JP2006147269A - イオン照射装置 - Google Patents

イオン照射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006147269A
JP2006147269A JP2004334036A JP2004334036A JP2006147269A JP 2006147269 A JP2006147269 A JP 2006147269A JP 2004334036 A JP2004334036 A JP 2004334036A JP 2004334036 A JP2004334036 A JP 2004334036A JP 2006147269 A JP2006147269 A JP 2006147269A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filament
ion irradiation
plasma
filaments
electron source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004334036A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4111186B2 (ja
Inventor
Masato Takahashi
正人 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissin Electric Co Ltd filed Critical Nissin Electric Co Ltd
Priority to JP2004334036A priority Critical patent/JP4111186B2/ja
Publication of JP2006147269A publication Critical patent/JP2006147269A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4111186B2 publication Critical patent/JP4111186B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Electron Sources, Ion Sources (AREA)

Abstract


【課題】イオン照射対象物品のイオン照射対象部分に全体的に均一に、また、徒に長時間を要することなくイオン照射処理を施せる寿命の長いイオン照射装置を提供する。
【解決手段】電子源20Aを物品Wのイオン照射対象部分の全体に臨むように設け、電子源20Aにおけるフィラメント2a、2a’、2a”は、電子源20Aの全体にわたり不連続に複数段に分散並列配置する。複数段のフィラメントのうち、少なくとも1段のフィラメントを、互いに逆向きの電流が流れるように相互に平行又は略平行に接近して対向する対向部分を含むように屈曲配置し、或いは、少なくとも一組の互いに隣り合うフィラメントについて、互いに逆向きの電流が流れるように相互に平行又は略平行に接近して対向する対向部分を含ませる。かかる電子源20Aから放出させた電子を真空チャンバ1内へ導入したガスに衝突させてプラズマを生成し、該プラズマ中のイオンを物品Wに照射する。
【選択図】図1

