JP4525910B2 - Vベルト、vベルト用エレメント及びvベルト用プーリ - Google Patents

Vベルト、vベルト用エレメント及びvベルト用プーリ Download PDF

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Description

本発明は、Vベルト、Vベルト用エレメント及びVベルト用プーリに関して、特に、ベルト式無段変速機に用いられるVベルト、Vベルト用エレメント及びVベルト用プーリに関する。
従来から、車両に搭載される自動変速機としてベルト式無段変速機(CVT)が知られている。一般に、ベルト式無段変速機は、入力側プーリと出力側プーリとにVベルト(金属製無端ベルト)が巻回されて、油圧によって各プーリの各シーブを各プーリの軸心方向へ駆動して各プーリの溝幅を変化させることで各プーリの有効径を制御して、入力側軸と出力側軸との回転数比、即ち変速比を連続的に無段階で変化させる。このようなベルト式無段変速機に用いられるVベルトは、板状に形成された複数個のエレメントが相互に板厚方向へ整列されて、各エレメントの両肩部に金属製のフープが掛けられて各エレメントが結束されることで構成される。そして、このようなVベルトは、各エレメントの基部の幅方向(各プーリの軸心方向)両側面に、同一軸心上に設けられた各シーブの対向する各シーブ面に接触させる接触面が形成される。ところで、上記ベルト式無段変速機は、従来、出力が比較的小さいエンジンに組み合わされていた。
ところが、ベルト式無段変速機は、車両の対環境性能、並びに走行性能を向上させることができるため、近年、高出力(高トルク)型エンジンと組み合わせることが要望されている。そこで、特許文献1に記載のエレメントでは、板状エレメントのうちプーリ壁面との接触面であるエレメント側面に板厚方向に一致又は近似する方向の突部及び溝部を交互に設けると共に、プーリ壁面と接触する突部表面を凹凸に形成して、エレメント壁面とプーリ壁面との間の摩擦力を効率的に得るようにしている。しかしながら、高出力型エンジンにベルト式無段変速機を組み合わせる場合、即ち、Vベルトによって高トルクを伝達する場合には、フープの張力が増大してエレメントが各プーリに対してプーリ軸心側へ押し込まれる力が大きくなるため、一対のシーブによってVベルトを挟み込む力(以下、挟圧力と称する。)を高めて、Vベルトが各プーリに対してプーリ軸心側へ入り込むことを防ぐ必要がある。
さらに、Vベルトによって高トルクを伝達する場合には、高められたVベルトの挟圧力に対応させて各プーリの剛性を高めて、当該プーリの破損を防ぐ必要がある。しかしながら、各プーリの剛性を高めるためには、各プーリの肉厚を増やす等の対策を施す必要があり、変速機が重量化、且つ大型化されると共に製造コストが増大される。
特開平10−115349号公報(段落番号0029〜0035、図1)
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、第1の目的は、高トルクに対応可能なベルト式無段変速機が、軽量、且つコンパクトに構成されるVベルトを提供することにある。
また、第2の目的は、高トルクに対応可能なベルト式無段変速機が、軽量、且つコンパクトに構成されるVベルト用エレメントを提供することにある。
さらに、第3の目的は、高トルクに対応可能なベルト式無段変速機が、軽量、且つコンパクトに構成されるVベルト用プーリを提供することにある。
上記第1の目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、溝幅が可変であるプーリの一対のシーブ面によってベルト幅方向両側の摩擦部が挟圧されるVベルトであって、該Vベルトの摩擦部は、Vベルトがプーリに対してプーリ軸心側へ移動する時のシーブ面との間の摩擦力が、Vベルトがプーリに対してプーリ外周側へ移動する時のシーブ面との間の摩擦力よりも大きく設定されることを特徴とする。
