JP2006151719A - ヒータ用炭化ケイ素焼結体の製造方法 - Google Patents

ヒータ用炭化ケイ素焼結体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006151719A
JP2006151719A JP2004342661A JP2004342661A JP2006151719A JP 2006151719 A JP2006151719 A JP 2006151719A JP 2004342661 A JP2004342661 A JP 2004342661A JP 2004342661 A JP2004342661 A JP 2004342661A JP 2006151719 A JP2006151719 A JP 2006151719A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon carbide
powder
silicon
carbon
carbide sintered
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004342661A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumio Odaka
文雄 小高
Mari Miyano
真理 宮野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2004342661A priority Critical patent/JP2006151719A/ja
Publication of JP2006151719A publication Critical patent/JP2006151719A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Resistance Heating (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

【課題】 抵抗の温度依存性が小さいヒータ用部品としての炭化ケイ素焼結体及びそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】
炭化ケイ素粉末と炭素粉末とを溶媒中に分散してスラリー状の混合粉体を得る工程と、上記混合粉体を成形型に流し込み乾燥させてグリーン体を得る工程と、上記グリーン体を窒素雰囲気下1500℃〜1950℃で仮焼して仮焼体を得る工程と、窒素雰囲気下1450℃〜2000℃で、上記仮焼体に毛細管現象により溶融した金属ケイ素を含浸させ、上記仮焼体中の遊離炭素と毛細管現象により上記仮焼体中に吸い上げられたケイ素とを反応させて炭化ケイ素体を得る工程と、を有するヒータ用炭化ケイ素焼結体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明はヒータ用炭化ケイ素焼結体の製造方法に関する。
炭化ケイ素焼結体から構成されたヒータは、使用可能雰囲気が制限されずしかも急速昇温・降温特性に優れている。そのため、半導体ウェハの各種熱処理用ヒータとして提案されている。例えば、特許文献1〜3には、ホットプレス法により得られた温度依存性の小さい抵抗体又はヒータ部材が記載されている。
ところが、ホットプレス法を用いた場合、加熱炉の制限等から三次元形状に成形することが困難であることから、形状の自由度が制限されていた。また、前述の炭化ケイ素焼結体は抵抗に温度依存性がありヒータ用部品としての使用が制限されていた。
特開平11−67427号公報 特開2002−124364号公報 特開2003−73168号公報
以上より、抵抗の温度依存性の小さいヒータ用部品としての炭化ケイ素焼結体及びそれらの製造方法が求められていた。
本発明は以下の内容に関する:
(1) 炭化ケイ素粉末と炭素粉末とを溶媒中に分散してスラリー状の混合粉体を得る工程と、
上記混合粉体を成形型に流し込み乾燥させてグリーン体を得る工程と、
上記グリーン体を窒素雰囲気下1500℃〜1950℃で仮焼して仮焼体を得る工程と、
窒素雰囲気下1450℃〜2000℃で、上記仮焼体に毛細管現象により溶融した金属ケイ素を含浸させ、上記仮焼体中の遊離炭素と毛細管現象により上記仮焼体中に吸い上げられたケイ素とを反応させて炭化ケイ素体を得る工程と、