Description

本発明はイオン照射対象物品にイオンを照射するイオン照射装置、特に、真空チャンバ内において、通電による抵抗加熱により熱電子を放出するフィラメントを用いた電子源から放出させた電子を真空チャンバへ導入したガスに衝突させてプラズマを生成し、該プラズマ中のイオンをイオン照射対象物品に照射するイオン照射装置に関する。
機械部品、工具、自動車部品などの物品への膜形成、イオン注入、表面改質などの処理は、一般的には、真空チャンバ内で行われることが多い。かかる処理のための一連のプロセスでは、物品の表面をクリーニングしたり、物品の表面を適度に荒らしたり、或いは物品の表面温度を上昇させる処理を伴うことが多々ある。
例えば、成膜プロセスにおいては、膜形成を行う前に、物品とそれに形成される膜との密着性をよくするために、物品表面に付着している汚れやゴミなどを除去したり、物品の表面を適度な粗さにすることによって物品と膜の接触面積を大きくしたり、或いは物品の表面温度を上昇させて膜を物品側に拡散させるようなことが行われている。
これらは、例えば、真空チャンバ内において、フィラメント電源からの通電による抵抗加熱により熱電子を放出するフィラメントを用いた電子源から放出させた電子を真空チャンバへ導入したガス(例えばアルゴンガスのような不活性ガス)に衝突させてプラズマを生成し、該プラズマ中のイオンをイオン照射対象物品に照射するイオン照射装置を用いて行われる。
このタイプの従来のイオン照射装置では、電子源を構成するフィラメントが真空チャンバの片隅に配置されたり、或いは、物品のイオン照射対象部分から外れすぎたようなところに配置され、そのため物品のイオン照射対象部分全体への均一なイオン照射ができないことが多かった。その結果、例えば、その後の物品への膜形成において形成される膜の密着性が不十分になるなどの不具合がでることが多かった。
そこでこのような問題を解決するために、特開平2000−336492号公報は、真空チャンバ内の長い範囲にわたる電子源を採用したり、イオン照射対象物品に対向するように該物品の長手方向に長い電子源を採用した、改良されたイオン照射装置を開示している。
かかる改良されたイオン照射装置例を図11(A)に示す。図11(B)は、このあと記すイオン照射対象物品Wとフィラメント2との配置関係を図11(A)において右側から見て示す図である。
図11(A)に示すイオン照射装置は真空チャンバ1、チャンバ内に配置された電子源を構成するフィラメント2、チャンバ内に設置された物品ホルダ3等を備えている。
真空チャンバ1は、図示省略の排気装置により排気ポート11から排気することでチャンバ内を所定のイオン照射圧に減圧維持することができ、また、ガス導入ポート12から照射イオンを生成するためのガス、例えばアルゴンガスのような不活性ガスをチャンバ内へ導入できる。
イオン照射対象物品Wは本例では円柱形状のものでホルダ3に縦長に支持される。ホルダ3は図示省略の回転駆動装置により回転駆動可能であり、これによりイオン照射中、物品Wを回転させることができる。フィラメント2は上下の端子台21、22に支持され、両端子台間に上下方向に直線的に張設され、物品Wの長手方向(回転中心線方向)に長くのび、物品Wの全体に対向している。
イオン照射にあたっては、真空チャンバ1内を所定圧へ減圧維持しつつガス導入ポート12からガス(例えばアルゴンガス)を導入するとともに、電源PW1からフィラメント2に電流を流し、これによりフィラメントを抵抗加熱して熱電子を放出させる一方、チャンバ1にフィラメント2より高電位になるように放電用電源PW2から電圧を印加し、これによりフィラメント2から熱電子を引き出し、直流放電を発生させるとともに熱電子を導入ガスに衝突させてプラズマを発生させ、該プラズマ中のイオンをバイアス電源PW3から負のバイアス電圧を印加された物品Wへ照射する。
以上のほか、従来例ではないが本発明者によれば、改良されたイオン照射装置として、図12の装置も例示できる。図12のイオン照射装置は、図11(A)に示すイオン照射装置において、一本の長いフィラメント2に代えて、複数本のフィラメント2’を物品Wの長手方向にそって複数段に不連続に並列配置し、各フィラメント2’にフィラメント電源PW1’を接続したものである。各フィラメント2’は端子台21’、22’間に直線的に張設され、物品Wの長手方向に対し垂直な方向に延在している。その他の点は図11(A)のイオン照射装置と同構成である。
図11(A)、図12に示すいずれのイオン照射装置も、電子源を構成するフィラメントが真空チャンバの片隅に配置されたり、或いは、物品のイオン照射対象部分から外れすぎたようなところに配置されたイオン照射装置と比べると、物品のイオン照射対象部分全体へ均一にイオンを照射できる。
特開平2000−336492号公報
しかしながら、特開平2000−336492号公報に開示されているイオン照射装置や、図11(A)に示すイオン照射装置のように、電子源におけるフィラメントが連続的に長いイオン照射装置では、図11(A)に示すようにフィラメントを抵抗加熱する電源(フィラメント電源)として直流電源を採用すると、フィラメントが長くなりすぎることによって、抵抗加熱すべく該フィラメントへ印加する電圧が大きくなりすぎ、それによりフィラメントの負電位側と真空チャンバとの間の電位差が大きくなりすぎ、該フィラメントが真空チャンバ内に生成したプラズマからのスパッタリングを激しく受け、フィラメントの消耗が激しくなり、短時間で切れてしまう。
この問題を解消しようとして放電用電源の出力電圧を下げたり、或いはフィラメント電源の極性を反転させると、フィラメントの正電位側と真空チャンバとの間の電位差が小さくなりすぎ、熱電子を十分引き出せなくなる。その結果、フィラメントの正電位側近傍で生成したプラズマの密度が極端に低くなり、イオン照射対象物品に全体的に均一なイオン照射を行うことが困難になる。ひいては、例えばその後の成膜プロセスではイオン照射量の小さい領域で形成された膜部分は物品本体への十分な密着力が得られないなどの問題が生じる。
図11(A)のイオン照射装置を用いて、ステンレススチール製の直径150mm、長さ600mmの円柱形の物品Wを毎分3回転させつつ、該物品表面をエッチングによりクリーニング処理する実験を行った。このときのエッチング量の物品上の位置依存性を図2に白丸(○)ドットを結ぶラインで示す。
この実験におけるイオン照射条件は次のとおりとした。
アルゴンガス導入量:100sccm、
イオン照射におけるチャンバ内圧力:0.7Pa、
フィラメントサイズ及び本数:直径1.0mm,長さ600mmのフィラメント一本、 フィラメント電圧及び電流:電圧36V,電流60A、
放電電圧及び電流:電圧30V,電流31A、
物品Wへのバイアス電圧及び電流:電圧−500V,電流9A、
処理時間:60分とした。
図2に示すように、物品Wの上端から中央付近までは0.5μm程度のエッチングがされているが、中央付近から下端へかけてエッチング量が大幅に小さくなっていくことがわかる。これは、フィラメントの正電位側近傍で生成したプラズマの密度が極端に低くなり、物品Wに対し全体的に均一にイオン照射がなされていないことを示している。
また、同じ実験条件で、但し、処理時間を制限せずに装置運転したところ、フィラメント寿命は略10時間程度と短かった。
また、フィラメントを単に長く張り巡らしたり、特開平2000−336492号公報にも記載されているように、いくら螺旋状やジグザグ状に張り巡らしたとしても、フィラメントから引き出される電子はフィラメント自身によって誘起される磁場によってトラップされるので、それだけ、密度の高いプラズマを生成することが困難になり、ひいてはイオン照射対象物品に対するイオン照射量が低下して、イオン照射処理にそれだけ長時間を要してしまう、という問題もある。
特開平2000−336492号公報にも記載されているように、例えば図11(A)に示す装置においてフィラメント電源として直流電源に代えて交流電源を採用し、フィラメントに交流電流を流すと、物品Wへのイオン照射は直流電源を採用する場合よりも均一化されるが、その場合でも、フィラメントから引き出される電子はフィラメント自身によって誘起される磁場によってトラップされるので、密度の高いプラズマを生成することは困難であり、それだけイオン照射処理に長時間を要してしまう。
この問題を解決しようとして、フィラメントに流す電流を大きくして熱電子を多く引き出そうとすると、フィラメントの動作温度(熱電子を放出するために加熱する温度)が高くなりすぎ、フィラメントの蒸発が激しくなったり、また、スパッタリングを受ける場合のスパッタリング率が高くなって、結果としてフィラメントが短時間で切れてしまう。
図12に示すイオン照射装置では、フィラメント2’群が物品Wに全体的に臨むように複数段に並列配置されているので、それだけ物品W全体に均一にイオン照射することができ、また、図11(A)の装置の場合に比べれば、各フィラメント2’の長さが短いので、長い一本のフィラメントを採用する場合に比べると低電圧印加で加熱して電子を放出させ得るので、フィラメントの消耗が少ない。
しかし、やはりフィラメントから引き出される電子はフィラメント自身によって誘起される磁場によってトラップされるので、密度の高いプラズマを生成することは困難となり、この間題を解決するために、フィラメントに流す電流を大きくして多数の熱電子を引き出そうとすると、フィラメントの動作温度が高くなりすぎ、フィラメントの蒸発が激しくなったり、また、スパッタリングを受ける場合のスパッタリング率が高くなって、結果としてフィラメントが短時間で切れてしまうという問題がある。
図12に示すイオン照射装置でも、図11(A)の装置における前記実験条件に近い以下の条件で運転すると、やはりフィラメント寿命は10時間程度と短時間であった。
この場合の図12の装置による実験条件は、
物品Wについては前記と同じ条件、
アルゴンガス導入量:100sccm、
イオン照射におけるチャンバ内圧力:0.7Pa、
フィラメントサイズ及び本数:直径1.0mm,長さ200mmのフィラメント3本、 各フィラメント電圧及び電流:電圧12V,電流60A、
放電電圧及び電流:電圧40V,電流31A、
物品Wへのバイアス電圧及び電流:電圧−500V,電流9Aであった。
以上の問題は、電子源がフィラメント自身の場合だけではなく、フィラメントに電流を流すことによって熱電子を引き出し、この熱電子を別途熱電子放出部材及び(又は)二次電子放出部材に衝突させて、それから熱電子及び(又は)二次電子を引き出すような方式の電子源や、フィラメントに電流を流すことによって熱電子を引き出し、この熱電子を真空チャンバとは仕切られた予備プラズマ室に導入したガスに衝突させて予備プラズマを生成し、予備プラズマから電子を引き出すような方式の電子源の場合にも同様に生じる。
そこで本発明は、真空チャンバ内において、フィラメント電源からの通電による抵抗加熱により熱電子を放出するフィラメントを用いた電子源から放出させた電子を真空チャンバ内導入ガスに衝突させてプラズマを生成し、該プラズマ中のイオンをイオン照射対象物品に照射するイオン照射装置であって、イオン照射対象物品のイオン照射対象部分に全体的に均一に、また、徒に長時間を要することなくイオン照射処理を施せる、寿命の長いイオン照射装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため本発明は次の第1、第2のイオン照射装置を提供する。
(1)第1のイオン照射装置
真空チャンバ内において、フィラメント電源からの通電による抵抗加熱により熱電子を放出するフィラメントを用いた電子源から放出させた電子を真空チャンバ内導入ガスに衝突させてプラズマを生成し、該プラズマ中のイオンをイオン照射対象物品に照射するイオン照射装置であり、該電子源は該物品のイオン照射対象部分の全体に臨むように設けられており、該電子源における前記フィラメントは、該電子源の全体にわたり不連続に複数段に分散並列配置され、該複数段のフィラメントのうち少なくとも1段のフィラメントは、互いに逆向きの電流が流れるように相互に平行又は略平行に対向する対向部分を少なくとも一つ含むように屈曲配置されており、該相互に平行又は略平行な対向部分は、該対向部分に互いに逆向きに流される電流に誘起されて発生する磁場が打ち消しあうように接近しているイオン照射装置。
(2)第2のイオン照射装置
真空チャンバー内において、フィラメント電源からの通電による抵抗加熱により熱電子を放出するフィラメントを用いた電子源から放出させた電子を真空チャンバ内導入ガスに衝突させてプラズマを生成し、該プラズマ中のイオンをイオン照射対象物品に照射するイオン照射装置であり、該電子源は該物品のイオン照射対象部分の全体に臨むように設けられており、該電子源における前記フィラメントは、該電子源の全体にわたり不連続に複数段に分散並列配置され、該複数段のフィラメントのうち少なくとも一組の互いに隣り合うフィラメントには、互いに逆向きの電流が流される、相互に平行又は略平行な対向部分が少なくとも一つ含まれており、該相互に平行又は略平行な対向部分は、該対向部分に互いに逆向きに流される電流に誘起されて発生する磁場が打ち消しあうように接近しているイオン照射装置。
かかる第1、第2のイオン照射装置において、「真空チャンバ内導入ガス」とは、真空チャンバ内へ導入され、電子源から放出される電子の衝突によりプラズマ化され、それによりイオン照射対象物品へ照射するイオンを生成するガスである。
また、「電子源が物品のイオン照射対象部分の全体に臨むように設けられている」態様には、電子源が物品のイオン照射対象部分のほぼ全体に臨むように設けられている場合も含まれる。
「フィラメントが電子源の全体にわたり不連続に複数段に分散並列配置されている」態様には、フィラメントが電子源のほぼ全体にわたり不連続に複数段に分散並列配置されている場合も含まれる。
また、「磁場が打ち消しあう」には、磁場が完全に打ち消しあう場合は勿論のこと、完全ではないが、磁場が打ち消しあっているとみて差し支えない場合も含まれる。
