径方向内方に移動してしまうような事態が発生することがない。
したがって、積層リング39、40から本体54の上端面54aが離隔してしまうのを防止して、複数のエレメント51が積層リング39、40に対してスリップしてしまうような事態が発生するのを防止することができ、動力伝達用ベルト50によって駆動プーリ22から従動プーリ24に伝達される動力の損失が発生するのを防止することができる。
なお、本実施の形態では、ディンプル61の長さL1を、ディンプル61の先端がホール62の底面に接触した状態でエレメント51の一方の面が隣接するエレメント51の他方の面に接触しないような長さに設定しているが、これに限らず、ディンプル61の長さL1を、エレメント51が直線状の弦部N2に位置した状態において、すなわち、エレメント51が巻き掛け部M2から弦部N2に抜け出た状態において、ディンプル61の突出方向先端部がホール62の底面に当接したときに、頭部57の内周面57aが積層リング39、40の径方向外周面39b、40bに接触しないような長さに設定するようにしてもよい。このようにしてもエレメント51が揺動するのをより一層抑制することができる。
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以上のように、本発明に係る動力伝達用ベルトは、隣接するエレメントの移動の自由度を確保しつつ、エレメントがプーリの巻き掛け部から弦部に抜け出るときにエレメントが揺動するのを抑制することができるようにして、動力伝達用ベルトによって駆動プーリから従動プーリに伝達される動力の損失が発生するのを防止することができるとともに、積層リングの径方向外周面の耐久性が悪化するのを防止することができるという効果を有し、複数のエレメントを対向させて配置して無端状の積層リングに組み付けることにより、環状に結束して構成した動力伝達用ベルト等として有用である。
22 駆動プーリ
24 従動プーリ
25 動力伝達用ベルト
30 エレメント
31、32 側面
33a 上端面(底部)
36、37 柱部(突出部)
38 凹部(収容手段)
39、40 積層リング
39a、40a 径方向内周面
39b、40b 径方向外周面
41、42 抜け止め部
41b、42b 内周面
44 ディンプル(嵌合凸部)
45 ホール(嵌合凹部)
50 動力伝達用ベルト
51 エレメント
54a 上端面(底部)
55 首部(突出部)
57 頭部(抜け止め部)
57a 内周面
58、59 スリット部(凹部)
61 ディンプル(嵌合凸部)
62 ホール(嵌合凹部)
24 従動プーリ
25 動力伝達用ベルト
30 エレメント
31、32 側面
33a 上端面(底部)
36、37 柱部(突出部)
38 凹部(収容手段)
39、40 積層リング
39a、40a 径方向内周面
39b、40b 径方向外周面
41、42 抜け止め部
41b、42b 内周面
44 ディンプル(嵌合凸部)
45 ホール(嵌合凹部)
50 動力伝達用ベルト
51 エレメント
54a 上端面(底部)
55 首部(突出部)
57 頭部(抜け止め部)
57a 内周面
58、59 スリット部(凹部)
61 ディンプル(嵌合凸部)
62 ホール(嵌合凹部)
Claims (3)
- 無端状のフープを積層してなる積層リングと、前記積層リングを収容する収容手段を有し、前記収容手段を介して前記積層リングに取付けられた複数のエレメントとを備え、前記エレメントの板厚方向の一方の面に設けられた嵌合凸部を前記エレメントの板厚方向の他方の面に設けられた嵌合凹部に遊嵌させ、前記エレメントを板厚方向に互いに対向させて駆動プーリおよび従動プーリに巻き掛けることにより、前記駆動プーリの回転を前記従動プーリに伝達する動力伝達用ベルトであって、
前記収容手段を、前記積層リングの径方向内周面が接触する底部と、前記底部から前記積層リングの径方向外方に突出する突出部と、前記突出部から前記エレメントの幅方向に向かって突出し、突出方向先端部に前記積層リングの径方向外周面と一定の隙間を介して離隔することにより、前記積層リングが前記底部から離脱するのを防止する抜け止め部とを含んで構成し、
前記嵌合凸部の突出方向長さを、前記嵌合凹部の深さよりも長くしたことを特徴とする動力伝達用ベルト。 - 前記嵌合凸部の突出方向長さは、前記嵌合凸部の突出方向先端部が前記嵌合凹部の底面に当接した状態において、前記エレメントの一方の面が隣接する前記エレメントの他方の面に接触しないような突出方向長さに設定されることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達用ベルト。
- 前記嵌合凸部の突出方向長さは、前記エレメントが前記駆動プーリおよび従動プーリに巻き掛けられていない直線状の弦部に位置した状態において、前記嵌合凸部の突出方向先端部が前記嵌合凹部の底面に当接したときに、前記抜け止め部の内周面が前記積層リングの径方向外周面に接触しないような突出長さに設定されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の動力伝達用ベルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009230618A JP2011080487A (ja) | 2009-10-02 | 2009-10-02 | 動力伝達用ベルト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009230618A JP2011080487A (ja) | 2009-10-02 | 2009-10-02 | 動力伝達用ベルト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011080487A true JP2011080487A (ja) | 2011-04-21 |
Family
ID=44074752
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009230618A Pending JP2011080487A (ja) | 2009-10-02 | 2009-10-02 | 動力伝達用ベルト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011080487A (ja) |
-
2009
- 2009-10-02 JP JP2009230618A patent/JP2011080487A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5252075B2 (ja) | Vベルト | |
JP4667342B2 (ja) | 動力伝達用無端ベルト | |
WO2014196254A1 (ja) | 無段変速機用金属ベルト | |
JP6673473B2 (ja) | 伝達ベルト | |
JP6540832B2 (ja) | 伝達ベルト | |
JP2018500524A (ja) | 無段変速機用のプッシュベルトおよびプッシュベルトが設けられた変速機 | |
JP4356635B2 (ja) | 伝動ベルト | |
JP6747377B2 (ja) | 無段変速機および伝動ベルト | |
JP2011089588A (ja) | 動力伝達用ベルト | |
JP5302992B2 (ja) | 車両用ベルト式無段変速機における伝動ベルトのエレメント | |
JP2006153089A (ja) | 無段変速機用ベルト | |
EP2236861B1 (en) | Belt type stepless transmission and pulley for the same | |
JP2011080487A (ja) | 動力伝達用ベルト | |
JP2008240959A (ja) | 無段変速機用ベルトおよびベルト式無段変速機 | |
JPWO2018221714A1 (ja) | 伝動ベルト用エレメントおよび伝動ベルト | |
JP2009197935A (ja) | 伝動ベルト | |
JP2009197997A (ja) | チェーンベルトおよびベルト式無段変速機 | |
JP5158259B2 (ja) | 動力伝達用ベルト | |
JP2012097866A (ja) | 無段変速機用ベルト | |
JP2006250273A (ja) | 伝動ベルト | |
JP4525910B2 (ja) | Vベルト、vベルト用エレメント及びvベルト用プーリ | |
JP2011069462A (ja) | 動力伝達用ベルトおよび動力伝達用ベルトの組み付け方法 | |
JP2008185047A (ja) | ベルト式無段変速機 | |
JP2009204013A (ja) | 無段変速機用プーリ | |
JP5779129B2 (ja) | 無段変速機 |