を有するヒータ用炭化ケイ素焼結体の製造方法。
(2) 上記混合粉体を得る工程において、上記炭化ケイ素粉末及び上記炭素粉末の全重量基準で、上記炭素粉末を5重量%以上添加する上記(1)記載のヒータ用炭化ケイ素焼結体の製造方法。
(3) 上記混合粉体を得る工程において、上記炭化ケイ素粉末及び上記炭素粉末の全重量基準で、上記炭素粉末を5〜32重量%添加する上記(1)記載のヒータ用炭化ケイ素焼結体の製造方法。
(4) 気孔率が1%以下であり、100℃のときの抵抗値をAとし1000℃のときの抵抗値をBとしたときのB/A=0.5〜1.2であるヒータ用炭化ケイ素焼結体。
本発明によれば、抵抗の温度依存性の小さいヒータ用炭化ケイ素焼結体及びその製造方法が得られる。
本発明者らは鋭意研究の結果、炭化ケイ素焼結体の製造に際し、過剰の炭素粉末を含むスラリー状混合体を用い、また窒素雰囲気下で仮焼及び焼成することで上記温度依存性の問題が解決されることを見出した。以下本発明について実施形態を挙げて説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されない。
〔炭化ケイ素焼結体の製造方法に用いられる成分〕
まず、本発明の実施形態にかかる炭化ケイ素焼結体の製造方法に用いられる成分について説明する:
(炭化ケイ素粉末)
炭化ケイ素粉末として、α型、β型、非晶質あるいはこれらの混合物等が挙げられる。また、高純度の炭化ケイ素焼結体を得るためには、原料の炭化ケイ素粉末として、高純度の炭化ケイ素粉末を用いることが好ましい。
このβ型炭化ケイ素粉末のグレードには特に制限はなく、例えば、一般に市販されているβ型炭化ケイ素を用いることができる。炭化ケイ素粉末の粒径は、高密度の観点からは、小さいことが好ましく、具体的には、0.01μm〜10μm程度、さらに好ましくは、0.05μm〜5μmである。粒径が、0.01μm未満であると、計量、混合等の処理工程における取扱いが困難となりやすく、10μmを超えると、比表面積が小さく、即ち、隣接する粉末との接触面積が小さくなり、高密度化し難くなるため好ましくない。
高純度の炭化ケイ素粉末は、例えば、少なくとも1種以上のケイ素化合物を含むケイ素源と、少なくとも1種以上の加熱により炭素を生成する有機化合物を含む炭素源と、重合又は架橋触媒と、を溶媒中で溶解し、乾燥した後に得られた粉末を非酸化性雰囲気下で焼成する工程により得ることができる。
前述のケイ素化合物を含むケイ素源(以下、「ケイ素源」という。)として、液状のものと固体のものとを併用することができるが、少なくとも1種は液状のものから選ばれなくてはならない。液状のものとしては、アルコキシシラン(モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−)及びテトラアルコキシシランの重合体が用いられる。アルコキシシランの中ではテトラアルコキシシランが好適に用いられ、具体的には、メトキシシラン、エトキシシラン、プロポキシシラン、ブトキシシラン等が挙げられるが、ハンドリングの点からは、エトキシシランが好ましい。また、テトラアルコキシシランの重合体としては、重合度が2〜15程度の低分子量重合体(オリゴマー)及びさらに重合度が高いケイ酸ポリマーで液状のものが挙げられる。これらと併用可能な固体状のものとしては、酸化ケイ素が挙げられる。前述の反応焼結法において酸化ケイ素とは、SiOの他、シリカゲル(コロイド状超微細シリカ含有液、内部にOH基やアルコキシル基を含む)、二酸化ケイ素(シリカゲル、微細シリカ、石英粉末)等を含む。これらケイ素源は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
これらケイ素源の中でも、均質性やハンドリング性が良好な観点から、テトラエトキシシランのオリゴマー及びテトラエトキシシランのオリゴマーと微粉末シリカとの混合物等が好適である。また、これらのケイ素源は高純度の物質が用いられ、初期の不純物含有量が20ppm以下であることが好ましく、5ppm以下であることがさらに好ましい。
炭素源として用いられる物質は、酸素を分子内に含有し、加熱により炭素を残留する高純度有機化合物であることが好ましい。具体的には、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂やグルコース等の単糖類、蔗糖等の少糖類、セルロース、デンプン等の多糖類などの等の各種糖類が挙げられる。これらはケイ素源と均質に混合するという目的から、常温で液状のもの、溶媒に溶解するもの、熱可塑性あるいは熱融解性のように加熱することにより軟化するものあるいは液状となるものが主に用いられる。なかでも、レゾール型フェノール樹脂やノボラック型フェノール樹脂が好適である。特に、レゾール型フェノール樹脂が好適に使用される。