第1、第2のイオン照射装置のいずれにおいても、電子源におけるフィラメントは、電子源の全体にわたり不連続に複数段に分散並列配置されているから、それだけ電子源の全体又はほぼ全体から均一状に電子を放出させることができ、しかも、電子源は物品のイオン照射対象部分の全体に臨むように設けられているから、該電子源から放出させた電子を真空チャンバ内導入ガスに衝突させてプラズマを形成するとき、該プラズマは物品のイオン照射対象部分の全体に均一状に臨むように生成し、かくして、該プラズマからイオン照射対象部分に全体的に均一にイオンを照射することができる。
また、不連続に複数段に並列配置された複数本のフィラメントの一本一本は、従来のように物品のイオン照射対象部分に全体的に臨むように連続的に長く張設される一本のフィラメントと比べると短くすることができ、それだけ個々のフィラメントに対する、抵抗加熱による熱電子放出のための印加電圧は低く済み、それだけフィラメントの蒸発や、プラズマからのスパッタリング等によるフィラメントの消耗を抑制して、イオン照射装置を長寿命化できる。
さらに、第1のイオン照射装置では、電子源における複数段のフィラメントのうち少なくとも1段のフィラメントは、互いに逆向きの電流が流れるように相互に平行又は略平行に対向する対向部分を少なくとも一つ含むように屈曲配置されており、該相互に平行又は略平行な対向部分は、該対向部分に互いに逆向きに流される電流に誘起されて発生する磁場が打ち消し合うように接近している。従って、該フィラメンに通電するフィラメント電源が直流電源であれ、交番電源(例えば極性が周期的に反転する交流電源やパルス電源)であれ、該相互に平行又は略平行な部分のうち一方に流れる電流と他方に流れる電流とは互いに逆向きの流れとなり、それにより、それら部分に電流の流れにより形成される磁場は互いに打ち消しあい、それら部分から生じる熱電子は磁場にトラップされることが抑制される状態で十分引き出すことができる。従って、該フィラメントに印加する電圧をフィラメント消耗を抑制するように低くしても、照射イオンを得るためのプラズマを高密度に形成することができ、ひいては、徒に長時間を要することなく、所定のイオン照射量で効率よく物品にイオン照射処理を施せる。
これらにより、イオン照射対象物品のイオン照射対象部分に全体的に均一に、また、徒に長時間を要することなく効率的にイオン照射処理を施せるとともに、フィラメント、ひいてはイオン照射装置を長寿命化できる。
第1のイオン照射装置において、互いに接近する相互に平行又は略平行な対向部分を含むように屈曲配置されたフィラメントに通電するフィラメント電源として直流電源を採用する場合、該互いに接近する相互に平行又は略平行な対向部分はフィラメントの負極性側端部寄りに位置することがより望ましい。そうすることで、該互いに接近する相互に平行又は略平行な対向部分に放電電圧を有効に作用させて十分に熱電子を引き出すことができる。
第2のイオン照射装置では、電子源における複数段のフィラメントのうち少なくとも一組の互いに隣り合うフィラメントには、互いに逆向きの電流が流される、相互に平行又は略平行な対向部分が少なくとも一つ含まれており、該相互に平行又は略平行な対向部分は、該対向部分に互いに逆向きに流される電流に誘起されて発生する磁場が打ち消し合うように接近している。
従って、このような互いに隣り合うフィラメントに通電するフィラメント電源として、該互いに接近する相互に平行又は略平行な対向部分に互いに逆向きの電流を流す直流電源を採用したり、該互いに接近する相互に平行又は略平行な対向部分に互いに逆向きの電流が流れるように交番電流(例えば交流電流、パルス電流)を流す交番電源を採用することで、それら部分に電流により形成される磁場は互いに打ち消しあい、それにより、該対向部分から生じる熱電子は磁場にトラップされることが抑制される状態で十分に引き出すことができる。従って、該フィラメントに印加する電圧をフィラメント消耗を抑制するように低くしても、それだけ照射イオンを得るためのプラズマを高密度に形成することができ、ひいては、徒に長時間を要することなく、所定のイオン照射量で効率よく物品にイオン照射処理を施せる。
前記互いに接近する相互に平行又は略平行な対向部分を含むように配置されている互いに隣り合うフィラメントに対するフィラメント電源として直流電源を採用する場合、該互いに接近する相互に平行又は略平行な対向部分はそれらフィラメントの負極性側端部寄りに位置していることがより望ましい。そうすることで、該相互に平行又は略平行な対向部分に放電電圧を有効に作用させて十分に熱電子を引き出すことができる。
なお、第1のイオン照射装置においては、複数段のフィラメントのうち少なくとも1段のフィラメントが互いに接近する相互に平行又は略平行な対向部分を含むように屈曲配置されていればよいが、2段以上或いは全段のフィラメントがそのように屈曲配置されていてもよい。
また、第1のイオン照射装置においては、複数段のフィラメントのうち少なくとも一組の互いに隣り合うフィラメントは、互いに逆向きの電流が流される、相互に平行又は略平行な対向部分を少なくとも一つ含んでいてもよい。かかる相互に平行又は略平行な対向部分は、該対向部分に互いに逆向きに流される電流に誘起されて発生する磁場が打ち消しあうように接近させる。すなわち、そのように互いに隣り合うフィラメンと、フィラメント中において相互に平行又は略平行な対向部分を含むように屈曲配置されたフィラメントとが混じっていてもよい。
また、第2のイオン照射装置においては、複数段のフィラメントのうち少なくとも一組の互いに隣り合うフィラメントについて、互いに逆向きの電流が流される、相互に平行又は略平行な対向部分が少なくとも一つ含まれるように、そして、該相互に平行又は略平行な対向部分は、該対向部分に互いに逆向きに流される電流に誘起されて発生する磁場が打ち消しあうように接近していればよいが、そのような組のフィラメントが2組以上あってもよく、そのような組のフィラメントばかりでもよい。
また、少なくとも1段のフィラメントは、互いに逆向きの電流が流れるように相互に平行又は略平行に対向する対向部分を少なくとも一つ含むように屈曲配置され、該相互に平行又は略平行な対向部分は、該対向部分に互いに逆向きに流される電流に誘起されて発生する磁場が打ち消しあうように接近していてもよい。すなわち、そのように屈曲配置されたフィラメントと、互いに接近する相互に平行又は略平行な対向部分を含むように組をなす互いに隣り合うフィラメントとが混じっていてもよい。
第1、第2のイオン照射装置のいずれにおいても、電子源の態様として次の(1) 〜(3) のものを例示できる。
(1) 前記真空チャンバ内導入ガスに衝突させて前記プラズマを生成するために電子源から放出させる電子として、前記フィラメントへの通電による抵抗加熱により該フィラメントから放出される熱電子を用いる電子源。
(2) 前記フィラメントへの通電による抵抗加熱により該フィラメントから放出される熱電子の衝突により熱電子を放出する熱電子放出部材及び前記フィラメントへの通電による抵抗加熱により該フィラメントから放出される熱電子の衝突により2次電子を放出する2次電子放出部材のうち少なくとも一方を含んでおり、前記真空チャンバ内導入ガスに衝突させて前記プラズマを生成するために該電子源から放出させる電子として、該熱電子放出部材及び(又は)2次電子放出部材から放出される電子を用いる電子源。
この電子源の場合、熱電子放出部材や2次電子放出部材は、複数段のフィラメントのそれぞれに対して設けられていてもよいし、複数段のフィラントに対し共通の一つのものが設けられていてもよく、或いは複数段のフィラメントのうち所定本数グループ毎に共通のものが設けられていてもよく、要するに電子源の全体又は略全体から均一状に電子を放出させ得るように設けられていればよい。
熱電子放出部材は2次電子放出部材の機能を有していてもよい。或いは、2次電子放出部材は熱電子放出部材の機能を有していてもよい。
(3) 予備プラズマ室を含んでおり、前記フィラメントへの通電による抵抗加熱により該フィラメントから放出される熱電子を該予備プラズマ室に導入されるガスに衝突させて予備プラズマを生成し、前記真空チャンバ内導入ガスに衝突させて前記プラズマを生成するために該電子源から放出させる電子として、該予備プラズマ室に生成するプラズマから放出される電子を用いる電子源。
この電子源の場合、予備プラズマ室は、複数段のフィラメントのそれぞれに対して設けられていてもよいし、複数段のフィラントに対し共通の一つのものが設けられていてもよく、或いは複数段のフィラメントのうち所定本数グループ毎に共通のものが設けられていてもよく、要するに電子源の全体又は略全体から均一状に電子を放出させ得るように設けられていればよい。
既述のいずれのイオン照射装置の場合でも、照射イオンを得るためのプラズマを一層高密度で形成してイオン照射をより能率よく行えるようにするために、前記複数段のフィラメントのうち少なくとも1段のフィラメントに対し、該フィラメントに流れる電流により誘起される磁場の少なくとも一部を打ち消す磁場形成手段(永久磁石、電磁石、これらの組み合わせ等)を設けてもよい。
また、いずれのイオン照射装置の場合でも、プラズマの空間分布やイオン電流量の空間分布を計測できるようにし、電子源から引き出す電子量やエネルギー、或いはフィラメントから引き出す電子量やエネルギーを個々に制御したり、熱電子放出部材、二次電子放出部材、予備プラズマなどから引き出す電子の量やエネルギーを個々に制御することにより、プラズマの均一性や物品へ照射するイオンの均一性を制御できるようにしてもよい。
例えば、前記イオン照射対象物品に照射されるイオンに基づくイオン電流の空間分布を計測するイオン電流分布計測装置及び該イオン電流分布計測装置により計測されるイオン電流分布に基づいて、イオン電流分布を該物品のイオン照射対象部分全体に対し均一化するように前記フィラメント電源出力を制御する制御装置を備えていてもよい。
また、例えば、前記電子源から放出させた電子の前記真空チャンバ内導入ガスへの衝突により形成されるプラズマの空間分布を計測するプラズマ分布計測装置及び該プラズマ分布計測装置により計測されるプラズマ分布に基づいて、プラズマ分布を該物品のイオン照射対象部分全体に対し均一化するように前記フィラメント電源出力を制御する制御装置を備えていてもよい。
かかるプラズマ分布計測装置としては、例えば、前記各フィラメントが分担する放電電流をモニターすることでプラズマ分布を計測するものを挙げることができる。これは、通常プラズマの密度は放電電流とともに高くなり、放電電流をモニターすることで、実質上プラズマ密度をモニターできることに基づいている。このように放電電流をモニターする場合、プラズマ分布計測装置は、各フィラメントが分担する放電電流をモニターする放電電流計測器を含む。そして、フィラメント電源出力を制御する制御装置は、該放電電流計測器でモニターされる放電電流に基づいて各フイラメント電源出力を制御する。
また、いずれのイオン照射装置でも、前記フィラメントに通電するフィラメント電源は、特に直流電源の場合は、該フィラメントに印加する電圧極性を定期的に反転させる電源としてもよい。それにより、フィラメントのいずれか片側端部がスパッタリング等により集中的に消耗することを抑制でき、ひいてはそれだけ装置寿命を長引かせることができる。
以上説明したように本発明によると、真空チャンバ内において、フィラメント電源からの通電による抵抗加熱により熱電子を放出するフィラメントを用いた電子源から放出させた電子を真空チャンバ内導入ガスに衝突させてプラズマを生成し、該プラズマ中のイオンをイオン照射対象物品に照射するイオン照射装置であって、イオン照射対象物品のイオン照射対象部分に全体的に均一に、また、徒に長時間を要することなくイオン照射処理を施せる、寿命の長いイオン照射装置を提供することができる。
以下本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
以下の説明においても、「磁場が打ち消しあう」には、磁場が完全に打ち消しあう場合は勿論のこと、完全ではないが、磁場が打ち消しあっているとみて差し支えない場合も含まれる。
図1(A)は本発明に係るイオン照射装置の1例を示している。図1(A)のイオン照射装置Aは、図11(A)に示すイオン照射装置において、フィラメント2に代え、3本のフィラメント2a、2a’、2a”を採用したものである。これら3本のフィラメントは上下方向3段に不連続に並列配置されており、各フィラメントはイオン照射対象物品Wの上下長手方向に対し水平方向に配置された端子台21a、22a間に張設されている。各フィラメントとイオン照射対象物品Wとの位置関係は平面からみると、図1(B)に示すようになっている。
各フィラメントには、それぞれのフィラメントに対して設けた直流フィラメント電源PWaから通電されるようになっており、これらフィラメント等が電子源20Aを構成している。
上段のフィラメント2aは、図1(C)にも示すように、その途中に、互いに接近して平行に上下方向に延びる部分a1、a1を含むように屈曲配置されている。下段のフィラメント2a”はフィラメント2aと上下対称に屈曲配置されている。中段のフィラメント2a’は、図1(D)にも示すように、その途中に、互いに接近して平行となる上下方向に延びる部分a1’、a1’及びa2’、a2’を含むように屈曲配置されている。中間の部分a1’、a2’は上下に一直線となっている。各フィラメントは互いに平行となる上下方向に延びる部分を有する屈曲部分が物品Wに対向している。
上記以外の点は図11(A)に示すイオン照射装置と実質上同構成であり、図11(A)の装置におけるものと実質上同じ部品、部分等には該装置と同じ参照符号を付してある。
このイオン照射装置Aによると、真空チャンバ1内を所定圧へ減圧維持しつつガス導入ポート12からガス(例えばアルゴンガス)を導入するとともに、各電源PWaからフィラメント2a、2a’、2a”のそれぞれに電流を流し、これにより各フィラメントを抵抗加熱して熱電子を放出させる一方、チャンバ1に各フィラメントより高電位になるように放電用電源PW2から電圧を印加し、これによりフィラメント2a、2a’、2a”からそれぞれ熱電子を引き出し、直流放電を発生させるとともに該熱電子を導入ガスに衝突させてプラズマを発生させ、該プラズマ中のイオンをバイアス電源PW3から負のバイアス電圧を印加した物品Wへ照射して、物品Wの表面をクリーニングしたり、適度に荒らしたり、物品の表面温度を上昇させる等の処理を実施できる。