上記第1の目的を達成するために、本発明のうち請求項2に記載の発明は、溝幅が可変であるプーリの一対のシーブ面によって挟圧されるVベルトのベルト幅方向両側の摩擦部に、ベルト長さ方向へ延びる凸部と凹部とが交互に設けられるVベルトであって、該Vベルトの凸部は、シーブ面に接触させる頂部がプーリ軸心側へ偏倚されて形成され、Vベルトがプーリに対してプーリ軸心側へ移動する時のシーブ面との間の摩擦力が、Vベルトがプーリに対してプーリ外周側へ移動する時のシーブ面との間の摩擦力よりも大きく設定されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のVベルトにおいて、Vベルトの各摩擦部が凸部と凹部とが交互に設けられる波形に形成されて、凸部の頂部は、プーリ軸心側の曲率がプーリ外周側の曲率よりも小さく形成されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のVベルトにおいて、ベルト式無段変速機に用いられることを特徴とする。
上記第2の目的を達成するために、本発明のうち請求項5に記載の発明は、溝幅が可変であるプーリの一対のシーブ面によってベルト幅方向両側の摩擦部が挟圧されるVベルトに用いられるエレメントであって、Vベルトの摩擦部を構成するエレメントの摩擦部は、エレメントがプーリに対してプーリ軸心側へ移動する時のシーブ面との間の摩擦力が、エレメントがプーリに対してプーリ外周側へ移動する時のシーブ面との間の摩擦力よりも大きく設定されることを特徴とする。
上記第2の目的を達成するために、本発明のうち請求項6に記載の発明は、溝幅が可変であるプーリの一対のシーブ面によってベルト幅方向両側の摩擦部が挟圧されるVベルトに用いられて、Vベルトの摩擦部を構成するエレメントの摩擦部にエレメント厚さ方向へ延びる凸部と凹部とが交互に設けられるVベルト用エレメントであって、該エレメントの凸部は、シーブ面に接触させる頂部がプーリ軸心側へ偏倚されて形成され、Vベルトがプーリに対してプーリ軸心側へ移動する時のシーブ面との間の摩擦力が、Vベルトがプーリに対してプーリ外周側へ移動する時のシーブ面との間の摩擦力よりも大きく設定されることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のVベルト用エレメントにおいて、エレメントの各摩擦部が凸部と凹部とが交互に設けられる波形に形成されて、エレメントの凸部の頂部は、プーリ軸心側の曲率がプーリ外周側の曲率よりも小さく形成されることを特徴とする。
上記第3の目的を達成するために、本発明のうち請求項8に記載の発明は、溝幅が可変に構成されて一対のシーブ面によってVベルトのベルト幅方向両側の摩擦部が挟圧されるVベルト用プーリであって、シーブ面は、Vベルトがプーリに対してプーリ軸心側へ移動する時の摩擦部との間の摩擦力が、Vベルトがプーリに対してプーリ外周側へ移動する時の摩擦部との間の摩擦力よりも大きく設定されることを特徴とする。
上記第3の目的を達成するために、本発明のうち請求項9に記載の発明は、溝幅が可変に構成されて一対のシーブ面によってVベルトのベルト幅方向両側の摩擦部が挟圧されるVベルト用プーリであって、シーブ面に、プーリ軸心を中心とする円環状の凸部と凹部とが交互に設けられて、該凸部は、摩擦部に接触させる頂部がプーリ外周側へ偏倚されて形成され、Vベルトがプーリに対してプーリ軸心側へ移動する時のシーブ面との間の摩擦力が、Vベルトがプーリに対してプーリ外周側へ移動する時のシーブ面との間の摩擦力よりも大きく設定されることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のVベルト用プーリにおいて、シーブ面が凸部と凹部とが交互に設けられる波形に形成されて、凸部の頂部は、プーリ外周側の曲率がプーリ軸心側の曲率よりも小さく形成されることを特徴とする。