高純度の炭化ケイ素粉末の製造に用いられる重合及び架橋触媒としては、炭素源に応じて適宜選択でき、炭素源がフェノール樹脂やフラン樹脂の場合、トルエンスルホン酸、トルエンカルボン酸、酢酸、しゅう酸、硫酸等の酸類が挙げられる。これらの中でも、トルエンスルホン酸が好適に用いられる。
反応焼結法に使用される原料粉末である高純度炭化ケイ素粉末を製造する工程における、炭素とケイ素の比(以下、C/Si比と略記)は、混合物をl000℃にて炭化して得られる炭化物中間体を、元素分析することにより定義される。化学量論的には、C/Si比が3.0の時に生成炭化ケイ素中の遊離炭素が0%となるばずであるが、実際には同時に生成するSiOガスの揮散により低C/Si比において遊離炭素が発生する。この生成炭化ケイ素粉末中の遊離炭素量が焼結体等の製造用途に適当でない量にならないように予め配合を決定することが重要である。通常、1気圧近傍で1600℃以上での焼成では、C/Si比を2.0〜2.5にすると遊離炭素を抑制することができ、この範囲を好適に用いることができる。C/Si比を2.55以上にすると遊離炭素が顕著に増加するが、この遊離炭素は結晶成長を抑制する効果を持つため、得ようとする結晶成長サイズに応じてC/Si比を適宜選択しても良い。但し、雰囲気の圧力を低圧又は高圧とする場合は、純粋な炭化ケイ素を得るためのC/Si比は変動するので、この場合は必ずしも前述のC/Si比の範囲に限定するものではない。
以上より、特に高純度の炭化ケイ素粉末を得る方法としては、本願出願人が先に出願した特開平9−48605号の単結晶の製造方法に記載の原料粉末の製造方法が挙げられる。
高純度炭化ケイ素粉末の製造方法の1態様としては、高純度のテトラアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン重合体から選択される1種以上をケイ素源とし、加熱により炭素を生成する高純度有機化合物を炭素源とし、これらを均質に混合して得られた混合物を不活性雰囲気下において加熱焼成して炭化ケイ素粉末を得る炭化ケイ素生成工程と;得られた炭化ケイ素粉末を、1700℃以上2000℃未満の温度に保持し、上記温度の保持中に、2000℃〜2100℃の温度において5〜20分間にわたり加熱する処理を少なくとも1回行う後処理工程と;を含む高純度炭化ケイ素粉末の製造方法が挙げられる。前述の2工程を行うことにより、各不純物元素の含有量が0.5ppm以下である炭化ケイ素粉末を得ることができる。この様にして得られた炭化ケイ素粉末は、大きさが不均一であるため、解粉、分級により前述の粒度に適合するように処理することが好ましい。尚、非酸化性雰囲気としては、窒素あるいはアルゴン雰囲気などが挙げられる。
(炭素粉末)
スラリー状の混合粉体を得る工程に用いられる炭素源としての炭素粉末としては、加熱により炭素を残留するものを用いることができる。炭素粉末としては例えば上記炭化ケイ素粉末の欄において説明したと同様の炭素源や、経済性の観点からはカーボンブラックが挙げられる。但し、ここでいう炭素粉末には、後に溶媒の欄で説明する成分、具体的には有機溶媒、消泡剤、有機バインダー、解膠剤、粉体接着剤等は含まれない。
炭素粉末の添加量は、炭化ケイ素粉末及び炭素粉末の全重量基準で、5重量%以上、好ましくは5〜32重量%、さらに好ましくは15〜25重量%である。尚、上記炭素粉末の添加量は、炭化ケイ素粉末100重量部に対して、5.3重量部以上、好ましくは5.3〜47重量部、さらに好ましくは17.6〜33.3重量部に相当する。
従来、反応焼結法において用いられる炭素源としてのバインダーの添加量は、炭化ケイ素粉末100重量部に対して5重量部程度であった。この場合、炭素源としての炭素粉末の添加量を本発明の規定の範囲とすることで、従来より緻密で、しかも抵抗体の温度依存性の低い炭化ケイ素焼結体が得られる。理由は特に定かではないが、余剰の炭素源を添加することにより遊離ケイ素量が減少し、その結果炭化ケイ素焼結体の緻密性が向上し、抵抗体の温度依存性が低下したものと考えられる。
(溶媒)