イオン照射装置Aによると、電子源20Aにおけるフィラメント2a、2a’、2a”は、電子源20Aの全体にわたり不連続に複数段に分散並列配置されているから、それだけ電子源20Aの全体又はほぼ全体から均一状に電子を放出させることができ、しかも、電子源20Aは物品Wのイオン照射対象部分の全体に臨むように設けられている。従って、該電子源から放出させた電子を真空チャンバ内導入ガスに衝突させてプラズマを形成するとき、該プラズマは物品Wのイオン照射対象部分の全体に均一状に臨むように生成し、かくして、該プラズマからイオン照射対象部分に全体的に均一にイオンを照射することができる。
また、複数段に並列配置された複数本のフィラメント2a、2a’、2a”の一本一本は、従来のように物品のイオン照射対象部分に全体的に臨むように連続的に長く張設される一本のフィラメントと比べると短くすることができ、それだけ個々のフィラメントに対する、抵抗加熱による熱電子放出のための(換言すれば、フィラメント動作温度を得るための)印加電圧は低く済み、それだけフィラメントの蒸発や、プラズマからのスパッタリング等によるフィラメントの消耗を抑制して、イオン照射装置Aを長寿命化できる。
さらに、電子源20Aにおける各フィラメントは、既述のとおり相互に接近して平行な部分、すなわち、フィラメント2a、2a”ではa1とa1、フィラメン2a’ではa1’とa1’、a2’とa2’を含むように屈曲配置されている。従って、フィラメント電源PWaから直流電流を流すと、該相互に平行な部分のうち一方に流れる電流と他方に流れる電流とは互いに逆向きの流れとなり、それにより、それら部分に電流の流れにより形成される磁場は互いに打ち消しあい、それら部分から生じる熱電子は磁場にトラップされることが抑制される状態で十分に引き出される。かくして、各フィラメントに印加する電圧をフィラメント消耗を抑制するように低くしても、照射イオンを得るためのプラズマを高密度に形成することができ、ひいては、徒に長時間を要することなく、所定のイオン照射量で効率よく物品Wにイオン照射処理を施せる。
イオン照射装置Aを用いて、ステンレススチール製の直径150mm、長さ600mmの円柱形の物品Wを毎分3回転させつつ、該物品表面をエッチングによりクリーニング処理する実験を行った。このときのエッチング量の物品上の位置依存性を図2に黒丸(●)ドットを結ぶラインで示す。
なお、この実験においては、フィラメント2a、2a”の屈曲部分も含めた全長は200mm、部分a1の長さh1は77mm、部分a1間の長さwは6mmであり、該屈曲部分の総長は160mm(2×h1+w)である。
フィラメント2a’も屈曲部分も含めた全長は200mmであり、部分a1’、a2’の各長さh2は37mm、部分a1’間、a2’間の各長さwは6mm、該屈曲部分の総長は160mm(4×h2+2×w)である。
フィラメントの直径は1.0mmである。
また、
アルゴンガス導入量:100sccm、
イオン照射におけるチャンバ内圧力:0.7Pa、
各フィラメント電圧及び電流:電圧10V,電流52A、
放電電圧及び電流:電圧60V,電流31A、
物品Wへのバイアス電圧及び電流:電圧−500V,電流9A、
処理時間:60分とした。
図2から、物品Wの全体にわたり、ほぼ均一(均一性<10%)なエッチングができていることがわかる。
ここで注目すべきことは、各フィラメントについてのフィラメント電圧/電流が小さいということである。つまりフィラメント電圧/電流が小さくても、フィラメントから効率的に熱電子を引き出すことができ、短時間で均一性の高いエッチングができていることになる。各フィラメントから効率的に熱電子を引き出すことができるのは、熱電子をトラップする磁場が弱くなったからである。つまり、フィラメントに互いに接近した平行な部分を含ませ、その部分に互いに逆向けに電流を流すことによって、それらの電流によって誘起される磁場を互いに打ち消させることができ、その結果、各フィラメントから引き出される熱電子はトラップされにくくなり、よりたくさんの熱電子がプラズマ生成に寄与することが可能となる。したがってフィラメント電圧/電流を小さくしても、十分密度の高いプラズマを生成することができるのである。
フィラメント2a、2a’、2a”のそれぞれにおける接近した互いに平行な部分から引き出される熱電子の量はそうでない部分から引き出される熱電子の量の約2〜5倍にもなることを確認できた。
また、フィラメント電流/電圧が小さく済むということはフィラメント動作温度が低いということであるから、プラズマからのスパッタリングを受けた場合、スパッタ率は低下し、従ってフィラメントの消耗はかなり抑制されることになる。フィラメント自身の蒸発量も少なくなる。
また、図11(A)の装置におけるフィラメントに比べると、フィラメント2a、2a’、2a”のそれぞれの長さは短いので、フィラメントに印加される電圧も小さく済み、放電電源PW2の電圧を適切な電圧にすることによって、フィラメントとチャンバ1との間の電位差が極端に大きくなったり、小さくなったりすることなく、十分な量の熱電子を引き出すことができ、さらにプラズマからのスパッタリングも受けにくくなる。前記の実験条件で、但し処理時間に制限を設けずに装置Aを運転したところ、フィラメントの寿命は100時間程度と長寿命であった。
図3は本発明に係るイオン照射装置の他の例を示している。このイオン照射装置Bは、図1(A)の装置Aにおいて、各フィラメントにおける互いに平行な部分を含む屈曲部分をフィラメントの負極性側端部寄りに位置させたものである。これらフィラメント等は電子源20Bを構成している。それ以外の点は装置Aと実質上同構成であり、装置Aと実質上同じ部品、部分等には装置Aと同じ参照符号を付してある。
何らかの都合で、例えば各部品の配置上、フィラメント支持端子台の間隔を大きくしなければならないというような場合がある。その場合、フィラメント長さはある程度長くならざるを得なくなる。その場合でも各フィラメントは平行部を含むように屈曲配置すればよいが、その場合は、図3のイオン照射装置Bで例示されるように、各フィラメントの負極性側に平行部を近づけるようにすればよい。こうすることで、各フィラメントの平行部にはイオン照射装置Aの場合と同等の放電電圧が印加され、効率的に熱電子を引き出すことができ、装置Aの場合と同等の効果が得られる。なお、フィラメントの平行部でない部分(図3では物品Wより左方へ延びた水平直線部分)には低い放電電圧が印加されるので、この部分からの熱電子の引き出しは困難になるが、かかる屈曲部分でない水平直線部分については、もともと平行部に比べて引き出される熱電子の量は1/5〜1/2程度と少ないから、かかる部分から引き出される電子によるプラズマ生成は期待していない。
図4は本発明に係るイオン照射装置のさらに他の例を示している。このイオン照射装置Cは、図1(A)の装置Aにおいて、フィラメント2a、2a’、2a”に代えて、フィラメント2c、2c’、2c、2c’を採用したものである。これら4本のフィラメントは上下方向4段に並列配置されており、各フィラメントはイオン照射対象物品Wの上下長手方向に対し水平方向に配置された端子台21c、22c間に張設されている。各フィラメントには、それぞれのフィラメントに対して設けた直流フィラメント電源PWcから通電されるようになっおり、これらフィラメント等が電子源20Cを構成している。
上側の互いに隣り合うフィラメント2c、2c’、下側の互いに隣り合うフィラメント2c、2c’はいずれも、互いに接近する相互に平行な部分c1、c1’を含むように屈曲配置されている。互いに接近する相互に平行な部分c1、c1’からなる各組が物品Wに対向している。
上側の互いに隣り合うフィラメント2c、2c’にはそれらに接続された電源PWcから互いに逆向きに電流がながされよにうなっており、同様に、下側の互いに隣り合うフィラメント2c、2c’についても、それらに接続された電源PWcから互いに逆向きに電流がながされよにうなっている。
上記以外の点は図1(A)に示すイオン照射装置Aと実質上同構成であり、図1(A)の装置Aと実質上同じ部品、部分等には装置Aと同じ参照符号を付してある。
このイオン照射装置Cによると、上側及び下側それぞれの互いに隣り合うフィラメント2c、2c’における互いに接近した平行部分c1とc1’に互いに逆向きの電流が流されるので、フィラメント電流によって誘起される磁場は互いに打ち消しあい、従って、イオン照射装置Aの場合と同様にフィラメントから引き出される熱電子は磁場にトラップされにくくなり、フィラメント動作温度を得るためにフィラメントに印加する電圧を低くしても、効率的なプラズマ生成を行うことができる。また、フィラメント印加電圧を低くできることで、フィラメント、ひいては装置Cを長寿命にできる。さらに、装置Aと同様、物品Wのイオン照射対象部分の全体にわたり均一にイオン照射できる。
なお、図4の装置Cの場合、各隣り合うフィラメント2c、2c’は、それぞれ直線に張設して互いに接近させることで、それらに互いに反対向きに流される電流により誘起される磁場が互いに打ち消しあうようにしてもよい。
図5は本発明に係るイオン照射装置のさらに他の例を示している。このイオン照射装置Dは、装置Cにおいて、互いに隣り合うフィラメント2c、2c’において互いに接近する平行な部分c1、c1’をそれぞれフィラメントの負極性側の端部寄りに位置させたものである。それ以外の点は装置Cと実質上同構成であり、装置Cと実質上同じ部品、部分等には装置Cと同じ参照符号を付してある。
イオン照射装置Dにおいても、各フィラメントの、それに隣り合うフィラメントに接近して平行な部分にはイオン照射装置Cの場合と同等の放電電圧が印加され、効率的に熱電子を引き出すことができ、装置Cの場合と同等の効果が得られる。
図6は本発明に係るイオン照射装置のさらに他の例を示している。このイオン照射装置Eは、図1(A)のイオン照射装置Aにおいて、フィラメント2a、2a’、2a”の前方にこれらフィラメントに対し共通の熱電子放出部材或いは2次電子放出部材4を配置し、該部材4も電子源20Eの構成部材としたものである。部材4はイオン照射対象物品Wのイオン照射対象部分に全体的に臨んでいる。部材4には、衝撃電源PW4から各フィラメントに対し高電位になるように電圧が印加され、チャンバ1には、放電電源PW2’から部材4に対し高電位になるように放電電圧が印加される。それ以外の点は装置Aと実質上同構成であり、装置Aにおける部品、部分等と実質上同じ部品、部分等には装置Aと同じ参照符号を付してある。但し、ガス排気ポートやガス導入ポート等の図示は省略している。
このイオン照射装置Eでは、各フィラメントにフィラメント電源PWaから電圧を印加して熱電子を放出させる一方、部材4に衝撃電源PW4からフィラメントに対して高電位となるように電圧を印加することでフィラメントから生じた熱電子を部材4に衝突させ、部材4から熱電子(或いは2次電子、又は熱電子と2次電子の両方)を放出させることができる。さらに、部材4に対して高電位となるように放電電源PW2’からチャンバ1に電圧を印加することで、部材4から放出された電子を加速してチャンバ内導入ガスに衝突させて直流放電させ、プラズマを生成させることができる。さらに、該プラズマ中のイオンをバイアス電源PW3から物品Wに負のバイアス電圧を印加して該物品に照射することができる。
電子源20Eは物品Wのイオン照射対象部分の全体に臨んでおり、該電子源における熱電子放出部材(或いは2次電子放出部材)4やフィラメント2a、2a’、2a”は電子源の全体にわたって設けられているので、物品Wのイオン照射対象部分の全体にわたり均一に、効率的にイオン照射できる。また、フィラメント寿命は装置Aの場合と同様に長く、ひいてはイオン照射装置Eの寿命も長い。
なお、熱電子放出部材としては金属、金属酸化物、セラミック材料からなる部材を、2次電子放出部材についても、金属、金属酸化物、セラミック材料からなる部材を例示できる。
図7は本発明にかかるイオン照射装置のさらに他の例を示している。このイオン照射装置Fは、図1(A)のイオン照射装置Aにおいて、フィラメント2a、2a’、2a”の前方にこれらフィラメントに対し共通の予備プラズマ室5を設け、これも電子源20Fの構成要素としたものである。
予備プラズマ室4にはガス導入ポート51からガス(例えばアルゴンガス等の不活性ガス)が導入される。予備プラズマ室5の電子引出し開口52はイオン照射対象物品Wのイオン照射対象部分に全体的に臨んでいる。予備プラズマ室5には、予備放電電源PW5から各フィラメントに対し高電位になるように電圧が印加され、チャンバ1には、放電電源PW2”から予備プラズマ室5に対し高電位になるように放電電圧が印加される。それ以外の点は装置Aと実質上同構成であり、装置Aにおける部品、部分等と実質上同じ部品、部分等には装置Aと同じ参照符号を付してある。但し、チャンバ1のガス排気ポートやガス導入ポート等の図示は省略している。
このイオン照射装置Fでは、各フィラメントにフィラメント電源PWaから電圧を印加して熱電子を放出させる一方、予備プラズマ室5内にガス導入ポート51からガスを導入するとともに電源PW5からフィラメントに対して高電位となるように電圧を印加することでフィラメントから生じた熱電子を導入ガスに衝突させ、予備プラズマを形成することができる。
さらに、予備プラズマ室5に対して高電位となるように放電電源PW2”からチャンバ1に電圧を印加することで、室5内に生成した予備プラズマ中の電子を引出し、加速してチャンバ内導入ガスに衝突させて直流放電させ、プラズマを生成させることができる。さらに、該プラズマ中のイオンをバイアス電源PW3から物品Wに負のバイアス電圧を印加して該物品に照射することができる。
電子源20Fはその予備プラズマ室5の開口52が物品Wのイオン照射対象部分の全体に臨んでおり、該電子源における予備プラズマ室5やフィラメント2a、2a’、2a”は電子源の全体にわたって設けられているので、物品Wのイオン照射対象部分の全体にわたり均一に、効率的にイオン照射できる。また、フィラメント寿命は装置Aの場合と同様に長く、ひいてはイオン照射装置Fの寿命も長い。