したがって、請求項1に記載の発明では、Vベルトをプーリに対してプーリ軸心側へ移動させる力が抑えられてプーリがVベルトを挟圧する力(挟圧力)が軽減される。
請求項2に記載の発明では、Vベルトがプーリに対してプーリ軸心側へ移動する時の、Vベルトの摩擦部とプーリのシーブ面との間の摩擦力が、Vベルトがプーリに対してプーリ外周側へ移動する時の、Vベルトの摩擦部とプーリのシーブ面との間の摩擦力よりも大きくなる。
請求項3に記載の発明では、Vベルトがプーリに対してプーリ軸心側へ移動する時の、Vベルトの凸部とプーリのシーブ面との間の摩擦力が、Vベルトがプーリに対してプーリ外周側へ移動する時の、Vベルトの凸部とプーリのシーブ面との間の摩擦力よりも大きくなる。
請求項4に記載の発明では、ベルト式無段変速機において、Vベルトをプーリに対してプーリ軸心側へ移動させる力が抑えられてプーリがVベルトを挟圧する力(挟圧力)が軽減される。
請求項5に記載の発明では、エレメントをプーリに対してプーリ軸心側へ移動させる力が抑えられてプーリがエレメントを挟圧する力(挟圧力)が軽減される。
請求項6に記載の発明では、エレメントがプーリに対してプーリ軸心側へ移動する時の、エレメントの摩擦部とプーリのシーブ面との間の摩擦力が、エレメントがプーリに対してプーリ外周側へ移動する時の、エレメントの摩擦部とプーリのシーブ面との間の摩擦力よりも大きくなる。
請求項7に記載の発明では、エレメントがプーリに対してプーリ軸心側へ移動する時の、エレメントの凸部とプーリのシーブ面との間の摩擦力が、エレメントがプーリに対してプーリ外周側へ移動する時の、エレメントの凸部とプーリのシーブ面との間の摩擦力よりも大きくなる。
請求項8に記載の発明では、Vベルトをプーリに対してプーリ軸心側へ移動させる力が抑えられてプーリがVベルトを挟圧する力(挟圧力)が軽減される。
請求項9に記載の発明では、Vベルトがプーリに対してプーリ軸心側へ移動する時の、Vベルトの摩擦部とプーリのシーブ面との間の摩擦力が、Vベルトがプーリに対してプーリ外周側へ移動する時の、Vベルトの摩擦部とプーリのシーブ面との間の摩擦力よりも大きくなる。
請求項10に記載の発明では、Vベルトがプーリに対してプーリ軸心側へ移動する時の、Vベルトの摩擦部とシーブ面の凸部との間の摩擦力が、Vベルトがプーリに対してプーリ外周側へ移動する時の、Vベルトの摩擦部とシーブ面の凸部との間の摩擦力よりも大きくなる。
高トルクに対応可能なベルト式無段変速機が、軽量、且つコンパクトに構成されるVベルト、Vベルト用エレメント及びVベルト用プーリを提供することができる。
本発明の一実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。図1に示されるのは、本Vベルト1が組付けられたベルト式無段変速機2(CVT)である。該ベルト式無段変速機2は、本Vベルト1(金属製無端ベルト)が、入力軸3に取付けられた入力側プーリ4と出力軸5に取付けられた出力側プーリ6とに巻回されて構成される。上記入力側プーリ4は、一対のシーブ7,8を有して、油圧駆動機構によってシーブ7に対してシーブ8がプーリ軸心方向(図1における紙面視左右方向)へ位置決めされて溝幅が調節される。また、上記出力側プーリ6は、一対のシーブ9,10を有して、油圧駆動機構によってシーブ9に対してシーブ10がプーリ軸心方向へ位置決めされて溝幅が調節される。そして、上記ベルト式無段変速機2では、各プーリ4,6の各溝幅を制御して各プーリ4,6におけるVベルト1の巻付け半径を必要に応じて調節することにより、入力軸3と出力軸5との回転数比、即ち変速比が連続的に無段階で変化させる構造になっている。