スラリー状の混合粉体を得る工程に用いられる溶媒としては、水、エチルアルコール等の低級アルコール類やエチルエーテル、アセトン等が挙げられる。溶媒としては不純物の含有量が低いものを使用することが好ましい。消泡剤としてはシリコーン消泡剤等が挙げられる。また、炭化ケイ素粉末からスラリー状の混合粉体を製造する際に有機バインダーを添加してもよい。有機バインダーとしては、高分子エマルジョンラテックス等が挙げられ、解膠剤としては、導電性を付与する効果をさらに上げる点で窒素系の化合物が好ましく、例えばアンモニア、ポリアクリル酸アンモニウム塩等が好適に用いられる。粉体粘着剤としては、ポリビニルアルコールウレタン樹脂(例えば水溶性ポリウレタン)等が好適に用いられる。
〔ヒータ用炭化ケイ素焼結体の製造方法〕
本発明の実施形態にかかる炭化ケイ素焼結体の製造方法は、
炭化ケイ素粉末と炭素源とを溶媒中に分散してスラリー状の混合粉体を得る工程と、混合粉体を成形型に流し込み乾燥させてグリーン体を得る工程と、グリーン体を窒素雰囲気下1500℃〜1950℃で仮焼して仮焼体を得る工程と、窒素雰囲気下1450℃〜2000℃で仮焼体に毛細管現象により溶融した金属ケイ素を含浸させ、仮焼体中の遊離炭素とケイ素とを反応させて炭化ケイ素体を得る工程と、を有する。以下、工程毎に詳細に説明する。
(1)スラリー状の混合粉体を得る工程について
まず、炭化ケイ素粉末と炭素源と消泡剤とを溶媒中に分散させてスラリー状の混合粉体を製造する。次に、ミキサー、遊星ボールミルなどの攪拌混合手段を用いて、6時間〜48時間、特に12時間〜24時間に渡って攪拌混合を行う。攪拌混合が十分に行われていないと、グリーン体中に気孔が均一分散されなくなるからである。
(2)グリーン体を得る工程について
得られたスラリー状の混合粉体を鋳込み成形用型に流し込む。その後、放置、脱型した後、40℃〜60℃の温度条件下で加熱乾燥又は自然乾燥して溶媒を除去する。このようにして規定寸法のグリーン体、即ちスラリー状の混合粉体から溶媒を除去して均一な気孔が内在する炭化ケイ素成形体が得られる。
(3)仮焼工程について
得られたグリーン体を真空雰囲気下1500℃〜1950℃まで12〜18時間程度かけて昇温する。加熱温度が1500℃未満だと脱脂が不十分になる。昇温速度は、配合物中のバインダーの急激な熱分解による爆裂を防止するため100℃/1hr以下とする。そして、一定の温度に達した後、真空雰囲気下その温度条件に30分間保持することで仮焼体が得られる。
(4)焼成工程について
上記工程を経て製造された仮焼体を、窒素雰囲気下、高純度金属ケイ素の融点以上、具体的には1450℃〜2000℃、好ましくは1500℃〜1800℃迄加熱して溶融した高純度金属ケイ素中に浸潰する。仮焼体を溶融金属ケイ素中に浸潰することにより、液状になったケイ素が、毛細管現象によリ仮焼体中の気孔に浸透し、このケイ素と仮焼体中の遊離炭素とが反応する。この反応により炭化ケイ素が生成し、仮焼体中の気孔が生成された炭化ケイ素によって充填される。
ケイ素と遊離炭素との反応は、炭化ケイ素粉末を製造する工程で示したように1450℃〜2000℃程度で起こるので、1400℃〜1700℃迄加熱された溶融高純度金属ケイ素が、焼結体中に浸透した段階で、遊離炭素との反応が進行する。
また、仮焼体を溶融金属ケイ素中に浸潰する時間は、特に限定されず、大きさや、仮焼体中の遊離炭素の量により適宜決定する。高純度金属ケイ素は、1450℃〜2000℃迄、好ましくは、1500℃〜1800℃迄加熱して溶融させるが、この溶融温度が1450℃未満では高純度金属ケイ素の粘性が上昇するため毛細管現象により仮焼体に浸透しなくなり、また2000℃を超えると蒸発が著しくなり炉体等に損傷を与えてしまう。
高純度金属ケイ素としては、粉末、顆粒、塊状の金属ケイ素等が挙げられ、2〜5mmの塊状の金属ケイ素が好適に用いられる。本発明において、高純度とは、不純物の含有量が1ppm未満のものを意味する。
上記のように仮焼体中に含まれる遊離炭素とケイ素とを反応させて、生成した炭化ケイ素が仮焼体中の気孔を埋めることにより、高密度で、かつ良好な電気的特性を有する炭化ケイ素焼結体が得られる。
焼成は窒素雰囲気下で行われることが好ましい。最終成形品をヒータとして用いた場合に、電圧電流(VI)曲線の直線性が得られ、また抵抗の温度依存性が低くなるからである。また窒素雰囲気下において焼成した場合、炭化ケイ素(SiC)粒度の成長が起こり易くなる。その結果炭化ケイ素焼結耐の単位体積当たりの表面積が小さくなり酸化されづらくなる。つまり耐酸性が向上し抵抗体としての耐久性が向上する。