このイオン照射装置Fでは、予備プラズマ室5に導入するガスとチャンバ1に導入するガスを別のものとすることが可能である。例えば、物品Wに酸素イオンを照射したい場合は、チャンバ1に酸素ガスを導入すればよいが、この酸素ガスがフィラメント周囲雰囲気を形成するとフィラメントが酸化してその寿命が極端に短くなる。しかし、この装置Fでは、予備プラズマ室5にアルゴンガスなどの不活性ガスを導入すれば、チャンバ1からの酸素ガスの混入はある程度防止することができるので、それだけフィラメントの、ひいては装置Fの長寿命化が可能となる。そしてガス流量比などを調節すれば、最終的にはチャンバ1内では酸素ガスプラズマが主に生成するようにできるので、物品Wには主として酸素イオンを照射することができる。
図8は本発明にかかるイオン照射装置のさらに他の例を示している。このイオン照射装置Gは、図3のイオン照射装置Bにおいて、フィラメント2a、2a’、2a”の背後且つチャンバ壁外側に磁場形成用のマグネット(永久磁石)6を4段に設け、これらも電子源20Gの構成要素としたものである。
これらマグネットはフィラメント2a、2a’、2a”のそれぞれにおける水平直線部分に、そこに流れる電流により形成される磁場を打ち消す、或いは弱める磁場を提供するように設けられている。
これ以外の点は装置Bと実質上同構成であり、装置Bにおける部品、部分等と実質上同じ部品、部分等には装置Bと同じ参照符号を付してある。但し、各フィラメントは簡略化して図示してあり、電源等の図示は省略している。
この装置Gでは、各フィラメントの水平直線部分からも十分な熱電子を引き出すことができ、それによりプラズマ密度を一層高くすることができ、物品Wへ均一に、より多量のイオン照射量でイオン照射でき、それだけイオン処理時間を短くすることができる。
マグネット6は永久磁石でなくてもよく、磁場形成コイル等からなるものでもよい。コイルを採用する場合、電源なども必要になるのでそれだけ大がかりでコスト高となるが、磁場強度をある程度自由に変えることができるので、より適切な磁場強度を実現することが可能であるし、フィラメントに流す電流が交流の場合はコイル電流を反転させて磁場の向きを反転させることによって効率的にフィラメントの直線部分によって誘起される磁場を打ち消す、或いは弱めることができる。
なお、かかる磁場形成手段は、イオン照射装置A〜Fや次に説明するイオン照射装置H、Jにも適用できる。また、イオン照射装置A〜Gや次に説明するイオン照射装置H、Jではフィラメント電源として直流電源を採用しているがこれに代えて交番電源を採用してもよい。
図9は本発明に係るイオン照射装置のさらに他の例を示している。このイオン照射装置Hは、図3のイオン照射装置Bにおいて、物品Wの近傍にイオン電流分布計測器7を設け、計測器7で計測されたイオン電流分布情報に基づいて制御部8が出力可変の各フィラメント電源PWa’の出力を制御し、物品Wへのイオン照射を一層均一化できるようにしたものである。
これ以外の点は装置Bと実質上同じである。装置Bにおける部品、部分等と実質上同じ部品、部分等には装置Bと同じ参照符号を付してある。
この装置Hにおけるイオン電流分布計測器7は物品Wに照射されるイオンに基づくイオン電流の量、換言すればイオン電流密度の空間分布を計測するものである。この計測器7は一時的に、つまり計測時のみ物品Wの前に移動させてもよいし、図示例のように常時物品Wの近傍に配置しておいてもよい。図示例の配置の場合は、実際に物品Wに照射されるイオンに基づくイオン電流量或いはイオン電流密度とは少し違った値が計測される場合があり得るが、そのような場合には、予め実際の値と計測値との相関関係を求めておき、制御部8において計測後に実際の値に換算すればよい。
制御部8についてもう少し詳しく説明すると、イオン電流分布計測器7によって計測されるイオン電流量或いはイオン電流密度の空間分布情報は制御部8に伝送され、制御部8において該情報に基づき均一性の算出等のデーター処理が行われる。そこで均一性の条件に合わない場合は、図示例ではフィラメント電源PWa’の制御を行い、均一性が条件に合うように、該フィラメント電源からフィラメントに流れる電流を調整する。
具体例を挙げると、例えば上下のフィラメント2a、2a”に対応する領域に比べてその間の中央部領域でのイオン電流量或いはイオン電流密度が大きい場合は、真ん中のフィラメント電源PWa’の制御を行い、真ん中のフィラメント2a’の電流を下げ、それからの熱電子放出量を少なくし、中央領域のプラズマ密度を小さくし、それにより全体に均一性のよいイオン照射を行えるようにする。
イオン電流分布計測器7はファラデーカップ型のものであれば、より正確なイオン電流密度を計測することができるが、これに限る必要はなく、単なるイオンコレクターのようなものでもよい。後者の場合は正確なイオン電流密度を算出することは困難であるが、相対的なイオン電流分布を算出することは可能であり、それでも十分実用に供し得る場合がある。
さらにイオン電流分布計測器7に代えて、プラズマ分布計測器のようなものでも代用ができる。例えばプラズマからの発光を分光器などで検出し、その検出情報からプラズマ密度の空間分布を求めるものを採用できる。この場合、そのように求められるプラズマ密度の空間分布と、実際のイオン電流分布との相関関係を予め算出しておき、計測値を実際の値に換算し、それに基づいて制御するようにすればよい。
図11(A)に示したような、フィラメントを連続的に長い範囲に配置するような例では、このような制御をすることは不可能である。しかし、本発明に係る装置ではフィラメントを不連続に複数段に分散並列配置しているのでかかる制御が可能である。
なお、かかる計測器や制御部は、既述のイオン照射装置A〜Gにも適用できる。
また、通常プラズマの密度は放電電流とともに高くなるので、各フィラメントが分担する放電電流をモニターすることでも、プラズマの空間分布を知ることができる。図10は、図9の装置Hにおいて、イオン電流分布計測器7に代えて、フィラメント2a、2a’、2a”のそれぞれが分担する放電電流を計測する放電電流計測器AM1、AM2、AM3を設けたイオン照射装置Jを示している。
装置Jにおいては、計測器AM1、AM2、AM3で検出される放電電流が制御部9に入力される。制御部9には、物品Wに全体的に均一にイオン照射するために個々のフィラメントが分担すべき放電電流(予め実験等により求めたもの)が設定されている。制御部9は、各計測器からの電流情報とその設定電流とを比較し、該電流情報が設定電流になるように、各フィラメント電源PWa’の出力を制御する。
制御部9における、各フィラメントに対応する放電電流設定値は、各フィラメントについて同じであってもよいが、例えば、装置構成等によりプラズマが生じ難い領域があるような場合は、その領域に対する放電電流が大きくなるように、フィラメントごとに設定値が異なってもよい。
ここでフィラメントについてさらに説明しておく。
フィラメント途中の接近した平行又は略平行な部分の間隔、或いは互いに隣り合うフィラメントにおいて接近した平行又は略平行な部分の間隔は、短ければ短いほど、その部分に発生する磁場の相互打ち消しあいのためにはよいが、実際にはあまり短すぎると、フィラメントの熱膨張などが原因で短絡してしまうことがある。
また逆に、該間隔が広すぎると、磁場の相殺が起きにくくなり、熱電子がトラップされてしまう。フィラメントの直径や長さ、流す電流の大きさ、そして使用環境条件等によっても変わってくるが、例えば直径0.8mm〜1.5mm程度のフィラメントであれば、平行部或いは概ね平行な部分の間隔は、必ずしもそれに限定されるわけではないが、概ね3mm〜50mm程度が好ましく、より好ましくは6mm〜30mm程度である。該間隔が3mmより小さくなってくると、ショートしやすくなり、50mmより大きくなってくると、磁場の相殺が困難になってくる。
ここで「平行部或いは概ね平行な部分の間隔が、例えば6mm〜30mm」とは、長さ50mm程度にわたって間隔が6mm〜30mm程度の範囲におさまることを言うが、要はそれらの部分に流す電流によって形成される磁場が実質上互いに打ち消されるように、平行又は略平行な状態であればよい。
さらに、平行部或いは概ね平行な部分は、1本のフィラメントに2ケ所以上あってもよいし、それらの配置も基本的には自由である。2本以上のフィラメントを近接させる場合も、それらの平行な部分或いは概ね平行な部分は2ケ所以上あってもよいし、それらの配置も基本的には自由である。フィラメントに流す電流は直流電流に限らず、交流電流でもよいしパルス電流などでもよい。交流電流やパルス電流などを流す場合は、直流電流の場合と同様に、接近した平行な部分或いは近接した概ね平行な部分に互いに逆向きに電流が流れるようにすればよい。
例えば図1(A)のイオン照射装置A等では、フィラメント電源として定期的に極性が反転する直流電源を採用してもよく、そうすることで、さらにフィラメントの寿命が延びる。一般に、フィラメントの負極性側の方が正極性側に比べて実質的な放電電圧が高くなるのでプラズマからのスパッタリングを受けやすく、したがって消耗が激しいので、フィラメントが切れるのは必ずと言っていいほど負極性側の端子台に近い部分となる。よって定期的にフィラメント電源の極性を入れ替えれば、消耗を分散させることができ、フィラメント寿命は延びるのである。
実際、図1(A)に示す装置Aで、既述のようにフィラメント寿命が100時間程度となった条件下の運転で、しかし、直流フィラメント電源の極性を20時間ごとに入れ替えると(反転させると)、フィラメント寿命は130時間程度に延びた。極性入れ替え周期は10時間ごとや30時間ごとのように、特に時間の制限はないが、元々の寿命である既述の100時間程度に近い時間、例えば90時間で入れ替えを行うと、寿命は110時間程度となるので、50時間以下が望ましいが、それには限定されない。
放電電源については、一台とは限らず、必要に応じて複数台採用してもよい。またフィラメント電源については個々のフィラメントに対してそれぞれ一台であってもよいが、一台のフィラメント電源によって複数のフィラメントに電流を流してもよい。
また、図1から図10に示す各イオン照射装置においては、放電電源の負側はフィラメント電源の正側(或いは負側)に接続されているが、放電電源の負側はフィラメント電源の正側、負側のいずれに接続されてもよい。但し、放電電源の負側をフィラメント電源の正側に接続する場合は、フィラメント負側の放電電圧が高くなりすぎないように放電電源の電圧を調整するとよい。
フィラメントの材質はタングステンが一般的であるが、他のものでもよい。
イオン照射装置A〜Hを含め本発明に係るイオン照射装置によるイオン照射は、既述のとおり、物品表面のクリーニング、物品表面を適度に荒らす、物品表面温度を上昇させる等に利用できるが次のようにも利用できる。
すなわち、例えば成膜プロセスにおいては、成膜中に使用することもできる。成膜中に物品へイオン照射することによって、膜質のコントロールをすることが可能であるし、或いは、生成したプラズマによって膜の成分として寄与する原子、分子、クラスターなどを励起、イオン化するなどして、これらを活性化することによって、膜質をコントロールすることも可能である。
また、物品の温度を上げすぎないようにする等々のために、定常運転ではなく、パルス運転などの非定常運転をすることも可能である。例えば放電電源を入り切りすることによってプラズマを生成させたり消滅させたりし、それによって非定常運転を行うことができるし、フィラメントの電源を入り切りすることによっても、非定常運転が可能である。バイアス電源を入り切りすることによってもできる。
なお、バイアス電源の極性を負極性から正極性に変更することで、物品に電子を照射することもできる。高速両極性パルス運転と組み合わせれば、物品が絶縁物の場合において、イオン照射によるチャージアップを抑制して、効率的にイオン照射をすることができる。
本発明は、例えば機械部品、工具、自動車部品などの物品への膜形成、イオン注入、表面改質などの処理の一環として、物品にイオン照射することで物品の表面をクリーニングしたり、物品の表面を適度に荒らしたり、或いは物品の表面温度を上昇させる等に利用できる。
図1(A)は本発明に係るイオン照射装置の1例を示す図であり、図1(B)は該装置における電子源のフィラメントとイオン照射対象物品との配置関係を上方から見た様子を示す図である。図1(C)は電子源における上段フィラメントを示す図であり、図1(D)は中段フィラメントを示す図である。 図1(A)のイオン照射装置、図10(A)の従来例イオン照射装置のそれぞれによる物品のエッチング実験におけるエッチング量位置依存性を示す図である。 本発明に係るイオン照射装置の他の例を示す図である。 本発明に係るイオン照射装置のさらに他の例を示す図である。 本発明に係るイオン照射装置のさらに他の例を示す図である。 本発明に係るイオン照射装置のさらに他の例を示す図である。 本発明に係るイオン照射装置のさらに他の例を示す図である。 本発明に係るイオン照射装置のさらに他の例を示す図である。 本発明に係るイオン照射装置のさらに他の例を示す図である。 本発明に係るイオン照射装置のさらに他の例を示す図である。 図11(A)はイオン照射装置の従来例を示す図であり、図11(B)は該装置におけるフィラメントとイオン照射対象物品との位置関係を図11(A)の右方から見て示す図である。 図11(A)の装置の、考えられる改良例装置を示す図である。
符号の説明
A、B、C、D、E、F、G、H、J イオン照射装置
1 真空チャンバ
11 排気ポート
12 ガス導入ポート
3 物品ホルダ
W イオン照射対象物品
20A、20B 電子源
2a、2a’、2a” フィラメント
21a、22a 端子台
a1とa1、a1’とa1’、a2’とa2’ 平行部分
PWa フィラメント電源
PW2 放電電源
PW3 バイアス電源
20C、20D 電子源
2c、2c’ フィラメント
21c、22c 端子台
c1とc1’ 平行部分
PWc フィラメント電源
20E 電子源
4 電子放出部材(又は2次電子放出部材)
PW4 衝撃電源
PW2’ 放電電源
20F 電子源
5 予備プラズマ室
51 ガス導入ポート
52 電子引出し開口
PW5 予備プラズマ室用電源
PW2” 放電電源
20G 電子源
6 マグネット
20H 電子源
PWa’ 出力可変フィラメント電源
7 イオン電流分布計測器
8 制御部
2、2’ フィラメント
21、21’、22、22’端子台
PW1、PW1’フィラメント電源 AM1、AM2、AM3 放電電流計測器
9 制御部