図2に示されるように、本Vベルト1は、複数個のエレメント11が重ね合わされるように環状に配列されて、各エレメント11のベルト幅方向両側のサドル部25に金属製のフープ12が巻回される。これにより、上記複数個のエレメント11が結束されて、図3に示される金属製無端ベルト(Vベルト1)が構成される。そして、図4に示されるように、上記ベルト式無段変速機2では、Vベルト1のベルト幅方向(図4における紙面視左右方向)両側の摩擦部13のベルト断面形状がテーパ状に形成されると共に、入力側プーリ4の一対のシーブ7,8のシーブ面14,15(以下、単にシーブ面14,15と称する。)及び出力側プーリ6の一対のシーブ9,10のシーブ面16,17(以下、単にシーブ面16,17と称する。)の軸断面形状が、上記摩擦部13のベルト断面形状に整合されたテーパ状に形成される。
これにより、上記ベルト式無段変速機2では、本Vベルト1のベルト幅方向両側の摩擦部13がシーブ面14,15及びシーブ面16,17によって挟み込まれて挟圧されると、各プーリ4,6に接触する各エレメント11には、上記摩擦部13が挟圧される時の挟圧力によって各プーリ4,6の半径方向(図4における紙面視上方向)への力が作用される。そして、上記ベルト式無段変速機2では、各フープ12の張力によって各エレメント11が各プーリ4,6の半径方向へ移動するのが規制されることで、本Vベルト1の摩擦部13と、シーブ面14,15及びシーブ面16,17との間に摩擦力が生じて、本Vベルト1と入力側プーリ4及び出力側プーリ6との間でトルクが伝達される構造になっている。図4に示されるように、本エレメント11は、基部18の幅方向(図4における紙面視左右方向)両側に上記摩擦部13が配設されて、該基部18の上側(図4における紙面視上側)には首部19を介して幅方向へ延びる頭部20が設けられる。
なお、本エレメント11は、頭部20の略中央に、一側面で凸状に形成されて他側面で凹状に形成された連結部21が設けられる。図5に示されるように、本エレメント11は、幅方向両側の摩擦部13が、板厚方向(図5における紙面視方向)へ延びる凸部22と凹部23とが各摩擦部13に沿って交互に設けられることにより波形に形成される。そして、本エレメント11は、各摩擦部13の各凸部22の各頂部24がプーリ軸心側(図5における紙面視下側)へ偏倚されて、各頂部24におけるプーリ軸心側の曲率R1がプーリ外周側(図5における紙面視上側)の曲率R2よりも小さく(R2>R1)形成される。これにより、本エレメント11は、入力側プーリ4に対してプーリ軸心側へ移動する時の、摩擦部13とシーブ面14,15との間の摩擦力μ1が、入力側プーリ4に対してプーリ外周側へ移動する時の、摩擦部13とシーブ面14,15との間の摩擦力μ2よりも大きく(μ1>μ2)設定される。
次に、本実施の形態の作用を説明する。なお、上述したように、エレメント11が入力側プーリ4に対してプーリ軸心側へ移動する時の、摩擦部13とシーブ面14,15との間の摩擦力μ1が、エレメント11が入力側プーリ4に対してプーリ外周側へ移動する時の、摩擦部13とシーブ面14,15との間の摩擦力μ2よりも大きく(μ1>μ2)なる。これと同様に、エレメント11が出力側プーリ6に対してプーリ軸心側へ移動する時の、摩擦部13とシーブ面16,17との間の摩擦力は、エレメント11が出力側プーリ6に対してプーリ外周側へ移動する時の、摩擦部13とシーブ面16,17との間の摩擦力よりも大きくなる。このため、本エレメント11(本Vベルト1)では、入力側プーリ4に対する場合と出力側プーリに対する場合とで同一の作用を有するので、ここでは、本エレメント11の入力側プーリ4に対する作用のみを説明して、本エレメント11の出力側プーリ6に対する作用の説明を省略すると共に、以下、入力側プーリ4を単にプーリ4と称する。