上記反応焼結法において、本発明の上記加熱条件を満たしうるものであれば、特に製造装置等に制限はなく、公知の加熱炉内や反応装置を使用することができる。
〔ヒータ用炭化ケイ素焼結体〕
以上の製造方法により得られた本発明の実施形態にかかるヒータ用炭化ケイ素焼結体は、気孔率が0%〜1%、好ましくは0%〜0.5%である。また100℃における抵抗が0.01Ωcm〜0.05Ωcm、好ましくは0.01Ωcm〜0.03Ωcmであり、100℃における抵抗をAとし、1000℃における抵抗をBとした際に、B/A=0.5〜1.2である。このような物性を有することから温度依存性の問題が大幅に改善される。さらに本発明の実施形態の窒素含量は500ppm以上、好ましくは500ppm〜1200ppm、より好ましくは550ppm〜900ppmである。そのため、導電性を有することから放電加工法により複雑形状に加工可能である。例えばヒータは、円柱状試料(焼結体)を形成しこれを径方向にスライス加工し、その後成形体に螺旋状や同心円状の溝を形成することにより製造される。
さらに、本発明の実施形態にかかるヒータ用炭化ケイ素焼結体は、高純度、高密度、高靭性の特性を備える。例えば密度が2.8g/cm以上であり、平均粒径が2μm〜8μmの主として等方状の炭化ケイ素粒子が均一に分散している構造を有する。そのため、密度等のバラツキが小さい構造部材としても使用できる。一般に、焼結体の密度が2.8g/cm3 未満であると、曲げ強度、破壊強度などの力学的特性や電気的な物性が低下し、さらに、パーティクルが増大して汚染性が悪化することが報告されている。このことからすると、本発明の実施形態にかかるヒータ用炭化ケイ素焼結体は良好な力学的特性と電気的特性を有するものといえる。
また、本発明の実施形態にかかるヒータ用炭化ケイ素焼結体の不純物の総含有量は、10ppm未満、好ましくは5ppm未満、より好ましくは3ppm未満、さらに好ましくは1ppm未満である。半導体工業分野への適用の観点からは、これらの化学的な分析による不純物含有量は参考値としての意味を有するに過ぎない。実用的には、不純物が均一に分布しているか、局所的に偏在しているかによっても、評価が異なってくる。従って、当業者は一般的に実用装置を用いて所定の加熱条件のもとで不純物がどの程度ウェハを汚染するかを種々の手段により評価している。なお、液状のケイ素化合物と、非金属系焼結助剤と、重合又は架橋触媒と、を均質に混合して得られた固形物を非酸化性雰囲気下で加熱炭化した後、さらに、非酸化性雰囲気下で焼成する焼成工程とを含む製造方法によれば、炭化ケイ素焼結体に含まれるケイ素、炭素、酸素以外の不純物の総含有量を1ppm未満にすることができる。本発明の実施形態で得られるヒータ用炭化ケイ素焼結体の窒素含有量は、150ppm以上である。
以上のようにして得られる本発明の実施形態にかかるヒータ用炭化ケイ素焼結体は、好適には以下のような物性を有する。炭化ケイ素焼結体のケイ素及び炭素以外の、不純物元素の総含有量は5ppm未満である。密度は2.8g/cm以上、好ましい態様において2.9〜3.15g/cmである。曲げ強度は70MPa以上、好ましい態様において100MPa以上である。
本発明の原料粉体である炭化ケイ素粉体及び原料粉体を製造するためのケイ素源と非金属系焼結助剤、さらに、非酸化性雰囲気とするために用いられる不活性ガス、それぞれの純度は、各不純物元素含有量1ppm以下であることが好ましいが、加熱、焼結工程における純化の許容範囲内であれば必ずしもこれに限定するものではない。また、ここで不純物元素とは、1989年IUPAC無機化学命名法改訂版の周期律表における1族から16族元素に属し、かつ、原子番号3以上であり、原子番号6〜8及び同14〜16の元素を除く元素をいう。
以上、実施形態を挙げて説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。従って本発明の加熱条件を満たしうるものであれば、特に製造装置等に制限はなく、公知の加熱炉内や反応装置を使用することができる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が以下の実施例に限定されるものでないことは言うまでもない。
〔実施例1〕
炭化ケイ素反応焼結体の調製