Claims (17)

  1. 真空チャンバ内において、フィラメント電源からの通電による抵抗加熱により熱電子を放出するフィラメントを用いた電子源から放出させた電子を真空チャンバ内導入ガスに衝突させてプラズマを生成し、該プラズマ中のイオンをイオン照射対象物品に照射するイオン照射装置であり、該電子源は該物品のイオン照射対象部分の全体に臨むように設けられており、該電子源における前記フィラメントは、該電子源の全体にわたり不連続に複数段に分散並列配置され、該複数段のフィラメントのうち少なくとも1段のフィラメントは、互いに逆向きの電流が流れるように相互に平行又は略平行に対向する対向部分を少なくとも一つ含むように屈曲配置されており、該相互に平行又は略平行な対向部分は、該対向部分に互いに逆向きに流される電流に誘起されて発生する磁場が打ち消しあうように接近していることを特徴とするイオン照射装置。
  2. 前記の互いに接近する相互に平行又は略平行な対向部分を含むように屈曲配置されたフィラメントに通電するフィラメント電源は直流電源である請求項1記載のイオン照射装置。
  3. 前記の互いに接近する相互に平行又は略平行な対向部分を含むように屈曲配置されたフィラメントにおける該相互に平行又は略平行な対向部分は該フィラメントの負極性側端部寄りに位置している請求項2記載のイオン照射装置。
  4. 前記の互いに接近する相互に平行又は略平行な対向部分を含むように屈曲配置されたフィラメントに通電するフィラメント電源は、極性が周期的に反転する交番電流を流す交番電源である請求項1記載のイオン照射装置。
  5. 真空チャンバー内において、フィラメント電源からの通電による抵抗加熱により熱電子を放出するフィラメントを用いた電子源から放出させた電子を真空チャンバ内導入ガスに衝突させてプラズマを生成し、該プラズマ中のイオンをイオン照射対象物品に照射するイオン照射装置であり、該電子源は該物品のイオン照射対象部分の全体に臨むように設けられており、該電子源における前記フィラメントは、該電子源の全体にわたり不連続に複数段に分散並列配置され、該複数段のフィラメントのうち少なくとも一組の互いに隣り合うフィラメントには、互いに逆向きの電流が流される、相互に平行又は略平行な対向部分が少なくとも一つ含まれており、該相互に平行又は略平行な対向部分は、該対向部分に互いに逆向きに流される電流に誘起されて発生する磁場が打ち消しあうように接近していることを特徴とするイオン照射装置。
  6. 前記互いに接近する相互に平行又は略平行な対向部分を含む、前記組をなす互いに隣り合うフィラメントに通電するフィラメント電源は、該互いに接近する相互に平行又は略平行な対向部分に互いに逆向きの電流を流す直流電源である請求項5記載のイオン照射装置。
  7. 前記組をなす互いに隣り合うフィラメントにおける前記互いに接近する相互に平行又は略平行な対向部分はそれらフィラメントの負極性側端部寄りに位置している請求項6記載のイオン照射装置。
  8. 前記互いに接近する相互に平行又は略平行な対向部分を含む、前記組をなす互いに隣り合うフィラメントに通電するフィラメント電源は、該互いに接近する相互に平行又は略平行な対向部分に互いに逆向きの電流が流れるように交番電流を流す交番電源である請求項5記載のイオン照射装置。
  9. 前記互いに接近する相互に平行又は略平行な対向部分を含む前記組をなす互いに隣り合うフィラメントは、該互いに接近する相互に平行又は略平行な対向部分を提供するように、少なくとも一方が屈曲配置されている請求項5から8のいずれかに記載のイオン照射装置。
  10. 前記電子源は、前記真空チャンバ内導入ガスに衝突させて前記プラズマを生成するために該電子源から放出させる電子として、前記フィラメントへの通電による抵抗加熱により該フィラメントから放出される熱電子を用いる請求項1から9のいずれかに記載のイオン照射装置。
  11. 前記電子源は、前記フィラメントへの通電による抵抗加熱により該フィラメントから放出される熱電子の衝突により熱電子を放出する熱電子放出部材及び前記フィラメントへの通電による抵抗加熱により該フィラメントから放出される熱電子の衝突により2次電子を放出する2次電子放出部材のうち少なくとも一方を含んでおり、前記真空チャンバ内導入ガスに衝突させて前記プラズマを生成するために該電子源から放出させる電子として、該熱電子放出部材及び(又は)2次電子放出部材から放出される電子を用いる請求項1から9のいずれかに記載のイオン照射装置。
  12. 前記電子源は、予備プラズマ室を含んでおり、前記フィラメントへの通電による抵抗加熱により該フィラメントから放出される熱電子を該予備プラズマ室に導入されるガスに衝突させて予備プラズマを生成し、前記真空チャンバ内導入ガスに衝突させて前記プラズマを生成するために該電子源から放出させる電子として、該予備プラズマ室に生成するプラズマから放出される電子を用いる請求項1から9のいずれかに記載のイオン照射装置。
  13. 前記複数段のフィラメントのうち少なくとも1段のフィラメントに対し、該フィラメントに流れる電流により誘起される磁場の少なくとも一部を打ち消す磁場形成手段が設けられている請求項1から12のいずれかに記載のイオン照射装置。
  14. 前記フィラメントに通電するフィラメント電源は、該フィラメントに印加する電圧極性を定期的に反転させる電源である請求項1から13のいずれかに記載のイオン照射装置。
  15. 前記イオン照射対象物品に照射されるイオンに基づくイオン電流の空間分布を計測するイオン電流分布計測装置及び該イオン電流分布計測装置により計測されるイオン電流分布に基づいて、イオン電流分布を該物品のイオン照射対象部分全体に対し均一化するように前記フィラメント電源出力を制御する制御装置を備えている請求項1から14のいずれかに記載のイオン照射装置。
  16. 前記電子源から放出させた電子の前記真空チャンバ内導入ガスへの衝突により形成されるプラズマの空間分布を計測するプラズマ分布計測装置及び該プラズマ分布計測装置により計測されるプラズマ分布に基づいて、プラズマ分布を該物品のイオン照射対象部分全体に対し均一化するように前記フィラメント電源出力を制御する制御装置を備えている請求項1から14のいずれかに記載のイオン照射装置。
  17. 前記プラズマの空間分布を計測するプラズマ分布計測装置は、前記各フィラメントが分担する放電電流をモニターすることでプラズマ分布を計測するものであり、該各フィラメントが分担する放電電流をモニターする放電電流計測器を含んでおり、前記フィラメント電源出力を制御する制御装置は、該放電電流計測器でモニターされる放電電流に基づいて各フイラメント電源出力を制御する請求項16記載のイオン照射装置。
JP2004334036A 2004-11-18 2004-11-18 イオン照射装置 Expired - Fee Related JP4111186B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004334036A JP4111186B2 (ja) 2004-11-18 2004-11-18 イオン照射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004334036A JP4111186B2 (ja) 2004-11-18 2004-11-18 イオン照射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006147269A true JP2006147269A (ja) 2006-06-08
JP4111186B2 JP4111186B2 (ja) 2008-07-02