図4に示されるように、上記ベルト式無段変速機2では、本Vベルト1のプーリ4に接触する各エレメント11(以下、単にエレメント11と称する。)の幅方向両側の摩擦部13が、シーブ面14,15によって挟圧される。そして、図5に示されるように、エレメント11は、波形に形成された摩擦部13の各凸部22の各頂部24が、シーブ面14,15に接触される。ここで、エレメント11は、摩擦部13の各凸部22の各頂部24がプーリ軸心側(図5における紙面視下側)へ偏倚されて、各頂部24におけるプーリ軸心側の曲率R1がプーリ外周側(図5における紙面視上側)の曲率R2よりも小さい(R2>R1)ため、プーリ4に対してプーリ軸心側へ移動する時の、摩擦部13とシーブ面14,15との間の摩擦力μ1が、プーリ4に対してプーリ外周側へ移動する時の、摩擦部13とシーブ面14,15との間の摩擦力μ2よりも大きい(μ1>μ2)。
ここで、図6に示されるのは、従来のエレメント11´の各摩擦部13´に形成された波形であって、各凸部22´の各頂部24´は、均一な曲率R3(R2>R3>R1)で形成される。そして、従来のエレメント11´は、プーリ4に対してプーリ軸心側(図6における紙面視下側)へ移動する時の、摩擦部13´とシーブ面14,15との間の摩擦力と、プーリ4に対してプーリ外周側(図6における紙面視下側)へ移動する時の、摩擦部13´とシーブ面14,15との間の摩擦力とが、等しい摩擦力μ3(μ1>μ3>μ2)になる。したがって、本エレメント11は、プーリ4に対してプーリ軸心側へ移動する時の、摩擦部13とシーブ面14,15との間の摩擦力μ1が、従来のエレメント11´における当該摩擦力μ3と比較して大きくなる(μ1>μ3)。このため、本エレメント11では、フープ12の張力によってエレメント11がプーリ軸心に向けて押圧された時の当該エレメント11がプーリ軸心側へ移動しようとする力(以下、エレメント11の推力と称する。)が、従来のエレメント11´と比較して小さくなり、従来のエレメント11´と比較してプーリ軸心側へ入り込み難い。
また、本エレメント11は、プーリ4に対してプーリ外周側へ移動する時の、摩擦部13とシーブ面14,15との間の摩擦力μ2が、従来のエレメント11´における当該摩擦力μ3と比較して小さくなる(μ3>μ2)。このため、本エレメント11では、一対のシーブ7,8によって挟圧された時の当該エレメント11がプーリ外周側へ移動しようとする力が、従来のエレメント11´と比較して大きくなり、従来のエレメント11´と比較してプーリ外周側への移動が容易になる。
この実施の形態では以下の効果を奏する。
本エレメント11は、幅方向両側の摩擦部13が、板厚方向へ延びる凸部22と凹部23とが各摩擦部13に沿って交互に設けられて波形に形成されて、各摩擦部13の各凸部22の各頂部24がプーリ軸心側へ偏倚される。
そして、本エレメント11では、各頂部24におけるプーリ軸心側の曲率R1がプーリ外周側の曲率R2よりも小さく(R2>R1)形成されることにより、プーリ4に対してプーリ軸心側へ移動する時の、摩擦部13とシーブ面14,15との間の摩擦力μ1が、プーリ4に対してプーリ外周側へ移動する時の、摩擦部13とシーブ面14,15との間の摩擦力μ2よりも大きくなる(μ1>μ2)。また、従来のエレメント11´では、各摩擦部13´に形成された波形の各凸部22´の各頂部24´が均一な曲率R3(R2>R3>R1)で形成されることから、本エレメント11では、プーリ4に対してプーリ軸心側へ移動する時の、摩擦部13とシーブ面14,15との間の摩擦力μ1が、従来のエレメント11´における当該摩擦力μ3と比較して大きくなる(μ1>μ3)。