前述の詳細な説明に記載された炭化ケイ素焼結体の製造方法に準じて、以下の条件下で炭化ケイ素焼結体を製造した:
(1)混合粉体を得る工程:炭化ケイ素粉末として、中心粒径5μmの高純度炭化ケイ素粉末(特開平9―48605号に記載の製造方法に準じて製造された不純物含有量5ppm以下の炭化ケイ素/1.5重量%のシリカを含有)95重量部に対して、カーボンブラック5重量部と、ポリアクリル酸アンモニウム1部と、水40重量部と、ラテックス4重量部とを添加した。さらに24時間ボールミルで分散混合し、粘度1ポワーズのスラリー状の混合粉体を得た。
(2)グリーン体を得る工程:このスラリー状の混合粉体を長さ130mm、幅10mm、厚み2.5mmの石膏型に鋳込み、24時間、22℃で自然乾燥させてグリーン体を得た。
(3)仮焼工程:得られたグリーン体を、内径200mm、高さ80mmの黒鉛製のるつぼ内で、圧力−1atmの窒素雰囲気下で1550℃まで12時間かけて昇温し、1550℃に30分間保持した。
(4)焼成工程:仮焼工程後、窒素雰囲気下で1500℃において0.5時間仮焼体にケイ素を含浸させた。
〔実施例2、3〕〔比較例1〕
成分の配合量を表1に示す内容にしたことを除いて、実施例1と同様にして実験を行った。
得られた炭化ケイ素焼結体について、後に説明する基準に従って、遊離ケイ素量、100℃における抵抗(A)、1000℃における抵抗(B)、気孔率、かさ密度及び外観を調べた。得られた実験結果を表1に示す。尚、表1中のカーボンブラックの配合量(重量部)の数値は、カーボンブラック(重量%)=〔カーボンブラック/(炭化ケイ素粉末+カーボンブラック)×100〕としたときのカーボンブラックの配合量(重量%)と一致する。
Figure 2006151719
以上の実験結果から、カーボンブラックの添加量を実施例の範囲内にすることにより、抵抗の温度依存性が低下することが分かった。またカーボンブラックの添加量を実施例の範囲内にすることにより、遊離ケイ素量が低下し、その結果100℃及び1000℃における抵抗値が低下することが分かった。
〔評価基準〕
(1)遊離ケイ素
真空下1600℃でケイ素を除去しその前後の重量(かさ密度)より算出した。
(2)100℃及び1000℃における抵抗(Ω・cm)
図1に示すように、銅製の2つの電極3a、3bと熱電対8を備えるサイリスタ式電流制御ヒータ電源5の電極3a、3bに、長さ130mm、幅10mm、厚み2.5mmの試験片1の両端15mmを挟んだ。そしてサイリスタ式電流制御ヒータ電源5より1V〜数Vの電圧を投入していき、一定温度(100℃又は1000℃)に達したときの電流を記録し、以下の式から各温度における抵抗値を求めた。
抵抗(Ω・cm)=R/(長さ×幅×厚み)
R=電圧/電流
(3)気孔率の測定(%)
アルキメデス法に基づいて気孔率を測定した。
(4)かさ密度(g/cm
かさ密度=乾燥重量/〔(含水重量−水中重量)×1/(水の密度)〕
(5)外観観察
目視観察を行った。
図1は、試験片の抵抗の測定方法を示す概念図である。
符号の説明
1…試験片
3a、3b…電極
5…サイリスタ式電流制御ヒータ電源
8…熱電対

Claims (4)

  1. 炭化ケイ素粉末と炭素粉末とを溶媒中に分散してスラリー状の混合粉体を得る工程と、
    前記混合粉体を成形型に流し込み乾燥させてグリーン体を得る工程と、
    前記グリーン体を窒素雰囲気下1500℃〜1950℃で仮焼して仮焼体を得る工程と、
    窒素雰囲気下1450℃〜2000℃で、前記仮焼体に毛細管現象により溶融した金属ケイ素を含浸させ、前記仮焼体中の遊離炭素と毛細管現象により前記仮焼体中に吸い上げられたケイ素とを反応させて炭化ケイ素体を得る工程と、
    を有することを特徴とするヒータ用炭化ケイ素焼結体の製造方法。
  2. 前記混合粉体を得る工程において、前記炭化ケイ素粉末及び前記炭素粉末の全重量基準で、前記炭素粉末を5重量%以上添加することを特徴とする請求項1記載のヒータ用炭化ケイ素焼結体の製造方法。
  3. 前記混合粉体を得る工程において、前記炭化ケイ素粉末及び前記炭素粉末の全重量基準で、前記炭素粉末を5〜32重量%添加することを特徴とする請求項1記載のヒータ用炭化ケイ素焼結体の製造方法。
  4. 気孔率が1%以下であり、100℃のときの抵抗値をAとし1000℃のときの抵抗値をBとしたときのB/A=0.5〜1.2であることを特徴とするヒータ用炭化ケイ素焼結体。