Family

ID=36626712

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004334036A Expired - Fee Related JP4111186B2 (ja) 2004-11-18 2004-11-18 イオン照射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4111186B2 (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009205971A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Nissin Electric Co Ltd イオン照射装置
JP2010123269A (ja) * 2008-11-17 2010-06-03 Shinmaywa Industries Ltd プラズマ状態変化検出装置およびこれを備えるプラズマ処理装置
JP2013187431A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Semiconductor Energy Lab Co Ltd ドーピング装置及びドーピング方法
CN107978506A (zh) * 2012-08-28 2018-05-01 先进能源工业公司 控制开关模式离子能量分布系统的方法
US10607813B2 (en) 2017-11-17 2020-03-31 Advanced Energy Industries, Inc. Synchronized pulsing of plasma processing source and substrate bias
US10707055B2 (en) 2017-11-17 2020-07-07 Advanced Energy Industries, Inc. Spatial and temporal control of ion bias voltage for plasma processing
US10811227B2 (en) 2017-11-17 2020-10-20 Advanced Energy Industries, Inc. Application of modulating supplies in a plasma processing system
US11011349B2 (en) 2009-05-01 2021-05-18 Aes Global Holdings, Pte. Ltd. System, method, and apparatus for controlling ion energy distribution in plasma processing systems
US11189454B2 (en) 2012-08-28 2021-11-30 Aes Global Holdings, Pte. Ltd. Systems and methods for monitoring faults, anomalies, and other characteristics of a switched mode ion energy distribution system
US11615941B2 (en) 2009-05-01 2023-03-28 Advanced Energy Industries, Inc. System, method, and apparatus for controlling ion energy distribution in plasma processing systems
US11670487B1 (en) 2022-01-26 2023-06-06 Advanced Energy Industries, Inc. Bias supply control and data processing
US11887812B2 (en) 2019-07-12 2024-01-30 Advanced Energy Industries, Inc. Bias supply with a single controlled switch
US11942309B2 (en) 2022-01-26 2024-03-26 Advanced Energy Industries, Inc. Bias supply with resonant switching
US11978613B2 (en) 2022-09-01 2024-05-07 Advanced Energy Industries, Inc. Transition control in a bias supply