したがって、本エレメント11は、フープ12の張力によってエレメント11がプーリ軸心に向けて押圧された時の当該エレメント11の推力が、従来のエレメント11´と比較して小さくなり、従来のエレメント11´と比較してプーリ軸心側へ入り込み難くなる。このため、本エレメント11によって構成されたVベルト1を用いるベルト式無段変速機2では、フープ12の張力が同一である場合に、従来のエレメント11´によって構成されたVベルト1´を用いるベルト式無段変速機2´と比較して、エレメント11によって一対のシーブ7,8が押拡げられる力が小さくなる。これにより、本Vベルト1を用いてベルト式無段変速機2を構成した場合、従来のVベルト1´を用いてベルト式無段変速機2´を構成した場合と比較して、プーリ4の一対のシーブ7,8による挟圧力が小さいため、高トルクに対応させる場合であっても、従来のVベルト1´を用いるベルト式無段変速機2´で行われていたように、プーリ4の剛性を高める必要がない。このため、高トルクに対応するベルト式無段変速機2を軽量、且つコンパクトに構成することができる。
なお、実施の形態は上記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
本エレメント11は、幅方向両側の摩擦部13が、板厚方向へ延びる凸部22と凹部23とが交互に設けられることにより波形に形成されるが、摩擦部13の凸部22と凹部23とはエレメント11の板厚方向に対して必ずしも平行ではなく、摩擦部13の凸部22と凹部23とを必要に応じて当該板厚方向に対して傾斜させてもよい。
この場合、プーリ4に対するVベルト1(エレメント11)の、プーリ接線方向への摩擦力が調節されて当該プーリ接線方向への滑りが調節される。
また、本エレメント11は、摩擦部13が波形に形成されるが、エレメント11がプーリ4に対してプーリ軸心側へ移動する時の、摩擦部13とシーブ面14,15との間の摩擦力μ1が、エレメント11がプーリ4に対してプーリ外周側へ移動する時の、摩擦部13とシーブ面14,15との間の摩擦力μ2よりも大きく(μ1>μ2)、且つ、従来のエレメント11´における当該摩擦力μ3と比較して大きく(μ1>μ3)設定されていれば、例えば、図7の(A)〜(C)に示されるような鋸刃形であってもよい。
また、本実施の形態では、エレメント11の幅方向両側の摩擦部13に、板厚方向へ延びる凸部22と凹部23とを交互に設けて波形を形成したが、エレメント11の幅方向両側の摩擦部13を平坦に形成しておいて、プーリ4の一対のシーブ7,8の各シーブ面14,15に、プーリ軸心を中心とする円環状の凸部22と凹部23とを交互に設けて波形を形成してもよい。この場合、各シーブ面14,15の凸部22は、摩擦部13に接触させる頂部24がプーリ外周側へ偏倚されるように形成される。これにより、上述したようなエレメント11(Vベルト1)に波形を形成した場合と同様の作用効果が得られる。
ベルト式無段変速機の説明図である。 本Vベルトの説明図である。 本Vベルトの全体図である。 本実施の形態の説明図であって、エレメントが一対のシーブによって挟圧される状態を示す図である。 本実施の形態の説明図であって、エレメントの摩擦部に形成された波形を示す図である。 従来のエレメントの摩擦部に形成された波形を示す図である。 他の実施の形態の説明図であって、(A)〜(C)はエレメントの摩擦部に形成される各鋸刃形を示す図である。
符号の説明
1 Vベルト、2 ベルト式無段変速機、4 入力側プーリ、6 出力側プーリ、11 エレメント、13 摩擦部、14〜17 シーブ面、22 凸部22 凹部、24 頂部

Claims (10)

  1. 溝幅が可変であるプーリの一対のシーブ面によってベルト幅方向両側の摩擦部が挟圧されるVベルトであって、該Vベルトの前記摩擦部は、前記Vベルトが前記プーリに対してプーリ軸心側へ移動する時の前記シーブ面との間の摩擦力が、前記Vベルトが前記プーリに対してプーリ外周側へ移動する時の前記シーブ面との間の摩擦力よりも大きく設定されることを特徴とするVベルト。
  2. 溝幅が可変であるプーリの一対のシーブ面によって挟圧されるVベルトのベルト幅方向両側の摩擦部に、ベルト長さ方向へ延びる凸部と凹部とが交互に設けられるVベルトであって、該Vベルトの前記凸部は、前記シーブ面に接触させる頂部がプーリ軸心側へ偏倚されて形成され、前記Vベルトが前記プーリに対してプーリ軸心側へ移動する時の前記シーブ面との間の摩擦力が、前記Vベルトが前記プーリに対してプーリ外周側へ移動する時の前記シーブ面との間の摩擦力よりも大きく設定されることを特徴とするVベルト。
  3. 前記Vベルトの各摩擦部が前記凸部と前記凹部とが交互に設けられる波形に形成されて、前記凸部の前記頂部は、プーリ軸心側の曲率がプーリ外周側の曲率よりも小さく形成されることを特徴とする請求項2に記載のVベルト。
  4. ベルト式無段変速機に用いられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のVベルト。
  5. 溝幅が可変であるプーリの一対のシーブ面によってベルト幅方向両側の摩擦部が挟圧されるVベルトに用いられるエレメントであって、前記Vベルトの摩擦部を構成する前記エレメントの摩擦部は、前記エレメントが前記プーリに対してプーリ軸心側へ移動する時の前記シーブ面との間の摩擦力が、前記エレメントが前記プーリに対してプーリ外周側へ移動する時の前記シーブ面との間の摩擦力よりも大きく設定されることを特徴とするVベルト用エレメント。
  6. 溝幅が可変であるプーリの一対のシーブ面によってベルト幅方向両側の摩擦部が挟圧されるVベルトに用いられて、前記Vベルトの摩擦部を構成するエレメントの摩擦部にエレメント厚さ方向へ延びる凸部と凹部とが交互に設けられるVベルト用エレメントであって、該エレメントの前記凸部は、前記シーブ面に接触させる頂部がプーリ軸心側へ偏倚されて形成され、前記Vベルトが前記プーリに対してプーリ軸心側へ移動する時の前記シーブ面との間の摩擦力が、前記Vベルトが前記プーリに対してプーリ外周側へ移動する時の前記シーブ面との間の摩擦力よりも大きく設定されることを特徴とするVベルト用エレメント。
  7. 前記エレメントの各摩擦部が前記凸部と前記凹部とが交互に設けられる波形に形成されて、前記エレメントの前記凸部の前記頂部は、プーリ軸心側の曲率がプーリ外周側の曲率よりも小さく形成されることを特徴とする請求項6に記載のVベルト用エレメント。
  8. 溝幅が可変に構成されて一対のシーブ面によってVベルトのベルト幅方向両側の摩擦部が挟圧されるVベルト用プーリであって、前記シーブ面は、前記Vベルトが前記プーリに対してプーリ軸心側へ移動する時の前記摩擦部との間の摩擦力が、前記Vベルトが前記プーリに対してプーリ外周側へ移動する時の前記摩擦部との間の摩擦力よりも大きく設定されることを特徴とするVベルト用プーリ。
  9. 溝幅が可変に構成されて一対のシーブ面によってVベルトのベルト幅方向両側の摩擦部が挟圧されるVベルト用プーリであって、前記シーブ面に、プーリ軸心を中心とする円環状の凸部と凹部とが交互に設けられて、該凸部は、前記摩擦部に接触させる頂部がプーリ外周側へ偏倚されて形成され、前記Vベルトが前記プーリに対してプーリ軸心側へ移動する時の前記シーブ面との間の摩擦力が、前記Vベルトが前記プーリに対してプーリ外周側へ移動する時の前記シーブ面との間の摩擦力よりも大きく設定されることを特徴とするVベルト用プーリ。
  10. 前記シーブ面が前記凸部と前記凹部とが交互に設けられる波形に形成されて、前記凸部の前記頂部は、プーリ外周側の曲率がプーリ軸心側の曲率よりも小さく形成されることを特徴とする請求項9に記載のVベルト用プーリ。
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