JP2004342661A 2004-11-26 2004-11-26 ヒータ用炭化ケイ素焼結体の製造方法 Pending JP2006151719A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004342661A JP2006151719A (ja) 2004-11-26 2004-11-26 ヒータ用炭化ケイ素焼結体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004342661A JP2006151719A (ja) 2004-11-26 2004-11-26 ヒータ用炭化ケイ素焼結体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006151719A true JP2006151719A (ja) 2006-06-15

Family

ID=36630458

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004342661A Pending JP2006151719A (ja) 2004-11-26 2004-11-26 ヒータ用炭化ケイ素焼結体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006151719A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008150257A (ja) * 2006-12-19 2008-07-03 Bridgestone Corp 炭化珪素焼結体の製造方法
US7799417B2 (en) 2006-10-11 2010-09-21 Ngk Insulators, Ltd. Si-SiC based fired body and method for manufacturing the same
JP2016044122A (ja) * 2014-08-19 2016-04-04 シュンク コーレンストフテヒニーク ゲーエムベーハー 成形体を生成するための方法および成形体

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0945467A (ja) * 1995-07-31 1997-02-14 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 炭素系発熱体及びその製造方法
JPH11171652A (ja) * 1997-12-09 1999-06-29 Bridgestone Corp 炭化珪素焼結体の製造方法
JPH11236267A (ja) * 1998-02-24 1999-08-31 Tokai Konetsu Kogyo Co Ltd 耐酸化性SiC−Si複合材及びその製造方法
JP2000313668A (ja) * 1999-04-27 2000-11-14 Tokai Konetsu Kogyo Co Ltd SiC−Si複合材の製造方法
JP2001210452A (ja) * 2000-01-26 2001-08-03 Tokai Konetsu Kogyo Co Ltd 炭化珪素発熱体および該炭化珪素発熱体からなるフロートガラス製造用ヒータならびに該ヒータを使用するフロートガラスの製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0945467A (ja) * 1995-07-31 1997-02-14 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 炭素系発熱体及びその製造方法
JPH11171652A (ja) * 1997-12-09 1999-06-29 Bridgestone Corp 炭化珪素焼結体の製造方法
JPH11236267A (ja) * 1998-02-24 1999-08-31 Tokai Konetsu Kogyo Co Ltd 耐酸化性SiC−Si複合材及びその製造方法
JP2000313668A (ja) * 1999-04-27 2000-11-14 Tokai Konetsu Kogyo Co Ltd SiC−Si複合材の製造方法
JP2001210452A (ja) * 2000-01-26 2001-08-03 Tokai Konetsu Kogyo Co Ltd 炭化珪素発熱体および該炭化珪素発熱体からなるフロートガラス製造用ヒータならびに該ヒータを使用するフロートガラスの製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7799417B2 (en) 2006-10-11 2010-09-21 Ngk Insulators, Ltd. Si-SiC based fired body and method for manufacturing the same
CN101172861B (zh) * 2006-10-11 2012-05-23 日本碍子株式会社 Si-SiC质烧结体及其制造方法
JP2008150257A (ja) * 2006-12-19 2008-07-03 Bridgestone Corp 炭化珪素焼結体の製造方法
JP2016044122A (ja) * 2014-08-19 2016-04-04 シュンク コーレンストフテヒニーク ゲーエムベーハー 成形体を生成するための方法および成形体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20090269044A1 (en) Bridgestone corporation
CA2339649C (en) Silicon carbide sinter and process for producing the same
JPWO2004043876A1 (ja) 炭化ケイ素焼結体及びその製造方法
JP4589491B2 (ja) 炭化ケイ素粉末、グリーン体の製造方法、及び炭化ケイ素焼結体の製造方法
JP4260629B2 (ja) 炭化ケイ素焼結体の製造方法
JP2001019552A (ja) 炭化ケイ素焼結体及びその製造方法
EP1484297A1 (en) Method for manufacturing silicon carbide sintered compact jig and silicon carbide sintered compact jig manufactured by the method
JP2007183085A (ja) インラインヒータ及びその製造方法
EP1691398A1 (en) Ceramic heater unit
JP5303103B2 (ja) 炭化ケイ素焼結体及びその製造方法
JP2006151719A (ja) ヒータ用炭化ケイ素焼結体の製造方法
JP2008143748A (ja) 反りのない炭化ケイ素焼結体及びその製造方法
JP4833008B2 (ja) 炭化ケイ素焼結体ヒータ及びその製造方法
JP2005206449A (ja) ヒータ用炭化ケイ素焼結体の製造方法
JP2008074667A (ja) 炭化ケイ素焼結体シート及びその製造方法
JP4491080B2 (ja) 炭化ケイ素焼結体の製造方法
JP2006248807A (ja) 炭化ケイ素表面リッチ層を備える炭化ケイ素焼結体
JP2000091171A (ja) ウェハ
JP2007277030A (ja) ヒータ用炭化ケイ素焼結体及びその製造方法
JP5130099B2 (ja) 炭化ケイ素焼結体の製造方法
JP2001130971A (ja) 炭化ケイ素焼結体、及びその製造方法
JP2008308370A (ja) 炭化ケイ素焼結体の高純度化方法
JP2000154063A (ja) 炭化ケイ素焼結体の製造方法
JP4361989B2 (ja) セラミックの製造方法、及び炭化ケイ素焼結体の製造方法
JP4960618B2 (ja) 炭化ケイ素焼結体からなる立体成形体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071017

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100713

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100913

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101207

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110412