Citations (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62219978A (ja) * 1986-03-20 1987-09-28 Nec Corp イオンレ−ザ装置
JPH03134937A (ja) * 1989-10-20 1991-06-07 Hitachi Ltd イオン源
JPH04102154U (ja) * 1991-02-08 1992-09-03 石川島播磨重工業株式会社 イオンビーム発生装置の陰極構造
JPH0589790A (ja) * 1991-09-30 1993-04-09 Nissin Electric Co Ltd フリーマンイオン源
JPH05174721A (ja) * 1991-12-25 1993-07-13 Rikagaku Kenkyusho プラズマ生成用陰極
JPH05325856A (ja) * 1992-05-27 1993-12-10 Nissin Electric Co Ltd イオン源
JPH065218A (ja) * 1992-06-22 1994-01-14 Nissin Electric Co Ltd イオン源装置
JPH065219A (ja) * 1992-06-22 1994-01-14 Nissin Electric Co Ltd イオン源装置
JPH0636191U (ja) * 1992-10-06 1994-05-13 日新電機株式会社 イオン源の熱フイラメント
JPH06295693A (ja) * 1993-04-08 1994-10-21 Nissin Electric Co Ltd イオン源装置
JPH0757674A (ja) * 1993-08-19 1995-03-03 Nissin Electric Co Ltd イオン源装置
JPH07169425A (ja) * 1993-12-15 1995-07-04 Nissin Electric Co Ltd イオン源
JPH0950756A (ja) * 1995-08-08 1997-02-18 Denki Kagaku Kogyo Kk 熱電子放射フィラメント及び熱陰極構造体
JP2000144426A (ja) * 1998-11-17 2000-05-26 Kawasaki Heavy Ind Ltd 高硬度高密着性dlc膜の成膜方法
JP2000336492A (ja) * 1999-05-26 2000-12-05 Kobe Steel Ltd ワークの清浄方法及びその装置
JP2001236897A (ja) * 2000-02-25 2001-08-31 Nissin Electric Co Ltd イオン源およびその運転方法

Patent Citations (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62219978A (ja) * 1986-03-20 1987-09-28 Nec Corp イオンレ−ザ装置
JPH03134937A (ja) * 1989-10-20 1991-06-07 Hitachi Ltd イオン源
JPH04102154U (ja) * 1991-02-08 1992-09-03 石川島播磨重工業株式会社 イオンビーム発生装置の陰極構造
JPH0589790A (ja) * 1991-09-30 1993-04-09 Nissin Electric Co Ltd フリーマンイオン源
JPH05174721A (ja) * 1991-12-25 1993-07-13 Rikagaku Kenkyusho プラズマ生成用陰極
JPH05325856A (ja) * 1992-05-27 1993-12-10 Nissin Electric Co Ltd イオン源
JPH065218A (ja) * 1992-06-22 1994-01-14 Nissin Electric Co Ltd イオン源装置
JPH065219A (ja) * 1992-06-22 1994-01-14 Nissin Electric Co Ltd イオン源装置
JPH0636191U (ja) * 1992-10-06 1994-05-13 日新電機株式会社 イオン源の熱フイラメント
JPH06295693A (ja) * 1993-04-08 1994-10-21 Nissin Electric Co Ltd イオン源装置
JPH0757674A (ja) * 1993-08-19 1995-03-03 Nissin Electric Co Ltd イオン源装置
JPH07169425A (ja) * 1993-12-15 1995-07-04 Nissin Electric Co Ltd イオン源
JPH0950756A (ja) * 1995-08-08 1997-02-18 Denki Kagaku Kogyo Kk 熱電子放射フィラメント及び熱陰極構造体
JP2000144426A (ja) * 1998-11-17 2000-05-26 Kawasaki Heavy Ind Ltd 高硬度高密着性dlc膜の成膜方法
JP2000336492A (ja) * 1999-05-26 2000-12-05 Kobe Steel Ltd ワークの清浄方法及びその装置
JP2001236897A (ja) * 2000-02-25 2001-08-31 Nissin Electric Co Ltd イオン源およびその運転方法

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009205971A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Nissin Electric Co Ltd イオン照射装置
JP2010123269A (ja) * 2008-11-17 2010-06-03 Shinmaywa Industries Ltd プラズマ状態変化検出装置およびこれを備えるプラズマ処理装置
US11011349B2 (en) 2009-05-01 2021-05-18 Aes Global Holdings, Pte. Ltd. System, method, and apparatus for controlling ion energy distribution in plasma processing systems
US11615941B2 (en) 2009-05-01 2023-03-28 Advanced Energy Industries, Inc. System, method, and apparatus for controlling ion energy distribution in plasma processing systems
JP2013187431A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Semiconductor Energy Lab Co Ltd ドーピング装置及びドーピング方法
US11189454B2 (en) 2012-08-28 2021-11-30 Aes Global Holdings, Pte. Ltd. Systems and methods for monitoring faults, anomalies, and other characteristics of a switched mode ion energy distribution system
JP2018152349A (ja) * 2012-08-28 2018-09-27 アドバンスト・エナジー・インダストリーズ・インコーポレイテッドAdvanced Energy Industries, Inc. 切り替えモードイオンエネルギー分布システムを制御する方法
CN107978506A (zh) * 2012-08-28 2018-05-01 先进能源工业公司 控制开关模式离子能量分布系统的方法
US10811228B2 (en) 2017-11-17 2020-10-20 Advanced Energy Industries, Inc. Control of plasma processing systems that include plasma modulating supplies
US10707055B2 (en) 2017-11-17 2020-07-07 Advanced Energy Industries, Inc. Spatial and temporal control of ion bias voltage for plasma processing
US10896807B2 (en) 2017-11-17 2021-01-19 Advanced Energy Industries, Inc. Synchronization between an excitation source and a substrate bias supply
US10607813B2 (en) 2017-11-17 2020-03-31 Advanced Energy Industries, Inc. Synchronized pulsing of plasma processing source and substrate bias
US10811229B2 (en) 2017-11-17 2020-10-20 Advanced Energy Industries, Inc. Synchronization with a bias supply in a plasma processing system
US10811227B2 (en) 2017-11-17 2020-10-20 Advanced Energy Industries, Inc. Application of modulating supplies in a plasma processing system
US11842884B2 (en) 2017-11-17 2023-12-12 Advanced Energy Industries, Inc. Spatial monitoring and control of plasma processing environments
US11887812B2 (en) 2019-07-12 2024-01-30 Advanced Energy Industries, Inc. Bias supply with a single controlled switch
US11670487B1 (en) 2022-01-26 2023-06-06 Advanced Energy Industries, Inc. Bias supply control and data processing
US11942309B2 (en) 2022-01-26 2024-03-26 Advanced Energy Industries, Inc. Bias supply with resonant switching
US11978613B2 (en) 2022-09-01 2024-05-07 Advanced Energy Industries, Inc. Transition control in a bias supply

Also Published As

Publication number Publication date
JP4111186B2 (ja) 2008-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4111186B2 (ja) イオン照射装置
JP4179337B2 (ja) イオン源およびその運転方法
JP6717990B2 (ja) イオン化装置およびそれを有する質量分析計
JP5689051B2 (ja) イオンボンバードメント装置
JP6220749B2 (ja) イオンガン及びイオンミリング装置、イオンミリング方法
JP2007073521A (ja) 荷電粒子ビーム照射デバイス及び荷電粒子ビーム照射デバイスを動作させるための方法
JPH09223598A (ja) 高速原子線源
JP2009205845A (ja) イオン源およびイオン注入装置
JP5649333B2 (ja) イオンボンバードメント装置及びこの装置を用いた基材表面のクリーニング方法
US20070256927A1 (en) Coating Apparatus for the Coating of a Substrate and also Method for Coating
JP2000054125A (ja) 表面処理方法および装置
JP4936276B2 (ja) 窒化処理装置
JP4401977B2 (ja) イオン源に用いるフィラメントの作製方法及びイオン源
WO2013035411A1 (ja) エミッタ、ガス電界電離イオン源、およびイオンビーム装置
JP2009205971A (ja) イオン照射装置
JP5116078B2 (ja) 対向ターゲットスパッタ装置及び対向ターゲットスパッタ方法
JP4977557B2 (ja) イオン源
JP2001239153A (ja) イオン発生装置及び成膜装置
JP2006022368A (ja) 表面処理装置および表面処理方法
JP6637285B2 (ja) 放電を発生させるための装置及び方法
JP5409470B2 (ja) ニュートラライザ及びこれを備えたイオンビーム装置
JP3930662B2 (ja) ワークの清浄方法及びその装置
JP2006161063A (ja) 表面処理装置及び光学素子成形用型
JP2018022701A (ja) イオンガン及びイオンミリング装置、イオンミリング方法
JP2006114241A (ja) 電子線発生装置、クラスターイオンビーム装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061128

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070605

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070730

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080318

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080331

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110418

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120418

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130418

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140418

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees